JPH0613664A - 熱電装置および熱電装置の製造方法 - Google Patents

熱電装置および熱電装置の製造方法

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JPH0613664A
JPH0613664A JP4170349A JP17034992A JPH0613664A JP H0613664 A JPH0613664 A JP H0613664A JP 4170349 A JP4170349 A JP 4170349A JP 17034992 A JP17034992 A JP 17034992A JP H0613664 A JPH0613664 A JP H0613664A
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JP
Japan
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thin film
film portion
semiconductor thin
thermoelectric
thermoelectric semiconductor
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JP4170349A
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English (en)
Inventor
Fumitoshi Nishiwaki
文俊 西脇
Hiroyoshi Tanaka
博由 田中
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 熱電半導体薄膜部以外の高温端面と低温端面
の間を真空断熱部とすることにより熱電変換の高効率化
が達成できる超薄型・軽量な熱電装置、およびその熱電
装置を歩留まり良く、低コストで大量に生産できる製造
方法を提供する。 【構成】 基板8の上面にパターニングした電極膜部1
0を設け、この上面に一対のP型とN型の熱電半導体薄
膜部11、12を設け、熱電半導体薄膜部11、12を
形成していない基板上には多結晶シリコン膜部44を設
け、さらにP型およびN型の熱電半導体薄膜部11、1
2の上面に接する電極膜部13を設けることによりP型
熱電半導体薄膜部11およびN型熱電半導体薄膜部12
を交互に電気的に直列にかつ熱的に並列に配列した後、
多結晶シリコン膜部44をエッチングして空洞を形成
し、真空中でエッチ孔を封止して真空断熱部14を形成
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はペルチェ効果を利用し、
電気的に吸熱もしくは放熱を行う冷却・加熱装置、もし
くはゼーベック効果により温度差を用いて発電を行う発
電装置等に用いる熱電装置および熱電装置の製造方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、熱を電気に変換し、もしくは電気
を熱に変換する熱電装置(例えば、上村、西田著「熱電
半導体とその応用」日刊工業新聞社(1988)p.39.)は、
図13の従来例に示すように金属板1および金属板2に
よってN型半導体3、もしくはP型半導体4を挟み込む
構成を有し、両側の金属の温度差により発電を行い、も
しくは電位を与え電流を通ずることにより冷却を行うも
のである。
【0003】特に、図13の従来例はN型の半導体3と
P型の半導体4を交互に電気的に直列に、かつ熱的に並
列に配列した熱電装置であり、端子5と端子6間に電位
を与えると、金属板の一方が冷却され、他方が加熱され
る。
【0004】このような、熱電装置の製造方法は以下の
ように行われている。熱電半導体材料としてはBi−T
e系化合物が主に用いられており、溶製、焼結等の製法
を用いてP型およびN型材料のブロックが作製され、そ
の熱電半導体材料のブロックをダイヤモンド・カッター
等を用いて所定のバルク形状に成形する。熱電半導体材
料の形状は角柱状と円柱状が一般的である。その大きさ
は、角柱状で最も小さな場合でも1.4mm×1.4mm×1.7mmt
程度の大きさを有する。
【0005】電極金属板には銅板が用いられる。そし
て、多数の銅電極板によって、P型半導体熱電材料とN
型半導体熱電材料を交互に挟み込み、電気的に直列に接
続し、かつ熱的に並列に接続した構成となるように、熱
電材料と銅電極をBi−Sn系共晶合金等で直接半田付
けして接合されている。機械的な強度を持たせるため、
金属板1、2によって挟み込まれた熱電半導体3、4は
剛体である基板7上に装着される。
【0006】冷却能力の拡大は、熱電半導体の設置個数
を増加させることにより、また冷却部と発熱部の温度差
の拡大は図13に示した装置を多段に積層することによ
って行われる。
【0007】なお、我々の実験では、真空製膜プロセス
を用いて熱的非平衡状態のもとで作製した薄膜熱電材料
の熱起電力が、上記の溶製、焼結等の熱的平衡状態のも
とで作製したバルク材料の性能より高くなることを確認
している。したがって、熱的非平衡状態のもとで作製し
た性能の高い薄膜熱電材料を用いることにより、熱電装
置の効率を高めることが期待できるが、今だ実際の薄膜
型の熱電装置は開発されていない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような従来の熱電装置および製造方法では、 (1)熱電材料は脆い材料であるため、所定のバルク形
状(例えば、1.4mm×1.4mm×1.7mmt程度の非常に小さな
バルク形状)に成形する際に、角部が欠け易く、歩留ま
りが非常に低かった。 (2)上記のような非常に小さな大きさで、多数(約2
00個程度)の熱電材料を半導体形状の大きさのバラツ
キなく、しかもP型とN型の半導体を交互に正確な位置
に配列しすることが困難であるため、歩留まりが非常に
低かった。 (3)上記の製造上の課題のため、熱電半導体の大きさ
を小さくできず、そのため、熱電半導体の厚さが1mm以
下であるようなうな薄い熱電装置を作製することは困難
であり、またLSIなどの非常に小さな高密度集積デバ
イスを直接冷却可能な小さな熱電装置を作製することも
困難であった。
【0009】なお、熱電半導体を薄膜で形成し、薄型の
熱電装置を作製すること考えられるが、この場合には高
温端と低温端の間隔が狭くなるため、高温端面から低温
端面への熱損失が増大して冷却・吸熱効果が得られなか
った。 (4)製造工程が連続的でなく、個々の部品をそれぞれ
作製して組み立てるため、大量に製造する場合、時間と
手間がかかり、製造コストを下げることが困難であっ
た。 (5)溶製、焼結等の製法により作製したバルクの熱電
材料は、その性能を向上させることが困難であり、バル
ク材料を用いた熱電装置の効率が低かった。 (6)希少金属を大量に使用するため、材料コストが高
くなり、熱電装置の重量および容積が大きくなる。 (7)カスケード方式により積層し、低温と高温の温度
差を大きくしようとすると、厚みが増加し、重量が増加
していた。 等の課題があった。
【0010】本発明は、上記課題に鑑み、熱的非平衡状
態のもとで作製した性能の高い薄膜熱電材料を用い、高
温端面と低温端面の間に真空断熱層を設けることによ
り、超薄型・軽量かつ高効率である熱電装置、およびそ
の熱電装置を歩留まり良く、低コストで大量に生産でき
る製造方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明の熱電装置は、第1の手段として、基板と、前
記基板上にパターニングして形成した第1の電極膜部
と、前記第1の電極膜部上に設けた一対のP型とN型の
熱電半導体薄膜部もしくはいずれか一方の熱電半導体薄
膜部と、前記熱電半導体薄膜部の上面に接し前記P型熱
電半導体薄膜部およびN型熱電半導体薄膜部を交互に電
気的に直列にかつ熱的に並列に接合する第2の電極膜部
と、前記熱電半導体薄膜部を形成していない基板上に設
けた真空断熱部を備え、前記真空断熱部を支持する支柱
で真空封止したものである。
【0012】また、第2の解決手段として、第1の基板
と、前記第1の基板上にパターニングして形成した第1
の電極膜部と、前記第1の電極膜部上に設けたP型とN
型の熱電半導体薄膜部群と、前記熱電半導体薄膜部群の
上面に接し前記P型熱電半導体薄膜部群およびN型熱電
半導体薄膜部群を交互に電気的に直列にかつ熱的に並列
に接合する第2の電極膜部と、熱電半導体薄膜部を形成
していない基板上に設けた真空断熱部と、前記真空断熱
部を真空封止する第2の基板とを備え、前記真空断熱部
を前記熱電半導体薄膜部群で支える構成としたものであ
る。
【0013】また、本発明の熱電装置の製造方法は、第
1の手段として、基板の表面上にパターニングして第1
の電極膜部を形成する工程と、前記第1の電極膜部上に
一対のP型とN型の熱電半導体薄膜部もしくはいずれか
一方の熱電半導体薄膜部を形成する工程と、熱電半導体
薄膜部を形成していない基板上に多結晶シリコン膜部を
形成する工程と、前記熱電半導体薄膜部の上面に接し前
記P型熱電半導体薄膜部およびN型熱電半導体薄膜部を
交互に電気的に直列にかつ熱的に並列に接合する第2の
電極膜部を形成する工程と、前記多結晶シリコン膜部を
エッチングすることにより空洞を形成する工程と、真空
中でエッチング孔を封止して真空断熱部を形成するとと
もに真空断熱部を支持する支柱を形成する工程からなる
ものである。
【0014】また、第2の手段として、第1の基板の表
面上にパターニングして第1の電極膜部を形成する工程
と、前記第1の電極膜部上にP型とN型の熱電半導体薄
膜部群もしくはいずれか一方の熱電半導体薄膜部群を形
成する工程と、熱電半導体薄膜部を形成していない基板
上に多結晶シリコン膜部を形成する工程と、前記熱電半
導体薄膜部群の上面に接し前記P型熱電半導体薄膜部群
およびN型熱電半導体薄膜部群を交互に電気的に直列に
かつ熱的に並列に接合する第2の電極膜部を形成する工
程と、前記多結晶シリコン膜部をエッチングすることに
より空洞を形成する工程と、真空中で第2の基板を第2
の電極膜部上に接着することによりエッチングのエッチ
孔を封止して真空断熱部を形成する工程からなるもので
ある。
【0015】
【作用】上記のような構成もしくは手段によって得られ
る作用は次の通りである。 (1)熱電材料および電極等を薄膜としたため、熱電装
置全体の厚さを超薄型化・軽量化することが可能であ
る。 (2)熱電半導体部以外の高温端面と低温端面の間は、
真空断熱部であるため、高温端面から低温端面への熱損
失はほとんど発生しない。 (3)半導体を形成する場合と同様の製膜プロセス、リ
ソグラフィーおよびエッチング技術を用いて熱電材料お
よび電極の微細パターン形成が可能となるため、非常に
小さな面積を有する熱電装置が実現できる。したがっ
て、シリコン基板上にLSIなどの半導体デバイスを形
成した後、シリコン基板の裏面に直接熱電冷却装置を形
成することが可能となる。この結果、LSIなどの半導
体デバイスの冷却効率が向上し、半導体デバイスの性能
が向上する。 (4)真空製膜プロセス、リソグラフィーおよびエッチ
ング技術を用いて、基板上に電極膜部およびP型半導体
部(もしくはN型半導体部)を直接一括製膜できるた
め、所定の膜形状の熱電材料を位置精度良く、しかも形
状のバラツキ少なく形成することが可能となる。その結
果、熱電装置を歩留まり良く、低コストで大量に製造す
ることが可能である。 (5)熱的非平衡状態のもとで作製した性能の高い薄膜
熱電材料を用いて、熱電装置を構成することが可能とな
るため、熱電装置の効率を高くすることができる。 (6)熱電材料が薄膜であるため、使用するBi、Te
等の希少金属の量が僅かであり、材料コスト費が低減で
きる。 (7)製造プロセスの大面積化が容易であり、連続プロ
セスで行うことができるため、量産性に優れ、製造コス
トを下げることが可能となる。
【0016】
【実施例】以下に本発明の一実施例を添付図面に基づい
て説明する。
【0017】(実施例1)図1は本発明の一実施例にお
ける熱電装置の縦断面図であり、図2は図1に示したX
−X’断面の横断面図である。図1および図2におい
て、8はシリコン基板であり、その上面にはCVD等に
より電気絶縁性の厚さ約50nmの第1の窒化シリコン膜
9が形成されている。この第1の窒化シリコン膜9の上
面には、パターニングされた第1の電極膜部10(厚さ
約70μm)が形成されている。そして、第1の電極膜部
10上には、PVD等の手法を用いて、一対のP型とN
型の熱電半導体薄膜部11、12(厚さ1〜10μm)が製
膜されている。なお、端部の電極膜部上には、P型もし
くはN型いずれか一方の熱電半導体薄膜部が形成されて
いる。さらに、その熱電半導体の上面には第2の電極膜
部13(厚さ約70μm)を同様の方法を用いて製膜し、
P型半導体薄膜部11とN型半導体薄膜部12を交互に
電気的に直列に、かつ熱的に並列に接合するようにパタ
ーニングしている。
【0018】また、シリコン基板8の熱電半導体薄膜部
11、12を形成していないところは真空断熱部14と
している。15、16、17はそれぞれ真空断熱部14
を形成する際に電極膜部および熱電半導体薄膜部を保護
するための第2、第3、第4の窒化シリコン膜(厚さ約
100nm)である。そして、真空断熱部14は、大気圧に
よる真空断熱部14の変形を強度的に支持するための支
柱18で真空封止されている。この支柱18の作製およ
び真空封止を行なうために、第5の窒化シリコン膜19
を製膜している。
【0019】以上のように構成された熱電装置におい
て、直流電圧を印加し電極膜部に電流を流せば、P型半
導体薄膜部11(もしくはN型半導体薄膜部12)と第
1の電極膜部10、およびP型半導体薄膜部11(もし
くはN型半導体薄膜部12)と第2の電極膜部13の界
面でペルチェ効果により吸熱もしくは発熱が生じる。こ
の結果、熱電装置の下部シリコン基板8と上部の第5の
窒化シリコン膜19の一方で冷却、他方で加熱を行なう
ことができる。すなわち、電気と熱の直接変換が可能と
なる。
【0020】なお、この時、熱電装置の下部のシリコン
基板8と、上部の第5の窒化シリコン膜19の一方は低
温、他方は高温となり、両端面間に温度差が生じるが、
熱電半導体薄膜部以外の高温端面と低温端面の間は、真
空断熱部であるため、高温端面から低温端面への熱伝導
による熱損失はほとんど発生しない。
【0021】以上のように本実施例によれば、熱電材料
および電極を薄膜化して、熱電装置全体の厚さを超薄型
化した場合でも、真空断熱部を設けることにより、熱電
効率の低下を防ぐことが可能である。また、熱電半導体
材料として、熱的非平衡状態のもとで作製した性能の高
い薄膜熱電材料を用いることにより、熱電装置の効率を
従来に比べ著しく高くすることができる。
【0022】さらに、真空製膜プロセス、リソグラフィ
ーおよびエッチング技術を用いて、基板上に電極膜部お
よびP型熱電半導体部(もしくはN型熱電半導体部)を
直接一括製膜できるため、微細な膜形状の熱電半導体薄
膜を位置精度良く、しかも形状のバラツキ少なく形成す
ることが可能となる。この様に、熱電半導体を高密度に
実装することが可能となるため、単位面積あたりの吸熱
量を増加させることが可能となり、発熱密度が大きくし
かも面積の小さなLSIなどのデバイスの冷却にも熱電
装置が使用できるようになる。また、熱電装置を歩留ま
り良く、低コストで大量に製造することも可能となる。
なお、熱電材料を薄膜としたため、使用するBi、Te
等の希少金属の量が僅かとなり、材料コスト費ひいては
熱電装置のコストを低減することもできる。
【0023】以上、本実施例の熱電装置を冷却装置とし
て用いた場合について、説明してきたが、もちろん本発
明によるこの構成を有する熱電装置はゼーベック効果を
利用して、熱源の熱を電気に変換する発電装置として利
用できることは言うまでもない。
【0024】(実施例2)以下本発明の第2の実施例に
ついて図面を参照しながら説明する。
【0025】図3は本発明の第2の実施例である熱電装
置の縦断面図であり、図4は図3に示したX−X’断面
の横断面図、また図5は図3に示したY−Y’断面の横
断面図である。図3〜図5において、20はシリコン基
板であり、その上面にはCVD等により電気絶縁性の厚
さ約50nmの第1の窒化シリコン膜21が形成されてい
る。この第1の窒化シリコン膜21の上面には、パター
ニングされた第1の電極膜部22(厚さ約70μm)が形
成されている。そして、第1の電極膜部22上には、P
VD等の製膜プロセス、リソグラフィーおよびエッチン
グ技術を用いて、P型とN型の熱電半導体薄膜部群2
3、24(厚さ1〜10μm)が形成されている。それぞれ
の熱電半導体薄膜部群は6×6個のマトリックス状に配
置した熱電半導体薄膜部(P型熱電半導体薄膜部25、
N型熱電半導体薄膜部26)から構成されている。な
お、熱電装置の端部の電極膜部上には、P型もしくはN
型いずれか一方の熱電半導体薄膜部群(6×6個の熱電
半導体薄膜部からなる)が形成されている。さらに、そ
の熱電半導体の上面には第2の電極膜部27を同様の製
膜方法を用いて製膜し、P型熱電半導体薄膜部群23と
N型熱電半導体薄膜部24を交互に電気的に直列に、か
つ熱的に並列に接合するようにパターニングしている。
【0026】また、シリコン基板20上の熱電半導体薄
膜部25、26を形成していないところは真空断熱部2
8としている。29、30、31はそれぞれ真空断熱部
28を形成する際に電極膜部および熱電半導体薄膜部を
保護するための第2、第3、第4の窒化シリコン膜であ
る。
【0027】また、真空断熱部28は、第2の電極膜部
27の上面に接着された第2のシリコン基板32により
真空封止されている。そして、真空断熱部28は、前記
の熱電半導体薄膜部25、26を支柱として利用するこ
とにより、大気圧による真空断熱部28の変形を防ぐ構
成としている。
【0028】以上のように構成された熱電装置におい
て、直流電圧を印加し電極に電流を流せば、P型熱電半
導体薄膜部群23(もしくはN型熱電半導体薄膜部群2
4)と第1の電極膜部22、およびP型熱電半導体薄膜
部群23(もしくはN型熱電半導体薄膜部郡24)と第
2の電極膜部27の界面でペルチェ効果により吸熱もし
くは発熱が生じる。この結果、熱電装置の上下シリコン
基板20、32の一方で冷却、他方で加熱を行なうこと
ができる。すなわち、電気と熱の直接変換が可能とな
る。
【0029】この時、熱電装置の上下のシリコン基板2
0、32の一方は低温、他方は高温となり、両端面間に
温度差が生じる。しかしながら、本実施例では、熱電半
導体薄膜部以外の高温端面と低温端面の間は、真空断熱
部のみであり、真空断熱部を支持する支柱も存在しない
構成であるため、高温端面から低温端面への熱伝導によ
る熱損失は全く無視できる。
【0030】以上のように本実施例によれば、熱電材料
および電極を薄膜化して、熱電装置全体の厚さを超薄型
化した場合でも、真空断熱部を設けることにより、熱電
効率の低下を防ぐことが可能である。また、熱電半導体
材料として、熱的非平衡状態のもとで作製した性能の高
い薄膜熱電材料を用いることにより、熱電装置の効率を
従来に比べ著しく高くすることができる。
【0031】さらに、本実施例では、熱電半導体薄膜部
を熱電装置の基板上に短い間隔で均一に配置することが
可能であるため、温度分布を非常に均一化することが可
能となる。
【0032】また、第1の実施例と同様、熱電半導体を
高密度に実装することによる単位面積あたりの吸熱量の
増加、微少面積を有する発熱デバイスの冷却への熱電装
置の利用、および高歩留まり・低コスト大量生産などの
効果が得られる。
【0033】なお、第2の実施例において、P型、N型
それぞれの熱電半導体薄膜部群は6×6個のマトリック
ス状に配置した熱電半導体薄膜部(P型熱電半導体薄膜
部25、N型熱電半導体薄膜部26)で構成したが、熱
電半導体薄膜部の設置個数は複数個であれば同様な効果
が得られる。
【0034】また、第1および第2の実施例において、
基板をシリコン基板とし、その表面上に電気絶縁性の窒
化シリコン膜を形成したが、基板としてアルミナなどの
電気絶縁基板を用いて窒化シリコン膜がない構成として
もよい。
【0035】(実施例3)図6は本発明の他の実施例で
ある熱電装置の縦断面図である。
【0036】図6では、第1の実施例で示した1枚のシ
リコン基板上に窒化シリコン膜、第1の電極膜部、熱電
半導体薄膜部と真空断熱部、第2の電極膜部、窒化シリ
コン膜の順に積層して作製した熱電装置を、熱的接触を
確保しながら3段に積層したものである。第1段目の熱
電装置の最上層の窒化シリコン膜33は、第2段目の熱
電装置の下部の基板として用い、また第2段目の熱電装
置の最上層の窒化シリコン膜34は、第3段目の熱電装
置の下部の基板として用いている。そして、各段の熱電
装置に用いるN型・P型の熱電半導体薄膜部35、36
の材料を、各段の温度において材料の性能指数が高くな
るように、変化させている。すなわち、1段目および2
段目にはBi−Te系材料を、3段目にはBi−Sb系
材料を用いた。
【0037】以上のように構成された熱電装置に電流を
流せば、熱電装置の最上部の窒化シリコン膜37と最下
部のシリコン基板38の間に生じる温度差は、第1段か
ら第3段のそれぞれの熱電装置で発生する温度差の総和
となる。
【0038】したがって、本実施例では、前記の第1の
実施例で述べた効果に加えて、薄い熱電装置を複数枚積
層することによって、熱電装置全体として発生する温度
差を増大できるという効果が得られる。また、各段で用
いる半導体材料をその温度域で性能が高くなる材料とし
たため、効率よく大きな温度差が得られる。
【0039】さらに、熱電材料を薄膜としたため、熱電
装置全体の厚さを薄くすることが可能となり、コンパク
トな装置を実現できる。
【0040】(実施例4)図7は本発明の他の実施例で
ある熱電装置の縦断面図である。
【0041】図7では、図6に示した第3の実施例と同
様に、第2の実施例で示した1枚のシリコン基板上に窒
化シリコン膜、第1の電極膜部、熱電半導体薄膜部と真
空断熱部、第2の電極部、窒化シリコン膜の順に積層し
た構成を有する熱電装置を、熱的接触を確保しながら3
段に積層したものである。第1段目の熱電装置の上部の
シリコン基板39は、第2段目の熱電装置の下部のシリ
コン基板として用い、また第2段目の熱電装置の上部の
シリコン基板40は、第3段目の熱電装置の下部のシリ
コン基板として用いている。
【0042】このような構成とすることにより、各段の
熱電装置を別個に作製しておき、最後に、良品の熱電装
置のみを積層接着して、最終の3段積層型の熱電装置を
作製することが可能となり、熱電装置作製の歩留まりを
より高めることができる。
【0043】(実施例5)図8は本発明の他の実施例で
ある冷却用の熱電装置の縦断面図である。
【0044】図8において、41はシリコン基板であ
り、このシリコン基板41上にはLSIデバイス42が
形成されている。そして、シリコン基板41の裏面に
は、LSIデバイス42の冷却のために、第1の実施例
で示した熱電装置43が直接形成されている。
【0045】以上のように構成された熱電装置に電流を
流せば、熱電装置43を形成したシリコン基板41が冷
却され、したがって、LSIデバイス42も直接冷却さ
れることになる。
【0046】以上のように本実施例によれば、LSIデ
バイス等の半導体デバイスを形成したシリコン基板の裏
面に半導体薄膜プロセスを用いて、冷却用の熱電装置を
直接形成することが可能であるため、半導体デバイスと
熱電装置の間の熱抵抗を無くすることが可能となる。し
たがって、半導体デバイスの発熱をより効率的に放熱・
冷却することが可能となるため、半導体デバイスの作動
を保証し、かつ作動速度を向上させることができる。な
お、LSIデバイス等の半導体デバイスを作製する時と
同様な半導体薄膜プロセス(製膜、リソグラフィーおよ
びエッチング技術など)を用いて、半導体デバイスの作
製に引続き熱電装置を一貫した連続薄膜プロセスで熱電
装置を作製することが可能となるため、製造コストを低
下できるのみならず、LSIなどの非常に小さな発熱デ
バイスの個別制御冷却が可能となる。
【0047】(実施例6)図9(a)〜(e)及び図1
0(a)〜(d)は、本発明の熱電装置(第1の実施
例)の製造方法の一実施例を示す工程図である。即ち、
本実施例の工程は、図9に示す工程の後に図10の工程
が引続き実施されるものであり、図9と図10に示す工
程が一体となって、本実施例の工程を示すものである。
本実施例の工程を2つの図面に記載した理由は、1つの
図面用紙の中にこれらすべての工程を記載するのが困難
であるからである。なお、第1の実施例と同じ部分には
同一番号を付与している。
【0048】まず、図9(a)に示すように、約0.3mm
厚さのシリコン基板8上にCVD法などにより、電気絶
縁性の厚さ50nmの第1の窒化シリコン膜9を製膜する。
窒化シリコン膜9は空洞を形成する際のアルカリエッチ
ング時にシリコン基板8を保護するマスク材であり、ま
た後述するパターニングされた第1の電極膜部10間の
電気絶縁膜でもある。
【0049】次に、PVDなどの真空製膜プロセス、リ
ソグラフィーおよびリアクティブイオンエッチング技術
を用いて、この第1の窒化シリコン膜9上にパターニン
グされた厚さ約70μmの第1の電極膜部10を形成す
る。
【0050】次に、図9(b)に示すように、同様な手
法を用いて、第1の電極膜部10上に一対のパターニン
グしたP型とN型の熱電半導体薄膜部11、12(厚さ
1〜10μm)を形成する。
【0051】次に、図9(c)に示すように、第1の電
極膜部10とP型とN型の熱電半導体薄膜部11、12
を覆うように、CVD法により厚さ100nmの第2の窒化
シリコン膜15を製膜する。
【0052】次に、図9(d)に示すように、P型とN
型の熱電半導体薄膜部11、12を形成していない第2
の窒化シリコン膜15上に、CVD法など真空製膜プロ
セス、リソグラフィーおよびリアクティブイオンエッチ
ング技術を用いて犠牲層となる多結晶シリコン膜部44
を形成する。さらに、この上面にCVD法により厚さ10
0nmの第3の窒化シリコン膜16を製膜する。
【0053】次に、図9(e)に示すように、リソグラ
フィーおよびリアクティブイオンエッチング技術を用い
て、第2および第3の窒化シリコン膜15、16をパタ
ーンエッチングして、P型とN型の熱電半導体薄膜部1
1、12に到達するコンタクトホール45を形成する。
【0054】さらに、図10(a)に示すように、PV
Dなどの真空製膜プロセス、リソグラフィーおよびリア
クティブイオンエッチング技術を用いて、P型とN型の
熱電半導体薄膜部11、12上に、パターニングされた
厚さ約70μmの第2の電極膜部13を形成する。この第
2の電極膜部13は、P型熱電半導体薄膜部11とN型
熱電半導体薄膜部12がコンタクトホール45を通して
交互に電気的に直列に、かつ熱的に並列に接合するよう
にパターニングしている。同時に、多結晶シリコン膜部
44をエッチングするためのエッチング孔46も形成し
ている。
【0055】次に、図10(b)に示すように、第2の
電極膜部13を覆うように、CVD法により厚さ100nm
の第4の窒化シリコン膜17を製膜する。そして、犠牲
層の多結晶シリコン膜部44に到達するように第3、お
よび第4の窒化シリコン膜16、17をリアクティブイ
オンエッチングしてエッチング孔46を完成させる。
【0056】次に、図10(c)に示すように、エッチ
ング孔46を介して、KOHエッチング液により犠牲層
の多結晶シリコン膜部44をエッチングし、空洞47を
形成する。
【0057】最後に、図10(d)に示すように、プラ
ズマCVDにより第5の窒化シリコン膜19を製膜し
て、エッチング孔46を真空封止して真空断熱部14を
形成している。この真空封止の時、エッチング孔46を
通った窒化シリコン分子は真空断熱部14下部の第2の
窒化シリコン膜15上に堆積し、その結果、真空断熱部
14を強度的に支える支柱18となる。このようにし
て、図9(i)に示すような高温端面と低温端面の間に
真空断熱部を形成した熱電装置を作製することができ
る。
【0058】なお、本実施例では、エッチング孔の封止
および真空断熱部の支柱作製のために窒化シリコン膜を
製膜したが、SiO2など低熱伝導率の材料を用いても
よい。さらに、空洞を作製する際の犠牲層として多結晶
シリコン膜を用いたが、窒化シリコン膜と比較してエッ
チレートが著しく大きな材料を用いても同様な効果が得
られる。逆に、犠牲層の多結晶シリコン膜に比較してエ
ッチレートが著しく小さな材料を基板、電極膜、熱電半
導体などのエッチングに対する保護膜として用いても良
いことは言うまでもない。
【0059】以上のように、本実施例によれば、真空製
膜プロセス、リソグラフィーおよびリアクティブイオン
エッチング技術を用いて、基板の電極膜上にP型半導体
(もしくはN型半導体)を直接一括製膜できるため、所
定の膜形状の熱電材料を位置精度良く、しかも形状のバ
ラツキ少なく形成することが可能となる。その結果、熱
電装置を歩留まり良く、低コストで大量に製造すること
が可能である。さらに、製造プロセスの大面積化が容易
であり、連続プロセスで行うことができるため、量産性
に優れ、製造コストを一層下げることが可能となる。ま
た、真空製膜プロセスを用いるため、半導体薄膜の結晶
成長面を制御することが容易となり、熱電材料の性能を
一層高めることができる。
【0060】(実施例7)図11(a)〜(e)及び図
12(a)〜(e)は、本発明の熱電装置(第2の実施
例)の製造方法の他の実施例を示す工程図である。即
ち、本実施例の工程は、図11に示す工程の後に図12
の工程が引続き実施されるものであり、図11と図12
に示す工程が一体となって、本実施例の工程を示すもの
である。本実施例の工程を2つの図面に記載した理由
は、1つの図面用紙の中にこれらすべての工程を記載す
るのが困難であるからである。なお、第2の実施例と同
じ部分には同一番号を付与している。
【0061】まず、図11(a)に示すように、約0.3m
m厚さのシリコン基板20上にCVD法などにより、電
気絶縁性の厚さ50nmの第1の窒化シリコン膜21を製膜
する。
【0062】次に、PVDなどの真空製膜プロセス、リ
ソグラフィーおよびリアクティブイオンエッチング技術
を用いて、この第1の窒化シリコン膜21上にパターニ
ングされた厚さ約70μmの第1の電極膜部22を形成す
る。
【0063】次に、図11(b)に示すように、同様な
手法を用いて、第1の電極膜部22上にP型とN型の熱
電半導体薄膜部群23、24(厚さ1〜10μm)を形成す
る。それぞれの熱電半導体薄膜部群は6×6個のマトリ
ックス状に配置した熱電半導体薄膜部(P型熱電半導体
薄膜部25、N型熱電半導体薄膜部26)から構成され
ている。
【0064】次に、図11(c)に示すように、第1の
電極部22とP型とN型の熱電半導体薄膜部25、26
を覆うように、CVD法により厚さ100nmの第2の窒化
シリコン膜29を製膜する。
【0065】次に、図11(d)に示すように、P型と
N型の熱電半導体薄膜部25、26を形成していない第
2の窒化シリコン膜29上に、CVD法など真空製膜プ
ロセス、リソグラフィーおよびリアクティブイオンエッ
チング技術を用いて犠牲層となる多結晶シリコン膜部4
8を形成する。さらに、この上面にCVD法により厚さ
100nmの第3の窒化シリコン膜30を製膜する。
【0066】次に、図11(e)に示すように、リソグ
ラフィーおよびリアクティブイオンエッチング技術を用
いて、第2および第3の窒化シリコン膜29、30をパ
ターンエッチングして、P型とN型の熱電半導体薄膜部
25、26に到達するコンタクトホール49を形成す
る。
【0067】さらに、図12(a)に示すように、PV
Dなどの真空製膜プロセス、リソグラフィーおよびリア
クティブイオンエッチング技術を用いて、P型とN型の
熱電半導体薄膜部25、26上に、パターニングされた
厚さ約70μmの第2の電極膜部27を形成する。この第
2の電極膜部27は、P型熱電半導体薄膜部群23とN
型熱電半導体薄膜部群24がコンタクトホール49を通
して交互に電気的に直列に、かつ熱的に並列に接合する
ようにパターニングしている。同時に、多結晶シリコン
膜部48をエッチングするためのエッチング孔50も形
成している。このエッチング孔50は、第1の電極膜部
22のパターンの境界の上部に位置するように形成して
いる。
【0068】次に、図12(b)に示すように、第2の
電極膜部27を覆うように、CVD法により厚さ100nm
の第4の窒化シリコン膜31を製膜する。
【0069】次に、図12(c)に示すように、第2の
電極膜部27に形成したエッチング孔50の位置におい
て、下部の犠牲層の多結晶シリコン膜部48に到達する
ように第3および第4の窒化シリコン膜30、31をリ
アクティブイオンエッチングしてエッチング孔50を完
成させる。
【0070】次に、図12(d)に示すように、このエ
ッチング孔50を介して、KOHエッチング液により犠
牲層の多結晶シリコン膜部48をエッチングし、空洞5
1を形成する。
【0071】最後に、図12(e)に示すように、真空
中で第2のシリコン基板32を接着することにより真空
封止して、真空断熱部28を形成している。このように
して、図12(e)に示すような高温端面と低温端面の
間に真空断熱部を形成した熱電装置を作製することがで
きる。
【0072】以上のように、本実施例によれば、真空製
膜を用いることなく、真空中で第2のシリコン基板を接
着するだけで容易に真空封止を行い、真空断熱部を形成
することができる。その結果、一層、量産性に優れ、製
造コストを下げることが可能となる。
【0073】
【発明の効果】以上のように本発明の熱電装置は、熱電
半導体薄膜部以外の高温端面と低温端面の間を真空断熱
部とすることにより熱損失の低減、すなわち熱電効率の
高効率化が達成できる。さらに、全体を薄膜プロセスを
用いて作製できるため、超薄型化・軽量化も図れる。
【0074】また、本発明の熱電装置の製造方法は、真
空製膜プロセス、リソグラフィーおよびリアクティブイ
オンエッチング技術を用いて、熱電半導体薄膜、電極薄
膜などを一括製膜するため、熱電材料を精度良く形成す
ることが可能となり、その結果、熱電装置を歩留まり良
く、低コストで大量に製造することが可能でとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例における熱電装置の縦断
面図
【図2】同実施例における熱電装置のX−X’断面の横
断面図
【図3】本発明の第2の実施例における熱電装置の縦断
面図
【図4】同実施例における熱電装置のX−X’断面の横
断面図
【図5】同実施例における熱電装置のY−Y’断面の横
断面図
【図6】本発明の第3の実施例における熱電装置の縦断
面図
【図7】本発明の第4の実施例における熱電装置の縦断
面図
【図8】本発明の第5の実施例における冷却用の熱電装
置の縦断面図
【図9】本発明の熱電装置の製造方法の一実施例の前半
の工程を示す工程図
【図10】図9の工程に引続き実施される、同実施例方
法の後半の工程図
【図11】本発明の熱電装置の製造方法の他の実施例に
おける前半の工程を示す工程図
【図12】図11の工程に引続き実施される同実施例方
法の後半の工程図
【図13】従来の熱電装置の概略図
【符号の説明】
8、20、41 シリコン基板 10、22 第1の電極膜部 11、25 P型の熱電半導体薄膜部 12、26 N型の熱電半導体薄膜部 13、27 第2の電極膜部 14、28 真空断熱部 23 P型の熱電半導体薄膜部群 24 N型の熱電半導体薄膜部群 32 第2のシリコン基板 42 LSIデバイス 44、48 多結晶シリコン膜部

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板と、前記基板上にパターニングして形
    成した第1の電極膜部と、前記第1の電極膜部上に設け
    た一対のP型とN型の熱電半導体薄膜部もしくはP型・
    N型いずれか一方の熱電半導体薄膜部と、前記熱電半導
    体薄膜部の上面に接し前記P型熱電半導体薄膜部および
    N型熱電半導体薄膜部を交互に電気的に直列にかつ熱的
    に並列に接合する第2の電極膜部と、前記熱電半導体薄
    膜部を形成していない基板上に設けた真空断熱部を備
    え、前記真空断熱部を支持する支柱で真空封止したこと
    を特徴とする熱電装置。
  2. 【請求項2】1枚の基板上に、請求項1記載の第1の電
    極膜部と熱電半導体薄膜部と第2の電極膜部と真空断熱
    部を繰り返し積層したことを特徴とする熱電装置。
  3. 【請求項3】基板の表面上にパターニングして第1の電
    極膜部を形成する工程と、前記第1の電極膜部上に一対
    のP型とN型の熱電半導体薄膜部もしくはP型・N型い
    ずれか一方の熱電半導体薄膜部を形成する工程と、前記
    熱電半導体薄膜部を形成していない基板上に多結晶シリ
    コン膜部を形成する工程と、前記熱電半導体薄膜部の上
    面に接し前記P型熱電半導体薄膜部およびN型熱電半導
    体薄膜部を交互に電気的に直列にかつ熱的に並列に接合
    する第2の電極膜部を形成する工程と、前記多結晶シリ
    コン膜部をエッチングすることにより空洞を形成する工
    程と、真空中でエッチング孔を封止して真空断熱部を形
    成する工程からなる熱電装置の製造方法。
  4. 【請求項4】エッチング孔を封止して真空断熱部を形成
    する工程により、同時に真空断熱部を支持する支柱を形
    成する請求項3記載の熱電装置の製造方法。
  5. 【請求項5】多結晶シリコン膜と比較してエッチレート
    が著しく小さな薄膜を用いて、熱電半導体薄膜部および
    電極膜部を覆うことにより、多結晶シリコン膜のみを選
    択的にエッチングする請求項3記載の熱電装置の製造方
    法。
  6. 【請求項6】第1の基板と、前記第1の基板上にパター
    ニングして形成した第1の電極膜部と、前記第1の電極
    膜部上に設けたP型とN型の熱電半導体薄膜部群もしく
    はP型・N型いずれか一方の熱電半導体薄膜部群と、前
    記熱電半導体薄膜部群の上面に接し前記P型熱電半導体
    薄膜部群およびN型熱電半導体薄膜部群を交互に電気的
    に直列にかつ熱的に並列に接合する第2の電極膜部と、
    熱電半導体薄膜部を形成していない基板上に設けた真空
    断熱部と、前記真空断熱部を真空封止する第2の基板と
    を備え、前記真空断熱部を前記熱電半導体薄膜部群で支
    える構成としたことを特徴とする熱電装置。
  7. 【請求項7】請求項6記載の熱電装置を、熱的接触を確
    保して複数個積層し、下層の第2の基板と上層の第1の
    基板を共用したことを特徴とする熱電装置。
  8. 【請求項8】第1の基板の表面上にパターニングして第
    1の電極膜部を形成する工程と、前記第1の電極膜部上
    にP型とN型の熱電半導体薄膜部群もしくはP型・N型
    いずれか一方の熱電半導体薄膜部群を形成する工程と、
    熱電半導体薄膜部を形成していない基板上に多結晶シリ
    コン膜部を形成する工程と、前記熱電半導体薄膜部群の
    上面に接し前記P型熱電半導体薄膜部群およびN型熱電
    半導体薄膜部群を交互に電気的に直列にかつ熱的に並列
    に接合する第2の電極膜部を形成する工程と、前記多結
    晶シリコン膜部をエッチングすることにより空洞を形成
    する工程と、真空中で第2の基板を第2の電極膜部上に
    接着することによりエッチング孔を封止して真空断熱部
    を形成する工程からなる熱電装置の製造方法。
  9. 【請求項9】多結晶シリコン膜と比較してエッチレート
    が著しく小さな薄膜を用いて、熱電半導体薄膜部および
    電極膜部を覆うことにより、多結晶シリコン膜のみを選
    択的にエッチングする請求項8記載の熱電装置の製造方
    法。
  10. 【請求項10】LSIなどの半導体デバイスが形成され
    た半導体基板上の、前記半導体デバイスの形成された面
    の裏面に薄膜プロセスを用いて直接形成された、半導体
    デバイスを直接冷却するための、請求項1もしくは6記
    載の熱電装置。
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