JPH06142938A - ホィール用アルミニウム合金のdc−バット溶接方法とホィール用アルミニウム合金素管 - Google Patents

ホィール用アルミニウム合金のdc−バット溶接方法とホィール用アルミニウム合金素管

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JPH06142938A
JPH06142938A JP30931292A JP30931292A JPH06142938A JP H06142938 A JPH06142938 A JP H06142938A JP 30931292 A JP30931292 A JP 30931292A JP 30931292 A JP30931292 A JP 30931292A JP H06142938 A JPH06142938 A JP H06142938A
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JP
Japan
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aluminum alloy
upslope
welding
cycles
point
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Application number
JP30931292A
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English (en)
Inventor
Shoshi Koga
古賀詔司
Masakazu Hirano
平野正和
Seiji Sasabe
笹部誠二
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 直流バット溶接によってホィール用アルミニ
ウム合金の良好な溶接継手を得る技術を提供する。 【構成】 5000系又は6000系等々のアルミニウ
ム合金の直流バット溶接において、材料を突合せ後、ア
ルミニウム合金の導電率に応じ、本溶接電流(2次電流)
までの初期電流時間(アップスロープ)を図1に示す点A
(導電率:25%、アップスロープ:3サイクル)、点B
(導電率:25%、アップスロープ:20サイクル)、点
C(導電率:60%、アップスロープ:120サイク
ル)、点D(導電率:60%、アップスロープ:10サイ
クル)、点E(導電率:35%、アップスロープ:3サイ
クル)を結ぶ線で囲まれた範囲内の値に設定し、溶接を
行うことを特徴としている。アップスロープ後、本溶接
電流による溶接に際し、アプセットの時の突合せ材料の
移動速度が100mm/sec以上で溶接すること、或いは
初期電極間隔を30〜15mm、最終電極間隔を15〜5
mmに設定することが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車等のホィール用
アルミニウム合金及びその素材の溶接方法に関し、特に
直流バット溶接法により、溶接後の加工において成形加
工性、特にスピニング加工性に優れ、高い溶接強度が得
られる溶接方法及び同方法において製造されるホィール
用素材に関するものである。
【0002】ここで、直流バット溶接とは、接合面に直
流電流を印加しつつ、圧力を印加して溶接接合する方法
であり、従来、交流電流を印加しフラッシュを5〜10
秒間発生させつつ加圧して溶接接合を行う方法とは、原
理的には異なる方法である。
【0003】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】近年、
自動車の軽量化の要請から、アルミニウム合金製ホィー
ルが広く使用されている。このアルミニウム合金製ホィ
ールの製造方法には種々の方法が用いられているが、板
材を溶接して製造する方法としては、矩形板材を円筒形
に丸めたアルミニウム合金板の端面に交流電流を印加し
一定時アークを発生させ、その後加圧し、突合せるフラ
ッシュバット溶接方法が主流を占めている。このため、
材料の物理的性質、特に導電率等の影響を受けにくい利
点がある。
【0004】一方、直流バット溶接は、前述の如く接合
部を突合せて、通電し、接合端面の接触抵抗により、発
熱、溶融させると同時に加圧接合する溶接法である。
【0005】この直流バット溶接は、溶接時に発生する
バリが少なく、また溶接時間が短いなど、生産性が高い
方法である。しかし、現在のところ、鉄製のホィールの
溶接には一部適用が始まっているが、アルミニウム合金
には殆ど使用されてない。これは、溶接部を均一に発熱
させることが非常に難しく、溶接時に轟音が発生した
り、融合不良が発生し易いこと、また、これらに及ぼす
合金成分や強度の影響が大きく、これまで良好な溶接継
手を得ることができなかったためである。
【0006】本発明は、かゝる状況のもとで、直流バッ
ト溶接によってホィール用アルミニウム合金の良好な溶
接継手を得る技術を提供することを目的とするものであ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上述の背景のもとで本発
明者らは鋭意研究を重ねた結果、ホィール用板材を突合
せし本溶接電流までの初期電流時間(アップスロープ)が
重要であり、或いは更に、本溶接時の突合せ材料の移動
速度や、初期電極間隔と最終電極間隔が重要であり、こ
れら溶接条件の適正な選定により、安定して健全な品質
の直流バット溶接継手を得ることができることを見い出
したものである。
【0008】すなわち、本発明は、アルミニウム合金の
直流バット溶接において、材料を突合せ後、アルミニウ
ム合金の導電率に応じ、本溶接電流(2次電流)までの初
期電流時間(アップスロープ)を図1に示す点A(導電
率:25%、アップスロープ:3サイクル)、点B(導電
率:25%、アップスロープ:20サイクル)、点C
(導電率:60%、アップスロープ:120サイク
ル)、点D(導電率:60%、アップスロープ:10サイ
クル)、点E(導電率:35%、アップスロープ:3サイ
クル)を結ぶ線で囲まれた範囲内の値に設定し、溶接を
行うことを特徴とするホィール用アルミニウム合金の直
流バット溶接方法を要旨とするものである。
【0009】また、他の本発明は、前記アップスロープ
後、本溶接電流による溶接に際し、アプセットの時の突
合せ材料の移動速度が100mm/sec以上で溶接するこ
と、或いは初期電極間隔を30〜15mm、最終電極間隔
を15〜5mmに設定することを特徴とするものである。
【0010】以下に本発明を更に詳細に説明する。
【0011】
【作用】
【0012】まず、本発明において最も重要な溶接条件
である初期電流時間(アップスロープ)の限定理由を示
す。
【0013】アルミニウム合金板を突合せて、電流を流
し始め、本電流までのアップスロープは、アルミニウム
合金の導電率に応じて、図1に示す領域内、すなわち、
点A〜点Eを結ぶ直線により囲まれた範囲内のサイクル
を付加して溶接する。これにより、接合部全体が均一に
発熱して融合し、溶融金属の飛散等に伴う轟音発生等の
欠陥や、溶接部近傍の素材の座屈を生じることなく、健
全な溶接継手が得られる。
【0014】しかし、図1に示す範囲外のアップスロー
プでは、溶接時に融合不良が生じたり、また内部のラメ
ラー状のミクロ割れ、溶融金属の飛散等に伴う轟音発生
等の欠陥が生じたり、更には溶接部近傍の素材の座屈を
生じる恐れがある。
【0015】特に、アルミニウム合金の導電率に対しア
ップスロープが長すぎる場合、すなわち、図1で点Bと
点Cを結ぶ線より上側の場合は、接合部の接触は良くな
るものの、接合部に発生した熱が分散してしまい、界面
のみに有効に作用せず、界面の溶融が悪くなり、融合不
良等の欠陥を生じたり、突出部全体が熱を持ち、溶接部
付近で座屈を起こし易くなる。
【0016】また、アルミニウム合金の導電率に対しア
ップスロープが短かすぎる場合、すなわち、図1で点D
と点Eと点Aを結ぶ線より下側の場合は、接合部全体が
均一に発熱しなく、未溶融部が残り易くなったり、接合
面の一部のみが局部的に溶融するため轟音発生と共に溶
融金属が飛散する欠陥が発生する。
【0017】次に、本溶接電流によるアプセット溶接時
の材料の速度であるが、適正なアップスロープ→本電流
で溶融後、アプセット加圧をかけた時、100mm/sec
未満の移動速度では、接合面の溶融の方が早く、轟音と
共に溶融金属が飛散する欠陥が発生し易く、安定した条
件が得られない。したがって、アップスロープ後の本溶
接電流による溶接時に加圧を加えるアプセット速度は1
00mm/sec以上とすることが好ましい。その際、アッ
プスロープ条件は上述の図1に示す範囲打つとするのが
好ましい。なお、移動距離は2〜5mmが望ましく、その
後、電流を下げる。
【0018】また、初期電極間隔及び最終電極間隔に関
しては、初期電極間隔を30〜15mm、最終電極間隔を
15〜5mmに設定することが好ましい。
【0019】初期電極間隔が30mmを超えると材料の突
出し長さが長くなり、接合部界面の発熱が悪くなった
り、接合時、座屈を起こし易くなる。一方、初期電極間
隔が15mmより短くなると、接合部界面の発熱は十分に
行われるものの、溶接部が過熱されて、轟音を発生した
り、溶融金属の飛散等の欠陥が発生し易くなる。
【0019】一方、最終電極間隔が15mmを超えて設定
すると、初期電極間隔との移動量が少なくなり、接合部
界面の溶融金属が十分に押出されず、欠陥として残り易
くなる。また5mmより少ないと接合部界面の溶融金属は
押出され、良好な接合部は得られるものの余盛が多くな
ったり、経済的にも実用的でない。
【0020】なお、本溶接条件に関しては特に制限され
ないが、アルミニウム合金の材質に関係なく、図2に示
すように、100〜400A/mm2の範囲の電流密度
で、且つ、A点(電流密度:100A/mm2、スクィズ圧
力:30N/mm2)、B点(電流密度:400A/mm2、ス
クィズ圧力:40N/mm2)、C点(電流密度:400A
/mm2、スクィズ圧力:180N/mm2)、D点(電流密
度:100A/mm2、スクィズ圧力:100N/mm2)で
囲まれる斜線内のスクィズ加圧力のもとで、溶接サイク
ル10〜120サイクルで溶接し、次いでこのスクィズ
加圧力に更に0〜150N/mm2のアプセット圧力を付
加して溶接するのが推奨される。
【0021】また、アルミニウム合金の材質としては特
に制限されるものではないが、5000系(Al−Mg
系)、6000系(Al−Mg−Si系)の成分系並びに組成
のものに適用すると効果が大きい。
【0022】かくして、アルミニウム合金板に対して本
発明法の直流バット溶接を適用すると、機械的性質、曲
げ性が優れると共に180゜曲げにおいても優れている
溶接継手のホィール用素管が得られる。
【0023】次に本発明の実施例を示す。
【0024】
【実施例1】表1に示す導電率を有する5000系(Al
−Mg系)合金及び6000系(Al−Mg−Si系)合金で
4.5mmt×198mmw×1030mmlの寸法のホィー
ル用アルミニウム合金板について、表1に示す条件にて
直流バット溶接を行った。
【0025】
【表1】
【0026】その後、5000系合金についてはそのま
まで、また6000系合金については150〜200℃
×4〜20hrsの時効処理を行い、溶接部の機械的性
質、曲げ性、ミクロ割れ等の諸性質について調査した。
それらの結果を表2に示す。
【0027】
【表2】
【0028】なお、表2において、180゜曲げ試験
は、JIS Z 2248の押し曲げ法に準拠して行っ
た。試験片は4.5mmt×30mmw×180mmlの寸法
のものを使用し、○(割れなし)、△(2mm以下の割れ)、
×(破断)にて評価した。
【0029】また、引張試験はJIS Z 3121に準
拠して行い、溶接部で破断した場合を「溶」、素材破断
の場合を「母」にて表示した。ミクロ割れは、○(引張
強度に影響を及ぼす割れなし)、×(引張強度に影響を及
ぼす割れ発生:溶接部近傍でラメラー状割れ)にて評価
した。巻込みは、接合部界面の酸化皮膜の残りがある場
合を「有」と表示した。融合状態は、◎(板幅方向の融
合状態が優れる)、○(板幅方向の融合状態が良好)、△
(一部断面に融合不良発生)、×(不良)にて評価した。総
合判定は、○(ホィール素材として使用できる)、×(ホ
ィール素材として使用できない)にて判定した。
【0030】表2より明らかなように、本発明範囲内の
アップスロープの条件により直流バット溶接すると、機
械的特性、曲げ性が優れており、180°曲げにおいて
も優れている溶接継手が得られる。
【0031】
【実施例2】実施例1で得られた継手のうち健全な継手
が得られた条件(No.7、No.16)を使用し、表3に示
すようにアプセット時の移動速度、初期電極間隔、最終
電極間隔を変え、直流バット溶接を行った。その後、5
000系合金はそのままで、6000系合金については
時効処理を行い、継手性能について調査した。その結果
を表4に示す。なお、時効処理条件、継手性能調査方法
及び評価は実施例1に準じて行った。
【0032】
【表3】
【0033】
【表4】
【0034】表4より明らかなように、本発明範囲内の
アップスロープ条件に更に所定の範囲でアプセット時の
移動速度、又は初期電極間隔や最終電極間隔を設定して
直流バット溶接すると、機械的性質、曲げ性が優れてお
り、180°曲げ性においても優れている溶接継手が得
られる。
【0035】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
直流バット溶接法により、高い溶接強度で優れた機械的
性質、曲げ性を有し、180°曲げ性においても優れて
いる溶接継手が得られ、溶接後の加工において成形加工
性、特にスピニング加工性に優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】アルミニウム合金の導電率と、本溶接電流(2
次電流)までの初期電流時間(アップスロープ)の関係を
示す図で、A〜Eを順次結ぶ線で囲まれた斜線領域が本
発明範囲である。
【図2】本溶接における溶接電流密度とスクィズ加圧力
の関係を示す図である。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミニウム合金の直流バット溶接にお
    いて、材料を突合せ後、アルミニウム合金の導電率に応
    じ、本溶接電流(2次電流)までの初期電流時間(アップ
    スロープ)を図1に示す点A(導電率:25%、アップス
    ロープ:3サイクル)、点B(導電率:25%、アップス
    ロープ:20サイクル)、点C(導電率:60%、アッ
    プスロープ:120サイクル)、点D(導電率:60%、
    アップスロープ:10サイクル)、点E(導電率:35
    %、アップスロープ:3サイクル)を結ぶ線で囲まれた
    範囲内の値に設定し、溶接を行うことを特徴とするホィ
    ール用アルミニウム合金の直流バット溶接方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のアップスロープ後、本
    溶接電流による溶接に際し、アプセットの時の突合せ材
    料の移動速度が100mm/sec以上で溶接することを特
    徴とする直流バット溶接方法。
  3. 【請求項3】 初期電極間隔を30〜15mm、最終電極
    間隔を15〜5mmに設定することを特徴とする請求項1
    又は2に記載の直流バット溶接方法。
  4. 【請求項4】 アルミニウム合金が5000系又は60
    00系のアルミニウム合金である請求項1、2又は3に
    記載の直流バット溶接方法。
  5. 【請求項5】 請求項1、2、3又は4に記載の直流バ
    ット溶接法により製作されたホィール用アルミニウム合
    金素管。
JP30931292A 1992-10-22 1992-10-22 ホィール用アルミニウム合金のdc−バット溶接方法とホィール用アルミニウム合金素管 Pending JPH06142938A (ja)

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