JPH06135382A - ネット式魚雷防御システム - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 魚雷防御用ネットにより、魚雷を捕獲して魚
雷からの攻撃を防ぐようにした、魚雷防御システムを提
供する。 【構成】 後端縁に浮き５を取付けるとともに前端縁両
側部におもり４を取付けたネット６を自艦20から発射し
て、ネット６を海中に垂直状に展張し、おもり４に内蔵
した騒音11の発信器で魚雷12をネット６に誘い込むこと
により、魚雷12をネット６で捕獲するようにした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、魚雷防御システムに関
し、特に魚雷防御用ネットを使用して魚雷からの攻撃を
防ぐようにした、魚雷防御システムに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来の魚雷防御システムとして、デコイ
により魚雷を欺まんし、デコイ方向に魚雷を誘導するこ
とにより、自艦を防御するようにした、パッシブな形態
の防御システムが知られている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上述のような従来の魚
雷防御システムでは、自艦に向かってくる魚雷をデコイ
により欺まんし、デコイ方向に魚雷を誘導することによ
り、魚雷を自艦より遠ざけたり、もしくはデコイに魚雷
を誘導し、爆薬により魚雷を破壊したりしているが、こ
のシステムではデコイが魚雷の欺まんに失敗した場合や
魚雷の探知が遅れた場合には、あまり効果は期待できな
い、という問題点がある。本発明は、このような問題点
の解決をはかろうとするもので、自艦に向かって航走し
てくる魚雷をネットにより捕獲することにより、従来の
魚雷防御システムの上述の問題点を解決した、ネット式
魚雷防御システムを提供することを目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
め、本発明のネット式魚雷防御システムは、魚雷防御ネ
ットと、同魚雷防御ネットの発射装置とをそなえ、上記
魚雷防御ネットが、後端縁に浮きを取付けられるととも
に前端縁両側部におもりを連結され、上記発射装置で発
射されて海中でほぼ垂直状に展張しうるように構成され
ていることを特徴としている。

【０００５】

【作用】上述の本発明のネット式魚雷防御システムで
は、発射装置により魚雷防御ネットの発射が行なわれ
る。また発射装置により発射された魚雷防御ネットが海
中でほぼ垂直状に展張され、このように展張された魚雷
防御ネットにより、魚雷の捕獲が行なわれる。

【０００６】

【実施例】以下、図面により本発明の一実施例としての
ネット式魚雷防御システムについて説明すると、図１は
系統図、図２は発射装置の平面図、図３は発射装置の斜
視図、図４はネットの正面図、図５は発射筒の先端部拡
大断面図、図６はおもりの一部切断側面図、図７は運用
概念図である。

【０００７】図１に示したネット式魚雷防御システムの
系統図において、符号01はソーナー，ＴＡＳＳ等のセン
サを示しており、このセンサ01から指揮装置02に魚雷の
位置，速度等の情報が提供される。そして指揮装置02か
ら魚雷情報が制御装置１に伝えられる。情報を受けた制
御装置１は、それらの情報を基に魚雷防御用ネット６を
最適位置に発射すべく発射装置２を制御する。

【０００８】次に、発射装置２について説明する。図
２，３において、符号２Ａは発射装置２の基台を示して
おり、基台２Ａ上にネット収容箱16が制御装置１の指令
により上下方向および左右方向に、図示しない駆動機構
により回転駆動可能に装着されている。ネット収容箱16
にネット６（図４参照）が収容されており、またネット
収容箱16の上面に、一対の発射筒13が取付けられてい
る。両方の発射筒13の先端部に、おもり嵌合金物15がそ
れぞれ嵌着されていて、ネット６の前端縁両側部と各お
もり嵌合金物15とが連結部材６ａで連結されている。さ
らに、両方の発射筒13におもり４が装填されている。

【０００９】おもり４は、図６に示すように、全体を砲
弾形に形成されるとともに、内部に制御部７，騒音受信
兼送信部８，および近接信管９をそなえた爆薬10を内蔵
している。また先端部に係合突起14をそなえている。お
もり４は、図５に示すように、係合突起14を先頭にして
発射筒13に装填される。そして、発射筒13におもり４が
装填された後、発射筒13の先端部におもり嵌合金物15が
嵌着される。符号13ａはカセットボールを示している。
おもり嵌合金物15の前面中央部に貫通穴15ａが形成され
ており、この貫通穴15ａにおもり４の係合突起14が貫通
して係合する。そのため、係合突起14は後端部を拡開状
態に付勢された拡縮構造の先細形状に形成されている。
なお図中の符号５はネット６の後端縁のほぼ全長にわた
って取付けられた浮きを、また符号16ａは収容箱16の前
面に形成された開口を示している。

【００１０】上述の構成において、相手側潜水艦等から
発射された魚雷12（図７参照）が自艦20に向かって航走
中であることがセンサ01で検出されると、直ちに制御装
置１からの信号を受けて、発射装置２からネット６が魚
雷12を捕獲できる最適の位置に発射される。すなわち、
両方の発射筒13に装填されているおもり４が同時に発射
筒13から発射される。おもり４が発射されると、両方の
おもり４が各発射筒13の先端部に嵌着されているおもり
嵌合金物15の貫通穴15ａに係合突起14が貫通係合し、お
もり嵌合金物15がおもり４と共に発射装置から発射され
ることになる。

【００１１】両方のおもり嵌合金物15にネット６の前端
縁両側部が連結されているため、上述の発射によりネッ
ト６が発射されて、海中で図７に示すように、浮き５を
取付けられた後端縁側が上方に位置し、おもり４に連結
された前端縁側が下方に位置する、ほぼ垂直状に展張さ
れる。ネット６が海中に展張されると、艦船20からの信
号または着水信号により、制御部７の指令で騒音受信兼
送信部８が作動し、増幅された騒音11を発信して、魚雷
12を呼び寄せる。

【００１２】ネット６方向に誘導された魚雷12はネット
６で捕獲される。そして魚雷12は捕獲されたまま航走す
るため、ネット６の前端縁両側部のおもり４が、魚雷12
の航走により魚雷方向に引き寄せらる。そして近接信管
９が作動する状態までおもり４が引き寄せられると爆薬
10が点火して魚雷12の爆破が行なわれる。この爆破によ
り、魚雷12の推進器が破壊されて魚雷12は海底に沈下
し、内蔵しているタイマーにより、数秒後に自発的に爆
破してしまう。

【００１３】このように、この実施例のネット式魚雷防
御システムでは、魚雷をネットで捕獲した後、爆破する
ものであるため、魚雷の防御を確実に行なえるととも
に、次のような効果ないし利点がある。 (1) ネットが折畳んで収容できるため、システムがコン
パクトである。 (2) 騒音受信／送信機８は、外部騒音を増幅し再送信す
るだけの機器であり、全体のシステム開発費は従来のも
のより安価で、また魚雷防御用ネットも安価であるた
め、コストパフォーマンスがよい。 (3) 魚雷探知から発射までの時間が短く、かつ直接魚雷
をネットで捕獲した後爆破するため、近接した位置で魚
雷の破壊を行なうことができる。 (4) 魚雷がネットの前端縁両側の爆薬10を内蔵したおも
りを魚雷側に引き寄せ、しかも充分に近接したときに近
接信管により爆薬の点火が行なわれるので、魚雷爆破の
確率が高く、かつ破壊力も大きい。

【００１４】

【発明の効果】以上詳述したように、本発明のネット式
魚雷防御システムによれば、次のような効果ないし利点
が得られる。 (1) 魚雷防御が、ネットで魚雷を捕獲することにより行
なわれるため、安価でかつ確実な魚雷防御システムが得
られる。 (2) ネットが折畳み可能なため、システムのコンパクト
化が可能である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例としてのネット式魚雷防御シ
ステムの系統図。

【図２】同発射装置の平面図。

【図３】同発射装置の斜視図。

【図４】同ネットの正面図。

【図５】同発射筒の先端部拡大断面図。

【図６】同おもりの一部切断側面図。

【図７】同運用概念図。

【符号の説明】

１ 制御装置 ２ 発射装置 ２Ａ 基台 ４ おもり ６ ネット ７ 制御部 ８ 騒音受信兼送信部 ９ 近接信管 10 爆薬 11 騒音 12 魚雷 13 発射筒 14 係合突起 15 おもり嵌合金物 16 ネット収容箱 20 自艦

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 魚雷防御システムにおいて、魚雷防御ネ
   ットと、同魚雷防御ネットの発射装置とをそなえ、上記
   魚雷防御ネットが、後端縁に浮きを取付けられるととも
   に前端縁両側部におもりを連結され、上記発射装置で発
   射されて海中でほぼ垂直状に展張しうるように構成され
   ていることを特徴とする、ネット式魚雷防御システム。