JP2000340868A - 固体レーザ装置及びこれを用いたレーザ加工装置 - Google Patents

固体レーザ装置及びこれを用いたレーザ加工装置

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JP2000340868A
JP2000340868A JP2000121476A JP2000121476A JP2000340868A JP 2000340868 A JP2000340868 A JP 2000340868A JP 2000121476 A JP2000121476 A JP 2000121476A JP 2000121476 A JP2000121476 A JP 2000121476A JP 2000340868 A JP2000340868 A JP 2000340868A
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laser
laser beam
optical system
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JP2000121476A
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Kimiharu Yasui
公治 安井
Kuniaki Iwaki
邦明 岩城
Taku Yamamoto
卓 山本
Akira Ishimori
彰 石森
Tetsuo Kojima
哲夫 小島
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 固体素子3の熱レンズ作用の結果、レーザ共
振器内のレーザ光14の断面積は小さくなり、さらに射
出レーザビーム15は、電源5における投入電力の変化
に伴うこの熱レンズ差容量の変化により、不規則に発散
するため、レーザビーム15の焦点の位置を正確に定め
られず安定な加工ができない等の問題点があった。 【解決手段】 固体素子を、その周囲から、固体素子の
屈折率より低い屈折率をもつ液体により冷却し、励起光
源からの光を光学系により構成される光励起装置によ
り、この固体素子に導いてこれを励起するとともに、固
体素子表面のあらさを調整して、固体素子断面内の励起
分布を調整するようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は品質の良い高出力
のレーザビームを発生する固体レーザ装置及びこれを用
いたレーザ加工装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図24は、例えばレーザ学会編,「レー
ザハンドブック」,第222頁,オーム社,(1982年)
に示された、従来の固体レーザ装置を示す断面図であ
る。図において、1は全反射ミラー、2は部分反射ミラ
ーで、これら両者によりレーザ共振器が構成されてい
る。また、3は固体レーザのレーザ媒質となる固体素
子、4は固体素子3を励起するアークランプ等の励起光
源、5は励起光源4を点灯する電源、6は励起光源4の
集光器、7は固体素子3の周面と集光器6の接触部を封
止するOリングなどのシール材、8は基台、14はこの
レーザ共振器内で発生するレーザ光、15はこのレーザ
装置から射出されるレーザビームである。
【0003】固体素子3はレーザ活性物質を含み、YA
G(Yttrium Aluminum Garnet) 固体レーザの場合は、レ
ーザ活性物質としてNd3+をドーピングしたNd:YA
G結晶を用いる。集光器6は、例えば断面形状が楕円
で、その2つの焦点にそれぞれ固体素子3と励起光源4
を配置し、内面を光反射面とすることにより励起光源4
からの光を固体素子3に集光する。
【0004】次に動作について説明する。固体素子3
は、励起光源4から所定波長の光を吸収すると、レーザ
遷移によりレーザ光14を発生するが、このレーザ光1
4は、レーザ共振器内で2つのミラー1,2間を往復す
る間に増幅され、一定の強度に達すると、指向性のよい
レーザビーム15として、部分反射ミラー2を通して外
部に放出される。
【0005】また、図25は、例えば米国特許第3,8
03,509号に示された従来のレーザ装置を示す断面
図である。図において、1,2,4,5,6,7,8,
14,15は、図24のレーザ装置と同一のものであ
る。3は活性固体媒質を含む固体素子で、寄生発振を防
ぐために、その表面は50μインチRMS程度にあらさ
れている。ここで、RMS(Root Mean Square)はあら
さの単位で、2乗平均値を表す。例えば、「50μイン
チRMS」とは、「1インチの間のあらさの2乗平均値
が50ミクロン」ということである。また、9、900
は光源4、活性媒質を含む固体素子3の周囲を冷却する
媒体70の流れを整える筒管で、900については、そ
の表面があらされている。81、82は冷却媒体70の
流入口、流出口である。
【0006】次に動作について説明する。上記構成の固
体レーザ装置では、励起光源4と固体素子3は、断面形
状が楕円状の集光器6の焦点に配置され、電源5により
点灯された光源4から発せられた光は、その表面があら
された筒管900を通過する段階で拡散され、固体媒質
中に周囲から均一に入射する。固体素子3は、この光に
より励起されレーザ媒質となる。レーザ媒質より発生さ
れた自然放出光は、ミラー1と2により構成される共振
器間を往復する間に増幅され、一定以上の大きさに達す
ると指向性の良いレーザビーム15として外部に放出さ
れる。また光源4と固体素子3は、周囲から筒管900
のなかを循環する冷却媒体70により周囲より冷却され
ている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従来の固体レーザ装置
は以上のように構成されているので、固体素子3に吸収
される励起光源4の光(エネルギー)は、特定の波長の
もののみがレーザ出力に利用されるのであり、他の波長
のものは固体素子3に吸収されて固体素子3を加熱す
る。このため、固体素子3は冷却の必要があるが、固体
レーザ装置の構造上、固体素子3はその周囲から冷却せ
ざるを得ない。その結果、固体素子3の断面には、中央
部が高温で、周辺部はそれより低温という温度分布が生
ずる。すると、固体素子3の屈折率は、断面内でこの温
度分布に対応した分布を有するようになり、固体素子3
を通過するレーザ光14の波面には歪みが生ずる。この
ため、共振器内のレーザ光14は一般には集光されるよ
うになる。このような固体素子3によるレーザビーム集
光作用は、「固体素子の熱レンズ作用」と呼ぶが、この
固体素子3の熱レンズ作用は、レーザ共振器の動作を不
安定にする。その結果、レーザ共振器内のレーザ光14
の断面積は小さくなり、さらに射出レーザビーム15
は、電源5における投入電力の変化に伴うこの熱レンズ
差容量の変化により、不規則に発散することになる。こ
のため、伝送ミラーを使ってレーザビームをこれを利用
する加工ステージ等へ導く際、レーザビーム15が伝送
ミラーからはみ出したり、レーザビーム15をレンズで
集光して加工に用いる際、熱レンズ作用が安定するまで
は、レーザビーム15の焦点の位置を正確に定められず
安定な加工ができない等の問題点があった。
【0008】また、上記のような従来のレーザ装置で
は、励起光源4からの光は、固体素子3をその周囲から
均一に照射、励起するが、固体素子3の中央付近が強く
励起され、従って励起に分布が発生し、発生するレーザ
媒質の品質が断面内で一定せず、集光性の良い高品質ビ
ームを得ることができないなどの問題点があった。
【0009】図26には光共振器を構成しないで固体素
子3の軸方向から自然放出光を観測した実験結果を示
す。この実験結果は、米国特許第3,803,509号
に基づいて行われた実験結果の、アプライド オプティ
クス(Applied Optics),vol.14,No.5,pp.11
92に開示されたものである。同図は、自然放出光の強
度を等高線表示しており、中央部の光強度が高く、断面
方向の周囲部に向けて光強度が下がっている。表面にあ
らしの入った筒管900の作用により、光源からの光は
固体素子3を周囲から均一に照射するために、周囲方向
に均一な分布が得られているが、その断面方向には、特
にその周囲部で激しい分布が発生していることがわか
る。
【0010】この発明は、固体素子中に光を均一に導く
と共に、均一なレーザ媒質を得て、高出力かつ品質の良
いレーザビームを発生することができる固体レーザ装置
を得ること、さらにこのレーザビームを用いて効率良
く、品質の良いレーザ加工を行うことができるレーザ加
工装置を得ることを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】この発明に係る固体レー
ザ装置は、固体素子を、その周囲から、固体素子の屈折
率より低い屈折率をもつ液体により冷却し、励起光源か
らの光を光学系により構成される光励起装置により、こ
の固体素子に導いてこれを励起するとともに、固体素子
表面のあらさを調整して、固体素子断面内の励起分布を
調整するようにしたものである。
【0012】この発明に係る固体レーザ装置は、固体素
子表面のあらさを100μインチRMS以上に設定した
ものである。
【0013】この発明に係る固体レーザ装置は、光励起
装置として、励起光源の光を閉じ込める集光器を用いた
ものである。
【0014】この発明に係る固体レーザ装置は、光励起
装置として、内部が拡散反射面よりなる集光器を用いた
ものである。
【0015】この発明に係る固体レーザ装置は、固体素
子を複数、光軸方向に並べて配設したものである。
【0016】この発明に係る固体レーザ装置は、固体素
子を複数、光軸方向に並べて配設するとともに、各固体
素子間の少なくとも一箇所に、少なくとも一枚の光学レ
ンズよりなる熱レンズ修正光学装置を挿入したものであ
る。
【0017】この発明に係る固体レーザ装置は、固体素
子から、安定型共振器を用いてレーザビームを取り出す
ようにしたものである。
【0018】この発明に係る固体レーザ装置は、固体素
子から、不安定型共振器を用いてレーザビームを取り出
すようにしたものである。
【0019】この発明に係る固体レーザ装置は、固体素
子から、中央が部分反射部で、周囲が無反射部となった
出口ミラーと、一つの反射ミラー若しくは複数のレーザ
光学系から構成されるレーザ共振器を用いてレーザビー
ムを取り出すようにしたものである。
【0020】この発明に係る固体レーザ装置は、固体素
子から、中央が部分反射部で、周囲が無反射部とされ、
且つ、両部を通過するレーザビームの位相差を補償する
位相差解消手段を備えた出口ミラーと、一つの反射ミラ
ー若しくは複数のレーザ光学系から構成されるレーザ共
振器とを用いてレーザビームを取り出すようにしたもの
である。
【0021】この発明に係る固体レーザ装置は、固体素
子に、別に用意した固体レーザ装置から発生されたレー
ザビームを導入して、増幅されたレーザビームを取り出
すようにしたものである。
【0022】この発明に係る固体レーザ装置は、レーザ
光学系の一部として、複数の光学素子からなり、その光
学素子の間の距離の少なくとも一箇所を、励起光源の光
出力に対応して変化させるように制御する光学系を用い
たものである。
【0023】この発明に係る固体レーザ装置は、レーザ
光学系の一部として、複数の光学素子からなり、その光
学素子の間の距離の少なくとも一箇所を、励起光源の光
出力に対応して変化させるように制御する、反射型もし
くは透過型の像転写光学系を用いたものである。
【0024】この発明に係る固体レーザ装置は、励起光
源として、半導体レーザを用いたものである。
【0025】この発明に係る固体レーザ装置は、半導体
レーザの波長と固体素子の表面あらさを、固体素子内の
励起分布が均一となるように調整したものである。
【0026】この発明に係る固体レーザ装置は、固体素
子の表面のあらさを固体素子の長手方向に変化させるこ
とにより、固体素子断面の励起分布を調整したものであ
る。
【0027】この発明に係るレーザ加工装置は、請求項
1から16のうちのいずれか1項記載の固体レーザ装置
から発生されたレーザビームを、光学系により光ファイ
バーの端面に導き、反対の端面から出射されたレーザビ
ームを用いて、レーザ加工を行うようにしたものであ
る。
【0028】この発明に係るレーザ加工装置は、請求項
1から16のうちのいずれか1項記載の固体レーザ装置
から発生されたレーザビームを、集光光学系により集光
して、レーザ加工を行うようにしたものである。
【0029】この発明に係るレーザ加工装置は、請求項
1から16のうちのいずれか1項記載の固体レーザ装置
から発生されたレーザビームを加工物近傍まで光学系に
より伝送し、同光学系から出射されたレーザビームを加
工物上に像転写しながらレーザ加工を行うようにしたも
のである。
【0030】この発明に係るレーザ加工装置は、請求項
1から16のうちのいずれか1項記載の固体レーザ装置
から発生されたレーザビームを、加工物近傍まで伝送す
る光学系と、この光学系から出射されたレーザビームを
集光する第1集光光学系と、この第1集光光学系の焦点
近傍に配置された開口と、この開口の後の再び広がった
レーザビームを再度集光して加工物に導く第2集光光学
系とを備えるものである。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の一形態を
説明する。 実施の形態1.図1(a)はこの発明の実施の形態1に
よる固体レーザ装置を示す側断面図、(b)は同横断面
図である。図において、2、4、5、6、7、8、9、
14、15、70、81、82は、前述した図25に示
した従来装置と同一のものである。また、11は曲率半
径Rの全反射ミラー、12は集光レンズ、13a,13
bはそれぞれ全反射ミラー11と集光レンズ12を部分
反射ミラー2に対して前後に移動させるための移動ステ
ージである。また、300は表面があらされた固体素
子、9は透明ガラス製の筒管である。
【0032】次に動作について説明する。このレーザ装
置においては、励起光源4と、表面をあらされた固体素
子300は、断面形状が楕円状の集光器6の焦点に配置
され、電源5により点灯された励起光源4から発せられ
た光により固体素子300に光が照射される。固体素子
3は、この照射された光により励起され、レーザ媒質と
なる。レーザ媒質より発生された自然放出光は、ミラー
2、11、集光レンズ12により構成される共振器間を
往復する間に増幅され、一定以上の大きさに達すると、
指向性の良いレーザビーム15として外部に放出され
る。
【0033】ミラー2、11と集光レンズ12により構
成された安定型共振器は、固体素子300の内部に、断
面内でほぼ均一な強度分布を持つレーザビーム15を発
生させる。励起光源4と固体素子300は、流入口81
から導入され冷却媒体70により、その周囲から冷却さ
れる。固体素子300および励起光源4を冷却して温度
上昇した冷却媒体(冷却用の液体)70は、流出口82
から外部に排出される。また、固体素子300はその端
部でシール材7により冷却媒体からシールされている。
【0034】次に、表面があらされた固体素子300の
作用について説明する。固体素子300の周囲に入射す
る励起光源4からの光は、実験結果として図26に示し
たように、断面内で励起分布、つまり断面内での熱レン
ズ分布を発生させ、その結果、通過するレーザビーム1
5に波面収差を与えてしまう。
【0035】発明者は、この原因として、固体素子30
0の表面のあらさが十分でなく、光がその表面で図2に
示すように屈折しているためであると推測し、固体素子
300の表面をさらにあらし、光が固体素子300表面
で屈折する成分に比較して、散乱する成分を増大させ、
従って屈折作用にもとづく断面の熱レンズ分布をなく
し、結果としてレーザビーム15に波面収差を与えるこ
となく、これを通過させることができる固体レーザ装置
を案出した。
【0036】図3は、固体素子300の表面あらさを変
化させて、熱レンズ分布による固体素子300の透過波
面収差を測定した実験結果を示す。ここでは固体素子3
00として屈折率1.82のNd:YAG(Y3 Al5
12)ロッドを、屈折率1.3の水により周囲から冷却
する場合と、大気中においた場合を比較した実験結果を
示している。この実験においては、Nd:YAGロッド
を、水中でアークランプ光源により励起し、これに軸方
向からHeNeレーザビームを透過させ、その出射した
レーザビームの断面内収差の最大値を実測した。
【0037】固体素子300を大気中においた場合に
は、表面のあらさを50μインチRMS以上にすれば、
ほぼ励起分布による波面収差を、固体素子300そのも
のが持っている限界の値まで減少させることがわかる。
【0038】実際、従来の固体素子は、その表面状態
を、研磨された透明状態から50μインチRMSのあら
さまでの範囲に設定してあるが、これは、固体素子側面
を光路とする寄生発振を防ぐ、もしくは周方向の光強度
分布の均一性を向上させるためであり、目視ですりガラ
ス状に見える20〜50μインチRMSのあらし状態に
設定すれば、それらの目的が達成されることが知られて
いる。
【0039】しかしながら、高出力レーザビームを発生
させるためにその周囲を冷却する場合においては、表面
のあらさを、固体素子を大気中においた場合の数倍の例
えば130μインチRMS以上にして初めて、固体素子
の断面内の透過波面収差を、固体素子そのものが持つ収
差程度に減少させることができることがわかった。これ
は、水の屈折率が大気の屈折率よりも高く、従って固体
素子とその周囲媒体の屈折率差が減少し、これにより表
面での散乱効果が減少するためであると考えられる。
【0040】上記の、波面収差が表面の散乱効果の増大
効果により減少したとする考えの正しさを証明するため
に、さらに第2の実験を行った。この実験では、図4に
示す構成により、光源による励起を行わない場合におい
て、固体素子側面からコリメートされたHeNeレーザ
ビーム700を照射し、その断面内での光の伝播状態を
観測した。Nd:YAGロッドは、円柱状であるから、
その表面で光が屈折すれば、HeNeレーザビーム70
0は、図5(a)に示すように、集光されながらロッド
断面内を進行する。しかしながら、表面があらされ、散
乱が増大すると、図5(b)に示すように、集光状のレ
ーザビームの進行は観測されずに、断面内で拡散状に進
行するHeNeレーザビーム700が観測されるはずで
ある。実験を行ったところ、大気中では、50μインチ
RMSの表面あらし状態で図5(b)に示す拡散状態が
観測された。しかし、固体素子300を水中に配置した
場合には、50μインチRMSの表面あらし状態では図
5(a)の状態となり、さらにあらし度合いを増大させ
て100μインチRMS以上にして初めて、ほぼ完全に
図5(b)に示す発散状のレーザビームの進行が観測で
きた。
【0041】この実験結果は、上記で説明した励起光源
4による励起実験の結果を説明するものとして提案した
「水の屈折率が大気の屈折率よりも高く、従って固体素
子とその周囲媒体の屈折率差が減少し、これにより表面
での散乱結果が減少するためであると考えられる」とす
る考えの正しさを証明したものであり、固体素子の表面
あらさを通常の倍以上である100〜130μインチR
MS以上にして初めて、固体素子の断面内の透過波面収
差を、固体素子そのものが持つ収差程度に減少させるこ
とができることがわかった。
【0042】固体素子表面での散乱作用は、固体素子の
屈折率と周囲冷却媒体の屈折率の比で規定されると考え
られる。従って、ここでの実験結果は、水を主成分とす
る冷却媒体と、屈折率が1.8程度もしくはそれ以下の
固体素子、例えば、Li YF 4 ,Al2 3 ,Be Al
2 4 ,ガラス,Li Sr Al F6 ,Li Ca Al F6
を主成分とする固体素子に適用できるものである。
【0043】また、表面あらしは励起光源4の光が到達
する場所にのみ施されていればよい。例えば、端部のシ
ール材7の当たり部は、あらさない実施の形態も考えら
れる。こうすると、シール材7の固体素子への接触面積
が増大し、安定的に冷却媒体70をシールできるように
なる。
【0044】また、レーザビームの強度分布に対応し
て、表面あらしの度合いを固体素子の軸方向に変化させ
て、断面の強度分布の軸方向の積分値を均一化する方法
も考えられる。
【0045】さらに、図1に示した、光源の光を固体素
子300に導く光学系について説明を加える。固体素子
の表面あらさを増大させると、通常レーザ発振効率が減
少する。これは、固体素子300の周囲に導かれた光の
一部が、そのあらされた表面で後方散乱され、損失とな
るからである。
【0046】それを防ぐために、実施の形態1では、集
光器6を用いて励起光源4からの光を閉じ込める構成を
とっている。この構成によれば、固体素子300の表面
で後方散乱された光は、集光器により再び反射され、再
び固体素子300の表面に導かれ、これを励起する。従
って、従来問題となっていた固体素子表面をあらすこと
によるレーザ発振効率の減少を防ぐことができる。
【0047】また、実施の形態1では、集光器6の内面
が拡散反射面から構成されるようにしている。従来例に
おける反射型の集光器では、光源と固体素子は楕円型の
集光器の焦点に配置されている。この場合、固体素子3
で吸収されずに通過した励起光源4からの光は、楕円の
焦点位置を通過するために、集光器内で3〜4回反射を
繰り返せば、再び固体素子3に入射し、これを励起する
ことができる。しかし、固体素子3の表面で散乱された
励起光源4からの光は、散乱により進行方向が変わり、
楕円の焦点位置を通過しないために、再び固体素子3に
入射するには、多数回の反射往復を繰り返す必要があ
る。反射面の反射率は有限であるために、反射後とに光
量が失われ、結局散乱された光のほとんどが、固体素子
3に導かれる前に反射内面で吸収されることになる。
【0048】実施の形態1では、内面を拡散反射面にし
ているので、固体素子300の表面で散乱された光は、
集光器6の内面で拡散反射され、少なくとも毎回その一
部が固体素子300に導かれ、これを励起する。また、
集光器6内部で光強度を均一化するため、固体素子30
0の表面をあらすことによる従来観測されたレーザ発振
効率の低下が緩和される。実際、Nd:YAGロッドと
アークランプを用いた実験結果によると、固体素子30
0の表面あらさを50〜200μインチRMSの間で変
化させても、実験精度内で発振特性の変化は全く観測さ
れなかった。
【0049】さらに、実施の形態1では、従来の全反射
ミラー1に変えて、全反射ミラー11と集光レンズ12
により構成された光学系を用いている。これについて説
明を加える。従来例と同様に全反射ミラー1を用いて
も、波面収差の減少した固体素子300の作用で、より
ビーム品質の良いレーザビーム15が得られる。しか
し、励起光源4の出力を変化させると、固体素子300
の熱レンズの値が変化し、これによりレーザビーム15
の品質が若干変化する。全反射ミラー11と集光レンズ
12により構成された光学系は、この変化を打ち消す目
的で挿入されている。全反射ミラー11と集光レンズ1
2は、まず像転写条件を満たす位置に配置される。例え
ば反射ミラーの曲率=R、レンズの焦点距離=f、両者
間の距離=L=R+fとすると、レンズの前面Lの位置
の像が反射により転写されることになる。
【0050】ここで両者間の距離を、例えば移動ステー
ジ13aまたは13bにより微小量変化させると、この
光学系は曲率を持つ反射ミラーと同等の作用をする。具
体的に説明すると、移動ステージ13a,13bを備え
た全反射ミラー11と集光レンズ12からなる像転写光
学系は、固体素子3の内部に反射可変曲率ミラーを配置
したのと同一の動作を行う。つまり、電源5の投入電力
が変化すると、励起光源4からの励起光の強度が変化
し、これに伴って固体素子3の熱レンズ作用量が変化す
るが、移動ステージ13a,13bを移動させれば、全
反射ミラー11と集光レンズ12からなる像転写光学系
の等価曲率半径を微少変化させることができる。したが
って、電源5の投入電力が変化しても、この曲率半径の
変化により、固体素子3のレーザ出力に応じた熱レンズ
作用を補償してレーザ光14の進路を正し、レーザ光1
4の断面積を広く保って、固体素子3の熱レンズ作用を
共振器内で打ち消すことができる。すなわち、実質的光
学伝搬距離がゼロの像転写系のおかげで、レーザ光14
の熱レンズ変化を、その発生場所の近傍で、他の共振器
部分に影響を与えずに高い精度で補正することができる
ため、共振器の動作を一定に保つことができる(レーザ
ビームが発散しない)。
【0051】特に、この実施の形態1では、固体素子3
00の熱レンズ量は、上記あらした表面の作用により断
面内でほぼ一定で、したがって収差がほとんどないため
に、この像転写光学系により、断面内全体にわたり熱レ
ンズを補正することができ、従って固体素子の断面一杯
から効率良く、高出力の高品質レーザビーム14を発生
させることができる。
【0052】なお、像転写光学系は、反射ミラーとレン
ズの組み合わせに限られるものではなく、光学的に曲率
を持ち、固体素子近傍に配置されたと同じとみなせるよ
うに作用する光学系であれば良く、図6、図7のような
変形例が考えられる。
【0053】図6(a)〜(d)においては、像転写光
学系を構成する集光レンズ12を全反射ミラー11等で
置き換えた変形例を示す。この変形例に見られるよう
に、図1に示した反射ミラーとレンズの組み合わせに限
らずに、要は、像転写条件が満たされるように、複数の
光学系を組合わせて用いるようにすればよい。
【0054】図7に示す例においては、全反射ミラー1
1と集光レンズ12よりなる組み合わせの光学系を、容
器60の中に入れている。これにより、光学系中に大気
中のゴミが混入すること、したがってゴミが光学系中の
集光点で加熱され、周囲の大気を局所加熱させ、これが
レーザビーム14の品質を悪化させることが防止され
る。
【0055】また、この例ではさらに容器60が通気口
61を備え、容器60内を減圧することができるように
なっている。このようにすると、あらした固体素子30
0の効果により、高品質化されたレーザビーム14が、
全反射ミラー11とレンズ12の間で小さいスポットに
集光されることにより気中破壊が発生するのを防ぐこと
ができる。
【0056】実施の形態2.図8(a)はこの発明の実
施の形態2による固体レーザ装置を示す側断面図、
(b)は同横断面図である。この例においては、部分反
射ミラーのかわりに、拡大反射ミラー16とメニカス状
の部分反射ミラー17を用い、これらと全反射ミラー1
1、集光レンズ12からなる像転写可変曲率ミラーを含
む不安定型共振器を構成している。
【0057】不安定型共振器を用いると、その回折作用
により、発生するレーザビーム19を安定型共振器を用
いた場合よりもさらに均一な強度分布のレーザビームと
することができる。
【0058】図9には、安定型共振器を用いた場合と、
不安定型共振器を用いた場合に得られる、固体素子30
0内のレーザビーム19の強度分布を比較して示す。
(a)は前者の場合、(b)は後者の場合を示す。
【0059】レーザビーム19の断面形状が均一である
ため、レーザビーム19の一部が固体素子300に吸収
される。そして、固体素子300を内部から加熱するよ
うな高出力域においても、均一なレーザビーム19が固
体素子300を均一に加熱することになり、従って表面
のあらしにより、その断面内が均一に励起されて、発生
したレーザ媒質の均一性を乱すことがなく、レーザビー
ムの品質を高出力領域においても保つことができる。
【0060】本実施の形態においても、全反射ミラー1
1と集光レンズ12からなる像転写光学系が用いられて
いる。不安定型共振器を用いたレーザ装置では、共振器
から取り出されるレーザビーム19の波面曲率が、共振
器中に配置された固体素子の熱レンズの作用により変化
するため、このような像転写光学系を用いて、その波面
曲率の変化を安定させれば、外部での伝播状態が安定し
たレーザビーム19が得られる。
【0061】実施の形態3.図10(a)はこの発明の
実施の形態3による固体レーザ装置を示す側断面図、
(b)は同横断面図である。この実施の形態において
は、実施の形態2の拡大反射ミラー16のかわりに、中
央が部分反射ミラー26であり、その周囲が無反射部2
7から構成される拡大出口ミラー25を用い、これらと
全反射ミラー11、集光レンズ12とからなる共振器を
構成している。
【0062】このように構成されると、内部には図8に
示したものとほぼ同じ形状の強度分布を持つレーザビー
ムが得られるのに加えて、外部に例えば図11に示すよ
うな中づまり状、従って集光性の良いレーザビームが得
られる。このために、同一の集光性を得るために必要な
レーザビーム29の強度を下げることができ、固体素子
300にレーザビーム29が吸収されて発生する熱量を
少なくすることができ、従って固体素子300の発熱を
下げ、その結果、高出力域でも安定に高品質レーザビー
ム29が発生する。
【0063】実施の形態4.図12(a)はこの発明の
実施の形態4による固体レーザ装置を示す側断面図、
(b)は同横断面図である。この実施の形態4において
は、中央の部分反射ミラー26を通過するレーザビーム
29と、無反射部27を通過するレーザビーム29間の
位相差を、例えば部分反射ミラー26の厚みを通常の数
倍の厚みにしたり、さらに図13に示すように、ミラー
外面に段差(位相差解消手段)35を設けたりして打ち
消して、位相のそろった中づまり状のレーザビーム36
を得るように構成している。
【0064】こうすると、さらにレーザビーム36の集
光性が向上するために、同一の集光性を得るために必要
なレーザビーム36の強度を実施の形態3の場合よりも
下げることができ、固体素子300にレーザビーム36
が吸収されて発生する熱量を少なくすることができ、従
って固体素子300の発熱を下げ、その結果、高出力域
でも安定に高品質レーザビーム36が発生する。
【0065】実施の形態5.図14はこの発明の実施の
形態5による固体レーザ装置を示す側断面図である。こ
の実施の形態5においては、表面があらされた固体素子
300を励起してレーザ媒質としたものを、レーザビー
ム15の増幅器として用いている。
【0066】図において、左側の発振器であるレーザ装
置は、図1に示したものと同じであるが、右側の増幅器
であるレーザ装置は、共振器が組み合わされておらず、
左側のレーザ装置から発生されたレーザビーム15を増
幅してレーザビーム150として外部に発生させるよう
になっている。
【0067】このような発振器と増幅器の組み合わせに
よるレーザビームの高出力化は、特に励起光源4がパル
ス状に固体素子300を励起する場合に有効である。表
面があらされた固体素子300の効果により、レーザビ
ーム15は断面内で収差なく増幅される。すなわちレー
ザビーム15のビーム品質を保ったままで高出力化して
レーザビーム150として取り出される。
【0068】なお、この実施の形態においては、実施の
形態1に示すレーザ共振器を用いた固体レーザ装置を例
にして説明したが、実施の形態2、3、4のいずれかに
記載の固体レーザ装置を用いた場合にも同様の効果を有
する。
【0069】実施の形態6.図15はこの発明の実施の
形態6による固体レーザ装置を示す側断面図である。こ
の実施の形態6においては、固体素子300を複数本、
光軸方向にならべた構成を示す。このようにすればレー
ザ媒質を長く構成でき、結果として高出力のレーザ出力
が実現できる。
【0070】各固体素子300が収差を持つ場合には、
このように複数の固体素子300を組み合わせることは
難しく、複数の固体素子収差の一部が互いに打ち消すよ
うに、固体素子300の選別が通常必要であった。
【0071】この実施の形態においては、固体素子表面
のあらしにより、固体素子300の断面内の収差が小さ
くなるために、固体素子300を選別することなく、複
数の固体素子300を組み合わせて長いレーザ媒質を実
現できる。これを用いて、安価に高出力のレーザビーム
15が発生させられる。
【0072】さらに、実施の形態6では複数の固体素子
300の間に集光レンズ(熱レンズ修正光学系)12
a,12bを挿入して固体素子300の熱レンズを修正
している構成を示している。この2つの集光レンズ12
a,12bの間隔を調整することにより、わずかな収束
あるいは発散の作用を持たせることができる。各固体素
子300は収差がほとんどないために、各固体素子30
0の間にレンズ12を挿入することにより、固体素子3
00の熱レンズを容易に修正することができる。
【0073】さらに、この実施の形態のように集光レン
ズ12を移動ステージ13b上に配置すれば、集光レン
ズ12間の距離を励起光源4の出力に対応して、従って
固体素子300の熱レンズの大きさに対応して変化さ
せ、この複数の固体素子300を通過するレーザビーム
に与える複数の固体素子300の影響が、励起光源4の
出力にしたがって発生させられるレーザ出力にかかわら
ず一定になるように制御できる。
【0074】なお、この実施の形態においては、実施の
形態1に示すレーザ共振器を用いた固体レーザ装置を例
にして説明したが、実施の形態2、3、4のいずれかに
記載の固体レーザ装置を用いた場合にも同様の効果を有
する。
【0075】実施の形態7.図16(a)はこの発明の
実施の形態7による固体レーザ装置を示す側断面図、
(b)は同横断面図である。この実施の形態7において
は、励起光源4として半導体レーザ400を用いてい
る。励起光源4に半導体レーザ400を用いた場合、レ
ーザビーム15の波長に近く、より短波長の波長を持つ
半導体レーザ400を用いることにより、固体素子30
0の熱吸収を、励起光源4にランプを用いた場合に比較
して小さくできる。410は半導体の光を閉じ込めて集
光器6内に導くガラス等でできた光学素子である。
【0076】この実施の形態の場合、固体素子300の
断面内の熱レンズ分布を減少させることができ、表面を
あらしたロッドの効果と合わせて、高出力で品質の良い
レーザビーム15が得られる。
【0077】さらに、半導体レーザ400を用いた場合
には、波長を変化させて、固体素子300への半導体レ
ーザ400の吸収係数を変化させて、固体素子300の
断面内の励起分布を調整することができる。
【0078】例えば、固体素子300の吸収帯に近い波
長で励起すれば、固体素子300の表面近くで励起光源
4の出力の多くが吸収され、表面近くに強い励起分布が
形成される。
【0079】逆に、固体素子300の吸収帯から離れた
波長で励起すれば、固体素子300の中に奥深く入って
吸収されるために、固体素子300の中央近くに比較的
励起分布が形成される。
【0080】従って、励起光源4である半導体レーザ4
00の波長を、固体素子300の表面のあらし状態に対
応して、調整すれば、固体素子300の断面内で、より
均一性の高い強度分布を持つ励起分布、従って均一なレ
ーザ媒質、収差のないレーザ媒質を得ることができる。
【0081】なお、この実施の形態においては、実施の
形態1に示すレーザ共振器を用いた固体レーザ装置を例
にして説明したが、実施の形態2、3、4のいずれかに
記載の固体レーザ装置を用いた場合にも同様の効果を有
する。
【0082】実施の形態8.図17(a)はこの発明の
実施の形態8によるレーザ加工装置を示す構成図、
(b)は固体レーザ装置部分の横断面図である。この実
施の形態8のレーザ加工装置は、固体レーザ装置から発
生されたレーザビーム15を、集光レンズ12a1で集
光して光ファイバー200の端部に入射させ、これによ
り離れた場所まで伝送し、光ファイバー200の反対側
端部より出射したレーザビーム15を、集光レンズ(集
光光学系、像転写光学系)12a2により再度集光し、
この集光されたレーザビーム15を用いて加工物800
のレーザ加工を行うものである。ここで、820は加工
ガスの導入口、810は加工ノズルである。
【0083】この実施の形態においては、固体素子表面
のあらしにより、固体素子の断面内の収差が小さいため
に、発生するレーザビーム15は、小さいスポットに集
光される。この小さく集光されたレーザビーム15は、
光ファイバー200端部へ効率良く入射し、レーザ出力
を失うことなく、光ファイバー200の反対側端部から
出射して、加工物800のレーザ加工を効率良く、品質
良く行うことができる。
【0084】なお、この実施の形態においては、実施の
形態1に示すレーザ共振器を用いた固体レーザ装置を例
にして説明したが、実施の形態2、3、4のいずれかに
記載の固体レーザ装置を用いた場合にも同様の効果を有
する。
【0085】実施の形態9.図18(a)はこの発明の
実施の形態9によるレーザ加工装置を示す構成図、
(b)は固体レーザ装置部分の横断面図である。この実
施の形態9のレーザ加工装置は、固体レーザ装置から発
生されたレーザビーム15を、大気中を離れた場所まで
伝送し、全反射ミラー11aにより方向を変えた後、集
光レンズ(集光光学系、像転写光学系)12a2により
集光し、この集光されたレーザビームを用いて加工物8
00のレーザ加工を行うものである。
【0086】この実施の形態において、固体素子300
表面のあらしにより、固体素子300の断面内の収差が
小さいために、本実施の形態の固体レーザ装置から発生
されたレーザビーム15は、小さいスポットに集光さ
れ、この集光されたレーザビーム15は、加工物800
のレーザ加工を効率良く、品質良く行うことができる。
【0087】なお、この実施の形態においては、実施の
形態1に示すレーザ共振器を用いた固体レーザ装置を例
にして説明したが、実施の形態2、3、4のいずれかに
記載の固体レーザ装置を用いた場合にも同様の効果を有
する。
【0088】実施の形態10.図19(a)はこの発明
の実施の形態10によるレーザ加工装置を示す構成図、
(b)は固体レーザ装置部分の横断面図である。この実
施の形態10のレーザ加工装置は、固体レーザ装置から
発生されたレーザビーム15を、大気中を離れた場所ま
で伝送し、全反射ミラー11aにより方向を変えた後、
集光レンズ(集光光学系)12a1により集光し、この
集光されたレーザビーム15を、さらに集光レンズ(集
光光学系、像転写光学系)12a2により集光し、この
集光されたレーザビーム15を用いて加工物800のレ
ーザ加工を行うものである。
【0089】この実施の形態においては、固体素子30
0表面のあらしにより、固体素子300の断面内の収差
が小さいために、発生するレーザビーム15は小さいス
ポットに集光される。このようにして小さく集光された
レーザビーム15で加工物800のレーザ加工を行う。
【0090】この実施の形態において、特徴的であるレ
ンズを複数枚用いた構成について説明を加える。固体レ
ーザ装置から発生されたレーザビーム15は、レーザ共
振器内に配設された固体素子や、レーザミラーの端など
にあたり回折波を発生する。この回折波は、集光される
とレーザビーム15の周囲上に強度分布を持ち、図20
(a)のようにレーザビームが集光された場合の周辺ビ
ームとなる。このような周辺ビームのために、これを用
いてレーザ加工を行う場合に、例えば切断加工に用いた
場合に、切断面がだれたり、溶け込み加工では、不要な
入熱が加工対象周辺部に発生するなど、効率良く、品質
良いレーザ加工が行えない問題があった。
【0091】この実施の形態においては、レンズを複数
枚用いることで、回折波を発生している場所近傍のレー
ザビーム15を加工物800上に像転写することによ
り、上記の問題を解決している。上記したように、回折
波はおもにレーザ装置内の、固体素子300の端や、ミ
ラーの端部で発生する。従ってこれらの場所近傍のレー
ザビーム15が、加工物800の上に像転写されるよう
に光学系を設定すれば、この回折波の影響がない集光レ
ーザビームを得ることができる。
【0092】実施の形態10では、2つの集光レンズ1
2を用いた構成例を示している。それぞれのレンズの焦
点距離を調整することにより、レーザ装置の任意の場所
のレーザビーム15を転送して、例えば図20(b)に
示すような周辺ビームのない、集光レーザビームを得る
ことができる。
【0093】この実施の形態においては、レンズを2枚
用いる構成を示したが、反射ミラーなどを組み合わせて
もよく、要は周辺ビームが発生しないように、レーザ装
置の内部近傍に発生したレーザビームを像転写する光学
系を組めばよい。
【0094】実施の形態11.図21(a)はこの発明
の実施の形態11によるレーザ加工装置を示す構成図、
(b)は固体レーザ装置部分の横断面図である。この実
施の形態11のレーザ加工装置では、金属、セラミッ
ク、ガラスの筒、光ファイバーなどからなる開口500
をレーザビームの光路上に配置して、この開口500に
より端切りされたレーザビームを像転写するようにして
いる。
【0095】本実施の形態は、レーザ共振器内にミラー
の端部が存在する、実施の形態2、3、4に示す固体レ
ーザ装置を用いた場合に、特に有効に作用する。
【0096】実施の形態12.図22(a)はこの発明
の実施の形態12によるレーザ加工装置を示す構成図、
(b)は固体レーザ装置部分の横断面図である。この実
施の形態12のレーザ加工装置は、固体レーザ装置から
発生されたレーザビーム15を、大気中を離れた場所ま
で伝送し、全反射ミラー11aにより方向を変えた後、
集光レンズ(第1集光光学系)12a1により集光し、
この集光されたレーザビーム15を、金属、セラミッ
ク、ガラスの筒、光ファイバーなどからなる開口500
を通過させた後、さらに集光レンズ(第2集光光学系)
12a2により集光し、この集光されたレーザビームを
用いて加工物800のレーザ加工を行うものである。
【0097】この実施の形態においては、固体素子30
0表面のあらしにより、固体素子300の断面内の収差
が小さいために、発生するレーザビーム15は、小さい
スポットに集光される。したがって、この小さく集光さ
れたレーザビーム15により、加工物800のレーザ加
工を行うことができる。また、レーザビーム15を光路
上で集光すると同時に開口500に通過させ、この開口
500により回折波を切り去るようにしているので、回
折波のないレーザビーム15によりレーザ加工を行うこ
とができる。
【0098】この実施の形態は、レーザ共振器内にミラ
ーの端部が存在する、実施の形態2、3、4に示す固体
レーザ装置を用いた場合に、特に有効に作用する。
【0099】実施の形態13.図23(a)はこの発明
の実施の形態13によるレーザ加工装置を示す構成図、
(b)は固体レーザ装置部分の横断面図である。この実
施の形態13のレーザ加工装置は、固体レーザ装置から
発生されたレーザビーム15を、大気中を離れた場所ま
で伝送し、全反射ミラー11aにより方向を変えた後、
集光レンズ(第1集光光学系)12a1により集光し、
この集光されたレーザビーム15を、過飽和吸収体30
00を通過させた後、さらに集光レンズ(第2集光光学
系)12a2により集光し、この集光されたレーザビー
ム15を用いて加工物800のレーザ加工を行うもので
ある。
【0100】この実施の形態においては、実施の形態1
2と同様にレーザ加工を行うことができる。また、レー
ザビーム15を光路上で集光すると同時に、過飽和吸収
体3000に通過させている。ここで、YAGレーザビ
ームを例に取ると、過飽和吸収体3000としては、例
えばCr4+:YAG、若しくはLiF:F2-から構成され
るものを利用する。過飽和吸収体3000は、通常反射
体であるが、強いレーザビームが入射すると、これを吸
収して透過性を持つようになる。従って、図20(a)
のようなレーザビーム15のうち、中心部の強度の強い
部分のみが通過し、これにより回折波の成分である、周
囲部を除去できる。
【0101】この実施の形態は、レーザ共振器内にミラ
ーの端部が存在する、実施の形態2、3、4に示す固体
レーザ装置を用いた場合に、特に有効に作用する。な
お、実施の形態9〜13に記されたレーザ加工装置によ
り小さく絞られたレーザビーム15を、実施の形態8で
示した光ファイバー200の端部に導けば、効率良くフ
ァイバーにレーザビーム15を導入して、遠隔地へ安全
にレーザビーム15を伝送することができる。
【0102】また、上記いずれの実施の形態において
も、固体素子は、その断面が円形のものについて説明し
たが、円形に限るものでなく、矩形、楕円でもよい。
【0103】また、上記いずれの実施の形態において
も、特に説明しなかったが、光学素子のうち特に指示の
ない部分にも、レーザビームが通過する部分には通常の
光学素子のように無反射薄膜を施せば、共振器内のロス
が減少し、効率の良いレーザ発振を実現することができ
る。
【0104】
【発明の効果】以上のように、この発明の固体レーザ装
置によれば、液体中の固体素子の表面のあらさを調整し
て、固体素子断面内の励起分布を調整するように構成し
たので、断面内でほぼ均一に発光する、収差のないレー
ザ媒質が得られ、これよりレーザ共振器を用いて大出力
で高品質なレーザビームを安定して得ることができると
いう効果がある。
【0105】この発明の固体レーザ装置によれば、固体
素子の表面のあらさを100μインチRMS以上に設定
するように構成したので、断面内でほぼ均一に発光す
る、収差のないレーザ媒質が得られ、これよりレーザ共
振器を用いて大出力で高品質なレーザビームを安定して
得ることができるという効果がある。
【0106】この発明の固体レーザ装置によれば、光源
の光を閉じ込める集光器からなる光励起装置を用いて、
光源の光を固体素子へ導くように構成したので、固体素
子表面で散乱されたレーザビームを、集光器により再び
反射させ、集光器内での複数回の往復後に固体素子に導
くようにすることができる。したがって、固体素子の表
面をあらすことによる光源の光の固体素子への転送効率
を下げず、レーザ効率の減少を防ぐことができるという
効果がある。
【0107】この発明の固体レーザ装置によれば、光源
の光を閉じ込める、内面が拡散反射面からなる集光器か
らなる光励起系を用いて、光源の光を固体素子へ導くよ
うに構成したので、固体素子表面で散乱されたレーザビ
ームを、集光器により再び拡散反射させることができ
る。したがって、反射ごとにその一部を固体素子に導く
ことができ、固体素子の表面をあらすことによる光源の
光の固体素子への転送効率を下げず、レーザ効率の減少
を防ぐことができる。また、拡散反射面は、集光器内で
光源の光を均一化し、固体素子を周囲から均一に照射
し、結果として断面内、周方向に均一なレーザ媒質を発
生させることができ、これによりレーザ共振器を用いて
大出力で、高品質なレーザビームを安定して得ることが
できるという効果がある。
【0108】この発明の固体レーザ装置によれば、表面
をあらした固体素子を、複数個、光軸方向にならべて長
い励起部を生成するように構成したので、固体素子の選
別を行うことなく、レーザ媒質の長さを増大させること
ができ、従って安価に大出力のレーザビームを得ること
ができるという効果がある。
【0109】この発明の固体レーザ装置によれば、各固
体素子の間に熱レンズ修正光学系を挿入するように構成
したので、固体素子の熱レンズに影響されずに安定して
大出力のレーザビームを発生させることができるという
効果がある。
【0110】この発明の固体レーザ装置によれば、表面
をあらした固体素子から、安定型共振器を用いてレーザ
出力を取り出すように構成したので、固体素子内には、
ほぼ均一な強度分布を持つレーザビームを発生させるこ
とができ、従って、レーザ出力が増大して、その一部が
固体素子に吸収され、これを加熱する場合においても、
これを均一に加熱し、断面内の均質性を乱さず、結果と
して安定して大出力のレーザビームを発生させることが
できるという効果がある。
【0111】この発明の固体レーザ装置によれば、表面
をあらした固体素子から、不安定型共振器を用いてレー
ザビームを取り出すように構成したので、固体素子内に
は、安定型共振器を用いた場合よりも、さらに均一な強
度分布を持つレーザビームを発生させることができ、従
って、レーザ出力が増大して、その一部が固体素子に吸
収され、これを加熱する場合においても、これを均一に
加熱し、断面内の均質性を乱さず、結果として安定して
大出力のレーザビームを発生させることができるという
効果がある。
【0112】この発明の固体レーザ装置によれば、表面
をあらした固体素子から、中央部が部分反射部で、周囲
部が無反射部を持つ出口ミラーと、一つの反射ミラー、
もしくは複数のレーザ光学系から構成されるレーザ共振
器を用いてレーザビームを取り出すように構成したの
で、固体素子内には、安定型共振器を用いた場合より
も、さらに均一な強度分布を持つレーザビームを発生さ
せることができるとともに、不安定型共振器を用いた場
合に比べて集光性の良いレーザビームを発生させること
ができる。その結果、レーザ出力が増大して、その一部
が固体素子に吸収され、これを加熱する場合において
も、これを均一に加熱し、断面内の均質性を乱さず、結
果として安定に大出力のレーザビームを発生させること
ができるという効果がある。
【0113】この発明の固体レーザ装置によれば、表面
をあらした固体素子から、中央部が部分反射部で、周囲
が無反射部を持ち、かつ両部を通過するレーザビームの
位相差を補償する手段を備えた出口ミラーと、一つの反
射ミラー、もしくは複数のレーザ光学系から構成される
レーザ共振器を用いてレーザビームを取り出すように構
成したので、固体素子内には、安定型共振器を用いた場
合よりも、さらに均一な強度分布を持つレーザビームを
発生させることができるとともに、、不安定型共振器を
用いた場合に比べて集光性の良いレーザビームを発生さ
せることができる。その結果、レーザ出力が増大して、
その一部が固体素子に吸収され、これを加熱する場合に
おいても、これを均一に加熱し、断面内の均質性を乱さ
ず、安定して大出力のレーザビームを発生させることが
できるという効果がある。
【0114】この発明の固体レーザ装置によれば、表面
をあらした固体素子に、別に用意した固体レーザ装置か
ら発生されたレーザビームを導入し、増幅されたレーザ
ビームを外部に取り出すように構成したので、収差を与
えずにレーザビームを増幅することができ、高品質で、
大出力のレーザビームを容易に得ることができるという
効果がある。
【0115】この発明の固体レーザ装置によれば、表面
をあらした固体素子からレーザ共振器を用いてレーザ出
力を取り出す構成において、共振器を構成する光学系の
一つとして、複数の光学素子よりなり、その光学素子の
間の距離の少なくとも一箇所を、上記光源の出力に対応
して変化させるように制御する光学系を用いるように構
成したので、光源の出力が変化して、固体素子の熱レン
ズが変化する場合においても、この変化を、上記光学素
子の間の距離の少なくとも一箇所を変化させて打ち消す
ことができ、従って、光源の出力、発生されるレーザ出
力に拘らずに、安定なビーム品質を持つレーザビームを
発生させることができるという効果がある。
【0116】この発明の固体レーザ装置によれば、表面
をあらした固体素子からレーザ共振器を用いてレーザ出
力を取り出す構成において、共振器を構成する光学系の
一つとして、反射型、もしくは透過型の像転写光学系を
用いるように構成したので、光源の出力が変化して、固
体素子の熱レンズが変化する場合においても、この変化
を、上記光学素子の間の距離の少なくとも一箇所を、微
小距離のみ変化させて打ち消すことができ、従って、光
源の出力、発生されるレーザ出力に拘らずに、高速に制
御して、安定なビーム品質を持つレーザビームを発生さ
せることができるという効果がある。
【0117】この発明の固体レーザ装置によれば、光源
として半導体レーザを用いるように構成したので、固体
素子に発生する熱レンズ量を小さくして、熱レンズ分布
を小さすることができ、また、半導体レーザの波長を調
整して固体素子断面内の強度分布、従って熱レンズ分布
が均一となるように調整することができ、これらにより
均質なレーザ媒質を得て、高品質のレーザビームを発生
させることができるという効果がある。
【0118】この発明の固体レーザ装置によれば、半導
体レーザの波長と固体素子の表面あらさを調整して、固
体素子内の励起分布が均一となるように構成したので、
固体素子に発生する熱レンズ量をさらに小さくして、熱
レンズ分布を小さくすることができ、より高品質のレー
ザビームを発生させることができるという効果がある。
【0119】この発明の固体レーザ装置によれば、固体
素子の表面のあらさを長手方向に変化させることによ
り、固体素子断面の励起分布を調整するように構成した
ので、例えば冷却媒体をシールする、シール材が当たる
面のあらさを少なく調整して、確実にシールすることに
より、装置の安定性を向上させることができるという効
果がある。
【0120】この発明のレーザ加工装置によれば、レー
ザビームを光ファイバーに導入して、遠隔地まで伝送
し、遠隔地でファイバーから出射したレーザビームを用
いてレーザ加工を行うように構成したので、ファイバー
に効率良く、安全に光を導入して、効率良く、安全なレ
ーザ加工を実現することができるという効果がある。
【0121】この発明のレーザ加工装置によれば、レー
ザビームを集光光学系により集光してレーザ加工を行う
ように構成したので、小さいスポットに集光されたレー
ザビームを得ることができ、これを用いて効率良くレー
ザ加工を実現することができるという効果がある。
【0122】この発明のレーザ加工装置によれば、レー
ザビームを加工物近傍まで伝送し、レーザビームを加工
物上に像転写しながらレーザ加工を行うように構成した
ので、レーザビームの集光点での回折波の影響の周辺ビ
ームを除去して、効率良く、品質の高いレーザ加工を実
現することができるという効果がある。
【0123】この発明のレーザ加工装置によれば、請求
項1から16のうちのいずれか1項記載の固体レーザ装
置から発生されたレーザビームを、加工物近傍まで伝送
する光学系と、この光学系から出射されたレーザビーム
を集光する第1集光光学系と、この第1集光光学系の焦
点近傍に配置された開口と、この開口の後の再び広がっ
たレーザビームを再度集光して加工物に導く第2集光光
学系とを備えるので、上記段落0104から上記段落0
119の効果を同時に奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1による固体レーザ装
置の構成図であり、(a)は側断面図、(b)は横断面
図である。
【図2】 実施の形態1の作用説明に用いるもので、表
面があらされていない固体素子の表面での光の屈折状況
を示す図である。
【図3】 実施の形態1の作用説明に用いるもので、固
体素子の表面あらさを変化させた場合の大気中と水中で
の透過波面収差の測定結果を示すグラフ図である。
【図4】 実施の形態1の作用説明に用いるもので、固
体素子側面からコリメートされたレーザビームを照射し
た場合の光の伝播状態を示す図である。
【図5】 実施の形態1の作用説明に用いるもので、
(a)は表面があらされていない固体素子におけるレー
ザビームの光の伝播状況を示す図、(b)は表面があら
されている場合のレーザビームの光の伝播状況を示す図
である。
【図6】 実施の形態1の固体レーザ装置における像転
写光学系の他の例を示す図である。
【図7】 実施の形態1の固体レーザ装置における像転
写光学系のさらに他の例を示す図である。
【図8】 この発明の実施の形態2による固体レーザ装
置の構成図であり、(a)は側断面図、(b)は横断面
図である。
【図9】 この発明の実施の形態2の作用説明に用いる
もので、(a)は安定型共振器を用いた場合の固体素子
内のレーザビームの強度分布を示す図、(b)は不安定
型共振器を用いた場合の固体素子内のレーザビームの強
度分布を示す図である。
【図10】 この発明の実施の形態3による固体レーザ
装置の構成図であり、(a)は側断面図、(b)は横断
面図である。
【図11】 実施の形態3の固体レーザ装置における固
体素子内のレーザビームの強度分布を示す図である。
【図12】 この発明の実施の形態4による固体レーザ
装置の構成図であり、(a)は側断面図、(b)は横断
面図である。
【図13】 この発明の実施の形態4の変形例を示す
図、(a)は側断面図、(b)は横断面図である。
【図14】 この発明の実施の形態5による固体レーザ
装置の側断面図である。
【図15】 この発明の実施の形態6による固体レーザ
装置の側断面図である。
【図16】 この発明の実施の形態7による固体レーザ
装置の構成図であり、(a)は側断面図、(b)は横断
面図である。
【図17】 この発明の実施の形態8によるレーザ加工
装置の構成図であり、(a)は側断面図、(b)は固体
レーザ装置部分の横断面図である。
【図18】 この発明の実施の形態9によるレーザ加工
装置の構成図であり、(a)は側断面図、(b)は固体
レーザ装置部分の横断面図である。
【図19】 この発明の実施の形態10によるレーザ加
工装置の構成図であり、(a)は側断面図、(b)は固
体レーザ装置部分の横断面図である。
【図20】 実施の形態10の作用説明に用いるもの
で、(a)は回折波の影響が発生したレーザビームの強
度分布を示す図、(b)は回折波の影響を排したレーザ
ビームの強度分布を示す図である。
【図21】 この発明の実施の形態11によるレーザ加
工装置の構成図であり、(a)は側断面図、(b)は固
体レーザ装置部分の横断面図である。
【図22】 この発明の実施の形態12によるレーザ加
工装置の構成図であり、(a)は側断面図、(b)は固
体レーザ装置部分の横断面図である。
【図23】 この発明の実施の形態13によるレーザ加
工装置の構成図であり、(a)は側断面図、(b)は固
体レーザ装置部分の横断面図である。
【図24】 従来の固体レーザ装置の一例を示す側断面
図である。
【図25】 従来の固体レーザ装置の他の例を示す構成
図であり、(a)は側断面図、(b)は横断面図であ
る。
【図26】 従来の固体レーザ装置における固体素子内
のレーザビームの強度分布を示す図である。
【符号の説明】
1 全反射ミラー、2 部分反射ミラー、3,300
固体素子、4 励起光源、5 電源、6 集光器、7
シール材、8 基台、9 筒管、11 全反射ミラー、
12,12a,12a1,12a2,12b 集光レン
ズ(熱レンズ修正光学系、像転写光学系、第1集光光学
系、第2集光光学系)、13a,13b移動ステージ
(移動手段)、14 レーザ光、15,19,29,3
6、150 レーザビーム、16 拡大反射ミラー、1
7 メニカス状の部分反射ミラー、25 拡大出口ミラ
ー、26 部分反射ミラー、27 無反射部、35 段
差(位相差解消手段)、60 容器、61 通気口、7
0 冷却媒体、81 流入口、82 流出口、200
光ファイバー、400 半導体レーザ、410 光学素
子、500 開口、800 加工物、810 加工ノズ
ル、820 導入口、3000 過飽和吸収体。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01S 3/131 H01S 3/094 S (72)発明者 山本 卓 尼崎市塚口本町8丁目1番1号 三菱電機 株式会社中央研究所内 (72)発明者 石森 彰 尼崎市塚口本町8丁目1番1号 三菱電機 株式会社中央研究所内 (72)発明者 小島 哲夫 尼崎市塚口本町8丁目1番1号 三菱電機 株式会社中央研究所内

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 冷却用の液体中に配され、且つ、同液体
    よりも屈折率が大きい固体素子と、この固体素子の励起
    光源及び同励起光源の光を固体素子へ伝送する光学系か
    らなる光励起装置とを備えた固体レーザ装置において、
    上記固体素子の表面のあらさを調整することにより、上
    記固体素子断面内の励起分布を調整したことを特徴とす
    る固体レーザ装置。
  2. 【請求項2】 冷却用の液体中に配され、且つ、同液体
    よりも屈折率が大きい固体素子と、この固体素子の励起
    光源及び同励起光源の光を固体素子へ伝送する光学系か
    らなる光励起装置とを備えた固体レーザ装置において、
    上記固体素子の表面あらさを100μインチRMS以上
    に設定したことを特徴とする固体レーザ装置。
  3. 【請求項3】 光励起装置の光学系は、励起光源の光を
    閉じ込める集光器であることを特徴とする請求項1又は
    2記載の固体レーザ装置。
  4. 【請求項4】 光励起装置の光学系は、励起光源の光を
    閉じ込める拡散反射型の集光器であることを特徴とする
    請求項1又は2記載の固体レーザ装置。
  5. 【請求項5】 固体素子を複数個、光軸方向にならべて
    配設したことを特徴とする請求項1から請求項4のうち
    のいずれか1項記載の固体レーザ装置。
  6. 【請求項6】 複数の固体素子間に少なくとも一枚の光
    学レンズからなる熱レンズ修正光学系を挿入したことを
    特徴とする請求項5記載の固体レ−ザ装置。
  7. 【請求項7】 固体素子からレーザビームを取り出す安
    定型レーザ共振器を備えたことを特徴とする請求項1か
    ら請求項6のうちのいずれか1項記載の固体レーザ装
    置。
  8. 【請求項8】 固体素子からレーザビームを取り出す不
    安定型レーザ共振器を備えたことを特徴とする請求項1
    から請求項6のうちのいずれか1項記載の固体レーザ装
    置。
  9. 【請求項9】 固体素子からレーザビームを取り出すレ
    ーザ共振器を設け、このレーザ共振器として、中央が部
    分反射部でその周囲が無反射部となった出口ミラーと、
    一つの反射ミラー若しくは複数のレーザ光学系から構成
    されるレーザ共振器を用いたことを特徴とする請求項1
    から請求項6のうちのいずれか1項記載の固体レーザ装
    置。
  10. 【請求項10】 固体素子からレーザビームを取り出す
    レーザ共振器を設け、このレーザ共振器として、中央が
    部分反射部で周囲が無反射部とされ、且つ、両部を通過
    するレーザビームの位相差を補償する位相差解消手段を
    備えた出口ミラーと、一つの反射ミラー若しくは複数の
    レーザ光学系から構成されるレーザ共振器を用いたこと
    を特徴とする請求項1から請求項6のうちのいずれか1
    項記載の固体レーザ装置。
  11. 【請求項11】 固体素子に、別に用意した固体素子か
    ら発生したレーザビームを導入し、増幅されたレーザビ
    ームを外部に取り出すようにしたことを特徴とする請求
    項1から請求項6のうちのいずれか1項記載の固体レー
    ザ装置。
  12. 【請求項12】 複数の光学素子よりなり、その光学素
    子の間の距離の少なくとも一箇所を、励起光源の出力に
    対応して変化するように制御する光学系を備えた請求項
    6から請求項11のうちのいずれか1項記載の固体レー
    ザ装置。
  13. 【請求項13】 光学系は反射型、若しくは透過型の像
    転写光学系であることを特徴とする請求項12記載の固
    体レーザ装置。
  14. 【請求項14】 励起光源が半導体レーザである請求項
    1から請求項13のうちのいずれか1項記載の固体レー
    ザ装置。
  15. 【請求項15】 半導体レーザの波長と、固体素子の表
    面あらさを、固体素子内の励起分布が均一となるように
    調整したことを特徴とする請求項14記載の固体レーザ
    装置。
  16. 【請求項16】 固体素子の表面のあらさを固体素子の
    長手方向に変化させることにより、固体素子断面の励起
    分布を調整したことを特徴とする請求項1記載の固体レ
    ーザ装置。
  17. 【請求項17】 請求項1から請求項16のうちのいず
    れか1項記載の固体レーザ装置から発生するレーザビー
    ムを伝送し、出口端面から該レーザビームを加工物に対
    して出射する光ファイバーと、この光ファイバーの入口
    端面に上記レーザビームを導入する光学系とを備えたレ
    ーザ加工装置。
  18. 【請求項18】 請求項1から請求項16のうちのいず
    れか1項記載の固体レーザ装置から発生するレーザビー
    ムを加工物上に集光する集光光学系を備えたレーザ加工
    装置。
  19. 【請求項19】 請求項1から請求項16のうちのいず
    れか1項記載の固体レーザ装置から発生するレーザビー
    ムを、加工物近傍まで伝送する光学系と、この光学系か
    ら出射されたレーザビームを加工物上に像転写する像転
    写光学系とを備えたレーザ加工装置。
  20. 【請求項20】 請求項1から16のうちのいずれか1
    項記載の固体レーザ装置から発生されたレーザビーム
    を、加工物近傍まで伝送する光学系と、この光学系から
    出射されたレーザビームを集光する第1集光光学系と、
    この第1集光光学系の焦点近傍に配置された開口と、こ
    の開口の後の再び広がったレーザビームを再度集光して
    加工物に導く第2集光光学系とを備えたレーザ加工装
    置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003249701A (ja) * 2002-02-22 2003-09-05 Sunx Ltd レーザ加工装置
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