JPH06140154A - 透明電極の形成方法 - Google Patents
透明電極の形成方法Info
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- JPH06140154A JPH06140154A JP4284610A JP28461092A JPH06140154A JP H06140154 A JPH06140154 A JP H06140154A JP 4284610 A JP4284610 A JP 4284610A JP 28461092 A JP28461092 A JP 28461092A JP H06140154 A JPH06140154 A JP H06140154A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 薄膜EL(エレクトロルミネッセンス)素子
を駆動するのに好適な面積抵抗の低い透明電極を形成す
ることができる製造方法を提供する。 【構成】 基板11の片側表面上に金属膜18を形成
し、透明電極12が形成される部分の金属膜18をエッ
チングして除去する。その表面上にIn2O3などの導電
物質13から成る薄膜を積層し、次に金属膜18および
金属膜18上に積層された導電性物質13をエッチング
して除去する。
を駆動するのに好適な面積抵抗の低い透明電極を形成す
ることができる製造方法を提供する。 【構成】 基板11の片側表面上に金属膜18を形成
し、透明電極12が形成される部分の金属膜18をエッ
チングして除去する。その表面上にIn2O3などの導電
物質13から成る薄膜を積層し、次に金属膜18および
金属膜18上に積層された導電性物質13をエッチング
して除去する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、薄膜ELパネルなどの
表示装置を製造する際に好適に実施される透明電極の形
成方法に関する。
表示装置を製造する際に好適に実施される透明電極の形
成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】図6は、従来行われている透明電極の形
成方法を説明するための断面図である。図6(1)に示
すように、ガラス基板1のほぼ全面にスパッタ法を用い
て透明導電膜8としてIn2O3膜を約2000Åの厚さ
に形成する。このとき、透明導電膜8の比抵抗(抵抗
率)を小さくするため、また、透明導電膜8とガラス基
板1との密着性を向上させるため、ガラス基板1は30
0〜350℃程度の高温に保たれる。
成方法を説明するための断面図である。図6(1)に示
すように、ガラス基板1のほぼ全面にスパッタ法を用い
て透明導電膜8としてIn2O3膜を約2000Åの厚さ
に形成する。このとき、透明導電膜8の比抵抗(抵抗
率)を小さくするため、また、透明導電膜8とガラス基
板1との密着性を向上させるため、ガラス基板1は30
0〜350℃程度の高温に保たれる。
【0003】次に図6(2)に示すように、透明導電膜
8上に、スピンナあるいはロールコータなどを用いてフ
ォトレジスト膜7を塗布し、露光、現像、ベーキングな
どの各工程を経て、所望のフォトレジスト膜7のパター
ンを形成する。
8上に、スピンナあるいはロールコータなどを用いてフ
ォトレジスト膜7を塗布し、露光、現像、ベーキングな
どの各工程を経て、所望のフォトレジスト膜7のパター
ンを形成する。
【0004】さらに、図6(3)に示すように、たとえ
ばHClとFeCl3との混合水溶液などのエッチング
溶液を用いて、フォトレジスト膜7に被覆されていない
部分のIn2O3膜などから成る透明導電膜8を除去す
る。
ばHClとFeCl3との混合水溶液などのエッチング
溶液を用いて、フォトレジスト膜7に被覆されていない
部分のIn2O3膜などから成る透明導電膜8を除去す
る。
【0005】次に図6(4)に示すように、剥離液を用
いてフォトレジスト膜7を剥離し、透明導電膜8から成
る透明電極2が得られる。
いてフォトレジスト膜7を剥離し、透明導電膜8から成
る透明電極2が得られる。
【0006】図7は、前述のようにして得られた透明電
極2を使用して形成される薄膜エレクトロルミネッセン
ス(EL)素子9の一例を示す図である。図7に示すよ
うに、薄膜EL素子9は、ガラス基板1上に複数本の帯
状の透明電極2を平行に設ける。この上に、たとえばS
iO2,Si3N4,Al2O3などから成る第1絶縁層
3、マンガン(Mn)などの活性剤を添加したZnSな
どから成る発光層4、およびSiO2,Si3N4,Al2
O3などから成る第2絶縁体層5を、順次スパッタ法、
蒸着法などの薄膜形成技術を用いてそれぞれ約1μmの
膜厚で積層し、3層構造とする。さらにこの上に、前記
透明電極2と直交する方向にアルミニウム(Al)など
の金属膜から成る複数本の帯状の背面電極6を平行に設
けて構成する。また、透明電極2および背面電極6は、
ガラス基板1端部付近まで伸延され、電極端子とされ
る。
極2を使用して形成される薄膜エレクトロルミネッセン
ス(EL)素子9の一例を示す図である。図7に示すよ
うに、薄膜EL素子9は、ガラス基板1上に複数本の帯
状の透明電極2を平行に設ける。この上に、たとえばS
iO2,Si3N4,Al2O3などから成る第1絶縁層
3、マンガン(Mn)などの活性剤を添加したZnSな
どから成る発光層4、およびSiO2,Si3N4,Al2
O3などから成る第2絶縁体層5を、順次スパッタ法、
蒸着法などの薄膜形成技術を用いてそれぞれ約1μmの
膜厚で積層し、3層構造とする。さらにこの上に、前記
透明電極2と直交する方向にアルミニウム(Al)など
の金属膜から成る複数本の帯状の背面電極6を平行に設
けて構成する。また、透明電極2および背面電極6は、
ガラス基板1端部付近まで伸延され、電極端子とされ
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、図6に示すよ
うな透明電極の形成方法を用いた場合、得られる透明電
極2の断面形状は、図6(4)の矢符Aで示す部分に角
ができ、透明電極2の膜厚が大きければ大きいほど基板
1に対して大きな段差が形成される。
うな透明電極の形成方法を用いた場合、得られる透明電
極2の断面形状は、図6(4)の矢符Aで示す部分に角
ができ、透明電極2の膜厚が大きければ大きいほど基板
1に対して大きな段差が形成される。
【0008】この透明電極2を用いて図7に示すように
薄膜を積層して多層配線を行う場合、電極上に積層され
る絶縁層3は、透明電極2に対して均等な膜厚で透明電
極2を被覆するのではなく、図6(4)の矢符Aで示す
角部、および、基板1に対して垂直方向のエッチングに
よる電極パターン端部側面では、絶縁膜3の膜厚は基板
1に対して水平方向の膜厚に比べて薄くなってしまう。
この傾向は、透明電極2の膜厚が大きくなるほど顕著で
ある。
薄膜を積層して多層配線を行う場合、電極上に積層され
る絶縁層3は、透明電極2に対して均等な膜厚で透明電
極2を被覆するのではなく、図6(4)の矢符Aで示す
角部、および、基板1に対して垂直方向のエッチングに
よる電極パターン端部側面では、絶縁膜3の膜厚は基板
1に対して水平方向の膜厚に比べて薄くなってしまう。
この傾向は、透明電極2の膜厚が大きくなるほど顕著で
ある。
【0009】このように電極2、絶縁層3、発光層4、
絶縁層5、電極6と順次積層形成された薄膜EL素子9
において、透明電極2と背面電極6とに電圧を印加した
場合には、図6(4)の矢符Aで示す角部に電界が集中
し、さらにこの角部を被覆する絶縁層3,5および発光
層4の膜厚が薄くなっていることから、この薄膜EL素
子9は、図6(4)の矢符Aで示す部分で絶縁破壊を起
こしやすい。
絶縁層5、電極6と順次積層形成された薄膜EL素子9
において、透明電極2と背面電極6とに電圧を印加した
場合には、図6(4)の矢符Aで示す角部に電界が集中
し、さらにこの角部を被覆する絶縁層3,5および発光
層4の膜厚が薄くなっていることから、この薄膜EL素
子9は、図6(4)の矢符Aで示す部分で絶縁破壊を起
こしやすい。
【0010】このため、従来の製造方法では、透明電極
2の膜厚を大きくすることができず、したがって透明電
極2の面積抵抗が大きくなり、この電極2を用いた薄膜
EL素子9では、電極取り出し用端子から遠い画素ほど
透明電極2の抵抗による電圧低下によって表示輝度が低
くなり、表示むらができてしまう。特に、16階調表示
などの多階調表示で、低輝度表示を行う場合には、この
表示むらが顕著に現れ、実際使用する上で問題となる。
2の膜厚を大きくすることができず、したがって透明電
極2の面積抵抗が大きくなり、この電極2を用いた薄膜
EL素子9では、電極取り出し用端子から遠い画素ほど
透明電極2の抵抗による電圧低下によって表示輝度が低
くなり、表示むらができてしまう。特に、16階調表示
などの多階調表示で、低輝度表示を行う場合には、この
表示むらが顕著に現れ、実際使用する上で問題となる。
【0011】本発明の目的は、より抵抗値の低い透明電
極を形成することができる透明電極の形成方法を提供す
ることである。
極を形成することができる透明電極の形成方法を提供す
ることである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、基板の一方表
面に金属膜を形成し、透明電極が形成される領域の金属
膜を除去し、前記基板の一方表面に透明電極となる導電
物質を付着し、前記導電物質が付着した金属膜のみを除
去することを特徴とする透明電極の形成方法である。
面に金属膜を形成し、透明電極が形成される領域の金属
膜を除去し、前記基板の一方表面に透明電極となる導電
物質を付着し、前記導電物質が付着した金属膜のみを除
去することを特徴とする透明電極の形成方法である。
【0013】また本発明は、前記金属膜は、2種類以上
の異なる金属膜が積層して成ることを特徴とする。
の異なる金属膜が積層して成ることを特徴とする。
【0014】
【作用】本発明に従えば、基板の一方表面に金属膜を形
成し、透明電極が形成される領域の金属膜を除去し、前
記基板の一方表面に透明電極となる導電物質を付着し、
前記導電物質が付着した金属膜のみを除去することによ
って、透明電極が形成される。導電物質の基板に対する
入射方向が一様でないことから、金属膜断面付近では付
着する導電物質が少なくなり、表面が滑らかに丸みを帯
びた形状の透明電極を形成することができる。したがっ
て、透明電極および対向する電極に電圧を印加しても、
生じる電界が電極表面の一部に集中しない。また、電極
表面に薄膜を積層する場合には、電極膜厚を大きくして
も、薄膜の膜厚を均等に積層することができる。
成し、透明電極が形成される領域の金属膜を除去し、前
記基板の一方表面に透明電極となる導電物質を付着し、
前記導電物質が付着した金属膜のみを除去することによ
って、透明電極が形成される。導電物質の基板に対する
入射方向が一様でないことから、金属膜断面付近では付
着する導電物質が少なくなり、表面が滑らかに丸みを帯
びた形状の透明電極を形成することができる。したがっ
て、透明電極および対向する電極に電圧を印加しても、
生じる電界が電極表面の一部に集中しない。また、電極
表面に薄膜を積層する場合には、電極膜厚を大きくして
も、薄膜の膜厚を均等に積層することができる。
【0015】また好ましくは、前記金属膜は、2種類以
上の異なる金属膜が積層して成るので、基板表面側の金
属膜を他方側の金属膜より大きくエッチングすることに
よって、基板面に入射する導電物質を遮りやすくなり、
金属膜断面付近で基板面に導電物質が付着する量を減少
させ、電極表面が丸みを帯びた電極をより容易に得るこ
とができる。
上の異なる金属膜が積層して成るので、基板表面側の金
属膜を他方側の金属膜より大きくエッチングすることに
よって、基板面に入射する導電物質を遮りやすくなり、
金属膜断面付近で基板面に導電物質が付着する量を減少
させ、電極表面が丸みを帯びた電極をより容易に得るこ
とができる。
【0016】
【実施例】図1は本発明の一実施例の透明電極形成方法
を説明するための断面図であり、図2は図1に示す実施
例の透明電極12を形成する工程を示す工程図である。
図1(1)および図2の工程k1に示すように、ガラス
基板11の片側全面に、電子ビーム蒸着法、スパッタ法
などを用いて、たとえばアルミニウム(Al)などから
成る金属膜18を1〜5μm程度の厚さに形成する。
を説明するための断面図であり、図2は図1に示す実施
例の透明電極12を形成する工程を示す工程図である。
図1(1)および図2の工程k1に示すように、ガラス
基板11の片側全面に、電子ビーム蒸着法、スパッタ法
などを用いて、たとえばアルミニウム(Al)などから
成る金属膜18を1〜5μm程度の厚さに形成する。
【0017】次に図1(2)および図2の工程k2に示
すように、金属膜18上にスピンナ、ロールコータなど
を用いて、市販のフォトレジスト膜17を塗布し、図2
の工程k3に示すようにマスクを重ねて露光、現像、ベ
ーキングの各工程を経て感光しない部分を除去し、フォ
トレジスト膜17のパターンを形成する。
すように、金属膜18上にスピンナ、ロールコータなど
を用いて、市販のフォトレジスト膜17を塗布し、図2
の工程k3に示すようにマスクを重ねて露光、現像、ベ
ーキングの各工程を経て感光しない部分を除去し、フォ
トレジスト膜17のパターンを形成する。
【0018】さらに図1(3)および図2の工程k4に
示すように、金属膜18に適合するエッチング溶液を用
いて金属膜18のエッチングを行う。たとえば、金属膜
18をAl膜とした場合、エッチング溶液には、たとえ
ば、H3PO4とHNO3の混合水溶液を用いてエッチン
グを行う。
示すように、金属膜18に適合するエッチング溶液を用
いて金属膜18のエッチングを行う。たとえば、金属膜
18をAl膜とした場合、エッチング溶液には、たとえ
ば、H3PO4とHNO3の混合水溶液を用いてエッチン
グを行う。
【0019】次に、図2の工程k5に示すように市販の
フォトレジスト膜剥離液でフォトレジスト膜17を剥離
する。その後、図1(4)および図2の工程k6に示す
ようにスパッタ法を用いてIn2O3膜を積層する。この
とき、ガラス基板11に対するIn2O3粒子の入射角度
は一様でないので、金属膜18のエッチングによる断面
付近は、矢符Cで示すようにIn2O3膜の表面は丸みを
帯びた滑らかな形状となる。
フォトレジスト膜剥離液でフォトレジスト膜17を剥離
する。その後、図1(4)および図2の工程k6に示す
ようにスパッタ法を用いてIn2O3膜を積層する。この
とき、ガラス基板11に対するIn2O3粒子の入射角度
は一様でないので、金属膜18のエッチングによる断面
付近は、矢符Cで示すようにIn2O3膜の表面は丸みを
帯びた滑らかな形状となる。
【0020】スパッタ法によって透明導電膜を形成する
場合、膜厚と面積抵抗との関係で温度が高いほど低い抵
抗値の膜が得られ、膜が薄くなると抵抗値が急激に増加
することが知られている。さらに、In2O3膜の比抵抗
(固有抵抗)を小さくし、ガラス基板11との密着性を
向上させるために、In2O3膜をガラス基板11にスパ
ッタ法で形成する際には、300〜350℃の高温下で
行われる。
場合、膜厚と面積抵抗との関係で温度が高いほど低い抵
抗値の膜が得られ、膜が薄くなると抵抗値が急激に増加
することが知られている。さらに、In2O3膜の比抵抗
(固有抵抗)を小さくし、ガラス基板11との密着性を
向上させるために、In2O3膜をガラス基板11にスパ
ッタ法で形成する際には、300〜350℃の高温下で
行われる。
【0021】次に、図2の工程k7で示すように、金属
膜18に適合するエッチング溶液を用いて、金属膜18
のみを選択的にエッチングして除去する。このとき使用
するエッチング溶液は、金属膜12のみをエッチングし
て、In2O3膜に影響を与えないものであることが必要
である。たとえば、金属膜18としてAl膜を使用する
場合には、KOHとKIO3との混合水溶液が最適であ
ることが確認されている。以上のようにして、図1
(5)に示すような所望の透明導電膜12がガラス基板
11上に形成される。
膜18に適合するエッチング溶液を用いて、金属膜18
のみを選択的にエッチングして除去する。このとき使用
するエッチング溶液は、金属膜12のみをエッチングし
て、In2O3膜に影響を与えないものであることが必要
である。たとえば、金属膜18としてAl膜を使用する
場合には、KOHとKIO3との混合水溶液が最適であ
ることが確認されている。以上のようにして、図1
(5)に示すような所望の透明導電膜12がガラス基板
11上に形成される。
【0022】透明導電膜12は、薄膜エレクトロルミネ
ッセンス(EL)素子を駆動する電極として使用される
場合には、薄膜EL表示装置の表示品位を向上させるた
め、透明導電膜12の膜厚を厚くすることが望ましい。
また、金属膜18の膜厚は、In2O3膜を付着させるス
パッタ装置の形状、すなわち、In2O3粒子の入射角度
の分布状態、図1(3)の矢符aで示す金属膜18のエ
ッジの角度および所望の透明電極12の膜厚によって異
なるが、図1(4)の金属膜18の矢符bで示す部分に
金属膜18が露出することが必要であり、また、図1
(4)の透明導電膜12の矢符cで示す部分がなだらか
に膜厚変化することが必要である。したがって、金属膜
18と透明電極12との膜厚比が5:1以上になるよう
形成されることが望ましい。
ッセンス(EL)素子を駆動する電極として使用される
場合には、薄膜EL表示装置の表示品位を向上させるた
め、透明導電膜12の膜厚を厚くすることが望ましい。
また、金属膜18の膜厚は、In2O3膜を付着させるス
パッタ装置の形状、すなわち、In2O3粒子の入射角度
の分布状態、図1(3)の矢符aで示す金属膜18のエ
ッジの角度および所望の透明電極12の膜厚によって異
なるが、図1(4)の金属膜18の矢符bで示す部分に
金属膜18が露出することが必要であり、また、図1
(4)の透明導電膜12の矢符cで示す部分がなだらか
に膜厚変化することが必要である。したがって、金属膜
18と透明電極12との膜厚比が5:1以上になるよう
形成されることが望ましい。
【0023】本実施例においては、金属膜18をAl膜
としたが、たとえばNi膜などのようにガラス基板との
密着力が比較的小さな材料を用い、In2O3膜形成後、
図1(4)に示す状態で、湿式のブラッシングあるいは
超音波などの物理的外力によってNi膜とNi膜上に積
層されたIn2O3膜とを除去してもよい。
としたが、たとえばNi膜などのようにガラス基板との
密着力が比較的小さな材料を用い、In2O3膜形成後、
図1(4)に示す状態で、湿式のブラッシングあるいは
超音波などの物理的外力によってNi膜とNi膜上に積
層されたIn2O3膜とを除去してもよい。
【0024】また、さらに金属膜18のパターンを形成
する方法としては、スパッタエッチングなどのドライエ
ッチング法を用いてもよい。ドライエッチングを用いた
場合、図1(3)の矢符aで示す金属膜18のエッジ角
度を直角にできて、矢符b,cで示す部分にスパッタ法
を用いて入射されるIn2O3粒子を遮りやすく、したが
って金属膜18と透明電極12との膜厚比を小さくする
ことができる。
する方法としては、スパッタエッチングなどのドライエ
ッチング法を用いてもよい。ドライエッチングを用いた
場合、図1(3)の矢符aで示す金属膜18のエッジ角
度を直角にできて、矢符b,cで示す部分にスパッタ法
を用いて入射されるIn2O3粒子を遮りやすく、したが
って金属膜18と透明電極12との膜厚比を小さくする
ことができる。
【0025】図3は本発明の他の実施例の透明電極形成
方法を説明するための断面図であり、図4は図3に示す
実施例の透明電極22を形成する工程を示す工程図であ
る。図3(1)および図4の工程m1に示すように、ガ
ラス基板21の片側全面に、異種の材料から成る金属膜
28,29を形成する。たとえば、金属膜28としてA
l膜、金属膜29としてNi膜を形成する。
方法を説明するための断面図であり、図4は図3に示す
実施例の透明電極22を形成する工程を示す工程図であ
る。図3(1)および図4の工程m1に示すように、ガ
ラス基板21の片側全面に、異種の材料から成る金属膜
28,29を形成する。たとえば、金属膜28としてA
l膜、金属膜29としてNi膜を形成する。
【0026】次に図3(2)および図4の工程m2に示
すように、金属膜29上にフォトレジスト膜27を塗布
し、図1に示す実施例同様に、図4の工程m3に示すよ
うにフォトエッチングによってフォトレジスト膜27の
パターンを形成する。
すように、金属膜29上にフォトレジスト膜27を塗布
し、図1に示す実施例同様に、図4の工程m3に示すよ
うにフォトエッチングによってフォトレジスト膜27の
パターンを形成する。
【0027】さらに図3(3)および図4の工程m4に
示すように、金属膜29に適合するエッチング溶液、た
とえば金属膜29にNi膜を使用する場合には、HNO
3とH2O2との混合水溶液を用いてエッチングを行う。
さらに図4の工程m5に示すように金属膜28に適合す
るエッチング溶液、たとえば金属膜28にAl膜を使用
する場合には、H3PO4との混合HNO3との混合水溶
液を用いてエッチングを行う。このとき、Al膜のエッ
チング時間を長くすることによって、図3(3)の矢符
dで示すように、金属膜28と金属膜29との接合部分
にひさし状凹所を形成する。このとき、エッチング溶液
は、金属膜29に影響を与えないものを選ぶ。
示すように、金属膜29に適合するエッチング溶液、た
とえば金属膜29にNi膜を使用する場合には、HNO
3とH2O2との混合水溶液を用いてエッチングを行う。
さらに図4の工程m5に示すように金属膜28に適合す
るエッチング溶液、たとえば金属膜28にAl膜を使用
する場合には、H3PO4との混合HNO3との混合水溶
液を用いてエッチングを行う。このとき、Al膜のエッ
チング時間を長くすることによって、図3(3)の矢符
dで示すように、金属膜28と金属膜29との接合部分
にひさし状凹所を形成する。このとき、エッチング溶液
は、金属膜29に影響を与えないものを選ぶ。
【0028】次に図3(4)および図4の工程m6に示
すように、フォトレジスト膜27を剥離後、図4の工程
m7に示すようにスパッタ法を用いて透明導電膜23で
あるIn2O3膜を積層する。このとき、図3(3)の矢
符dで示すひさし状凹所によって、スパッタ法によって
入射されるIn2O3粒子を遮りやすくなり、金属膜28
の矢符eで示す部分が露出され、また、透明導電膜23
の矢符fで示す部分の表面が、丸みを帯びた滑らかな形
状となる。
すように、フォトレジスト膜27を剥離後、図4の工程
m7に示すようにスパッタ法を用いて透明導電膜23で
あるIn2O3膜を積層する。このとき、図3(3)の矢
符dで示すひさし状凹所によって、スパッタ法によって
入射されるIn2O3粒子を遮りやすくなり、金属膜28
の矢符eで示す部分が露出され、また、透明導電膜23
の矢符fで示す部分の表面が、丸みを帯びた滑らかな形
状となる。
【0029】さらに、図4の工程m8に示すように金属
膜28に適合するエッチング溶液を用いて、たとえば金
属膜28としてAl膜を使用する場合には、KOHとK
IO3との混合水溶液を用いて金属膜28を選択的にエ
ッチングし、金属膜28,29を除去する。このとき、
エッチング溶液はIn2O3膜23に影響を与えないもの
を選ぶ。以上のようにして図3(5)で示すように、所
望の透明電極22がガラス基板21上に形成される。
膜28に適合するエッチング溶液を用いて、たとえば金
属膜28としてAl膜を使用する場合には、KOHとK
IO3との混合水溶液を用いて金属膜28を選択的にエ
ッチングし、金属膜28,29を除去する。このとき、
エッチング溶液はIn2O3膜23に影響を与えないもの
を選ぶ。以上のようにして図3(5)で示すように、所
望の透明電極22がガラス基板21上に形成される。
【0030】図5は、本発明の透明導電膜の形成方法を
用いて構成される薄膜EL素子30の一例を示す断面図
である。ガラス基板31上に形成された透明電極32
は、丸みを帯びた滑らかな断面形状をしており、その表
面上に積層された絶縁層33はほぼ均一な膜厚で形成さ
れる。さらに、絶縁層33上に順次積層される発光層3
4、絶縁層35および背面電極36は、それぞれ、滑ら
かな凹凸を持って形成される。
用いて構成される薄膜EL素子30の一例を示す断面図
である。ガラス基板31上に形成された透明電極32
は、丸みを帯びた滑らかな断面形状をしており、その表
面上に積層された絶縁層33はほぼ均一な膜厚で形成さ
れる。さらに、絶縁層33上に順次積層される発光層3
4、絶縁層35および背面電極36は、それぞれ、滑ら
かな凹凸を持って形成される。
【0031】このように、透明電極32の膜厚を大きく
しても、背面電極36との間に積層される絶縁層33、
発光層34、絶縁層35の膜厚が極端に小さくなること
を防止でき、電極の形状からも電界が極度に集中する部
分がなくなり、電圧印加時の絶縁破壊を予防し、薄膜E
L素子30の信頼性を向上することができる。また透明
電極32の膜厚を大きくすることによって、電極32の
面積抵抗を小さくし、電極32の抵抗による電圧降下を
抑え、薄膜EL素子30の表示むらを抑え表示品位を向
上することができる。
しても、背面電極36との間に積層される絶縁層33、
発光層34、絶縁層35の膜厚が極端に小さくなること
を防止でき、電極の形状からも電界が極度に集中する部
分がなくなり、電圧印加時の絶縁破壊を予防し、薄膜E
L素子30の信頼性を向上することができる。また透明
電極32の膜厚を大きくすることによって、電極32の
面積抵抗を小さくし、電極32の抵抗による電圧降下を
抑え、薄膜EL素子30の表示むらを抑え表示品位を向
上することができる。
【0032】この結果、640×400ドット、端子間
ピッチ0.3mmの薄膜EL素子30において、1電極
あたりの抵抗を、従来の製法による電極では約5KΩで
あったものを、本実施例による電極では約500Ωに低
減することができた。
ピッチ0.3mmの薄膜EL素子30において、1電極
あたりの抵抗を、従来の製法による電極では約5KΩで
あったものを、本実施例による電極では約500Ωに低
減することができた。
【0033】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、基板の一
方表面に金属膜を形成し、透明電極が形成される領域の
金属膜を除去し、前記基板の一方表面に透明電極となる
導電物質を付着し、前記導電物質が付着した金属膜のみ
を除去することによって、導電物質の基板に対する入射
方向が一様でないことから、金属膜断面付近では付着す
る導電物質が少なくなり、電極表面が滑らかに丸みを帯
びた形状の透明電極を形成することができる。したがっ
て、透明電極および対向する電極に電圧を印加しても、
生じる電界が電極表面の一部に集中しない。また、電極
表面に薄膜を積層する場合には、電極膜厚を大きくして
も、薄膜の膜厚を均等に積層することができる。
方表面に金属膜を形成し、透明電極が形成される領域の
金属膜を除去し、前記基板の一方表面に透明電極となる
導電物質を付着し、前記導電物質が付着した金属膜のみ
を除去することによって、導電物質の基板に対する入射
方向が一様でないことから、金属膜断面付近では付着す
る導電物質が少なくなり、電極表面が滑らかに丸みを帯
びた形状の透明電極を形成することができる。したがっ
て、透明電極および対向する電極に電圧を印加しても、
生じる電界が電極表面の一部に集中しない。また、電極
表面に薄膜を積層する場合には、電極膜厚を大きくして
も、薄膜の膜厚を均等に積層することができる。
【0034】また好ましくは、前記金属膜は、2種類以
上の異なる金属膜が積層して成るので、基板表面上の金
属膜を他方側の金属膜より大きくエッチングすることに
よって、基板面に入射する導電物質を遮りやすくなり、
金属膜断面付近で基板面に導電物質が付着する量を減少
させ、電極表面が丸みを帯びた電極をより容易に得るこ
とができる。
上の異なる金属膜が積層して成るので、基板表面上の金
属膜を他方側の金属膜より大きくエッチングすることに
よって、基板面に入射する導電物質を遮りやすくなり、
金属膜断面付近で基板面に導電物質が付着する量を減少
させ、電極表面が丸みを帯びた電極をより容易に得るこ
とができる。
【0035】したがって、たとえば、透明電極、絶縁
層、発光層、絶縁層、背面電極の順に積層されて形成さ
れる薄膜EL素子の電極として使用される場合には、透
明電極の膜厚を大きくし、面積抵抗を低減することによ
って、表示品位の高い薄膜EL素子を得ることができ
る。
層、発光層、絶縁層、背面電極の順に積層されて形成さ
れる薄膜EL素子の電極として使用される場合には、透
明電極の膜厚を大きくし、面積抵抗を低減することによ
って、表示品位の高い薄膜EL素子を得ることができ
る。
【図1】本発明の一実施例の透明電極形成方法を説明す
るための断面図である。
るための断面図である。
【図2】図1に示す実施例の透明電極12を形成する工
程を示す工程図である。
程を示す工程図である。
【図3】本発明の他の実施例の透明電極形成方法を説明
するための断面図である。
するための断面図である。
【図4】図3に示す実施例の透明電極22を形成する工
程を示す工程図である。
程を示す工程図である。
【図5】本発明の透明電極形成方法を用いて構成される
薄膜EL素子30の一例を示す断面図である。
薄膜EL素子30の一例を示す断面図である。
【図6】従来行われている透明電極形成方法を説明する
ための断面図である。
ための断面図である。
【図7】従来の透明電極2を使用して形成される薄膜E
L素子9の一例を示す断面図である。
L素子9の一例を示す断面図である。
11,21 基板 12,22 透明電極 13,23 導電物質 18,28,29 金属膜
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H05B 33/28 // C23F 1/36 8414−4K
Claims (2)
- 【請求項1】 基板の一方表面に金属膜を形成し、 透明電極が形成される領域の金属膜を除去し、 前記基板の一方表面に透明電極となる導電物質を付着
し、 前記導電物質が付着した金属膜のみを除去することを特
徴とする透明電極の形成方法。 - 【請求項2】 前記金属膜は、2種類以上の異なる金属
膜が積層して成ることを特徴とする請求項1記載の透明
電極の形成方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4284610A JP2750059B2 (ja) | 1992-10-22 | 1992-10-22 | 透明電極の形成方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4284610A JP2750059B2 (ja) | 1992-10-22 | 1992-10-22 | 透明電極の形成方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06140154A true JPH06140154A (ja) | 1994-05-20 |
JP2750059B2 JP2750059B2 (ja) | 1998-05-13 |
Family
ID=17680691
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4284610A Expired - Fee Related JP2750059B2 (ja) | 1992-10-22 | 1992-10-22 | 透明電極の形成方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2750059B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7038754B2 (en) | 1996-01-26 | 2006-05-02 | Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. | Liquid crystal electro-optical device |
-
1992
- 1992-10-22 JP JP4284610A patent/JP2750059B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7038754B2 (en) | 1996-01-26 | 2006-05-02 | Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. | Liquid crystal electro-optical device |
US7136128B2 (en) | 1996-01-26 | 2006-11-14 | Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. | Liquid crystal electro-optical device |
US7728942B2 (en) | 1996-01-26 | 2010-06-01 | Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. | Liquid crystal electro-optical device |
US8199300B2 (en) | 1996-01-26 | 2012-06-12 | Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. | Liquid crystal device utilizing electric field parallel to substrate |
US8514361B2 (en) | 1996-01-26 | 2013-08-20 | Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. | Liquid crystal having common electrode |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2750059B2 (ja) | 1998-05-13 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |