JPH06142268A - 抗菌性ゴルフ手袋 - Google Patents

抗菌性ゴルフ手袋

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JPH06142268A
JPH06142268A JP29720792A JP29720792A JPH06142268A JP H06142268 A JPH06142268 A JP H06142268A JP 29720792 A JP29720792 A JP 29720792A JP 29720792 A JP29720792 A JP 29720792A JP H06142268 A JPH06142268 A JP H06142268A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 均一で高級感のあるスエード調を有し、極め
て柔軟でかつ充実感のある風合いを有し、かつ耐久性の
ある抗菌性を有したスエード調ゴルフ手袋を提供する。 【構成】 単繊維の直径が1μm以下の極細繊維(A)
と抗菌性を有する金属イオンを保持した抗菌性ゼオライ
トを含有する単繊維直径が3〜10μmの中極細繊維
(B)とからなる繊維束繊維の絡合不織布と高分子弾性
体からなるシート状物の少なくとも片面に立毛を有する
スエード調人工皮革よりなる抗菌性ゴルフ手袋。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、スエード調人工皮革を
素材とするゴルフ用手袋に関するものであり、更に詳し
くは、従来の人工皮革にない抗菌性を有し、外観が極め
て良好でかつ機械物性及び着用感に優れた抗菌性ゴルフ
手袋に関するものある。
【0002】
【従来の技術】従来、ゴルフ手袋用素材しては、天然皮
革あるいは人工皮革などの人工素材が使用されている。
天然皮革の場合は表面物性の問題でそのほとんどが銀付
品であり、スエード調のものは少ない。この銀付品は着
用感はよいが、着用中に摩擦及び汗による色移りが発生
したり、洗濯ができないことにより、着用後の汗及び汚
れ等によるかびの発生による悪臭が発生する。天然皮革
の抗菌処理は抗菌剤の含浸処理等の方法により行われて
いるが、後処理方法ではスエード表面の外観低下及び風
合い硬化は避けられないので未だ抗菌性手袋はない。一
方、人工素材によるゴルフ手袋としては、特公平4−2
1507号公報に繊維基材の片面に高分子重合体を積層
した素材を用いたゴルフ手袋が、特公平1−37957
号公報に極細繊維の絡合不織布の片面を銀付調にしたゴ
ルフ手袋が記載されている。また近年0.5デニ−ル以
下の極細繊維または極細収束繊維の繊維絡合体と高分子
弾性体からなるスエード調人工皮革がゴルフ手袋として
用いられ、天然皮革の様な外観、風合い、及び雨天での
着用時に滑らない、水洗い可能、着用時にむれない等の
特徴があり、多く使用される様になった。しかしゴルフ
手袋は着用時の汗の付着や、人体の脂汚れ、一般の汚れ
等により非常に汚れ易く、短期間の放置でかび等の発生
によるによる悪臭発生のもととなっている。
【0003】人工皮革等に抗菌剤を付与する方法とし
て、特公平4−11670号公報に繊維基材と殺菌作用
を有する金属イオンをイオン交換に保持しているゼオラ
イトを含有する樹脂の構成からなる合成皮革について記
載されているが、このような素材をスエード調人工皮革
に加工した場合には、表面の立毛繊維部分には抗菌剤が
存在しないため、表面だけのかびの発生は防げない。ま
た特開平4−228609号公報には銀置換ゼオライト
を含む抗菌性合成繊維が記載されているが、ゼオライト
粒子により糸の物性が低下するため極細繊維とすること
はできず、このような繊維を用いて繊維立毛シート状物
としても極細繊維で覆われ柔軟な立毛シート状物は得ら
れず高級感を有しフィット性に優れたゴルフ手袋とはな
らない。また、後処理により抗菌性を付与する方法とし
て、抗菌性物質を真空蒸着、スパッタリング、イオンブ
レーテイング等の乾式加工により表面に付着させる方法
や、水または溶剤に抗菌剤とバインダーの樹脂を溶解ま
たは分散させた処理液を含浸して付着させる方法が有る
が、前者は耐久性や有効成分濃度の確保が困難であり、
後者は抗菌剤のバインダー樹脂による風合い硬化、立毛
繊維の集毛による外観低下が起こる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、現在の
人工皮革のゴルフ手袋では人体に悪影響がなく、繊細な
スエード調の外観と風合いを持った、耐久性のある抗菌
性を有する人工皮革のゴルフ手袋は未だ開発されていな
い。本発明の目的は、均一で高級感のあるスエード調を
有し、極めて柔軟でかつ充実感のある風合いを有し、か
つ耐久性のある抗菌性を有したスエード調ゴルフ手袋を
提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、単繊維の直径
が1μm以下の極細繊維(A)と抗菌性を有する金属イ
オンを保持した抗菌性ゼオライトを含有する単繊維直径
が3〜10μmの中極細繊維(B)とからなる繊維束繊
維の絡合不織布と高分子弾性体からなるシート状物の少
なくとも片面に立毛を有するスエード調人工皮革よりな
る抗菌性ゴルフ手袋である。
【0006】本発明のゴルフ手袋に使用するスエード調
人工皮革は、その構成繊維が単繊維直径が1μm以下の
極細繊維(A)と抗菌性ゼオライトを含有する単繊維直
径が3〜10μmの中極細繊維(B)とからなる。極細
繊維(A)の単繊維直径が1μmより大きいと、表面の
立毛繊維が太く柔軟性にかけるため、柔軟で手によくな
じむ高級感を有する外観のゴルフ手袋とならない。中極
細繊維(B)の単繊維直径が10μmより大きいと、細
い立毛繊維に太い立毛繊維が混入することととなり、表
面の極細繊維によるしっとりとした感触が損なわれ、発
色性の違いにより色目が違って見えたりして高級感のあ
る外観が得られない。また、3μmより細いと、抗菌性
ゼオライトを含有させると繊維強度が低下し、また紡糸
安定性にも劣るものとなる。
【0007】極細繊維と抗菌性ゼオライトを含有する中
細繊維は、集束して同一の繊維束に存在することが重要
である。極細繊維束のみからなる繊維束繊維と中細繊維
束のみからなる繊維束繊維とが混綿されたものでは、立
毛中で極細繊維と中細繊維とが十分均一に混合せず部分
的に色目や毛並みの斑を生じ易く、本願発明の指向する
外観の優れたスエード調人工皮革は得られにくく、ま
た、抗菌性ゼオライトを含む中細繊維は繊維径が太いに
もかかわらず強伸度などの繊維物性が低いためシート物
性も低いものとなりやすい。中細繊維と極細繊維の集束
した繊維束繊維に、極細繊維のみの繊維束繊維を少量混
合使用することは特に差し支えないが、極細繊維束繊維
の量が多くなると抗菌効果や発色性が低下しやすい。極
細繊維(A)と中極細繊維(B)の混合比は、重量比で
90/10〜30/70の範囲が好ましく、極細繊維の
量が多くなると外観は良好になるが、抗菌性が低下しや
すく、逆に少なくなると高級感のある外観のスエード調
人工皮革とならない。
【0008】単繊維の直径が1μm以下の極細繊維
(A)と抗菌性を有する金属イオンを保持した抗菌性ゼ
オライトを含有する単繊維直径が3〜10μmの中極細
繊維(B)とからなる繊維束繊維は、同一海成分の中に
海成分とは溶剤溶解性あるいは分解性を異にし、最終単
繊維の直径が1μm以下の島成分(A)と抗菌性ゼオラ
イトを含有する最終単繊維の直径が4〜10μmの島成
分(B)とが混在する極細繊維発生型繊維(海島型繊
維)から海成分を除去することによって得ることができ
る。
【0009】このような極細繊維発生型繊維は、従来よ
く知られている、溶融流動特性の異なる2種のポリマー
を独立した溶融系で溶融し、接合−分割を繰り返して両
者の混合系を形成して紡糸する複合紡糸方法あるいは紡
糸口金部で一方のポリマーを海成分、他方を島成分とな
るように口金規制して紡糸を行う複合紡糸方法におい
て、海成分側にチップブレンドにより海島構造としたポ
リマーを供給して多成分繊維を作る溶融紡糸方法、また
は、3種のポリマーを独立した溶融系で溶融し紡糸口金
部で島成分の太さが2種以上となるよう口金規制して複
合紡糸する溶融紡糸方法など既存の紡糸方法を使用すれ
ば良く特に限定されるものでない。
【0010】島成分である極細繊維あるいは中細繊維に
用いられるポリマーとしては、たとえばポリエチレンテ
レフタレートまたはそれを主体とする共重合体、ポリブ
チレンテレフタレートまたはそれを主体とする共重合
体、脂肪族ポリエステルまたはその共重合体等の可紡性
ポリエステル類、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン
610、ナイロン12で代表されるナイロン類、その他
の可紡性ポリアミド類、ポリエチレン、ポリプレン、ポ
リブチレン、などのポリオレフィン類、アクリル共重合
体、ポリビニールアルコール、ポリウレタンなどがあげ
られる。
【0011】海成分を構成するポリマーとしては、島成
分のポリマーとは特定の溶剤や分解剤に対する溶解性あ
るいは分解性を異にするポリマーであり、また熱成形温
度範囲が重なっているもので、溶融状態において紡糸に
要する時間内ではこれらのポリマー間で紡糸に支障をお
こす反応や相互作用を及ぼさないもの等が用いられる。
例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンプロ
ピレン共重合体、エチレン酢酸ビニル共重合体、ポリス
チレン、スチレンアクリル共重合体、スチレンアクリル
共重合体、スチレンエチレン共重合体、ポリウレタンな
どのポリマーから選ばれた少なくとも一種のポリマーで
ある。
【0012】本発明において、抗菌性を有する金属イオ
ンを保持している抗菌性ゼオライトとは、アルミノシリ
ケートよりなる、天然または合成ゼオライトのイオン交
換可能な部分に、殺菌効果を持つ金属イオンの1種また
は2種以上を、イオン交換により保持しているものであ
る。抗菌性のある金属として、銀、銅、亜鉛などあり、
本発明の目的のためには上記の単独または混合の使用が
可能である。またゼオライトの形状は粉末粒子が好まし
く、粒子径は小さい方が好ましい。通常2μm以下、特
に0.5μm以下がであることが好ましい。粉末粒子径
が2μmより大きくなると、繊維にした場合極端な原糸
の物性低下または紡糸不可能になる。
【0013】ゼオライトの繊維に添加する量は、上記の
中極細繊維(B)に対して、通常0.05重量%以上1
5重量%以下、好ましくは0.5重量%〜5重量%の範
囲である。この添加量は紡糸性を考慮した添加量であ
り、一方抗菌作用を有する金属の量は、抗菌性の効果に
関係し、最終のスエード調人工皮革に対しての金属の添
加量の割合が、銀−ゼオライトの場合は0.004%以
上、銅−ゼオライトの場合は0.02%以上、亜鉛−ゼ
オライトの場合は0.1%以上となるように調整するこ
とが望ましく、これを達成するのに金属のゼオライトに
対する添加濃度をコントロールする必要がある。
【0014】繊維へのゼオライトの添加方法としては、
添加する島成分のポリマーのチップに前もって必要量を
添加するか、ゼオライトを添加したマスターバッチをつ
くり紡糸直前にチップで混合する方法、紡糸押出機にゼ
オライトを直接添加する方法など、公知の方法を採用す
ることができる。
【0015】本発明で用いるスエード調人工皮革は、上
記の極細繊維成分と抗菌性ゼオライトを含有した中細繊
維成分を海成分として含む極細繊維発生型繊維を用いて
従来公知の方法、すなわち、該極細繊維発生型繊維の絡
合不織布を製造する工程、該絡合不織布に弾性重合体溶
液を凝固する工程、極細繊維発生型繊維を極細繊維に変
成する工程、少なくとも一面に立毛を形成する工程、得
られた繊維立毛基体を必要により染色仕上げする工程、
を行うことにより、均一で高級感のあるスエード調を有
し、極めて柔軟でかつ充実感のある風合いを有し、かつ
耐久性のある抗菌性を有したスエード調人工皮革とする
ことができる。
【0016】すなわち、得られた極細繊維発生型繊維は
従来公知の方法により、延伸、熱固定、捲縮、カット、
開繊などの処理を行って、原綿を作製する。かかる原綿
はカードで解繊されウエーバでランダムウエブまたはク
ロスラップウエブに形成される。ウエブは必要に応じて
積層し、所望の重さにする。ウエブの重さは指向する用
途により異なるが、一般的に100〜3000g/m2
の範囲が望ましい。ついで公知の手段にて繊維絡合処理
を施して繊維絡合不織布を形成する。好ましい絡合処理
はニードルパンチング法または/および高圧水流噴射法
である。ニードルパンチ数及び条件は使用針の形状やウ
エブの厚みで異なるが、一般的に200〜2500パン
チ/cm2の範囲で設定される。ニードルパンチ条件が強
すぎる場合には繊維の絡合効果よりもむしろ繊維の切断
が増加することになり、構造破壊を生じウエブ面積の拡
大を招き、引き裂き強力等の物性低下を招くことにな
る。また絡合が少ない場合には剥離強力等の物性低下と
立毛繊維不足による外観不良の物となる。
【0017】次に繊維絡合不織布に弾性重合体液を含
浸、凝固する。繊維絡合不織布に含浸する弾性重合体の
具体例を挙げると、ポリエステル系ポリウレタン、ポリ
エーテル系ポリウレタン、ポリエステルエーテル系ポリ
ウレタン、ポリラクトン系ポリウレタン、ポリカーボネ
ート系ポリウレタン等のポリウレタン類、アクリル酸ま
たはアクリル酸エステルの重合体または共重合体類、ポ
リイソプレン、ポリブタジエンなどの共役ジエン重合体
あるいは共役ジエン重合体ブロックを分子中に有するポ
リマー類、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリロニ
トリル−ブタジエン共重合体、酢酸ビニル重合体、また
は共重合体等のポリマーが挙げられる。弾性挙動の小さ
い樹脂をバインダー樹脂として用いた場合には、塩化ビ
ニル重合体または共重合体の可塑化ポリマー、ポリアミ
ド類または変性ポリアミド類、エチレン−酢酸ビニル共
重合体等のポリマーを用いることができる。
【0018】弾性重合体を含浸・凝固した繊維基体は、
弾性重合体及び極細発生型繊維の島成分(A)、(B)
の非溶剤であり、かつ海成分の溶剤または分解剤で処理
することにより極細繊維発生型繊維を繊維束繊維に変成
し、極細繊維絡合不織布と弾性重合体からなる繊維質基
体とする。次に繊維質基体は少なくとも一面に極細繊維
を主体とした繊維立毛面を形成させる。繊維立毛を形成
させる方法は、サンドペーパーによるバッフィング、針
布起毛等既存の方法で行うことができる。ついで得られ
たスエード調繊維質基体を染色するが、繊維質基体の構
成する樹脂を通常の方法にて染色すればよい。
【0019】染色したスエード調繊維質基体は揉み、柔
軟化処理、ブラッシングなどの仕上げ処理を行い、スエ
ード調人工皮革とする。本発明で得られたスエード調人
工皮革は、耐久性のある抗菌性を有し、外観、風合い、
表面の感触、及び毛羽の均一性がきわめて良好で、ゴル
フ手袋とした時フィット感や、耐久性に優れ、高級感あ
ふれるものである。
【0020】
【実施例】次に本発明の実施を具体的な実施例で説明す
るが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。尚、実施例中の部及び%は断わりのない限り重量に
関するものである。また、実施例中の抗菌性および臭い
発生の評価は下記の方法により行った。抗菌性 試験法:抗菌防臭加工製品の加工結果試験マニュアル・
シェイクフラスコ法 試験菌:肺炎桿菌・Klebsiella pneumoniae ATCC
4352臭い発生 1500球試打後のゴルフ手袋をポリ袋に密閉して一週
間室温にて放置し臭いの程度を官能検査により下記評価
で判定。 ○:ほとんど臭わない、△:やや臭う、×:臭う
【0021】実施例−1 溶融流動特性の異なる2種のポリマーを独立した溶融系
で溶融し、接合−分割を繰り返して両者の混合系を形成
して15島の海島繊維を紡糸する複合紡糸装置を用い、
海成分となる側にポリエチレン50部と6−ナイロン1
5部をチップ状態で混合したものを仕込み、他方の島成
分となる側に、6−ナイロン28部と銀イオン2%と亜
鉛イオン14%を含有するゼオライトを20%含有させ
た6−ナイロンのマスターバッチ7部を混合して仕込
み、紡糸温度285℃、巻取り速度800m/分で巻き
取って、平均繊度10デニールの原糸を得た。この原糸
の断面を顕微鏡写真で観察すると、海成分の中に直径約
5.38μmの島成分が15島と、直径が約1.14μ
mの島成分が約180島ある図1の様な海島繊維であっ
た。得られた繊維を2.5倍に延伸し、機械捲縮を付与
し、繊維長51mmに切断し、カードで解繊した後クロ
スラップウエーバーでウエブを作製し、ウエブの両面か
ら交互に合計600パンチ/cm2のニードルパンチを行
い、目付け660g/m2の絡合不織布を作った。この
繊維絡合不織布にポリエーテル系ポリウレタンを主体と
するポリウレタンの13%DMF溶液を含浸し、DMF
の40%水溶液中で凝固し、水洗した。次いで海島繊維
の海成分のポリエチレンをパークレンで処理して除去
し、単繊維の平均直径が0.72μmの極細繊維約18
0本と単繊維の平均直径が3.4μmの中細繊維15本
とが混在する繊維束繊維の絡合不織布とポリウレタンと
からなる厚さ約1.4mmの繊維質基体を得た。
【0022】得られた繊維質基体を厚さ方向を二分割
し、スライス面をバフして、厚さ0.48mmとした
後、他の面を粒度#400のサンドペーパーで起毛処理
を施し、繊維立毛シートとし下記の条件で茶色に染色し
た。 染色条件 ラニールブラウンGR(住友化学製) 4%owf レベラン NK−D 1g/l 染色温度 90℃ 乾燥後、揉み、整毛処理を行うと、外観が極めて良好で
かつ機械物性に優れ、抗菌性を有した茶色のスエード調
人工皮革が得られた。さらに本発明の人工皮革を図2の
様なゴルフ手袋を縫製して着用試験に供したところ、表
1の通り着用感、フィット感のよい、悪臭発生の少ない
ものであった。
【0023】
【表1】
【0024】比較例−1 実施例−1と同じ紡糸方法で、海成分となる側にポリエ
チレン50部と6−ナイロン15部をチップ状態で混合
したものを仕込み、他方の島成分となる側に6−ナイロ
ン30部を仕込み、紡糸温度285℃、巻取り速度80
0m/分で巻き取って、平均繊度10デニールの原糸を
得た。この原糸の断面を顕微鏡写真で観察すると、実施
例1と同様の海島繊維であった。この海島繊維を用いて
実施例−1と同じ方法にて立毛シートを作製し、さらに
ゴルフ手袋に仕上げたところ、表面の発色性が良好で、
着用感の良好なものではあるが、抗菌性が無いため着用
後の悪臭のする物となった。
【0025】比較例−2 実施例−1と同じ紡糸方法で、海成分となる側にポリエ
チレン 部を仕込み、他方の島成分となる側に6−ナ
イロン28部と銀イオン2%と亜鉛イオン14%を含有
するゼオライトを20%含有させた6−ナイロンのマス
ターバッチ7部を混合して仕込み、紡糸温度285℃、
巻取り速度800m/分で巻き取って、平均繊度10デ
ニールの原糸を得た。この原糸の断面を顕微鏡写真で観
察すると、海成分の中に直径約5.4μmの島成分が1
5島ある海島繊維であった。これとは別に海成分として
ポリエチレン50部、島成分として6ナイロン50部と
なるように、ポリマーをチップブレンドして混合紡糸し
て10デニールの原糸を得た。この原糸の断面を顕微鏡
写真で観察すると、海成分の中に直径約1.14μmの
極細島成分が約600島ある海島繊維であった。これら
の海島繊維を実施例−1と同様に延伸、捲縮付与、切
断、解繊して重量比で30/70の割合で混綿し、以後
実施例−1と同様に立毛シートを作製した。得られた立
毛シートをゴルフ手袋に仕上げると、抗菌性には優れる
ものの、構成繊維の発色性の違いから繊維立毛に斑感が
あり高級感に欠けるものであった。
【0026】
【発明の効果】本発明は、外観が極めて良好でかつ機械
物性に優れた抗菌性を有した立毛シートからなるゴルフ
手袋で、最も接触しやすい表面の毛羽が抗菌性を有して
いるので抗菌性の効果は良く、また繊維の中に練り込ん
でいる為に抗菌剤の溶出や脱離もなく、すぐれた耐久性
を示し、毒性もないので、手に直接触れるゴルフ用抗菌
性スエード調人工皮革手袋を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で使用する極細繊維発生型繊維の断面模
式図である。
【図2】本発明のゴルフ手袋の概略図である。
【符号の説明】 1 中細繊維成分 2 極細繊維成分 3 海成分 4 抗菌性ゼオライト

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】単繊維の直径が1μm以下の極細繊維
    (A)と抗菌性を有する金属イオンを保持した抗菌性ゼ
    オライトを含有する単繊維直径が3〜10μmの中極細
    繊維(B)とからなる繊維束繊維の絡合不織布と高分子
    弾性体からなるシート状物の少なくとも片面に立毛を有
    するスエード調人工皮革よりなる抗菌性ゴルフ手袋。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101111158B1 (ko) * 2009-01-16 2012-02-16 김영배 방한용 가죽장갑

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