JP5266969B2 - レーザブレージング方法 - Google Patents

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本発明は、レーザブレージング法に関し、特に薄鋼板の重ね隅肉継手に適用して好適なものに関する。
被接合材料を溶融させずに、被接合材料よりも低い融点を有するろう材を介して接合を行うろう付(ブレージング)は、例えば、自動車用エンジンのシリンダヘッドとアッパーデッキの接合方法(特許文献1)として用いられるなど、多方面に用いられている。
ブレージングに用いられる熱源には、炉加熱、ガス炎、アークなど様々なものがあるが、近年、レーザビームを熱源とするろう付、いわゆるレーザブレージングが発展し、自動車部品・車体の組み立てなどに適用されるようになってきた(特許文献2)。
レーザブレージングは、被接合材料表面にレーザビームを照射して被接合材料を加熱するとともに、レーザ照射部にワイヤ状のろう材を供給し、レーザビームによってろう材を溶融させることによって、連続的に接合を行う。
レーザブレージングが適用される継手形状の代表的なものは重ね隅肉継手で、下板に接した上板のエッジ部にろう材ワイヤを供給し、上板のエッジ部、下板表面およびろう材ワイヤを当該ワイヤ径よりも大きいスポット径のレーザビームによって照射、加熱し、ワイヤ供給点とレーザビームを同時に移動させてブレージングを行う。
レーザブレージングは、エネルギー密度の高いレーザビームを用いることから、他のろう付方法に比べて、1.接合部のみを局所的に加熱するため被接合材の熱的損傷が少ない、2.被接合材およびろう材を高速で加熱でき高速での接合が可能、3.ろう付に要する入熱が小さいため被接合材に熱歪が発生しにくく部材の精度が保持される、などの利点があり、見栄えの良い継手を効率的に作製することが可能である。特に、鋼板のレーザブレージングでは、鋼より融点が低く、鋼に対して比較的濡れ性が良好な銅合金製のワイヤをろう材として用いることで、フラックスを使用せずに高品質・高強度の継手が得られやすい。
このような利点を有するレーザブレージングは、薄鋼板を用いた構造部材を連続的に接合する用途に好適で、継手強度、見栄えなどの品質と接合速度すなわち生産性を両立できる接合方法として注目され、自動車車体のルーフ部、リアゲートなど、外観品質および意匠性が要求される部位に使用されることが多い。
しかしながら、レーザブレージングに使用されるレーザは、1KW以上の高出力が必要とされ、現状高出力が得られるレーザとしてはCOレーザ、Nd:YAGレーザ、Yb:YAGレーザ、Ybファイバーレーザ、半導体レーザなど、近赤外あるいは遠赤外の波長をもつ赤外光レーザであり、ろう材として用いる銅合金に対していずれも吸収率が低く、レーザビームを銅合金ワイヤに照射した場合における加熱・溶融効率は高いとはいえない。その結果、照射するレーザビームは多くのエネルギーが銅合金ワイヤの加熱のために消費され、被接合材である鋼板の加熱が不足して、鋼板へのろう材の濡れが不十分になりやすい。
このような問題に対して、レーザビームを2分割すること(特許文献3)あるいは2本のレーザビームの照射位置を変えて、1本のレーザビームで主にろう材を溶融させ、もう1本のレーザビームで主に被接合材の加熱を行うこと(特許文献4)が提案されている。
一方、レーザ光の熱エネルギを小さくして板金のろう付け部位の入熱量を少なくし、熱歪による変形を抑制する目的で、ろう材として使用するワイヤを加熱することが開示されている(特許文献5)。
特開平6−241113号公報 特開2003−225784号公報 特開2003−311452号公報 特開2007−152381号公報 特開2002−79371号公報
しかしながら、特許文献3、4の技術では、1本のレーザビームでブレージングするよりも高出力のレーザ発振器や複数のレーザ発振器が必要になるほか、レーザ照射の光学系が複雑になる。高出力のレーザ発振器や複数のレーザ発振器の使用は、設備投資の増加すなわちイニシャルコストを増大させ、また、複雑な光学系の使用は、光学系のコスト増加につながるほか、メンテナンス負荷を増大させることになり、量産設備として適当でない。
また、レーザブレージングは母材鋼板の加熱、ろう材ワイヤの溶融、ろう材ワイヤの鋼板への濡れ・溶着を適正に制御する必要がある複雑なプロセスであり、ワイヤを加熱する方法およびレーザビーム照射とワイヤ加熱の相互作用を考慮することが重要であるが、特許文献5の技術では、それらが考慮されておらず単にワイヤを加熱する概念のみであり、十分な解決方法が示されたとは言い難い。
そこで、本発明は、ろう材ワイヤを効率的に溶融させるとともに、鋼板へのろう材の濡れ性を確保し、簡便・安価に高品質で接合強度の高いレーザブレージング継手が得られるレーザブレージング方法を提供することを目的とする。
本発明者らは上記課題を解決するため鋭意研究を重ね、以下の知見を得た。
1.レーザブレージングにおいて、ろう材として使用する銅合金ワイヤをレーザビームの照射のみで加熱・溶融させるのは効率が悪く、ワイヤ加熱に他の熱源を用いることが望ましい。
2.ワイヤ加熱用の熱源としては、通電加熱が簡便・低コストで使用しやすいが、レーザビームとの相互作用を考慮し、適切な電流密度の通電を行う必要がある。
適切な電流密度でろう材ワイヤの通電加熱を行うことにより、レーザビーム照射時のワイヤが高温に加熱され、レーザビームの照射によってワイヤが溶融しやすくなり、レーザビーム照射による被接合材の加熱を阻害することなく効率的にろう材ワイヤを溶着させることが可能となる。
3.また、通電加熱とレーザビーム照射を組合せることにより、ろう材ワイヤが溶融した状態での温度がより高温となる他、ろう材ワイヤと鋼板表面の接点が通電により加熱されこれらの相乗効果により、ろう材が被接合材表面に溶着する際にろう材の濡れが促進され、溶着金属と被接合材の接合性が向上し、継手品質および接合強度が向上される。
4.さらに、通電加熱とレーザビーム照射の組合せでは、ろう材ワイヤの加熱・溶融に過度の出力のレーザビームを照射する必要がないため、レーザビーム単独の場合より低出力のレーザビーム照射とすることができ、レーザ発振器コストの低減メリットが得られる。5.被接合材に投入される総熱量を抑制することができ、レーザブレージングの低入熱・低歪・高品質というメリットを損なうことなく、継手品質・特性と生産性を容易に両立することが可能となる。
本発明は得られた知見を基に、更に検討を加えてなされたもので、すなわち、本発明は、
1.重ね隅肉継手の被接合部にレーザビームを照射するとともに、銅合金ワイヤをろう材として当該レーザビームの照射部に連続的に供給する重ね隅肉継手のレーザブレージング方法であって、前記銅合金ワイヤは通電加熱のためその先端部が前記被接合部に接触しつつ前記レーザビームの照射によって溶融し、
前記レーザビームはビーム径(D)が前記銅合金ワイヤ径(d)の1.5〜2.0倍で、前記銅合金ワイヤは、前記レーザビームのビーム径(D)の中心から接合方向の前方側にD/4〜D/2となる位置において前記被接合部と接触するように連続供給され、
前記銅合金ワイヤ径(d)が0.8〜1.6mmで、前記通電加熱が35A/mm 以上125A/mm 以下(ワイヤの単位断面積あたりの電流値)の電流によるもので、
前記レーザビームが、CO レーザ、Nd:YAGレーザ、Yb:YAGレーザ、Ybファイバーレーザまたは半導体レーザのいずれかの赤外光であることを特徴とする重ね隅肉継手のレーザブレージング方法。
本発明によれば、ろう材ワイヤの通電加熱とレーザビーム照射の相互作用を考慮し、レーザビーム中心前方にワイヤと鋼板表面の接点を配置するので、レーザのみの加熱と比較して、より小さいレーザ出力でワイヤ溶融と鋼板加熱を効率良く両立することが可能となり、簡便・安価に高品質で接合強度の高いレーザブレージング継手が得られ、産業上極めて有用である。
本発明は、ろう材である銅合金ワイヤの先端部を被接合部に接触させて、銅合金ワイヤから被接合部に通電することにより、銅合金ワイヤをジュール熱で加熱しつつ、レーザビームの照射により溶融させることを特徴とする。以下、本発明を被接合部が薄鋼板の重ね隅肉継手であるとして詳細に説明する。
図1は本発明の原理を説明する模式図で、図において、1aは重ね隅肉継手を構成する上板、1bは重ね隅肉継手を構成する下板、2はレーザビーム、3は銅合金ワイヤ、4はワイヤねらい位置を安定化させるとともにワイヤへの通電の接点となるコンタクトチップ、5はワイヤ加熱電源、6はワイヤ送給装置を示す。
本発明では、上板1aと下板1bで構成される重ね隅肉継手にレーザビーム2を照射してブレージングを行う際、ろう材となる銅合金ワイヤ3に、コンタクトチップ4を介して、ワイヤ加熱電源5より電流を通電し、コンタクトチップ4と重ね隅肉継手間の銅合金ワイヤ3をジュール熱で加熱する。ブレージング中は、銅合金ワイヤ3はワイヤ送給装置6により連続的に送給され、重ね隅肉継手に常に接触して通電加熱されるので、レーザビーム2の照射によって容易に溶融される。
その結果、レーザビーム2の熱エネルギーの多くが重ね隅肉継手を加熱し、更に、重ね隅肉継手において銅合金ワイヤ3との接点近傍の領域は銅合金ワイヤ3からの通電によっても加熱されるので、レーザビーム2の照射によって溶融した銅合金ワイヤ3に対する濡れ性が向上する。このような効果は、銅合金ワイヤ3の加熱のために通電する電流値および重ね隅肉継手におけるレーザビーム2の照射位置と銅合金ワイヤ3の送給位置の位置関係を適正とすることで大きくなる。以下に本発明に好適な通電の電流範囲およびレーザビーム2の照射位置と銅合金ワイヤ3の送給位置の位置関係について述べる.
1.銅合金ワイヤの通電電流密度
銅合金ワイヤの通電電流密度は35A/mm以上125A/mm以下とするのが好ましい。ろう材として使用する銅合金ワイヤ表面での反射および銅合金ワイヤの溶融によるレーザビームエネルギーのロスを抑制するため、銅合金ワイヤは可能な限り高温に加熱する。一般に金属表面に対するレーザビームの吸収率は、金属が高温になるほど高くなる傾向が知られ、銅合金ワイヤを高温に保持することがレーザビーム照射によるワイヤ溶融効率を高めるために重要である。
銅合金ワイヤの単位断面積あたりの電流密度が35A/mm未満の通電では、ワイヤの溶融効率がレーザビームのみのブレージングの場合とほぼ同じになってしまい、ワイヤ通電加熱の効果が十分に得られない。一方、銅合金ワイヤの単位断面積あたりの電流密度が、125A/mmを超えると、銅合金ワイヤが融点近くまで加熱され、ワイヤと重ね隅肉継手(被接合材)が常に接触しなくなり、ワイヤ通電が安定的に保持されなくなるばかりか、銅合金ワイヤと重ね隅肉継手(被接合材)の間にアーク放電が発生し、重ね隅肉継手(被接合材)が溶融して、ろう材の溶着が不安定となりスパッタ(飛沫)を発生する。したがって、銅合金ワイヤの通電電流密度は35A/mm以上125A/mm以下とするのが好ましい。
なお、図1に示したワイヤ加熱電源5は直流電源であるが、交流電源を用いても良い。
2.レーザビームの照射位置と銅合金ワイヤの送給位置の位置関係
図2、3はレーザビームの照射位置と銅合金ワイヤの送給位置の位置関係を説明する図で、図2はレーザブレージング中の重ね隅肉継手を接合方向の側面から観察した図、図3は図2に示したレーザブレージング中の重ね隅肉継手を接合方向の前方から観察した図を示す。これらの図においてL2はレーザビーム2の光軸、L3は銅合金ワイヤ3の中心軸で、Dはレーザビーム径、aは銅合金ワイヤ3と重ね隅肉継手の下板1bの接点bとレーザビーム2の光軸L2と下板1bの交点c間の距離、θ1は接合方向の側面から観察した際に銅合金ワイヤ3と下板1bが成す角度、θ2は接合方向の前方から観察した際に銅合金ワイヤ3と下板1bが成す角度を示す。
本発明では、レーザビーム2のビーム径(D)を銅合金ワイヤ3のワイヤ径(d)の1.5〜2.0倍とし、銅合金ワイヤ3を送給するねらい位置を、重ね隅肉継ぎ手の下板1bの上表面における距離aが接合方向の前方側(進行方向側)にD/4〜D/2となるように連続供給することが好ましい。レーザビーム2のビーム径(D)が前記ワイヤ径(d)の1.5倍に満たないと鋼板を十分に加熱することができず、ビーム径(D)が前記ワイヤ径(d)の2倍を超えると、レーザビームのエネルギー密度が低下し、銅合金ワイヤ3の溶融および鋼板表面の加熱が不十分となる。
また、銅合金ワイヤ3を送給するねらい位置を、レーザビーム2の光軸L2と下板1bとの交点cとすると、レーザビーム2の照射によって銅合金ワイヤ3の溶融が過剰に促進され、銅合金ワイヤ3と下板1bの表面との接点bが保持されず銅合金ワイヤ3の通電加熱が不安定になる。従って、銅合金ワイヤ3を送給するねらい位置は、銅合金ワイヤ3が固体の状態で鋼板(下板1b)との接点bを維持して通電加熱によって加熱されるようにレーザビーム中心(下板1bと光軸L2の交点cを指す。以下同様)から外れた位置とし、接点bがレーザビーム中心の前方に位置するようにする。銅合金ワイヤ3を、重ね隅肉継ぎ手の下板1bの上表面において、接点bとレーザビーム中心との距離aが、接合方向の前方側(進行方向側)にD/4〜D/2となるように連続供給すると接点bにおける通電発熱で、鋼板表面がろう材がより濡れやすい状態に加熱されて好ましい。
本発明では、銅合金ワイヤの通電加熱とレーザビーム照射の加熱の相互作用を考慮し、レーザビーム中心前方に銅合金ワイヤと鋼板表面の接点を形成するので、より小さいレーザ出力でワイヤ溶融と鋼板加熱を効率良く両立することが可能である。
なお、銅合金ワイヤ3と下板1bが成す角度θ1と角度θ2は、良好な継手外観が得られるように、重ね隅肉継手の上板1a、下板1bの板厚に応じて適宜選定する。
本発明に使用するろう材は、被接合材となる鋼に比べて低い融点を有し、かつ溶融・凝固後に十分な溶着金属強度が得られることが望ましく、鋼の融点約1500℃に対して十分低い900〜1000℃の融点を有し、レーザ照射による溶融・凝固後の強度が350〜450N/mm程度と軟鋼あるいは高張力鋼と同程度となる銅合金製ワイヤを用いる。銅合金は、製造コスト、入手の容易さなども考慮し、Cu−Si−Mn合金、Cu−Mn合金、Cu−Ni合金、Cu−Al合金、純銅、りん銅(Cu−P合金)を使用することが好ましい。
また、本発明に使用するレーザは、銅合金製ワイヤを効率よく溶融し、かつ薄鋼板からなる重ね隅肉継手を、濡れ性を確保できる程度に加熱する出力があれば良く特に規定しない。
自動車車体用の重ね隅肉継手のレーザブレージングに本発明を適用する場合は、kWクラス以上の出力が容易に得られるCO2レーザ、Nd:YAGレーザ、Yb:YAGレーザ、Ybファイバーレーザ、半導体レーザなどの赤外光レーザの使用が望ましい。
本発明によれば、銅合金ワイヤに対して吸収率が低い上記赤外光レーザを用いても簡便かつ安価に高品質のレーザブレージング継手が得ることが可能である。以下に、本発明の効果を実施例に基づいて説明する。
板厚0.7mmおよび1.2mm、引張強さ390N/mm級の冷延鋼板を用いて、板厚0.7mmの鋼板を上板、板厚1.2mmの鋼板を下板とする重ね隅肉継手を作製し、レーザブレージングを行った。ろう材は、線径1.2mmおよび1.6mmの銅合金ワイヤ(Cu−3.5%Si−1%Mn、JIS Z 3341 YCuSiB相当)を用い、レーザは、Nd:YAGレーザを使用して出力2kWとし、接合速度3m/min、ワイヤ送給速度3m/min(ワイヤ線径1.2mmの場合)、1.7m/min(ワイヤ線径1.6mmの場合)の条件において、ワイヤの通電電流密度、レーザビーム中心とワイヤ接点距離(図2の距離aに相当)を種々変化させて重ね隅肉継手を作製した。
得られた重ね隅肉継手は、継手外観(接合品質)と引張せん断試験によって評価した。継手外観(接合品質)は目視でろう材が安定して溶着し適正なビードが形成されている場合、合格とした。引張せん断試験は得られた重ね隅肉継手から幅50mmの試験片を採取し、引張せん断試験によって母材破断となる強度が得られた場合、合格とした。
表1にレーザブレージング条件と継手外観(表中、接合品質判定)および引張せん断試験結果(表中、引張試験結果)を示す。No.1〜8は本発明の実施例で、銅合金ワイヤに本発明範囲となる電流密度の通電を行い、かつレーザビーム径およびろう材ワイヤ送給位置を本発明範囲内に設定したため濡れ性が向上し、ろう材の溶着が良好となり、安定したビードが形成され、いずれも上板母材で破断する高強度のブレージング継手が得られた.
一方、No.9〜No.20は比較例で、No.9、10、15、16は、銅合金ワイヤの通電が本発明範囲外の低い電流密度となったため、ワイヤの溶融・溶着が不足し、安定したビードが形成されず、低強度のブレージング継手となった。
また、No.11、12、17、18では、銅合金ワイヤの通電が本発明範囲外で高い電流密度となったため、ワイヤが通電加熱によって溶融し、ワイヤと鋼板との接触が断続的になり、ワイヤ通電加熱が不安定、あるいはワイヤと鋼板間にアークが発生し、いずれもワイヤの溶着に乱れが生じ、不安定なビード形成となり、低強度のブレージング継手となった。
No.13、19は、照射レーザビーム径が銅合金ワイヤの線径に対して小さかったため、ろう材の濡れ・溶着に必要な範囲の鋼板の加熱ができず、ろう材の溶着が不十分となり適正なブレージングビードが形成されなかった。
また、No.14および20は、銅合金ワイヤと鋼板表面の接点(図2中、接点b)をレーザビームの光軸中心としたために、レーザビームの照射による銅合金ワイヤの溶融が過剰となり通電加熱が安定に保持されなかった。その結果、ブレージングビードが不整となり継手外観評価(接合品質判定)が不合格で引張試験は母材破断でなく、ビード部の欠陥から破断した。
Figure 0005266969
本発明の原理を説明する模式図。 レーザビームの照射位置と銅合金ワイヤの送給位置の位置関係を説明する図で、接合進行方向の側面から観察した図。 レーザビームの照射位置と銅合金ワイヤの送給位置の位置関係を説明する図で、接合進行方向の前方から観察した図。
符号の説明
1a 重ね隅肉継手を構成する上板
1b 重ね隅肉継手を構成する下板
2 レーザビーム
3 銅合金ワイヤ
4 コンタクトチップ
5 ワイヤ加熱電源
6 ワイヤ送給装置
D レーザビーム径
L2 レーザビームの光軸
L3 銅合金ワイヤの中心軸
a 距離
b 接点
c 交点
θ1、θ2 角度

Claims (1)

  1. 重ね隅肉継手の被接合部にレーザビームを照射するとともに、銅合金ワイヤをろう材として当該レーザビームの照射部に連続的に供給するレーザブレージング方法であって、前記銅合金ワイヤは通電加熱のためその先端部が前記被接合部に接触しつつ前記レーザビームの照射によって溶融し、
    前記レーザビームはビーム径(D)が前記銅合金ワイヤ径(d)の1.5〜2.0倍で、前記銅合金ワイヤは、前記レーザビームのビーム径(D)の中心から接合方向の前方側にD/4〜D/2となる位置において前記被接合部と接触するように連続供給され、
    前記銅合金ワイヤ径(d)が0.8〜1.6mmで、前記通電加熱が35A/mm 以上125A/mm 以下(ワイヤの単位断面積あたりの電流値)の電流によるもので、
    前記レーザビームが、CO レーザ、Nd:YAGレーザ、Yb:YAGレーザ、Ybファイバーレーザまたは半導体レーザのいずれかの赤外光であることを特徴とする重ね隅肉継手のレーザブレージング方法。
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