JPH06135827A - 薬物を制御放出する貼付剤 - Google Patents

薬物を制御放出する貼付剤

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JPH06135827A
JPH06135827A JP28280992A JP28280992A JPH06135827A JP H06135827 A JPH06135827 A JP H06135827A JP 28280992 A JP28280992 A JP 28280992A JP 28280992 A JP28280992 A JP 28280992A JP H06135827 A JPH06135827 A JP H06135827A
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JP
Japan
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adhesive layer
patch
pressure
drug
sensitive adhesive
Prior art date
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Pending
Application number
JP28280992A
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English (en)
Inventor
Yoshiji Unosawa
宣司 宇野沢
Yoshihisa Nakano
善久 仲野
Takeaki Nakagawa
武明 中川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nitto Denko Corp
Original Assignee
Nitto Denko Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 粘着剤層中に含有する薬物を適用する皮膚面
に対して即効性や持続性を制御しながら放出し、所望の
放出パターンを発揮する簡単な構造の貼付剤を提供す
る。 【構成】 支持体2の片面全面に粘着剤層1を形成し、
粘着剤層1には経皮吸収用の薬物を含有させる。粘着剤
層はその表面を凹凸状にしたり、粘着剤層に接する側の
支持体表面を凹凸状にしたりして、その厚みを不均一化
することによって制御放出が達成できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は皮膚面から薬物を経皮吸
収させて各種疾患の治療や予防を行うための貼付剤であ
って、詳しくは粘着剤層中に含有する経皮吸収用の薬物
を皮膚面に対して制御放出できる貼付剤に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】薬物を皮膚(外皮)から経皮吸収させて
体内に投与する方法は、経口投与や注射による投与、座
薬などによる直腸粘膜からの投与などに比べて肝臓での
第1次代謝を受けないこと、胃腸障害などの副作用が少
ないこと、不快感や痛みなどがないこと、比較的簡便で
あることなどから注目されている方法である。
【0003】このような薬物の経皮投与法に用いられる
貼付剤は、通常、皮膚面に固定するための粘着剤層と支
持体とから構成されており、粘着剤層中に経皮吸収用の
薬物を含有している。粘着剤層中の薬物は粘着剤自体に
溶解するか、もしくは併存させる鉱油などの溶剤に溶解
しており、拡散移動によって粘着剤層中から粘着剤層表
面へ移動し、次いで皮膚面へ移行、放出するのである。
【0004】含有する薬物の皮膚面への放出は一般に上
記のような粘着剤層中の薬物の拡散移動によって生じる
ので、貼付後に速やかに薬物を放出する性質(即効性)
を付与したり、長時間にわたって薬物を放出する性質
(持続性)を付与するためには、これらの性質を有する
粘着剤を選定しなければならない。その他の方法として
は、粘着剤層中に放出制御膜などを介在させて放出を制
御することも提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、粘着剤
の種類を選定しても、充分に所期の目的を達成できるも
のは少なく、また、選定に時間がかかり決して満足でき
る方法であるとは云いがたいものである。一方、放出制
御膜を介在させる方法も、貼付剤を貯蔵保管中に粘着剤
層中の薬物濃度は放出制御膜の両側で平衡状態となっ
て、略均一濃度化されて満足ゆく放出制御ができない恐
れがある。また、膜孔径の均一な放出制御膜を用いる必
要があり、製造上不良品チェックに注意を要する。
【0006】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは粘
着剤の種類の選定も不要であり、しかも放出制御膜のよ
うな複雑な構成を採用せずとも粘着剤層中の薬物の放出
を簡単に制御することができる貼付剤を得るべく検討を
重ね、本発明を完成するに至った。
【0007】即ち、本発明は支持体の片面全面に経皮吸
収用薬物を含有する粘着剤層が形成されており、該粘着
剤層の厚みが不均一化されていることを特徴とする薬物
を制御放出する貼付剤を提供するものである。
【0008】本発明の貼付剤に用いる支持体としては、
その片面全面に経皮吸収用薬物を含有する粘着剤層を形
成支持できるものであれば、従来から用いられている支
持体材料である紙、プラスチック材料などからなるフィ
ルム、不織布、織布、編布、およびこれらと金属層との
積層体などを用いることができ、通常2〜1000μ
m、好ましくは10〜500μm程度の厚みのものが使
用できる。
【0009】また、経皮吸収用薬物を含有する粘着剤層
を形成する粘着剤は、皮膚刺激性を有しない医療用途の
粘着剤であれば、アクリル系粘着剤、天然ゴム系粘着
剤、合成ゴム系粘着剤、ビニルエーテル系粘着剤、シリ
コーン系粘着剤などを問わず用いることができる。ま
た、このような粘着剤はそのままで充分に皮膚面に貼
着、固定できるだけの粘着性を有するものに限定され
ず、微粘着性のものや水やアルコールを吸収することに
よって粘着性が発揮する、所謂水および/又はアルコー
ル賦活性の粘着剤であってもよい。このような粘着剤の
場合にはそのままで充分に皮膚面に貼着、固定できない
ので、本発明の貼付剤の上からカバー用の粘着シートで
被覆したり、粘着剤層の周縁などに粘着性を有する粘着
剤層をさらに形成して粘着力の補強を行なえばよい。
【0010】上記粘着剤層に含有させる経皮吸収用薬物
としては、本発明の貼付剤を皮膚面に貼付したのち経皮
吸収して所望の薬理効果を発揮して各種疾患の治療また
は予防を行うものであれば限定されない。このような薬
物としては局所性薬物や全身性薬物のいずれを用いても
よく、具体的にはコルチコステロイド類、鎮痛消炎剤、
催眠鎮静剤、精神安定剤、抗高血圧剤、降圧利尿剤、抗
生物質、麻酔剤、抗菌剤、抗真菌剤、ビタミン剤、冠血
管拡張剤、抗ヒスタミン剤、鎮咳剤、性ホルモン、抗鬱
剤、脳循環改善剤、制吐剤、抗腫瘍剤、生体医薬などの
薬物が使用できる。なお、これらの薬物は必要により2
種類以上を併用して含有させることができる。
【0011】上記薬物の含有量は薬物種や投与目的に応
じて適宜設定することができるが、通常、粘着剤層中に
1〜40重量%、好ましくは2〜30重量%程度含有さ
せ、含有する薬物は全て溶解していても、一部未溶解状
態であってもよいものである。含有量が1重量%に満た
ない場合は治療に有効な量の薬物放出が期待できず、ま
た、40重量%を超えると治療効果に限界が生じると共
に経済的に不利となる。なお、コルチコステロイド類の
場合は1重量%以下の含有量で充分に効果を発揮するも
のである。
【0012】本発明の貼付剤は上記構成からなり粘着剤
層は支持体上に不均一な厚みで形成されていることを特
徴とする。このようにすることによって、粘着剤層中に
含有する経皮吸収用の薬物が拡散移動によって皮膚面側
に移行する際に、厚みの薄い部分の薬物は早い時期に全
て放出が完了し、厚みの厚い部分の薬物は放出が完了す
るまでに時間を要するようになる。従って、粘着剤層の
形成パターンを種々変化させることによって、様々な放
出パターンを有する貼付剤を得ることができるのであ
る。
【0013】以下、図面を用いて本発明の貼付剤におけ
る粘着剤層の形成パターンを説明する。
【0014】図1〜図5は粘着剤層1に接する支持体2
の表面を加工して粘着剤層1の厚みを不均一化した本発
明の貼付剤の断面図であり、皮膚面に接する側の粘着剤
層の表面は平坦である。
【0015】図1〜図4は支持体表面をエンボスロール
や切削機などによって凹凸状に加工し、その上に粘着剤
層を形成したものであり、図5は支持体2表面を傾斜す
るように斜めに切削加工し、その上に粘着剤層1を形成
したものである。
【0016】また、図6〜図7は均一な厚みの支持体2
の上に厚みの異なる粘着剤層1を形成して不均一化した
本発明の貼付剤の断面図であり、皮膚面に接する側の粘
着剤層の表面は凹凸状である。
【0017】このような粘着剤層を形成するには、凹凸
加工したセパレータ上に粘着剤層を形成し、これを支持
体の表面に転写することによって得ることができる。ま
た、凹凸部を有するローラーを用いてホットメルト塗工
による押出し塗工を行ったり、粘着剤溶液を塗工する塗
工機のアプリケータ部を凹凸状にするなどして、所謂粘
着剤層表面を荒れさせることで得ることができる。
【0018】本発明の貼付剤は以上のような構成からな
るが、粘着剤層の表面を保護するために、支持体背面を
剥離処理してロール状に巻き取ったり、粘着剤層表面に
セパレータを積層して被覆しておくことが好ましい。
【0019】
【実施例】以下に本発明の実施例を示し、さらに具体的
に説明する。なお、以下において、部および%は重量部
および重量%を意味する。
【0020】実施例1 高分子量ポリイソブチレン(粘度平均分子量80万)3
7.5部と、低分子量ポリイソブチレン(粘度平均分子
量3万5千)12.5部と、ポリブテン(粘度平均分子
量1260)50部を、n−ヘキサンに溶解してゴム系
の粘着剤溶液(固形分濃度25%)を作製した。
【0021】この溶液にβ−刺激薬としてのサルブタモ
ールを粘着剤の固形分当たりの含有量が10%となるよ
うに添加し、充分に攪拌混合して経皮吸収用薬物含有の
粘着剤溶液を調製した。
【0022】このようにして調製した粘着剤溶液を、図
8に示すように段差を有するポリエステル製支持体(厚
い部分の厚み30μm、薄い部分の厚み10μm)の表
面に、乾燥後の粘着剤層の厚みが厚い部分で40μm、
薄い部分の厚みが20μmとなるように塗布、乾燥した
のち、粘着剤層の厚みが40μmの部分と粘着剤層の厚
みが20μmの部分が、それぞれ7.5cm2 と5cm
2 (面積比で3:2)となるように打ち抜き、図9に示
すような本発明の貼付剤を作製した。
【0023】実施例2 粘着剤層の厚みが40μmの部分と粘着剤層の厚みが2
0μmの部分が、それぞれ5cm2 と10cm2 (面積
比で1:2)となるように打ち抜いた以外は、実施例1
と同様にして、図10に示すような本発明の貼付剤を作
製した。
【0024】実施例3 粘着剤層の厚みが40μmの部分と粘着剤層の厚みが2
0μmの部分が、それぞれ2.5cm2 と15cm
2 (面積比で1:6)となるように打ち抜いた以外は、
実施例1と同様にして、図11に示すような本発明の貼
付剤を作製した。
【0025】比較例1 実施例1において用いた支持体を段差のないポリエステ
ル製支持体(10μm厚)として粘着剤層が40μm厚
の均一な厚みである貼付剤とした以外は、実施例1と同
様にして、図12に示すような貼付剤を作製した。
【0026】比較例2 実施例1において用いた支持体を段差のないポリエステ
ル製支持体(10μm厚)として粘着剤層が20μm厚
の均一な厚みである貼付剤とした以外は、実施例1と同
様にして図13に示すような貼付剤を作製した。
【0027】上記各実施例および各比較例にて得た貼付
剤からの含有薬物の溶出試験を下記に示す方法によって
行った。その結果を図14に示す。
【0028】〔溶出試験〕日本薬局方第12改正、溶出
試験法第2法(パドル法)に準じて行った。即ち、試験
液(脱気処理した蒸留水)500mlを容器に採り、液
の温度を37±0.5℃に維持して、パドルを毎分50
回転させながら、所定時間毎に溶出液を採取して溶出量
を求めた。
【0029】図14から明らかなように、比較例1の貼
付剤では持続的に薬物が放出したが、初期の放出速度が
小さく、即効性にやや劣るものである。また、比較例2
の貼付剤では初期の放出は良好であるが、持続性に劣る
ものであった。これらに比べて本発明の貼付剤は即効性
および持続性において満足するものであり、粘着剤層の
厚みを不均一化することによって、薬物の放出制御性に
優れた貼付剤となることが明らかである。
【0030】
【発明の効果】本発明の貼付剤は支持体の片面全面に経
皮吸収用薬物を含有する粘着剤層を不均一な厚みで形成
しているので、粘着剤層中に含有する薬物は貼付皮膚面
へ即効性や持続性を制御しながら放出されるという効果
を発揮する。従って、目的に応じた放出パターン有する
貼付剤を簡単に得ることができるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の貼付剤の一態様を示す断面図であ
る。
【図2】 本発明の貼付剤の他の態様を示す断面図であ
る。
【図3】 本発明の貼付剤の他の態様を示す断面図であ
る。
【図4】 本発明の貼付剤の他の態様を示す断面図であ
る。
【図5】 本発明の貼付剤の他の態様を示す断面図であ
る。
【図6】 本発明の貼付剤の他の態様を示す断面図であ
る。
【図7】 本発明の貼付剤の他の態様を示す断面図であ
る。
【図8】 本発明の実施例にて用いた支持体の断面図で
ある。
【図9】 実施例1にて得た貼付剤の断面図である。
【図10】 実施例2にて得た貼付剤の断面図である。
【図11】 実施例3にて得た貼付剤の断面図である。
【図12】 比較例1にて得た貼付剤の断面図である。
【図13】 比較例2にて得た貼付剤の断面図である。
【図14】 各実施例および比較例にて得た貼付剤にお
ける薬物の放出速度の経時変化を示すグラフである。
【符号の説明】
1 粘着剤層 2 支持体

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体の片面全面に経皮吸収用薬物を含
    有する粘着剤層が形成されており、該粘着剤層の厚みが
    不均一化されていることを特徴とする薬物を制御放出す
    る貼付剤。
  2. 【請求項2】 粘着剤層に接する支持体表面が凹凸状で
    あるか、皮膚面に接する側の粘着剤層表面が凹凸状ある
    か、もしくはこれらの組み合わせのうちの何れかによっ
    て粘着剤層の厚みが不均一化している請求項1記載の貼
    付剤。
JP28280992A 1992-10-21 1992-10-21 薬物を制御放出する貼付剤 Pending JPH06135827A (ja)

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JP (1) JPH06135827A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007009320A1 (fr) * 2005-07-19 2007-01-25 Pficker Pharmaceuticals Ltd. Préparation de statines pour libération prolongée
JP2020172447A (ja) * 2019-04-08 2020-10-22 凸版印刷株式会社 貼付剤支持体用フィルム、積層体、及び貼付剤

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007009320A1 (fr) * 2005-07-19 2007-01-25 Pficker Pharmaceuticals Ltd. Préparation de statines pour libération prolongée
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