JPH0614300Y2 - カセットテープ再生装置におけるリバース機構の始動レバー機構 - Google Patents

カセットテープ再生装置におけるリバース機構の始動レバー機構

Info

Publication number
JPH0614300Y2
JPH0614300Y2 JP4307289U JP4307289U JPH0614300Y2 JP H0614300 Y2 JPH0614300 Y2 JP H0614300Y2 JP 4307289 U JP4307289 U JP 4307289U JP 4307289 U JP4307289 U JP 4307289U JP H0614300 Y2 JPH0614300 Y2 JP H0614300Y2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
lever
tape
gear
sleeve element
pin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP4307289U
Other languages
English (en)
Other versions
JPH02135944U (ja
Inventor
俊幸 小野
龍一 藤江
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Ten Ltd
Original Assignee
Denso Ten Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Ten Ltd filed Critical Denso Ten Ltd
Priority to JP4307289U priority Critical patent/JPH0614300Y2/ja
Publication of JPH02135944U publication Critical patent/JPH02135944U/ja
Application granted granted Critical
Publication of JPH0614300Y2 publication Critical patent/JPH0614300Y2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Transmission Devices (AREA)
  • Supply And Installment Of Electrical Components (AREA)

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案はカセットテープデッキ等のテープ再生装置にお
けるテープ走行方向の切換機構いわゆるリバース機構に
関し、一層詳しくは純機械的リバース機構を始動させる
始動レバー機構に関する。
〔従来の技術〕
純機械的リバース機構の一列として、一対のカセットテ
ープ巻取りリールを交互に駆動リールとして切り換える
タイプのものが知られている。詳しく述べると、この種
の純機械的リバース機構では、一方向に回転駆動する電
動機から歯車列を介して一対のカセットテープ巻取りリ
ールが共に回転駆動されるようになっているが、該歯車
列中に組み込まれた一対のアイドル歯車の切り換えによ
って一対のカセットテープ巻取りリールの一方だけが選
択的に機能するようになっている。要するに、一方のカ
セットテープ巻取りリールが駆動リールとして機能する
とき、他方のカセットテープ巻取りリールは従動リール
として機能し、それら機能を逆転させることによって、
カセットテープは順方向にも逆方向にも走行させられ、
これによりカセットテープの向きを入れ換えることなく
その両面を再生し得ることになる。
かかる純機械的リバース機構においては、一対のアイド
ル歯車の切換のために、直径方向に対向する位置に欠歯
部を有するテープ走行切換歯車が使用される。詳しく述
べると、テープ走行切換歯車には一対のアイドル歯車の
切換を行うアイドル歯車切換リンク機構の一端が連結さ
れ、一方該テープ走行切換歯車には駆動小歯車(この駆
動小歯車は上述の電動機から適当な歯車列を介して回転
駆動される)が噛み合わされる。テープ走行切換歯車は
その欠歯部のいずれかに駆動小歯車を受け入れている状
態すなわち該駆動小歯車から回転駆動力を受けない状態
でロック手段によってロックされ、このときアイドル歯
車切換リンク機構は一方のアイドル歯車を作動位置に、
また他方のアイドル歯車を非作動位置に変位させ、これ
により一対のカセットテープ巻取りリールの一方が駆動
リールとして、また他方のカセットテープ巻取りリール
が従動リールとして機能し、その結果テープは一方向に
走行させられることになる。
このようなテープ走行を切り換えるためには、一対のア
イドル歯車の作動/非作動関係を切り換えて一対のカセ
ットテープ巻取りテープの駆動/従動関係を逆転させれ
ばよく、それは上述のロック手段を一旦解除することに
よって行われる。詳しく述べると、ロック手段が解除さ
れると、テープ走行切換歯車は回転自在となって、その
欠歯部に受けられていた駆動小歯車が該テープ走行切換
歯車の一方の歯部と噛み合い、これによりテープ走行切
換歯車は回転させられることになる。テープ走行切換歯
車が半回転させられと、駆動小歯車がテープ走行切換歯
車の他方の欠歯部に受け入れられ、このときテープ走行
切換歯車は再びロック手段によってロックさせられる。
テープ走行切換歯車が半回転する間、一対のアイドル歯
車の作動/非作動関係はアイドル歯車切換リンク機構に
よって切り換えられて、一対のカセットテープ巻取りリ
ールの駆動/従動関係が逆転させられ、これによりテー
プは逆方向に走行させられることになる。要するに、以
上に述べたような純機械的リバース機構では、ロック手
段が解除される度毎にテープ走行切換歯車が半回転づつ
回転させられ、これによりテープ走行がその都度切り換
えられることになる。
上述のロック手段はロックレバー機構から構成され、こ
のロックレバー機構は第5図に示すようなロック解除レ
バー1によって作動させられる。第5図に示すように、
ロック解除レバー1は2アームレバーとして構成され
て、テープデッキ等のシャーシ(図示されない)に対し
て枢着される。ロック解除レバー1のアームレバー1a
は図示されないロック手段すなわちロックレバー機構側
に接続され、他方のアームレバー1bの先端部からは垂
直片1cが直立する。垂直片1cは二股作動レバー2の
二股部内に係合し、その二股作動レバー2もシャーシに
対して枢着されるが、そこに形成される枢着孔2aは長
孔とされ、これにより二股作動レバー2は第5図におい
て左右方向に所定の範囲内で変位自在となる。ここで注
目すべき点は、二股作動レバー2の二股部の間隔が垂直
片1cの厚さに対して充分な広さとされている点である
が、この技術的な意味については後述することにする。
二股作動レバー2はテープ早送りレバーいわゆるFFレ
バー3とテープ巻戻しレバーいわゆるREWレバー4と
の先端部3aおよび4aに第5図に示すような態様で係
合させられる。詳しく述べると、二股作動レバー2の後
方部すなわち二股部の反対側の部分は湾曲した形状とさ
れ、その湾曲後方部にはFFレバー3の先端部3aとR
EWレバー4の先端部4aが挟み込むような態様で係合
させられる。また、ここで注目すべき点は、先端部3a
および4aの間隔が二股作動レバー2の湾曲後方部の横
幅よりも幾分小さくされる点であるが、この技術的な意
味についても後述される。
テープ早送りレバーすなわちFFレバー3は言うまでも
なくテープを早送りする際の作動レバーとして用いられ
るものであり、それはシャーシの一側辺に沿って摺動自
在に延在させられる。FFレバー3の他端(図示されな
い)はテープデッキ等のパネルから突出し、そこには早
送り釦が装着される。FFレバー3は第5図において左
方側(すなわち、テープデッキ等のパネル側)に向かっ
て弾性的に付勢された状態とされ、このときFFレバー
3の先端部3aは二股作動レバー2に対して第5図に示
すような位置を取る。一方、テープ巻戻しレバーすなわ
ちREWレバー4は言うまでもなくテープを巻戻しする
際の作動レバーとして用いられるものであり、それはF
Fレバー3と重なり合うようにその上側で摺動自在に延
在させられる。FFレバー3の場合と同様に、REWレ
バー4の他端(図示されない)もテープデッキ等のパネ
ルから突出し、そこには巻戻し釦が装着され、このとき
巻戻し釦は早送り釦と隣接した状態で配置される。ま
た、REWレバー4もFFレバー3の場合と同様に第5
図において左方側(すなわち、テープデッキ等のパネル
側)に向かって弾性的に付勢された状態とされ、このと
きREWレバー4の先端部4aは二股作動レバー2に対
して第5図に示すような位置を取る。
二股作動レバー2はFFレバー3とREWレバー4とが
それら釦でもって同時に押し込まれたときだけ機能して
ロック解除レバー1を作動させることになる。すなわ
ち、FFレバー3およびREWレバー4がそれぞれ単独
に押し込まれたときは、テープ早送りあるいはテープ巻
戻しが行われるが、それら両レバーの同時押しによって
テープ走行(再生時ありは録音時)の逆転が行われるこ
とになる。詳しく述べると、FFレバー3が押し込まれ
たとき、その先端部3aは第5図において右方に変位さ
せられるが、このとき二股作動レバー2は半時計方向に
回動させられるだけでロック解除レバー1には何等の作
用も及ぼすことはない。なお、先に述べたように、二股
作動レバー2の二股部の間隔が垂直片1cの厚さに対し
て充分に広くされているので、二股作動レバー2が半時
計方向に回動させられたとしても、その二股部の一方が
垂直片1cに当接することはない。また、REWレバー
4が押し込まれたときにも、その先端部4aが第5図に
おいて右方に変位させられ、この場合には二股作動レバ
ー2は時計方向に回動させられるが、このときもFFレ
バー3の場合と同様にロック解除レバー1には何等の作
用も及ぼすことはない。しかしながら、FFレバー3と
REWレバー4とが同様に押し込まれて、それら先端部
3aおよび4aが共に第5図において右方に変位させら
れると、二股作動レバー2は右方に押圧されてロック解
除レバー1を半時計方向に作動させられ、その結果先に
述べたようなテープ走行の逆転が行われることになる。
なお、先に述べたように、二股作動レバー2の湾曲後方
部の横幅は先端部3aおよび4aの間隔よりも幾分狭く
されているので、FFレバー3とREWレバー4との同
時押込みのときだけ二股作動レバー2の右方への押圧が
可能となる。
〔考案が解決しようとする課題〕
さて、純機械的リバース機構を始動させるための上述の
始動レバー機構、すなわちFFレバー、REWレバーお
よび二股作動レバーからなる始動レバー機構において
は、比較的コスト高となるプレス部品である二股作動レ
バーが使用されることが問題点として指摘されている。
純機構的リバース機構を導入したテープデッキ等のテー
プ再生装置は元々廉価品として開発されたものであり、
このため純機械的リバース機構をできるだけ低コストで
製造するためには安価な部品を用いることが望まれ、そ
の結果比較的高価なプレス部品である二股作動レバーの
排除が要求される訳である。
また、二股作動レバーを含む始動レバー機構の別の問題
点として、二股作動レバーを用いた場合にはFFレバー
とREWレバーとに対して該二股作動レバーを摩擦係数
させなければならず、このため摩擦係合部の磨滅に起因
する作動不良がしばしば発生し得る点が指摘されてい
る。
一方、顧客によっては、上述したような純機構的リバー
ス機構の始動を電気式に行い得るようにすることも要求
され、この場合にはロック解除レバーは例えば電磁ソレ
ノイドで作動させられることになる。このように電気式
に始動させられるリバース機構にあっては、FFレバー
およびREWレバーの同時押込みによってリバース機構
を始動させる始動レバー機構は不要なものとなるので、
それを排除することが好ましい。というのは、機械式に
も電気式にもリバース機構を始動し得るようにすると、
ユーザはその操作に混乱を来たし、始動レバー機構の存
在がユーザに却って誤動作を誘発させる結果となるから
である。ところで、電気式に始動されるリバース機構を
持つカセットテープ再生装置と機械式に始動されるリバ
ース機構を持つカセットテープ再生装置との双方を顧客
の要求に応じて製造する場合、その双方のカセットテー
プ再生装置を効率良く製造し得る生産体制を組むことが
重要なポイントとなる。この場合、かかる双方のカセッ
トテープ再生装置の製造のために仕様の異なる部品を多
数用意することは当然回避されなければならいし、また
それぞれのカセットテープ再生装置のために専用の生産
ラインを用意することも当然回避されるべきである。
したがって、本考案の目的は上述したような純機械的リ
バース機構を始動させる始動レバー機構であって、必要
に応じてその機能を消失させ得ると共に安定した作動を
長期に亘って維持し得る比較的安価な始動レバー機構を
提供することである。
〔課題を解決するための手段〕
かかる目的を達成するために、本考案によれば、カセッ
トテープデッキ等のテープ再生装置でテープ走行の切換
を行うリバース機構の始動レバー機構であって、その構
成要素の一部として互いに同一方向に押込み自在となっ
たテープ早送りレバーおよびテープ巻戻しレバーとを包
含し、更に、リバース機構を作動させるべく該リバース
機構に作用する枢着作動レバーと、この枢着作動レバー
に取り付けられたピン要素と、このピン要素に選択的に
遊嵌させられるスリーブ要素およびフランジ付きスリー
ブ要素のいづれか一方と、テープ早送りレバーとテープ
巻戻しレバーとの押込み方向においてピン要素よりも下
流側に配置されたストッパ要素とを包含し、ピン要素は
テープ早送りレバーとテープ巻戻しレバーとの押込み方
向に変位された際に枢着作動レバーを枢動させるような
箇所に配置され、テープ早送りレバーとテープ巻戻しレ
バーとがそれぞれの押込み時にその押込み方向において
スリーブ要素あるいはフランジ付きスリーブ要素の両側
方から係合するようになったカム部を備え、これらカム
部の各々がスリーブ要素の該当側方から係合した際に該
スリーブ要素あるいは該フランジ付きスリーブ要素がそ
の反対側の側方に逃げ得るようになっており、テープ早
送りレバーとテープ巻戻しレバーとが同時に押し込まれ
た際にスリーブあるいはフランジ付きスリーブがピン要
素と共に両カム部によってその押込み方向に変位させら
れるが、フランジ付きスリーブ要素の変位だけがそのフ
ランジとストッパ要素との衝合によって制限されること
を特徴とする始動レバー機構が構成される。
往復切換プレート38はテープ巻取りリール12、14
を結ぶ線と平行に設けられ、各往復切換プレート38に
は所定の間隔で一対の係合突起38a、38bが設けら
れる。往復切換プレート38の位置に応じて、一方の係
合突起38a、38bがキャリヤ30、32の対応する
一端部30a、32aと係合し、それに関連するアイド
ル歯車26、28を分離位置すなわち非作動位置へもた
らすようになっている。第1図に示す状態では、右側の
係合突起38bがキャリヤ32の一端部32aと係合
し、これにより右側のアイドル歯車28は分離位置とな
って、テープ巻取りリール14は従動リールとして機能
する。換言すれば、左側のテープ巻取りリール12が駆
動リールとして機能する。逆に、往復切換プレート38
が左側に来ると、左側の係合突起38aがキャリヤ30
の一端部30aと係合し、これにより左側のアイドル歯
車26が分離位置となって、今度はテープ巻取りリール
12が従動リールとして、また右側のテープ巻取りリー
ル14が駆動リールとして機能することになる。
往復切換プレート38はピン40によってクランクアー
ム42の中間部に連結される。クランクアーム42の一
端はシャーシ10に固定のピン44に連結され、他端の
長孔46はテープ走行切換歯車48に固定したピン50
に連結される。例えば、ピン50が第1図(a)に示した
左上位置から右上位置に移動するとき、往復切換プレー
ト38は右方に移動し、またピン50が右下位置から左
下位置に移動するとき、往復切換プレート38は左方に
移動する。要するに、テープ走行切換歯車48の半回転
毎に往復切換プレート38が往復移動させられ、その結
果テープ走行方向の逆転が行われることになる。なお、
テープ走行切換歯車48にはモータ歯車20から適当な
中間歯車列介して歯車52によって回転駆動力が伝えら
れ、その歯車52はテープ走行切換歯車48に対して駆
動小歯車として機能することになる。
第2図を参照すると、テープ走行切換歯車48の詳細が
示され、それは上部円板54、カムプレート56、欠歯
歯車58および係止円板60の4層構造からなり、これ
らは同一の軸に固定される。なお、かかる4層構造につ
いては、適当な樹脂材料から一体成形品として構成する
ことができる。上部円板54にはピン50が設けら、こ
のピン50が上述したようにクランクアーム42の長孔
46と連結される。カムプレート56には直径方向に対
向する位置にカム山が設けられ、該カムプレート56の
周囲部にはシャーシ10に固定したピン62に取り付け
られたトーションスプリング64が常時カムプレート5
6の周囲に係合させられ、これによりカムプレート56
はその軸線の周りで所定の方向にのみ弾性偏倚力を受け
ることになる。
欠歯車58はそれぞれ直径方向に対向する位置に歯車5
8aと欠歯部58bを有する。従って、モータ歯車20
に連結された中間駆動歯車52(第1図)は、欠歯歯車
58の歯部58aと係合するときに欠歯歯車58を駆動
し、前記テープの走行方向の切り換えを行う。欠歯部5
8bが中間駆動歯車52に対面する位置になると、中間
駆動歯車52は欠歯歯車58を駆動しなくなり、欠歯歯
車58は次に述べるロック手段によってこの位置でロッ
クされることになる。係止円板60は直径方向に対向す
る位置に一対の係止用爪60aを備える。
第3図を参照すると、かかるロック手段すなわちロック
レバー機構が詳細に示されている。このロックレバー機
構では、ロックレバー74がテープ走行切換歯車48に
対して概ね接線方向に配置され、テープ走行切換歯車4
8の取付シャフト48aと平行なピン74aに枢着され
る。ロックレバー74はプレート状の平坦な部材であ
り、第2図の4層構造の係止円板60と同じ平面に配置
され、上部円板54、カムプレート56および欠歯歯車
58の下方の位置にある。ロックレバー74の先端部の
上面には上向き突起76があり、ピン74aと上向き突
起76との間に横突起78がある。この横突起78がテ
ープ走行切換歯車48の係止円板60の係止用爪60a
と係合可能である。
ラチェットレバー80がロックレバー74とほぼ同じ平
面上でロックレバー74とほぼ直交するように配置され
る。ラチェットレバー80はシャーシ10の底壁面等に
沿って摺動可能である。シャーシ10の底壁面にはロッ
ド要素72の延びる方向とほぼ平行な長穴10aが設け
られ、ラチェットレバー80の下面に設けた下向き突起
80aがこの長穴10aに挿入される。下向き突起80
aの大きさは長穴10aの幅よりもわずかに小さく、ラ
チェットレバー80の運動は下向き突起80aと長穴1
0aとの係合関係によって或る程度規制されるが、比較
的に自由である。また、ラチェットレバー80の運動は
シャーシ10の側壁面によっても或る程度規制される。
ラチェットレバー80の上面には、下向き突起80aと
近接した位置でロッド要素72の一端が係止する突起8
4が設けられる。したがって、ラチェットレバー80は
ロッド要素72の引っ張り方向(矢印D)にほぼ直線方
向に移動する。なお、ロッド要素72の他端は後述する
ように本考案による始動レバー機能に接続され、そのロ
ッド要素72を介して、ロックレバー機構が作動させら
れることになる。
ラチェットレバー80は中間部の線81で示される領域
で段付きに形成され、高い段をなす先端部領域の側面に
はロックレバー74の端部の上向き突起76と係合する
横突起82が設けられる。ロックレバー74の先端の壁
はラチェットレバー80の高い段部壁の下になって、こ
れらが干渉することはない。さらに、ラチェットレバー
80の上面には、第1のスプリング86の一端を係止す
る突起88と、第2のスプリング90の一端を係止する
突起92とが設けられる。第1のスプリング86の他端
はロックレバー74の突起94に係止される。第1のス
プリング86はロックレバー74をテープ走行切り換え
歯車48の係止円板60の係止用爪60aに向かって付
勢すると共に、ラチェットレバー80をロックレバー7
4に向かって付勢する。また、第2のスプリング90の
他端はシャーシ10に固定される。第2のスプリング9
0はラチェットレバー80をロッド要素72の引っ張り
方向とは反対方向に付勢する。したがって、通常は、ロ
ックレバー74は第1のスプリング86に付勢され、横
突起78がテープ走行切換歯車48の係止用爪60aと
係合して、欠歯部58bが中間駆動歯車52に対面する
位置(第1図)でテープ走行切換歯車48をロックする
が、このときテープ走行切換歯車48をトーションスプ
リング64によってが時計回りの回転方向に弾性的に偏
倚される。
さらに、第1図を参照すると、磁気ヘッド100がヘッ
ド取付プレート102に取り付けられ、このヘッド取付
プレート102はピン104に旋回可能に取り付けら
れ、かつ三角形の連結プレート106を含む。連結プレ
ート106は往復切換プレート38の下方から同往復切
換プレート38に設けた案内孔38cを上方に突出する
ピン106aを有し、これにより往復切換プレート38
が第1図で水平方向に往復運動するときに連結プレート
106(ヘッド取付プレート102)がピン104を中
心として時計回り、又は反時計回りに旋回可能である。
ピン104にはスプリング108が支持され、スプリン
グ108はストッパ110、112に当接してほぼ直線
状の形状で固定される。一対のピンチローラ114、1
16が磁気ヘッド100の両側に配置される。各ピンチ
ローラ114、116はピン118a、118bに回転
可能に取り付けたアーム120a、120bに支持さ
れ、各ピン118a、118bはシャーシ10に取り付
けられる。ピンチローラ114、116と関連してキャ
プスタイン122a、122bが設けられ、磁気テープ
がピンチローラ114とキャプスタイン122aの間、
およびピンチローラ116とキャプスタイン122bの
間に通され、その間に磁気ヘッド100と接触する。ス
プリング108の各端部がそれぞれアーム120a、1
20bに係合可能であり、例えばヘッド取付プレート1
02が時計回りに旋回すると、スプリング108の左端
部が左側のピンチローラ114を関連するキャプスタイ
ン122aに接触させ、右側のピンチローラ116を関
連するキャプスタイン122bから離させる。逆にヘッ
ド取りつけプレート102が反時計回りに旋回すると、
右側のピンチローラ116が接触し、左側のピンチロー
ラ114が離れる。こうして、駆動側となるテープ巻取
りリール12、14と応じて一方のピンチローラ11
4、116が作動状態になり、磁気テープの走行方向に
応じたアジマス調整を行うことができる。
上述したロックレバー機構は本考案による始動レバー機
構によって作動させられ、その始動レバーは第1図にお
いて参照番号200で全体的に示される。
始動レバー機構200はその構成要素の一部としてテー
プ早送りレバーすなわちFFレバー201とテープ巻戻
しレバーすなわちREWレバー202とを包含する。F
Fレバー201とREWレバー202とは互いに重ね合
わされた状態でシャーシ10の一側辺部に沿って摺動自
在に支持され、しかも磁気ヘッド100よりも高いレベ
ルに配置される。FFレバー201とREWレバー20
2とはほぼ同様な形状を備え、しかもFFレバー201
はREWレバー202の上側に配置されるので、第1図
ではREWレバー202の一部だけしか見ることができ
ない。FFレバー201の一端201aには押込み釦
(図示されない)が取り付けられるようになっており、
その押込み釦でもってFFレバー201aは第1図にお
いて右方に変位させられることになる。同様に、REW
レバー202の一端202aにも押込み釦(図示されな
い)が取り付けられるようになっており、その押込み釦
でもってREWレバー202も第1図において右方に変
位させられることになる。FFレバー201およびRE
Wレバー202のそれぞれには直立突起片201bおよ
び202bが設けられ、これら直立突起片201bおよ
び202bには部分的に図示する引張りスプリング20
1cおよび202cの一端が取り付けられる。このよう
な両引張りスプリング201cおよび202cの作用に
より、FFレバー201およびREWレバー202は共
に第1図に示す位置に弾性的偏倚された状態となり、こ
のため両レバーの押込みはそれぞれの該当引張りスプリ
ング201c、202cの弾性力に抗して行われること
になる。なお、直立突起片202bはFFレバー201
に形成された細長スロット201dを通って上方に突出
させられる。
REWレバー202の下側には枢着作動レバー203が
配置され、この枢着作動レバー203はシャーシ10か
ら直立した枢着ピン203aの頂部端に枢着される。枢
着ピン203aの高さについては、枢着レバー203が
REWレバー202の直下となるようにされる。枢着レ
バー203の一部からは垂直片203bが吊下し、その
下端にロック要素72が枢着させられる。要するに、枢
着作動レバー203は上述のロックレバー機構のロック
状態を解除させるためのロック解除レバーとして機能す
ることになる。
枢着作動レバー203はFFレバー201とREWレバ
ー202と重なり合い、その重なり箇所で該両レバーに
は略矩形上の開口分201′および202′が形成され
る。なお、第1図から明らかなように、FFレバー20
1の開口分201′と細長スロット201dとは互いに
連通させられる。枢着作動レバー203にはピン要素2
03cが取り付けられ、このピン要素203cは開口部
201′および202′内で直立させられる。ピン要素
203cにはスリーブ要素203dが遊嵌させられ、こ
のスリーブ要素203dはFFレバー201の開口部2
01′内に張り出したカム部201eと、REWレバー
202の開口部202′内に張り出したカム部202e
とに係合するようになっている。詳しく述べると、カム
部201eおよび202eはFFレバー201とREW
レバー202との押込み時にその押込み方向においてス
リーブ要素203dの両側方から係合し、このためカム
部201eおよび202eの各々がスリーブ要素203
dの該当側方から係合した際に該スリーブ要素203d
はその反対側の側方に逃げ得るようになっているので、
スリーブ要素203dはピン要素203cに何等の作用
も及ぼすことはできない。しかしながら、FFレバー2
01とREWレバー202とが同時に押し込まれて、そ
れらのカム部201eおよび202eが同時にスリーブ
要素203dに係合させられると、該スリーブ要素20
3dは逃げ場を失ってFFレバー201とREWレバー
202との押込み方向に変位させられ、これに伴ってピ
ン要素203cも該押込み方向に変位させられる。その
結果、枢着作動レバー203が反時計方向(第1図)に
枢動させられ、これにより上述のロックレバー機構(第
3図)が解除されて、上述のリバース機構が作動させら
れることになる。
〔考案の効果〕
以上の記載から明らかなように、本考案による始動レバ
ー機構では、従来の二股作動レバーに比べて低コストの
スリーブ要素を用いることにより、枢着作動レバーすな
わちロック解除レバーの作動を行わすことが可能であ
り、その結果純機械的リバース機構全体の低コスト化に
寄与し得ることになる。また、本考案による始動レバー
機構では、スリーブ要素からは積極的な摩擦係合を排除
されるので、その安定した作動性は長期に亘って維持さ
れ得る。
〔作用〕
以上の構成から明らかなように、本考案による始動レバ
ー機構においては、テープ早送りレバーとテープ巻戻し
レバーとの両カム部の各々がスリーブ要素の該当側方か
ら係合した際にはスリーブ要素あるいはフランジ付きス
リーブ要素はその反対側の側方に逃げ得ることになるの
で、スリーブ要素あるいはフランジ付きスリーブ要素は
ピン要素を変位させるような作用を及ぼし得ないが、テ
ープ早送りレバーとテープ巻戻しレバーとが同時に押し
込まれて、それらの両カム部が同時にスリーブ要素ある
いはフランジ付きスリーブ要素に係合させられると、ス
リーブ要素あるいはフランジ付きスリーブ要素は逃げ場
を失ってテープ早送りレバーとテープ巻戻しレバーとの
押込み方向に変位させられ、これに伴ってピン要素もそ
の押込み方向に変位させられることになる。ピン要素に
スリーブ要素が遊嵌されている場合には、スリーブ要素
はストッパ要素と衝合することなくピン要素と共に充分
に変位させられ、このため枢着作動レバーはリバース機
構を作動させる位置まで枢動させられることになるが、
一方ピン要素にフランジ付きスリーブ要素が遊嵌されて
いる場合には、フランジ付きスリーブ要素の変位はその
フランジとストッパ要素との衝合によって制限されるの
で、ピン要素は充分に変位されず、このため枢着作動レ
バーがリバース機構を作動させる位置まで枢動させられ
ることはない。要するに、ピン要素にスリーブ要素およ
びフランジ付きスリーブ要素のいずれを遊嵌させるかだ
けで、本考案による始動レバー機構の機能を発揮させる
かあるいは消失させるかが選択され、一方ピン要素にス
リーブ要素およびフランジ付きスリーブ要素のいずれを
遊嵌させても、テープ早送りレバーおよびテープ巻戻し
レバーの個々の機能自体が失われることはない。
〔実施例〕
次に、添付図面の第1図(a)、(b)および(c)ならびに第
2図ないし第4図を参照して、本考案による始動レバー
機能の一実施例について説明する。
先ず、第1図(a)を参照すると、本考案による始動レバ
ー機構を組み込んだ純機能的リバース機構を持つカセッ
トテープデッキの概略構成が示されている。
第1図(a)において、カセットテープデッキのシャーシ
10には、カセットテープ(図示せず)を取り付けるた
めに一対のテープ巻取りリール12、14が回転自在に
取り付けられ、リール駆動用歯車16、18がテープ巻
取りリール12、14のそれぞれに固定される。電動機
18はシャーシ10に取り付けられ、モータ歯車20は
電動機18の出力軸に取り付けられる。リール駆動用歯
車16、18は一部を省略した歯車列を介してモータ歯
車20に連結される。該歯車列には一対の噛み合った同
じ歯車22、24が含まれ、これら歯車22、24は相
互に噛み合っているので逆方向に回転する。
アイドル歯車26、28はそれぞれリール駆動用歯車1
6と歯車22の間、およびリール駆動用歯車18と歯車
24の間に配置され、しかもそれぞれダブルアームレバ
ー状のキャリヤ30、32に取り付けられる。各キャリ
ヤ30、32はそれぞれテープ巻取りリール12、14
と同軸線上に旋回可能に取り付けられ、各アイドル歯車
26、28をそれぞれリール駆動用歯車16と歯車2
2,およびリール駆動用歯車18と歯車24を連結させ
る位置と、これらの歯車を分離させる位置とを取ること
ができる。スプリング34はキャリヤ30、32の各一
端部30a、32aを連結し、各アイドル歯車26、2
8をそれぞれ前記連結位置へ向かって付勢する。ストッ
パ36はキャリヤ30、32の各他端部30b、32b
と係合可能に設けられ、その係合時に各アイドル歯車2
6、28を前記連結位置で受けるようになっている。
往復切換プレート38はテープ巻取りリール12、14
を結ぶ線と平行に設けられ、各往復切換プレート38に
は所定の間隔で一対の係合突起38a、38bが設けら
れる。往復切換プレート38の位置に応じて、一方の係
合突起38a、38bがキャリヤ30、32の対応する
一端部30a、32aと係合し、それに関連するアイド
ル歯車26、28を分離位置すなわち非作動位置へもた
らすようになっている。第1図(a)に示す状態では、右
側の係合突起38bがキャリヤ32の一端部32aと係
合し、これにより右側のアイドル歯車28は分離位置と
なって、テープ巻取りリール14は従動リールとして機
能する。換言すれば、左側のテープ巻取りリール12が
駆動リールとして機能する。逆に、往復切換プレート3
8が左側に来ると、左側の係合突起38aがキャリヤ3
0の一端部30aと係合し、これにより左側のアイドル
歯車26が分離位置となって、今度はテープ巻取りリー
ル12が従動リールとして、また右側のテープ巻取りリ
ール14が駆動リールとして機能することになる。
往復切換プレート38はピン40によってクランクアー
ム42の中間部に連結される。クランクアーム42の一
端はシャーシ10に固定のピン44に連結され、他端の
長孔46はテープ走行切換歯車48に固定したピン50
に連結される。例えば、ピン50が第1図(a)に示した
左上位置から右上位置に移動するとき、往復切換プレー
ト38は右方に移動し、またピン50が右下位置から左
下位置に移動するとき、往復切換プレート38は左方に
移動する。要するに、テープ走行切換歯車48の半回転
毎に往復切換プレート38が往復移動させられ、その結
果テープ走行方向の逆転が行われることになる。なお、
テープ走行切換歯車48にはモータ歯車20から適当な
中間歯車列介して歯車52によって回転駆動力が伝えら
れ、その歯車52はテープ走行切換歯車48に対して駆
動小歯車として機能することになる。
第2図を参照すると、テープ走行切換歯車48の詳細が
示され、それは上部円盤54、カムプレート56、欠歯
歯車58および係止円板60の4層構造からなり、これ
らは同一の軸に固定される。なお、かかる4層構造につ
いては、適当な樹脂材料から一体成形品として構成する
ことができる。上部円板54にはピン50が設けら、こ
のピン50が上述したようにクランクアーム42の長孔
46と連結される。カムプレート56には直径方向に対
向する位置にカム山が設けられ、該カムプレート56の
周囲部にはシャーシ10に固定したピン62に取り付け
られたトーションスプリング64が常時カムプレート5
6の周囲に係合させられ、これによりカムプレート56
はその軸線の周りで所定の方向にのみ弾性偏倚力を受け
ることになる。
欠歯歯車58はそれぞれ直径方向に対向する位置に歯車
58aと欠歯部58bを有する。従って、モータ歯車2
0に連結された中間駆動歯車52(第1図(a))は、欠
歯歯車58の歯部58aと係合するときに欠歯歯車58
を駆動し、前記テープの走行方向の切り換えを行う。欠
歯部58bが中間駆動歯車52に対面する位置になる
と、中間駆動歯車52は欠歯歯車58を駆動しなくな
り、欠歯歯車58は次に述べるロック手段によってこの
位置でロックされることになる。係止円板60は直径方
向に対向する位置に一対の係止用爪60aを備える。
第3図を参照すると、かかるロック手段すなわちロック
レバー機構が詳細に示されている。このロックレバー機
構では、ロックレバー74がテープ走行切換歯車48に
対して概ね接線方向に配置され、テープ走行切換歯車4
8の取付シャフト48aと平行なピン74aに枢着され
る。ロックレバー74はプレート上の平坦な部材であ
り、第2図の4層構造の係止円板60と同じ平面に配置
され、上部円板54、カムプレート56および欠歯歯車
58の下方の位置にある。ロックレバー74の先端部の
上面には上向き突起76があり、ピン74aと上向き突
起76との間に横突起78がある。この横突起78がテ
ープ走行切換歯車48の係止円板60の係止用爪60a
と係合可能である。
ラチェットレバー80がロックレバー74とほぼ同じ平
面上でロックレバー74とほぼ直交するように配置され
る。ラチェットレバー80はシャーシ10の底壁面等に
沿って摺動可能である。シャーシ10の底壁面にはロッ
ド要素72の延びる方向とほぼ平行な長穴10aが設け
られ、ラチェットレバー80の下面に設けた下向き突起
80aがこの長穴10aに挿入される。下向き突起80
aの大きさは長穴10aの幅よりもわずかに小さく、ラ
チェットレバー80の運動は下向き突起80aと長穴1
0aとの係合関係によって或る程度規制されるが、比較
的に自由である。また、ラチェットレバー80の運動は
シャーシ10の側壁面によっても或る程度規制される。
ラチェットレバー80の上面には、下向き突起80aと
近接した位置でロッド要素72の一端が係止する突起8
4が設けられる。したがって、ラチェットレバー80は
ロッド要素72の引っ張り方向(矢印D)にほぼ直線方
向に移動する。なお、ロッド要素72の他端は後述する
ように本考案による始動レバー機構に接続され、そのロ
ッド要素72を介して、ロックレバー機構が作動させら
れることになる。
ラチェットレバー80は中間部の線81で示される領域
で段付きに形成され、高い段をなす先端部領域の側面に
はロックレバー74の端部の上向き突起76と係合する
横突起82が設けられる。ロックレバー74の先端の壁
はラチェットレバー80の高い段部壁の下になって、こ
れらが若干することはない。さらに、ラチェットレバー
80の上面には、第1のスプリング86の一端を係止す
る突起88と、第2のスプリング90の一端を係止する
突起92とが設けられる。第1のスプリング86の他端
はロックレバー74の突起94に係止される。第1のス
プリング86はロックレバー74をテープ走行切り換え
歯車48の係止円板60の係止用爪60aに向かって付
勢すると共に、ラチェットレバー80をロックレバー7
4に向かって付勢する。また、第2のスプリング90の
他端はシャーシ10に固定される。第2のスプリング9
0はラチェットレバー80をロッド要素72の引っ張り
方向とは反対方向に付勢する。したがって、通常は、ロ
ックレバー74は第1のスプリング86に付勢され、横
突起78がテープ走行切換歯車48の係止用爪60aと
係合して、欠歯部58bが中間駆動歯車52に対面する
位置(第1図(a))でテープ走行切換歯車48をロック
するが、このときテープ走行切換歯車48はトーション
スプリング64によってが時計回りの回転方向に弾性的
に偏倚される。
さらに、第1図(a)を参照すると、磁気ヘッド100が
ヘッド取付プレート102に取り付けられ、このヘッド
取付プレート102はピン104に旋回可能に取り付け
られ、かつ三角形の連結プレート106を含む。連結プ
レート106は往復切換プレート38の下方から同往復
切換プレート38に設けた案内孔38cを上方に突出す
るピン106aを有し、これにより往復切換プレート3
8が第1図(a)で水平方向に往復運動するときに連結プ
レート106(ヘッド取付プレート102)がピン10
4を中心として時計回り、又は反時計回りに旋回可能で
ある。
ピン104にはスプリング108が支持され、スプリン
グ108はストッパ110、112に当接してほぼ直線
上の形状で固定される。一対のピンチローラ114、1
16が磁気ヘッド100の両側に配置される。各ピンチ
ローラ114、116はピン118a、118bに回転
可能に取り付けたアーム120a、120bに支持さ
れ、各ピン118a、118bはシャーシ10に取り付
けられる。ピンチローラ114、116と関連してキャ
プスタイン122a、122bが設けられ、磁気テープ
がピンチローラ114とキャプスタイン122aの間、
およびピンチローラ116とキャプスタイン122bの
間に通され、その間に磁気ヘッド100と接触する。ス
プリング108の各端部がそれぞれアーム120a、1
20bに係合可能であり、例えばヘッド取付プレート1
02が時計回りに旋回すると、スプリング108の左端
部が左側のピンチローラ114を関連するキャプスタイ
ン122aに接触させ、右端のピンチローラ116を関
連するキャプスタイン122bから離せる。逆にヘッド
取りつけプレート102が反時計回りに旋回すると、右
側のピンチローラ116が接触し、左側のピンチローラ
114が離れる。こうして、駆動側となるテープ巻取り
リール12、14と応じて一方のピンチローラ114、
116が作動状態になり、磁気テープの走行方向に応じ
たアジマス調整を行うことができる。
上述したロックレバー機構は本考案による始動レバー機
構によって作動させられ、その始動レバーは第1図(a)
において参照番号200で全体的に示される。
始動レバー機構200はその構成要素の一部としてテー
プ早送りレバーすなわちFFレバー201とテープ巻戻
しレバーすなわちREWレバー202とを包含する。F
Fレバー201とREWレバー202とは互いに重ね合
わされた状態でシャーシ10の一側辺部に沿って摺動自
在に支持され、しかも磁気ヘッド100よりも高いレベ
ルに配置される。FFレバー201とREWレバー20
2とはほぼ同様な形状を備え、しかもFFレバー201
はREWレバー202の上側に配置されるので、第1図
(a)ではREWレバー202の一部だけしか見ることが
できない。FFレバー201の一端201aには押込み
釦(図示されない)が取り付けられるようになってお
り、その押込み釦でもってFFレバー201aは第1図
(a)において右方に変位させられることになる。同様
に、REWレバー202の一端202aにも押込み釦
(図示されない)が取り付けられるようになっており、
その押込み釦でもってREWレバー202も第1図(a)
において右方に変位させられることになる。FFレバー
201およびREWレバー202のそれぞれには直立突
起片201bおよび202bが設けられ、これら直立突
起片201bおよび202bには部分的に図示する引張
りスプリング201cおよび202cの一端が取り付け
られる。このような両引張りスプリング201cおよび
202cの作用により、FFレバー201およびREW
レバー202は共に第1図(a)に示す位置に弾性的偏倚
された状態となり、このため両レバーの押込みはそれぞ
れの該当引張りスプリング201c、202cの弾性力
に抗して行われることになる。なお、直立突起片202
bはFFレバー201に形成された細長スロット201
dを通って上方に突出させられる。
REWレバー202の下側には枢着作動レバー203が
配置され、この枢着作動レバー203はシャーシ10か
ら直立した枢着ピン203aの頂部端に枢着される。枢
着ピン203aの高さについては、枢着作動レバー20
3がREWレバー202の直下となるようにされる。枢
着作動レバー203の一部からは垂直片203bが吊下
し、その下端にロック要素72が枢着させられる。要す
るに、枢着作動レバー203は上述のロックレバー機構
のロック状態を解除させるためのロック解除レバーとし
て機能することになる。
枢着作動レバー203はFFレバー201とREWレバ
ー202と重なり合い、その重なり箇所で該両レバーに
は略矩形上の開口分201′および202′が形成され
る。なお、第1図(a)から明らなるように、FFレバー
201の開口分201′と細長スロット201dとは互
いに連通させられる。枢着作動レバー203にはピン要
素203cが取り付けられ、このピン要素203cは開
口分201′および202′内で直立させられる。ピン
要素203cにはスリーブ要素203dが遊嵌させら
れ、このスリーブ要素203dはFFレバー201の開
口分201′内に張り出したカム部201eと、REW
レバー202の開口部202′内に張り出したカム部2
02eとに係合するようになっている。詳しく述べる
と、カム部201eおよび202eはFFレバー201
とREWレバー202との押込み時にその押込み方向に
おいてスリーブ要素203dの両側方から係合し、この
ためカム部201eおよび202eの各々がスリーブ要
素203dの該当側方から係合した際に該スリーブ要素
203dはその反対側の側方に逃げ得るようになってい
るので、スリーブ要素203dはピン要素203cに何
等の作用も及ぼすことはできない。しかしながら、FF
レバー201とREW202とが同時に押し込まれて、
それらのカム部201eおよび202eが同時にスリー
ブ要素203dに係合させられると、該スリーブ要素2
03dは逃げ場を失ってFFレバー201とREWレバ
ー202との押込み方向に変位させられ、これに伴って
ピン要素203cも該押込み方向に変位させられる。そ
の結果、枢着作動レバー203が反時計方向(第1図
(a))に枢動させられ、これにより上述のロックレバー
機構(第3図)が解除されて、上述のリバース機構が作
動させられることになる。
第1図(a)では、本考案による始動レバー機構はその本
体の機能を発揮することになるが、スリーブ要素203
dの代わりに、第1図(b)に示すようなフランジ付きス
リーブ要素204が用いられると、本考案による始動レ
バー機構の機能は消失させられることになる。フランジ
付きスリーブ要素204はスリーブ要素203dと同じ
寸法を持つスリーブ部分204aと、このスリーブ部分
204aの底部に一体的に取り付けられたフランジ部分
204bとから構成される。第1図(c)に示すように、
フランジ付きスリーブ要素204はそのフランジ部分2
04bを下側にした状態でピン要素203cに遊嵌させ
られ、このときフランジ部分204bはREWレバー2
02の下面よりも下側の位置を取ることになる。一方、
FFレバー201およびREWレバー202の押込み方
向においてピン要素203cの下流側にはストッパ要素
205がフランジ付きスリーブ要素204のフランジ部
分204aと同じ高さレベルで配置される。換言すれ
ば、ストッパ要素205は枢着作動レバー203の上面
の直ぐ上方をFFレバー201およびREWレバー20
2の押込み方向に対して直角に横切るように延在させら
れる。ストッパ要素205は例えばシャーシ10の側壁
部から片持ち梁の態様で支持され、そのストッパ要素2
05については、好ましくは、シャーシ10の側壁部に
切込みを入れて細長の板片状部を形成し、それを直角に
内側に折り曲げることによって構成することができる。
フランジ付きスリーブ205をピン要素203cに遊嵌
させた構成では、FFレバー201とREWレバー20
2とを同時に押し込むと、スリーブ要素203dの場合
と同様に、フランジ付きスリーブ205も逃げ場を失っ
てFFレバー201とREWレバー202との押込み方
向に変位させられるが、フランジ付きスリーブ205の
フランジ部分204bは直ぐにストッパ要素205と衝
合し、このためFFレバー201とREWレバー202
との同時押込みは事実上不可能となる。その結果、ピン
要素203cは変位されないので、枢着作動レバー20
3が枢動させられることはない。要するに、フランジ付
きスリーブ要素204の使用により、始動レバー機構は
その機能を失うことになる。なお、FFレバー201と
REWレバー202とがそれぞれ単独に押し込まれた際
には、それぞれのカム部201e、202eはフランジ
付きスリーブ要素204のスリーブ部分204aとその
側方から係合し、このときフランジ付きスリーブ要素2
04はその係合箇所とは反対側の側方に逃がされるの
で、FFレバー201およびREWレバー202の個々
の機能はスリーブ203dを用いた場合と同様に発揮さ
れることになる。
〔考案の効果〕
以上の記載から明らかなように、本考案によれば、スリ
ーブ要素およびフランジ付きスリーブ要素のいずれかを
選択するだけ、始動レバー機構の機能を発揮させること
も消失させることも可能である。したがって、顧客の要
素に応じて、電気式に始動させられるリバース機構を持
つカセットテープ再生装置でも、機械式に始動させられ
るリバース機構をもつカセットテープ再生装置でも効率
的にしかも低コストで製造することが可能となる。
また、スリーブ要素を用いて始動レバー機構の機能を発
揮させた場合には、比較的高価なプレス部品である二股
作動レバーを排除されるという経済的な効果が得られる
だけでなく、スリーブ要素からは積極的な摩擦係合を排
除することにより、安定した作動性が長期に亘って維持
され得ることにもなる。
【図面の簡単な説明】
第1図(a)は本考案による始動レバー機構を組み込んだ
リバース機構を持つカセットテープ再生装置の概略平面
図、第1図(b)はフランジ付きスリーブ要素の立面図、
第1図(c)は第1図のカセットテープ再生装置の一部を
拡大して示す部分拡大平面図であって、そこでスリーブ
要素の代わりにフランジ付きスリーブ要素を用いた例を
示す図、第2図はテープ走行切換歯車を示す分解斜視
図、第3図は第1図(a)のリバース機構のロックレバー
機構の要部を示す部分平面図、第4図は第3図ののII−
II線に沿う断面図、第5図はリバース機構に組み込まれ
る従来の始動レバー機構を示す部分平面図である。 12、14……巻取リール、 26・28……アイドル歯車、 30・32……キャリヤ、 38……往復切換プレート、 42……クランクアーム、 48……テープ走行切換歯車、 52……中間駆動歯車、 58……欠歯歯車、 58a……歯部、 58b……欠歯部、 60……係止円板、 60a……係止用爪、 70……ロック解除レバー、 72……ロッド要素、 74……ロックレバー、 80……ラチェットレバー、 80a……下向き突起、 86・90……スプリング、 100……磁気ヘッド、 200……始動レバー機構、 201……FFレバー、 202……REWレバー、 201′・202′……開口部、 201e・202e……カム部、 203……枢着作動レバー、 203c……ピン要素、 203d……スリーブ要素、 204……フランジ付きスリーブ要素、 205……ストッパ要素。

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】カセットテープデッキ等のテープ再生装置
    でテープ走行の切換を行うリバース機構の始動レバー機
    構であって、その構成要素の一部として互いに同一方向
    に押込み自在となったテープ早送りレバーおよびテープ
    巻戻しレバーとを包含し、更に、前記リバース機構を作
    動させるべく該リバース機構に作用する枢着作動レバー
    と、この枢着作動レバーに取り付けられたピン要素と、
    このピン要素に選択的に遊嵌させられるスリーブ要素お
    よびフランジ付きスリーブ要素のいづれか一方と、前記
    テープ早送りレバーと前記テープ巻戻しレバーとの押込
    み方向において前記ピン要素よりも下流側に配置された
    ストッパ要素とを包含し、前記ピン要素は前記テープ早
    送りレバーと前記テープ巻戻しレバーとの押込み方向に
    変位された際に前記枢着作動レバーを枢動させるような
    箇所に配置され、前記テープ早送りレバーと前記テープ
    巻戻しレバーとがそれぞれの押込み時にその押込み方向
    において前記スリーブ要素あるいは前記フランジ付きス
    リーブ要素の両側方から係合するようになったカム部を
    備え、これらカム部の各々が前記スリーブ要素の該当側
    方から係合した際に該スリーブ要素あるいは該フランジ
    付きスリーブ要素がその反対側の側方に逃げ得るように
    なっており、前記テープ早送りレバーと前記テープ巻戻
    しレバーとが同時に押し込まれた際に前記スリーブある
    いは前記フランジ付きスリーブが前記ピン要素と共に前
    記両カム部によってその押込み方向に変位させられる
    が、前記フランジ付きスリーブ要素の変位だけがそのフ
    ランジと前記ストッパ要素との衝合によって制限される
    ことを特徴とする始動レバー機構。
JP4307289U 1989-04-14 1989-04-14 カセットテープ再生装置におけるリバース機構の始動レバー機構 Expired - Lifetime JPH0614300Y2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4307289U JPH0614300Y2 (ja) 1989-04-14 1989-04-14 カセットテープ再生装置におけるリバース機構の始動レバー機構

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4307289U JPH0614300Y2 (ja) 1989-04-14 1989-04-14 カセットテープ再生装置におけるリバース機構の始動レバー機構

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH02135944U JPH02135944U (ja) 1990-11-13
JPH0614300Y2 true JPH0614300Y2 (ja) 1994-04-13

Family

ID=31555173

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4307289U Expired - Lifetime JPH0614300Y2 (ja) 1989-04-14 1989-04-14 カセットテープ再生装置におけるリバース機構の始動レバー機構

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0614300Y2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH02135944U (ja) 1990-11-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4227223A (en) Auto-repeat mechanism for cassette tape recorder
JPS5856166B2 (ja) テ−プレコ−ダ
JPS6143773B2 (ja)
JPS5946055B2 (ja) 記録再生装置
JPH0725870Y2 (ja) テ−プレコ−ダ
JPH0614300Y2 (ja) カセットテープ再生装置におけるリバース機構の始動レバー機構
US5276567A (en) Tape player
US4581665A (en) Mode changing mechanism for a tape player
EP0215627B1 (en) Auto-reverse tape recording apparatus
US4178809A (en) Mode change-over device for recording and/or reproducing apparatus
JPS6032899B2 (ja) 駆動切換え装置
JPH0614301Y2 (ja) カセットテープ再生装置におけるリバース機構の始動レバー機構
JPH0614304Y2 (ja) カセットテープ再生装置のリバース機構
JPS6125092Y2 (ja)
JPH045077Y2 (ja)
JPS6238782B2 (ja)
JPH034986Y2 (ja)
JPS5832251A (ja) テ−プレコ−ダ−の録音装置
JPH045074Y2 (ja)
JPS5819715Y2 (ja) 磁気記録再生装置
JPH0670863B2 (ja) リバ−ス式テ−プレコ−ダのトランスポ−ト
JPH0725871Y2 (ja) テープレコーダ
JPS6128266Y2 (ja)
JPH0610513Y2 (ja) テ−プレコ−ダ
JPH0670862B2 (ja) リバ−ス式テ−プレコ−ダのトランスポ−ト

Legal Events

Date Code Title Description
EXPY Cancellation because of completion of term