JPH061349A - 溶接缶胴を有する缶体 - Google Patents
溶接缶胴を有する缶体Info
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- JPH061349A JPH061349A JP15386892A JP15386892A JPH061349A JP H061349 A JPH061349 A JP H061349A JP 15386892 A JP15386892 A JP 15386892A JP 15386892 A JP15386892 A JP 15386892A JP H061349 A JPH061349 A JP H061349A
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Abstract
された鋼板を、平行な2辺を対向させて筒型に変形さ
せ、重ね合された2辺を溶接することによって形成され
た溶接缶胴を有する缶体であって、該鋼板の炭素含有率
が0.01重量%未満であり、鋼板表面に300mg/
m2 以下の目付量の金属クロム層が設けられ、更にその
上に金属クロム量換算で30mg/m2 以下の付着量の
クロム水和酸化物層が設けられ、かつ缶胴溶接部のナゲ
ットピッチが板厚の4倍以下であり、しかも鋼板の溶接
部には溶接性向上のための溶接前処理がなされていない
ことを特徴とする溶接缶胴を有する缶体。 【効果】本発明により、研削粉の飛散による製缶環境お
よび缶内容物の汚染が無く、溶接補修塗装部の塗膜密着
性が高く、信頼性の高い缶が得られる。
Description
金属缶体に関する。より詳しくは、クロムめっき鋼板の
溶接により成型された缶胴を有する缶体であって、缶内
容物および製缶環境の金属粉汚染の原因となるような、
溶接のための鋼板の機械的研削を必要とせず、溶接部の
必要十分な強度と、優れた塗装密着性ならびに耐食性を
持ち、なおかつ生産性が高く、経済性に優れた缶体に関
する。
は一般に用いられるマッシュシーム型缶胴溶接機(以下
「溶接機」とする)によって溶接できなかった。これ
は、「材料とプロセス」第4巻第1616頁に発明者ら
が述べたように、TFSの表面が高電気抵抗性を示すC
r水和酸化物により覆われているために、交流電源シー
ム溶接機では連続溶接が困難であるためである。そのた
め、従来TFSを溶接するに際しては、溶接作業の直前
に溶接該当部を研削除去する方法が一般的に用いられて
きた。
業環境の悪化や、製品である缶内部への研削粉の混入な
どにより、缶内容物を損う等の懸念があった。また、研
削された部分は、下地鉄が露出し、あるいはさらにその
下地鉄が部分的に酸化された状態になり、その後の補修
塗装における塗膜の密着性は、TFSほど良好ではなく
なる。
膜の剥離、塗膜下腐食などの問題をつねに抱えていた。
また、当然ながら、補修塗装を行わない場合には、研削
部は腐食が極めて速やかに進行した。
めっき層を粒状に析出させたり、Snめっ層をTFS上
に析出させる等の方法が公知であるが、粒状Cr層を用
いる場合は色調の制御に格段の配慮が必要であり、また
Crめっき上にSnを析出させる場合はCr水和酸化物
層除去のために特殊な処理を必要とし、更にSnめっき
層上の塗膜密着性が低下しやすい等の操業上、品質管理
上の問題があり、一般にクリア塗装で用いられる事の多
いガロン缶用途では広く用いられていない。
のガロン缶成形方法に由来する問題点、具体的には研削
粉の飛散による製缶環境および缶内容物の汚染が無く、
溶接補修塗装部の塗膜密着性が高く、信頼性の高い缶を
提供することを目的とする。
っき鋼板を材料として、缶胴を溶接で成型された缶体の
上記の問題点を解決すべく、溶接部のナゲットピッチに
着目し、板厚とナゲットピッチの関係について鋭意研究
を行い、本発明をなすに至った。
質平行になるように剪断成形された鋼板を、平行な2辺
を対向させて筒型に変形させ、重ね合された2辺を溶接
することによって形成された溶接缶胴を有する缶体であ
って、該鋼板の炭素含有率が0.01重量%未満であ
り、鋼板表面に300mg/m2 以下の目付量の金属ク
ロム層が設けられ、更にその上に金属クロム量換算で3
0mg/m2 以下の付着量のクロム水和酸化物層が設け
られ、かつ缶胴溶接部のナゲットピッチが板厚の4倍以
下であり、しかも鋼板の溶接部には溶接性向上のための
溶接前処理がなされていないことを特徴とする溶接缶胴
を有する缶体が提供され、前記目的が達成される。
接機によりぶりきと同様の缶胴溶接を行おうとすると、
材料界面での接合が起き始める最低溶接電流の値と、溶
接部が溶融飛散して急冷される事でできる髭状突起の溶
接欠陥いわゆるスプラッシュが発生する溶接上限電流と
が極めて近接あるいは逆転し、健全な溶接部を得ること
が極めて困難であった。この溶接電流最大値と最小値の
差が、溶接可能電流範囲(ACR)であるが、クロムめ
っき鋼板ではこれが非常に小さいかあるいは全く得られ
なかった。
熱源として材料界面のジュール熱を利用しており、それ
ゆえ、材料のACRは、溶接される材料相互の界面接触
抵抗と、溶接重ね合せ部のオーバーラップ幅の精度によ
っても大きく変化する。このACRは、鋼板の製造ロッ
トによっても微妙に変動するため、ある材料のACRが
非常に狭い場合は、溶接工程において入荷ロット毎に溶
接電流などの溶接条件を変更せねばならず、その間は生
産設備を止めなければならないため、事実上商業生産に
用いることはできない。これがACRの広い材料が求め
られる所以である。
大になり、溶接界面近傍の材料が溶融し、その際、主に
電極加圧力等によって溶融金属が外部に押出され、急冷
凝固する事により生成する。
反応の特性上、常に電気抵抗の高いクロム水和酸化物層
が存在するために、ぶりき等に比べて界面接触抵抗が高
くなり、投入溶接電流当りの発熱量は大きくなる。
接では、溶接電流が小さい状態では、個々のナゲット当
りの融着あるいは鍛接面積が小さく、図1に示す様に、
隣接するナゲットとの間に未溶接部が残りやすい。この
様な状態では巨視的に連続した溶接部は得られず、当然
缶体として健全な製品は得られない。
ット間も連続した溶接部を得ようとして溶接電流を大き
くすると、界面の発熱は急激に大きくなり、図2のよう
にスプラッシュを発生する。
溶接熱を小さくした上で、連続した健全な溶接部を得る
ために、缶胴溶接部のナゲットピッチを板厚の4倍以
下、好ましくは3倍以下と定める。このナゲットピッチ
は、界面の発熱による重ねあわされた材料の融着あるい
は鍛接と、材料内部の熱伝播及び電極、雰囲気による吸
熱とのバランスにより決まる数値であると考えられる。
領域では、界面の接触抵抗による発熱による鍛接あるい
は融着が十分に起きると同時に、材料内部の熱伝導によ
る余剰熱の拡散吸収が十分なために、スプラッシュの発
生はない。1ナゲット当りの融着長さが短い代りに、隣
接するナゲット同士が十分近いところにあるため、結果
的に溶接部は健全な状態で連続している。この領域にお
いては、クロムめっき鋼板を材料として缶胴を形成する
際に、溶接部に先立つ被溶接部分の研削などの前処理を
必要とせず、溶接部のスプラッシュ発生が軽微で、美麗
かつ強固な溶接部を形成でき、かつ十分な強度が得られ
る。
体は、缶胴として向い合う2辺が実質平行になるように
剪断成形された鋼板を、平行な2辺を対向させて筒型に
変形させ、重ね合された2辺を溶接によって形成される
溶接缶胴を用いる。これは従来、缶胴の溶接成型法とし
て一般的に用いられている方法であり、ここで言う筒型
成型時の断面は円形、楕円形、多角形等種々の形が含ま
れる。また、向い合う2辺が実質平行であるという事
は、溶接に先立ち筒型に成型され、溶接されるべき2辺
が向いあった時に溶接が可能な程度に平行である事を意
味する。
%未満とするのは、この領域で、溶接熱影響部の硬度上
昇が起きず、それにより特に溶接部の加工性が向上する
ためである。この炭素含有率の領域においては、通常の
鋼板の圧延方向に缶胴を巻き、鋼板の圧延方向と直角を
なす方向に缶胴溶接を行う方法の他、鋼板を圧延方向と
直角をなす方向に巻き、さらに鋼板の圧延方向に溶接を
行う方法においても、溶接に続くフランジ成型時の溶接
部熱影響部でのクラック発生が起らず、缶の密封性向上
に大きな効果がある。
として、所定のクロムめっきを施すことが可能であるな
らば、例えば鋼板最表面にNiめっきを施した後に熱拡
散処理によりNi拡散層を形成させたような表面調整原
板を用いることもできるし、同様にクロムめっき層と原
板の間に、Ni,Zn,Sn,Fe等の金属あるいはこ
れら金属の合金めっきや金属とP等との合金めっきを単
層あるいは複数層挿入する事もできる。
下、好ましくは20〜200mg/m 2 の金属Cr層
を、更にその上に金属Cr換算で30mg/m2 以下、
好ましくは2〜20mg/m2 の付着量のCr水和酸化
物層を設けるのは、従来クロムめっき鋼板製缶が用いら
れてきた用途について、十分な塗膜密着性及び耐食性を
得るためである。
ッチが板厚の4倍以下、好ましくは3倍以下とするの
は、この領域においては、クロムめっき鋼板を材料とし
て缶胴を形成する際に、溶接部に先立つ被溶接部分の研
削などの前処理を必要とせず、溶接部のスプラッシュ発
生が軽微で、美麗かつ強固な溶接部を形成でき、かつ十
分な強度が得られるからである。これは、単位個々のナ
ゲット当りの投入熱量が小さく、溶接熱影響部の広がり
が最小限に抑えられると同時に、ナゲット間の距離が十
分接近するために、巨視的に連続した溶接部が得られる
ためである。
は、溶接時のワイヤ電極送り速度と交流溶接電源の周波
数を、適宜組合せるなどの手段を用いて達成される。
鋼板は、その缶体としての用途に合致した性能を満たす
ものであれば、塗装されていても、未塗装状態でもかま
わない。塗料の性質、塗装あるいは被覆の手段はどのよ
うな種類のものでもよい。
具体的に説明する。缶胴の製造法 板厚0.14〜0.32mm、炭素含有率0.0015
〜0.02重量%のアルミキルド冷延鋼板に、片面当り
金属クロム87〜320mg/m2 、更にその上に水和
酸化クロムを金属クロム量換算で7〜31mg/m2 付
着させ、缶内面相当部にエポキシフェノール系樹脂を、
缶外面相当部分にエポキシエステル系樹脂を各60mg
/m2 被覆したクロムめっき鋼板を用い、スードロニッ
ク社製のワイヤーシーム溶接機により、ナゲットピッチ
を変えて缶胴を溶接成型した。表1に使用した鋼板およ
び溶接条件を示す。
ゲットの中心間距離を測定した。 フランジクラック:溶接工程でフランジャーによるフラ
ンジ成型後の缶胴を抜き取り、溶接部近傍のクラック発
生の状態を目視判定した。クラック発生がなければ◎、
クラック発生が認められれば×と評価した。 溶接部強度(ピールテスト):缶胴の溶接部の一端の、
溶接部の両脇3cmの部分に、鋼板の縁から45°の角
度で各々3cmの切込みを入れ、その部分をプライヤで
掴み、溶接部を缶胴から引きちぎるピールテスト(ハイ
ンテスト)により、溶接部の連続性を調査した。溶接部
が連続的に最後まで引きちぎれれば◎、途中で破断すれ
ば×と評価した。 缶内金属粉汚染:溶接終了後の缶胴内の溶接部中央部の
左右4cmに渡って、幅15mmのセロファンテープを
貼り、ただちに剥がした後、0.1N HCl 50c
c中に入れて、10分間煮沸し、原子吸光分析により、
浸出液中のFe,Crを測定した。測定限界以上のF
e,Crが検出されれば×、検出されなければ◎と評価
した。 スプラッシュ発生:目視により、溶接可能電流範囲の中
央値での溶接時に、缶内面及び外面に発生したスプラッ
シュを以下の如くに判定した。 ◎スプラッシュ発生なし ○補修塗装で被覆可能、密封性及び強度は問題なし。 ×補修塗装で被覆不可能 塩水噴霧試験:5%NaCl水溶液を用い、塩水噴霧試
験機で溶接補修塗装部に塩水を噴霧し、20日後の赤錆
発生面積を計測し、参考例の数値に対して±20%以内
を○、20%を超えるものを×、−20%より少ないも
のを◎とした。 コーンテスト:底角70°の鋼鉄製円錐を静置した上に
缶胴をかぶせ(円錐の底面は缶径よりも大きい)、上方
から垂直に、缶胴底部が破断するか、缶胴が円錐台に変
形するまで荷重をかけ缶胴溶接部か又は加熱影響部から
破断すれば不可(×)、それ以外の場合は可(○)とし
た。
発明の缶体は、所期の目的が達成されることが明らかで
ある。
環境および缶内容物の汚染が無く、溶接補修塗装部の塗
膜密着性が高く、信頼性の高い缶が得られる。
不足の場合の溶接部縦断面の模式図である。
シュが発生する場合の溶接部縦断面の模式図である。
接の場合の溶接部縦断面の模式図である。
具体的に説明する。缶胴の製造法 板厚0.14〜0.32mm、炭素含有率0.0015
〜0.02重量%のアルミキルド冷延鋼板に、片面当り
金属クロム87〜320mg/m2、更にその上に水和
酸化クロムを金属クロム量換算で7〜31mg/m2付
着させ、缶内面相当部にエポキシフェノール系樹脂を、
缶外面相当部分にエポキシエステル系樹脂を各60mg
/dm2 被覆したクロムめっき鋼板を用い、スードロニ
ック社製のワイヤーシーム溶接機により、ナゲットピッ
チを変えて缶胴を溶接成型した。表1に使用した鋼板お
よび溶接条件を示す。
Claims (1)
- 【請求項1】向い合う2辺が実質平行になるように剪断
成形された鋼板を、平行な2辺を対向させて筒型に変形
させ、重ね合された2辺を溶接することによって形成さ
れた溶接缶胴を有する缶体であって、該鋼板の炭素含有
率が0.01重量%未満であり、鋼板表面に300mg
/m2 以下の目付量の金属クロム層が設けられ、更にそ
の上に金属クロム量換算で30mg/m2 以下の付着量
のクロム水和酸化物層が設けられ、かつ缶胴溶接部のナ
ゲットピッチが板厚の4倍以下であり、しかも鋼板の溶
接部には溶接性向上のための溶接前処理がなされていな
いことを特徴とする溶接缶胴を有する缶体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15386892A JP3212136B2 (ja) | 1992-06-12 | 1992-06-12 | 溶接缶胴を有する缶体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15386892A JP3212136B2 (ja) | 1992-06-12 | 1992-06-12 | 溶接缶胴を有する缶体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH061349A true JPH061349A (ja) | 1994-01-11 |
JP3212136B2 JP3212136B2 (ja) | 2001-09-25 |
Family
ID=15571866
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP15386892A Expired - Fee Related JP3212136B2 (ja) | 1992-06-12 | 1992-06-12 | 溶接缶胴を有する缶体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3212136B2 (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6335216B1 (en) | 1998-10-30 | 2002-01-01 | The Furukawa Electric Co., Ltd. | Method for fabricating a semiconductor optical device having a ridge stripe |
US7044666B2 (en) | 2003-03-31 | 2006-05-16 | Ricoh Company, Ltd. | Sheet feeding device and image forming apparatus |
JP2007294514A (ja) * | 2006-04-21 | 2007-11-08 | Renesas Technology Corp | 半導体装置 |
US8185037B2 (en) | 2008-09-06 | 2012-05-22 | Ricoh Company, Limited | Sheet feeding device and image forming apparatus including the same |
JP2013133154A (ja) * | 2011-12-27 | 2013-07-08 | Nagao Seikansho:Kk | 金属製角缶 |
-
1992
- 1992-06-12 JP JP15386892A patent/JP3212136B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6335216B1 (en) | 1998-10-30 | 2002-01-01 | The Furukawa Electric Co., Ltd. | Method for fabricating a semiconductor optical device having a ridge stripe |
US7044666B2 (en) | 2003-03-31 | 2006-05-16 | Ricoh Company, Ltd. | Sheet feeding device and image forming apparatus |
JP2007294514A (ja) * | 2006-04-21 | 2007-11-08 | Renesas Technology Corp | 半導体装置 |
US8185037B2 (en) | 2008-09-06 | 2012-05-22 | Ricoh Company, Limited | Sheet feeding device and image forming apparatus including the same |
JP2013133154A (ja) * | 2011-12-27 | 2013-07-08 | Nagao Seikansho:Kk | 金属製角缶 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3212136B2 (ja) | 2001-09-25 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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