JP3139695B2 - 抗菌性スエード調人工皮革 - Google Patents

抗菌性スエード調人工皮革

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    • D06N3/0004Artificial leather, oilcloth or other material obtained by covering fibrous webs with macromolecular material, e.g. resins, rubber or derivatives thereof characterised by the substrate using ultra-fine two-component fibres, e.g. island/sea, or ultra-fine one component fibres (< 1 denier)

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、外観が極めて良好でか
つ機械物性に優れ、抗菌性を有したスエード調人工皮革
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、繊維基材と、殺菌作用を有する金
属イオンをイオン交換により保持しているゼオライトを
含有する樹脂の構成からなる合成皮革については、特公
平4−11670号公報に記載が有るが、スエード調人
工皮革にした場合に、表面の立毛繊維部分には抗菌剤の
存在がなく、表面だけのかびの発生は防げない。また特
開平4−228609号公報には銀置換ゼオライトの抗
菌性合成繊維について記載が有るも、このような繊維
は、ゼオライトの粒径からくる糸の物性の低下を考慮し
て、繊維はある程度太いものでなければならず、また粒
子中の抗菌イオンは遊離しやすく、そのために抗菌効果
に優れているも、繊維は着色するという問題があり、極
細繊維で覆われ柔軟な立毛シート状物の繊維としては使
用できない。特開平3−43457号公報にはリン酸塩
粒子に抗菌性のある金属イオンを担持させた抗菌性樹脂
組成物について記載あるも、極細繊維束と中細繊維の複
合繊維による抗菌性のある極細繊維束については記載が
ない。また、スエード調人工皮革の製品の後処理方法と
して、抗菌性物質を真空蒸着、スパッタリング、イオン
ブレーティング等の乾式加工により表面に付着させる方
法と、水または溶剤に抗菌剤とバインダーの樹脂を溶解
または分散させた処理液を含浸して付着させる方法が有
るが、前者は耐久性や有効成分濃度の確保が困難であ
り、後者は抗菌剤のバインダー樹脂による風合い硬化、
立毛繊維の集毛による外観低下が起こる。以上のように
外観が極めて良好でかつ機械物性に優れ、耐久性があ
り、特に表面の抗菌性に優れたスエード調人工皮革は未
だ発明されていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来知られている抗菌
性のスエード調人工皮革の製造方法では、いずれも外観
のスエード感、風合い、抗菌性の耐久性、抗菌性の兼備
した抗菌剤による着色のない立毛シートは得られなかっ
た。本発明の目的は、均一で高級感のあるスエード調を
有し、極めて柔軟でかつ充実感のある風合いを有し、加
工工程での抗菌剤による着色がなく、かつ耐久性のある
抗菌性を有したスエード調人工皮革を提供するにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、銀、銅、亜
鉛、金及び白金より選ばれ少なくとも1種の金属イオン
を0.1〜15重量%保持した平均粒径が1μm以下の
リン酸塩粒子を繊維に対し0.05〜15重量%含有す
る単繊維直径が3〜10μmの中細繊維(A)と、単繊
維直径が1μm以下の極細繊維(B)とが重量比A/B
=10/90〜70/30の割合で混在する極細繊維収
束繊維の絡合不織布と弾性重合体よりなるシート状物の
少なくとも片面に立毛を有する抗菌性スエード調人工皮
革である。
【0005】本発明のスエード調人工皮革は、島成分と
して銀、銅、亜鉛、金及び白金より選ばれ少なくとも1
種の金属イオンを0.1〜15重量%保持した平均粒径
が1μm以下のリン酸塩粒子を繊維に対し0.05〜1
5重量%含有する単繊維の直径が3〜10μmの中極細
繊維(A)と、単繊維の直径が1μm以下の極細繊維
(B)重量比A/B=10/90〜70/30からなる
極細繊維発生型繊維を製造する工程、該極細繊維発生型
繊維の絡合不織布を製造する工程、該絡合不織布に弾性
重合体溶液を凝固する工程、極細繊維発生型繊維を極細
繊維に変成する工程、少なくとも一面に立毛を形成する
工程、得られた繊維立毛基体を必要により染色仕上げす
る工程、を組み合わせることにより、抗菌剤による着色
がなく、均一で高級感のあるスエード調を有し、極めて
柔軟でかつ充実感のある風合いを有し、かつ耐久性のあ
る抗菌性を有したスエード調人工皮革を得ることができ
る。
【0006】本発明で使用するリン酸塩粒子を含有する
島成分(A)の直径は、3〜10μmの範囲である。直
径が3μmより小さいと、リン酸塩粒子を含有させたと
きの繊維強度が低下してスエード調人工皮革としたとき
物性の低いものとなり、また、10μmより大きくなる
と立毛が不均一で優美さに欠けるものとなると共にシー
トの風合いが固くなる。一方、島成分(B)は直径が1
μ以下であり、1μmより大きくなると立毛の肌理が荒
くなり優美さに欠けるものとなる。そして、中極細繊維
(A)と極細繊維(B)の混合率は重量比でA/B=1
0/90〜70/30の範囲である。中細繊維(A)の
量が多くなると立毛の肌理が荒くなるとともにシートの
風合いも固くなり、少なくなるとシート全体に対するリ
ン酸塩粒子の量が少なくなり十分な抗菌効果を得ること
が困難になる。
【0007】本発明においては、これらの中細繊維
(A)と極細繊維(B)は同一の繊維束に存在する、す
なわち、両繊維を島成分とする極細繊維発生型繊維を用
いることが重要である。中細繊維(A)のみからなる繊
維束と極細繊維(B)のみからなる繊維束に変性される
2種の極細繊維発生型繊維を混綿したものでは立毛中で
中細繊維(A)と極細繊維(B)とが十分均一に混合せ
ず部分的に色目や毛並みの斑を生じ易く、本願発明の指
向する外観の優れたスエード調人工皮革は得られにく
い。中細繊維(A)と極細繊維(B)の極細繊維束に極
細繊維(B)のみの繊維束を混合使用することもできる
が、極細繊維(B)の量が多くなると抗菌効果や発色性
が低下しやすいため全体としてのA/Bの比率は上記範
囲にすることが好ましい。
【0008】本発明に用いられる紡糸方法は、従来よく
知られている、溶融流動特性の異なる2種のポリマーを
独立した溶融系で溶融し、接合−分割を繰り返して両者
の混合系を形成して紡糸する複合紡糸方法あるいは紡糸
口金部で海成分中に口金規制して島成分を押し出して複
合紡糸する複合紡糸方法において、海成分側をチップブ
レンドにより極細島の海島繊維状として溶融紡糸する方
法、または、紡糸口金部で、島成分の太さが2種以上と
なるよう繊維形状を規制して紡糸する方法など既存の紡
糸方法を使用すれば良く特に限定されるものでない。
【0009】次に、該島成分に用いられるポリマーは、
たとえばポリエチレンテレフタレートまたはそれを主体
とする共重合体、ポリブチレンテレフタレートまたはそ
れを主体とする共重合体、脂肪族ポリエステルまたはそ
の共重合体等の可紡性ポリエステル類、ナイロン6、ナ
イロン66、ナイロン610、ナイロン12で代表され
るナイロン類、その他の可紡性ポリアミド類、ポリエチ
レン、ポリプレン、ポリブチレン、などのポリオレフィ
ン類、アクリル共重合体、ポリビニールアルコール、ポ
リウレタンなどがあげられる。
【0010】また、海成分を構成するポリマーは、島成
分のポリマーとは特定の溶剤や分解剤に対する溶解性あ
るいは分解性を異にするポリマーであり、また熱成形温
度範囲が重なっているもので、溶融状態において紡糸に
要する時間内ではこれらのポリマー間で紡糸に支障をお
こす反応や相互作用を及ぼさないもの等が用いられる。
例えばポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンプロピ
レン共重合体、エチレン酢酸ビニル共重合体、ポリスチ
レン、スチレンアクリル共重合体、スチレンアクリル共
重合体、スチレンエチレン共重合体、ポリウレタンなど
のポリマーから選ばれた少なくとも一種のポリマーであ
る。
【0011】本発明に使用するリン酸塩粒子は、平均粒
子径が1μm以下である必要があり、好ましくは0.5
μm以下が良い。その平均粒子径が1μmを越えると極
細繊維にした場合、極端な原糸物性の低下または、紡糸
が不可能となる。また、繊維に添加するリン酸塩粒子の
量は、紡糸性の点から、上記の中極細繊維Aに対して、
0.05重量%以上で15重量%以下、望ましくは0.
5重量%以上で5重量%以下の範囲が望ましい。本発明
で使用するリン酸塩粒子は、銀、銅、亜鉛、金及び白金
より選ばれ少なくとも1種の金属イオンを0.1〜15
重量%保持している必要があり、0.1%未満では得ら
れた繊維の抗菌効果が十分でなく、15%以上では抗菌
剤が過剰となり経済的でない。これらの金属イオンの含
有量は、最終のスエード調人工皮革に対して、銀イオン
の場合は0.004%以上、銅イオンの場合は0.02
%以上、亜鉛イオンの場合は0.1%以上を目安として
リン酸塩粒子の添加量と金属イオンの保持量を調整する
ことが好ましい。
【0012】上記金属イオンを保持させる方法は従来の
公知の方法、例えばイオン交換方法、共沈方法などによ
りできるが、簡便な方法であるイオン交換方法が望まし
い。リン酸塩粒子の具体例としては、Zr(HP
42、NaZr2312等のリン酸ジルコニウム系化
合物、Ca3(PO42等のリン酸カルシウム系化合
物、Mg3(PO42等のリン酸マグネシュウム系化合
物、Sr2(PO42等のリン酸ストロンチュウム系化
合物、Ba3(PO42等のリン酸バリウム系化合物、
Ti(HPO42等のリン酸チタン系化合物、Sn(H
PO42等のリン酸スズ系化合物、AlPO4等のリン
酸アルミニウム系化合物、FePO4等のリン酸鉄系化
合物、などがあげられる。
【0013】抗菌性リン酸塩粒子の繊維への添加方法と
しては、添加する島成分のポリマーのチップに、前もっ
て必要量を添加するか、抗菌性リン酸塩粒子を添加した
マスターバッチをつくり紡糸直前にチップで混合する方
法、紡糸押出機に抗菌性リン酸塩粒子を直接添加する方
法など、公知の方法で処理すれば良い。
【0014】得られた極細繊維収束群発生型繊維は従来
公知の方法にて、延伸、熱固定、捲縮、カット、開繊な
どの処理工程行って、原綿を作製する。かかる原綿はカ
ードで解繊されウエーバでランダムウエーブまたはクロ
スラップウエーブに形成される。ウエブは必要に応じて
積層し、所望の重さにするウエーブの重さは指向する用
途によりことなるが、一般的に100〜3000g/m2
の範囲が望ましい。
【0015】ついで公知の手段にて繊維絡合処理を施し
て繊維絡合不織布を形成する。好ましい絡合処理はニー
ドルパンチング法または/および高圧水流噴射法であ
る。ニードルパンチ数及び条件は使用針の形状やウエブ
の厚みで異なるが一般的に200〜2500パンチ/m2
の範囲で設定される。ニードルパンチ条件が強すぎる場
合には繊維の絡合効果よりもむしろ繊維の切断が増加す
ることになり、構造破壊を生じウエブ面積の拡大を招
き、引き裂き強力等の物性低下を招くことになる。また
絡合が少ない場合には剥離強力等の物性低下と立毛繊維
不足による外観不良の物となる。
【0016】次に繊維絡合不織布に弾性重合体液を含
浸、凝固する。繊維絡合不織布に含浸する弾性重合体の
具体例を挙げると、ポリエステル系ポリウレタン、ポリ
エーテル系ポリウレタン、ポリエステルエーテル系ポリ
ウレタン、ポリラクトン系ポリウレタン、ポリカーボネ
ート系ポリウレタン等のポリウレタン類、アクリル酸ま
たはアクリル酸エステルの重合体または共重合体類、ポ
リイソプレン、ポリブタジエンなどの共役ジエン重合体
あるいは共役ジエン重合体ブロックを分子中に有するポ
リマー類、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリロニ
トリル−ブタジエン共重合体、酢酸ビニル重合体、また
は共重合体等のポリマーが挙げられる。弾性挙動の小さ
い樹脂をバインダー樹脂として用いた場合には、塩化ビ
ニル重合体または共重合体の可塑化ポリマー、ポリアミ
ド類または変性ポリアミド類、エチレン−酢酸ビニル共
重合体等のポリマーを用いることができる。
【0017】次に弾性重合体を含浸・凝固した繊維基体
は、弾性重合体及び極細繊維発生型繊維の島成分
(A)、(B)の非溶剤であり、かつ海成分の溶剤また
は分解剤処理することにより極細繊維発生型繊維を極細
収束繊維に変成し、極細繊維絡合不織布と弾性重合体か
らなる繊維質基体とする。
【0018】次に繊維質基体は少なくとも一面に極細繊
維を主体とした繊維立毛面を形成させる。繊維立毛を形
成させる方法は、サンドペーパーによるバッフィング、
針布起毛等既存の方法をとればよい。ついで得られたス
エード調繊維質基体を染色するが、繊維質基体を構成す
る樹脂を染色する通常の方法にて染色すればよい。染色
したスエード調繊維質基体は揉み、柔軟化処理、ブラッ
シングなどの仕上げ処理を行い、スエード調人工皮革と
することができる。
【0019】本発明で得られたスエード調人工皮革は、
外観が極めて良好でかつ機械物性に優れ、抗菌性を有し
たもので、衣料用、医療用、靴用、インテリヤ用、手袋
用等に好適である。
【0020】
【実施例】次に本発明の実施を具体的に実施例で説明す
るが、本発明はこれらの実施例に限定される物ではな
い。尚、実施例中の部及び%は断わりのない限り重量に
関するものである。また実施例中の抗菌性評価は以下の
実験方法にて行った。 試験方法;抗菌防臭加工製品の加工結果試験マニュアル
・シェイクフラスコ法による 試験菌;肺炎桿菌・Klebsiella pneumoniae ATCC 4352
【0021】実施例−1 溶融流動特性の異なる2種のポリマーを独立した溶融系
で溶融し、接合−分割を繰り返して両者の混合系を形成
して紡糸する15島の複合紡糸装置を用い、二成分では
海成分となる側に、ポリエチレン50部、6−ナイロン
15部、をチップ状態で混合したものを仕込み、他方の
島成分となる側に、6−ナイロン28部と銀イオン2重
量%を含有する抗菌性リン酸塩粒子を20重量%含有す
る6−ナイロンのマスターバッチ7部を仕込み、紡糸温
度285℃、巻取り速度 800m/分で巻き取って、
平均繊度10デニールの原糸を得た。この原糸の断面を
顕微鏡写真で観察すると、海成分の中に直径約5.7μ
mの中細繊維成分が15島と、直径が約0.84μmの
極細繊維成分が約260島ある第1図の様な極細繊維発
生型繊維を得た。得られた繊維を2.5倍に延伸し、機
械捲縮を付与し、繊維長51mmに切断し、カードで解繊
した後クロスラップウエーバーでウエブを作製し、ウエ
ブの両面から交互に合計600パンチ/cm2のニードル
パンチを行い、目付け660g/m2の絡合不織布を作っ
た。この繊維絡合不織布にポリエーテル系ポリウレタン
を主体とするポリウレタン13%のN,N−ジメチルホ
ルムアミド(DMF)溶液を含浸し、DMF40%の水
溶液中で凝固し、水洗した。次いで極細繊維発生型繊維
の海成分のポリエチレンを、パークレンで処理して除去
すると、単繊維の平均直径が3.6μmの中細繊維Aが
15本と、単繊維の平均直径が0.58μmの極細繊維
約260本が存在する絡合不織布とポリウレタンとから
なる厚さ約1.4mmの黄変のない白色の繊維質基体を得
た。繊維質基体を二分割し、スライス面をバフして、厚
さ0.55mmとした後、他の面を粒度#400のサンド
ペーパーで起毛 処理を施し、繊維立毛シートとした。
このシートは茶色の1;2型含金錯塩染料で染色し、乾
燥後、揉み、整毛処理を行うと、外観が極めて良好でか
つ機械物性に優れ、抗菌性を有した茶色のスエード調人
工皮が得られた。
【0022】実施例−2 実施例−1と同様の紡糸方法で海成分側に、ポリエチレ
ン50部、6−ナイロン15部、をチップ状態で混合し
た物を仕込み、他方の島成分となる側に、6−ナイロン
28部と銀イオン2重量%と亜鉛イオン14重量%を含
有する抗菌性リン酸塩粒子を20%含有する6−ナイロ
ンのマスターバッチ7部とを仕込み、紡糸し、紡糸原糸
とした。この原糸を延伸以降は実施例−1と同じ方法に
て加工すると、外観が極めて良好でかつ機械物性に優
れ、抗菌性を有した茶色のスエード調人工皮が得られ
た。
【0023】比較例−1 実施例1−の紡糸条件で、海成分となる側のポリマーを
ポリエチレン50部、他方の島成分となる側に、6−ナ
イロン45部と銀イオン20重量%を含有する抗菌性リ
ン酸塩粒子5部を仕込み、紡糸温度285℃、巻取り速
度800m/分で巻取って、平均繊度10デニールの原
糸を得た。この原糸の断面を顕微鏡写真で観察すると、
海成分の中に直径約6.2μmの中細繊維成分が15島
ある第2図の様な海島構造複合繊維を得た。この海島構
造複合繊維を用いて延伸以降実施例−1と同じ方法にて
スエード調人工皮革を作製したが、物性低下がおおきく
かつ、立毛の外観は粗くスエード調人工皮革としては程
遠い物であった。
【0024】比較例−2 海成分がポリエチレン、島成分が6ナイロンとなるよう
に、ポリマーをチップブレンドして混合紡糸して10デ
ニールの原糸を得た。この原糸の断面を顕微鏡写真で観
察すると、海成分の中に直径約1.43μmの極細繊維
成分が約300島ある第3図の様な極細繊維発生型繊維
であった。この極細繊維発生型繊維を用いて延伸以降実
施例−1と同じ方法にてスエード調人工皮革を作製する
と、抗菌性はないが、立毛の外観は均一で細かく天然皮
革の様なスエード調人工皮革であった。
【0025】比較例−3 実施例−2の紡糸方法で、海成分はポリエチレン、島成
分は、銀イオン2%を含有する粒径が0.5μmの抗菌
性リン酸塩粒子を4%練り込んだ6ナイロンを用いて紡
糸を行ったが、紡糸性がなく原糸取りはできなかった。
【0026】各実施例及び比較例の結果を表1にまとめ
た。
【表1】 1) 紡糸で糸取りできず、 2) シートでの評価不可
【0027】
【発明の効果】本発明は、外観が極めて良好でかつ機械
物性に優れた抗菌性を有したスエード調人工皮革で、着
用中に最も接触しやすい表面の毛羽が抗菌性を有してい
るので抗菌性の効果はよく、また繊維の中に練り込んで
いる為に抗菌剤の溶出や脱離もなく、すぐれた耐久性を
示し、毒性もない、したがて人体に直接触れる、衣料
用、医療用、靴用、インテリヤ用、手袋用等に好適であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例−1で使用した極細繊維発生型繊維の断
面模式図である。
【図2】比較例−1で使用した極細繊維発生型繊維の断
面模式図である。
【図3】比較例−2で使用した極細繊維発生型繊維の断
面模式図である。
【符号の説明】
1 中細繊維の島成分 2 極細繊維の島成分 3 海成分

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 銀、銅、亜鉛、金及び白金より選ばれ少
    なくとも1種の金属イオンを0.1〜15重量%保持し
    た平均粒径が1μm以下のリン酸塩粒子を繊維に対し
    0.05〜15重量%含有する単繊維直径が3〜10μ
    mの中細繊維(A)と、単繊維直径が1μm以下の極細
    繊維(B)とが重量比A/B=10/90〜70/30
    の割合で混在する極細繊維収束繊維の絡合不織布と弾性
    重合体よりなるシート状物の少なくとも片面に立毛を有
    する抗菌性スエード調人工皮革。
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JP2007217839A (ja) * 2006-02-20 2007-08-30 Toray Ind Inc スエード調人工皮革
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