JPH06134253A - 排煙脱硫設備の気液接触装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 吸収装置の高さを低くし且つ循環ポンプを不
要とし、更に攪拌機を小型化し、コストダウンを図る。 【構成】 仕切壁２６で上下室２７，２８に仕切られ且
つ吸収液２が供給されるケーシング本体２９と、下室２
８上部に排ガスを供給するための排ガス吹込配管３０
と、前記下室２８と上室２７を連通するよう仕切壁２６
から下室２８内へ延びる液上昇配管３１と、前記下室２
８と上室２７を連通するよう仕切壁２６から下室２８内
へ延び且つ下端が前記液上昇配管３１下端より下側に位
置する液循環用配管３２と、前記上室２７上部から排ガ
スを排出するための排ガス抜出配管３３とから吸収装置
３４を構成する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、排煙脱硫設備の気液接
触装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来の排煙脱硫設備は、一般に図３に示
されるように、下部に形成された液溜り部１の吸収液２
を、循環ポンプ３の作動により、上部に配設されたスプ
レーノズル４から噴霧して循環させると共に、外部から
供給される排ガスを前記スプレーノズル４から噴霧され
た吸収液２と接触せしめた後排出させる吸収装置として
の吸収塔５と、該吸収塔５の液溜り部１内の吸収液２を
攪拌する攪拌機７とを有する気液接触装置を備えてお
り、更に、前記液溜り部１に酸化用空気を供給する圧縮
機６と、後述する母液タンクから供給される液２３とサ
イロ８から供給される石灰９を混練して吸収剤スラリー
１０を生成し且つ該吸収剤スラリー１０を前記吸収塔５
の液溜り部１に供給するための吸収剤スラリーピット１
１と、前記吸収塔５の底部から吸収液２の一部が供給さ
れ且つ前記吸収塔５の液溜り部１へ供給されるカセイソ
ーダ等の中和剤１２の一部が供給され前記吸収液２と中
和剤１２を混合攪拌する中和タンク１３と、該中和タン
ク１３から抽出された液１４を濃縮せしめるシックナ１
５と、該シックナ１５で濃縮された液１６が供給され該
液１６を攪拌する脱水機供給タンク１７と、該脱水機供
給タンク１７から抽出される液１６を脱水し石膏１９を
生成するための脱水機２０と、該脱水機２０で脱水され
た水２１が供給され該水２１の一部を前記シックナ１５
へ供給するための濾液ピット２２と、前記シックナ１５
から上澄みの液２３が供給され該液２３の一部を前記吸
収塔５の液溜り部１と吸収剤スラリーピット１１へ供給
し且つ残りを排水処理装置２４へ送るための母液タンク
２５とを備えてなる構成を有している。

【０００３】尚、図３中、１８は吸収塔５へ適宜補給さ
れる補給水である。

【０００４】前述の如き排煙脱硫設備の場合、攪拌機７
で攪拌される吸収液２が循環ポンプ３の作動により循環
しており、吸収塔５に送り込まれた排ガスは、スプレー
ノズル４から噴霧される吸収液２と接触することによ
り、硫黄酸化物が吸収除去された後、外部へ排出され
る。

【０００５】一方、前記排ガスから硫黄酸化物を吸収し
た吸収液２の一部は、吸収塔５の液溜り部１の底部から
中和タンク１３へ供給され、該中和タンク１３において
中和剤１２と混合攪拌され、該混合攪拌された液１４が
シックナ１５へ送られ、該シックナ１５において濃縮さ
れ、該濃縮された液１６が脱水機供給タンク１７を経て
脱水機２０へ送られ、該脱水機２０において水分が除去
され石膏１９が生成される。

【０００６】前記脱水機２０で脱水された水２１は、濾
液ピット２２を経て前記シックナ１５へ戻され、又、該
シックナ１５における前記液１４の濃縮時に出る上澄み
の液２３は、母液タンク２５を経て前記吸収塔５の液溜
り部１と吸収剤スラリーピット１１へ供給されると共
に、排水処理装置２４へ送られる。

【０００７】前記吸収剤スラリーピット１１へ供給され
た液２３は、該吸収剤スラリーピット１１においてサイ
ロ８から供給される石灰９と混練され、吸収剤スラリー
１０として前記吸収塔５の液溜り部１に供給される。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述の
如き排煙脱硫設備の気液接触装置では、排ガスをスプレ
ーノズル４から噴霧される吸収液２と接触させる構造と
なっているため、吸収装置としての吸収塔５の高さが高
くなると共に、循環ポンプ３も大型のものが必要とな
り、又、液溜り部１における吸収液２の均一化を図る手
段が攪拌機７のみであることから、該攪拌機７を大型化
しなければならず、コストアップにつながるという問題
を有していた。

【０００９】本発明は、斯かる実情に鑑み、吸収装置の
高さを低くし得ると共に循環ポンプを不要とし得、更に
攪拌機を小型化し得、コストダウンを図り得る排煙脱硫
設備の気液接触装置を提供しようとするものである。

【００１０】

【課題を解決するための手段】本発明は、外部から供給
される排ガスを吸収液と接触せしめた後排出させる吸収
装置と、該吸収装置内の吸収液を攪拌する攪拌機とを備
えた排煙脱硫設備の気液接触装置において、仕切壁で上
下室に仕切られ且つ吸収液が供給されるケーシング本体
と、下室上部に排ガスを供給するための排ガス吹込配管
と、前記下室と上室を連通するよう仕切壁から下室内へ
延びる液上昇配管と、前記下室と上室を連通するよう仕
切壁から下室内へ延び且つ下端が前記液上昇配管下端よ
り下側に位置する液循環用配管と、前記上室上部から排
ガスを排出するための排ガス抜出配管とから前記吸収装
置を構成したことを特徴とするものである。

【００１１】

【作用】従って、運転時においては、上室の所望のレベ
ルまで吸収液を吸収装置のケーシング本体内へ供給した
状態で、排ガス吹込配管から下室上部へ排ガスを所望の
圧力で供給していくと、該排ガス圧力により吸収液の下
室内における液面は下降し、且つ吸収液の上室内におけ
る液面は上昇し、前記下室内における吸収液の液面が液
上昇配管の下端部まで下がった状態になると、前記排ガ
ス吹込配管から下室上部へ供給される排ガスは、液上昇
配管の下端周縁部から液上昇配管内に入り込み、該液上
昇配管内から上室側へ上昇する過程で吸収液と接触し、
硫黄酸化物が吸収除去された後、排ガス抜出配管からケ
ーシング本体外部へ排出される。ここで、前記吸収液の
ケーシング本体内への供給量を調整し、前記吸収液の上
室内における液面を変化させると、排ガスと吸収液との
接触時間の調整がなされ、排ガス流量の変化にも対応可
能となる。

【００１２】又、前記下室内及び液上昇配管内における
吸収液の一部は、前記排ガスと一緒に流動して液上昇配
管内から上室側へ上昇し、該上室側の吸収液の一部は、
液循環用配管から下室側へ下降し、吸収液は均一化され
る。

【００１３】この結果、従来のように排ガスをスプレー
ノズルから噴霧される吸収液と接触させることなしに、
ケーシング本体内の吸収液と直接接触させることが可能
となり、又、排ガスの流れにより吸収液の流動が生ず
る。

【００１４】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ説
明する。

【００１５】図１は本発明の一実施例であって、図中、
図３と同一の符号を付した部分は同一物を表わしてお
り、基本的な構成は図３に示す従来のものと同様である
が、本実施例の特徴とするところは、図１に示す如く、
仕切壁２６で上下室２７，２８に仕切られ且つ吸収液２
が供給されるケーシング本体２９と、下室２８上部に排
ガスを供給するための排ガス吹込配管３０と、前記下室
２８と上室２７を連通するよう仕切壁２６から下室２８
内へ延びる液上昇配管３１と、前記下室２８と上室２７
を連通するよう仕切壁２６から下室２８内へ延び且つ下
端が前記液上昇配管３１下端より下側に位置する液循環
用配管３２と、前記上室２７上部から排ガスを排出する
ための排ガス抜出配管３３とから吸収装置３４を構成し
た点にある。

【００１６】本実施例においては、前記液上昇配管３１
の下端周縁部は、図２に示す如く、波型に形成してあ
り、前記下室２８内における吸収液２の液面が液上昇配
管３１の下端部まで下がった状態で、排ガス吹込配管３
０から下室２８へ供給される排ガスが前記液上昇配管３
１の下端周縁部における波型の部分から液上昇配管３１
内に入り込みやすくなるようにしてある。

【００１７】前述の如く構成したので、運転時において
は、上室２７の所望のレベルまで吸収液２を吸収装置３
４のケーシング本体２９内へ供給した状態で、排ガス吹
込配管３０から下室２８上部へ排ガスを所望の圧力で供
給していくと、該排ガス圧力により吸収液２の下室２８
内における液面は下降し、且つ吸収液２の上室２７内に
おける液面は上昇し、図１に示す如く、前記下室２８内
における吸収液２の液面が液上昇配管３１の下端部３５
まで下がった状態になると、前記排ガス吹込配管３０か
ら下室２８上部へ供給される排ガスは、液上昇配管３１
の下端周縁部における波型の部分から液上昇配管３１内
に入り込み、該液上昇配管３１内から上室２７側へ上昇
する過程で吸収液２と接触し、硫黄酸化物が吸収除去さ
れた後、排ガス抜出配管３３からケーシング本体２９外
部へ排出される。ここで、前記吸収液２のケーシング本
体２９内への供給量を調整し、前記吸収液２の上室２７
内における液面を変化させると、排ガスと吸収液２との
接触時間の調整がなされ、排ガス流量の変化にも対応可
能となる。

【００１８】又、前記下室２８内及び液上昇配管３１内
における吸収液２の一部は、前記排ガスと一緒に流動し
て液上昇配管３１内から上室２７側へ上昇し、該上室２
７側の吸収液２の一部は、液循環用配管３２から下室２
８側へ下降し、吸収液２は均一化される。

【００１９】この結果、図３に示す従来例のように排ガ
スをスプレーノズル４から噴霧される吸収液２と接触さ
せることなく、ケーシング本体２９内の吸収液２と直接
接触させることが可能となり、従って吸収装置３４の高
さは低くて済み、且つ循環ポンプ３は必要なくなり、
又、排ガスによる吸収液２の流動が生ずることから、攪
拌機７も小型のもので済む。

【００２０】こうして、吸収装置３４の高さを低くする
ことができると共に循環ポンプ３を不要とすることがで
き、更に攪拌機７を小型化することができ、コストダウ
ンを図ることが可能となる。

【００２１】尚、本発明の排煙脱硫設備の気液接触装置
は、上述の実施例にのみ限定されるものではなく、本発
明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得
ることは勿論である。

【００２２】

【発明の効果】以上、説明したように本発明の排煙脱硫
設備の気液接触装置によれば、吸収装置の高さを低くし
得ると共に循環ポンプを不要とし得、更に攪拌機を小型
化し得、コストダウンを図り得るという優れた効果を奏
し得る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例の概要図である。

【図２】図１に示す一実施例における吸収装置の液上昇
管部の拡大斜視図である。

【図３】従来例の概要図である。

【符号の説明】

２ 吸収液 ５ 吸収塔（吸収装置） ７ 攪拌機 ２６ 仕切壁 ２７ 上室 ２８ 下室 ２９ ケーシング本体 ３０ 排ガス吹込配管 ３１ 液上昇配管 ３２ 液循環用配管 ３３ 排ガス抜出配管 ３４ 吸収装置

フロントページの続き (72)発明者 田丸 忠義 東京都江東区豊洲三丁目２番16号 石川島 播磨重工業株式会社豊洲総合事務所内

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 外部から供給される排ガスを吸収液と接
   触せしめた後排出させる吸収装置と、該吸収装置内の吸
   収液を攪拌する攪拌機とを備えた排煙脱硫設備の気液接
   触装置において、仕切壁で上下室に仕切られ且つ吸収液
   が供給されるケーシング本体と、下室上部に排ガスを供
   給するための排ガス吹込配管と、前記下室と上室を連通
   するよう仕切壁から下室内へ延びる液上昇配管と、前記
   下室と上室を連通するよう仕切壁から下室内へ延び且つ
   下端が前記液上昇配管下端より下側に位置する液循環用
   配管と、前記上室上部から排ガスを排出するための排ガ
   ス抜出配管とから前記吸収装置を構成したことを特徴と
   する排煙脱硫設備の気液接触装置。