JPH0613682A - 炭酸ガスレーザ発振装置 - Google Patents

炭酸ガスレーザ発振装置

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JPH0613682A
JPH0613682A JP16921492A JP16921492A JPH0613682A JP H0613682 A JPH0613682 A JP H0613682A JP 16921492 A JP16921492 A JP 16921492A JP 16921492 A JP16921492 A JP 16921492A JP H0613682 A JPH0613682 A JP H0613682A
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JP
Japan
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carbon dioxide
mirror
dioxide gas
gas laser
discharge tube
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JP16921492A
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English (en)
Inventor
Kuniaki Fukaya
邦昭 深谷
Takanori Sato
孝徳 佐藤
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Original Assignee
Fanuc Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 炭酸ガスレーザ発振装置ビーム径の大きな低
次モードであって、かつ、広い範囲にわたってほぼフラ
ットなビーム伝播特性を有するレーザビームを出力す
る。 【構成】 炭酸ガスレーザ発振装置における共振器は、
放電管4、全反射鏡5及び出力鏡6から構成される。全
反射鏡5は凸面鏡であって、内部の曲率半径すなわち凸
部の曲率半径をRrear〔mcx(meter convex)〕とす
る。また、出力鏡6は凹面鏡であって、内部の曲率半径
すなわち凹部の曲率半径をRoutput〔mcc(meter conc
ave )〕とする。そして、これらの鏡の曲率半径は、安
定型共振器として動作させるためにRrear>Routput
満足するように選択する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は炭酸ガスレーザ発振装置
に関し、特に金属等の切断、溶接及び焼き入れ等を行う
炭酸ガスレーザを発振して出力する炭酸ガスレーザ発振
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】炭酸ガスレーザ加工機は、主にSPCC
(冷間圧延鋼板及び鋼帯)等の金属材料の切断及び溶接
に使用されている。ところで、金属材料の切断に関し
て、薄板では、切断面粗さ、送り速度及び切断幅等が、
厚板では切断可能な最大板厚等が重要な評価基準であ
る。一般にレーザビームは、薄板に対しては1〔KW〕
以下の比較的低出力で低次モードが、厚板に対しては
1.5〔KW〕以上の高出力で比較的高次モードが望ま
しいとされる。ここで、薄板における低次モードは集光
性を良くするためであり、厚板における高次モードは集
光レンズの熱歪みを緩和するためである。
【0003】しかしながら、厚板の場合でもビーム径の
大きな低次モードが得られれば、より理想的である。ま
た、広い伝播範囲にわたって均質な切断特性を得るため
には、伝播距離に対してできるだけビーム径の変化が小
さくなるようなビーム伝播特性を持つことが望ましい。
【0004】ところで、従来は発振器から取り出される
ビームモードを制御する方法としては、2通りの制御方
法が知られている。第1の方法は、主に3軸直交型で採
用されている制御方法であって、全反射鏡及び出力鏡が
いずれも凹面鏡である共振器の内部に適当な大きさのア
パーチャを挿入することによって、低次モードを得る方
法である。
【0005】第2の方法は、主に高周波(RF:Radio
Frequency )放電励起方式の高速軸流型で採用されてい
る制御方法であって、凹面鏡と凹面鏡の組み合わせから
なる全反射鏡及び出力鏡における内部の曲率半径及び放
電管の内径等を適当に組み合わせることで、ビームモー
ドを調節する制御方法である。この制御方法で低次モー
ドを得るためには、それらの曲率半径を大きくとる必要
がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、第1の方法で
は、アパーチャを挿入することによるビーム出力のロス
が大きくなり、レーザ発振器全体の効率が大幅に低下す
るという問題点があった。
【0007】また、第2の方法では、出力鏡の熱歪みの
影響を受けやすくなり、安定したモードを得にくいとい
う欠点があった。また上記共振器では、本質的にビーム
伝播特性に関して広い範囲にわたってビーム径をほぼ一
定に維持することは困難であり、最適な加工点の範囲は
せいぜい2〜3〔m〕であった。したがって、光路長固
定方式のような複雑な方法を採らないと、広い範囲にわ
たって良質な加工を維持することが困難であるという問
題点があった。
【0008】本発明はこのような点に鑑みてなされたも
のであり、ビーム径の大きな低次モードであって、か
つ、広い範囲にわたってほぼフラットなビーム伝播特性
を有するレーザビームを出力する炭酸ガスレーザ発振装
置を、提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明では上記課題を解
決するために、金属等の切断、溶接及び焼き入れ等を行
う炭酸ガスレーザを発振して出力する炭酸ガスレーザ発
振装置において、全反射鏡及び出力鏡のうちの一方を凹
面鏡とし、他方を凸面鏡として、かつ安定型共振器で構
成したことを特徴とする炭酸ガスレーザ発振装置が提供
される。
【0010】
【作用】一般に、モード次数(Times-Diffraction-Limi
ts Number )Mの波長がλなるレーザビームにおいて、
最小ビームスポット径(直径)D0 とビーム拡がり角
(全角)Θ0 との間には、次式に示す関係がある。な
お、λはレーザビームの波長を示す。
【0011】 D0 ×Θ0 =(4 λ/π)×M2 ・・・(1) この量はビーム品質(Beam Quality) と呼ばれており、
次に示すような結論が得られる。
【0012】1)ビーム品質は、共振器の内部及び外部
において保存される。 2)モード次数Mが小さいほどビーム品質が良く、特に
モード次数M=1のガウシャンモードが最良である。
【0013】3)ビーム拡がり角(全角)Θ0 を小さく
する(すなわち、ほぼフラットなビーム伝播特性を得
る)ためには、最小ビームスポット径D0 をできるだけ
大きくし、かつ、モード次数Mの小さな低次モードが必
要になる。これを実現するには、この条件を共振器内部
で満足させなければならない。
【0014】ところで、全光路長L、放電管の内径φ、
全反射鏡及び出力鏡における内部の曲率半径が定まった
系において、レーザ発振器から取り出されるレーザビー
ムのモード次数Mは、放電管の内径φと、共振器内部の
ガウシャンモード(GaussianMode ;「ガウスモー
ド」、「シングルモード」あるいは「基本モード」とも
呼ばれる。)の最大ビームスポット径DMAX との比(φ
/DMAX )によって決まり、その比(φ/DMAX )が大
きいほど高次モードとなる。なお、最大ビームスポット
径DMAX と最小ビームスポット径D0 とにそれほど差が
ない場合には、上記最大ビームスポット径DMAX の代わ
りに最小ビームスポット径D0 との比(φ/D0 )で決
まる。
【0015】したがって、全光路長Lと放電管の内径φ
とが決まった系において、共振器から得られるモード次
数Mは放電管内部のガウシャンモードの最大ビームスポ
ット径DMAX によって規定されることになる。
【0016】一方、ガウシャンビーム(Gaussian Beam
;「ガウスビーム」又は「シングルビーム」とも呼ば
れる。)のビーム伝播特性に関しては、出力鏡からの距
離xにおけるビーム半径がw(x)であり、距離x=x
min で最小ビーム半径がw0 であるならば、ビーム半径
w(x)と最小ビーム半径w0 との関係は次式のように
表される。
【0017】
【数1】
【0018】なお、Zr は「レイリー長(Rayleigh len
gth )」と呼ばれ、次式を満たす。 Zr =(πw0 2 )/λ ・・・(3) また、ビームの拡がり角(半角)θは、次式のように表
される。
【0019】
【数2】
【0020】さらに、モード次数Mのレーザビームで
は、出力鏡からの距離xにおけるビーム半径がw(x)
であり、距離x=xmin におけるビーム拡がり角(全
角)がΘ 0 であるならば、上記式(2)及び式(4)は
それぞれ次式のように表される。
【0021】
【数3】
【0022】 Θ0 =M・θ ・・・(6) すなわち、モード次数Mのレーザビームは、あらゆる距
離において、そのビーム径がガウシャンビーム(「仮想
ガウシャンビーム」と呼ばれる。)のM倍になり、ビー
ム拡がり角もM倍になる。
【0023】したがって、ほぼフラットなビーム伝播特
性を得るためには、できるだけモード次数Mの小さな低
次モードで、かつ、仮想ガウシャンビーム径の大きなビ
ームを共振器内部で実現させる必要がある。
【0024】そこで、全反射鏡及び出力鏡のうちの一方
を凹面鏡とし、他方を凸面鏡として、安定型共振器とな
るように構成する。例えば、出力鏡は内部の曲率半径が
同一である凹面鏡のままとして、全反射鏡に凸面鏡のも
のを用いる。こうすることによって、十分に安定型共振
器として動作する範囲でガウシャンビーム径を大きくす
ることができ、ビームモードの低次化が図れ、広い範囲
にわたってほぼフラットなビーム伝播特性を得ることが
できる。
【0025】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説
明する。図1は、本発明の原理説明図である。本発明の
炭酸ガスレーザ発振装置における共振器は、放電管4、
全反射鏡5及び出力鏡6から構成される。全反射鏡5は
凸面鏡であって、内部の曲率半径すなわち凸部の曲率半
径をRrear〔mcx(meter convex)〕とする。また、出
力鏡6は凹面鏡であって、内部の曲率半径すなわち凹部
の曲率半径をRoutput〔mcc(meter concave )〕とす
る。そして、これらの鏡の曲率半径は、安定型共振器と
して動作させるためにRrear>Routputを満足するよう
に選択する。なお、全光路長はLであり、最小ビームス
ポット径はw0 である。
【0026】図2は、本発明の炭酸ガスレーザ発振装置
の全体構成図である。図において、プロセッサ(CP
U)1は図示されていないROMに格納された制御プロ
グラムに基づいてメモリ10に格納された加工プログラ
ムを読み出し、炭酸ガスレーザ発振装置全体の動作を制
御する。出力制御回路2は内部にD/A(Digital/Anal
og)コンバータを内蔵しており、プロセッサ1から出力
された出力指令値を電流指令値に変換して出力する。励
起用電源3は商用電源を整流した後、スイッチング動作
を行なって高周波電圧を発生し、電流指令値に応じた高
周波電流を放電管4に供給する。
【0027】放電管4の内部にはレーザガス19が循環
しており、レーザ用電源3から高周波電圧が印加される
と放電を生じてレーザガス19が励起される。リア鏡5
は反射率99.5〔%〕のゲルマニウム(Ge)製の
鏡、出力鏡6は反射率65〔%〕のジンクセレン(Zn
Se)製の鏡であって、安定型共振器を構成し、励起さ
れたレーザガス分子から放出される10.6〔μm〕の
光を増幅して一部を出力鏡6からレーザ光7として外部
に出力する。
【0028】出力されたレーザ光7は、後述するシャッ
タ23aが開いている時には、ベンダミラー8で方向を
変え、集光レンズ9によって0.2〔mm〕以下のビー
ムスポット径に集光されてワーク17の表面に照射され
る。
【0029】メモリ10は加工プログラム、各種のパラ
メータ等を格納する不揮発性メモリであり、図示されて
いないバッテリによってバックアップされたCMOSが
使用される。なお、この他にシステムプログラムを格納
するROM、一時的にデータを格納するRAMがある
が、本図ではこれらを省略してある。
【0030】位置制御回路11はプロセッサ1からの指
令によってサーボアンプ12を介してサーボモータ13
を回転制御し、ボールスクリュー14及びナット15に
よってテーブル16の移動を制御し、ワーク17の位置
を制御する。図では1軸のみを表示してあるが、実際に
は複数の制御軸がある。表示装置18にはCRT或いは
液晶表示装置等が使用される。
【0031】送風機20にはルーツブロワが使用され、
レーザガス19を冷却器21a及び21bを通して循環
する。冷却器21aはレーザ発振を行なって高温となっ
たレーザガス19を冷却するための冷却器であり、冷却
器21bは送風器20による圧縮熱を除去するための冷
却器である。
【0032】シャッタ制御回路22はプロセッサ1の指
令に基づいてシャッタ23aを開閉する。シャッタ23
aは表面に金メッキが施された銅板またはアルミ板で構
成されており、閉時には出力鏡6から出力されたレーザ
光7を反射してビームアブソーバ23bに吸収させる。
シャッタ23aを開くとレーザ光7がワーク17に照射
される。
【0033】パワーセンサ24は熱電あるいは光電変換
素子等で構成され、リア鏡5から一部透過して出力され
たレーザ光を入力してレーザ光7の出力パワーを測定す
る。A/D変換器25はパワーセンサ24の出力をディ
ジタル値に変換してプロセッサ1に入力する。
【0034】図3は、共振器内部及び外部におけるガウ
シャンビームのビーム伝播特性を示す図である。図にお
いて、曲線C1は本発明の炭酸ガスレーザ発振装置のビ
ーム伝播特性を、曲線C2は従来の炭酸ガスレーザ発振
装置のビーム伝播特性をそれぞれ示す。また、横軸は出
力鏡6からの距離l1〔m〕を、縦軸はガウシャンビー
ムのビームスポット径d1〔mm〕を示す。
【0035】図に示すビーム伝播特性の計算例では、曲
線CIについて、全反射鏡5の内部の曲率半径Rrear
50〔mcx〕、出力鏡6の内部の曲率半径Routputが2
0〔mcc〕、そして全光路長Lが3.35〔m〕であ
る。なお、出力鏡6の外部の曲率半径すなわち凸部の曲
率半径は10〔mcx〕である。
【0036】また、曲線C2については、全反射鏡5の
内部の曲率半径Rrearを20〔mcx〕であり、出力鏡6
については上記と同一である。本発明の炭酸ガスレーザ
発振装置のビーム伝播特性は距離l1が増えても、ビー
ムスポット径d1はそれほど増加しない。このため、距
離l1が10〔m〕を越えても有効に使用することがで
きる。
【0037】上記光学系の共振器の放電管の内径(直
径)を19.5〔mm〕とし、レーザ発振器の出力エネ
ルギーは1.5〔KW〕である。この炭酸ガスレーザ発
振装置に対して、出力鏡6から3.4〔m〕離れた点に
焦点距離が7.5〔インチ〕の集光レンズを置く。そし
て、焦点近傍でレーザスコープを用いて、この集光レン
ズを介して集光されたレーザビームを、エネルギーが8
6.5〔%〕含まれるビーム半径で測定した。
【0038】図4は、測定されたレーザビームの集光特
性の一例を示す図である。図において、曲線C1は本発
明の炭酸ガスレーザ発振装置のビーム伝播特性を、曲線
C2は従来の炭酸ガスレーザ発振装置のビーム伝播特性
をそれぞれ示す。また、横軸は後述する集光レンズによ
って集光されるレーザビームのビームスポット径が最小
となる点を基準点とする距離l2〔mm〕を、縦軸はガ
ウシャンビームの集光ビーム半径d2〔μm〕を示す。
【0039】図から明らかなように、本発明による光学
系を用いることで、従来と同一の出力鏡6を用いても、
レーザビームのモード次数Mを1.59から1.27に
低次化することができる。このため、最小ビームスポッ
ト径D0 が約2/3になっていることから分かるよう
に、集光特性が大幅に改善される。
【0040】このことは、従来のレーザビームを用い
て、焦点距離fの集光レンズを使用して行なった加工
が、焦点距離(約1.5×f)の集光レンズを使用して
加工できることを意味する。このため、レイリー長Zr
が大きく、すなわち焦点深度が大きくなるので、加工特
性が大幅に改善され、集光レンズの寿命を延ばすことが
できる。したがって、従来と同一の焦点距離の集光レン
ズを用いた場合には、より細い集光ビーム径が得られる
ので、特に薄板加工の面精度を向上させることができ
る。
【0041】図5は、測定されたレーザビームのビーム
伝播特性の一例を示す図である。図において、曲線C1
は本発明の炭酸ガスレーザ発振装置のビーム伝播特性
を、曲線C2は従来の炭酸ガスレーザ発振装置のビーム
伝播特性をそれぞれ示す。また、横軸は出力鏡6からの
距離l1〔m〕を、縦軸はレーザビームの直径d3〔m
m〕を示す。なお、図に示すビーム伝播特性は、図4の
測定で用いたレーザスコープにより測定したものであっ
て、測定条件も図4と同一であるので説明を省略する。
【0042】図に示すビーム伝播特性から、より低次の
モード次数Mであって、かつ、広い範囲にわたってビー
ム径の変化が小さいレーザビームが得られることが分か
る。したがって、近場から遠場のようにより広い範囲に
わたって、均質かつ良質な加工ができる。
【0043】図6は、従来の炭酸ガスレーザ発振装置に
よるビーム伝播特性を、本発明の炭酸ガスレーザ発振装
置によるビーム伝播特性に一致させた場合の共振器内部
及び外部のビームウェストの相違を示す図である。
【0044】図に示すようなビーム伝播特性を従来の炭
酸ガスレーザ発振装置で得るためには、全反射鏡の曲率
半径Rrearを75〔mcx〕、出力鏡の曲率半径Routput
を75〔mcc〕及び出力鏡の外部の曲率半径を27〔m
cx〕にする必要がある。この数値は、大出力レーザビー
ム用のスペックとしては非現実的な数値である。
【0045】図7は、ビームウェスト(beam waist)に
沿って電極幅を変化させた構成の一例を示す。なお、ビ
ームウェストは、共振器におけるレーザビームのビーム
スポット径が最小となる光軸上の点である。
【0046】図において、本発明の炭酸ガスレーザ発振
装置における共振器は、放電管4、全反射鏡5及び出力
鏡6から構成される。全反射鏡5は凸面鏡であって、出
力鏡6は凹面鏡である。放電管4は放電管ホルダー4
1,42によって3つに分割されており、分割された放
電管4の外周には、図2の励起用電源3に接続されるス
パイラル状のメタライズ電極3a,3b,3cが形成さ
れている。なお、メタライズ電極3aの電極幅はdaで
あり、同様にメタライズ電極3b,3cの電極幅はそれ
ぞれdb,dcである。また、その幅の大きさは、da
<db<dcである。
【0047】外周に沿ってスパイラル状にメタライズ電
極3a,3b,3cを形成させた放電管4を用いて構成
した高周波放電励起方式の高速軸流型の炭酸ガスレーザ
発振装置では、局所的にはスパイラル状の電極の幅によ
って規定される部分が励起されるので、全体的には電極
に従って回転したような系となる。このため、近似的に
は、放電管の内径と放電管の電極幅とは1対1に対応し
ているものと考えられるので、各放電管内を流れるガス
流を均一に保つことができ、安定したレーザビームを得
ることができる。
【0048】なお、複数の電極幅の異なる放電管に代え
て、ビームウェストに沿って連続的に電極幅が変わる電
極を形成した放電管を用いて構成してもよい。このよう
な構成にすることによって、最小ビームウェスト値と最
大ビームウェスト値との比やサイドローブ等を最適に調
整することができる。
【0049】図8は、ビームウェストに沿って放電管の
内径を変化させた構成の一例を示す。図において、本発
明の炭酸ガスレーザ発振装置における共振器は、放電管
4、全反射鏡5及び出力鏡6から構成される。全反射鏡
5は凸面鏡であって、出力鏡6は凹面鏡である。放電管
4a,4b,4cは放電管ホルダー41,42によって
保持されている。なお、放電管4aの内径はφaであ
り、同様に放電管4b,4cの内径はそれぞれφb,φ
cである。また、その径の大きさは、φa<φb<φc
である。
【0050】全反射鏡5に凸面鏡を、出力鏡6に凹面鏡
を用いて構成される光学系では、一般に共振器内でのガ
ウシャンビームの最小ビームウェスト値と最大ビームウ
ェスト値との比が大きくなる。特に、全光路長Lが長い
場合や凹面鏡の曲率半径が小さい場合に顕著となる。こ
の比の値が大きすぎると同一の内径の放電管を複数個用
いた場合には、サイドローブ等が生じ易くなる欠点があ
る。
【0051】しかし、上記構成のように、ビームウェス
トに対応させて放電管4a,4b,4cの内径を変える
ことによって、ガウシャンビームの最小ビームウェスト
値と最大ビームウェスト値との比を小さくし、サイドロ
ーブ等を防止することができる。なお、全部の放電管4
a,4b,4cの内径を変えなくても、最小のビームウ
ェスト位置をとる場所の1本の放電管だけ、例えば放電
管4bのみの内径を変えるだけでも大幅に最小ビームウ
ェスト値と最大ビームウェスト値との比を小さくし、サ
イドローブ等を防止することができる。
【0052】また、上記構成は、高周波放電励起方式の
高速軸流型の炭酸ガスレーザ発振装置のみならず、直流
(DC:Direct Current)放電励起方式の高速軸流型の
炭酸ガスレーザ発振装置に適用しても、同様の効果が得
られる。
【0053】さらに、放電管は内径がそれぞれ異なる3
つの上記放電管4a,4b,4cにより構成したが、内
径がそれぞれ異なる2以上の放電管により構成してもよ
い。そして、内径がそれぞれ異なる2以上の放電管に代
えて、ビームウェストに沿って連続的に内径が変わる放
電管、例えば円錐台のような形状をした放電管を用いて
構成してもよい。このような構成にすることによって、
最小ビームウェスト値と最大ビームウェスト値との比や
サイドローブ等を最適に調整することができる。
【0054】以上の説明では、全反射鏡5に凸面鏡を、
出力鏡6に凹面鏡を用いたが、逆に全反射鏡5に凹面鏡
を、出力鏡6に凸面鏡を用いて、安定型共振器となるよ
うに構成してもよい。
【0055】また、高周波放電励起方式及び直流放電励
起方式は高速軸流型について適用したが、低速軸流型に
ついても同様に適用することができる。
【0056】
【発明の効果】以上説明したように本発明では、全反射
鏡及び出力鏡のうちの一方を凹面鏡とし、他方を凸面鏡
として、安定型共振器で構成したので、安定性を損なう
ことなく、ガウシャンモードのビーム径を大きくとるこ
とができる。このため、低次モードで、ほぼフラットな
ビーム伝播特性を得ることができる。
【0057】したがって、本発明の炭酸ガスレーザ発振
装置によって、薄物から厚物まで広い加工範囲にわたっ
て、均質かつ良質に加工することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理説明図である。
【図2】本発明の炭酸ガスレーザ発振装置の全体構成図
である。
【図3】共振器内部及び外部におけるガウシャンビーム
のビーム伝播特性の計算例を示す図である。
【図4】測定されたレーザビームの集光特性の一例を示
す図である。
【図5】測定されたレーザビームのビーム伝播特性の一
例を示す図である。
【図6】従来の炭酸ガスレーザ発振装置によるビーム伝
播特性を、本発明の炭酸ガスレーザ発振装置によるビー
ム伝播特性に一致させた場合の共振器の内部及び外部の
ビーム伝播特性を示す図である。
【図7】ビームウェストに沿って電極幅を変化させた構
成の一例を示す。
【図8】ビームウェストに沿って放電管の内径を変化さ
せた構成の一例を示す。
【符号の説明】
4 放電管 5 全反射鏡(凸面鏡) 6 出力鏡(凹面鏡)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 7454−4M H01S 3/03 Z

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属等の切断、溶接及び焼き入れ等を行
    う炭酸ガスレーザを発振して出力する炭酸ガスレーザ発
    振装置において、 全反射鏡及び出力鏡のうちの一方を凹面鏡とし、他方を
    凸面鏡として、かつ安定型共振器で構成したことを特徴
    とする炭酸ガスレーザ発振装置。
  2. 【請求項2】 励起方式を高周波(RF:Radio Freque
    ncy )放電励起方式とし、低速軸流型又は高速軸流型の
    発振器で構成したことを特徴とする請求項1記載の炭酸
    ガスレーザ発振装置。
  3. 【請求項3】 ビームウェスト(beam waist)に沿っ
    て、放電管の外周に沿ってスパイラル状に形成された電
    極の電極幅を変えるように構成したことを特徴とする請
    求項2記載の炭酸ガスレーザ発振装置。
  4. 【請求項4】 ビームウェストに沿って、放電管の一部
    又は全体の内径を変えるように構成したことを特徴とす
    る請求項2記載の炭酸ガスレーザ発振装置。
  5. 【請求項5】 励起方式を直流(DC:Direct Curren
    t)放電励起方式とし、低速軸流型又は高速軸流型の発
    振器で構成したことを特徴とする請求項1記載の炭酸ガ
    スレーザ発振装置。
  6. 【請求項6】 ビームウェストに沿って、放電管の一部
    又は全体の内径を変えるように構成したことを特徴とす
    る請求項5記載の炭酸ガスレーザ発振装置。
JP16921492A 1992-06-26 1992-06-26 炭酸ガスレーザ発振装置 Pending JPH0613682A (ja)

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JP16921492A JPH0613682A (ja) 1992-06-26 1992-06-26 炭酸ガスレーザ発振装置

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