JPH0868599A - 水中カプセル - Google Patents

水中カプセル

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Publication number
JPH0868599A
JPH0868599A JP6205472A JP20547294A JPH0868599A JP H0868599 A JPH0868599 A JP H0868599A JP 6205472 A JP6205472 A JP 6205472A JP 20547294 A JP20547294 A JP 20547294A JP H0868599 A JPH0868599 A JP H0868599A
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JP
Japan
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capsule
underwater
submarine
command
target
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Application number
JP6205472A
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English (en)
Inventor
Tomoaki Tanaka
智明 田中
Yoshiaki Tsuda
喜秋 津田
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Publication date
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Publication of JPH0868599A publication Critical patent/JPH0868599A/ja
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  • Aiming, Guidance, Guns With A Light Source, Armor, Camouflage, And Targets (AREA)
  • Radar Systems Or Details Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 潜水艦の逃避行動及び隠密性を極力損なわず
に、上空目標への攻撃を可能とする水中カプセルを得
る。 【構成】 水中カプセルの円筒外殻1の頭部内側にコマ
ンド送信用アンテナ19を円筒外殻の円周に沿って設置
する。コマンド送信用アンテナ19の下部近傍の円筒外
殻1の外周に捜索用アンテナ17を設置する。円筒外殻
1と角筒状のキャニスタ15との間にできる4箇所の隙
間に姿勢安定装置23を設置する。水中カプセルの尾部
にアクティブソナー22を設置する。水中カプセル制御
装置20をカプセル内部に設置する。 【効果】 発射された後の水中カプセルはその動作を全
て自律的に実施するので、潜水艦は逃避行動に専念でき
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、潜航している潜水艦
により、自艦上空に飛来する対潜航空機等を攻撃する際
に、内部に飛しょう体を収納して潜水艦から海面に向け
て発射される水中カプセルに関するのものである。
【0002】
【従来の技術】図4は、例えば特開昭55−87694
号公報に示された従来の迎撃用水中航走体の断面図を示
す図である。図4において、1は1a,1b,1cの部
分で接合、切り離しのできるように構成された軽合金材
料よりなる耐水圧性を有する円筒外殻、2,3はこの円
筒外殻の尾部に取り付けられて航走中の姿勢を保持する
ためのフィン及び舵、4は水中航走体を航走させる2重
反転プロペラ、5はこの2重反転プロペラを駆動する推
進用直流モータ(またはエンジン)、6はこの推進用モ
ータ(またはエンジン)に動力を供給する推進用電池
(または燃料)、7は舵3を駆動させる油圧もしくは電
動式の操舵装置、8は潜水艦からの航走指令信号や飛し
ょう体誘導装置の起動信号を受けて操舵装置7へ操舵信
号を送信したり、飛しょう体9の誘導装置の起動及び発
射を行なうための点火コントロールを行なう航走制御装
置、9は水中航走体Bの長手方向に、かつその頭部が水
中航走体の頭部と一致するように円筒外殻1内に収納さ
れている、赤外線或いはレーザ光線等を用いて目標の追
尾を行なう誘導飛しょう体、10は円筒外殻1頭部に形
成されたノーズキャップ、11はこのノーズキャップを
円筒外殻1から切り離すときに爆破する爆発ボルト、1
2は水中航走体と潜水艦との間に配置され、潜水艦から
水中航走体の航走制御装置8への航走指令信号及び飛し
ょう体9誘導装置の起動信号を送信するためのケーブ
ル、13は円筒外殻1内に配置されてケーブル12を収
納する耐水性のマガジン、14はケーブル12を航走体
外に導出するガイドパイプである。
【0003】従来の迎撃用水中航走体は、上記のように
構成され、例えば、対潜航空機等が飛来し、攻撃を加え
て来たことを探知した場合には、潜水艦よりレーダ装置
を海面へ浮上させると同時に逃げ始める。浮上したレー
ダ装置は対潜航空機等の目標を探索し捕捉し、その情報
を自艦へ音波もしくは有線ケーブルを介して送る。情報
を受けた自艦は、潜水艦の発射管から水中航走体を発射
する。水中航走体は推進用電池6をエネルギーとして推
進用モータ5に連結した主軸を駆動して2重反転プロペ
ラ4を回転させ航走する。航走中は自艦と水中航走体と
を結ぶケーブル12により、レーダ装置等からの情報に
基づいて自艦から航走方向指令信号を送る。水中航走体
では自艦から受けた航走指令信号を航走制御装置8で操
舵信号に変換し、操舵装置7に伝え操舵装置7を作動し
て目標の方向へ航走するよう舵をとる。水中航走体を目
標の近くの海面下(浅深度)まで誘導して到達したあ
と、自艦からノーズキャップ10の切り離し信号を送信
することにより、爆発ボルト11が作動してノーズキャ
ップ10が切り離される。同時に点火コントロール装置
8からの信号で飛しょう体の赤外線等の誘導装置が作動
し上空の目標を飛しょう体が捕捉すれば、自動的に点火
され空中へ発射される。発射後飛しょう体9は自己の誘
導装置により航空機等の目標を追尾命中する。
【0004】図5は、例えば雑誌「世界の艦船1986
年1月号」に掲載された「潜水艦搭載ミサイルのすべて
(野木恵一著)」等の中で紹介されている、潜航中の潜
水艦から発射して艦船を攻撃するための潜対艦飛しょう
体(USM)のUGM−84Aサブ・ハープーン用の飛
しょう体及び水中カプセルの断面を示す図である。図5
において1は円筒外殻、2はフィン、31はアクティブ
レーダ誘導方式等の対艦誘導飛しょう体、10はノーズ
キャップ、28は飛しょう体9を安定して射出口へ導出
するガイドレール、29は飛しょう体31を固定し、ま
た緩衝材の役目を果たすサボ、30は飛しょう体31を
上空へ打ち上げるために高推力を短時間発生させるブー
スタである。
【0005】従来の水中カプセルは上記のように構成さ
れ、飛しょう体31は主翼とフィンを折り畳んで、魚雷
型の水中カプセルに収納されている。発射に際しては、
例えば潜水艦(自艦)が遠距離に存在する艦船等の目標
の位置情報を得た場合、その情報が飛しょう体31に入
力され、目標の方向へ向けて水中カプセルごと魚雷発射
管から射ち出される。水中に射出された水中カプセルは
自身の浮力と慣性(水中カプセルの後部に操舵用のフィ
ン2がある)で海面まで斜めの姿勢で浮上する。水中カ
プセルが海面に頭を露出すると同時にノーズキャップ1
0と後端部が分離、開放されると飛しょう体31のブー
スタ30が自動点火してブースタ30の力で空中へ飛び
出す。飛しょう体31はブースタ30が燃え尽きるとそ
れを分離し、ターボジェットを始動して低高度巡航へ移
る。飛しょう体31は事前に入力されたプログラムに従
って飛しょうし、発射前に入力された目標の位置から一
定距離まで来ると飛しょう体31に搭載されたアクティ
ブレーダ誘導装置が作動する。目標を捕捉すると、飛し
ょう体31は急上昇してからダイビングして目標に誘導
され命中する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本来、潜水艦の最大の
特徴は隠密性であり、その攻撃任務も対潜水艦及び対艦
船攻撃に限定されているため、対空攻撃は潜水艦の任務
ではない。したがって、潜水艦による上空目標攻撃手段
は、あくまでも対潜航空機等からの被探知の兆候が明白
である場合に自艦の個艦防御の目的のみに使用されるも
のである。よって、潜水艦による上空目標攻撃手段は、
自艦の隠密性及び逃避行動を最優先とし、決してこれら
を損なうものであってはならない。ところが、上記のよ
うな従来の迎撃用水中航走体は、水中航走体及びレーダ
装置(レーダ装置の情報連絡手段が有線ケーブルの場
合)が潜水艦と有線ケーブルで接続されていなければな
らないため、潜水艦の逃避行動に制限が加えられるとい
う問題点と、例えレーダ装置の情報連絡手段を音波とし
た場合は、音波に多量の情報を乗せることが極めて困難
であるため水中航走体の誘導に必要な目標の位置情報を
十分に伝達することができないという問題点と、例え音
波に目標の位置情報を乗せる手段が発明されたとして
も、音波の伝搬速度が遅く時間を要するため、対潜航空
機のような刻々と位置を移動する目標の位置情報を水中
航走体に有効に伝達することが極めて困難であるという
問題点があった。また、飛しょう体9は、浅深度ではあ
るが水中でその赤外線或いはレーザ光線使用の追尾装置
を作動し、上空の目標の捕捉を行ない発射されるもので
あるが、赤外線或いはレーザ光線は海面にて屈折、反射
するため、海面が多少でも荒れているときは乱屈折、乱
反射し、水中から上空の目標を捕捉することが極めて困
難であるという問題点と、赤外線或いはレーザ光線は水
分による減衰が大きいため、赤外線或いはレーザ光線使
用の追尾装置を水中や雨天時の大気中で使用する場合、
目標を捕捉することが極めて困難であるという問題点が
あった。また、水中航走体は、推進用電池(または燃
料)6を搭載し、推進用直流モータ(またはエンジン)
5を介して2重反転プロペラ4を駆動することによって
水中航走を行なうものであり、推進用直流モータ(また
はエンジン)5が大きな音響を出すため、静粛性にかけ
ることから自艦の隠密性をも損なうという問題点と、推
進用直流モータ(またはエンジン)5の駆動による水中
航走は、多大のエネルギーを消耗するため、水中航走体
の容積を大きな割合で推進用電池(または燃料)6を搭
載するためにさかなければならないという問題点があっ
た。
【0007】この発明はかかる問題点を解決するために
なされたものであり、潜水艦本来の特徴である隠密性、
逃避行動を損なうことなく対潜航空機等の目標を攻撃で
き、また、気象条件に左右されず高い命中率で攻撃する
ことが可能な、水中カプセルを提供することを目的とし
ている。
【0008】上記のような水中カプセルは、既にその位
置が判明している艦船等を遠距離から攻撃するための潜
対艦飛しょう体(USM)に使用されるものであり、水
中カプセルは魚雷発射管から射出されるとその方向のま
ま浮上し、飛しょう体を海面から空中へ発射してやるだ
けで、以後は飛しょう体が発射前に入力された目標位置
情報に基づいて自律的に目標を発見して攻撃を行なうこ
とができるが、これを潜水艦がその存在を探知されたこ
とが明白な場合に、自艦の上空・近距離に飛来する対潜
航空機等を攻撃するための潜対空飛しょう体(UAM)
に使用する場合は、潜航中の潜水艦に、空中を飛しょう
中で刻々と変化する目標の位置、速度等の飛しょう体射
撃情報を詳細に得る手段がなく、潜水艦搭載のソナー等
から得られる目標の概略位置等の情報のみを入力して飛
しょう体を発射したとしても、飛しょう体が目標を発見
できる可能性が極めて低いという問題があった。
【0009】この発明はかかる問題点を解決するために
なされたものであり、潜航中の潜水艦に空中を飛しょう
中の目標の位置、速度等の飛しょう体射撃情報を詳細に
得る手段がなくても、潜水艦搭載のソナー等から得られ
る目標の概略位置等の情報だけあれば発射及び確実な攻
撃を実施できる水中カプセルを得ることを目的としてい
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】この発明にかかる水中カ
プセルは、水中カプセルの全周を捜索可能な捜索用レー
ダ装置を、水中カプセルが海面に浮遊している状態のと
き海面上に露出している頭部近傍及び内部に設置したも
のである。
【0011】また、水中浮上、目標捜索、飛しょう体発
射、自沈等一連の水中カプセルの機能を自律的に制御す
る水中カプセル制御装置をカプセル内部に設置する。
【0012】また、飛しょう中の飛しょう体に誘導コマ
ンド等のコマンドを送信できるように、コマンド用アン
テナを、水中カプセルが海面に浮遊している状態のとき
海面上に露出している頭部近傍及び内部に設置する。
【0013】また、水中の潜水艦等の母艦との間でコマ
ンドの送受が行なえるように、コマンド送受用アクティ
ブソナーを水中カプセルが海面に浮遊している状態のと
き水中に入っている、尾部近傍に設置する。
【0014】また、水中カプセルが海面まで浮上してか
ら、より至短時間の間に水中カプセルの姿勢を垂直に安
定させることができるように、姿勢安定装置を水中カプ
セル側面に設置する。
【0015】
【作用】上記のように構成された水中カプセルは、海面
に浮遊した状態で、海面上に露出している先端頭部に設
置された捜索用レーダを使用して、上空を飛しょうする
目標を捜索・探知し、目標の位置・速度等の情報を詳細
に測定する。
【0016】また、上記のように構成された水中カプセ
ルは、海面上に浮上してから先端頭部の飛しょう体発射
口を海面上に露出した状態で、電波方式の誘導装置を搭
載した飛しょう体を海面下からではなく海面上から空中
に発射する。
【0017】また、上記のように構成された水中カプセ
ルは、水中航走のためにモータやエンジンを用いず、自
身の浮力のみで大きな音響を発生せずに静かに浮上す
る。
【0018】また、上記のように構成された水中カプセ
ルは、水中カプセル制御装置が慣性装置の情報を基に海
面浮上を判断し、浮上と同時に飛しょう体発射口を開放
し、捜索用レーダ装置を作動し、水中カプセルの全周を
捜索して目標を探知、捕捉し、その位置、速度等の射撃
情報をリアルタイムに計測し、その情報を飛しょう体に
入力して発射するといった一連の動作を全て自律的に実
施する。
【0019】また、飛しょう体発射後目標が飛しょう体
の誘導装置の探知範囲内に入らない場合等は、水中カプ
セル先端部近傍に設置されたコマンド送信装置によって
水中カプセルから目標情報等のコマンドを飛しょう中の
飛しょう体に送信し、探知範囲内に入るまで水中カプセ
ルからコマンド誘導する。
【0020】また、水中カプセル尾部に設置されたコマ
ンド用アクティブソナーを使用し、水中の潜水艦との間
で音波に乗せた簡単なコマンドの送受を実施する。
【0021】また、姿勢安定装置を展開することによっ
て、水中カプセルが海面まで浮上してから、より至短時
間で水中カプセルの姿勢を垂直に安定させ、またその姿
勢をより安定に維持する。
【0022】
【実施例】
実施例1.図1はこの発明の一実施例の水中カプセルを
示す断面図である。図1において1,2,3,7,1
0,11は上記従来技術と同一のものである。32はマ
イクロ波等の電波を使用したアクティブレーダホーミン
グ方式の対空誘導飛しょう体、15は飛しょう体32を
安定して収納するための角筒状のキャニスタであって、
飛しょう体32の翼の面が角筒の対角線と一致するよう
な形態で収納する。16は目標を捜索、探知、捕捉する
捜索用レーダ装置であり、例えば送信機、受信機、信号
処理器等から構成される。17は目標捜索用の電波を放
射、受信する捜索用アンテナであって、この実施例で
は、コンフォーマルアレーアンテナ方式の捜索アンテナ
であり、水中カプセルの水力特性を劣化させないように
頭部近傍の円筒外殻1の表面にベルト状に埋め込んであ
る。アンテナ素子は例えば、小型・軽量・高密度実装性
に富むマイクロストリップアンテナ等を円筒外殻1の円
周に沿って、例えば約100素子程度配置し、各8素子
ずつでアレーアンテナを構成する。各アレーアンテナ
は、切換スイッチ等を用いて時分割で切り換えること
で、周囲360゜の捜索を実現する。18は飛しょう体
32に誘導コマンド等のコマンドを送信するコマンド送
信装置、19はコマンド送信用電波を放射するコマンド
送信用アンテナであって、この実施例では水中カプセル
の水力特性を劣化させないように頭部の円筒外殻1の内
面に、電波を円筒外殻1の開口から放射できるように斜
め上方に向けて4から6素子を設置した形式のコマンド
用アンテナである。アンテナ素子は例えば、小型・軽量
・高密度実装性に富むマイクロストリップアンテナ等を
円筒外殻1内面の円周に沿って配置する。各アンテナ
は、水中カプセルの周囲を60゜または90゜を覆域と
して、全体で周囲360゜の覆域で飛しょう中の飛しょ
う体32へのコマンド送信を実現する。20は水中カプ
セル搭載各機器のシーケンス制御、誘導計算、コマンド
変換、操舵計算、慣性計算等の信号処理及びコントロー
ルを行なう水中カプセル制御装置、21は水中カプセル
搭載各機器に電力を供給する電源、22は潜水艦との間
で音波による簡単なコマンドの送受信を行なうアクティ
ブソナー、23は例えばナイロン布製等のエアバック形
式で内部にガスを充気することによって水中カプセルの
側面の4箇所から風船のように放射状に展開し、水中カ
プセルの浮遊姿勢を垂直に安定させる姿勢安定装置であ
って、展開する前は小さく折り畳まれて、円筒外殻1と
キャニスタとの間の4箇所の隙間に収納されている。2
4は姿勢安定装置23に送り込むためのガスを貯蔵する
ガスボンベ、25は水中カプセル制御装置20からの信
号によってガスボンベ24の栓を開け姿勢安定装置23
へガスを充気するバルブ、26は円筒外殻1の側面に4
箇所設けられた姿勢安定装置用窓であって、姿勢安定装
置23が円筒外殻1の内部から外部に展開するときに通
るために水中カプセル制御装置20からの信号によって
例えば留め金等がはずれることによって外側に押し開か
れる。27は推力制御装置付ブースタであって、飛しょ
う体32の尾部に接続され、飛しょう体32を垂直に打
ち上げるために短時間で大きな噴射推力を発生するブー
スタに推力の噴射方向を変化させることによって飛しょ
う体の飛しょう経路を急激に変化させる推力制御装置が
付加されている。
【0023】前記のように構成された水中カプセルの動
作を説明する。潜水艦が潜航中、対潜航空機等の目標が
海面上空に飛来して、自艦の被探知の兆候が明白で攻撃
を行なってくることが予想される場合、潜水艦に搭載さ
れているソナーで得られた目標の概略位置方向へ水中カ
プセルを発射すると同時に逃避行動を開始し、逃避行動
に専念する。発射された水中カプセルは、自身の浮力に
よって大きな音響を発生せずに静かに浮上し、操舵装置
7及び舵3によって姿勢を徐々に立てながら上向きの姿
勢で海面に到達する。海面に達したら、その場所で浮遊
する。水中カプセル制御装置20は例えば慣性装置等の
水中カプセルの運動状態の検出結果から海面に浮上した
ことを判定して姿勢安定装置展開指令信号を発する。姿
勢安定装置展開指令信号を受けて、バルブ25がガスボ
ンベ24の栓を開け、姿勢安定装置23へガスを送り込
むと同時に姿勢安定装置用窓26の留め金が解除され、
姿勢安定装置23はガスによって膨張しながら姿勢安定
装置用窓26を押し開き、円筒外殻1の外部へ展開し、
水中カプセルの浮遊姿勢を至短時間にて垂直に安定させ
る。図2に姿勢安定装置23が展開された状況を示す。
(a)は真横から見た図、(b)は真上から見た図を示
す。また、図3に姿勢安定装置の詳細な構成例を示す。
(a)は展開した状態、(b)は展開する前に小さく折
り畳まれて円筒外殻1とキャニスタ15の間の隙間に収
納されている状態を示す。水中カプセルの浮遊姿勢がほ
ぼ垂直に安定した状態を水中カプセル制御装置20が検
出すると、ノーズキャップ分離指令信号を発し、これを
受けて爆発ボルト11が作動してノーズキャップ10が
分離される。ノーズキャップ分離を確認した水中カプセ
ル制御装置20は直ちに捜索指令信号を発し、ノーズキ
ャップ10が分離されたことによって水中カプセルの先
端に露出した捜索用アンテナ17及び捜索用レーダ装置
16が作動を開始する。捜索用レーダ装置16が目標を
捜索、探知、捕捉したら、その位置・速度等を計測し、
位置・速度等の情報を水中カプセル制御装置20へ送信
する。水中カプセル制御装置20は目標と水中カプセル
との相対位置、相対速度等の射撃データを計算し、飛し
ょう体32及び推力制御装置付ブースタ27に入力して
から発射信号を発し、これによって推力制御装置付ブー
スタ27が点火し、飛しょう体32は推力制御装置付ブ
ースタ27により、水中カプセルの解放された先端開口
から垂直上方に打ち上げられる。ある高度に達すると推
力制御装置付ブースタ27は発射前に水中カプセル制御
装置20から入力された射撃情報に従って、目標の方向
に飛しょう体32の飛しょう経路を急激に変更させる。
飛しょう体32は飛しょう経路が目標の方向へ変更され
たことを飛しょう体32に搭載されている慣性センサに
て検知し、推力制御装置付ブースタ27を分離すると同
時に飛しょう体32自身の推進装置に点火する。水中カ
プセルは飛しょう体発射後も海面に浮遊した状態のま
ま、捜索用レーダ装置16及び捜索用アンテナ17にて
引き続き目標の位置・速度等の情報を計測する。計測し
た目標の位置・速度等の情報の信号は水中カプセル制御
装置20を経由してコマンド送信装置18に送られ、コ
マンド送信用アンテナ19から電波に乗せて放射され
る。飛しょう体32は自己の誘導装置で目標を探知でき
る距離に接近するまでは、水中カプセルのコマンド送信
用アンテナ19からのコマンド送信波を飛しょう体32
搭載のコマンド受信用アンテナにて受信してコマンド誘
導される。飛しょう体32の誘導装置の捜索範囲内に目
標を捕捉したら以後は飛しょう体32の誘導装置にて自
律誘導を行ない、目標を撃破する。一方、水中カプセル
中の水中カプセル制御装置20は、水中カプセルの作動
状況を常に簡単な音波信号に変換してアクティブソナー
22から海中へ送信している。潜水艦は自己のソナーに
てこの音波信号を逃避行動を行ないながら受信し、潜水
艦内で水中カプセルの作動状況や戦果の確認を行なう。
もし、水中カプセルに不具合が生じて作動しない場合
等、必要に応じて自沈指令等の簡単な指令信号を音波に
乗せて潜水艦のアクティブソナーから送信し、水中カプ
セルは指令を受けて自沈機構を作動し、自沈する。
【0024】
【発明の効果】この発明は以上説明したように構成され
ているので、以下に記載されるような効果を奏する。
【0025】水中カプセルは海面に浮上後、自己の捜索
用レーダ装置にて他の援助を受けることなく自律的に目
標捜索、探知、飛しょう体発射を実施でき、有線ケーブ
ルで接続して別のレーダ装置から情報を受け取る、水中
カプセルに有線ケーブルでコマンドを送信する等の必要
がないので、潜水艦は有線ケーブル接続によって逃避行
動を制限されることもなく、水中カプセル発射後は自由
に逃避行動に専念できるので、自艦の安全性が高まる。
【0026】また、飛しょう体の発射は水中カプセルの
先端の発射口が海面上に出た状態で行なわれ、飛しょう
体の自己の誘導装置が赤外線やレーザ光線、電波等の海
面における屈折や反射の影響を受けにくいので海面状況
等に左右されずに確実な攻撃が実施できる。
【0027】また、飛しょう体の誘導装置に雨等による
減衰の少ない電波を使用しているので、気象状況に左右
されない全天候下での正確な攻撃が実施できる。
【0028】また、水中カプセルは自身の浮力によって
浮上し、水中航走のためにモータやエンジンを用いてプ
ロペラを駆動する必要がなく、大きな影響を発生するこ
とがないため静粛性に優れる。よって、自艦を既に探知
している可能性の高い目標以外の他の航空機や艦船等に
まで自艦の存在を水中カプセル発射によって暴露する危
険性を低減することができる。また、モータやエンジン
の動力となる電池や燃料を水中カプセル内に搭載する必
要もないので、他の機器の搭載スペースが確保できる。
【0029】また、水中カプセルにコマンド送信機能を
備え、水中カプセルから飛しょう体をコマンド誘導する
ことができるため、水中カプセルが目標から距離を隔て
た位置に浮上したり、目標が被攻撃を察知して逃避行動
に移る等により、飛しょう体の誘導装置の捜索範囲内に
目標を捕捉できない場合でも、水中カプセルからのコマ
ンド誘導により、確実な攻撃を実施できる。
【0030】また、水中カプセルにコマンド送受信用の
アクティブソナーを備えており、潜水艦との間で簡単な
コマンドの送受信が可能であるため、逃避行動中の潜水
艦内で水中カプセルの作動状況及び戦果の確認を行なう
ことができ、その結果水中カプセルに何等かの不具合が
発生して飛しょう体が発射されないこと等が判明した場
合に、必要に応じて自沈指令等のコマンドを潜水艦搭載
のアクティブソナーから送信して水中カプセルを自沈さ
せること等ができるので、戦果に応じて次の作戦を立案
したり、水中カプセルを、電波または音波を無用に長時
間放出したまま浮遊した状態で放置することにより他の
航空機や艦船等にまで自艦の存在を警戒させることを防
止することができる。
【0031】また、水中カプセルに姿勢安定装置を備え
ることによって、斜めの姿勢で浮上した場合等、姿勢を
垂直に安定させるまでに時間を長く要しすぎて目標に攻
撃可能範囲外まで逃避させることを防止するために、水
中カプセルが海面に浮上後至短時間で姿勢を安定させる
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施例1の水中カプセルの断面図
を示す図である。
【図2】 この発明の実施例1の姿勢安定装置の展開時
の状況を示す図である。
【図3】 この発明の実施例1の姿勢安定装置の詳細な
構造例を示す図である。
【図4】 従来の水中航走体の一例を示す図である。
【図5】 従来の水中カプセルの一例を示す図である。
【符号の説明】
1 円筒外殻、2 フィン、3 舵、4 2重反転プロ
ペラ、5 推進用直流モータ、6 推進用電池、7 操
舵装置、8 航走制御装置及び点火コントロール装置、
9 (赤外線或いはレーザ光線等を用いた誘導方式の)
飛しょう体、10 ノーズキャップ、11 爆発ボル
ト、12ケーブル、13マガジン、14ガイドパイプ、
15 キャニスタ、16 捜索用レーダ装置、17 捜
索用アンテナ、18 コマンド送信装置、19 コマン
ド送信用アンテナ、20 水中カプセル制御装置、21
電源、22 アクティブソナー、23 姿勢安定装
置、24 ガスボンベ、25 バルブ、26 姿勢安定
装置用窓、27 推力制御装置付ブースタ、28 ガイ
ドレール、29 サボ、30 ブースタ、31 (アク
ティブ電波レーダ方式の対艦攻撃用の)飛しょう体、3
2 (アクティブ電波レーダ方式の対空攻撃用の)飛し
ょう体。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 海中の潜水艦から飛しょう体を用いて上
    空の目標を攻撃するために、潜水艦の魚雷発射管から海
    面に向けて発射され、かつ、その内部に飛しょう体を収
    納した水中カプセルにおいて、海面に浮上後、飛しょう
    体を発射する前に、上空の目標の位置、速度等の目標情
    報を測定し、その測定結果を飛しょう体に入力する機能
    を持つ捜索用レーダを備えていることを特徴とする水中
    カプセル。
  2. 【請求項2】 上記水中カプセルが、潜水艦から発射さ
    れた後、海面への浮上、目標捜索、飛しょう体発射、自
    沈等の一連の動作を上記の潜水艦から指令を受けること
    なく自律的に制御する機能を持つ制御装置を備えている
    ことを特徴とする請求項1記載の水中カプセル。
  3. 【請求項3】 上記水中カプセルが、姿勢を垂直にして
    海面に浮遊した状態のとき海面上に突出しているカプセ
    ル頭部近傍及び内部に、飛しょう中の飛しょう体に電波
    で目標情報等のコマンドを送信しコマンド誘導する機能
    を持つコマンド送信装置を備えていることを特徴とする
    請求項1記載の水中カプセル。
  4. 【請求項4】 上記水中カプセルが、姿勢を垂直にして
    海面に浮遊した状態のとき海面下にある側のカプセル尾
    部及び内部に、潜水艦との間でコマンドの送受が可能と
    なるための音波コマンド送受信用アクティブソナーを備
    えていることを特徴とする請求項1記載の水中カプセ
    ル。
  5. 【請求項5】 上記水中カプセルが海面に浮遊している
    ときにカプセル側部より展開してカプセルの姿勢を安定
    に保つための、エアバッグ方式等の姿勢安定装置を備え
    ていることを特徴とする請求項1記載の水中カプセル。
JP6205472A 1994-08-30 1994-08-30 水中カプセル Pending JPH0868599A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001347990A (ja) * 2000-06-06 2001-12-18 Ishikawajima Harima Heavy Ind Co Ltd 水中航走体の回収装置及び該回収装置に用いられる浮袋並びに該浮袋の折り畳み方法
JP2007071482A (ja) * 2005-09-09 2007-03-22 Ihi Aerospace Co Ltd 対空超高速飛翔弾とこれを用いた対空攻撃方法
CN108791721A (zh) * 2018-05-16 2018-11-13 李国松 一种基于水上大型运输工具的逃生装置
CN118145048A (zh) * 2024-05-13 2024-06-07 西安羚控电子科技有限公司 一种无人机发射装置及控制方法

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