JPH06136275A - 樹脂組成物 - Google Patents
樹脂組成物Info
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- JPH06136275A JPH06136275A JP31138692A JP31138692A JPH06136275A JP H06136275 A JPH06136275 A JP H06136275A JP 31138692 A JP31138692 A JP 31138692A JP 31138692 A JP31138692 A JP 31138692A JP H06136275 A JPH06136275 A JP H06136275A
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- resin composition
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 樹脂に、補強材として、平均の大きさ1〜1
00μm、厚さ0.01〜2μm、アスペクト比30以
上の薄片形状を有するチタン酸カリウム粒子を2〜50
重量%配合した樹脂組成物。 【効果】 成形品は、補強材の充填効果として強度、剛
性、衝撃強度等が高く、耐熱性にもすぐれている。成形
加工(射出成形等)における配向が少ないので、成形収
縮率の異方性が小さく、寸法精度が良好であり、諸物性
の異方性も少ない。自動車部品、家電製品、電子事務機
器、建材等の成形材料として有用である。顔料、着色剤
等により使途に応じた着色が可能であり、内部部品はも
とより外装材用としても使用できる。
00μm、厚さ0.01〜2μm、アスペクト比30以
上の薄片形状を有するチタン酸カリウム粒子を2〜50
重量%配合した樹脂組成物。 【効果】 成形品は、補強材の充填効果として強度、剛
性、衝撃強度等が高く、耐熱性にもすぐれている。成形
加工(射出成形等)における配向が少ないので、成形収
縮率の異方性が小さく、寸法精度が良好であり、諸物性
の異方性も少ない。自動車部品、家電製品、電子事務機
器、建材等の成形材料として有用である。顔料、着色剤
等により使途に応じた着色が可能であり、内部部品はも
とより外装材用としても使用できる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車部品、事務機器
部品、家電製品部品、建築・住宅関連部材等の成形材料
として有用な、強度、剛性、耐衝撃性、耐熱性、寸法安
定性等にすぐれた樹脂組成物に関する。
部品、家電製品部品、建築・住宅関連部材等の成形材料
として有用な、強度、剛性、耐衝撃性、耐熱性、寸法安
定性等にすぐれた樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】樹脂を強化するフイラーとして一般にガ
ラス繊維が使用されているが、ガラス繊維を配合した樹
脂組成物は、成形加工時の繊維の配向に伴つて生じる成
形収縮率の異方性が大きいため、反り変形を生じ易く、
また成形品の強度等の物性に異方性を生じ易い。そこ
で、成形加工時の配向とそれに伴う異方性を可及的に抑
えながら樹脂を強化する添加材として、タルク(マグネ
シウムのけい酸塩鉱物)や、マイカ(ふつ素含有金雲
母)等の薄片形状を有するフイラーが使用されている。
ラス繊維が使用されているが、ガラス繊維を配合した樹
脂組成物は、成形加工時の繊維の配向に伴つて生じる成
形収縮率の異方性が大きいため、反り変形を生じ易く、
また成形品の強度等の物性に異方性を生じ易い。そこ
で、成形加工時の配向とそれに伴う異方性を可及的に抑
えながら樹脂を強化する添加材として、タルク(マグネ
シウムのけい酸塩鉱物)や、マイカ(ふつ素含有金雲
母)等の薄片形状を有するフイラーが使用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】タルクは白色の薄片状
物質であるので、これをフイラーとする樹脂組成物は、
顔料や着色剤の配合により、成形品の使途に応じた任意
の色に着色することができる。しかし、タルクの使用に
よる樹脂の補強効果は低く、しかも300℃以上の温度
で結晶水を放出する脱水反応が生じ、熱的安定性に乏し
い。このため、その使途は、ポリプロピレンやポリエス
テル等の汎用プラスチツクを対象とし、例えば自動車用
インストルメントパネル、食品容器等の成形品の材質改
善に利用されるにとどまるものである。他方、マイカ
は、補強効果にすぐれ、かつ脱水反応温度も比較的高く
(約400℃以上)、良好な熱的安定性を有しているの
で、ポリアミド(例えばナイロン6)やポリブチレンテ
レフタレート等のエンジニアリングプラスチツクを対象
とする補強材として有用である。しかし、マイカの充填
により樹脂組成物は有色(茶色)となり、顔料や着色剤
を配合して所望の色に着色することが困難である。この
ため、その成形品は、直接目に触れることのない内部部
品等の使用に限定されている。本発明は、上記に鑑み、
強度、剛性、耐熱性等にすぐれ、かつその物性や成形収
縮率等の異方性の小さい成形品を成形することができる
と共に、顔料や着色剤の配合により成形品の使途に応じ
て任意に着色することができる樹脂組成物を提供するも
のである。
物質であるので、これをフイラーとする樹脂組成物は、
顔料や着色剤の配合により、成形品の使途に応じた任意
の色に着色することができる。しかし、タルクの使用に
よる樹脂の補強効果は低く、しかも300℃以上の温度
で結晶水を放出する脱水反応が生じ、熱的安定性に乏し
い。このため、その使途は、ポリプロピレンやポリエス
テル等の汎用プラスチツクを対象とし、例えば自動車用
インストルメントパネル、食品容器等の成形品の材質改
善に利用されるにとどまるものである。他方、マイカ
は、補強効果にすぐれ、かつ脱水反応温度も比較的高く
(約400℃以上)、良好な熱的安定性を有しているの
で、ポリアミド(例えばナイロン6)やポリブチレンテ
レフタレート等のエンジニアリングプラスチツクを対象
とする補強材として有用である。しかし、マイカの充填
により樹脂組成物は有色(茶色)となり、顔料や着色剤
を配合して所望の色に着色することが困難である。この
ため、その成形品は、直接目に触れることのない内部部
品等の使用に限定されている。本発明は、上記に鑑み、
強度、剛性、耐熱性等にすぐれ、かつその物性や成形収
縮率等の異方性の小さい成形品を成形することができる
と共に、顔料や着色剤の配合により成形品の使途に応じ
て任意に着色することができる樹脂組成物を提供するも
のである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の樹脂組成物は、
樹脂中に、平均の大きさ1〜100μm、厚さ0.01
〜2μm、アスペクト比30以上である薄片形状のチタ
ン酸カリウム粒子が2〜50重量%配合されていること
を特徴としている。本発明の樹脂組成物のフイラーとし
て配合される薄片状チタン酸カリウム粒子の形状につい
て、平均の大きさとは、薄片状粒子の最長さしわたし径
と最短さしわたし径の和を2で除した値、厚さとは、薄
片状粒子の最厚部の厚さである。また、アスペクト比は
「長さ/厚さ」の比(「長さ」は最長さしわたし径)で
ある。
樹脂中に、平均の大きさ1〜100μm、厚さ0.01
〜2μm、アスペクト比30以上である薄片形状のチタ
ン酸カリウム粒子が2〜50重量%配合されていること
を特徴としている。本発明の樹脂組成物のフイラーとし
て配合される薄片状チタン酸カリウム粒子の形状につい
て、平均の大きさとは、薄片状粒子の最長さしわたし径
と最短さしわたし径の和を2で除した値、厚さとは、薄
片状粒子の最厚部の厚さである。また、アスペクト比は
「長さ/厚さ」の比(「長さ」は最長さしわたし径)で
ある。
【0005】
【作用】上記薄片状チタン酸カリウム粒子は、その特徴
的な薄片形状効果として樹脂の補強効果が高く、かつ成
形加工時の配向が少なく、しかもタルクやマイカ等のよ
うな脱水反応を生じず(結晶水なし)、耐熱性にすぐ
れ、化学的にも極めて安定している。これを補強材とし
て含有する本発明の樹脂組成物より製造される成形品
は、マイカやガラス繊維で強化された樹脂成形品と同等
ないしこれを凌ぐ強度、剛性(高弾性係数)、耐衝撃性
等の機械性質を有し、耐熱性(熱変形温度)も高い。ま
た、ガラス繊維を使用した樹脂組成物と異なつて成形加
工での配向が小さいので、成形収縮率や成形品の諸物性
の異方性が小さく、マイカやタルクを使用した樹脂成形
品と同等の良好な等方性が確保される。更に、薄片状チ
タン酸カリウム粒子は、自体白色の粒子であるので、マ
イカを含有した樹脂のような着色の制限をうけず、各種
の顔料や着色剤を配合して成形品の使途に応じた任意の
色に着色することができる。
的な薄片形状効果として樹脂の補強効果が高く、かつ成
形加工時の配向が少なく、しかもタルクやマイカ等のよ
うな脱水反応を生じず(結晶水なし)、耐熱性にすぐ
れ、化学的にも極めて安定している。これを補強材とし
て含有する本発明の樹脂組成物より製造される成形品
は、マイカやガラス繊維で強化された樹脂成形品と同等
ないしこれを凌ぐ強度、剛性(高弾性係数)、耐衝撃性
等の機械性質を有し、耐熱性(熱変形温度)も高い。ま
た、ガラス繊維を使用した樹脂組成物と異なつて成形加
工での配向が小さいので、成形収縮率や成形品の諸物性
の異方性が小さく、マイカやタルクを使用した樹脂成形
品と同等の良好な等方性が確保される。更に、薄片状チ
タン酸カリウム粒子は、自体白色の粒子であるので、マ
イカを含有した樹脂のような着色の制限をうけず、各種
の顔料や着色剤を配合して成形品の使途に応じた任意の
色に着色することができる。
【0006】以下、本発明について詳しく説明する。本
発明の樹脂組成物における薄片状チタン酸カリウム粒子
は、一般式:K2 O・nTiO2 (nは正数)で表され
る結晶質の合成無機化合物粒子(多結晶粒子)である。
その代表的な具体例として、六チタン酸カリウム粒子
(K2 Ti6 O13)、四チタン酸カリウム粒子(K2 T
i4 O9 )、八チタン酸カリウム粒子(K2 Ti
8 O17)等が挙げられる。これらの粒子は、単一種のみ
を使用し、または二種以上を複合的に使用してもよい。
発明の樹脂組成物における薄片状チタン酸カリウム粒子
は、一般式:K2 O・nTiO2 (nは正数)で表され
る結晶質の合成無機化合物粒子(多結晶粒子)である。
その代表的な具体例として、六チタン酸カリウム粒子
(K2 Ti6 O13)、四チタン酸カリウム粒子(K2 T
i4 O9 )、八チタン酸カリウム粒子(K2 Ti
8 O17)等が挙げられる。これらの粒子は、単一種のみ
を使用し、または二種以上を複合的に使用してもよい。
【0007】薄片状チタン酸カリウム粒子のサイズを、
平均の大きさ1〜100μm、厚さ0.01〜2μmと
限定したのは、これより粗大または微細のものでは、薄
片粒子としての補強効果が弱く、粗大な粒子では樹脂中
の均一な混練分散性や、成形品表面の平滑性等も低下
し、微細に過ぎると、射出成形時の樹脂組成物の増粘傾
向が増し、成形性を低下させ、また薄過ぎると、混練中
に粒子が破損し易く薄片形状を保持することが困難とな
るからである。更に、薄片状チタン酸カリウム粒子の形
状について、その「長さ/厚さ」(長さ:最長さしわた
し径)の比をアスペクト比と定義し、その値を30以上
に限定したのは、これにより、薄片粒子の形態的特徴と
して樹脂の補強効果を十分に発現させることができるか
らである。なお、「長さ/幅」(最長さしわたし径と最
小さしわたし径の比)があまり大きいと、成形加工時の
粒子の配向とそれに伴う成形収縮率や物性の異方性が大
きくなるので、好ましくは「長さ/幅」の比は、10以
下であり、より好ましくは、6以下である。
平均の大きさ1〜100μm、厚さ0.01〜2μmと
限定したのは、これより粗大または微細のものでは、薄
片粒子としての補強効果が弱く、粗大な粒子では樹脂中
の均一な混練分散性や、成形品表面の平滑性等も低下
し、微細に過ぎると、射出成形時の樹脂組成物の増粘傾
向が増し、成形性を低下させ、また薄過ぎると、混練中
に粒子が破損し易く薄片形状を保持することが困難とな
るからである。更に、薄片状チタン酸カリウム粒子の形
状について、その「長さ/厚さ」(長さ:最長さしわた
し径)の比をアスペクト比と定義し、その値を30以上
に限定したのは、これにより、薄片粒子の形態的特徴と
して樹脂の補強効果を十分に発現させることができるか
らである。なお、「長さ/幅」(最長さしわたし径と最
小さしわたし径の比)があまり大きいと、成形加工時の
粒子の配向とそれに伴う成形収縮率や物性の異方性が大
きくなるので、好ましくは「長さ/幅」の比は、10以
下であり、より好ましくは、6以下である。
【0008】薄片状チタン酸カリウム粒子が添加される
マトリツクス樹脂の材種の選択に制限はなく、ポリエチ
レン、ポリスチレン、ポリプロピレン等の汎用プラスチ
ツクはむろん、ポリアミド、ポリアセタール、ポリカー
ボネート、ポリフエニレンオキシド、ポリブチレンテレ
フタレート等のエンジニアリングプラスチツク、更には
ポリエーテルサルホン、ポリフエニレンサルフアイド、
ポリイミド等のスーパーエンジニアリングプラスチツク
等の各種樹脂をマトリツクス樹脂として薄片状チタン酸
カリウム粒子の添加による物性改良効果を得ることがで
きる。
マトリツクス樹脂の材種の選択に制限はなく、ポリエチ
レン、ポリスチレン、ポリプロピレン等の汎用プラスチ
ツクはむろん、ポリアミド、ポリアセタール、ポリカー
ボネート、ポリフエニレンオキシド、ポリブチレンテレ
フタレート等のエンジニアリングプラスチツク、更には
ポリエーテルサルホン、ポリフエニレンサルフアイド、
ポリイミド等のスーパーエンジニアリングプラスチツク
等の各種樹脂をマトリツクス樹脂として薄片状チタン酸
カリウム粒子の添加による物性改良効果を得ることがで
きる。
【0009】薄片状チタン酸カリウム粒子の配合割合
は、樹脂の材種や目的とする成形品の用途・要求性能に
より厳密ではないが、組成物中、約2〜50重量%の範
囲が適当である。2重量%に満たない配合量では補強効
果が乏しく、他方50重量%を越えると、配合量の割り
にその効果の増加が少なくなり、また樹脂への混練の困
難が増すと共に、射出成形時の溶融粘度が増大し成形性
の低下をきたすからである。
は、樹脂の材種や目的とする成形品の用途・要求性能に
より厳密ではないが、組成物中、約2〜50重量%の範
囲が適当である。2重量%に満たない配合量では補強効
果が乏しく、他方50重量%を越えると、配合量の割り
にその効果の増加が少なくなり、また樹脂への混練の困
難が増すと共に、射出成形時の溶融粘度が増大し成形性
の低下をきたすからである。
【0010】上記薄片状チタン酸カリウム粒子は、マト
リツクス樹脂との接着性の向上等を目的として、所望に
よりシラン系カツプリング剤(アミノシラン、ビニルシ
ラン、エポキシシラン、メタアクリロキシラン、メルカ
プトキシラン等)、あるいはチタネート系カツプリング
剤(イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、ジ
(ジオクチルパイロホフエート)エチレンチタネート
等)による表面処理が施されて使用される。
リツクス樹脂との接着性の向上等を目的として、所望に
よりシラン系カツプリング剤(アミノシラン、ビニルシ
ラン、エポキシシラン、メタアクリロキシラン、メルカ
プトキシラン等)、あるいはチタネート系カツプリング
剤(イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、ジ
(ジオクチルパイロホフエート)エチレンチタネート
等)による表面処理が施されて使用される。
【0011】本発明の樹脂組成物は、補強材としての薄
片状チタン酸カリウム粒子と共に、目的とする成形品の
使途に応じた着色を行うために、無機顔料(酸化物、ク
ロム酸塩、けい酸塩等)、有機顔料(アゾレーキ、アゾ
イツク、銅フタロシアニン等)、染料(イソジゴレツ
ト、セリトンピンク、オイルレツド等)、またはカーボ
ンブラツク等が、必要に応じ常法に従つて適量配合され
る。更に、薄片状チタン酸カリウム粒子の物性改良効果
を阻害しない範囲内で、適宜の添加剤、例えば熱安定剤
として、カルシウム、バリウム、亜鉛、マグネシウム等
の水酸化物、炭酸塩等、結晶性改良剤(結晶核剤)とし
て、テレフタル酸、カオリン、タルク、珪そう土等の適
量を必要に応じて添加してよく、またガラス繊維等の他
材質の補強材を複合使用することも排除されない。
片状チタン酸カリウム粒子と共に、目的とする成形品の
使途に応じた着色を行うために、無機顔料(酸化物、ク
ロム酸塩、けい酸塩等)、有機顔料(アゾレーキ、アゾ
イツク、銅フタロシアニン等)、染料(イソジゴレツ
ト、セリトンピンク、オイルレツド等)、またはカーボ
ンブラツク等が、必要に応じ常法に従つて適量配合され
る。更に、薄片状チタン酸カリウム粒子の物性改良効果
を阻害しない範囲内で、適宜の添加剤、例えば熱安定剤
として、カルシウム、バリウム、亜鉛、マグネシウム等
の水酸化物、炭酸塩等、結晶性改良剤(結晶核剤)とし
て、テレフタル酸、カオリン、タルク、珪そう土等の適
量を必要に応じて添加してよく、またガラス繊維等の他
材質の補強材を複合使用することも排除されない。
【0012】本発明の樹脂組成物の製造は常法に従つて
行われる。例えば、熱可塑性樹脂では、二軸スクリユー
押出機を使用し、押出機の上流端で樹脂を投入し、樹脂
が溶融した時点で薄片状チタン酸カリウム粒子(および
必要に応じて配合される添加剤等)をサイドフイードに
より加えて混練した後、押出し、水冷、カツテイングを
行ってペレツトとして製造する。別法として、樹脂と薄
片状チタン酸カリウム粒子、および添加剤等をブレンダ
ーで混合し、混練押出機で混練し押出した後、水冷しカ
ツテイングする工程を採用してもよい。本発明の樹脂組
成物の部材や部品への成形加工は、通常の成形法、すな
わち射出成形法、押出成形法、圧縮成形法等により行え
ばよく、薄片状チタン酸カリウム粒子の配合効果とし
て、成形加工時の配向とそれに伴う成形収縮率の異方性
が少なく、強度、剛性、耐衝撃性、耐熱性等にすぐれ、
諸物性の等方性の良好な成形品が得られる。
行われる。例えば、熱可塑性樹脂では、二軸スクリユー
押出機を使用し、押出機の上流端で樹脂を投入し、樹脂
が溶融した時点で薄片状チタン酸カリウム粒子(および
必要に応じて配合される添加剤等)をサイドフイードに
より加えて混練した後、押出し、水冷、カツテイングを
行ってペレツトとして製造する。別法として、樹脂と薄
片状チタン酸カリウム粒子、および添加剤等をブレンダ
ーで混合し、混練押出機で混練し押出した後、水冷しカ
ツテイングする工程を採用してもよい。本発明の樹脂組
成物の部材や部品への成形加工は、通常の成形法、すな
わち射出成形法、押出成形法、圧縮成形法等により行え
ばよく、薄片状チタン酸カリウム粒子の配合効果とし
て、成形加工時の配向とそれに伴う成形収縮率の異方性
が少なく、強度、剛性、耐衝撃性、耐熱性等にすぐれ、
諸物性の等方性の良好な成形品が得られる。
【0013】
〔I〕樹脂組成物の調製 二軸スクリユー押出機により、マトリツクス樹脂とフイ
ラーの混練押出しを行い、ペレツト化する。使用した樹
脂およびフイラーは次のとおりである。フイラーはいず
れもシラン系カツプリング剤(日本ユニカー(株)製ア
ミノシラン「A−1100」)で表面処理したものを使
用した。フイラー (i)薄片状六チタン酸カリウム粒子(K2 Ti
6 O13)〔(株)クボタ製「TXAX−SA」〕 平均の大きさ:30μm(平均長さ:40μm,平均
幅:10μm),平均厚さ:0.5μm,アスペクト比
(長さ/厚さ):80,長さ/幅:4。 (ii)タルク〔日本タルク(株)製「ミクロエース
I」〕 平均径:3μm(略円形状),直径/厚さ:10。 (iii)マイカ〔(株)クラレ製「スゾライトマイカ
325S」〕 平均径:40μm(略円形状),直径/厚さ:30。 (iv)ガラス繊維〔日本硝子繊維(株)製チヨツプド
ストランド「RES03−TP60」〕 平均長さ:3000μm,平均径:13μm,長さ/
径:230。マトリツクス樹脂 (i)ポリプロピレン〔チツソ(株)製「K−401
7」〕 (ii)ポリブチレンテレフタレート〔ポリプラスチツ
ク(株)製「ジコラネツクス2002」〕
ラーの混練押出しを行い、ペレツト化する。使用した樹
脂およびフイラーは次のとおりである。フイラーはいず
れもシラン系カツプリング剤(日本ユニカー(株)製ア
ミノシラン「A−1100」)で表面処理したものを使
用した。フイラー (i)薄片状六チタン酸カリウム粒子(K2 Ti
6 O13)〔(株)クボタ製「TXAX−SA」〕 平均の大きさ:30μm(平均長さ:40μm,平均
幅:10μm),平均厚さ:0.5μm,アスペクト比
(長さ/厚さ):80,長さ/幅:4。 (ii)タルク〔日本タルク(株)製「ミクロエース
I」〕 平均径:3μm(略円形状),直径/厚さ:10。 (iii)マイカ〔(株)クラレ製「スゾライトマイカ
325S」〕 平均径:40μm(略円形状),直径/厚さ:30。 (iv)ガラス繊維〔日本硝子繊維(株)製チヨツプド
ストランド「RES03−TP60」〕 平均長さ:3000μm,平均径:13μm,長さ/
径:230。マトリツクス樹脂 (i)ポリプロピレン〔チツソ(株)製「K−401
7」〕 (ii)ポリブチレンテレフタレート〔ポリプラスチツ
ク(株)製「ジコラネツクス2002」〕
【0014】〔II〕樹脂組成物の成形加工 上記ペレツトを下記の射出成形に付し供試成形品(AS
TM規格に準拠した各種試験片)を得た。イは、マトリ
ツクス樹脂がポリプロピレンの樹脂組成物、ロは、マト
リツクス樹脂がポリブチレンテレフタレートの樹脂組成
物である。シリンダ温度 :イ 230℃ ロ 250℃金型温度 :イ 60℃ ロ 70℃射出圧力 :イ 700kgf/cm2 ロ 700kgf/cm2 射出保圧時間 :イ 5秒 ロ 5秒
TM規格に準拠した各種試験片)を得た。イは、マトリ
ツクス樹脂がポリプロピレンの樹脂組成物、ロは、マト
リツクス樹脂がポリブチレンテレフタレートの樹脂組成
物である。シリンダ温度 :イ 230℃ ロ 250℃金型温度 :イ 60℃ ロ 70℃射出圧力 :イ 700kgf/cm2 ロ 700kgf/cm2 射出保圧時間 :イ 5秒 ロ 5秒
【0015】〔III〕物性測定 各供試成形品についてASTM規格に準拠して諸物性を
測定した。表1および表2に各供試成形品の組成、およ
び物性測定結果を示す。表中、「補強材」欄の「FT」
は薄片状チタン酸カリウム粒子、「諸物性」欄のカツコ
内はASTM規格の規格番号を表している。また「衝撃
強度,J/m」はアイゾツトノツチ付き試験片による測
定値であり、「熱変形温度,℃」は182KPaの曲げ
荷重下の変形温度である。表1、表2に示したように、
本発明の薄片状チタン酸カリウム粒子を含有する樹脂組
成物から得られた成形品は、成形収縮率の異方性が少な
く、マイカやタルクを補強材として配合したものと同等
の等方性を有すると共に、これを凌ぐ改良された物性を
有し、殊に強度、剛性(弾性係数)、衝撃強度等の向上
は顕著であり、また耐熱性にもすぐれている。なお、そ
の成形品は乳白色であり、樹脂組成物への顔料、着色剤
の配合による任意の着色が可能である。
測定した。表1および表2に各供試成形品の組成、およ
び物性測定結果を示す。表中、「補強材」欄の「FT」
は薄片状チタン酸カリウム粒子、「諸物性」欄のカツコ
内はASTM規格の規格番号を表している。また「衝撃
強度,J/m」はアイゾツトノツチ付き試験片による測
定値であり、「熱変形温度,℃」は182KPaの曲げ
荷重下の変形温度である。表1、表2に示したように、
本発明の薄片状チタン酸カリウム粒子を含有する樹脂組
成物から得られた成形品は、成形収縮率の異方性が少な
く、マイカやタルクを補強材として配合したものと同等
の等方性を有すると共に、これを凌ぐ改良された物性を
有し、殊に強度、剛性(弾性係数)、衝撃強度等の向上
は顕著であり、また耐熱性にもすぐれている。なお、そ
の成形品は乳白色であり、樹脂組成物への顔料、着色剤
の配合による任意の着色が可能である。
【0016】
【表1】
【0017】
【表2】
【0018】
【発明の効果】薄片状チタン酸カリウム粒子を補強材と
して含有する本発明の樹脂組成物は、成形加工時の配向
とそれに伴う収縮率の異方性が小さく、得られる成形品
は反り変形等が小さく、寸法精度が良好であり、また強
度、剛性、衝撃強度、耐熱性等のすぐれた諸物性を有し
ている。顔料、着色剤等の配合により成形品の使途に応
じた任意の着色も可能である。従つて、本発明の樹脂組
成物は、自動車部品(例えば、ワンピースイストルメン
トパネル,フラスターリツド,エアコングリル,サンシ
エード等の内装品,ベントルーパ,ハブキヤツプ,ボイ
ルカバー,ラジエータグリル等の外装品)をはじめ、各
種の家電製品や事務機器類等のケーシング,ハウジング
および内部部品、建築・住宅関連部材、その他種々の機
械部品、構造部材等の成形材料として有用である。な
お、本発明の樹脂組成物に含有される薄片状チタン酸カ
リウム粒子(モース硬度 約3)はガラス繊維(モース
硬度 約6.5)に比し軟質であるので、樹脂組成物の
混練押出し、および成形加工におけるシリンダ、スクリ
ユー、ノズル、金型等の表面の摩耗損傷が緩和され、こ
れらの部材の耐用寿命の向上、メンテナンスの軽減等の
効果も得られる。
して含有する本発明の樹脂組成物は、成形加工時の配向
とそれに伴う収縮率の異方性が小さく、得られる成形品
は反り変形等が小さく、寸法精度が良好であり、また強
度、剛性、衝撃強度、耐熱性等のすぐれた諸物性を有し
ている。顔料、着色剤等の配合により成形品の使途に応
じた任意の着色も可能である。従つて、本発明の樹脂組
成物は、自動車部品(例えば、ワンピースイストルメン
トパネル,フラスターリツド,エアコングリル,サンシ
エード等の内装品,ベントルーパ,ハブキヤツプ,ボイ
ルカバー,ラジエータグリル等の外装品)をはじめ、各
種の家電製品や事務機器類等のケーシング,ハウジング
および内部部品、建築・住宅関連部材、その他種々の機
械部品、構造部材等の成形材料として有用である。な
お、本発明の樹脂組成物に含有される薄片状チタン酸カ
リウム粒子(モース硬度 約3)はガラス繊維(モース
硬度 約6.5)に比し軟質であるので、樹脂組成物の
混練押出し、および成形加工におけるシリンダ、スクリ
ユー、ノズル、金型等の表面の摩耗損傷が緩和され、こ
れらの部材の耐用寿命の向上、メンテナンスの軽減等の
効果も得られる。
Claims (1)
- 【請求項1】 樹脂中に、平均の大きさ1〜100μ
m、厚さ0.01〜2μm、アスペクト比30以上の薄
片状チタン酸カリウム粒子が2〜50重量%配合されて
いることを特徴とする樹脂組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31138692A JP2802863B2 (ja) | 1992-10-26 | 1992-10-26 | 樹脂組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31138692A JP2802863B2 (ja) | 1992-10-26 | 1992-10-26 | 樹脂組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06136275A true JPH06136275A (ja) | 1994-05-17 |
JP2802863B2 JP2802863B2 (ja) | 1998-09-24 |
Family
ID=18016563
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP31138692A Expired - Fee Related JP2802863B2 (ja) | 1992-10-26 | 1992-10-26 | 樹脂組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2802863B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2000055093A1 (fr) * | 1999-03-16 | 2000-09-21 | Otsuka Chemical Co., Ltd. | Titanate de potassium lamellaire, son procede de fabrication et materiau de friction |
-
1992
- 1992-10-26 JP JP31138692A patent/JP2802863B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2000055093A1 (fr) * | 1999-03-16 | 2000-09-21 | Otsuka Chemical Co., Ltd. | Titanate de potassium lamellaire, son procede de fabrication et materiau de friction |
US6677041B1 (en) * | 1999-03-16 | 2004-01-13 | Otsuka Chemical Co., Ltd. | Platy potassium titanate, process for producing the same, and friction material |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2802863B2 (ja) | 1998-09-24 |
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