JPH06136523A - スパッタリングターゲット及びその製造方法 - Google Patents
スパッタリングターゲット及びその製造方法Info
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- JPH06136523A JPH06136523A JP31084192A JP31084192A JPH06136523A JP H06136523 A JPH06136523 A JP H06136523A JP 31084192 A JP31084192 A JP 31084192A JP 31084192 A JP31084192 A JP 31084192A JP H06136523 A JPH06136523 A JP H06136523A
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- sputtering target
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 高融点金属又はその合金から成るスパッタリ
ングターゲット及びその製造方法に関し、信頼性の高い
配線膜の形成を目的とする。 【構成】 高融点金属又はその合金から成るスパッタリ
ングターゲットのスパッタ表面の中心線平均粗さが0.
05〜1μmRaとなるように機械仕上げした後、その平
均粗さをできるだけ保ちながら表面を酸洗いする。これ
により、スパッタリングの際に生ずる異常放電の回数を
減らし、ターゲットから得られる配線膜中に形成される
大きなサイズのパーティクルの個数を減らすことで、L
SI等の配線厚の均一性を高め、配線の短絡等を防止す
る。
ングターゲット及びその製造方法に関し、信頼性の高い
配線膜の形成を目的とする。 【構成】 高融点金属又はその合金から成るスパッタリ
ングターゲットのスパッタ表面の中心線平均粗さが0.
05〜1μmRaとなるように機械仕上げした後、その平
均粗さをできるだけ保ちながら表面を酸洗いする。これ
により、スパッタリングの際に生ずる異常放電の回数を
減らし、ターゲットから得られる配線膜中に形成される
大きなサイズのパーティクルの個数を減らすことで、L
SI等の配線厚の均一性を高め、配線の短絡等を防止す
る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、スパッタリングターゲ
ット及びその製造方法に関し、詳しくは、高融点金属又
はその合金からなるスパッタリングターゲット及びその
製造方法に関する。
ット及びその製造方法に関し、詳しくは、高融点金属又
はその合金からなるスパッタリングターゲット及びその
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】スパッタリング法は薄膜形成の分野で広
く用いられている。このスパッタリング法では、スパッ
タリングターゲットを負電位に、薄膜を形成すべき基板
を正電位に夫々維持して、Ar等のスパッタガスを導入
した真空槽内に双方を対向させて配置する。ターゲット
及び基板の間の電界によりグロー放電が生じ、スパッタ
ガスはこの放電によりイオン化される。生じたイオン
は、電界により加速されてターゲットのスパッタ面に照
射され、スパッタ面からターゲット物質を蒸発させる。
蒸発したターゲット物質は、スパッタ面に対向して配さ
れた基板上に堆積して薄膜を形成する。
く用いられている。このスパッタリング法では、スパッ
タリングターゲットを負電位に、薄膜を形成すべき基板
を正電位に夫々維持して、Ar等のスパッタガスを導入
した真空槽内に双方を対向させて配置する。ターゲット
及び基板の間の電界によりグロー放電が生じ、スパッタ
ガスはこの放電によりイオン化される。生じたイオン
は、電界により加速されてターゲットのスパッタ面に照
射され、スパッタ面からターゲット物質を蒸発させる。
蒸発したターゲット物質は、スパッタ面に対向して配さ
れた基板上に堆積して薄膜を形成する。
【0003】ターゲット材料は、目的とする薄膜組成に
より適宜選択され、例えばLSI等の半導体基板上に、
タングステン、モリブデン、チタン等の高融点金属又は
その合金からなる配線膜を形成するときには、その目的
とする配線と同じ高融点金属又は同じ組成を有する合金
から成るターゲットが使用される。
より適宜選択され、例えばLSI等の半導体基板上に、
タングステン、モリブデン、チタン等の高融点金属又は
その合金からなる配線膜を形成するときには、その目的
とする配線と同じ高融点金属又は同じ組成を有する合金
から成るターゲットが使用される。
【0004】ここで、本明細書において高融点金属又は
その合金とは、アルミニウム又は銅に比して融点が高い
金属又はその合金をいい、特にLSI等の配線材料とし
て好適な、タングステン、モリブデン等の金属及びその
合金を指すものとする。また、以下においては、高融点
金属及びその合金を併せて単に高融点金属とも呼ぶこと
とする。
その合金とは、アルミニウム又は銅に比して融点が高い
金属又はその合金をいい、特にLSI等の配線材料とし
て好適な、タングステン、モリブデン等の金属及びその
合金を指すものとする。また、以下においては、高融点
金属及びその合金を併せて単に高融点金属とも呼ぶこと
とする。
【0005】高融点金属からなるスパッタリングターゲ
ットの製作にあたっては、まず、所定の混合比の原料に
対し所定の温度及び時間による焼結を行うことによりタ
ーゲット素材を得る。引続き、この素材に対し、円板状
又は矩形平板状となるように研削、研磨等の機械加工を
施す。その後、有機溶剤等による洗浄処理を行い、機械
加工により発生した研削、研磨屑等を除去する。
ットの製作にあたっては、まず、所定の混合比の原料に
対し所定の温度及び時間による焼結を行うことによりタ
ーゲット素材を得る。引続き、この素材に対し、円板状
又は矩形平板状となるように研削、研磨等の機械加工を
施す。その後、有機溶剤等による洗浄処理を行い、機械
加工により発生した研削、研磨屑等を除去する。
【0006】スパッタリング法により薄膜を形成する
と、その薄膜の一部に微細な金属粒子(パーティクル)
が形成されることが知られている。高融点金属から成る
薄膜中にかかるパーティクルが存在すると、その部分の
薄膜の膜厚が不均一となり、且つパーティクルのエッヂ
部分が薄膜の滑らかさを損う。LSI等の配線膜中にか
かるパーティクルが存在すると、このパーティクルは、
その上部に形成されるSiO2等の絶縁膜を損傷すること
があり、パーティクル部分とその上層の配線との間で層
間の絶縁破壊を生ずる原因となる。このように、パーテ
ィクルは、LSI等の信頼性を損ね、或いはその歩留り
を低下させる原因となり得る。
と、その薄膜の一部に微細な金属粒子(パーティクル)
が形成されることが知られている。高融点金属から成る
薄膜中にかかるパーティクルが存在すると、その部分の
薄膜の膜厚が不均一となり、且つパーティクルのエッヂ
部分が薄膜の滑らかさを損う。LSI等の配線膜中にか
かるパーティクルが存在すると、このパーティクルは、
その上部に形成されるSiO2等の絶縁膜を損傷すること
があり、パーティクル部分とその上層の配線との間で層
間の絶縁破壊を生ずる原因となる。このように、パーテ
ィクルは、LSI等の信頼性を損ね、或いはその歩留り
を低下させる原因となり得る。
【0007】上記に鑑み、スパッタリング法により形成
されるパーティクルの大きさをできるだけ小さくすると
共にその個数を減らすことが重要である。この目的のた
め、一般に高融点金属のスパッタリングターゲットで
は、その表面をできるだけ滑らかに機械仕上げすると共
に有機溶剤による洗浄等が行われている。
されるパーティクルの大きさをできるだけ小さくすると
共にその個数を減らすことが重要である。この目的のた
め、一般に高融点金属のスパッタリングターゲットで
は、その表面をできるだけ滑らかに機械仕上げすると共
に有機溶剤による洗浄等が行われている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、高融点金属か
らなるスパッタリングターゲットについて、そのスパッ
タ面の仕上状態と、これから得られる配線膜中に形成さ
れるパーティクルの大きさ及び個数との関係は充分に解
明されていない。このため、従来は、スパッタリング法
で形成される高融点金属薄膜中においてパーティクルの
発生を有効に防止することが出来なかった。
らなるスパッタリングターゲットについて、そのスパッ
タ面の仕上状態と、これから得られる配線膜中に形成さ
れるパーティクルの大きさ及び個数との関係は充分に解
明されていない。このため、従来は、スパッタリング法
で形成される高融点金属薄膜中においてパーティクルの
発生を有効に防止することが出来なかった。
【0009】本発明は、上記問題を解決するため、スパ
ッタリング法で形成される高融点金属薄膜中のパーティ
クルのサイズを小さく且つその個数を少く抑えることが
でき、従って、高い信頼性を有する配線パターンの形成
が可能な、高融点金属から成るスパッタリングターゲッ
ト及びその製造方法を提供することを目的とする。
ッタリング法で形成される高融点金属薄膜中のパーティ
クルのサイズを小さく且つその個数を少く抑えることが
でき、従って、高い信頼性を有する配線パターンの形成
が可能な、高融点金属から成るスパッタリングターゲッ
ト及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段及び作用】前記目的を達成
するため、本発明のスパッタリングターゲットは、高融
点金属又はその合金から成るスパッタリングターゲット
において、スパッタ面の中心線平均粗さが0.05〜1
μmRaであることを特徴とするものである。
するため、本発明のスパッタリングターゲットは、高融
点金属又はその合金から成るスパッタリングターゲット
において、スパッタ面の中心線平均粗さが0.05〜1
μmRaであることを特徴とするものである。
【0011】また、本発明のスパッタリングターゲット
の製造方法は、高融点金属又はその合金から成るスパッ
タリングターゲットの製造方法において、スパッタ面の
中心線平均粗さが0.05〜1μmRaとなるようにスパ
ッタ面を機械加工した後、少なくとも該スパッタ面を酸
洗いする工程を含むことを特徴とするものである。
の製造方法は、高融点金属又はその合金から成るスパッ
タリングターゲットの製造方法において、スパッタ面の
中心線平均粗さが0.05〜1μmRaとなるようにスパ
ッタ面を機械加工した後、少なくとも該スパッタ面を酸
洗いする工程を含むことを特徴とするものである。
【0012】本発明者らは、高融点金属又はその合金か
ら成るスパッタリングターゲットについて、その機械加
工による仕上げ精度及びその表面処理方法の検討を行
い、またその検討に基づいて実験を重ねた。その結果、
スパッタリングターゲットのスパッタ面の表面粗さ及び
表面処理方法と、このターゲットから形成される配線膜
の品質との関係について、本発明の基礎を成す知見を獲
得するに至った。
ら成るスパッタリングターゲットについて、その機械加
工による仕上げ精度及びその表面処理方法の検討を行
い、またその検討に基づいて実験を重ねた。その結果、
スパッタリングターゲットのスパッタ面の表面粗さ及び
表面処理方法と、このターゲットから形成される配線膜
の品質との関係について、本発明の基礎を成す知見を獲
得するに至った。
【0013】上記知見によれば、高融点金属から成るス
パッタリングターゲットのスパッタ面の中心線平均粗さ
を0.05〜1μmRaの範囲とすれば、このターゲット
からスパッタリング法により形成される配線膜中におい
て、配線膜の均一性を損ねると共に絶縁膜を損傷する原
因となり得る大きなサイズのパーティクルの個数が減少
する。また、機械加工においてスパッタ面の中心線平均
粗さを0.05〜1μmRaとし、そのスパッタ面を、好
適にはその機械加工時の表面粗さを保つように、酸洗い
することにより、前記大きなサイズのパーティクルの発
生を更に効果的に抑えることができるものである。
パッタリングターゲットのスパッタ面の中心線平均粗さ
を0.05〜1μmRaの範囲とすれば、このターゲット
からスパッタリング法により形成される配線膜中におい
て、配線膜の均一性を損ねると共に絶縁膜を損傷する原
因となり得る大きなサイズのパーティクルの個数が減少
する。また、機械加工においてスパッタ面の中心線平均
粗さを0.05〜1μmRaとし、そのスパッタ面を、好
適にはその機械加工時の表面粗さを保つように、酸洗い
することにより、前記大きなサイズのパーティクルの発
生を更に効果的に抑えることができるものである。
【0014】従来、一般に高融点金属からなるターゲッ
トのスパッタ面の表面粗さは、その数値が小さいほど好
ましいものと考えられていた。しかし、本発明によれ
ば、スパッタ面の中心線平均粗さを0.05〜1μmRa
の範囲とすることにより、スパッタリングの際に生ずる
異常放電の回数が減少し、その結果、配線膜中に形成さ
れる大きなサイズのパーティクルの個数が減少すること
が明らかにされた。即ち、表面粗さの数値をあまり小さ
くすると、却ってパーティクルの増加の原因となること
が判明した
トのスパッタ面の表面粗さは、その数値が小さいほど好
ましいものと考えられていた。しかし、本発明によれ
ば、スパッタ面の中心線平均粗さを0.05〜1μmRa
の範囲とすることにより、スパッタリングの際に生ずる
異常放電の回数が減少し、その結果、配線膜中に形成さ
れる大きなサイズのパーティクルの個数が減少すること
が明らかにされた。即ち、表面粗さの数値をあまり小さ
くすると、却ってパーティクルの増加の原因となること
が判明した
【0015】また、機械加工後のターゲット表面は、有
機溶剤による超音波洗浄等が行われるのが通例である。
即ち、一般的に洗浄効果が極めて大きな酸洗いは、ター
ゲットの特にスパッタ面の滑らかさを損うおそれがあ
り、通常は実施されなかったものである。しかし、本発
明に従い、スパッタリングターゲットのスパッタ面の平
均粗さを前記の通り機械加工した後、このスパッタ面を
を酸洗いすることにより、得られる薄膜の品質が更に向
上することが確認された。
機溶剤による超音波洗浄等が行われるのが通例である。
即ち、一般的に洗浄効果が極めて大きな酸洗いは、ター
ゲットの特にスパッタ面の滑らかさを損うおそれがあ
り、通常は実施されなかったものである。しかし、本発
明に従い、スパッタリングターゲットのスパッタ面の平
均粗さを前記の通り機械加工した後、このスパッタ面を
を酸洗いすることにより、得られる薄膜の品質が更に向
上することが確認された。
【0016】上記において、スパッタ面を機械加工仕上
げ後に酸洗いすることにより更に薄膜の品質が向上する
ことは、スパッタ面に形成された微細な凹部又はクラッ
ク内に入り込む等して、有機溶剤等による洗浄では容易
に除去できない微細な研磨屑等が、この酸洗いにより容
易に除去できることによるものと考えられる。
げ後に酸洗いすることにより更に薄膜の品質が向上する
ことは、スパッタ面に形成された微細な凹部又はクラッ
ク内に入り込む等して、有機溶剤等による洗浄では容易
に除去できない微細な研磨屑等が、この酸洗いにより容
易に除去できることによるものと考えられる。
【0017】上記酸洗いにおいては、好ましくは、機械
加工により得られた緻密な表面をできるだけ維持し、酸
洗い前後における中心線平均粗さを相互に同じ程度とす
る。この目的のため、スパッタリングターゲットの表面
を特に荒らす種類の酸の使用を避け、また、表面状態の
緻密性を損うような長時間の酸洗いを避けることが望ま
しい。好ましい酸としては、例えば硝酸及び弗酸の混合
酸が使用される。
加工により得られた緻密な表面をできるだけ維持し、酸
洗い前後における中心線平均粗さを相互に同じ程度とす
る。この目的のため、スパッタリングターゲットの表面
を特に荒らす種類の酸の使用を避け、また、表面状態の
緻密性を損うような長時間の酸洗いを避けることが望ま
しい。好ましい酸としては、例えば硝酸及び弗酸の混合
酸が使用される。
【0018】
【好適な実施の態様】本発明の高融点金属からなるスパ
ッタリングターゲットは好適には以下のように得られ
る。即ち、例えば原料となるタングステン及びシリコン
を混合して、約1500℃で約6時間の焼結を行う。得
られたターゲット素材を、旋盤、フライス盤等による研
削加工により所定の形状とし、更に、所定の研磨紙等を
利用して、スパッタ面の中心線平均粗さが0.05〜1
μmRaとなるようにスパッタ面を研磨する。
ッタリングターゲットは好適には以下のように得られ
る。即ち、例えば原料となるタングステン及びシリコン
を混合して、約1500℃で約6時間の焼結を行う。得
られたターゲット素材を、旋盤、フライス盤等による研
削加工により所定の形状とし、更に、所定の研磨紙等を
利用して、スパッタ面の中心線平均粗さが0.05〜1
μmRaとなるようにスパッタ面を研磨する。
【0019】次に、HNO3:HF(弗酸):H2Oのモ
ル比が1:1:4である、硝酸及び弗酸の混合酸によっ
てターゲット表面を酸洗いする。酸洗いは、研磨後のス
パッタ面の表面粗さが損われないような時間及び方法と
する。例えば、スパッタリングターゲットを上記酸の溶
液中に2〜5分間、より好ましくは約3分間浸漬するの
みでそのまま引き上げることで酸洗いを行う。これによ
り、機械加工による微細研磨屑或いは微細粉砕部がスパ
ッタ面から除去され、また、機械加工で得られた表面粗
さが酸洗い後も同程度に維持される。前記酸の溶液中で
特に10分以上の浸漬を行うと、本発明における酸洗浄
の効果が得られない。
ル比が1:1:4である、硝酸及び弗酸の混合酸によっ
てターゲット表面を酸洗いする。酸洗いは、研磨後のス
パッタ面の表面粗さが損われないような時間及び方法と
する。例えば、スパッタリングターゲットを上記酸の溶
液中に2〜5分間、より好ましくは約3分間浸漬するの
みでそのまま引き上げることで酸洗いを行う。これによ
り、機械加工による微細研磨屑或いは微細粉砕部がスパ
ッタ面から除去され、また、機械加工で得られた表面粗
さが酸洗い後も同程度に維持される。前記酸の溶液中で
特に10分以上の浸漬を行うと、本発明における酸洗浄
の効果が得られない。
【0020】
【実施例】以下の如く、本発明の実施例及び比較例のス
パッタリングターゲットを試作した。
パッタリングターゲットを試作した。
【0021】スパッタリングターゲットの材料として
は、タングステンシリサイドを採用した。タングステン
及びシリコンを混合して1500℃で約6時間の焼結の
後、超合金等から成る研削工具により研削した。試料1
は、研削の後バフ研磨により研磨して、そのスパッタ面
の中心線平均粗さが0.01μmRaとなるように、ま
た、試料2及び3は夫々、所定の番手の研磨紙を使用し
てそのスパッタ面の中心線平均粗さが0.05μmRa及
び0.3μmRaとなるように研磨した。更に、試料4及
び5は、上記研削で夫々スパッタ面の中心線平均粗さが
1.0μmRa及び2.0μmRaとなるように研削粗さを
設定し、特別な研磨を施さなかった。夫々の試料ターゲ
ットは2つづつ製作した。試料1及び試料5は比較例の
ターゲットであり、試料2〜試料4は本発明の実施例の
スパッタリングターゲットである。
は、タングステンシリサイドを採用した。タングステン
及びシリコンを混合して1500℃で約6時間の焼結の
後、超合金等から成る研削工具により研削した。試料1
は、研削の後バフ研磨により研磨して、そのスパッタ面
の中心線平均粗さが0.01μmRaとなるように、ま
た、試料2及び3は夫々、所定の番手の研磨紙を使用し
てそのスパッタ面の中心線平均粗さが0.05μmRa及
び0.3μmRaとなるように研磨した。更に、試料4及
び5は、上記研削で夫々スパッタ面の中心線平均粗さが
1.0μmRa及び2.0μmRaとなるように研削粗さを
設定し、特別な研磨を施さなかった。夫々の試料ターゲ
ットは2つづつ製作した。試料1及び試料5は比較例の
ターゲットであり、試料2〜試料4は本発明の実施例の
スパッタリングターゲットである。
【0022】上記試料1〜試料5のスパッタリングター
ゲット試料の各一方について、硝酸及び弗酸から成る混
合酸(HNO3:HF:H2O=1:1:4のモル比)を
使用した表面処理を常温で行った。これら試料を試料A
グループとした。この表面処理においては、特に、各試
料の元の表面粗さがそのまま保たれるように、約3分間
の浸漬のみとした。また、同様に夫々の試料(試料1〜
試料5)の各他方について、有機溶剤による超音波洗浄
を行い、これを試料Bグループとした。
ゲット試料の各一方について、硝酸及び弗酸から成る混
合酸(HNO3:HF:H2O=1:1:4のモル比)を
使用した表面処理を常温で行った。これら試料を試料A
グループとした。この表面処理においては、特に、各試
料の元の表面粗さがそのまま保たれるように、約3分間
の浸漬のみとした。また、同様に夫々の試料(試料1〜
試料5)の各他方について、有機溶剤による超音波洗浄
を行い、これを試料Bグループとした。
【0023】上記試料A及びBグループの各ターゲット
試料(試料1〜試料5)を夫々使用してスパッタリング
を行い、6インチウエハ上のSiO2絶縁膜上に1μm厚
みの金属薄膜を形成した。各ターゲットから得られた夫
々の薄膜内に存在するパーティクルの個数を測定するこ
ととした。測定は、日立製作所株式会社製、レーザ光式
パーティクルカウンタLS5000を使用し、その検出
限界である0.28μm以上の直径を有するパーティク
ルの個数を測定することで行った。その結果を表−1の
Aグループ及びBグループの欄に示す。
試料(試料1〜試料5)を夫々使用してスパッタリング
を行い、6インチウエハ上のSiO2絶縁膜上に1μm厚
みの金属薄膜を形成した。各ターゲットから得られた夫
々の薄膜内に存在するパーティクルの個数を測定するこ
ととした。測定は、日立製作所株式会社製、レーザ光式
パーティクルカウンタLS5000を使用し、その検出
限界である0.28μm以上の直径を有するパーティク
ルの個数を測定することで行った。その結果を表−1の
Aグループ及びBグループの欄に示す。
【0024】
【表1】
【0025】表−1に見るごとく、本発明の実施例のス
パッタリングターゲットを成す試料2〜試料4について
は、試料Aグループのみならず試料Bグループから得ら
れた薄膜においても、0.28μm以上の直径を有する
パーティクルの個数がほぼ50以下程度に納まってい
る。しかし、比較例のターゲット試料1及び試料5の
内、特に試料Bグループから得られた薄膜では、同様な
パーティクルの個数が80以上もある。このように、本
発明の実施例のスパッタリングターゲット(試料2〜
4)から得られた配線は、スパッタ面について有機溶剤
による超音波洗浄方法を採用した場合でも、比較例のス
パッタリングターゲット(試料1及び5)から得られた
配線に比して、配線膜中のパーティクルの個数が少い。
従って、実施例のターゲット試料2〜4から得られた薄
膜の品質の高いことが明かとなった。
パッタリングターゲットを成す試料2〜試料4について
は、試料Aグループのみならず試料Bグループから得ら
れた薄膜においても、0.28μm以上の直径を有する
パーティクルの個数がほぼ50以下程度に納まってい
る。しかし、比較例のターゲット試料1及び試料5の
内、特に試料Bグループから得られた薄膜では、同様な
パーティクルの個数が80以上もある。このように、本
発明の実施例のスパッタリングターゲット(試料2〜
4)から得られた配線は、スパッタ面について有機溶剤
による超音波洗浄方法を採用した場合でも、比較例のス
パッタリングターゲット(試料1及び5)から得られた
配線に比して、配線膜中のパーティクルの個数が少い。
従って、実施例のターゲット試料2〜4から得られた薄
膜の品質の高いことが明かとなった。
【0026】従来は、表面粗さの数値が小さいターゲッ
トからは一般に良好な薄膜が得られるものと考えられて
いた。しかし、表−1の試料1の欄に示したパーティク
ルの個数(50及び104)に見るごとく、現実には、
ターゲットの表面粗さの数値がある限度以上に小さくな
ると、形成されるパーティクルの個数が逆に増加し、得
られる配線膜の品質が低下することが上記試験結果から
得られた。
トからは一般に良好な薄膜が得られるものと考えられて
いた。しかし、表−1の試料1の欄に示したパーティク
ルの個数(50及び104)に見るごとく、現実には、
ターゲットの表面粗さの数値がある限度以上に小さくな
ると、形成されるパーティクルの個数が逆に増加し、得
られる配線膜の品質が低下することが上記試験結果から
得られた。
【0027】上記理由は、必ずしも明らかではないが、
例えば、あまり表面粗さの数値を小さく機械仕上げする
と、機械加工時に完全には削り取られなかった極めて微
小な微細粉砕部が表面に付着したまま残ること、又は、
機械加工時にスパッタ面に形成される微細な凹み又はク
ラック中に微細な研磨屑が入り込むこと等が原因と考え
られる。この微細粉砕部又は研磨屑は、有機溶剤による
洗浄等によっても除去できず、スパッタリングの際にス
パッタ面において異常放電を引き起こし、この異常放電
が、サイズの大きなパーティクルを配線膜中に形成する
ものと考えられる。
例えば、あまり表面粗さの数値を小さく機械仕上げする
と、機械加工時に完全には削り取られなかった極めて微
小な微細粉砕部が表面に付着したまま残ること、又は、
機械加工時にスパッタ面に形成される微細な凹み又はク
ラック中に微細な研磨屑が入り込むこと等が原因と考え
られる。この微細粉砕部又は研磨屑は、有機溶剤による
洗浄等によっても除去できず、スパッタリングの際にス
パッタ面において異常放電を引き起こし、この異常放電
が、サイズの大きなパーティクルを配線膜中に形成する
ものと考えられる。
【0028】また、表−1において、試料Aグループと
試料Bグループとを比較すると、試料1〜試料5のター
ゲット全体において、試料Aグループから得られた薄膜
中に存在する0.28μm以上の直径のパーティクル個
数は、試料Bグループから得られた薄膜中の同様なパー
ティクル個数の約60%以下となっている。特に、本発
明のスパッタリングターゲットの製造方法によりターゲ
ット試料2〜試料4から製造された試料Aグループのタ
ーゲットからは、パーティクル個数が極めて少い(24
〜32)良好な薄膜が得られた。
試料Bグループとを比較すると、試料1〜試料5のター
ゲット全体において、試料Aグループから得られた薄膜
中に存在する0.28μm以上の直径のパーティクル個
数は、試料Bグループから得られた薄膜中の同様なパー
ティクル個数の約60%以下となっている。特に、本発
明のスパッタリングターゲットの製造方法によりターゲ
ット試料2〜試料4から製造された試料Aグループのタ
ーゲットからは、パーティクル個数が極めて少い(24
〜32)良好な薄膜が得られた。
【0029】一般的には、機械加工後の酸によるターゲ
ットの表面処理は、機械仕上げされたターゲットの特に
スパッタ面を損うものと考えられており、採用される例
は少なかった。しかし、上記のごとく、本発明に従い所
定の仕上精度の機械加工後に酸洗浄を行うと、機械加工
後にスパッタ面に残存する微小粉砕部又は研磨屑がこの
酸洗いにより効果的に除去できるため、異常放電の発生
を抑えることと考えられる。酸洗い後、純水で、更に引
続き有機溶剤等でこの酸を洗浄することにより、製品と
なるスパッタリングターゲットを得ることができる。
ットの表面処理は、機械仕上げされたターゲットの特に
スパッタ面を損うものと考えられており、採用される例
は少なかった。しかし、上記のごとく、本発明に従い所
定の仕上精度の機械加工後に酸洗浄を行うと、機械加工
後にスパッタ面に残存する微小粉砕部又は研磨屑がこの
酸洗いにより効果的に除去できるため、異常放電の発生
を抑えることと考えられる。酸洗い後、純水で、更に引
続き有機溶剤等でこの酸を洗浄することにより、製品と
なるスパッタリングターゲットを得ることができる。
【0030】なお、酸洗いの際には、できるだけ、機械
加工後の表面粗さをそのまま維持することが望ましく、
前記の如く、極めて短時間単に浸漬するのみがよい。使
用する酸としては、前記組成の混合酸が特に良好であ
る。なお、酸の混合比及び浸漬時間の長さを適当に組合
せ出来ることは言うまでもない。
加工後の表面粗さをそのまま維持することが望ましく、
前記の如く、極めて短時間単に浸漬するのみがよい。使
用する酸としては、前記組成の混合酸が特に良好であ
る。なお、酸の混合比及び浸漬時間の長さを適当に組合
せ出来ることは言うまでもない。
【0031】本発明の高融点金属又は合金のスパッタリ
ングターゲット材料の例としては、Mo、W、MoSi2、
WSi2、TaSi2、TiSi2、CoSi2、PtSi、PtS
i2、HfN、ZrN、TiN、TaN等が挙げられる。
ングターゲット材料の例としては、Mo、W、MoSi2、
WSi2、TaSi2、TiSi2、CoSi2、PtSi、PtS
i2、HfN、ZrN、TiN、TaN等が挙げられる。
【0032】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のスパッタ
リングターゲット及びその製造方法によると、スパッタ
リング法による薄膜形成に際して、その薄膜中に形成さ
れるサイズの大きなパーティクルの個数が減少するの
で、特にLSI等の配線膜の形成に採用した場合には、
形成される膜厚が均一となり、パーティクルに起因する
配線の短絡等の障害を防止できるため、LSI等の配線
の信頼性が向上する。
リングターゲット及びその製造方法によると、スパッタ
リング法による薄膜形成に際して、その薄膜中に形成さ
れるサイズの大きなパーティクルの個数が減少するの
で、特にLSI等の配線膜の形成に採用した場合には、
形成される膜厚が均一となり、パーティクルに起因する
配線の短絡等の障害を防止できるため、LSI等の配線
の信頼性が向上する。
Claims (3)
- 【請求項1】 高融点金属又はその合金から成るスパッ
タリングターゲットにおいて、スパッタ面の中心線平均
粗さが0.05〜1μmRaであることを特徴とするスパ
ッタリングターゲット。 - 【請求項2】 高融点金属又はその合金から成るスパッ
タリングターゲットの製造方法において、スパッタ面の
中心線平均粗さが0.05〜1μmRaとなるようにスパ
ッタ面を機械加工した後、少なくとも該スパッタ面を酸
洗いする工程を含むことを特徴とするスパッタリングタ
ーゲットの製造方法 - 【請求項3】 前記酸洗いは、硝酸及び弗酸の混合酸に
スパッタリングターゲットを浸漬することにより行われ
ることを特徴とする請求項2記載のスパッタリングター
ゲットの製造方法
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31084192A JPH06136523A (ja) | 1992-10-27 | 1992-10-27 | スパッタリングターゲット及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31084192A JPH06136523A (ja) | 1992-10-27 | 1992-10-27 | スパッタリングターゲット及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06136523A true JPH06136523A (ja) | 1994-05-17 |
Family
ID=18010038
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP31084192A Pending JPH06136523A (ja) | 1992-10-27 | 1992-10-27 | スパッタリングターゲット及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06136523A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US9279178B2 (en) | 2007-04-27 | 2016-03-08 | Honeywell International Inc. | Manufacturing design and processing methods and apparatus for sputtering targets |
-
1992
- 1992-10-27 JP JP31084192A patent/JPH06136523A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US9279178B2 (en) | 2007-04-27 | 2016-03-08 | Honeywell International Inc. | Manufacturing design and processing methods and apparatus for sputtering targets |
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