JP2017100173A - 異種金属接合体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】異種金属接合体の製造方法において、アルミニウム合金板11の一端と鋼板13の一端とを接合して第1接合部21を形成する工程と、アルミニウム合金板11と鋼板13との接合体25を、少なくとも一対のスクイズロール29により管状に成形しながらアルミニウム合金板11の他端31と、鋼板13の他端33とを管軸方向に間隔を狭めながら突き合わせる工程と、接合体25の突き合わせ部を通電加熱しながら加圧してアルミニウム合金板11の溶融部と、鋼板13の溶融部とを突合せ部の板厚方向外側に流動させて突き合わせ部において第2接合部27を形成する工程と、第2接合部27からはみ出したバリを除去する工程と、を含む。
【選択図】図4
Description
一方、特許文献2に記載の方法は、アルミニウム合金材と鋼材とを突き合わせて、アルミが溶融する温度付近で加熱し、突き合わせ方向に鍛造圧力をかけて押さえつけて接合面の酸化物や金属間化合物を排除する。しかし、板材をバー状の締め付け部材で、板幅方向の全長に亘って均一に加圧力を加えることが難しく、板幅方向において金属間化合物の排出がうまくできない箇所が生じ得るという問題がある。
(1) アルミニウム合金板の一端と鋼板の一端とを接合して第1接合部を形成する工程と、前記アルミニウム合金板と前記鋼板との接合体を、少なくとも一対のスクイズロールにより管状に成形しながら前記アルミニウム合金板の他端と、前記鋼板の他端とを管軸方向に間隔を狭めながら突き合わせる工程と、前記接合体の突き合わせ部を通電加熱しながら加圧して、前記アルミニウム合金板の溶融部と、前記鋼板の溶融部とを突合せ部の板厚方向外側に流動させて前記突き合わせ部において第2接合部を形成する工程と、前記第2接合部からはみ出したバリを除去する工程と、を含むことを特徴とする異種金属接合体の製造方法。
(2) 前記第2接合部の形成後に、前記第1接合部の接合を外して管状の前記接合体を平板状にすることを特徴とする(1)に記載の異種金属接合体の製造方法。
(3) 前記通電加熱は、前記アルミニウム合金板の他端と前記鋼板の他端に、それぞれ電気接点を設けて通電することで加熱することを特徴とする(1)又は(2)に記載の異種金属接合体の製造方法。
(4) 前記通電加熱は、環状の加熱コイルの内径部に管状の前記接合体を挿通させた状態で誘導加熱することを特徴とする(1)又は(2)に記載の異種金属接合体の製造方法。
(5) 前記第1接合部は、前記アルミニウム合金板と前記鋼板とが導電性材料を介して接合されていることを特徴とする(1)乃至(4)のいずれか一つに記載の異種金属接合体の製造方法。
(6) 前記導電性材料は、溶接、ろう付けのいずれかにより形成されることを特徴とする(5)に記載の異種金属接合体の製造方法。
図1は本発明の実施形態を説明するための図で、異種金属接合体の概略的な平面図である。
本構成の異種金属接合体100は、例えばアルミニウム合金板11と鋼板13との異種金属を接合して突き合わせ継手を形成するものである。
アルミニウム合金板11は、JIS規格の5082等の5000系合金、6022、6011等の600系合金、3104等の3000系合金、7000系合金、2000系合金等を適宜用いることができる。アルミニウム合金板11は、1枚の板に限らず、複数の種類のアルミニウム合金を積層したクラッド材であってもよい。
鋼板13は、裸鋼板の他、GA鋼板(合金化溶融亜鉛めっき鋼板)やGI鋼板(溶融亜鉛メッキ鋼板)といった亜鉛めっき鋼板、アルミめっき鋼板等を用いることができる。鋼板13の母材には、普通鋼の他、高張力鋼も用いることができる。
(1)アルミニウム合金板11の一端と鋼板13の一端とを接合して第1接合部を形成する工程
(2)アルミニウム合金板11と鋼板13との接合体を、少なくとも一対のスクイズロールにより管状に成形しながらアルミニウム合金板11の他端と、鋼板13の他端とを管軸方向に間隔を狭めながら突き合わせる工程
(3)接合体の突き合わせ部を通電加熱しながら加圧して、前記アルミニウム合金板の溶融部と、前記鋼板の溶融部とを突合せ部の板厚方向外側に流動させて前記突き合わせ部において第2接合部を形成する工程
(4)第2接合部からはみ出したバリを除去する工程
以下、各工程を詳細に説明する。
図2は第1接合部を形成した後の異種金属による接合体の斜視図である。
第1接合部形成工程は、アルミニウム合金板11の一端17と鋼板13の一端19とを接合して第1接合部21を形成する。第1接合部21は、後に、アルミニウム合金板11と鋼板13との異種材を、管状に変形可能な強度で形成されていればよい。第1接合部21は好ましくは、アルミニウム合金板11と鋼板13とで「重ね継手」を形成し、導電性材料で接合することが好ましい。
第1接合部21は、上記のようにアルミニウム合金板11と鋼板13とが導電性材料23を介して接合される。導電性材料23は、上記の各種溶接法、はんだ等を用いたろう付けのいずれかにより形成される。アルミニウム合金板11と鋼板13とは、導電性材料23により第1接合部21で接合された接合体25(図2参照)となる。
図4は高周波電流を流して溶接し第2接合部を形成するための直接通電法による溶接装置を示す斜視図である。図5は高周波電流を流して溶接し第2接合部を形成するための誘導加熱法による溶接装置を示す斜視図である。通電加熱は、直接通電法と誘導加熱法とのいずれであってもよい。
第2接合部形成工程では、接合体25の突き合わせ部15(図6、図7参照)を通電加熱しながら加圧する。これにより、突き合わせ部15のアルミ溶融部41と鋼溶融部43を流動させて第2接合部27を形成する。
第1接合部21によって一体となった帯状の接合体25は、スクイズロール29によって筒状に丸められる。その際、第1接合部21は、導電性材料23を介してアルミニウム合金板11と鋼板13とが接合されたまま維持される。つまり、第1接合部21は、この第2接合部27の成形中に接合が外れない程度の接合強度を有していればよい。
本構成例の異種金属接合体100の製造に際しては、第1接合部21を形成する工程により、アルミニウム合金板11と鋼板13とが、長手方向に沿う第1接合部21で接合された帯板状の接合体25となる。この接合体25は、スクイズロール29により他端同士が接近する方向に湾曲して折り曲げられる。その結果、接合体25は、徐々に管状に成形され、他端同士が管軸方向に間隔を狭めながら突き合わせられて行く。
バリ除去工程では、上記までの工程で作られた電縫管の第2接合部27からはみ出したバリ45を除去する。スクイズロール29の加圧により、電縫管の接合部は、管内及び管外に向かって溶接部のビード(図示略)が突出する。突き合わせ部15に形成される金属間化合物は、この突出するビードとともに管内及び管外に排出される。この排出部分を、不図示のバイトや、砥石、ワイヤーブラシ等のツールにより除去する。
図9に示すように、第2接合部27の形成後、第1接合部21の接合を外して、管状の接合体25を平板状にする。すなわち、第2接合部27の接合が完了した後、管状の接合体25は、第1接合部21での接合が、バイト47等のツール切削により外され、管状から板状に展開される。
(1) アルミニウム合金板の一端と鋼板の一端とを接合して第1接合部を形成する工程と、前記アルミニウム合金板と前記鋼板との接合体を、少なくとも一対のスクイズロールにより管状に成形しながら前記アルミニウム合金板の他端と、前記鋼板の他端とを管軸方向に間隔を狭めながら突き合わせる工程と、前記接合体の突き合わせ部を通電加熱しながら加圧して、前記アルミニウム合金板の溶融部と、前記鋼板の溶融部とを突合せ部の板厚方向外側に流動させて前記突き合わせ部において第2接合部を形成する工程と、前記第2接合部からはみ出したバリを除去する工程と、を含むことを特徴とする異種金属接合体の製造方法。
この異種金属接合体の製造方法によれば、第1接合部を形成する工程により、アルミニウム合金板と鋼板とが、長手方向に沿う第1接合部で接合された帯板状の接合体となる。この接合体は、スクイズロールにより他端同士が接近する方向に順次に湾曲形状に曲げられて行く。その結果、接合体は、管状に成形されて行く際に、他端同士が管軸方向に間隔を狭めながら突き合わせられて行く。この突き合わせ部は、通電加熱しながら加圧される。したがって、溶融している箇所(溶融ポイント)とスクイズロールによる圧力が負荷される場所(加圧ポイント)とは、一定の相対位置に維持される。これにより、アルミニウム合金板と鋼板が金属接合した良好な接合界面の突き合わせ溶接継手が得られる。
(2) 前記第2接合部の形成後に、前記第1接合部の接合を外して管状の前記接合体を平板状にすることを特徴とする(1)の異種金属接合体の製造方法。
この異種金属接合体の製造方法によれば、第2接合部の接合が完了した後、管状の接合体は、第1接合部での接合が外され、管状から板状に展開される。これにより、面積の小さい突き合わせ部が高強度で一体化した平板状の異種金属接合体が得られる。この異種金属接合体の製造方法は、アルミニウム合金板と鋼板のシート材(切り板)だけでなく、コイル材を用いることができるため生産性に優れる。
(3) 前記通電加熱は、前記アルミニウム合金板の他端と前記鋼板の他端に、それぞれ電気接点を設けて通電することで加熱することを特徴とする(1)又は(2)の異種金属接合体の製造方法。
この異種金属接合体の製造方法によれば、一対の電気接点がアルミニウム合金板の他端と鋼板の他端とに接触する直接通電法となる。直接通電法によって、誘電加熱法よりも効率が高く、比較的小容量の電源で大径管の溶接が可能となる。
(4) 前記通電加熱は、環状の加熱コイルの内径部に管状の前記接合体を挿通させた状態で誘導加熱することを特徴とする(1)又は(2)の異種金属接合体の製造方法。
この異種金属接合体の製造方法によれば、管に非接触で溶接できる誘電加熱法となるため、突き合わせ部に多少の凹凸があっても溶接欠陥が生じにくい。誘電加熱法によって、特に小径、薄肉寸法の管を高速溶接することが可能となる。
(5) 前記第1接合部は、前記アルミニウム合金板と前記鋼板とが導電性材料を介して接合されていることを特徴とする(1)乃至(4)のいずれか一つの異種金属接合体の製造方法。
この異種金属接合体の製造方法によれば、第1接合部の接合を導電性材料により行うことによって、高周波電流の通電を誘導電流により行うことができる。これにより、アルミニウム合金板及び鋼板の管形状に多少のばらつきがあっても第2接合部を良好に且つ高速で接合することができる。
(6) 前記導電性材料は、溶接、ろう付けのいずれかにより形成されることを特徴とする(5)の異種金属接合体の製造方法。
この異種金属接合体の製造方法によれば、導電性材料が溶接により形成される場合、他部材(ろう材等)を用いずに高速な接合が可能となる。導電性材料がろう付けにより形成される場合、母材(特に低融点側のアルミニウム合金板)を溶融させずに接合が可能となる。
13 鋼板
15 突き合わせ部
17 アルミニウム合金板の一端
19 鋼板の一端
21 第1接合部
23 導電性材料
25 接合体
27 第2接合部
29 スクイズロール
31 アルミニウム合金板の他端
33 鋼板の他端
35 電気接点
37 加熱コイル
45 バリ
100 異種金属接合体
Claims (6)
- アルミニウム合金板の一端と鋼板の一端とを接合して第1接合部を形成する工程と、
前記アルミニウム合金板と前記鋼板との接合体を、少なくとも一対のスクイズロールにより管状に成形しながら前記アルミニウム合金板の他端と、前記鋼板の他端とを管軸方向に間隔を狭めながら突き合わせる工程と、
前記接合体の突き合わせ部を通電加熱しながら加圧して、前記アルミニウム合金板の溶融部と、前記鋼板の溶融部とを突合せ部の板厚方向外側に流動させて前記突き合わせ部において第2接合部を形成する工程と、
前記第2接合部からはみ出したバリを除去する工程と、
を含むことを特徴とする異種金属接合体の製造方法。 - 前記第2接合部の形成後に、前記第1接合部の接合を外して管状の前記接合体を平板状にすることを特徴とする請求項1に記載の異種金属接合体の製造方法。
- 前記通電加熱は、前記アルミニウム合金板の他端と前記鋼板の他端に、それぞれ電気接点を設けて通電することで加熱することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の異種金属接合体の製造方法。
- 前記通電加熱は、環状の加熱コイルの内径部に管状の前記接合体を挿通させた状態で誘導加熱することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の異種金属接合体の製造方法。
- 前記第1接合部は、前記アルミニウム合金板と前記鋼板とが導電性材料を介して接合されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の異種金属接合体の製造方法。
- 前記導電性材料は、溶接、ろう付けのいずれかにより形成されることを特徴とする請求項5に記載の異種金属接合体の製造方法。
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