JPH0613764A - 電線用結束具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本技術は、合成樹脂の物性の変化が極めて少
なく、合成樹脂の結束具としての良さをそのまま残しつ
つ、電磁波シールド効果を発揮させるようにしたことに
ある。 【構成】 本技術は、少なくとも電線群を集合して束ね
る結束部を備えた合成樹脂製の結束具の表面に無電解メ
ッキを施したものである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、例えば、各種電子部品
相互間、配線基板相互間、配線基板と電子部品相互等を
配線する電線群を集合して束ねる為の、合成樹脂よりな
る結束具の表面に、無電解メッキを施したことを特徴と
する電線用結束具に関する。

【０００２】

【従来の技術】上記配線用電線群を集合して束ねる為の
結束具としては、その用途により、ばね性を有する導電
性金属板、軟質性の合成樹脂の何れかの材質にて各種形
状に成形されていた。

【０００３】上記前者の導電性金属板よりなる結束具１
の代表例としては、図４に示すように、ばね性を有する
導電性金属板よりなる帯状の長尺体２の両端部領域で対
向する取付部３を形成すると共に、その他の領域で電線
群を束ねる例えば円形状の結束部４（非円形、多角形を
も含む）を形成したものである。

【０００４】上記後者の合成樹脂製の結束具１０の一例
としては、図２に示すように、帯状の長尺体１１の一端
部領域には先細状の挿込部１２が形成されていると共
に、他端部領域には上記挿込部１２が挿し込まれて長尺
体１１が挿通される挿通孔１３と、この挿通孔１３内に
突成されたストッパー片１４とが夫々形成されており、
そして、上記長尺体１１の、その他の領域の内側の面に
は上記ストッパー片１４が係入されて電線群を束ねる所
期の緊締状態を保持する為の係止歯１５を連続的に形成
したものである。

【０００５】他の合成樹脂製の結束具２０としては図３
に示すように、上記領域には、最上部において、両端部
を自由端とした正面視略円形状の結束部２１（非円形、
多角形をも含む）と、この結束部２１内側には上部を該
結束部２１と一体とし、その下端を自由端とした全体形
状が正面視逆八の字状の電線群２５の押え片２２と、上
記結束部２１の両端部にはオス２３とメス２４とよりな
る一対の係止部とが夫々一体的に形成されており、下部
領域には配線基板或は匡体等の取付孔に挿入する為の、
上端を自由端とし、下端をその先端部に一体として、そ
の中間部の外側に係止段部２６を形成した逆八の字状の
支持片２７及びこの支持片２７の上部と、上記結束部２
１の下部との間に八の字状の支持片２８よりなる一対の
挟持部２９を夫々形成したものである。

【０００６】尚、従来の技術としては、上述した結束具
に限定されることなく、従来公知の合成樹脂製の電線群
を束ねる為のクランプ或はバンドと称される全ての結束
具を含むものとする。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】上記従来例の前者によ
れば、ばね性に富む導電性金属板で形成されているの
で、その加工及びコストの点に問題があり、どちらかと
云えば、形状がシンプルなものに限定されれてしまうと
云う問題があった。更に、実際問題として使用に際し、
合成樹脂製のそれと比較して、電線群によって型どられ
る外形形状になじみ難く結束部において、極端には必要
以上の緊締力で緊締される電線と、逆に緊締の及ばない
電線とが混在し、結束具しての機能を充分に発揮できな
いと云う大きな問題があり、それと共に、合成樹脂製の
それに比して、使い勝手が悪いと云う問題があった。

【０００８】このように多くの問題点を有するにも拘ら
ず、導電性金属板を使用する根拠は、周知のように電磁
波シールド性に優れている点にある。即ち、電磁ノイズ
のうち、特に放射型ノイズの対策用として有効である。

【０００９】次に、上記従来例の後者によれば、軟質性
の合成樹脂にて形成されているので、加工及びコストに
おいて有利であることは勿論であるが、電線群によって
型どられる外形形状になじみ易く束ねられた各電線を略
均一に緊締することができる。しかしながら、上記合成
樹脂製の結束具にあっては、電気的には絶縁状であるか
ら、電磁波シールド効果が皆無である。

【００１０】そこで、本発明は、上記した各問題点にか
んがみ、結束具としての合成樹脂の良さを有効に利用し
つつ、電磁波シールド効果を持たせた電線用結束具を提
供することを目的として開発されたものである。

【００１１】

【課題を解決するための手段】上記従来の技術が有する
問題点を解決することを課題として本発明は、配線用電
線群を集合して束ねる為の、用途に応じて異なる形状に
形成された合成樹脂製の結束具において、上記各種の結
束具の表面の全面に或は必要領域の面に無電解メッキを
施したことを主たる特徴とするものである。

【００１２】

【作用】本発明は、上記の構成により、結束具としての
合成樹脂の良さを充分に発揮すると共に、電磁波シール
ド効果を充分に発揮する。具体的には結束具の表面に無
電解メッキを施することにより次の作用が得られる。即
ち、 （１）、総膜厚が約２〜３ミクロンで程度で電磁波シー
ルド効果が得られる。 （２）、メッキの総膜厚が約２〜３ミクロン程度で充分
なので、合成樹脂の物性の変化が極めてわずかである。
例えば、電気メッキ品は伸びが大幅に低下するが、無電
解メッキ品のそれは極くわずかである。 （３）、電気メッキではカバーできない例えば深い凹部
も含めて均一な膜厚が得られる。 （４）、導電塗装アルミ蒸着、導電プラスチックに比し
て極めて低い接触抵抗が得られる。 （５）、多重反射による高い電磁波シールド効果が得ら
れる。例えば、総膜厚２〜３ミクロン程度で約３ミリ程
度の厚さの金属板と同等の電磁波シールド効果が得られ
る。 （６）、総膜厚２〜３ミクロン程度なので軽量である。 （７）、抵抗の変化が少なく安定している。

【００１３】

【実施例】本発明は上述した従来品の合成樹脂製の結束
具１０、２０の表面の全面に或は必要領域の面に図１に
一部拡大して示した後述する無電解メッキ３０を施した
ものである。即ち、上記無電解メッキ３０は導電性が良
好な無電解銅３１を下地にして例えば、無電解ニッケル
３２をコーテイングする。この無電解メッキ３０の総膜
厚は合成樹脂製の結束具の場合２〜３ミクロン程度で充
分な電磁波シールド効果が得られる。

【００１４】上記無電解メッキ３０は上述した図示の従
来品に限定されることなく電線群を束ねる為のクラン
プ、バンド等と称されている図示されざる形状の全てに
施して、電磁波シールド効果を持たせることができる。

【００１５】

【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
合成樹脂の物性の変化が極めて少なく、従って、合成樹
脂の結束具としての良さをそのまま残しつつ、電磁波シ
ールド効果を充分に発揮することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の合成樹脂製の結束具の一部の拡大図で
ある。

【図２】従来の合成樹脂製の結束具の平面図である。

【図３】従来の合成樹脂製の他の例の結束具の正面図で
ある。

【図４】従来の導電性金属板の結束具の正面図である。

【符号の説明】

１、１０、２０、 結束具 ３０ 無電解メッキ ３１ 無電解銅 ３２ 無電解ニッケル

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 配線用電線群を集合して束ねる為の、用
   途に応じて異なる形状に成形された合成樹脂製の結束具
   において、上記各種の結束具の表面の全面或は必要領域
   の面に無電解メッキを施したことを特徴とする電線用結
   束具。