JPH06138303A - プラスチック製光学部品の反射防止膜 - Google Patents

プラスチック製光学部品の反射防止膜

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JPH06138303A
JPH06138303A JP4313977A JP31397792A JPH06138303A JP H06138303 A JPH06138303 A JP H06138303A JP 4313977 A JP4313977 A JP 4313977A JP 31397792 A JP31397792 A JP 31397792A JP H06138303 A JPH06138303 A JP H06138303A
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JP
Japan
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layer
thin film
adhesion
chromium oxide
forming
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Withdrawn
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JP4313977A
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English (en)
Inventor
Takeshi Kawamata
健 川俣
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Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Optical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 プラスチック基板に対して密着性、耐久性の
良い反射防止膜を提供する。 【構成】 プラスチック基板の表面に密着層として酸化
クロム薄膜層を形成し、この酸化クロム薄膜層の上に誘
電体薄膜層を形成する。酸化クロム薄膜層は、酸化物で
あるため安定しており、変質しにくい。それゆえ、密着
性の経時変化が少なく、耐久性に優れている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、プラスチック製光学部
品の反射防止膜に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、レンズ,ミラー,プリズム等の光
学部品の素材として無機ガラスに代えてプラスチックが
多く用いられるようになってきている。その主な理由
は、軽量かつ低コストにて製作でき、しかも形状の自由
度が大きいという利点があるからである。又、かかる利
点を有することから、最近では光学部品以外の各種部品
にも幅広く理由されつつある。ところが、これらプラス
チックにて構成した部品は、ガラスや金属に比して耐摩
耗性が劣るために、何らかの表面処理を施さなければ実
用上問題が多い。特に、プラスチックを光学部品として
使用する場合には、光学ガラスの場合と同様に光学薄膜
を成形する必要性がある。しかしながら、光学ガラスの
場合には光学ガラスを加熱して蒸着させることができる
ので、光学ガラスと光学薄膜との密着性が良好となる
が、プラスチックの場合には、基板を加熱させて蒸着さ
せるのが困難なために、常温で蒸着させなければなら
ず、そのためにプラスチック基板に対する薄膜の付着
力,密着性が悪くなり、耐久性が劣るという問題点があ
った。
【0003】そこで、プラスチック基板との密着性を向
上させるため、従来、例えば特開昭60−156001
号公報には、プラスチック基板の表面にNiやCr等の
金属薄膜層を形成し、この金属薄膜層の上に誘電体薄膜
層を形成して反射防止膜を構成したものが開示されてい
る。これは、プラスチック基板と密着性の良い金属薄膜
層を介して誘電体薄膜層を形成し、プラスチック基板と
反射防止膜との密着性を高めたものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の反
射防止膜にあっては、成膜直後の密着性は優れているも
のの、徐々に密着力が低下し、数日後には十分な密着性
が得られないという問題点があった。密着層としての金
属薄膜層は可視光の吸収が問題にならない程度に薄く
(例えば、特開昭60−156001号公報では、20
Å)形成しなければならないが、それ故、安定した状態
を維持しにくい。また、本来、金属薄膜層は、大気中の
水分と反応してOH基との結合等が生じ、変質し易い。
そのため、従来技術の金属薄膜層は、膜厚が極めて薄い
ことと合わせて、成膜直後の状態から変質してしまい、
密着層としての機能を保つことができなくなると考えら
れる。さらに、金属薄膜層は、可視光の吸収を少なくす
るため、従来の光学部品の反射防止膜にあっては、金属
薄膜層の膜厚を20Å以下とする必要があった。ところ
が、現在の技術では、このレベルの膜厚を再現性良く得
ることが非常難しく、大量生産を図る上で不具合いがあ
った。
【0005】本発明は、上記従来技術の問題点に鑑みて
なされたもので、プラスチック基板に対して良好な密着
性、耐久性を有するとともに、生産性良く形成できるプ
ラスチック製光学部品の反射防止膜を提供することを目
的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明のプラスチック製光学部品の反射防止膜は、
プラスチック製光学部品の表面に酸化クロム薄膜層を密
着層として形成し、この酸化クロム薄膜層の上に誘電体
薄膜層を形成して構成することとした。
【0007】
【作用】上記酸化クロム薄膜層の形成方法としては、ク
ロムを原料とし酸素雰囲気中で蒸着するか、酸化クロム
を原料としそのまま蒸着する等の方法があるが、いずれ
の方法にあっても完全な状態の酸化クロム薄膜層、すな
わちCr2 3 層を得ることは困難であり、薄膜層中に
はCrやCrO等の完全に酸化しきっていないクロムが
含まれることになる。そして、CrやCrOがプラスチ
ック基板との密着性向上に寄与し、従来技術のようなク
ロムのみの場合と同等の密着性を有して、酸化クロム薄
膜層が形成される。また、酸化クロム薄膜層は、酸化物
であるが故、クロムのみの場合よりも安定しており変質
しにくいので、密着性の経時変化が少なく、耐久性が向
上する。さらに、酸化クロム薄膜層は、クロム薄膜層と
比較して可視光の吸収がはるかに少ない。そのため、例
えば膜厚を100Å程度にしても、光学部品の反射防止
膜として十分な性能が得られる。したがって、膜厚の制
御を、従来ほど厳密に行う必要がなくなり、大量生産が
容易になる。
【0008】
【実施例1】図1は、本発明の実施例1を示す断面図で
ある。本実施例は、屈折率n=1.49のアクリル樹脂
(PMMA)からなるプラスチック基板1の表面に、C
2 3 層2を密着層として形成し、第2層目にSiO
2 層3、第3層目にZrO2 及びTiO2 の混合層4、
第4層目にSiO2 層5を誘電体薄膜層として形成し、
表1に示すように構成した。上記Cr2 3 層2は、C
2 3 を原料として、酸素ガスを全圧が6×10-5To
rrになるまで導入しながら電子ビーム蒸着により形成し
た。そして、その後、SiO2 層3、ZrO2 +TiO
2 の混合層4、SiO2 層5をそれぞれ電子ビーム蒸着
により形成した。
【0009】
【表1】
【0010】本実施例の反射防止膜の分光反射率を測定
したところ、図2に示すような結果が得られ、プラスチ
ック基板の反射防止膜として十分な特性を有していた。
さらに、セロハンテープによる剥離試験によって密着性
の評価を行ったところ、成膜直後及び温度45℃、湿度
95%の環境に300時間放置する耐湿試験後のいずれ
の場合でも、密着性は良好であった。また、比較のた
め、Cr2 3 層2に代えて、Cr層を密着層として膜
圧70Åに形成し、第2〜第4層を実施例1と同様に構
成して剥離試験を行ったところ、成膜直後の密着性は良
かったものの、耐湿試験後は密着性が劣化しており、不
十分であった。
【0011】
【実施例2】図3は、本発明の実施例2を示す断面図で
ある。本実施例は、アクリル樹脂からなるプラスチック
基板1の表面に、Crを原料とし、酸素ガスを全圧が1
×10-4Torrになるまで導入しながら、電子ビーム蒸着
により密着層としてSiO2 層6を形成し、その後、S
iO層7,SiO2 層8,CeO2 層9,SiO2 層1
0をそれぞれ電子ビーム蒸着により順次形成し、表2に
示すように構成した。
【0012】
【表2】
【0013】本実施例の反射防止膜の分光反射率を測定
したところ、図4に示す結果が得られた。すなわち、波
長450〜650nmで反射率はほぼ1%以下であり、
実施例1よりも更に優れた特性を得ることができた。さ
らに、実施例1と同様の密着性試験を行ったところ、成
膜直後及び耐湿試験後のいずれの場合も、密着性は良好
であった。
【0014】上記実施例1,2にあっては、プラスチッ
ク基板1としてアクリル樹脂を用いた場合を例示した
が、他のプラスチック基板、例えばポリカーボネート樹
脂を用いても、上記実施例と同様に十分な密着性を得る
ことができた。また、Cr2 3 層2,6からなる密着
層の上に形成する膜構成は、当然のことながら実施例
1,2の構成に限定されるものではなく、必要とする光
学特性が得られるものであればどのようなものであって
も良い。
【0015】
【発明の効果】以上のように、本発明のプラスチック製
光学部品の反射防止膜によれば、密着層を酸化クロム薄
膜層で構成したので、密着力の劣化がなく長時間にわた
って十分な密着性が得られた。また、酸化クロム薄膜層
は、可視光の吸収が少なく、膜厚を厚くしても反射防止
膜として十分な性能を有するので、膜厚の制御が容易
で、大量生産に適する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1を示す断面図である。
【図2】実施例1の反射防止膜の分光反射率を示す線図
である。
【図3】本発明の実施例2を示す断面図である。
【図4】実施例2の反射防止膜の分光反射率を示す線図
である。
【符号の説明】
1 プラスチック基板 2,6 Cr2 3 層 3,5,8,10 SiO2 層 4 ZrO2 とTiO2 の混合層 7 SiO層 9 CeO2

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プラスチック製光学部品の表面に形成し
    た酸化クロム薄膜層と、該酸化クロム薄膜層上に形成し
    た誘電体薄膜層とからなるプラスチック製光学部品の反
    射防止膜。
JP4313977A 1992-10-28 1992-10-28 プラスチック製光学部品の反射防止膜 Withdrawn JPH06138303A (ja)

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JP4313977A JPH06138303A (ja) 1992-10-28 1992-10-28 プラスチック製光学部品の反射防止膜

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102004013109B4 (de) * 2003-03-27 2010-02-04 Mitsubishi Denki K.K. Halbleiterlaservorrichtung
WO2012133216A1 (ja) 2011-03-25 2012-10-04 Hoya株式会社 プラスチックレンズ

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102004013109B4 (de) * 2003-03-27 2010-02-04 Mitsubishi Denki K.K. Halbleiterlaservorrichtung
WO2012133216A1 (ja) 2011-03-25 2012-10-04 Hoya株式会社 プラスチックレンズ
US9022585B2 (en) 2011-03-25 2015-05-05 Hoya Corporation Plastic lens

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