JPH06142660A - 廃水の処理方法 - Google Patents

廃水の処理方法

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JPH06142660A
JPH06142660A JP29540692A JP29540692A JPH06142660A JP H06142660 A JPH06142660 A JP H06142660A JP 29540692 A JP29540692 A JP 29540692A JP 29540692 A JP29540692 A JP 29540692A JP H06142660 A JPH06142660 A JP H06142660A
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義成 山口
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徹 石井
Kiichiro Mitsui
紀一郎 三井
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 窒素含有化合物を含む廃水を効率良く、しか
も耐久性があり、工業的に確立されうるやり方で処理す
る。 【構成】 耐火性無機酸化物に金、または金とパラジウ
ムが担持されてなる触媒を用い、窒素含有化合物を含む
廃水を、液相を保持させた状態で分子状酸素の存在下に
酸化処理する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、窒素含有化合物を含
む水、たとえば、アミン製造プラント廃水、合成皮革製
造工場廃水、食品製造工場廃水、活性汚泥処理水、し尿
または下水などの廃水の処理方法に関する。詳しくは、
この発明は、特定の触媒を用いた湿式酸化処理により廃
水に含まれる窒素含有化合物を分解処理する方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】窒素含有化合物を含む廃水の処理は、そ
れに含まれる窒素成分の状態により、アニオン性高分子
凝集剤を用いる凝集法;または、活性炭、活性白土、シ
リカ−チタニア、シリカ−チタニア−マグネシアゲル、
シリカゲルによる吸着法(特開昭62−4990号公報
参照)により行われている。また、ペルオキシダーゼを
触媒とし、廃水中の芳香族アミンを過酸化水素と反応さ
せて不溶性重合物とし、この重合物を廃水から除去する
方法(ジャーナル・オブ・アプライド・バイオケミスト
リー、第2巻、414〜421頁、1980年)が提案
されている。この方法は触媒の耐久性が少ないため、こ
の系に硼酸を加えて触媒の寿命を延ばすことが提案され
ている(特開平2−78498号公報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記凝集法では、高分
子凝集剤が高価である上、廃水からのアミンの回収率が
低いため処理コストが高くつき、処理に用いた凝集剤が
廃スラッジとなるためこれを別途処理する必要が生じ
る。上記吸着法では、吸着材へのアミンの吸着率が低す
ぎて処理が不充分となるため、実用的ではないという問
題がある。
【0004】上記不溶性重合物として廃水から除去する
方法も不溶性重合物の処理が必要である。廃水の処理で
は湿式酸化処理の工程は不可避であるので、湿式酸化処
理の際に廃水に含まれる窒素含有化合物も分解されるよ
うにすれば好都合である。この発明は、窒素含有化合物
を含む廃水を効率良く、しかも耐久性があり、工業的に
確立されうるやり方で処理することができる方法を提供
することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】発明者らは、上記課題を
解決するために鋭意研究の結果、アミンおよびアミノ酸
を含む廃水を湿式酸化処理するにあたり、後で詳しく説
明する特定の触媒を用いて処理することにより上記課題
を解決すること、および、前記特定の触媒はアミンおよ
びアミノ酸以外の窒素含有化合物にも適用できることを
見いだし、この発明を完成した。
【0006】したがって、この発明は、耐火性無機酸化
物に金、または金とパラジウムが担持されてなる触媒を
用い、窒素含有化合物を含む廃水を、液相を保持させた
状態で分子状酸素の存在下に酸化処理する廃水の処理方
法を提供する。この発明に使用する耐火性無機酸化物と
は、チタニア、ジルコニア、アルミナ、セリア等の酸化
物を用いることができる。好ましくは、チタニアとジル
コニアであり、さらに好ましくは、チタニア20〜90
モル%とジルコニア10〜80モル%の複合酸化物であ
る。
【0007】以下に代表例として、チタンとジルコニウ
ムの酸化物の調製法等を例示すると、たとえば、酸化チ
タンと酸化ジルコニウムの混合物、および、チタンとジ
ルコニウムの複合酸化物などが挙げられるが、これらに
限定されない。チタンとジルコニウムの酸化物における
チタンとジルコニウムのモル比(Ti/Zr)は0.2
5〜9の範囲が好ましく、1〜4の範囲がさらに好まし
い。Ti/Zrモル比が0.25未満であれば、廃水中
に含まれる窒素含有化合物の処理効率が低く、満足でき
るものではないことがある。また、Ti/Zrモル比が
9よりも大きい場合には、窒素含有化合物の処理効率が
低下し、満足できるものではないことがある。
【0008】この発明に用いる、チタンとジルコニウム
の酸化物の製造方法としては、たとえば、(1)硝酸ジ
ルコニウムと硝酸チタニルの水溶液にアンモニア水を加
え、十分に攪拌した後、生成した沈殿を取り出して、水
洗、乾燥、焼成する方法、(2)アンモニア水中に硝酸
ジルコニウムと硝酸チタニルの水溶液を加え、十分に攪
拌した後、生成した沈殿を取り出して、水洗、乾燥、焼
成する方法、(3)ジルコニウム塩とチタン塩の水溶液
をオートクレーブに投入し、高温高圧下で水熱合成する
方法、(4)酸化ジルコニウムと酸化チタンを固相反応
させる方法、等があるが、この発明の趣旨に反しない限
りこれらの方法に限られるものではない。
【0009】耐火性無機酸化物は、所望の形状で触媒用
の無機担体として用いられるが、背圧を考慮すると、粉
体で用いるよりも、たとえば、ペレット状、球状、ハニ
カム状、リング状などに成形して用いる方が有利であ
る。この発明では、金、または、金とパラジウムを耐火
性無機酸化物に担持させる。触媒活性成分としての金の
担持量は、触媒全体1リットルに対してAu換算で0.
5〜100gの割合となるようにするのが好ましく、5
〜100gの割合になるようにするのがより好ましい。
Auの担持量が触媒全体1リットルあたり0.5gより
も少ないと金の触媒としての効果が現れないことがあ
り、100gよりも多いとAuの担持量に比べ、窒素含
有化合物の処理効率の上昇率が小さく、触媒コスト面に
おいて好ましくない。担持される金は粒子状であること
が好ましく、その平均粒径は、たとえば、40〜150
オングストロームが好ましく、60〜100オングスト
ロームがさらに好ましい。金をそのような平均粒径で高
分散に担持することで、触媒安定性、耐久性を高めるこ
とができる。
【0010】金を耐火性無機酸化物に担持する方法とし
ては、通常用いられる担持方法によりなされ、たとえ
ば、(1)炭酸ナトリウム水溶液に塩化金酸水溶液を加
え、金の沈殿が生じ始めた後、アンモニアを加えて十分
攪拌し、ついで、クエン酸マグネシウムの塩酸溶液と耐
火性無機酸化物を加えてさらに十分攪拌することによ
り、耐火性無機酸化物に金を担持する含浸法、(2)所
定量の耐火性無機酸化物の粉体、炭酸ナトリウム、クエ
ン酸ナトリウムおよび塩化金酸を純水中に投入したもの
をオートクレーブ容器に入れ、攪拌を行いながら高温高
圧下に金を粉体に担持する水熱法、等があり、(1)の
方法による担持が最も好ましい。
【0011】金およびパラジウムの両方を担持してなる
触媒を用いて窒素含有化合物を含む廃水を湿式酸化処理
すると、窒素含有化合物の処理効率が向上し、かつ、触
媒活性成分の安定性が上がり、長期間に渡って安定した
処理効率を維持できる。パラジウムの担持量は、金に対
するモル比で0.05≦Pd/Au≦50の範囲が好ま
しく、0.2≦Pd/Au≦20の範囲がさらに好まし
い。Pd/Au<0.05ではパラジウムの担持効果が
小さく、Pd/Au>50では窒素含有化合物の処理効
率はパラジウムの担持量の割に有為差が小さく、触媒コ
ストの面において好ましくない。パラジウムを担持する
ことで、廃水中の窒素含有化合物の処理効率をさらに向
上させることができる。
【0012】パラジウムを耐火性無機酸化物に担持する
方法としては、通常用いられる担持方法によりなされ、
たとえば、チタンとジルコニウムの複合酸化物に担持す
る場合を例にして説明すると、(1)金を担持したチタ
ンとジルコニウムの複合酸化物の成形体をパラジウム塩
の水溶液に浸漬した後、乾燥、焼成する方法、(2)パ
ラジウム塩の水溶液にチタンとジルコニウムの複合酸化
物の粉体を加えて蒸発乾固した後、乾燥、焼成する方
法、(3)チタンとジルコニウムの複合酸化物の成形体
に金化合物とパラジウム化合物の水溶液を含浸させた
後、乾燥、焼成する方法、等がある。
【0013】金およびパラジウムの担持は、それぞれの
金属単体、金とパラジウムの合金、また、パラジウムに
ついては酸化物などの形でなされるが、これらに限定さ
れない。この発明の方法により処理される、窒素含有化
合物を含む廃水とは、たとえば、アミン製造プラント廃
水、皮革製造工場廃水、食品製造工場廃水、活性汚泥処
理水、し尿、下水などを言う。
【0014】この発明の処理対象となる窒素含有化合物
としては、たとえば、アンモニア、ヒドラジン、アミン
化合物、アミド化合物、アミノ酸化合物等、分子内に窒
素原子を含有する化合物から選ばれる少なくとも1つの
化合物が挙げられる。アミン化合物としては、分子内に
アミノ基を有する化合物であれば、第1アミン、第2ア
ミン、第3アミン、第4級アンモニウム塩のいずれであ
ってもよい。具体的には、たとえば、メチルアミン、ジ
メチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、
プロピルアミン等のアルキルアミン類;エチレンジアミ
ン、トリメチレンジアミン等のアルキレンジアミン類;
エタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノ
ールアミン類といった脂肪族アミン類、ならびに、アニ
リン、フェニレンジアミン、アミノフェノール、アミノ
ナフタレン等の芳香族アミン類、ピリジン、ピコリン等
の含窒素複素環化合物類等から選ばれる少なくとも1つ
の化合物が例示される。
【0015】アミド化合物とは、分子内にアミノ基と酸
基が結合した基(RCONH−)を持つ化合物である。
具体的には、たとえば、ホルムアミド、メチルホルムア
ミド、アセトアミド、エチルホルムアミド、メチルプロ
ピオンアミド、ジメチルホルムアミド、ジエチルホルム
アミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリンな
どから選ばれる少なくとも1つの化合物が例示される。
【0016】アミノ酸化合物とは、分子内にカルボキシ
ル基とアミノ基とを有する化合物であって、α−アミノ
酸、β−アミノ酸、γ−アミノ酸などと称されている。
具体的には、たとえば、グリシン、アラニン、バリン、
ロイシン、セリン、システイン、アスパラギン酸、グル
タミン酸、リジン、アルギニンなどの脂肪族アミノ酸
類;フェニルアラニン、チロシンなどの芳香族環を持つ
アミノ酸類;ヒスチジン、トリプトファン、プロリンな
どの複素環を持つアミノ酸類などから選ばれる少なくと
も1つの化合物が例示される。
【0017】ただし、この発明における窒素含有化合物
とは、上記の例だけに限定されるものではない。窒素含
有化合物は、水に溶解している必要はなく、浮遊懸濁状
態などの状態であってもこの発明の処理方法で分解され
うる。廃水中の窒素含有化合物は、単一化合物で存在し
ても、また、複数種で混在してもよい。この発明が適用
できる廃水の窒素含有化合物は、特に限定されるもので
はないが、通常、10〜100,000ppmの範囲で
ある。
【0018】この発明では、上記の触媒を用いて、窒素
含有化合物を含む廃水を、液相を保持させた状態で分子
状酸素の存在下に酸化処理することにより窒素含有化合
物を分解する。この分解反応を、廃水が液相を保持する
状態で行うのは、水が蒸発して気体とならないようにす
ることにより、廃水中の無機性物質の析出を抑えるため
である。酸化処理の反応温度は、好ましくは120〜3
70℃、より好ましくは200〜300℃である。上限
値は、水の臨界温度で規定され、下限値は、これよりも
低い温度では窒素含有化合物の分解反応が起こりにくく
なることから規定される。反応系の圧力は、反応系内で
水が液相を保持するのに必要な圧力、すなわち約1〜2
00kgf/cm2 の圧力であればよい。廃水の空間速度
は、廃水量/触媒体積で、0.1〜20hr-1であるこ
とが好ましく、さらに好ましくは0.3〜10hr-1
ある。反応に用いる酸素源としては、分子状酸素が用い
られるが、具体的には空気や酸素富化空気、酸素ガスな
どが用いられる。
【0019】湿式酸化反応に用いる装置は、たとえば廃
水の処理において通常使用されている反応器、たとえば
単管円筒型、多管式反応器、これらを併用したもの等を
用いることができる。この発明で用いる上記特定の触媒
を、たとえば、これらの反応器に通常の廃水の湿式酸化
の際の触媒と同様に充填し、廃水を処理すればよい。こ
の発明の処理方法により窒素含有化合物は、たとえば、
二酸化炭素、水、窒素などに分解される。
【0020】湿式酸化処理により窒素含有化合物が窒素
ガスまで分解されていれば固液分離後の処理液を直接放
流するか、あるいは、再利用することが可能となる。ア
ンモニアなどの低級窒素化合物までしか分解されていな
い場合には固液分離後、必要に応じてこれらの成分の分
解処理を施せばよい。この発明の廃水の処理方法によれ
ば、窒素含有化合物も含めて、化学的に酸化分解可能な
物質(その量が化学的酸素要求量(COD)で表される
ので「COD成分」と言うことがある)を酸化分解する
ことができる。
【0021】
【作用】この発明では、耐火性無機酸化物に金が担持さ
れてなる触媒を用い、窒素含有化合物を含む廃水を、液
相を保持させた状態で分子状酸素の存在下に酸化処理す
ると、窒素含有化合物が二酸化炭素、水、窒素まで分解
される。触媒が、チタンとジルコニウムの複合酸化物に
金を担持させることにより得られるものであると、廃水
中の窒素含有化合物を効率良く安定に処理できる。
【0022】耐火性無機酸化物に金とパラジウムが担持
されてなる触媒を用い、窒素含有化合物を含む廃水を、
液相を保持させた状態で分子状酸素の存在下に酸化処理
すると、窒素含有化合物が二酸化炭素、水、窒素まで分
解される。触媒が、チタンとジルコニウムの複合酸化物
に金とパラジウムを担持させることにより得られるもの
であると、廃水中の窒素含有化合物をより効率良く安定
して分解できる。
【0023】複合酸化物への金の担持が、チタンとジル
コニウムの複合酸化物に炭酸ナトリウム水溶液を加え、
さらに塩化金酸水溶液を加えたのちクエン酸マグネシウ
ム水溶液を加えることによりなされていると、金をチタ
ンとジルコニウムの複合酸化物上に高分散に担持でき
る。
【0024】
【実施例】以下に、この発明の具体的な実施例および比
較例を示すが、この発明は下記実施例に限定されない。 (触媒の製造例1)水100リットルに硫酸チタニル
(TiOSO4)水溶液(TiO2 含有率5.6wt%)1
50kg、硝酸ジルコニル(ZrO(NO3)2)水溶液(Z
rO2 含有率18.0wt%)30.7kgを添加し、よく
攪拌した。それを攪拌しながらアンモニア水を徐々に滴
下してpHが9になるまで加え、その後3時間攪拌して
15時間放置した。このようにして得られたゲルを濾別
し、水洗した後120℃で16時間乾燥し、700℃で
3時間空気雰囲気下で焼成し、さらに粉砕して粉体を得
た。得られた粉体は13.9kgで、TiO2 :ZrO2
=7:3(モル比)の組成を有する、チタンとジルコニ
ウムの複合酸化物であった。
【0025】上記粉体6kgを0.2M−炭酸ナトリウム
水溶液45リットル中に投入した。この液に塩化金酸水
溶液(Au含有13.9%)431.6g、クエン酸マ
グネシウム280gを加え、粉体上にAuを沈着させ、
約2時間熟成を行った。この沈澱生成および熟成の間当
溶液の温度を50〜70℃の間に保持し、充分な攪拌を
行った。熟成後のこの溶液のpHは10.0となった。
このようにして金を担持した粉体を濾別し、水洗した後
120℃で16時間乾燥した後、500℃で3時間空気
雰囲気下で焼成した。
【0026】このようにして焼成することにより得られ
た粉体6kgと水1.8kgさらに澱粉120kgを加えて混
合し、ニーダーでよく練り合わせた。これを直径5mm、
長さ6mmの円柱状ペレットに押し出し成形して、120
℃で12時間乾燥した後、500℃で3時間焼成した。
得られた完成触媒のAu担持率は、触媒1リットルあた
り金属として10gであり、担持されたAuの平均粒子
径は80オングストロームであった。
【0027】(触媒の製造例2)製造例1において粉体
中のTiとZrのモル比を1:1に変えたこと以外は製
造例1と同様にして触媒を調製した。 (触媒の製造例3〜5)製造例1において表1に示すよ
うに金の担持量を変えたこと以外は製造例1と同様にし
て触媒を調製した。
【0028】(触媒の製造例6〜7)製造例1で調製し
た触媒にそれぞれ濃度の異なる硝酸パラジウム水溶液を
含浸させ、ついで120℃で6時間乾燥した後、500
℃で3時間焼成した。得られた完成触媒のPd担持量
は、それぞれ、触媒1リットルあたり金属として6gお
よび30gであった。
【0029】(触媒の製造例8〜9)製造例1で金の担
持量を触媒1リットル当たり40gとし、それぞれ濃度
の異なる硝酸パラジウム水溶液を含浸させ、ついで12
0℃で8時間乾燥した後、500℃で3時間焼成した。
得られた完成触媒のPd担持量は、それぞれ、触媒1リ
ットル当たり20gおよび80gであった。Auの平均
粒子径はいずれも100オングストロームであった。
【0030】(触媒の製造例10)水100リットルに
硝酸ジルコニル(ZrO(NO3)2)水溶液(ZrO2
有率18.0wt%)61.5kgを添加し、よく攪拌し
た。それを攪拌しながらアンモニア水を徐々に滴下して
pHが9になるまで加え、その後3時間攪拌して15時
間放置した。このようにして得られたゲルを濾別し、水
洗した後120℃で16時間乾燥し、700℃で3時間
空気雰囲気下で焼成し、さらに粉砕して粉体を得た。得
られた粉体は11kgで、組成はZrO2 であった。
【0031】上記粉体10kgを0.2M−炭酸ナトリウ
ム水溶液45リットル中に投入した。この液に塩化金酸
水溶液(Au含有13.9%)554g、クエン酸マグ
ネシウム360gを加え、粉体上にAuを沈着させ、約
2時間熟成を行った。この沈澱生成および熟成の間、そ
の溶液の温度を50〜70℃の間に保持し、充分な攪拌
を行った。熟成後のこの溶液のpHは10.0となっ
た。このようにして金を担持した粉体を濾別し、水洗し
た後120℃で16時間乾燥した後、500℃で3時間
空気雰囲気下で焼成した。
【0032】このようにして焼成することにより得られ
た粉体6kgと水1.8kgさらに澱粉120kgを加えて混
合し、ニーダーでよく練り合わせた。これを直径5mm、
長さ6mmの円柱状ペレットに押し出し成形して、120
℃で12時間乾燥した後、500℃で3時間焼成した。
得られた完成触媒のAu担持率は、触媒1リットルあた
り10gであり、担持されたAuの平均粒子径は100
オングストロームであった。
【0033】(触媒の製造例11)製造例10におい
て、ジルコニア粉体10kgの代わりにチタニア粉体15
kgを用いたこと以外は製造例10と同様にして触媒を調
製した。得られた完成触媒のAu担持率は、触媒1リッ
トルあたり10gであり、担持されたAuの平均粒子径
は100オングストロームであった。
【0034】(触媒の比較製造例1)製造例10で得ら
れたZrO2 粉体6kgに塩化白金酸水溶液(Pt総含有
量60g)を加え、よく混合した後、120℃で16時
間乾燥し、ついで500℃で3時間空気雰囲気下で焼成
した。このようにして焼成することにより得られた粉体
6kgと水1.8kgさらに澱粉120kgを加えて混合し、
ニーダーでよく練り合わせた。これを直径5mm、長さ6
mmの円柱状ペレットに押し出し成形して、120℃で1
2時間乾燥した後、500℃で3時間焼成した。得られ
た完成触媒のPt担持率は、触媒1リットルあたり金属
として10gであった。
【0035】(触媒の比較製造例2)比較製造例1にお
いて、ジルコニア粉体6kgの代わりにチタニア粉体10
kgを用いたこと以外は比較製造例1と同様にして触媒を
調製した。得られた完成触媒のPt担持率は、触媒1リ
ットルあたり10gであり、担持されたPtの平均粒子
径は100オングストロームであった。
【0036】製造例1〜11および比較製造例1,2の
各触媒の組成を表1にまとめて示した。
【0037】
【表1】
【0038】(実施例1〜11)製造例1〜11で得ら
れた各触媒を用いて、以下のような方法で湿式酸化法に
よる廃水処理を行った。ステンレス製反応管(内径25
mm×3.0m)に表2に示す触媒を充填し(触媒層長さ
は1.0m)、反応管の下部から予熱混合された廃水お
よび酸素濃度21容積%の空気を500時間連続して導
入して反応管の入力部と出口部でCOD(Cr)と全窒
素量を測定し、初期と500時間反応後の除去率を求め
た。なお、反応条件、廃水の性状、廃水の空間速度(空
塔基準)、空気の空間速度(空塔基準、標準状態)は表
2に示すとおりであった。
【0039】(比較例1〜2)実施例1において、製造
例1で得られた触媒の代わりに表2に示す比較製造例1
〜2で得られた触媒を用いたこと以外は実施例1と同様
にして廃水処理を行った。初期と500時間反応後の結
果を表2に示した。
【0040】
【表2】
【0041】
【発明の効果】この発明の廃水の処理方法によれば、窒
素含有化合物を含む廃水を効率良く、しかも耐久性があ
り、工業的に確立されうるやり方で処理することができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐野 邦夫 兵庫県姫路市網干区興浜字西沖992番地の 1 株式会社日本触媒触媒研究所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 耐火性無機酸化物に金、または金とパラ
    ジウムが担持されてなる触媒を用い、窒素含有化合物を
    含む廃水を、液相を保持させた状態で分子状酸素の存在
    下に酸化処理する廃水の処理方法。
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