JPH06138784A - 画像形成装置 - Google Patents

画像形成装置

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JPH06138784A
JPH06138784A JP4286296A JP28629692A JPH06138784A JP H06138784 A JPH06138784 A JP H06138784A JP 4286296 A JP4286296 A JP 4286296A JP 28629692 A JP28629692 A JP 28629692A JP H06138784 A JPH06138784 A JP H06138784A
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voltage
roller
image forming
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Application number
JP4286296A
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English (en)
Inventor
Hideo Nanataki
七瀧秀夫
Koichi Hiroshima
廣島康一
Masahiro Goto
後藤正弘
Tatsunori Ishiyama
石山竜典
Nobuyuki Ito
伊東展之
Akira Watanabe
顕 渡辺
Masahiro Ito
伊藤政宏
Kazuro Ono
小野和朗
Toshio Miyamoto
宮本敏男
Hiroko Tanaka
田中裕子
Koichi Suwa
諏訪貢一
Takahiro Inoue
井上高広
Tatsuichi Tsukida
月田辰一
Daizo Fukuzawa
福沢大三
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Original Assignee
Canon Inc
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Publication date
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  • Electrostatic Charge, Transfer And Separation In Electrography (AREA)
  • Control Or Security For Electrophotography (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 感光体上のトナー像を転写材に転写させる転
写ローラの電荷供給作用の制御を容易にして、トナー像
の保持を確実にし、トナー飛び散り等を防止し、良好な
画像を形成すること。 【構成】 第一の画像担持体である感光体を一次帯電し
た後に露光を行って潜像を形成し、その潜像を現像して
得られたトナー像を、静電的に第二の画像担持体に転移
させるローラを有する画像形成装置に於いて、該ローラ
は少なくとも表層に誘電体層を有し、該誘電体層表面に
電荷を供給する帯電部材を具備するものとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真方式あるいは
静電記録方式などにより形成された像担持体上のトナー
像を、転写材に転写電界を付与して転写することにより
画像を得る画像形成装置に関するものである。斯る画像
形成装置としては、白黒、モノカラー、あるいはフルカ
ラーの電子写真複写装置、プリンター、その他種々の記
録機器などがある。
【0002】
【従来の技術】
〈従来技術1〉従来の画像形成装置の一例を図6に示
す。図に示すところの1は第一の画像担持体である感光
ドラム、2は一次帯電器、3は露光光源、4は現像装
置、5は転写帯電器、6はクリーニング装置、7は定着
装置、8は転写下ガイド、9は転写上ガイド、10はレ
ジスト上ローラ、11はレジスト下ローラ、12は転写
材の搬送を円滑に行うための搬送ガイド、Pは転写材で
ある。
【0003】画像形成装置の動作について負帯電トナー
を用いた場合の反転現像の例を説明する。
【0004】感光ドラム1はその表面を一次帯電器2に
よってトナーと同極性の負に帯電され、VD 電位とな
る。その後、露光光源3によって像露光され感光ドラム
1上の露光された部分は電位の絶対値が小さくなり、V
L 電位となり潜像を形成する。潜像は現像器4によりト
ナー像として顕像化される。現像の方法は現像器4に回
転自在に取り付けられたスリーブ4a上にトナーが薄層
コートされており、このトナーは負に帯電している。ス
リーブ4aには感光ドラム1の暗電位VD と明電位VL
の間の電位が外部電源によって与えられているので、ス
リーブ4a上のトナーは感光ドラム1の明電位VL の部
分のみ転移して潜像が顕像化される。
【0005】転写帯電器5のワイヤー5aには5〜10
kVの正の電圧が印加され、これによってレジストロー
ラ10,11、転写ガイド8,9を経て搬送されてきた
転写材Pに正の電荷が与えられ、感光ドラム1上のトナ
ー像は電気的引力によって転写材Pに転移し転写され
る。
【0006】トナー像を転写された転写材Pは、定着装
置7を通過することによりトナー像を転写材上に定着さ
せ画像を得る。
【0007】また、ドラム上に転写されずに残ったトナ
ーはクリーニング装置6によって回収される。
【0008】転写方式には上記コロナ転写方式の他に、
ローラ転写方式、絶縁性或いは導電性ベルトを用いたベ
ルト転写方式もあるが、何れの転写方式においても転写
装置は、転写部位で転写材と感光ドラムとの間に強電界
を形成し感光ドラム上のトナー像を電気的に転写材に転
移させる転移作用と、転写材が感光体から分離されて定
着装置に於いて永久固着像として定着されるまでの間ト
ナーを転写材上に保持するためのトナー保持電荷を転写
材に供給する電荷供給作用を持つ。
【0009】〈従来技術2〉また、画像形成装置におけ
る像担持体表面に静電的に形成したトナー像を、これに
密着した紙など、シート状の転写材に静電的に転写する
周知の画像形成装置において、転写部材として弾性転写
ローラを像担持体に圧接してこれら両者間に転写材を通
過させるとともに、前記転写ローラにトナーと逆極性の
バイアス電圧を印加して転写を行うようなものがすでに
提案されている。
【0010】上記のような転写装置では、像担持体と転
写ローラが夫々独立して駆動される場合、転写ローラの
駆動は、ローラ中心軸に取り付けられたギア等により行
われている。
【0011】〈従来技術3〉また、画像形成装置におけ
る像担持体(感光体ドラム)表面に形成した可転写像を
紙等の転写材に転写する工程を含む周知の画像形成装置
において、感光体ドラムとこれに圧接する転写ローラ等
の転写手段とで当接形成された転写部位に前記転写材を
通過させ、これとともに該転写手段に転写バイアスを印
加し、よって形成される電界の作用で像担持体側のトナ
ー像を転写材に転移させるように構成したものが既に提
案されている。
【0012】上記転写手段として使用される転写ローラ
等は、通常ゴム・スポンジ等に導電性粒子を分散させて
この抵抗値を適宜に調整したものが使用されているが、
製造時のバラツキ、湿度耐久変動等の影響によって抵抗
値が1桁以上も変化するため、常時安定した転写バイア
スを印加することが困難である。
【0013】良好な転写性を常に得るためには、紙裏に
与える電荷量を制御してやるのが理想的であるため、転
写ローラを定電流制御することが考えられる。しかし、
転写ローラは感光体全面に当接しているため、転写材の
有無部で転写ローラの感光体ドラムに対する負荷インピ
ーダンスが異なり、特に転写材無部では負荷インピーダ
ンスが小さくなり、多くの電流が流入し、転写材の有る
部分では転写不良をきたしてしまう。従って、接触転写
手段は電圧制御する必要がある。
【0014】本発明者らは上記問題点に鑑みて、抵抗値
の異なる転写ローラから転写材裏面に常に同程度の電荷
を付与するために以下に述べる方式を発明した。
【0015】すなわち、転写動作以前に通紙時に流す電
流を推定した転写ローラが一定電流を転写ローラに流し
必要する電圧(発生電圧)を保持し、転写時に印加する
というバイアス制御方式(ATVC方式)である。
【0016】ハードウエアで構成されたATVC方式の
簡単な制御回路のブロック図を図21に示す。
【0017】図21において、感光体ドラム201に転
写ローラ202が当接しており、転写ローラ202の芯
金に転写高圧電源211よりバイアスが印加されるよう
になっている。
【0018】転写ローラは非通紙時(SW A:ON、
SW B:OFF)、一定電流を感光体ドラムに対して
流す様に電流電圧変換回路とコンパレータの機能を合わ
せ持つ回路214で制御される。
【0019】上記回路214のコンパレータの部分で一
定電流となるまで電流を増加し、それと同時にゲイン用
抵抗Rgを介してメモリ用コンデンサCmに電圧変換さ
れた電圧VO が記憶される。ゲイン用抵抗Rgの役割
は、検出された電圧VO を転写に適正なバイアスに補正
するためのもので、本回路においては、検出電圧VO
係数α(21)倍している。
【0020】通紙時になるとDCコントローラ204が
SW AをOFF、SW BをON状態にして、メモリ
用コンデンサCmに記憶されている転写用電圧αVO
出力し、AMP215を介して転写高圧電源211が駆
動されて転写ローラに転写バイアスが印加される。
【0021】本方式、ATVC方式を利用することによ
って、接触転写手段を有するレーザープリンタ等で一定
の効果を挙げている。
【0022】〈従来技術4〉また、画像形成装置におい
て、像担持体と、これに圧接する転写ローラ、転写ベル
ト等の転写手段を備え、これら両者間に紙等の転写材を
通過させるとともに、前記転写手段に転写バイアスを印
加して、像担持体表面にあらかじめ形成されているトナ
ー像を転写材に転移させるように構成したものがすでに
提案されている。
【0023】このような転写手段は、周知のコロナ放電
器を利用する場合に比べて、転写材を確実に保持できる
ので転写部位での転写ズレが生じにくく、転写バイアス
も比較的低圧かつ低容量ですむので装置が小型コンパク
トにでき、オゾンの発生もほとんどないなど種々な利点
がある。
【0024】図30はこのような画像形成装置の典型的
な構成を略示する概略側面図であって、図示矢印A方向
に回転する像担持体301(以下感光体という)に導電
性転写ローラ302が圧接して、両者間に、転写材が通
過するニップ部を形成している。
【0025】不図示の一次帯電器、画像情報書き込み手
段、現像器等によって、前記感光体301表面に形成さ
れたトナー像が、感光体301の回転に伴ってニップ部
に到達すると、これにタイミングを合わせて搬送路30
4から転写材(不図示)が供給されるとともに、定電圧
又は定電流制御された転写電源308によって転写ロー
ラ302にバイアス電圧が印加され、感光体上のトナー
は転写材上に転移される。
【0026】その後転写材はニップ部を離れて、これも
不図示の定着装置に搬送される。
【0027】この様な画像形成装置に於ける、前記転写
ローラ302は金属などの導電性剛性材料からなる芯金
302aに、ウレタン、EPDMなどにカーボンなどの
導電性材料を分散させて体積抵抗を105 〜1010Ωc
m程度に調整した弾性体で形成した弾性層302bとで
構成される。
【0028】〈従来技術5〉また、画像形成装置におけ
る転写ローラ等の接触転写方式はオゾン等の発生が少な
く紙送り機構が簡略化出来る等の利点があるため近年プ
リンター等で広く用いられてきている。この種の接触転
写方式では例えば転写ローラ方式を例にとると使用出来
る転写ローラの抵抗値が限定され同時に転写ローラの抵
抗値に応じて最適な転写電圧を印加する必要がある。こ
のため予め所定の電位に帯電された静電潜像担持体に一
定電流を流しその時に発生した電圧をモニターしその発
生電圧に応じて転写材にトナー像を転写する際に転写ロ
ーラに印加する電圧値を決定する方法が知られている。
【0029】〈従来技術6〉接触転写式である転写ロー
ラを用いた従来の画像形成装置の1例を図38に示す。
本例の画像形成装置は電子写真プロセス利用のレーザー
プリンターである。
【0030】同図の示すところの501は、金属等の導
電性の基材の上に感光体の層を設けた感光ドラムであ
り、感光ドラム501は、矢印の方向に所定の周速度
(プロセススピード)をもって回転駆動され、その回転
過程において、バイアス電源513から芯金502aに
バイアスを印加するようにした一次帯電ローラ502に
よりマイナスの所定の暗電位VD に一様均一に帯電され
る。
【0031】503は、帯電された感光ドラム上に潜像
を形成するためのレーザービームであり、前記のように
一次帯電ローラ502でマイナスに一様帯電された感光
ドラム501面がレーザービーム503で走査されるこ
とで露光部分は電位絶対値が小さくなって明電位VL
なり、回転感光ドラム501面に目的の画像情報に対応
した静電潜像が形成されていく。
【0032】次いでその潜像は現像装置504によりマ
イナスのトナーで反転現像(レーザー露光部VL にトナ
ーが付着)されて、顕像化される。現像器504は回転
駆動される現像スリーブ504aを有し、そのスリーブ
外周面にマイナスの電荷を持ったトナーの薄層がコート
されてドラム501面に対向し、バイアス電源515か
らスリーブ504aにはその絶対値がドラム501面の
暗電位VD よりも小さく、明電位VL よりも大きな現像
バイアスVDCが印加されることで、スリーブ504a上
のトナーが感光ドラム501の明電位VL の部分にのみ
転移して潜像が顕像化(反転現像)される。
【0033】505は感光ドラム501上に顕像化され
たトナー像を不図示の転写材に転写するための転写ロー
ラであり、芯金505aはバイアス電源514に接続さ
れている。506は転写ローラ505と感光ドラム50
1の間に転写材を導くための転写ガイド、507は感光
ドラム上に残ったトナーや紙粉を除去するためのクリー
ナーである。転写の終了した転写材は搬送ガイド508
によって定着器509に送られ加圧加熱されることによ
って、トナー像が転写材に定着される。定着器509
は、定着ローラ510と加圧ローラ511で構成されて
いる。
【0034】ここで、上記では表層に電圧をかけられる
ようにした転写ローラや帯電ローラを用いているが、こ
の方法によると、不快なオゾンの発生量はコロナ放電に
比べて格段に減少する。
【0035】次に、転写ローラ505を用いた転写方式
の一例を説明する。
【0036】転写ローラ505を、直径20mm、芯金
8mm、ローラ長220mm、ローラ硬度30度とし、
直径30mmの感光ドラム501への加圧を1.4kg
とすると転写ローラ505と感光ドラム501で形成す
るニップ部Nの幅は3mm程度となる。この時、転写ロ
ーラ芯金505aと、転写ローラ505と感光ドラム5
01で形成するニップ部Nとの間の抵抗は、一例の転写
ローラとして2.5×108 Ωcm(2kV印加時)の
ゴム材を使用した場合には2×108 Ω(2kV印加
時)程度の値とする事で良好な転写を行うことができ
る。
【0037】ゴム材はその抵抗をゴム材中にカーボンや
金属酸化物を添加分散することにより調整している。そ
のようなゴム材は、製造時に若干抵抗値が振れたり、環
境により抵抗値が変動する。そのような抵抗値変動が生
じても安定して転写を実行させるために、非転写時(非
通紙時)に感光ドラム501面の暗電位部に当接してい
る転写部材505に定電流のバイアスを印加し、その時
発生する電圧をもとに転写時(通紙時)に転写部材50
5に印加する電圧を決定する転写電圧制御方式(ATV
C=Auto Transfer voltage c
ontrol)が提案されている。
【0038】非転写時に定電流制御(IO )を行い、こ
の時に生じた電圧VT (kV)をもとに転写時に転写ロ
ーラ505に印加する電圧を決定してやれば良い。
【0039】これは例えば、VT (kV)をもとにして VT =a・VT +b(kV) (1) なる算定式を用いて転写電圧VT を算出してやる方法等
が提案されている(特願平2−130599号)。
【0040】〈従来技術7〉また、画像転写手段として
像担持体に接触する接触転写手段を利用する画像形成装
置について、環境変動にかかわらず全ての環境下におい
て常に良好な画像転写性を安定に維持させて良質の画像
形成物を得る手段構成として本出願人は先に次のような
制御方式を提案している(特願平1−85189号
等)。
【0041】即ち、像担持体とこれに接触する転写手段
との両者間のニップ部たる転写部位に記録材を通過させ
るとともに、前記転写部位に像担持体面の非画像域が対
応している場合には転写手段を定電流制御してこのとき
の電圧を検知し、転写部位に像担持体面の画像域が対応
している場合には前記検知した電圧で転写手段を定電圧
制御する方式である(ATVC方式、Active T
ransfer Voltage Control)。
【0042】〈従来技術8〉また、電子写真技術を用い
た複写機、プリンタ等の画像形成装置においては、帯電
・転写等の手段として、コロナ放電器を使用していた
が、構成・オゾン発生防止・コストの点から、近頃、接
触帯電・転写方法を用いたものに変わってきた。図56
に、その様な接触帯電・転写方法を用いた画像形成装置
の一例として、ローラ形状の転写部材を使用したものの
概略構成図を示した。
【0043】図中701は像担持体であり、本例におい
ては、矢印Xの方向(時計方向)に所定の周速度(プロ
セススピード)で回転駆動されるドラム型の電子写真感
光体である。
【0044】回転感光体701は電源741から帯電バ
イアスを印加された帯電手段としての接触帯電ローラ7
03により、その周面が例えば−600Vに一様に帯電
される。
【0045】次に、その帯電された感光体面は、不図示
の露光手段により画像露光、例えば画像変調されたレー
ザビームによる走査露光705がなされて、露光部の感
光体面電位が例えば−100V程度に減衰して画像露光
パターンに対応した静電潜像が感光体一面に形成されて
いく。
【0046】そして、感光体701と現像器706の対
向部である現像部位において感光体1面に、本例の場合
は不帯電された顕画剤としてのトナーが供給されて感光
体701面の静電潜像が反転現像されて可視写像として
のトナー像が形成される。
【0047】このトナー像が、感光体701と接触型転
写部材としての転写ローラ702との圧接部である転写
部位において、不図示の給紙部からシートパス707を
通して該転写部位に感光体701の回転と同期取りされ
て適切なタイミングで搬送された転写材Pに対して転写
されていく。
【0048】転写ローラ702には電源742から正極
性の転写バイアスが印加されており、感光体701面側
のトナー像は転写ローラ702に対する印加転写バイア
スによって形成される電界の作用によって転写部位を通
過していく転写材Pの面に順次転移する。710は電源
741,742の制御手段(CPU)である。
【0049】転写部位を通過してトナー像転写を受けた
転写材Pは、感光体701面から分離されて不図示の定
着手段へ搬送され像定着を受けて、画像形成物として装
置外へ排出される。
【0050】また、トナー像転写後の回転感光体面は、
クリーニング手段708により転写残りトナー等の残留
付着物の除去を受け、イレーサランプ等の除電手段70
9による残留電荷の除去を受けて洗浄化され、繰り返し
て作像に供される。
【0051】ところで、転写ローラ702等の接触型転
写部材を用いた接触転写法においては、環境変化(温度
変化、湿度変化)により転写部材702、転写材P、感
光体701等の特性が変化することで、それに対応して
出力画像の品質が変動しやすい。
【0052】そこで現在、この接触転写法における環境
特性を改善する転写バイアス制御法として所謂A.T.
V.C制御法(Active.Transfer.Vo
ltage.Control)が使用されている。
【0053】これは、画像形成工程(プリント工程)前
の像担持体前回転工程時に転写手段を定電流制御すると
共に、このときの電圧を保持して、以後の画像形成工程
の転写工程時には、転写手段を該保持電圧で定電圧制御
するものである。
【0054】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら前記従来
技術1の転写方式においては、前述の電荷供給作用を制
御する事は困難であり、そのために以下に示すような不
具合が生じていた。
【0055】例えば、コロナ帯電器を用いた転写方式の
場合には電荷供給作用が強く、転移作用を十分なものに
するために印加電圧を高くすると、同時に転写材に過剰
なトナー保持電荷が与えられる傾向がある。これによっ
て転写材のトナー保持力は増大するが、感光体と転写材
との間に強い静電気力が働いて分離が困難となってい
た。また、大量電荷を放出する際に空気中の酸素をイオ
ン化してオゾンを発生するため、これをフィルターで取
り除く必要があった。
【0056】一方ローラ転写の場合にはトナー像の持つ
電荷に対応する背面電荷を供給するもので、印加電圧を
低く設定できて、オゾンの発生量は極めて少ないという
利点がある。ローラとしては、誘電体ローラを用いると
転写材にトナー保持電荷を供給出来ない事が原因でトナ
ー飛び散り等の問題が発生するため、一般には導電体ロ
ーラが好んで用いられる。しかしながら、この導電体ロ
ーラによる転写装置によって多種多様の転写材に対応し
た適正な電荷を供給するためにはローラの電気抵抗値を
厳しく管理する必要があり、特に高速印刷を実現するた
めの高速転写装置としては、使用可能なローラの電気抵
抗値の範囲が非常に狭くなる傾向がある。また、ローラ
の抵抗値を均一にする事が難しく、長手方向或いは周方
向に抵抗値の斑がある場合には転写斑画像を発生させる
という問題があった。
【0057】また、従来技術2においては、画像形成装
置でのプリント回数が累積するにしたがい、転写ローラ
の径は、ローラ表面の機械的摩耗等によって初期状態と
比べ細くなってくる。その結果、転写ローラの中心軸か
ら駆動を与えていた従来の構成では、転写ローラの周速
は、装置の使用とともに徐々に遅くなってきてしまって
いた。
【0058】このため、像担持体である感光ドラムの周
速と、転写ローラの転写材搬送速度に差が生じ感光ドラ
ム上から転写材に転写された画像は、記録材進行方向に
縮みを生じるという欠点があった。
【0059】また、従来技術3におけるATVC方式は
高圧回路に定電流回路が必要なのでコスト的に高くな
り、また定電流動作時の出力電圧を記憶する手段として
コンデンサを用いたハードウエアに頼っているため、リ
ークによるコンデンサ電位の変動やゲイン抵抗の公差、
温特等の変動が転写時の出力電圧に影響を及ぼす恐れも
ある。
【0060】またATVC方式は、ハードウエアで構成
されているので、回路設計をした時点で定数、例えば定
電流値や発生電圧を適正転写電圧に補正するための係数
が定まってしまい、単純なバイアス制御しか実現できな
い等といった不利な点がある。
【0061】また、従来技術4においては、定電圧制御
の場合、上記のように構成した転写ローラの体積抵抗
は、環境、特に湿度によって大きく変化するので低湿環
境下では弾性層の抵抗値の上昇によって、転写電流が減
少して帯電不足による転写不良が発生する。
【0062】反対に高湿環境下では、弾性層の抵抗値が
減少して転写電流が増加して、過剰帯電によって感光体
に転写メモリーを生じて、画像に濃度ムラ、カブリ等を
発生して画質劣化が生じてしまう。
【0063】また、定電流制御の場合には、一定の転写
電流が確保されるので、上述のような不都合はないが、
一般にこの種の装置は、前記ニップ部を通過する予定最
大幅の転写材以下の範囲で、複数種の小幅転写材を使用
できるようになっているのが普通であるので、葉書な
ど、転写ローラよりも小幅の転写材を使用するときに
は、転写材が存在しない領域では、転写ローラと感光体
が直接接触し、感光体の静電容量が転写材の静電容量よ
りも大きいので、転写電流の多くが感光体に流れて転写
材が帯電不足となって転写不良が発生する。
【0064】また、転写ローラの抵抗値の変化が大きい
と、定電圧制御、定電流制御ともに、容量の大きな転写
バイアス電源を使用しなければ電圧、電流ともは追随し
ないといった問題があり、コストアップになるといった
問題があった。
【0065】更に、上記従来例のような中抵抗弾性転写
ローラは、転写工程を多数回繰り返すうちに、表面にト
ナーや紙粉が付着したりして、抵抗値が増加する。また
転写ローラ単体で、転写バイアス通電を繰り返すだけで
抵抗値が増加する現象、俗にいう、通電劣化が発生す
る。更に長時間放置すると、弾性層の物性が変化し、抵
抗値がやはり増加してしまうという現象があり、いずれ
の場合も、前記、環境変化による転写ローラの抵抗値増
加と同様な問題を抱えていた。特に、抵抗値の変化は、
約4〜5倍あり、転写電流が1/2〜1/3になってし
まうといった問題があった。
【0066】前記中抵抗弾性転写ローラの中抵抗弾性体
層は、例えば、ポリオールとイソシアネートを重合して
抵抗を調整したエラストマーポリウレタンや適宜のイオ
ン性添加剤やカーボンブラックなどを添加分散して抵抗
を調整したエラストマーポリウレタンやEPDMなどが
用いられるが、製造上所望される抵抗値の振れ幅は、極
力小さいことが望ましいが、このような分散タイプの中
抵抗層を、抵抗値幅で1桁以下、好ましくは、0.2桁
で生産することは事実上不可能であった。
【0067】また、従来技術5では以下に述べるような
欠点があった。
【0068】1)所定電位に帯電された静電潜像担持体
上に一定電流を流し、発生する電圧をモニターし、その
電圧に対して一定の演算を行い例えば発生電圧に一定の
電圧を加算或は一定の係数を乗算する事で転写時の出力
電圧を決定する方法が知られているが、この時の出力電
圧値は高圧トランスの出力特性によりばらつき、特に転
写ローラの抵抗値が低い場合転写電圧のばらつきに対し
転写電流の変化が大きくなり転写電圧の制御精度が悪く
なるという欠点がある。
【0069】2)転写ローラから静電潜像担持体に直接
流れる電流をモニターしているため転写ローラ抵抗値の
環境変動に対しては対応できるが、転写材の抵抗変化に
は対応しきれないため例えば高温高湿下で転写材が吸湿
したときなどに転写電流が過剰に流れ、転写材上のトナ
ー像のある部分と無い部分との間で転写材を突き抜けて
直接感光ドラムに流れる転写電流量に差ができ感光ドラ
ム一周後の画像に前画像のパターンがドラムメモリーと
して現われることがある。
【0070】また、従来技術6では以下に述べる不都合
のあることが判った。
【0071】反転現像の場合、現像装置504において
トナーは負に帯電されるが、正に帯電される反転トナー
も若干発生する。特に、微粒子トナーのようにトナー粒
径が小さくなると、この傾向はさらに顕著となり、正に
帯電される反転トナー量は増加する傾向にある。このよ
うな場合に、転写材の文字部以外の白部にトナーが付着
してしまう「カブリ」の問題が発生してしまう。このカ
ブリは、転写ローラに印加する電圧値を大きくすると軽
減することが判っている。
【0072】しかし、転写ローラに印加するバイアス値
を大きくすると、感光ドラム501と転写ローラ505
のニップ部での局所的な抵抗ムラによって、転写材を介
して感光ドラムに過大な電流が流れることにより感光ド
ラムにメモリーを作り、ドラム一周後に黒いゴマ状の黒
点(砂地と呼ぶ)が発生するという問題が発生しやすく
なってしまう。
【0073】特に、ハーフトーン画像で発生し易く、抵
抗ムラが大きい場合にはベタ白画像にも発生することが
ある。
【0074】ところで、砂地に関しては、濃度や線幅等
の画質を調整する画像調整手段516も密接な関係のあ
ることが本発明者等の検討により判明した。すなわち、
レーザービームプリンター等に付加されている画像調整
手段516には、図39(a)のように、例えば明電位
L =−200V、暗電位VD =−700Vで一定とし
て、現像バイアスVDCがF1=−600V、F5=−5
00V、F9=−400V(画像濃度はF1が濃く、F
9が薄い)のように現像バイアスのみを変動して画像を
調整する1次帯電バイアス固定式画像調整機構や、図3
9(b)のように、暗電位VD がF1=−750V、F
5=−700V、F9=−650Vと変動し、それにと
もない現像バイアスVDCもF1=−600V、F5=−
500V、F9=−400Vと変動して画像を調整する
1次帯電バイアス・現像バイアス連動式画像調整機構等
が知られている。1次帯電バイアス・現像バイアス連動
式画像調整機構では、細線の再現性が良いなどの利点を
持つ。ここで、本発明者等の検討によれば、上記で述べ
た砂地は、画像調整手段のF1で発生し易く、F9で発
生しにくいことが判明した。すなわち砂地は、暗電位V
D と現像バイアスVDCの差の絶対値(バックコントラス
ト)が小さいほど発生し易い。
【0075】これに反して、反転カブリはバックコント
ラストが大きいほど発生し易い。従って、反転カブリは
F1で発生しにくく、F9で発生し易い。
【0076】すなわち、バックコントラストの大きさに
関して、砂地と反転カブリは互いに相反する関係とな
る。
【0077】また、従来技術7におけるATVC方式の
転写手段制御は、転写性の安定化に有効な手段である
が、像担持体と接触転写手段で形成されるニップ部たる
転写部位の近傍に記録材の電荷を除電させるためにグラ
ンド(接地)又は転写手段に印加される電圧と逆極性の
電圧を印加した除電針を配設したときはその除電針によ
ってATVC方式の転写手段制御が影響を受けることが
ある。
【0078】即ち、画像形成装置が高湿化の環境で使用
される場合、接触転写手段に印加した電圧が近傍の除電
針に流れ込む。その為画像形成装置が新しいときは良い
が、経時と耐久に従い除電針が金属の場合には酸化して
表面抵抗が上がったり、導電繊維より構成されている場
合には記録材より発生する紙粉やホコリの付着などで、
除電針へ流れ込む電流が変動してしまう。その結果、転
写部位に像担持体面の非画像域が対応している非画像域
時に接触転写手段を定電流制御したのちこの時の電圧を
検知し、転写部位に像担持体面の画像域が対応している
画像域時に定電圧制御するこのATVC方式では制御が
不安定となり、適正な転写電圧を求める精度が低下する
ことになる。
【0079】以上の課題に関し、例えば、特開平4−1
2382(特願平2−115443)の様に、転写の定
電流制御時(非通紙時)に、除電針をステップ1でフロ
ートにし、ステップ2で転写と同極性の電圧にし、ステ
ップ3で定電流電源(ダミーの)により印加し、ステッ
プ4で移動する等といった提案がなされている。
【0080】しかし、今まで除電針は画像汚れ防止とい
った効果が主体であったが、近年、コピースピードの高
速化にともない、転写後の紙を除電し、感光体から分離
させる機能を強化する必要ができている。
【0081】また除電針は、耐久によって、表面が酸化
し、出力が低下してくるなどの欠点がある。定電流制御
にするとコロナ帯電器のように、ワイヤーを囲むシール
ドに多量の電流を吸収させる安定な系ではないので、突
然電圧が上昇し、火花放電を発生する恐れがある。した
がって、定電圧制御で、安定した出力を半恒久的に得る
手段が重要である。
【0082】以上説明したように、今後、コピースピー
ドの高速化及び、高耐久化を図る上で、除電針について
もATVC方式のような制御を行わなければならない。
【0083】図47のように、転写ローラ(弾性中抵抗
〜108 Ω)102に−5kVの定電圧を印加し、対向
のアルミドラム631に接触回転させたときにアルミド
ラム631へ流入する電流値の時間にともなう変化を図
48に示した。
【0084】同様に図49のように、除電針633に+
5kVの定電圧を印加し、対向のアルミドラム631に
放電させたとき、アルミドラム631へ流入する電流値
の時間的変化を図50に示した。
【0085】このように変化してしまう理由は、ともに
微少放電々流による表面の酸化であると考えられてい
る。しかも、転写ローラ除電針の形状、材質等が異なる
為、その進行程度も違うというものである。
【0086】以上のように、転写ローラは抵抗値の環境
変動、耐久変動に対して、除電針については、出力の耐
久変動に対して、これらを制御し、常に安定した出力が
得られるようにしたのが本発明である。
【0087】また、従来技術8の様な接触転写方式を採
用している画像形成装置においては、長期間の使用で転
写部材の抵抗値が徐々に変化していくという問題があっ
た。
【0088】例えば、接触転写部材として、EPDM
(エチレン、プロピレン−ジエン共重合体)に、酸化亜
鉛(ZnO)等の金属酸化物を分散し、発泡させたゴム
層を用いた転写ローラを使用した場合、約20万枚(A
4)の通紙で約1桁抵抗が下がる。(例えば1×109
Ωが1×108 Ωとなる。)また、2層以上の抵抗層を
持つものに関してはこれとは反対に、徐々に抵抗が上が
っていく。
【0089】この様な転写部材の抵抗変化により、様々
な環境下で装置を動作させると、転写後の画像に様々な
問題を生じる。
【0090】例えば、長期使用によって転写部材の抵抗
値が低下し、その系における適正抵抗値外の値になった
場合、通常環境(RT23.5%、RH60%:以下N
/Nと言う。)・低温低湿環境(RT15℃、RH10
%:以下L/Lと言う)で最適の転写バイアス制御を行
なうと高温高湿環境(RT32.5%℃、RH80%:
以下H/Hと言う。)下では非画像部に転写電流が多く
流れ込み、画像上に黒点が発生したり、前に印字した画
像の履歴が濃度差となって現われることがある。(ドラ
ムメモリと言う。)また逆に抵抗値が徐々に上昇してい
く場合、転写高圧の出力能力限界にまで達し、転写部材
の抵抗値に合った適正な転写電流が流れずに、転写濃度
低下を招来する。これは特にL/L環境下や両面プリン
ト時に、顕著に現れる。
【0091】本発明の目的は、従来技術1乃至8に関し
て述べたような諸問題を解決することにある。
【0092】
【課題を解決するための手段及び】上記目的を達成する
ために、本発明による課題の解決手段は、特許請求の範
囲の各請求項に記載のとおりである。そして、その作用
について述べると次のとおりである。
【0093】請求項1の解決手段によれば、転写ローラ
の少なくとも表層を誘電体層で形成し、帯電装置によっ
て誘電体層表面に電荷を供給し、この電荷によって発生
する電界でトナー像を転移させ、さらにローラ表層の電
荷の転写材への移動によりトナー像の保持を可能にする
事によって、トナー飛び散り、転写斑画像等の発生しな
い転写装置の実現が可能になる。
【0094】請求項2乃至4の解決手段によれば、像担
持体と、これに圧接する転写ローラとを備え、その夫々
は互いに独立して走行駆動を行い、これら両者間に転写
材を通過させるとともに、転写ローラに印加する転写バ
イアスによって転写材背面に電荷を付加するように構成
した転写装置において、前記転写ローラをローラ表面か
ら駆動することにより、ローラ径が細くなっても転写ロ
ーラの周速が常に一定となるようにする。
【0095】請求項5の解決手段によれば、接触転写手
段を電圧制御する手段を有し、前記電圧制御手段による
定電圧制御時の出力電流値を検出する出力電流検出手段
と、前記出力電流が所望の値に達しているか否かを判断
する判断手段と、前記判断手段に基づき前記転写手段へ
の出力電圧を演算により決定する手段とを有する転写バ
イアス制御手段を有した画像形成装置において、プリン
ト動作前に少くとも1回転写出力制御動作を実施し、プ
リント動作中の出力電流をモニターして補正をかけるこ
とによって、常に転写材に適当な電流を流すことが可能
になり、また従来ハードウエアで構成されていた転写高
圧制御をソフトウエアを介して行うことになるので回路
構成が単純化し、コストダウンが可能となり、更に自在
なシーケンスが実現できるので、安定な転写高圧制御を
実現する。
【0096】請求項6,7の解決手段によれば、像担持
体と、これに圧接して転写部たるニップ部を形成する当
接タイプの転写手段を備え、前記転写部位に転写材を通
過させるとともに、前記転写手段に転写バイアスを印加
し、前記像担持体上のトナー像を転写材に転写する画像
形成装置において、前記転写手段と転写バイアス印加電
源との間に、転写手段の抵抗値よりも充分大きな抵抗部
材を直列に挿入したことを特徴とする画像形成装置であ
り、前記抵抗部材の抵抗値をR1 とし、前記転写手段の
抵抗値をR2 とした時、R1 /R2 >1を満足すること
を特徴とする画像形成装置が提供され、安定した転写画
像を得るとともに、転写電界の制御を不要とする。
【0097】請求項8,9の解決手段によれば、静電潜
像担持体上に形成されたトナー像を転写材上に静電的に
転写する転写手段が該静電潜像担持体に接触しており、
予め非画像形成時に上記転写手段に印加する電圧を決定
する為の制御動作を行うとともに上記転写手段と転写手
段に電圧を印加するための高圧発生手段との間に電流を
抑制するための手段を有することを特徴とし更に上記電
流抑制手段はその抵抗値R(Ω)が画像形成装置の画像
形成速度をVp(mm/sec)、最大通紙幅L(m
m)としたときに、4.3×1011/(Vp×L)≦R
≦3.3×1012/(Vp×L)の範囲にあることによ
り、転写ローラの抵抗値にあわせて最適な転写電圧を印
加すると同時に、電流抑制手段の作用により転写材に過
剰な転写電流が流れるのを防止する。
【0098】請求項10の解決手段によれば、表面に静
電潜像を担持した像担持体、及び、これを顕像化するた
めのバイアス電圧を印加した現像手段、及び、該顕像を
形成担持させた後、前記像担持体面に対して、バイアス
を印加した転写部材により転写材を当接させて像担持体
面側の可転写像を転写材面側へ転写させる転写手段と、
少なくとも前記静電潜像の地肌部における表面電位と前
記現像手段に印加する現像バイアス電圧値を相対的に変
化させることで画像を調整する画像調整手段とを有した
画像形成装置において、画像調整手段の調整に応じて転
写部材に印加するバイアス値を変化させるような画像調
整手段と転写ローラバイアスの連動機構を設けることに
よって、カブリや砂地のない鮮明な画像を得ることがで
きる。
【0099】請求項11乃至14の解決手段によれば、
コピー前に転写ローラ、除電針の定電流制御を行い、そ
れぞれ、その時の電圧をホールドし、ある係数をこれら
に乗じて得た電圧値でコピー時に定電圧制御を行い、良
好な画質を得る。
【0100】請求項15,16の解決手段によれば、接
触転写手段を用いた転写式の画像形成装置において、転
写部材の抵抗値を、プリント前に検知もしくは予測し、
予め設定された値を脱した場合には、ユーザーへメンテ
ナンス依頼表示を行なう。従ってプリント前にユーザー
に告知し、転写部材交換が行なえるため転写部材による
転写不良画像の発生を未然に防止することが可能とな
る。従ってユーザーのメンテナンスにより、いかなる環
境下においても常に安定した良好な転写画像を得ること
が可能となる。
【0101】
【実施例】請求項1に係る実施例を図1乃至5について
説明する。先ず、本発明の実施例の構成を負帯電トナー
を用いた場合に関して図1を用いて説明する。
【0102】1は感光体ドラムで、Pは転写材である。
50は転写ローラでありアルミ芯金51にPVDF樹脂
からなる誘電体表面層52を設けたもので、感光体ドラ
ム1に対し加圧されている。誘電体層52としては、P
VDFの他に同じ弗素樹脂であるPTFE、PFA、F
EP、ETFE、PCTFE、PVF等やPMMA(ポ
リメチルメタクリレート)、PP(ポリプロピレン)、
PET(ポリエチルテレフタレート)、SI(シリコー
ン樹脂)、PBT(ポリブチレンテレフタレート)、P
OM(ポリアセタール)、PC(ポリカーボネート)、
PPE(ポリフェニルエーテル)、PAR(ポリアリレ
ート)、PAR(ポリアリレート)、PES(ポリエー
テルスルホン)、PSU(ポリスルホン)、PPS(ポ
リフェニレンサルファイド)、PA(ポリアミド)、P
I(ポリイミド)、PAI(ポリアミドイミド)、PE
I(ポリエーテルイミド)、PEEK(ポリエーテルエ
ーテルケトン)等の樹脂も考えられるがPVDFは絶縁
耐圧、誘電率、表面性等で優れているため本実施例では
これを用いた。30は転写ローラ50に電荷を供給する
ための帯電ローラで、芯金31にカーボン分散EPDM
等の低抵抗ゴム層32を設け、その表面に抵抗制御層3
3としてカーボン分散を施したウレタン層やエピクロル
ヒドリンゴム層を設けたものである。芯金31には外部
電源40によって直流電圧+1kVにVpp2kVの交
番電圧を重畳させた電圧を印加する。この帯電部材とし
てはコロナチャージャ、ブレード、ブラシ等によっても
帯電は可能であるが、本実施例ではオゾンの発生を抑え
且つ高耐久性の要求からローラ帯電方式を用いた。この
機構により転写ローラの表面電位は概ね+1kVに一様
に帯電される。転写ローラ5は感光ドラム1とともに転
写材Pを狭持搬送しながらトナー像tを転写材Pに転移
させる。この原理を次に説明する。
【0103】転写ローラの誘電体層表面には帯電ローラ
30によって供給された電荷が存在している。これによ
り転写ローラ表面の電位はV1 (V)になったと仮定す
る。転写ローラの誘電体の層厚をd1 (μm)、比誘電
率をεr1 とすると、単位面積当たりの表面電荷量σ1
(c)は σ1 =εr1 ・ε0 ・V1 /(d1 ×10-6) で与えられる。この電荷は転写ローラと感光ドラムとで
狭持したときに転写材背面電荷として働き、感光ドラム
表面と転写材表面との間に転写電界Eを形成する。一方
感光ドラム上には一次帯電装置によって供給された電荷
及びトナー像の持つ電荷が存在する。感光体ドラムの暗
電位をV2 (V)とし、感光体ドラムの感光層の厚みを
2 (μm)、比誘電率をεr2 とすると、単位面積当
たりの表面電荷量σ2 (c)は σ2 =εr2 ・ε0 ・V2 /(d2 ×10-6) で与えられる。転写材にトナー保持電荷を十分与えるた
めにはσ1 >σ2 の関係を満たす事が好ましい。つまり εr1 ・V1 /d1 >εr2 ・V2 /d2 また、転写能力としては転写材の電気容量c3 に比べ
て、転写ローラの電気容量c1 小さいことが望ましく、 c1 ∝εr1 /d1 であるから、εr1 、d1 、V1 に関して適正値が存在
する。
【0104】εr1 =7のPVDF、d1 =100μm
でV1 =1kVで試験したところ、広い種類の転写材に
対して均一で良好な転写画像を得る事が出来た。
【0105】〈実施例2〉本発明の実施例の構成を負帯
電トナーを用いた場合に関して図2を用いて説明する。
【0106】転写装置を除く部分は第一の実施例で述べ
たものと同じである。本実施例ではローラ50として芯
金51に導電化EPDM発泡層53を設け、その表面に
PVDF樹脂の誘電体層52を設けたものを用いてい
る。転写ローラ50の帯電装置は第1の実施例のところ
で述べたものを用いている。この構成をとることにより
転写部位に於いて広い転写ニップを確保する事が可能と
なり、搬送力を持たせる事ができるため次の定着プロセ
スで発生する熱の影響から感光体ドラム等の耐熱性が低
いものを逃すことができるという利点がある。
【0107】<実施例3>本発明の実施例の構成を負帯
電トナーを用いた場合に関して図3を用いて説明する。
【0108】転写装置を除く部分は第一の実施例で述べ
たものと同じである。本実施例ではローラ50として芯
金51の表面にシリコーンゴムの誘電体層52を設けた
ものを用いている。転写ローラ50の帯電装置は第1の
実施例のところで述べたものを用いている。シリコーン
ゴム層は弾性に富んでおり、適当な加圧力で感光体ドラ
ムに加圧すれば弾性変形してニップを形成し得る。本実
施例の特徴はこの転写ローラがニップを形成する際に誘
電体層であるシリコーンゴム層の厚みd1 がd1 に変化
する事にある。つまり誘電体層の厚みが変化する事によ
り転写ローラの電気容量が変化し、ニップ部で転写ロー
ラの表面電位が振動するため、効率よくトナー像を転移
させる事が可能となるという利点がある。
【0109】〈実施例4〉本発明の実施例の構成を負帯
電トナーを用いた場合に関して図4を用いて説明する。
【0110】構成としては第一の実施例で述べたものと
同じであるが、転写ローラの芯金51に外部から電圧を
印加している事に特徴がある。転写ローラ50表面の帯
電装置は第1の実施例のところで述べたものを用いてい
る。転写ローラ芯金に印加する電圧としては+1kVを
印加し、帯電ローラ芯金31には外部電源14によって
直流電圧+2kVにVpp2kVの交番電圧を重畳させ
た電圧を印加する。この構成にする事により、転写ロー
ラの誘電体層の絶縁破壊を防ぎ且つ転写電界を強くする
事が可能となり、広い種類の転写材に対して良好な転写
画像を得る事ができる。
【0111】〈実施例5〉本発明の実施例の構成を負帯
電トナーを用いた場合に関して図5を用いて説明する。
【0112】構成としては第一の実施例で述べたものと
同じであるが、転写ローラの芯金51に外部から交流電
圧を印加している事に特徴がある。転写ローラ50表面
の帯電装置は第1の実施例のところで述べたものを用い
ている。転写ローラ芯金に印加する電圧としてはVpp
2kVの交流電圧を印加し、帯電ローラ芯金1301に
は電圧+1kVを印加する。この構成にする事により、
転写ローラ芯金に印加した交流電圧は、転写ローラ誘電
体層52の帯電均一性に寄与するばかりか、転写部位に
於ける振動転写電界を形成しトナー像を効率的に転写材
に転移させる事が可能となる。また、広い種類の転写材
に対して良好な転写画像を得る事ができる。
【0113】次に請求項2乃至4に係る実施例を図7乃
至9について説明する。
【0114】〈実施例6〉図7は本発明を適用するに適
した画像形成装置の要部の概略断面図である。
【0115】紙面に垂直方向に軸線を有し、矢印A方向
に回転する円筒上の感光体101に、導電性の転写ロー
ラ102が圧接配置されて転写部位を形成してあり、感
光体101の回転にともなって表面トナー像が前記転写
部位に到来すると、これとタイミングを合せて搬送路4
から不図示の転写材が矢印B方向に搬送されて転写部位
に達し、電源103によって転写ローラ102に印加さ
れる転写バイアスの作用で、感光体側のトナー像は転写
材に転移する。この際、転写ローラ102は、転写ロー
ラ駆動ローラ105によって回転駆動され、記録材を搬
送する。
【0116】転写ローラ駆動ローラ105は中心軸5a
とローラ部105bよりなり、不図示の軸受け部材にと
りつけたバネ等により、転写ローラに圧接されている。
中心軸105aとローラ部105bはともに剛体であ
り、その形状は通常の使用においては不変である。ロー
ラ部105bの材質は剛体であれば何でも良いが、その
表面は絶縁がとれており、かつ、転写ローラとの表面摩
擦抵抗を上げるため、適度にあらされ、もしくは薄膜ゴ
ム層−例えばウレタンゴム等−が表面にコートされてい
るものとする。
【0117】具体的なローラ材質としては、例えばSi
2 、CaCO3 等が挙げられるが、アルミニウム、
鉄、銅等の金属も表面に絶縁層をコートすれば使うこと
ができる。表面が絶縁部材である理由であるが、もしも
表面の絶縁がとれていないと、転写ローラに印加したバ
イアスが駆動ローラからリークしてしまうからである。
【0118】上記装置構成において、転写ローラ駆動ロ
ーラ105はローラ部105bに剛体が用いられている
ため、ローラ径の変化がなく、その周速は常に一定とな
る。
【0119】したがって、たとえ、装置の使用回数が累
積し、転写ローラ102の径が細くなったとしても、駆
動ローラ5によって表面駆動される転写ローラ102の
周速は常に転写ローラ駆動ローラ105の周速と等しく
変わることがない。
【0120】すなわち、転写ローラによる転写材の搬送
速度は、この装置の製造初期状態から一貫して、変わる
ことがない。したがって、転写ローラの径の変化にとも
なう転写ローラと感光体との周速差による転写材上の画
像の伸び縮みは発生することはなく、常に安定した良好
な画像を得ることができる。
【0121】〈実施例7〉図8は実施例7を示す縦断面
図である。105は金属等の抵抗値の判っている材質で
構成された駆動ローラである。
【0122】通常の転写ローラは、長期間に渡って使用
すると抵抗の変動を生じる。また環境変動によって抵抗
値の変わるものである。そのため転写ローラへ電流を供
給している電源3の電圧が高すぎると転写電圧が高すぎ
て転写材を突きぬけて電流が流れてしまい画像に白ポチ
が生じたり、逆に電圧が低目であると転写材上のトナー
に対する拘束力が不足して飛び散りが生じたりする。
【0123】本実施例では、連続プリント中の転写材の
間ないし、プリント前のドラム回転時に不図示の制御手
段によってSW1を閉じて、転写ローラ102からアー
スに向かって流れる電流を電流計108で検知し、この
値を基に、電源103の電圧を変えるようにしたもので
ある。転写材が転写ローラ102とドラム101の間に
入っている際には、SW1を開き駆動ローラ105はフ
ロートとなる。このような構成によって転写ローラの抵
抗が長期使用や環境変化につれて変化しても安定した画
像の転写が可能となった。
【0124】〈実施例8〉本実施例においては、図9に
示すように、前記実施例6,7の転写ローラ駆動ローラ
105に表面清掃部材106を取り付ける。
【0125】前記実施例6,7の転写装置においてドラ
ム101から転写ローラ102に付着したトナーは、さ
らに駆動ローラ105にこすりつけられ、ローラ表面を
汚していた。このため転写ローラ102と駆動ローラ1
05の間でトナーによるスリップが発生する恐れがあっ
た。
【0126】本実施例では、駆動ローラ表面上のトナー
は駆動ローラが回転した時に、清掃部材106により、
ローラ表面上から掻き落とされ、ゴミ格納容器107に
集められる。これにより、駆動ローラ表面のトナー付着
をなくし、スリップを防止できる。表面清掃部材106
は本例のものは、ブレード形状をなし、その長手方向と
直交する方向の先端を駆動ローラ5に圧接する。清掃部
材106の材質は、駆動ローラ105を傷つけず、かつ
トナーを掻き出す能力があれば何でも良い。
【0127】また、この構成において連続プリント動作
時の紙間やプリント前後の回転時において転写ローラ1
02と駆動ローラ105の芯金105aとの間に電位差
を生じさせ、転写ローラ102から駆動ローラ105へ
トナーが転移し易いようにすることで、一層の転写ロー
ラのクリーニング効果が得られる。これによって転写ロ
ーラと駆動ローラ間のスリップが防げるのみならず、転
写ローラから転写材背面に転移して装置内各所に拡散し
ていたトナーを回収することができるので、画像の汚れ
や、搬送性能の安定化といった利点も生じる。
【0128】次に請求項5に係る実施例を図10乃至2
0について説明する。
【0129】〈実施例9〉本発明を説明するために、ネ
ガトナーを使用し反転現像を行うレーザープリンタを用
いた。プロセス・スピード50mm/sec、A4サイ
ズで最大8枚のスループットを有している。
【0130】図10は本発明の実施例を示すレーザ・プ
リンタの概略側面図で、紙面に垂直方向に軸線を有し、
図示矢印方向に回転走行する感光体ドラム201があ
り、その表面を、1次帯電用高圧電源209に接続され
た1次帯電ローラ3によって一様の負帯電する。
【0131】次いで該帯電面に画像変調されたレーザ2
05が照射され、当該部分の電位が減衰して静電潜像が
形成され、更にこの潜像が感光体ドラム201と現像器
206が対向する現像部位に至ると現像高圧電源210
より電圧が印加され、現像器206から潜像部分にネガ
トナーが供給され、反転現像によってトナー像が形成さ
れる。
【0132】感光体ドラムの回転方向にみて現像部位の
下流側には、感光体ドラムと転写ローラ202とが圧接
して転写部位を形成しており、感光体ドラム201の回
転につれて前記トナー像が転写部位に到来すると、これ
にタイミングを合わせて搬送路207から転写材Pが該
転写部位に供給され、同時に転写高圧用電源211によ
って転写ローラ202に転写バイアスが印加されて、感
光体側のトナー像は転写材Pに転写される。
【0133】その後トナー像を担持する転写材Pは感光
体ドラム201から分離されて不図示の定着部位に搬送
され、感光体ドラム201表面に一部残った残留トナー
は、クリーナ208によって除去され、感光体は次の画
像形成行程に入り得る状態になる。
【0134】また本実施例で使用の転写ローラ202は
導電性フィラーとして酸化亜鉛を分散したEPDMスポ
ンジ転写ローラを用いた。その外径はφ8のSUS芯金
の上に肉厚6mmで形成しφ20とした。その抵抗値は
300g重の荷重のもと接地に対して50mm/sec
の周速で回転させ、芯金に1.0kVの電圧印加のもと
測定された電流の関係から抵抗値を測定したところ約5
×108 〜5×109Ωという値となった。
【0135】感光体ドラム上の1次帯電電位は暗電位V
D =−600V、露光電位VL =−100Vである。
【0136】本発明について以下に述べる。
【0137】ATVC方式は転写動作以前の非通紙時、
感光体ドラム上電位がVD =−600Vの部分に、定電
流回路を用いて一定電流を流すようにしている。このと
き発生する電圧をハード的に保持し、その後転写材が通
過するとき、すなわち通紙時に上記電圧、もしくは、上
記電圧に係数倍、定数加算等といった補正を加えて印加
する様にしていた。
【0138】本発明は、転写ローラに印加する電圧をデ
ジタル的に増減させる手段と、転写ローラから感光体ド
ラムに流入する電流を検出する手段と、前記流入する電
流が所望の値に達しているか否かを判断する手段とを用
いて、転写ローラから感光体ドラムに流入する電流を一
定値に収束させ、ATVC方式の定電流回路と同等の制
御を可能としている。本方式を以後PTVC(Prog
ramable Tramsfer Voltage
Control)方式と称する。
【0139】PTVC方式の定電流制御について以下に
詳述する。
【0140】PTVC方式の定電流制御は、ATVC方
式同様に非通紙時、感光体ドラム表面がVD 電位(−6
00V)に帯電された状態のときに行う。VD 電位部で
行う理由は、感光体表面の感光層に正規の帯電(本実施
例では負帯電)とは逆極性の強い帯電がなされた場合、
感光層表面に逆極性のメモリ(プラスメモリと言う)を
形成して、感光層表面にダメージを与える恐れがある。
感光体上の電位が露光電位VL (−100V)の様に低
い状態程、ダメージを受け易いからである。
【0141】従ってPTVC方式は1次帯電が施された
部分に転写ローラが接した時点から始める。
【0142】図10において、不図示の駆動装置によっ
て感光体ドラム201が駆動され帯電ローラ203に1
次高圧電源209から1次帯電用バイアスが印加され、
感光体表面をVD 電位に一様に帯電を開始する。1次帯
電部が転写部位に到達するや否やコンバータ212にD
Cコントローラ204からの信号が入力され、デジタル
的に電圧を増加する動作を始める。
【0143】図14はD/Aコンバータ212の出力電
圧と転写高圧電源211の出力電圧との関係を示したも
ので、DCコントローラ204よりD/Aコンバータ2
12にOO〜FFまでデジタル信号が入力されると、0
〜5Vのアナログ電圧に変換され、更に転写高圧電源の
出力電圧の0〜5kVが出力される様になる。
【0144】図14は先述の電圧を増加する動作を示し
たもので、横軸に時間t[msec]縦軸にはD/Aコ
ンバータの出力電圧[V]をとっている。
【0145】図15においては1lsb:転写最大出力
電圧/256[bit]=5000/25620Vの
電圧を5msecの間転写ローラに印加し、順次ステッ
プアップしている。時間を5msecとしている理由と
しては以下の事が挙げられる。
【0146】即ち、本発明で使用している発泡EPDM
ローラには静電容量があるため、短時間のパルス電圧を
印加すると、感光体表面には微分された形で印加されて
しまう。その結果、過渡電流が流れて正常な動作が行わ
れない。また高圧出力回路には立ち上り応答遅れ等とい
った現象もあるために、ある一定時間電圧を印加し続け
る必要がある。しかし長い時間印加し続けるとステップ
アップに多くの時間を費やしてしまう。双方の条件をほ
ぼ満たす時間が2〜10msecであったので本実施例
では5msecを選択した。
【0147】図16に転写ローラの抵抗値に依る転写ロ
ーラ印加電圧と感光体VD 部に流入する電流量の関係を
示す。
【0148】図16は先述の転写ローラ抵抗測定法によ
って測定された2×108 〜4×109 Ωの抵抗を有す
る転写ローラの感光体ドラム上電位(−600V)に対
する電圧・電流特性であり、特に転写条件の厳しい15
℃、10%RHの環境下での放置紙でプリントしたとき
のものである。
【0149】転写ローラの電圧・電流特性が曲線となっ
ているのは、転写ローラの材質の抵抗特性が電圧依存性
を有しているためである。また同じ転写ローラでも印加
電圧が高ければ先述のプラス・メモリがプリント画像に
影響を及ぼす。現象としては、強い逆極性の電荷が感光
体表面に付与されるため、次段の1次帯電行程を経ても
電位がVD 電位まで回復しきらず、部分的に現像電位よ
りも低い部分が生じて、その部分にトナー像が現像され
て、次プリント時の画像にカブリとして現われる。
【0150】図15図中の各々の転写ローラでプラス・
メモリの発生した電圧をプロットしたラインを、プラス
・メモリラインとして図中上方に示した。
【0151】転写ローラに印加する電圧が逆に弱いと、
転写材裏面にトナーを強く保持するだけの電荷を付与す
ることができなくなるので、感光体と転写材が分離する
際にトナーが画像部から非画像部へ飛び散って転写不良
を引き起こす。この転写不良のラインを図中下方に示し
ている。
【0152】従って先述の環境下で良好なプリント画像
を得るには、両ラインを避けた領域で転写バイアス制御
を行う必要がある。
【0153】図16中央に転写バイアスを設定するため
に行う定電流制御ラインを示す。本実施例では3.5μ
Aに設定している。
【0154】本発明であるPTVC方式を用いて、この
3.5μA定電流制御をどの様にして行うか以下に述べ
る。
【0155】図15に示した様にデジタル的に転写バイ
アスを増加して、3.5μAに電流を収束させる必要が
ある。しかしながらここで問題は、転写ローラの抵抗値
によって収束する迄の時間が異なり、特に高い抵抗を有
する転写ローラにおいては収束迄にかなりの時間を必要
とする。
【0156】上記問題の解決方法として、1lsbで上
昇する電圧を大きくする方法がある。先述においては1
lsbで20Vしか増加させなかった。ここで、例えば
1lsbで100V、200V、と大きくすると著しく
速く所望の値に収束する様になる。しかし、この様に1
lsb当りの電圧値を大きくすると、抵抗の高い転写ロ
ーラは救うことが可能となるが、比較的低い抵抗の転写
ローラでは、検出される電流値のオーバーシュートが激
しくなり、収束迄に時間がかかるという弊害を生じる。
【0157】従って使用する転写ローラの抵抗範囲の中
でオーバーシュートが小さく、収束時間が最も短くなる
ように1lsb当りの電圧を設定する必要がある。
【0158】本発明者らの実験の結果、60V/1ls
bを5msec印加することが最も収束時間が短くなる
ことがわかった。
【0159】図16に示した転写ローラにおいて最も抵
抗の低い2×108 Ωの転写ローラにおいて3.5μA
に収束するに必要だった時間は約300msec、同様
に最も高い4×109 Ωの転写ローラにおいては約10
00msecの時間が必要とされた。
【0160】ところが、転写動作前に行う定電流制御
は、転写ローラの周方向ムラを補正するために、転写ロ
ーラ1周分、発生電圧をサンプリングして平均化してい
ることについては先に述べた。
【0161】従って、PTVCによる定電流制御は(収
束時間)+(転写ローラ1周サンプリング時間)の時間
だけ行う必要がある。
【0162】ATVC方式においては、ハードウエアの
定電流回路を用いていたために、プリント動作直前に感
光体表面の電位の調整、洗浄化を目的とした前回転と言
われる時間内に、充分電圧は収束し、サンプリングも可
能であった。
【0163】PTVC方式を、この様な前回転中だけで
実施するとなると、転写バイアス設定のために多くの時
間が割かれ、ファースト・プリントタイムが著しく長く
なってしまうという不具合を生じる。
【0164】本発明の特徴は、PTVCの有利な点を十
二分に引き出すために実施されるものであって、即ち、
電源投入直後の前多回転と呼ばれる、レーザプリンタ立
ち上げ時に実施される感光体表面の洗浄化、表面電位の
均一化、及び定着加圧ローラの加熱等を目的とした一連
の感光体ドラム駆動時に、第1のPTVCを実施し、プ
リント動作直前の前回転時に第2のPTVCを実施する
というものである。
【0165】より具体的には第1のPTVC(以下PT
VC1)は前多回転中で所望の定電流値に収束する迄、
第2のPTVC(以下PTVC2)は前回転中で転写ロ
ーラの周ムラを補正するために転写ローラ1周分、上記
の定電流値でサンプリングする時間だけ実施し、更に、
プリント中においても転写電圧を最適化を図ることがで
きる様にしたものである。ここで前多回転について一言
述べると、前多回転は電源投入後、まず定着装置が加熱
され、ウォームアップ終了直前より開始されている。こ
れは定着ローラ表面が、サーモスイッチ、サーミスタ及
び分離爪等に固着したトナーによって傷付けられるのを
防ぐためである。
【0166】図11に本発明の特徴である転写バイアス
制御のシーケンス、図12,13にそのときのDCコン
トローラ204内に組み込まれているCPUが行う制御
のアルゴリズムを示す。
【0167】PTVC1は前多回転開始後、1次帯電が
施こされた感光体表面に対して行われる。CPUからの
信号HVTINがD/Aコンバータ212に入力され、
60V/lsb5msecの電圧が転写高圧電源211
より転写ローラに入力される。図12中のaの値は、1
stepで上昇する電圧をlsbの値で表現するための
もので、本装置は20V/lsbであるので、1ste
p60V/lsbで上昇させるので、aの値はa=3と
なる。
【0168】転写ローラから感光体ドラムに対して流れ
た電流は、電流検出回路214を介してA/Dコンバー
タ213に入力され、0〜5Vの電圧に変換されてHV
TOUTというデジタル信号となってDCコントロール
内のCPUに送られ、目標値Kと比較される。Kは先の
予め設定した3.5μAという電流値を電流・電圧変換
した値である。逆を言えば、この電流・電圧変換の値を
ソフト上で任意の値に設定することも可能である。
【0169】図12のPTVC1のアルゴリズムの中
で、検出電流がKと一致した後は、転写出力電圧はオー
バーシュートした状態にいると考えられる。そしてHV
TINの値を増減し三度、Kと検出電流が一致したとき
にPTVC1の制御を終了するようにしている。このと
き同時にCPU上に、ほぼ3.5μAの電流を流すこと
が可能な転写電圧を出力するデジタルHVTINの値を
HVTTとして記憶して前多回転を終了する。
【0170】次いでプリント動作が始まり、前回転が開
始すると、PTVC2がスタートする。PTVC2では
PTVC1で記憶されたHVTTという信号がCPUか
ら出され、今度は一気に転写電圧を上昇させる。このと
きの転写出力電圧によるHVTOUTはKの値に非常に
近いために、素早くKの値に収束し、そしてHVTIN
を微妙に制御して、収束した状態を維持する。以後転写
ローラ1周の間前記動作が繰返され、Kの値と一致した
HVTINの値をサンプリングし、転写ローラ1周が終
了したときにCPU上で平均化され、転写バイアスの信
号HVT0が記憶されてプリント時に転写ローラに印加
される。
【0171】図16において、転写ローラ抵抗値の規格
の下限は2×108 Ωであるが、これよりも低い抵抗の
転写ローラ例えば図中に示す8×107 Ω程度が投入さ
れた場合や、長期使用による抵抗値がダウンした場合で
は、HVT0による転写電圧でも転写不良を生じてしま
う。
【0172】そこで本発明においては、PCVC方式の
有利な点を利用して、通紙中に転写材に流れる電流を検
出し、転写出力電圧に補正をかけることで、制御を行う
ようにした。
【0173】図12に示した転写出力電圧制御のアルゴ
リズムの続きを図13に示す。図13において前回転時
に実施されたPTVC2のD/A出力HVT0が増幅さ
れ、転写バイアスとして転写ローラに印加される。転写
材通過と同時に感光体に流入する電流を検出し、A/D
コンバータを介してCPUにHVTOUT’として入力
される。本発明では転写材が通過する間ずっと、HVT
OUTをサンプリングし、通紙時の平均電流を求めるよ
うにしている。ザンプリング回数は任意に設定できる
が、本実施例では0.1secステップで行っている。
平均化された電流は紙間時に、適正な電流であるか否か
を判断される。本実施例で用いたレーザ・プリンタにお
いては、通紙中に流れる電流が1.0μA以上であれば
低湿環境下での放置紙においても良好な転写性が得られ
ることがわかっている。
【0174】そこで、この1.0μAの値を電流電圧交
換してCPU内に取込み、Lという値にして、通紙時に
流れる電流がLという目標値との大小関係を求めて、補
正をかける。
【0175】平均化されたA/D入力HVTOUT1が
Lよりも小さい場合は、D/A出力HVTINを大きく
して、換言すれば転写電圧を高くし、逆にLよりも大き
ければ、PTVC2で設定されたHVT0を維持して次
プリントに備える様にする。
【0176】本実施例においては、初期設定電圧HTV
0を一割アップして補正後の電圧としている。その理由
としては、転写ローラの抵抗値によってPTVCで設定
される電圧が異なって来るが、抵抗が小さい場合は電圧
も低く、逆に大きければ高くなる。そのため、同じ電圧
を加算した場合低抵抗のローラの方が高抵抗のローラよ
りも、電流が大きく変化してしまう。一定電流量を加算
する手段としては、係数倍の方が効果がある、というこ
とが、本発明者らの実験で判明した。一割アップという
値は実験的に求めた値であるが、プログラムの変更で任
意の値に変更できることは言うまでもない。
【0177】この様にして得られた転写バイアスによっ
て、プラスメモリ、転写不良等という画像上の問題を生
じることがなくなった。
【0178】以上述べた様に転写電流を検出して転写電
圧に補正を加えるので、転写バイアスの制御精度が向上
し、またその手段を毎紙間で実施するので、安定した状
態でプリントを行うことができる。この様な事から常に
良好な転写画像を得ることができた。
【0179】〈実施例10〉本発明の第10の実施例
は、通紙中の電流をモニタし、通紙中に転写出力電圧に
補正をかける様にしたものである。
【0180】本実施例で用いたレーザ・プリンタは第9
の実施例中で詳述したものと同様であるので、ここでの
説明は省略する。
【0181】図17に本実施例の通紙中PTVCのアル
ゴリズム、図19にそのときのシーケンスを示す。
【0182】図17において、前回転中のPTVC2に
よって設定されたHVT0による転写バイアスが通紙中
に印加される。しかし、転写電流は環境変動の影響を受
け、転写ローラの抵抗や転写材の抵抗によって変化して
しまう。
【0183】図18は図16に示した転写ローラを用い
てプリントした時、実際に転写材にどれだけ電流を流し
ているかを示した図である。通紙時に流れる電流が低湿
環境下では0.8μA以下のときに転写不良となり、高
湿環境下では転写材が低抵抗化して殆ど非通紙時と同じ
だけの過大電流が流れ、転写材を突き抜けて感光体表面
にプラスメモリを形成し、ドラム一周後にドラムゴース
トとして現われて画像不良を生じる。その電流値は3.
0μAである。従ってPTVC2で適正転写バイアスを
1つの環境で設定しても、他の環境下では必ずしも最適
バイアスではないと言える。常に最適な転写画像を得る
ためには、転写材に流れる電流値を制御する必要がある
ことがわかる。
【0184】図17中のP,Qは予め設定する転写電流
の適正値を電流・電圧変換してCPUに記憶させた値で
あって、本制御の目標値である。
【0185】Pは転写電流の上限を示し、ドラムゴース
トの発生する電流値で具体的には図18に示すように
3.0μAという電流量である。
【0186】Qは下限を示し、転写不良となる電流値
で、その値は1μAである。従って本制御での転写出力
は、転写電流にして1〜3μAの間で制御されることと
なる。
【0187】PTVC方式では、転写電流の値を一定値
に絞ることも可能であるが、一定値に絞ることは定電流
制御を実施することと同様の作用となってしまう。その
結果、小サイズ紙転写時に、転写電流がローラとドラム
が接触した部分で多く流れ、転写不良となってしまうと
いう説明は先述の通りである。
【0188】そのため、電流を一定にせず、1〜3μA
という範囲を持たせることによって転写性のラチチュー
ドを広くとるようにしている。
【0189】本制御中においては、PTVC2である程
度の転写バイアスは設定されているが、転写ローラの抵
抗が低くなると、転写紙の抵抗の影響を受け易くなって
しまう。従って、プリント時に電流値が急激に変化した
場合は上記電流値に収まるように制御する必要がある。
この制御ではA/Dコンバータへの入力HVTOUTを
先にP,Qの値と比較し、Pよりも大きい場合は過電流
が流れているとみなし、Qよりも小さい場合は電流が足
りないと判断し、各々補正をかける。
【0190】P<HVTOUTのときはD/Aコンバー
タの出力をblsbずつ減少させ、Q<HVTOUTの
ときはblsbずつ増大させる様にしている。bの値は
任意に設定できるが、本実施例ではb=3,電圧として
約60Vという値にしている。bが大きければ一画面中
のプリント画像で転写ムラが生じる様になる。特に比較
的低抵抗のローラを用いた場合は、転写電流も大きく変
わってしまう。
【0191】本発明者らの実験によれば、8×107 Ω
の抵抗を有する転写ローラでは1lsbで100V電圧
が変化すると、通紙時の電流で0.2μA程度変化して
しまい、ハーフトーン等の画像で転写ムラが目立つ様に
なった。
【0192】本発明を図10に示した転写ローラを用い
たレーザプリンタに組込んで実験したところ、PTVC
1,2である程度高められた精度を更に高めることがで
きたために、転写不良、プラスメモリの発生、小サイズ
紙の転写抜け、高湿環境下での転写電流過多による、画
像不良が防止できる様になり、非常に良好な転写画像が
得られる様になった。
【0193】〈実施例11〉本発明の第11実施例は、
PTVC2によって得られた電圧、HTV0を転写出力
電圧の下限とし、通紙時に定電流制御するというもので
ある。
【0194】通紙時の定電流制御で問題となるのは何度
も述べているように、小サイズ紙が到来したときの転写
抜けである。インピーダンスの低い感光体部に電流が流
入し、発生電圧が低くなって、通紙部に十分な電流が流
れないために生じる。
【0195】本実施例では、予めPTVC2で設定され
る電圧HTV0を保持して、その値を下限リミッタする
ことによって、電圧の低下を防ぎ、更に普通サイズの転
写材の転写時には、常に一定の電流を流す様にして安定
な転写性を得るようにしている。
【0196】このときの転写出力制御はPTVC2の目
標値Kを、転写時の電流値を電流電圧変換した値として
おり、本実施例では1.5μAである。
【0197】図20に本実施例のシーケンスを示す。図
中、前回転とプリント時では時間軸が等しくないことを
予め述べておく。
【0198】前回転時においてPTVC2が実施され、
3.5μA流すための電圧を転写ローラ1周分サンプリ
ングしている。そのため電圧が振れている。プリンタ時
の電圧の脈動もこれと同様のものである。通紙時に定電
流制御するために、D/Aの出力電圧は転写ローラの抵
抗ムラで脈動するようになる。普通サイズの紙、本実施
例中で用いたレーザ・プリンタにおいては、LTRサイ
ズ紙(幅216mm)の転写時には1.5μAの電流を
流すために電圧が変動する。
【0199】しかし、例えば封筒等小サイズ紙は、幅が
100〜150mmと狭いので、定電流制御とすると、
1.5μAが殆ど紙無部に流れる。そのため電圧降下が
生じ転写不良となる。そこで、一定以上電圧が降下しな
いように下限リミッタを設けた。その値はPTVC2に
よって求めたHTV0による電圧である図20中の2枚
目のプリント動作では、そのときのD/A出力とA/D
入力の関係を示している。
【0200】本構成をとることによって、常に安定した
電流を転写材に与えることが可能となり、精度の高い転
写制御が実現できる。
【0201】次に請求項6,7に係る実施例を図22乃
至30について説明する。
【0202】〈実施例12〉次に、本発明に係わる画像
形成装置を図面に即して更に詳しく説明する。
【0203】図22は、本発明を、回転円筒状の感光体
を備えた画像形成装置に適用した実施例を示す概略側面
図であって、その基本的構成は前述の図30に示した装
置と特に変わりはなく、対応する部分には同一の符号を
符してあり、それらについての説明は必要ないかぎり省
略する。
【0204】転写ローラ302としては、直径8mmの
芯金302aの周りに厚み5mmの弾性層を形成し、ロ
ーラ硬度が約30°(アスカーC)、外形18mm、軸
方向有効幅320mmに構成してあり、芯金両端に配設
したバネ(不図示)により感光体301に圧接して、ニ
ップ幅2mmとした。また本実施例においては、プロセ
ススピードを180mm/secとした。感光体301
は、負帯電有機光導電剤をアルミドラムに塗布したもの
を、トナーとしては正極性トナーを使用した。
【0205】転写ローラ302の芯金302aには、抵
抗部材である高圧抵抗器303を介して転写電源308
が直列に接続されている。高圧抵抗器303の抵抗値が
本発明でいうところの、抵抗部材の抵抗値R1 に相当す
る。
【0206】転写ローラ302の弾性層302bは、E
PDM発泡ゴムに導電性カーボンを分散して、抵抗値を
調整したものを用いた。分散タイプの抵抗値は、オーミ
ックな抵抗特性を示さないのが一般的であるので、本発
明による転写手段(転写ローラ)の抵抗値の測定は、図
23の様に図30の画像形成装置と同じ構成において、
感光体301の代わりに接地されたアルミドラム311
を用い、転写電源308と転写ローラ302の間に電流
計310を接続し、転写電源308の出力電圧と、電流
計310に流れる電流値の関係からオームの法則を用い
算出するものとし、本発明でいうところの抵抗値R2
は、実際の画像形成時の転写工程における転写電源30
8の出力電力に対応する上記アルミドラム311に流れ
る電流値より求められる抵抗値である。
【0207】図30の様な従来装置で用いられる転写ロ
ーラの抵抗値は、以下のように制約される。
【0208】感光ドラム301上のトナー像を転写材上
に良好に転写するために必要な転写電流は、15μA以
下ではトナーの飛び散りや、転写抜け等の転写不良が、
また30μA以上では剥離放電や、過電流などに起因す
る画像にじみなどの転写不良が発生し、好ましくは15
〜30μAであることが各種の実験結果より確認されて
いる。上記転写電流を得るために比較的抵抗の大きな転
写ローラ(1010Ω以上)を使用すると、転写電源30
8の出力電圧が、−7〜−8kVと高くなり転写ニップ
直前でのトナー飛び散り(Pre.転写)が発生してし
まい画像が乱れる。
【0209】また、比較的抵抗の小さい転写ローラ(1
6 Ω以下)を使用すると、転写電源308の出力電圧
を比較的低くできるメリットがあるが、転写材が転写ニ
ップに存在しない前後回転時や、紙間などや、小幅転写
材を通紙したとき等に、転写ローラ302と感光体30
1が直接接触する領域で感光体301に過剰転写電流が
流入してしまい、感光体の光感度が劣化したり、感光体
の有機光導電層を破壊したりするために、画像にカブリ
が発生したり、異常画像の原因となってしまう。
【0210】従って、実用上良好な転写電流を維持しつ
つ使用可能な転写ローラの抵抗値は、好ましくは107
〜109 Ωである。
【0211】図24は図23の測定法で測定した転写電
源の出力電圧と測定電流のグラフであり、−6kV印加
時に1×108 Ωを示した転写ローラのものである。こ
の転写ローラを用い、図23の測定装置で図30の画像
形成装置における転写工程と同様な通電工程を−6kV
印加で行なった結果を図25の実線に示す。
【0212】初期に1×108 Ωであった抵抗値が通電
工程を繰り返すにつれ上昇し、1×104 回で約2倍
に、更に5×104 回で約5倍になり、通電劣化が見ら
れた。
【0213】更に、同じ1×108 Ωの転写ローラを用
い図30の従来の画像形成装置で転写電源308と転写
ローラ302との間に電流計(不図示)を挿入し転写電
源の出力電圧を−6kVにて実際の画像転写工程を繰り
返したときの転写電流の変化を図26の実線に示す。
【0214】初期においては−22μAと前述のような
良好な転写電流が得られ良好な転写画像が得られたが、
転写工程を繰り返すにつれ転写電流は減少し1×104
回で−12μAになり良好な転写電流の範囲から外れ、
更に5×104 回では−6μAと初期より約1/4近く
まで低下してしまい、良好な転写画像を維持できなかっ
た。
【0215】本実施例においては、上記1×108 Ωの
抵抗値を基準に図22に於ける高圧抵抗器303の抵抗
値R1 =1×108 に選定し、図23の測定装置におけ
る抵抗値R2 =2×106 Ωの転写ローラ302を用い
た。R1 /R2 =50>1即ち、合成抵抗値としては
1.02×108 Ωである。
【0216】したがって、図23の測定装置における転
写ローラ302単体の通電劣化による抵抗値の増加が、
例え10倍であるとしても、R1 +R2 全体での電流値
の減少率としては約15%に押さえられ、転写ローラの
通電劣化による抵抗値の増加による影響を、極力小さく
押さえられる。しかしR2 がR1 より大きい、すなわ
ち、R1 /R2 ≦1の場合には合成抵抗値はR2 の変化
の影響を大きく受けてしまう。
【0217】実際に、2×106 Ωの転写ローラ302
と1×108 Ωの高圧抵抗器303とを組み合わせ、−
6kVで通電工程を繰り返した結果を図25の破線に示
す。初期に−58.8μA(1.02×108 Ω)であ
った電流値は通電工程を5×104 回繰り返しても−5
5μA(1.1×108 Ω)までしか減少せず、減少率
は6.5%であった。
【0218】つぎに、2×106 Ωの転写ローラ302
と1×108 Ωの高圧抵抗器303とを用い図22の本
発明の画像形成装置で転写電源308と転写ローラ30
2との間に電流計(不図示)を挿入し転写電源の出力電
圧を−6kVにて実際の画像転写工程を繰り返したとき
の転写電流の変化を図26の破線に示す。
【0219】初期から転写工程を5×104 回繰り返し
ても転写電流は−21.8μAから21.2μAまでし
か変化せず、良好な転写画像が維持された。
【0220】〈実施例13〉実施例11に於ける抵抗値
2 =2×106 Ωの転写ローラを目標に実際に製造す
ると、管理可能な抵抗値の振れ幅は、おおよそ5×10
5 Ω〜5×106 Ωの範囲で1桁あり、図23の測定装
置における電流値の変化幅も1桁となり実用上も変化が
大きく、選別して使用しようとすると歩留まりが低下し
て問題であるが、本実施例においては図22の様な本発
明のように、これらの転写ローラを用い転写電源308
との間に高圧抵抗器303としてR1 =1×108 Ωの
抵抗値の物を挿入した。
【0221】本実施例の構成において、図23の様な測
定装置で−6kV印加し電流値を測定したところ、5×
105 Ωの転写ローラで−59.7μA、5×106 Ω
の転写ローラで−57μAであり、振れ幅としては2.
7μA(4.5%)に押さえられた。
【0222】つぎに、これらの転写ローラと1×108
Ωの高圧抵抗器303とを用い図22の本発明の画像形
成装置で転写電源308と転写ローラ302との間に電
流計(不図示)を挿入し転写電源の出力電圧を−6kV
にて実際の画像転写工程を行なったときの転写電流値
は、−22.2μA〜−21.8μAであり、振れ幅と
しては、0.4μA(1.8%)と極めて少なく良好な
転写画像が安定して得られ、転写ローラの抵抗値の振れ
幅が1桁でも充分使用可能なことが確認された。
【0223】〈実施例14〉前記実施例12,13は、
中温中湿(N/N)環境下での実施例であるが、前述の
ように転写ローラは、環境、特に湿度変化によって弾性
層の抵抗値が大幅に変化するため転写電流が大きく変化
する。
【0224】図27は、比較例として1×108 Ω(N
/N)の転写ローラを用いて、図23のような測定装置
により各環境下における転写電源電圧と、アルミドラム
311に流される電流値の関係を示す図である。図中、
H/Hは高温高湿、L/Lは低温低湿環境を示す。
【0225】また図28は、図22のように本実施例で
あるところの2×106 Ω転写ローラと1×108 Ωの
高圧抵抗器とを組み合わせ同様の測定をした転写電源電
圧と電流値の関係を示す図である。
【0226】比較例における−6kVでの電流値の振れ
幅は、約90μAもあるのに対し、本実施例に於ける振
れ幅は、約10μA(約1/9)であった。
【0227】つぎに、図30の様な画像形成装置で転写
電源308と転写ローラ302との間に電流計(不図
示)を挿入し、転写ローラ302として1×108 Ω
(N/N)の比較例の転写ローラを用い、転写電源30
8の出力電圧を−6kVにて実際の画像転写工程を行な
った。
【0228】更に図22のような本実施例の画像形成装
置で転写電源308と転写ローラ302との間に電流計
(不図示)を挿入し、転写ローラ302として2×10
6 Ω(N/N)の転写ローラを用い、高圧抵抗器303
として1×108 Ωの抵抗器とを用い、転写電源308
の出力電圧を−6kVにて実際の画像転写工程を行ない
実施例とした。
【0229】上記比較例と、実施例をそれぞれ各環境下
(L/L、N/N、H/H)にて行なった転写電流値の
測定値を表1に示す。
【0230】尚、転写を行なった転写材である転写紙
は、各環境下に充分放置したA4サイズ横送りのコピー
用紙である。
【0231】表1の結果によると、比較例のローラでは
L/Lにおいては転写電流が不足し、H/Hでは転写電
流が過剰となり前述の良好な転写画像が得られる適性電
流値の範囲である15〜30μAを外れてしまい転写不
良が生じ、転写ローラ抵抗値の変化や、転写紙の抵抗な
どの検知手段を設け転写電界を制御する必要があるが、
本実施例においては、各環境下においても適性転写電流
値の範囲内に収まり特別な検知制御手段を設けなくても
良好な転写画像が得られた。
【0232】
【表1】
【0233】〈実施例15〉本実施例においては、前述
の各実施例の転写ローラ302の変わりに、図29のよ
うに導電性ブラシローラ320を用いた。基本的構成は
前述の図22に示した画像形成装置と特に変わりはな
く、対応する部分には同一の符号を符してある。
【0234】導電性ブラシローラ320としては、直径
8mmの芯金320aの周りに外形が18mmになるよ
うに導電性ファーブラシ320bを形成してある。
【0235】導電性ファーブラシ320bとして本実施
例においては、レーヨン樹脂中に導電性カーボンを混練
分散し直径8〜15μm程度の繊維状にしたものを用い
たが、導電性ファーブラシとして他には、ステンレスス
チール繊維や、アクリル、ナイロン、ポリエステルなど
の樹脂繊維に金属メッキしたものや、各樹脂中にカーボ
ン、金属粉等の導電性微粉を混練したもの、更には樹脂
繊維などを炭化し、導電性を付与した炭素繊維などの導
電性又は半導電性のものが使用できる。
【0236】導電性ブラシローラー320の芯金320
aには、抵抗部材である高圧抵抗器303を介して転写
電源308が直列に接続されている。
【0237】本実施例においては、高圧抵抗器303の
抵抗値R1 =1×108 Ωに選定し、合成抵抗値が1.
005×108 Ωの導電性ブラシローラ(R2 =5×1
5Ω)を用いた。従ってR1 /R2 =200である。
尚、抵抗値の測定法は前述の実施例12にて述べたとう
りである。
【0238】このような本実施例の導電性ブラシローラ
を用いて前述の実施例12〜14と同様な実験を行なっ
たところ、同様な効果が確認できた。
【0239】次に請求項8,9に係る実施例を図31乃
至36について説明する。
【0240】〈実施例16〉図31は本発明を適用する
画像形成装置であるレーザビームプリンターの略断面図
である。
【0241】静電潜像担持体である感光ドラム401は
Alシリンダーの上に有機光導電体(以下opcドラム
という)を用い、所定の電圧が印加された帯電ローラ4
02により負の一様帯電が行われ、、その後画像信号に
より変調されたレーザー光403がポリゴンミラー、補
正レンズ系を有するスキャナーユニット404によりラ
スタースキャンされ所望の静電潜像が形成される。次い
で負帯電トナーTを有する現像器405により該静電潜
像は反転現像されトナー像として可視化される。
【0242】このトナー像は所定のタイミングで給紙ロ
ーラ(不図示)により給紙され搬送ローラ406、一対
の転写ガイド407により転写部位にいたる転写材P上
に転写ローラ408の作用により静電的に転写される。
この時転写ローラ408には後述する制御方法により決
定される電圧が印加される。トナー像が転写された転写
材Pは加熱定着装置409へ搬送されトナー像が永久定
着される。感光ドラム401上の転写残トナーはクリー
ナー410によりクリーニングされその後再び同じ画像
形成プロセスが繰り返される。
【0243】次ぎに転写ローラ408への転写電圧印加
方法について説明をする。図32は本発明実施例の転写
高圧制御部を示すブロック図である。定電流制御部42
1により非画像形成時の所定タイミングで所定の電位に
帯電された感光ドラム401に対し高圧発生手段422
を制御し一定電流を流し、この時高圧発生手段422の
出力電圧をモニターしその値をCPU423、D/A変
換器424、増幅手段425により定電圧で出力するよ
うに制御する。更に本実施例では高圧発生手段と転写ロ
ーラの間に抵抗426を設けている。
【0244】以上のような転写高圧制御部による転写電
圧印加方法により得られる作用、効果について具体的に
説明を行う。図33のグラフは本実施例の作用、効果を
示すグラフであり、本発明に適用する転写ローラ408
の電圧−電流特性を示している。このグラフは画像形成
速度50mm/secで最大通紙幅がレターサイズ(幅
216×長279mm)のレーザービームプリンターに
本発明を適用したものである。ここで転写高圧発生手段
422と転写ローラ408の間には1×108Ωの抵抗
426が設けられている。
【0245】実線aは転写ローラ408の抵抗値(感光
ドラムと同径のAlドラムに対し1.5kVの電圧を印
加した転写ローラを当接回転させその時にAlドラムに
流れる電流から抵抗値を規定する)が5×108 Ωの時
に感光ドラム側に直接流れる転写電流をプロットしたも
のであり、破線bはこの時転写材Pを通紙した時に流れ
る転写電流をプロットしたものである。実線cはこの転
写ローラ408を用い、上記抵抗426を設けていない
場合の感光ドラム401側に直接流れる転写電流をプロ
ットしたものであり、破線dはこの時転写材Pを通紙し
たときに流れる転写電流をプロットしたものである。
【0246】本実施例の画像形成装置では上記転写ロー
ラ408が転写ローラ408と高圧発生手段422の間
に抵抗426を設けない場合に使用できる転写ローラ抵
抗値の下限である事が実験的に求められている。使用で
きる転写ローラ408の抵抗値には画像形成装置の画像
形成速度、最大通紙サイズ幅により最適な抵抗値範囲が
存在しその抵抗値範囲は以下のように決定される。
【0247】転写ローラによる転写の場合次のような問
題点を解決しなければならない。転写電圧が低すぎる場
合には例えば低温低湿下に長期放置したような高抵抗の
転写材を通紙した場合に転写不良が生じ易くなり、転写
電圧が高すぎる場合、紙跡(感光ドラムに直接転写ロー
ラから過剰な電流が流れ転写帯電メモリーが発生し感光
ドラムの次の一周目のプリント時にかぶり等の現象とな
って現れる)、突き抜け(転写電界が強すぎるために転
写電荷が転写材を突き抜け感光ドラム上のトナーを転写
帯電と同極性に帯電させるために部分的な転写不良が発
生する)等の現象が発生する。従って転写ローラ抵抗値
の下限は上記転写不良と紙跡が一つの転写電圧で両立す
るポイントがない抵抗値で決定される。
【0248】一方転写ローラ抵抗値の上限は画像形成装
置の持つ転写高圧発生手段422の最大出力電圧で決定
され本発明例では5kVが最大出力電圧でありその時に
転写不良が発生しない条件を満たしている必要がある。
図33において一点鎖線eは紙跡ラインと称するライン
であり感光ドラム1に直接流れる電流値が一定値以上
(本実施例では6μA以上)になった時即ちこのライン
よりも上側(=印加電圧が高い)の領域では紙跡が発生
することを示している。
【0249】一方一点鎖線fは転写不良ラインであり高
抵抗の転写材Pを通紙したときに転写不良が発生すると
きの転写電流(本実施例では1.3μA以下)を求めた
ラインである。従ってこのラインの下側の領域では転写
不良が発生する事を示している。一方縦線g1,g2は
本発明の転写ローラ408への電圧印加制御法を適用し
たときに転写ローラ408に印加される転写電圧を示し
たものである。
【0250】本発明例では予め前回転中(画像形成動作
のための準備回転)に暗部電位(本実施例では−600
V)に一様帯電された感光ドラム1に対し1.5μAの
転写電流を流しその時に発生する電圧に対し1.5kV
加算した電圧を転写材Pが転写部位に到るときに印加す
るように転写電圧に制御する。図33のグラフからわか
るように転写ローラ408と高圧発生手段422の間に
抵抗426を介した場合、転写ローラ408の電圧−電
流特性は抵抗426を介していない場合に比して曲線が
寝ており転写電圧の変動に対し転写電流の変化幅が小さ
くなり(±10%転写電圧が変動したとしても転写ロー
ラと高圧発生手段の間に抵抗を介した場合転写電流の変
化幅は0.4μAであり、抵抗を介していない場合には
0.8μAである)高圧発生手段422に要求される精
度が従来よりも緩和できることがわかる。
【0251】更にこのグラフからわかるように本実施例
では転写ローラ408の抵抗下限値は5×108 Ωより
も低いところにある事がわかる。図34のグラフは本実
施例の高温高湿下(35℃80%)における上記転写ロ
ーラ408の電圧・電流特性を示すグラフである。実線
aは感光ドラム401側に直接流れる転写電流をプロッ
トしたものであり、破線bはこの時転写材Pを通紙した
時に流れる転写電流をプロットしたものである。実線c
はこの転写ローラ408を用い、上記抵抗426を設け
ていない場合の感光ドラム401側に直接流れる転写電
流をプロットしたものであり、破線dはこの時転写材P
を通紙した時に流れる転写電流をプロットしたものであ
る。一点鎖線eは従来例で述べたドラムメモリーが発生
する転写電流値を示す。
【0252】一方縦線g1,g2は本実施例の転写ロー
ラ印加電圧制御法により転写時に印加される転写電圧を
示す。このグラフからわかるように転写ローラ408と
高圧発生手段422の間に抵抗426を設けた場合本制
御により転写ローラ408に印加される転写電圧におい
てドラムメモリーが生じるような転写電流は流れず、一
方抵抗426を介していない場合制御時の転写ローラ印
加電圧ではドラムメモリーが発生してしまうことがわか
る。従って高温高温下のドラムメモリーを考慮したとき
には本画像形成装置に於て抵抗426を設けていない場
合使用できる転写ローラ408の抵抗下限値は5×10
8 Ωよりも大きくなる。
【0253】一方、抵抗426を設けた場合は転写ロー
ラ408の抵抗下限値は5×108Ωよりも小さいとこ
ろにあることがわかる。これは転写ローラ408と高圧
発生手段422の間に抵抗426を設けることにより過
剰な転写電流が流れるのを抑制する作用が働く為であ
り、低温低湿下で最適な転写電圧制御を高温高湿下で転
写材Pの抵抗値が低下した場合に適用しても良好な転写
性を得ることができる。
【0254】以上のような作用効果を得るために転写ロ
ーラ408と高圧発生手段422との間に設ける抵抗4
26の値は以下のような範囲にあることが望ましい。
【0255】抵抗値が高すぎる場合転写時に流れる電流
により電圧降下が発生し実際に転写ローラ408に印加
される電圧が低下する。そのため例えば最大5kVの転
写電圧が発生する高圧発生手段422を用いた場合でも
実際に転写ローラ408には4.5kVまでの転写電圧
しか印加されない場合がありこの時には使用できる転写
ローラ抵抗値の上限が低くなってしまう。
【0256】更に、幅の狭い小サイズ紙を通紙した場
合、転写ローラ408と感光ドラム401が直接接して
いる領域で転写電流が多く流れるためそこで電圧降下が
発生し転写材Pに対し必要な転写電圧が印加されない場
合がある。一方抵抗値が低すぎる場合には上述の転写電
流抑制効果が得られなくなる。このようにして抵抗42
6の値には最適値が存在するが具体的には低温低湿下で
の小サイズ紙の転写不良により抵抗値の上限が決り、高
温高湿下でのドラムメモリーにより抵抗値の下限が決
る。
【0257】表2は抵抗値を変化させたときに本画像形
成装置で使用可能な転写ローラ抵抗値の範囲を示したも
のである。小サイズ紙の転写不良は転写ローラ408の
抵抗値が低く、かつ転写ローラ408と高圧発生手段4
22の間に設けられた抵抗426の値が大きいほど発生
し易くなるため、抵抗426の値が大きいほど使用でき
る転写ローラの抵抗下限値は大きくなる。
【0258】本検討では小サイズ紙として幅が110m
m、長さが297mmのサイズの紙を低温低湿下に24
時間以上放置して用いた。一方ドラムメモリーに関して
は転写ローラ408の抵抗値が低く、転写ローラ408
と高圧発生手段422の間に設けられた抵抗426の値
が小さいほど発生し易くなるため、抵抗426の値が小
さいほど使用できる転写ローラ408の抵抗下限値は大
きくなる。
【0259】
【表2】
【0260】表2から使用可能と判断する抵抗426の
値の範囲は抵抗426を設けない場合に比して使用でき
る転写ローラ408の抵抗範囲が広くなった場合とす
る。従って表1からわかるように転写ローラ408と高
圧発生手段422の間に設ける抵抗426の値は4×1
7 Ωから3×108 Ωの間とされる。
【0261】〈実施例17〉表3は本発明を画像形成速
度が100mm/secの画像形成装置に適用した場合
に転写ローラ408と高圧発生手段422との間に設け
た抵抗426の適性値を求めるための表である。本実施
例における画像形成装置の構成は前記実施例と同様なの
で説明は省略する。表3の内容は表2と同様であり抵抗
426の最適値は抵抗426がない場合に比べて画像形
成装置に使用できる転写ローラ抵抗値の範囲が広がる抵
抗値の範囲で求められる。この結果本画像形成装置に於
ては抵抗の最高値は2×107 Ωから1.5×108 Ω
の間にあることがわかる。
【0262】
【表3】
【0263】以上の実施例に於ては、特定の画像形成速
度、最大通紙幅を有する画像形成装置において転写ロー
ラと高圧発生手段の間に設ける抵抗の最適値を求めた
が、これを一般の画像形成装置にあてはめると以下のよ
うに抵抗の最適値はあらわされる。
【0264】本発明で設けた抵抗は電流抑制のための機
能を有しているために転写に必要な電流値に応じてその
最適値が決定される。一方必要とされる転写電流値は画
像形成装置の画像形成速度、最大通紙幅(=転写ローラ
の有効部の長さ)に比例する。
【0265】従って画像形成速度をVp(mm/se
c)、最大通紙幅をL(mm)とすると電流抑制のため
の抵抗の最適値R(Ω)は 4.3×1011/(Vp×L)≦R≦3.3×1012
(Vp×L) とあらわされる。
【0266】以上説明したように転写ローラと高圧発生
手段の間に電流抑制のための抵抗を設けることにより画
像形成装置で使用できる転写ローラの抵抗値の範囲が広
がり、特に高温高湿下でのドラムメモリーの発生を阻止
し、更に転写ローラの抵抗が低いときの転写電圧制御精
度が良くなるという利点も有する。
【0267】〈実施例18〉図35は本発明の他の実施
例を示す高圧制御部のブロック図である。定電流制御部
421により非画像形成時の所定のタイミングで所定の
電位に帯電された感光ドラム401に対し高圧発生手段
422を制御し一定電流を流し、この時高圧発生手段4
22の出力電圧をモニターしその値をCPU423、D
/A変換器424、増幅手段4255により定電圧で出
力するように制御する。
【0268】更に本実施例では高圧発生手段422と転
写ローラ408の間に抵抗426を設け同時に高圧スイ
ッチ427によりCPU423からの信号により高圧発
生手段422と転写ローラ408を短絡させる機能を有
している。本実施例を適用する画像形成装置は実施例1
7と同じなので説明は省略する。本実施例では上記定電
流制御時に発生する電圧が所定値以上の場合に(本実施
例では3kV)上記高圧スイッチ427を作動させ高圧
発生手段422と転写ローラ408を短絡させる。
【0269】この結果転写ローラ408の抵抗の高い領
域では電流抑制手段としての抵抗426が機能しないた
めに高圧発生手段422の発生可能な電圧が全て転写ロ
ーラ408に印加され、実施例17,18のように使用
できる転写ローラ408の抵抗値の上限が小さくなるこ
とはない。さらに転写ローラ408の抵抗値が高い領域
では高温高湿下でのドラムゴーストは発生しにくく、ま
た転写ローラ408の電圧・電流特性も寝ているため制
御精度が前記実施例に比較して劣ることはない。
【0270】〈実施例19〉図36は本発明の他の実施
例である高圧制御部のブロック図である。定電流制御部
421により非画像形成時の所定のタイミングで所定の
電位に帯電された感光ドラム401に対し高圧発生手段
422を制御し一定電流を流し、この時高圧発生手段4
22の出力電圧をモニターしその値をCPU423、D
/A変換器424、増幅手段425により定電圧で出力
するように制御する。
【0271】更に本実施例では高圧発生手段422と転
写ローラ408の間に抵抗426及び抵抗428を設け
更に高圧スイッチ427を設けCPU423からの信号
により抵抗428を短絡させる機能を有している。具体
的には本実施例では上記定電流制御時には抵抗428を
機能させ、次いで転写材にトナーを転写する転写時には
抵抗428を短絡させる。この時転写時に印加される転
写電圧は上記定電流制御時に発生した電圧画素のまま印
加される。
【0272】本実施例を適用する画像形成装置は実施例
17と同じなので説明は省略する。本実施例では上記定
電流制御時に発生した電圧をそのまま転写時に印加でき
るように抵抗428の値を決定しているため(具体的に
は1.5μAの定電流制御を実施しその時発生した電圧
に1.5kV加算するような画像形成装置に於ては、抵
抗428の値を1×109 Ωに設定すれば良い)転写ロ
ーラに印加される電圧のばらつき要因は定電流制御時の
定電流値のばらつき、抵抗428の値のばらつきのみに
なり、前記実施例のように高圧トランスのばらつき、高
圧駆動回路のばらつき要因を拾うことがなくなるため制
御精度が高くなるという利点を有している。
【0273】次に請求項10に係る実施例を図37乃至
42について説明する。
【0274】〈実施例20〉図37、40は本発明の実
施例の説明図である。
【0275】517は、画像調整手段516に対応して
転写部材505に電圧を印加するバイアス電源514の
バイアス値、またはバイアス制御特性を変化させる画像
調整手段516とバイアス電源514の連動手段であ
る。
【0276】反転現像において、図39の様な画像調整
手段によってF1→F5→F9と変化させた場合、F値
の増加に伴い、バックコントラストも増加するので、F
1では反転カブリは少なく、砂地が発生し易い。逆に、
F9では反転カブリが多く、砂地が発生しにくい。
【0277】一方で、F1では感光ドラム上の画像部の
トナー量が多いので転写電圧が弱くても感光ドラム上の
トナーは、ある程度転写材に転写することができるが、
F9では感光ドラム上の画像部のトナー量が少ないので
感光ドラム上のトナーを転写材に転写する際には、F1
に比較して強い転写電圧が必要とされる。
【0278】ここで、前述の従来技術6における式
(1)に従って、転写ローラバイアスVr'(kV)を制
御すると、転写ローラ505の抵抗値Rr に応じ、例え
ば、図40の曲線Aの様にVr'が決定される。
【0279】ところで、前述の砂地と反転カブリの関係
から図40のように、F5を中心(曲線A)とすると、
F1では反転カブリは少ないので転写バイアスを少し小
さくして砂地に対するマージンを広くし(曲線B)、F
9では砂地が発生しにくいので転写バイアスを少し大き
くして反転カブリを抑える(曲線C)といった、画像調
整手段516のF値に対応して連動手段517によって
転写バイアスの制御特性を変化させることにより、F1
では転写電圧を弱くして砂地の発生を防止し、F9では
転写電圧を強くして反転カブリを防止することができ
る。
【0280】実際に、図40は、図37の装置におい
て、プロセススピード94mm/sec、定電流値I0
=4μAとした時の転写ローラ抵抗に対する転写電圧制
御を示す(ただし、本実施例に用いた転写ローラは抵抗
値が印加する電圧値により変化する、いわゆるオーミッ
クでない特性のものを用いている)。図40のように、
中心であるF5においてVr'=Vr +1.1kVという
算定式をもちいて転写バイアスを決定する場合(曲線
A)に、F1ではVr'=Vr +0.8kV(曲線B)、
F9ではVr'=Vr +1.4kV(曲線C)という算定
式を用いて転写電圧Vr'を決定するようにすると、F5
に対して、F1では0.3kV強く、F9では0.3k
V弱い制御となり、砂地の発生もなく、カブリも少ない
鮮明な画像を得ることが出来た。
【0281】上記では、ATVC制御の算定式(1)に
おける定数bを、画像調整手段516に応じて連動手段
517により変化させることで転写電圧を連動してい
る。これは、F1、F2・・・・・F9まで9段階に定
数bを9個設定しても良いし、可変抵抗などによってF
1〜F9まで連続的に定数bを変化させるようにしても
良い。
【0282】また、転写バイアスを変化させるには、転
写バイアス算定式(1)の定数aを変化させても、定数
aと定数bの両方を変化させることで所望の転写バイア
ス値を得ることができる。
【0283】以上のように従来の画像形成装置において
は、画像調整手段のF値に関係なく転写ローラに印加さ
れる転写ローラバイアスVr'は、例えば曲線Aによって
制御されているが、本実施例のようにF値の大きさに応
じて、例えば曲線Bや曲線Cによって決定される転写ロ
ーラバイアスVr'に制御することによって、F値の変化
によって発生していた砂地や反転カブリを防止すること
ができる。
【0284】〈実施例21〉図41の斜線部は転写ロー
ラの抵抗と印加電圧の使用可能範囲の1例を示してい
る。転写ローラの使用できる抵抗や印加電圧の範囲が限
定され、特に、低抵抗の転写ローラの使用を、「飛び散
り」と転写帯電メモリが妨げている。不良画像とは、転
写電流が小さいため(矢印a方向)に発生する「飛び散
り」、転写電流が大きいため(矢印b,c方向)に発生
する低抵抗側での「転写帯電メモリ」、高抵抗側で発生
する「突き抜け」等である。
【0285】「飛び散り」とは、転写時の転写ローラと
感光ドラムのニップ部において転写材を介して、トナー
の有る画像部よりもトナーの無い非画像部の方が電位的
にマイナスに大きいために、非画像部にプラスの転写電
流が集中し、トナー(ネガトナー)が非画像部に飛散し
てしまう現象であると考えられている。これは、転写電
圧が低く、紙にトナーを保持するだけの電荷が供給され
ない場合に発生する。
【0286】「突き抜け」は、電圧が大きいために通紙
部において、電流が紙を突き抜けてしまい、ハーフトー
ン画像等で小さな白点となる。この突き抜けた電流が感
光ドラムの電位をダウンさせメモリーとして感光ドラム
上に残存してしまい、感光ドラム一周後に砂地として画
像上に現れる。
【0287】「転写帯電メモリ」は、電圧が大きいため
に非通紙部において、過大の電流が感光ドラムに流れる
ことによって、感光ドラムにメモリーとして残存してし
まい、小サイズ紙の通紙後に大サイズ紙の通紙を行なっ
た時や、同サイズ紙の連続通紙によっても転写材が少し
ずれることによって転写材の両端の汚れとして画像上に
現れる。
【0288】つまり、転写帯電メモリは非通紙部での条
件であり、飛び散り、突き抜けは通紙部での条件であ
る。
【0289】このように、転写ローラの適正電圧値のラ
チチュードは低抵抗側で非常に狭く、高抵抗側で広くな
っている。また、反転カブリは転写ローラが高抵抗にな
るほど多く発生すること等から、転写ローラの低抵抗
側、つまりVr が小さい場合には、適正電圧値のラチチ
ュードが狭いので画像調整手段と転写バイアスは連動さ
せずに従来の制御で行い、転写ローラの高抵抗側、つま
りVr が大きい場合には、適正電圧値のラチチュードが
広いので転写バイアスと画像調整手段を連動させる方式
にすると、より理想的な転写バイアスの制御となる。
【0290】実際に、式(1)において、図42のよう
に転写ローラの低抵抗側すなわち定電流制御電圧Vr
(kV)が0.85kV以下では画像調整手段によらず
定数a=1.0、および定数b=1.1kVは一定と
し、転写ローラの高抵抗側すなわちVr が0.85kV
以上ではF1のときa=1.0、b=1.1kV、F5
のときa=1.2、b=0.93kV、F9のときa=
1.4、b=0.76kVとすると、F1での砂地の発
生を防止し、さらにF9での反転カブリをも防止する事
が出来た。
【0291】以上のように、転写ローラの抵抗値によっ
て転写バイアスを画像調整手段と連動させる領域と連動
させない領域を切り換えることによって、画像不良の発
生を防止するとともに砂地や反転カブリをも防止するこ
とができる。
【0292】〈実施例22〉ATVC制御は、前述の式
(1)で説明した様に非転写時に定電流制御を行い、こ
の時に生じた電圧Vr をもとに、転写時に転写ローラ5
05に印加する電圧Vr'を決定する方式であるが、本実
施例では、式(1)の定数a,bは一定とし、定電流制
御を行うときの定電流値(I0 )を画像調整手段と連動
することによって、定電流制御によって得られる電圧V
r を変化させて、画像調整手段と転写ローラに印加する
転写バイアスVr'を連動し、砂地の発生がなく、カブリ
の発生も軽減することが出来る。
【0293】実際に、定電流値(I0 )をF5=4μ
A、F1=3μA、F9=5μAと設定することで、F
1ではF5に比較して少し転写電圧を弱くして砂地の発
生を防止し、F9ではF5に比較して少し転写電圧を強
くして反転カブリを防止する事が出来た。
【0294】また、この実施例においてもF1、F2・
・・F9と9個の定電流値を設定しても、F1〜F9ま
で連続した定電流値を設定しても良い。
【0295】次に請求項11乃至14に係る実施例を図
43乃至51について説明する。
【0296】〈実施例23〉図43は本発明の画像形成
装置の構成を示す概略側面図である。まず、プロセスス
ピード200mm/sで、矢印X方向に回転する直径3
0mmのOPC感光体601の表面が、帯電ローラ60
3によって、一様に負帯電されたのち該帯電面に画像情
報書き込み手段605により光が投射されてその部分の
電位を減衰させて、静電潜像が形成される。この静電潜
像の電位の大きさに応じて現像器の正極性トナーで現像
される。
【0297】感光体601の走行方向にみて、現像器の
下流側において、該感光体に圧接するφ16の半導電性
(例えば106 〜1010Ω)転写ローラ602が圧接配
置してあり、両者の圧接ニップ部が転写部位を形成して
いる。ここで転写ローラ602は感光体601に圧接し
ていなくても良く、転写ローラと感光体601との間隙
が転写材の厚さより小さく、この間隙を転写材が通過す
るときだけ転写ローラ602が転写材Pを転写部位で圧
接するようにしても良い。負のトナー像が該転写部位に
到達すると、これとタイミングを合せて搬送路607か
ら転写材P(転写紙)が転写部位に供給され、これとと
もに転写ローラに印加される負のバイアスによって、感
光体表面のトナー像は転写材に転移する。
【0298】上記帯電ローラ603、転写ローラ602
に対しては、低電圧・定電流制御可能な電源608によ
って、各々所定の時点で所定の電流・電圧を印加するよ
うになっているものとする。この電源608はCPUの
信号により後述するように制御される。
【0299】この装置において、定着器ウォームアップ
時の前多回転・プリント前の前回転および連続通紙時の
紙間などの非通紙時、即ち転写部位に転写材が存在しな
いときにおいて、該電源608は転写ローラ602を定
電流制御し、そこに生じた電圧値をホールドもしくは記
憶し、ついで定電流制御を停止して、通紙時、即ち転写
部位に転写材が存在するとき先に記憶した転写ローラの
電圧値を係数倍した電圧値を転写ローラ602に印加
し、定電圧制御をする。このとき係数は、環境条件によ
り異ならせるようにする。
【0300】例えばN/N環境下における転写ローラ6
02(従来例と同じローラである。)で説明すると、転
写部位で非通紙時(転写材が存在しないとき)に感光体
がVL (=−150V)となっているときに、転写ロー
ラ602に流す電流を定電流制御して−15μAとする
とそのときのローラ602への印加電圧は約4.5kV
となっており、この電圧のとき通紙時のベタ黒転写電流
は約−5μAである。
【0301】しかし、安定したベタ黒画像を出力するに
は約−20μAの転写電流が必要であるため、ホールド
もしくは記憶した電圧約−4.5kVを1.3倍して−
6kVの電圧を転写ローラに印加して、ベタ黒転写電流
を−20μAとする。即ち、このように転写ローラの電
圧・電流を制御することによって、N/N環境におい
て、通紙時には転写ローラは約−6kVに定電圧制御さ
れ、このとき、約−20μAのベタ黒転写電流が流れて
良好な転写が行なわれることがわかる。
【0302】これはA3サイズの転写材通紙の場合であ
るが、小サイズ紙の場合でも定電圧制御を行っているの
で、同様な結果となる。
【0303】以上のことをH/H、L/L環境において
みてみると、次のようになる。
【0304】前記N/N環境下での測定を行なったのと
同じ転写ローラを使用した場合、H/H環境において
は、非通紙時に転写ローラへ流す電流を−15μAで定
電流制御すると、その時のローラへの印加電圧は約−4
kVであり、この電圧をホールドし、1.2倍した電圧
で約−5kVで定電圧制御すると、ベタ黒通紙時約−2
0μAの電流が流れることになる。
【0305】L/Lにおいては、非通紙時転写ローラへ
流す電流を−15μAで定電流制御すると、制御時の印
加電圧は約−5kVであり、この電圧を1.4倍した電
圧で定電圧制御すると、−7kVでベタ黒通紙時−20
μAの電流が流れる。
【0306】このように、転写部位に転写材が存在しな
いとき転写ローラに流す電流を定電流制御し、その時の
転写ローラへの動作電圧をみることで、環境に応じた転
写特性を知る。ついで転写部位に転写材が存在すると
き、即ち転写時に環境にあった適性転写バイアスを印加
するために上記動作電圧値をホールド記憶した後、環境
に応じてその電圧値を係数倍(例えば、前例のようにH
/Hで1.2倍、N/Hで1.3倍、L/Lで1.4
倍)することによって、転写時の転写電流は、転写不良
を起こさないのに十分なだけの電流が流れる。これは、
転写ローラの環境特性を補うのに有効である。
【0307】なお、上記のように転写ローラに流す電流
を定電流制御するのは転写部位に転写材が存在しない時
間の少なくとも一部であれば良い。
【0308】次に、除電針の場合について述べる。
【0309】実験をしたところ、上述のような構成にお
いて、転写紙の感光体からの分離に必要な除電電流は、
転写電流が−20μAのとき、+10μA程度であるこ
とがわかった。
【0310】コピー時、除電針が+10μAを定電圧で
出力するための電圧値は、初期で約+1kVであること
がわかった。非通紙時のホールド電圧は約+2kVであ
った。さて、除電針の出力値は、上述の転写ローラほど
環境変動については、影響を受けにくく除電針の劣化自
体を補うよう制御すればよい。
【0311】したがって、除電針の制御は、転写ローラ
ほど多く行わなくてもよい場合もあり、その時は従来の
様に、除電針出力時にATVCによる転写出力制御を行
う系において、何回かに1回本発明の制御を加えること
でも、十分に効果が発揮される。
【0312】上述の様な転写ローラ定電流制御と、除電
針定電流制御を、別々に行うのが一方法である(図4
4)。また前半転写ローラの制御で、ホールド電圧決定
の後、除電針の制御と同時に行い、その後半で、除電針
のホールド電圧を決定することによっても、達成される
(図45)。
【0313】転写ローラ及び除電針の定電流制御を同時
に行うだけでは、互いに干渉する様な場合、ローラの抵
抗値も、除電針の耐久程度も推測できないので、各々の
正確なホールド電圧が得られない。同時制御を含む場合
まず、どちらかのホールド電圧を決定してからにしなけ
ればならない。また、別々の方式と同時制御を含む方式
では、ホールド電圧に乗じる係数に違いがある場合があ
り、そのための実験データをそろえておく必要がある。
【0314】尚、前述の分離必要電流+10μAを耐久
によらずコピー時に定電圧制御で達成させる場合、その
電圧の時間的(耐久)変化を追ったものが図46であ
る。
【0315】除電針回りの構成及び転写バイアスの最大
値などから出力が火花放電発生電圧以下になるように、
電圧リミッタ−を備えるのが良い。
【0316】〈実施例24〉やはり非通紙時に、トナー
と同極性または、交互に両極性のバイアスを転写ローラ
に印加することによって、転写ローラ表面上に付着した
トナーを感光体へ逆転写させ、除去する、いわゆるクリ
ーニングバイアスが特開平3−131885等で提案さ
れている。
【0317】本発明と組合す際には、本発明の制御の前
に行い、制御を不安定にする、付着物を除去した方が良
い。例えば図47の様にする。
【0318】〈実施例25〉実施例23で述べた様に、
ある同一の転写ローラのホールド電圧を検出することに
よって、使用している環境を知ることが可能である。除
電針自体の放電特性は、大きく変わらないが、搬送され
てくる転写紙の抵抗値、容量その他の物性値は、環境に
よって大きく異なるため、いつも除電針が同じ電流を放
出しても、分離性能が安定しないことがある。
【0319】特に、乾燥紙の分離性が悪いため、転写ロ
ーラのATVC制御で得たホールド電圧が高い場合に
は、通常の+10μAよりも増やし、例えば+20μA
にするように除電針のホールド電圧に乗じる係数を変え
るように制御すれば除電効果を高め分離性能を安定させ
る作用が得られる。
【0320】即ち、転写ローラのATVC制御で得るホ
ールド電圧をある大きさごとに区分し、検出されたホー
ルド電圧ごとに、転写ローラだけでなく除電針の制御係
数を変えることによって、より細かい制御が行なえる。
このようにホールド電圧に対して、係数が区分ごとに異
なる方式の他に、連続的に変化する方式も場合に応じて
有効である。
【0321】次に請求項15、16に係る実施例を図5
2乃至55について説明する。
【0322】〈実施例26〉図52は本発明に従う画像
形成装置の一例の概略構成図である。前述図56の装置
と共通する作像プロセス機器・構成部材には共通の符号
を付して再度の説明を省略する。
【0323】本実施例において、感光体701は直径3
0mmで、プロセススピード50mm/secで回転す
る。接触転写部材としての転写ローラ702は半導電性
(比抵抗108 〜1011Ωcm)のローラである。帯電
ローラ703には電源713から例えば特開昭63−1
49668号公報の様に、ACバイアスとDCバイアス
の重畳電圧が印加されて接触帯電が実行される。
【0324】704は転写ローラ702に対する転写バ
イアス印加電源である。この電源704は、転写ローラ
702に対しては定電圧制御が行なえ、該転写ローラ7
02の定電圧制御時の出力電流値を検知可能な検知装置
712を持った電源である。
【0325】転写ローラ702の転写バイアス制御法
は、電圧制御法のみにしたもので、従来のATVC制御
用の転写高圧回路から定電流出力回路を削除することを
可能とした。
【0326】本実施例では以上の様な構成の画像形成装
置を用いて次の様な制御を行なった。これを図53を用
いて説明する。
【0327】図53において各々の抵抗の転写ローラを
使用し、斜線領域1内の電流値が流れた時の印加電圧値
をそのまま通紙時に印加すると、転写材を介して感光体
表面を帯電ローラで適正バックグランド電位にできない
程、プラス電位にしてしまい、それが現像されて画像上
ノイズとなってあらわれてしまう。
【0328】また通紙時に感光体表面にトナーが存在す
る場合には、トナーを逆帯電させてしまい、部分的に転
写できずに転写画像抜けを生じてしまう。
【0329】ここでいう転写ローラの抵抗値とは、感光
体701と同径の導電部材(アルミドラム等)に、転写
ローラを両端側に500gずつの押圧力をかけて加圧当
接させて従動回転させ、この転写ローラに+2kVを印
加したときに、転写ローラに流れた電流から算出したも
のである。
【0330】次に斜線領域2内の電流値が流れた時の印
加電圧値をそのまま通紙時に印加すると、転写ローラ2
から転写に必要な電荷が転写Pに与えられず、転写後の
画像は、画像の周りのトナー飛散や濃度低下したものと
なってしまう。
【0331】更に転写ローラ702から感光体1に直接
6μA以上電流を流すと、帯電ローラ3によって適正バ
ックグランド電位(−600V)まで回復させることが
できない部分が生じ、その部分が現像され、次にくる転
写材にノイズとして転写されてしまう、所謂「プラスメ
モリ」現象となる。これは特に、小サイズの転写材を転
写した後に発生し易い。この様に、プラスメモリが発生
する領域を領域3とした。
【0332】そして、転写高圧出力の最大値を+5kV
として、転写部で発生するバイアスのリークを防止した
ため、+5kV以上の領域を領域4とした。
【0333】以上の様な領域1,2,3,4により適正
な転写領域は領域5となり、転写ローラ抵抗や、バイア
スの振れを考慮すると破線6で示した様に、該領域5の
中心値に、制御値を設定することが必要となる。
【0334】この制御ライン(破線6)上で転写バイア
スを制御した場合、適正な転写ローラの抵抗値領域は、
2×108 Ω〜8×109 Ωとなる。この適正抵抗値領
域外の転写ローラを用いた場合、抵抗値が低すぎると、
プラスメモリが発生し、電圧で定電圧制御を行なうもの
である。
【0335】従ってこの様な制御の場合2μAの定電流
時に保持した電圧の大きさによって、転写ローラの抵抗
値を予測することができる。
【0336】例えば、図55中で説明すると、2×10
8 Ωの抵抗の転写ローラを2μAの定電流制御するには
約700Vのバイアスが必要である。よって2μA定電
流時に700V以下のバイアスで制御した場合、この転
写ローラを2×108 Ω以下であると判定し、転写ロー
ラ交換表示を行ない交換させる。反対に2μA定電流時
に+4.5kV以上の制御となった場合には、上記同様
に交換対象とする。
【0337】以上の様に転写ローラの抵抗値を検知し、
ユーザに告知することで転写ローラを交換する様にし転
写による不良画像が出力されることを未然に防止するこ
とができる。また交換時期をユーザに告知することがで
きるので、装置構成が簡単であれば誰でもユーザメンテ
ナンスが行なえる様になる。
【0338】ここでユーザへの表示は本体表示もしくは
ホストへの表示を行なう方法が取られる。
【0339】また、以上のことは転写ベルト、ブラシ等
の接触転写方式の系については全て応用可能であること
は言うまでもない。
【0340】〈実施例27〉実施例26と同様に、画像
形成工程前の像担持体前回転工程時に、転写ローラを定
電圧制御し、そのときに流れた電流値から転写ローラの
抵抗値を予測し、判定するようにしたのが本実施例であ
る。
【0341】これを図54を用いて詳細に説明する。
【0342】画像形成工程前の前回転において+1kV
の定電圧制御を行なう。この時図54から2×108 Ω
を使用した場合、3.2μA流れる。よって3.2μA
より大きな電流値を検出した場合には2×108 Ω以下
の抵抗値になったと判定できる。
【0343】また、同時に1μA以上の電流が検出され
なかった場合には、次に+2kVを印加する。その時電
流値が0.3μA以上流れない場合に、転写ローラの抵
抗値が8×109 Ωより大きいと判定できる。ここで印
加電圧を2つに切り分けたのは、抵抗値検知の精度を上
げるためと、印加電圧によるプラスメモリ防止のためで
ある。以上の2つの結果から、転写ローラの抵抗値が使
用範囲(2×108 Ω〜8×109 Ω)内にあるかどう
かが検知でき、前述の実施例26と同様な効果を得るこ
とができる。
【0344】〈実施例28〉転写ローラの抵抗値変化は
通紙枚数と相関があることから、その通紙枚数によって
抵抗値を予測することが可能である。
【0345】図55に示した様に20万枚通紙後の転写
ローラは1桁抵抗が低下する。従ってH/Hでの吸湿に
よる抵抗低下分を見込んで設定すると、図55よりH/
H環境下で20万枚通紙後の抵抗値が2×108 Ωにな
るには、当初6×109 Ω(N/N測定)の抵抗の転写
ローラを投入すれば良い。従って当初6〜8×109Ω
の転写ローラを用いた場合、20万枚通紙後にH/Hで
2×108 Ω程度の抵抗値となることが予測される。
【0346】また通紙枚数のカウントは、本体にカウン
タを設けたり、CPU内でカウントする方法がとられ
る。
【0347】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明に
よれば、転写ローラの少なくとも表層を誘電体層で形成
し、帯電装置によって誘電体層表面に電荷を供給し、こ
の電荷によって発生する電界でトナー像を転移させ、さ
らにローラ表層の電荷の転写材への移動によりトナー像
の保持を可能にする事によって、トナー飛び散り、転写
斑画像等の発生しない転写装置の実現が可能になる。
【0348】また、請求項2乃至4の発明によれば、転
写ローラの駆動力を、そのローラ表面から与えることに
より、装置の使用によって転写ローラの径が変化して
も、常にその周速を一定のものとし、感光体と転写ロー
ラとの周速差による転写画像の縮みを発生させず、安定
した画像を得る効果がある。
【0349】また、請求項5の発明によれば、接触転写
手段を定電圧制御する電圧制御手段と、前記電圧制御手
段による定電圧制御時の出力電流値を検出する出力電流
検出手段と、前記出力電流が所望の値に達しているか否
かを判断する判断手段と、前記判断手段に基づく定電圧
出力値と上記出力電流検知手段からの入力演算結果よ
り、上記接触転写手段への出力電圧を決定する手段を有
する画像形成装置において、プリント動作前に少くとも
1回転写出力制御動作を実施し、プリント動作中の出力
電流をモニタ−して補正することによって、従来、ハー
ド的に行なわれた転写出力制御をソフトを介して行える
ようにしたため、ハードウェアの公差、温特等の不安定
要素を考慮しなくても済み、精度の高い制御と低コスト
化が実現されるようになる。また、ソフトウエアの変更
が容易であるため、従来回路度計の時点で決定されてし
まっていた転写出力制御における定数(定電流値、電圧
補正係数等)を自由に設定できるというメリットがあ
る。また、通紙時・紙間時にも微妙な転写電圧の補正が
可能となるので転写性の安定化が図られるようになっ
た。
【0350】また、請求項6、7の発明によれば、画像
形成装置は、上述のように転写手段と転写バイアス印加
電源との間に、転写手段の抵抗値よりも充分大きな抵抗
部材を直列に挿入した構成を特徴とするために、転写手
段である転写ローラなどの抵抗層の湿度変化による抵抗
値変動や、耐久劣化、通電劣化や経時変化などによる抵
抗値変動や、転写ローラ製造時の抵抗のバラツキ等の影
響を極力少なくして使用できるので、常に安定して転写
不良のない良好な転写画像が得られるとともに、転写ロ
ーラなどの抵抗値の変化や転写紙の抵抗などの検知手段
や転写電界の制御が不要であるために、安価で安定した
画像形成装置が提供されるという顕著な効果がある。
【0351】また、請求項8、9の発明によれば、転写
ローラと高圧発生手段の間に電流抑制のための抵抗を設
けることにより、画像形成装置で使用できる転写ローラ
の抵抗値の範囲が広がり、特に高温高湿下でのドラムメ
モリーの発生を阻止し、更に転写ローラの抵抗が低いと
きの転写電圧制御精度が良くなるという利点も有する。
【0352】また、請求項10の発明によれば、可転写
像を形成担持させた像担持体面に転写材をバイアス印加
した転写部材で当接させて像担持体面側の可転写像を転
写材面側へ転写材面側へ転写させる画像形成装置の転写
装置の転写バイアスと画像調整手段とを連動させること
によって、砂地や反転カブリの発生を防止し、さらに画
像調整手段のF値によらず鮮明な画像を得ることが可能
となる。また、本発明はATVC制御方式に限定される
ものではなく、定電圧法および定電流法においても適用
できることは明かである。
【0353】また、請求項11乃至14の発明によれ
ば、転写ローラのATVC制御及び除電針のANVC
(Active Needle Voltage Co
ntrol)制御を行うことによって、転写ローラは、
抵抗値の環境変動、耐久変動を、除電針については、出
力の耐久変動を検出し、また転写紙状態を予測し、転写
ローラ及び除電針のコピー時の出力を適正化し、画質及
び分離性能を安定化させる効果がある。
【0354】また、請求項15、16の発明によれば、
転写ローラの抵抗値を、検知予測することで、前もって
転写による画像不良を防止できる。またユーザによる転
写部材の交換時期を明確に設定できるので、ユーザによ
るイメージメンテナンスも可能となる。更に、これらの
ことから確実に転写部材の寿命が設定できるため、転写
ローラを使用した場合に、摩耗による搬送力低下が引き
起こす中抜け等の問題も解消することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す画像形成装置の構成概略
【図2】本発明の他の実施例を示す画像形成装置の構成
概略図
【図3】本発明の他の実施例を示す画像形成装置の構成
概略図
【図4】本発明の他の実施例を示す画像形成装置の構成
概略図
【図5】本発明の他の実施例を示す画像形成装置の構成
概略図
【図6】従来例を示す画像形成装置の構成概略図
【図7】本発明を実施するのに適した画像形成装置中の
転写装置の要部の概略断面図
【図8】本発明の他の実施例の縦断面図
【図9】本発明の他の実施例の転写装置の要部の概略断
面図
【図10】本発明を実施するレーザ・プリンタの概略断
面図
【図11】本発明の他の実施例の転写出力制御のシーケ
ンス図
【図12】本発明の転写出力制御のアルゴリズム
【図13】図10の実施例の転写出力制御のアルゴリズ
【図14】D/Aコンバータの出力電圧と転写高圧出力
電圧との関係を示す図
【図15】D/Aコンバータにによる電圧立ち上げを示
す図
【図16】転写ローラの電流電圧特性を示す図(非通紙
時)
【図17】通紙中の電流−電圧特性を示す図
【図18】他の実施例の転写出力制御のアルゴリズム
【図19】図19の実施例の転写出力制御のシーケンス
【図20】他の実施例の転写出力制御のシーケンス図
【図21】従来のハードウェアを用いた転写出力制御回
路のブロック図
【図22】本発明の他の実施例に係わる画像形成装置の
概略側面図である
【図23】本発明の実施例に係わる画像形成装置の転写
手段の抵抗特性を測定する測定装置の概略側面図
【図24】転写手段の抵抗特性を示す電圧電流特性図
【図25】転写手段の抵抗特性の通電耐久変化を示す図
【図26】本発明に係わる画像形成装置の転写電流変化
を示す図
【図27】転写手段の抵抗特性の環境特性変化を示す図
【図28】本発明に係わる画像形成装置の転写手段の抵
抗特性の環境特性変化を示す図
【図29】本発明の他の実施例に係わる画像形成装置の
概略側面図
【図30】従来の画像形成装置の概略側面図
【図31】本発明を適用するレーザ−・ビーム・プリン
ター略断面図
【図32】本発明の転写高圧制御部を示すブロック図
【図33】本発明の作用効果を示すための転写ローラの
電圧・電流特性を示すグラフ
【図34】本発明の作用効果を示すための転写ローラの
電圧・電流特性を示すグラフ
【図35】本発明の転写高圧制御部を示すブロック図
【図36】本発明の転写高圧制御部を示すブロック図
【図37】本発明の他の実施例の説明図
【図38】従来の画像形成装置の1例の概略図
【図39】画像調整手段の説明図
【図40】本発明の図37の実施例の転写ローラ抵抗値
による転写ローラ印加電圧の制御特性
【図41】転写ローラの抵抗と印加電圧の使用抵抗範囲
の1例
【図42】本発明の他の実施例の説明図
【図43】本発明実施例のモデル図
【図44】本発明実施例のシーケンス例の図
【図45】本発明実施例のシーケンス例の図
【図46】除電針の耐久による出力低下説明図
【図47】本発明実施例のシーケンス例の図
【図48】測定器のモデル図
【図49】転写ローラの耐久による出力低下説明
【図50】測定器のモデル図
【図51】除電針の耐久による出力低下説明
【図52】本発明を実施したレーザ−・ビーム・プリン
タの一例を示した概略側面図
【図53】本発明他の実施例を説明するためのV−I特
性図
【図54】本発明他の実施例を説明するためのV−I特
性図
【図55】本発明他の実施例を説明するための抵抗変化
グラフ
【図56】従来の画像形成装置の例を示す図
【符号の説明】
1…感光体 2…一次帯電器 3…露光光 4…現像装置 6…クリーニング装置 7…定着装置 5…転写ローラ 13…転写ローラ
帯電装置 101…感光体 102…転写ロー
ラ 102a…転写ローラ中心軸 102b…転写ロ
ーラローラ部 103…電源 104…搬送路 105…転写ローラ駆動ローラ 105a…駆動ロ
ーラ中心軸 105b…駆動ローラローラ部 106…表面清掃
部材 107…ゴミ格納容器 201…感光体 202…転写ローラ 211…転写高圧
電源 212,213…コンバータ 214…電流検出
回路 301,311…感光体 302…転写手段 303…抵抗器 308…転写電源 401…感光ドラム 408…転写ロー
ラ 423…CPU 422…高圧発生
手段 426…抵抗 501…感光ドラ
ム 505…転写部材 514…バイアス
電源 516…画像調整手段 517…連動手段 601…感光体ドラム 602…転写ロー
ラ 603…帯電ローラ 604…除電針 605…画像情報書込み手段 606…現像器 607…転写ガイド 608…電源(転
写) 609…電源(帯電) 610…電源(除
電針) 631…アルミドラム 632…転写ロー
ラ 633…除電針 701…像担持体としての回転ドラム型の電子写真感光
体 702…接触型転写部材としての転写ローラ 703…帯電ローラ 704,741,742,713…バイアス印加電源 705…画像露光光 706…現像器 708…クリーニング手段 709…イレーサ
ランプ 710…CPU P…転写材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石山竜典 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 伊東展之 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 渡辺 顕 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 伊藤政宏 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 小野和朗 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 宮本敏男 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 田中裕子 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 諏訪貢一 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 井上高広 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 月田辰一 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 福沢大三 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第一の画像担持体である感光体を一次帯
    電した後に露光を行って潜像を形成し、その潜像を現像
    して得られたトナー像を、静電的に第二の画像担持体に
    転移させるローラを有する画像形成装置に於いて、該ロ
    ーラは少なくとも表層に誘電体層を有し、該誘電体層表
    面に電荷を供給する帯電部材を具備する事を特徴とした
    画像形成装置。
  2. 【請求項2】 像担持体と、これに圧接する転写ローラ
    とを備え、その夫々が独立して走行駆動を行い、これら
    両者間に転写材を通過させるとともにこの転写ローラに
    印加する転写バイアスによって転写材背面に電荷を付与
    するように構成した画像形成装置において、前記転写ロ
    ーラの駆動力はその表面より与えられることを特徴とす
    る画像形成装置。
  3. 【請求項3】 前記画像形成装置は転写ローラを直接駆
    動する転写ローラ駆動部を有し、前記転写ローラ駆動部
    はローラ形状をなし、剛体であることを特徴とする請求
    項2記載の画像形成装置。
  4. 【請求項4】 前記ローラ形状をなす転写ローラ駆動部
    は、その表面が5.0μm以上にあらされており、かつ
    絶縁がとれていることを特徴とする請求項2又は3記載
    の画像形成装置。
  5. 【請求項5】 像担持体上を均一に帯電する手段と、該
    像担持体面上に形成されたトナー像を転写材に接触転写
    する転写手段を含む作像プロセスを適用する画像形成装
    置において、 上記接触転写手段に印加される転写出力を制御する転写
    出力制御手段が電圧制御手段であって、前記転写出力制
    御手段による定電圧制御時の出力電流値を検出する出力
    電流検出手段と、前記出力電流が所望の値に達している
    か否かを判断する判断手段と前記判断手段に基づく定電
    圧出力値と上記出力電流検知手段からの入力演算結果よ
    り、上記接触転写手段への転写出力電圧を決定する手段
    を有し、プリント動作前に少くとも一回、転写出力制御
    動作を実施し、プリント動作中の出力電流をモニター
    し、補正することを特徴とする画像形成装置。
  6. 【請求項6】 像担持体と、これに圧接して転写部たる
    ニップ部を形成する当接タイプの転写手段を備え、前記
    転写部位に転写材を通過させるとともに、前記転写手段
    に転写バイアスを印加し、前記像担持体上のトナー像を
    転写材に転写する画像形成装置において、前記転写手段
    と転写バイアス印加電流との間に、抵抗部材を直列に挿
    入したことを特徴とする画像形成装置。
  7. 【請求項7】 前記抵抗部材の抵抗値をR1 とし、前記
    転写手段の抵抗値をR2 とした時、 R1 /R2 >1 を満足することを特徴とする請求項6に記載の画像形成
    装置。
  8. 【請求項8】 静電潜像担持体上に形成されたトナー像
    を転写材上に静電的に転写する転写手段が該静電潜像担
    持体に接触しており、予め非画像形成時に上記転写手段
    に印加する電圧を決定する為の制御動作を行うとともに
    上記転写手段と転写手段に電圧を印加するための高圧発
    生手段との間に電流を抑制するための手段を有すること
    を特徴とする画像形成装置。
  9. 【請求項9】 上記電流抑制手段は、その抵抗値R
    (Ω)が画像形成装置の画像形成速度をVp(mm/s
    ec)、最大通紙幅をL(mm)としたときに、4.3
    ×1011/(Vp×L)≦R≦3.3×1012/(Vp
    ×L)の範囲にあることを特徴とする請求項8記載の画
    像形成装置。
  10. 【請求項10】 表面に静電潜像を担持した像担持体、
    及び、これを顕像化するためのバイアス電圧を印加した
    現像手段、及び、該顕像を形成担持させた後、前記像担
    持体面に対して、バイアスを印加した転写部材により転
    写材を当接させて像担持体面側の可転写像を転写材面側
    へ転写させる転写手段と、少なくとも前記電圧潜像の地
    肌部における表面電位と前記現像手段に印加する現像バ
    イアス電圧の値を相対的に変化させることで画質を調整
    する画像調整手段とを有した画像形成装置において、画
    像調整手段の調整に応じて転写部材に印加するバイアス
    値を変化させることを特徴とする画像形成装置。
  11. 【請求項11】 像担持体と、像担持体に像を形成する
    像形成手段と、像担持体と対向しており、像形成手段に
    より形成された像を、像担持体との間の転写部位に転写
    材を接触通過させて転写材に転写する転写手段とを有す
    る画像形成装置であって、転写部位に転写材が存在しな
    いときに少なくとも転写手段を定電流制御し、このとき
    に生じる電圧値をホールド又は記憶し、転写部位に転写
    材が存在するときには、前記電圧値を係数倍した電圧値
    で転写手段を定電圧制御し、上記係数は上記定電流制御
    時の電圧値に応じて異ならせる制御手段を有する画像形
    成装置において、転写部位近傍に配置した除電針につい
    ても、転写部位に転写材が存在しないときに少なくとも
    転写手段を定電流制御し、このときに生じる電圧値をホ
    ールド又は記憶し、転写部位に転写材が存在するときに
    は、前記電圧値を係数倍した電圧値で転写手段を定電圧
    制御し、上記係数は上記定電流制御時の電圧値に応じて
    異ならせる制御手段を有することを特徴とする画像形成
    装置。
  12. 【請求項12】 前記制御手段による制御を、転写の定
    電流制御時は除電針の出力はOFFすること、除電針の
    定電流制御時は転写の出力をOFFすることとにより行
    うようにしたことを特徴とする請求項11記載の画像形
    成装置。
  13. 【請求項13】 前記制御手段による制御を、転写の定
    電流制御時に除電針の出力をOFFすることと、転写と
    除電針の定電流制御を同時に行うこととで行うようにし
    たことを特徴とする請求項11記載の画像形成装置。
  14. 【請求項14】 前記制御手段による制御を、除電針の
    定電流制御時に、転写の出力をOFFすることと、転写
    と除電針の定電流制御を同時に行うこととで行うように
    したことを特徴とする請求項11記載の画像形成装置。
  15. 【請求項15】 作像手段により像担持体に可転写像を
    形成担持させ、転写手段として、像担持体に接触し転写
    バイアスが印加される接触型の転写部材を用いて該転写
    部材と像担持体との圧接部たる転写部位に転写材を導入
    通過させることで像担持体側の可転写像を転写材側へ転
    写させて画像形成物を得、像担持体は繰り返して作像に
    供する画像形成装置において、 前記転写手段を定電圧制御する電圧制御手段と、前記電
    圧制御手段による定電圧制御時の出力電流値を検知する
    出力電流検知手段と、前記出力電流が所望の値に達して
    いるか否か判断する判断手段と、前記判断手段に基づく
    定電圧出力値と、前記出力電流検知手段からの入力演算
    結果より、前記転写材への出力電圧を決定する処理手段
    を有し、プリント動作の前段階に所定のタイミングで設
    けられた前回転時に前記転写手段の転写部材の抵抗値を
    検知する制御を行ない、その時の抵抗値の大きさによっ
    て、転写部材のメンテナンス時期を決定すること特徴と
    する画像形成装置。
  16. 【請求項16】 本体通紙枚数によって転写部材のメン
    テナンス時期を決定し、表示することを特徴とする請求
    項15記載の画像形成装置。
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