JPH06129942A - パイプラインの監視方法及びその装置 - Google Patents

パイプラインの監視方法及びその装置

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JPH06129942A
JPH06129942A JP5145960A JP14596093A JPH06129942A JP H06129942 A JPH06129942 A JP H06129942A JP 5145960 A JP5145960 A JP 5145960A JP 14596093 A JP14596093 A JP 14596093A JP H06129942 A JPH06129942 A JP H06129942A
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pressure
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remote station
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Bii Jiyaadeii Jieemusu
ジェームス・ビー・ジャーディー
Yuichi Nogami
祐一 野上
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Nippon Kokan Ltd
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    • G01M3/2815Investigating fluid-tightness of structures by using fluid or vacuum by measuring rate of loss or gain of fluid, e.g. by pressure-responsive devices, by flow detectors for pipes, cables or tubes; for pipe joints or seals; for valves ; for welds for pipes using pressure measurements

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Abstract

(57)【要約】 【目的】パイプラインにおける漏洩などの事象を迅速か
つ信頼性よく検知でき、その該事象の発生位置、該事象
の発生時刻および該事象に伴う圧力変化の相対的大きさ
を決定することが可能なパイプラインの監視方法および
その装置を得る。 【構成】パイプライン1内の流体中を伝播する圧力先頭
波を引き起こす圧力の過渡現象を生ずる事象の発生を識
別する1の監視方法であって、1に沿って互いに既知の
距離だけ離れて複数個のリモートステーション(例えば
A〜E)を設置し、各リモートステーションから圧力先
頭波のそこへの到達を示す到達時刻信号をそれぞれ発生
させ、各リモートステーションA〜Eからの到達時刻信
号が同一事象に対応するものかどうかを決定し、もし到
達時刻信号が同一事象に対応していると決定された場合
に、少なくとも1に沿った過渡現象を生ずる事象の発生
位置を得ると共に、その事象の発生を識別するステップ
を含んでいる1の監視方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、パイプライン内の天然
ガスや石油あるいは水などの流体中を伝播する圧力先頭
波を引き起こす圧力の過渡現象を生ずる事象の発生を識
別するパイプラインの監視方法およびその監視装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、パイプラインにおいては、弁操
作、ポンプの起動ー停止あるいはパイプラインの破断な
どの事象によって、当該事象の発生場所で圧力の急激な
変化が起こることは知られている。この圧力の変化は、
ただちに圧力先頭波を形成し、当該場所からその上流と
下流の両方向に向けて、パイプラインを流れる流体中を
その流体中の音速で伝播する。
【0003】パイプラインに漏洩が起こると環境に影響
を与えるため、漏洩箇所を迅速に探し出し、その規模を
決定することができれば、これにより、必要な対応措置
の内容と緊急度を決定することができる。
【0004】このようなことから、従来圧力先頭波に基
き、漏洩個所などの情報を決定する方法が種々公開され
ている。例えば、第1の例である英国特許明細書1,438,
237は、漏洩個所を挟んだ両側の検出器に到達した圧力
先頭波の到達時刻の差から漏洩個所を決定している。
【0005】また第2の例である欧州特許公告、0 042
212 A1は、漏洩個所の上流および下流側の位置に到達し
た圧力先頭波の大きさから同じ情報を得ている。第3の
例である米国特許3,851,521 は、パイプラインに沿った
各検出ステーション間の間隔が等しくない場合であって
も、漏洩個所を挟んだ両側の検出ステーションにおける
圧力先頭波の到達時刻の差にもとづいて漏洩位置を決定
する技術である。
【0006】圧力先頭波を発生する事象の位置および規
模が決定されると、この情報は、それが漏洩、弁操作ま
たはパイプラインのその他の装置の運転もしくはノイズ
によるものかどうかを決定するために使用される。
【0007】ただし、以上述べた従来例は、いずれも漏
洩個所などの情報を正確に決定することができない。そ
の原因として、例えば、異なった検出ステーションにお
ける各到達時刻の決定において参照されている基準時刻
の正確度に不確実さが存在するからである。また、前記
到達時刻の差とともに、漏洩個所等の決定に用いられる
パイプライン内の流体中を伝播する圧力先頭波の速度に
も不正確さがあり、特にパイプラインの流体成分によっ
ても前記速度は変化する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】前述の従来例は、前述
の不確実さに対する処理に問題があるとともに、同時に
複数の事象が発生した場合には間違った判断を生じやす
い。例えば、保護領域が100kmのパイプラインの場
合(パイプラインに沿って配置された複数のリモートス
テーションによって監視されている)において、1100m/
sec の圧力先頭波の伝播速度の場合、圧力先頭波はこの
距離を伝播するのに約90秒を要する。もし、パイプライ
ンで漏洩が生じた後、約90秒以内に、パイプラインに設
置されている弁が操作された場合には、両事象とも、リ
モートステーションに到達する圧力先頭波を起こし、そ
れらの圧力先頭波の到達は、一つの事象に対応している
ものとして認識されるかも知れない。また、圧力の過渡
現象を生ずる事象は、パイプラインの保護領域以外で発
生することもあり、そこから発生する圧力先頭波は、保
護領域を通過する。このような場合における信号も適切
に識別され、正しく処理されなければならない。パイプ
ライン内の流体中におけるノイズも重大な問題となる。
種々の事象の内、例えば保護領域で発生した漏洩が原因
で種々のリモートステーションに到達した圧力先頭波信
号を、例えば弁の開閉などのパイプラインの通常運転に
関係する事象によって保護領域外で発生した信号や、あ
るいはノイズから分離することが重要である。
【0009】パイプライン中の流体性状が変ると、事象
の発生源の位置を確定するのに必要な種々のパラメータ
も変ってくる。そのようなパラメータに対して、容易に
しかも正確に値を更新できなければならないが、前述従
来例では、それが不可能である。
【0010】そこで、本発明の第1の目的は、パイプラ
インにおける漏洩などの事象を迅速かつ信頼性よく検出
し、その位置、発生時刻および相対的大きさを正確に決
定するパイプラインの監視方法およびその装置を提供す
ることにある。
【0011】本発明の第2の目的は、複数のリモートス
テーションが配置される保護領域内で発生した事象によ
って生ずる圧力先頭波の到達を識別するパイプラインの
監視方法およびその装置を提供することにある。
【0012】本発明の第3の目的は、保護領域とこの両
端の不確実領域のいずれかの領域に漏洩などの事象が発
生したかを検知できるパイプラインの監視方法およびそ
の装置を提供することにある。
【0013】本発明の第4の目的は、パイプライン中の
流体の成分変化に伴って変化するところの事象検出に用
いられるパラメータの値を、容易に、迅速に、しかも正
確に更新するパイプラインの監視方法およびその装置を
提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、請求項1に対応する発明は、パイプライン内の流体
中を伝播する圧力先頭波を引き起こす圧力の過渡現象を
生ずる事象の発生を識別するパイプラインの監視方法で
あって、前記パイプラインに沿って互いに既知の距離だ
け離れて複数個のリモートステーションを設置し、この
各リモートステーションから前記圧力先頭波がそのリモ
ートステーションへ到達したことを示す到達時刻信号を
それぞれ発生させ、前記各リモートステーションからの
前記到達時刻信号が同一事象に対応するものかどうかを
決定し、もし前記到達時刻信号が同一事象に対応してい
ると決定された場合に、前記過渡現象を生ずる事象の少
なくともパイプライン上の発生位置を得ることにより前
記事象の発生を識別するステップを含んでいることを特
徴するパイプラインの監視方法である。
【0015】前記目的を達成するための請求項2に対応
する発明における請求項1記載の同一事象に対応するも
のかどうかを決定するステップは、前記リモートステー
ションのうちの一つのリモートステーションから発せら
れた前記到達時刻信号に着目し、この到達時刻信号から
スタートして前記リモートステーションに対して最も離
間している他のリモートステーションとの距離に基づい
て事前に決定されている時間窓の中で他のリモートステ
ーションが発した該到達時刻信号の有無をチェックし、
到達時刻信号が有った場合にそれを選定することによ
り、決定することを特徴とするパイプラインの監視方法
である。
【0016】前記目的を達成するための請求項3に対応
する発明における請求項1記載の同一事象に対応するも
のかどうかを決定する決定ステップは、到達時刻信号を
発生した各リモートステーションに対応する識別符号な
らびにその各リモートステーションに対応する到達時刻
信号をリストへ保存し、前記リストに保存された最も古
い到達時刻信号に対応するリモートステーションに対し
て、前記事前に決定された時間窓内に発生した到達時刻
信号をすべてチェックし、それらの中から、到達時刻信
号の先頭波ペアを構成するために、該2つの到達時刻信
号に対応する2つのリモートステーションを選定し、も
し、前記のリストに、前記の事前に決定された時間窓内
に到達したものがない場合に、前記リストから前記最も
古い到達時刻信号を削除することを特徴とするパイプラ
インの監視方法である。
【0017】前記目的を達成するための請求項4に対応
する発明における請求項1記載の同一事象に対応するも
のかどうかを決定する決定ステップは、選定された先頭
波ペアの2つの到達時刻信号が同一事象に対応している
かどうかを先頭波ペアの2つの圧力先頭波の到達時刻の
差が、前記先頭波ペアを構成する2つのリモートステー
ション間の距離をもとにした時間窓より大きくないかど
うかにより確認することにより、決定することを特徴と
するパイプラインの監視方法である。
【0018】前記目的を達成するための請求項5に対応
する発明における請求項1記載の決定ステップは、前記
先頭波ペアの2つのリモートステーションからの前記到
達時刻が同一事象に対応しているかどうかを決定し、こ
の決定されたリモートステーションにおける圧力先頭波
の到達時刻を前記圧力先頭波の伝播方向と組合わせ、選
定された2つのリモートステーションの少なくとも一つ
の圧力先頭波の伝播方向が2つのリモートステーション
に挟まれた監視領域から外側に向かうものであり、かつ
いずれの先頭波伝播方向も前記監視領域に入ってくるも
のでない場合に、前記事象の発生と決定することを特徴
とするパイプラインの監視方法である。
【0019】前記目的を達成するための請求項6に対応
する発明における請求項1記載の決定ステップは、前記
監視領域を前記2つのリモートステーションの間の中央
部分と、該各リモートステーションに隣接する各端部部
分に区分し、この区分された中央部分に、前記決定ステ
ップによって得られた事象の位置が入る場合に当該事象
の発生位置として出力し、前記決定ステップにより得ら
れた当該事象の発生位置が前記区分された端部部分のい
ずれかに入る場合に、選定された2つのリモートステー
ションの各々における到達圧力先頭波の大きさを求め、
この求めた2つの大きさ比が、パイプライン中の流体を
伝播する圧力先頭波の減衰率および当該事象の発生位置
と2つのリモートステーション間の距離をもとに計算さ
れた大きさ比と一致している場合に端部部分における前
記事象の発生位置として出力することを特徴とするパイ
プラインの監視方法である。
【0020】前記目的を達成するため、請求項7に対応
する発明は、パイプライン内の流体中を伝播する圧力先
頭波を引き起こす圧力の過渡現象を生ずる事象の発生を
識別するパイプラインの監視方法であって、互いに既知
の距離だけ離れて設置された複数のリモートステーショ
ンを備え、この各リモートステーションにおいて、該リ
モートステーションの圧力先頭波の到達を表示する到達
時刻信号を発生し、事前に決定された時間窓内に到達時
刻信号を発する前記リモートステーションの内の2つを
選定し、この選定された2つのリモートステーションか
らの前記到達時刻信号が、前記複数のリモートステーシ
ョンの内、最上流のリモートステーションおよび最下流
のリモートステーションによって定義されるパイプライ
ンの保護領域の外で発生した事象によって生じた通過性
の圧力先頭波に対応するかどうかを決定し、この決定が
通過性の圧力先頭波の場合には、パイプライン中を流れ
る流体中を伝わる圧力先頭波の伝播速度および該流体の
流速の少なくとも1つを導出し、それにより圧力先頭波
の伝播速度あるいは流速を更新するステップを含んだこ
とを特徴とするパイプラインの監視方法である。
【0021】前記目的を達成するための請求項8に対応
する発明における請求項7記載の決定ステップは、前記
選定された2つのリモートステーションにおいて得られ
た到達圧力先頭波の大きさ比がパイプライン中の流体を
伝播する圧力先頭波の減衰率および前記保護領域の長さ
をもとに計算された圧力先頭波の大きさ比と一致する場
合、前記事象が発生したことを出力する導出ステップを
含んでいることを特徴とするパイプラインの監視方法で
ある。
【0022】前記目的を達成するため、請求項9に対応
する発明は、パイプライン内の流体中を伝播する圧力先
頭波を引き起こす圧力の過渡現象を生ずる事象の発生を
識別するパイプラインの監視方法であって、前記パイプ
ラインに沿って互いに既知の距離間隔を置いて設置され
た複数のリモートステーションを定め、かつ保護領域を
定義する前記複数のリモートステーションの内の最も下
流側と最も上流側のものを定め、前記圧力先頭波の到達
を表示する到達時刻信号が標準時刻を参照する前記リモ
ートステーションで発せられ、前記標準時刻に基づく基
準時刻および前記パイプライン中を流れる流体中を伝わ
る圧力先頭波の伝播速度の精度に基き、前記保護領域の
各端に存在する不確実領域の長さを求め、前記リモート
ステーションで発した圧力先頭波の到達時刻を表す信号
から前記事象の発生位置を決定し、前記事象の発生位置
が保護領域の両端のどちらかの不確実領域内にあるとき
は、その不確実領域自体を示す信号を出力し、また前記
事象の位置が前記保護領域内にあるが、前記不確実領域
内にないときは、決定された前記事象の発生位置に対応
する位置信号を出力するステップを含んでいることを特
徴とするパイプラインの監視方法である。
【0023】前記目的を達成するため、請求項10に対
応する発明は、パイプライン内の流体中を伝播する圧力
先頭波を引き起こす圧力の過渡現象を生ずる事象の発生
を識別するパイプラインの監視装置において、前記パイ
プラインの保護領域を定義する最上流と最下流に設置さ
れたリモートステーションの間に所定の間隔で設置され
た複数のリモートステーションと、このリモートステー
ションから、前記圧力先頭波の到達を示す時刻信号を、
標準時刻を参照にして発生させる時刻信号発生手段と、
前記標準時刻に基づく基準時刻と前記パイプライン中を
流れる流体中を伝わる圧力先頭波の伝播速度の精度に基
き、前記保護領域の各端に存在する不確実領域の長さを
求める手段と、前記リモートステーションから発せられ
た、該圧力先頭波の到達を示す時刻信号に基いて前記事
象の発生する位置を決定する手段と、前記事象の発生位
置が前記不確実領域の中に含まれる場合には、不確実領
域自体を示す信号を出力し、また前記事象の発生位置が
前記保護領域にあるが、前記不確実領域内にない場合に
は前記事象の決定された位置に対応する位置信号を出力
する位置信号出力手段と、を具備したパイプラインの監
視装置である。
【0024】
【作用】請求項1に対応する発明によれば、同一事象に
対応するものかどうかを決定し、同一事象に対応してい
ると決定された場合に、過渡現象を生ずる事象の発生位
置を、迅速かつ信頼性よく検出できる。
【0025】請求項2〜請求項4に対応する発明によれ
ば、請求項1記載の同一事象に対応するものかどうかを
決定するステップは、リモートステーションからの圧力
先頭波の到達を示す到達時刻信号、または圧力先頭波の
到達時刻信号を発したリモートステーションの識別符号
とその到達時刻信号が保存されたリストに事前に決定さ
れた時間窓内で先頭波ペアを構成する到達時刻信号がな
い場合には前記リストから最も古い到達時刻信号を削除
すること、あるいは先頭波ペアの2つの圧力先頭波の到
達時刻差に基づいて、同一事象に対応するものかどうか
を判定するようにしたので、パイプラインの監視が迅速
かつ信頼性よくできる。
【0026】請求項5に対応する発明によれば、請求項
1記載の同一事象に対応するものかどうかを決定すると
共に、この決定されたリモートステーションにおける圧
力先頭波の到達時刻信号と圧力先頭波の伝播方向とを組
み合わせることによる判定を行うようにしたので、パイ
プラインの監視がさらに迅速かつさらに信頼性よくでき
る。
【0027】請求項6に対応する発明によれば、パイプ
ラインの監視領域を中央部分と端部部分に区別し、この
区別した部分に請求項1記載の決定ステップによって得
られた事象が有るかどうかを判定すると共に、この場
合、圧力先頭波の大きさ比に基づき事象の発生位置を特
定するようにしたので、パイプラインの監視がさらに迅
速かつさらに信頼性が向上する。
【0028】請求項7および請求項8に対応する発明に
よれば、リモートステーションが配置される保護領域外
で発生した事象によって生じた通過性事象とを識別する
ことが可能となり、パイプラインのパラメータの値を、
容易に、迅速に、しかも正確に更新することができる。
【0029】請求項9および請求項10に対応する発明
によれば、請求項1の作用に加えて、事象の発生位置が
保護領域の両端のどちらかの不確実領域内にあるとき
は、その不確実領域自体を示す信号を出力し、また事象
の位置が前記保護領域内にあるが、前記不確実領域内に
ないときは、決定された事象の発生位置に対応する位置
信号を出力するようにしたので、パイプラインにおける
漏洩などの事象の発生位置、発生時刻、相対的な大きさ
を正確に決定できる。
【0030】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。図1は、本発明の概略構成を示す図であ
り、ここではパイプライン1に沿って所定間隔を存して
設置されるリモートステーション(圧力監視ステーショ
ン)が、A,B,C,D,Eの5箇所であって、マスタ
ーステーション2が1個所で、マスターステーション2
と各リモートステーションA〜Eの間が遠隔通信回線3
により接続されている場合を例にあげているが、各形態
はこれに限定されるものではない。
【0031】各リモートステーションA〜Eは、それぞ
れパイプライン1中の流体中に、例えば漏洩や弁操作な
どの事象により圧力波が生じ、この圧力先頭波がパイプ
ライン1内の流体をその事象の発生位置から上下流に伝
播することから、その圧力先頭波の到達を検出してその
到達時刻と圧力先頭波の大きさをマスターステーション
2に報告する機能を備えている。いずれのリモートステ
ーションにおける該到達時刻も、図示しない共通の標準
時刻、例えば位置検出用衛星(GPS:地球位置計測衛
星、衛星航法システム)からの標準時刻に基づき正確に
表されるようになっている。さらに、各リモートステー
ションA〜Eのオプション機能としては、圧力先頭波の
伝播方向も検出できるようなっている。
【0032】各リモートステーションA〜Eのそれぞれ
の間の距離は、その圧力先頭波検出器の感度、パイプラ
インのノイズ特性、あるいは弁、分岐管、または過渡圧
力事象(圧力先頭波)を発生しうるその他の発生源の位
置によって異なる。例えばガソリンのパイプラインにお
ける一般的各リモートステーション間の距離は15〜3
0kmであり、最長では約100kmの場合もある。な
お、各リモートステーションA〜Eのそれぞれの間隔
は、すべて同一にする必要はない。
【0033】各リモートステーションA〜Eで圧力先頭
波が検出された場合には、遠隔通信回線3を通じてマス
ターステーション2に伝送される。遠隔通信回線3は、
電話回線や衛星通信回線など、情報を伝送する手段とし
て適正なものであればよい。帯域幅と伝送遅延は、パイ
プラインおよび実施形態の詳細内容によって異なるが、
一般的な値は2400ボーで10秒以上の遅れがないも
のであればよい。
【0034】マスターステーション2は、便利な場所で
あればどこにでも設けることができる。そこには、各リ
モートステーションA〜Eから圧力先頭波に関する情報
(レポート)を受け取り、それにもとづいて以下で説明
するように事象の発生位置および発生位置における過渡
現象の大きさ、ならびに発生時刻を決定する機能が装備
されている。
【0035】パイプライン1上の任意の位置は、基準点
に対して相対的に指定される。基準点はパイプライン1
の位置がすべて参照できる位置であれば任意の点でよ
い。一般的には、パイプラインの距離マーカーであった
り、ポンプステーションが設置されている場所となる。
パイプライン1に沿った距離や位置は、基準点の位置に
より正または負のいずれの符号も取り得る。負の位置と
は、基準点の上流側であり、負の距離は上流方向への距
離である。上流とは、パイプライン1中の流体が流れて
くる方向をいい、下流とは、流体が流れていく方向を示
す。
【0036】この発明の1つの特徴として、図5(チ)
に示すように各リモートステーションA〜Eの設置によ
る「保護領域」の考え方が含まれている。保護領域と
は、システムが圧力の過渡現象(伝播する圧力先頭波)
を信頼度良く検出でき、その発生位置を決定できるパイ
プラインの部分をいう。もし、圧力先頭波が保護領域外
で発生したときには、リモートステーションA〜Eから
得られるレポートには、発生源の位置とその大きさを正
確に評価する上で不適切な情報が含まれることとなる。
【0037】異なるステーションから送られてきた2つ
の圧力先頭波のレポートであって、一つの事象による圧
力先頭波を表していると考えるものを、以後、「先頭波
ペア」と呼ぶことにする。
【0038】本発明の全体構成は、「検知装置」および
「判定装置」からなっている。検知装置は、先頭波ペア
が後述する本来監視すべき事象によるものであるか、ま
たは通過性事象によるものであるかを決定するものであ
り、その決定は、圧力先頭波到達時刻およびそれを報告
するリモートステーションの位置にもとづいている。
【0039】判定装置は、先頭波ペアが実際に本来監視
すべき事象(保護領域内で発生する漏洩などによる圧力
の過渡事象であり、以下単に監視対象事象と称する)に
よるものであるか、または通過性事象によるものである
かのいずれによるものであるかを確認するものであり、
もしそれが監視対象事象によるものでであれば、保護領
域内の特定の場所として先頭波発生源の位置を決定す
る。判定は、リモートステーションから報告される圧力
先頭波の到達時刻、大きさ、およびオプションとして伝
播方向に関する情報をもとにして行われる。
【0040】通過性事象は、保護領域外で発生し、保護
領域を通過する圧力先頭波を発生する事象をいう。検知
装置は、音速C、流体の速度(流速)P、下流側圧力先
頭波伝播速度Vd、上流側圧力先頭波伝播速度Vu 、最
大距離Dx 、最大判定ウィンドウWqx、および最大ウィ
ンドウ公差Wtxなどの値を使用する。
【0041】音速Cは、圧力先頭波がパイプライン内の
流体中を伝わる速度であって、その流体に相対的な音速
(以下単に音速と称する)であり、下記に述べるような
手法で、通過性事象の通過時間を測定することにより、
経験的に決定することができる。パイプライン1の流体
性状についての正確な知識を使用して、(a)よく知ら
れた公式にもとづいた理論的な計算および(b)もし、
流体の各構成成分に対する音速Cがすでに分かっている
ときは、当該各音速C値および対応する各成分の比率を
もとにして計算を行うことができる。1つの例として、
ある鋼製パイプライン中のガソリンなどの場合、この音
速Cの代表的な値は約1100m/secとなる。
【0042】流速Pは、流体がパイプライン中を流れる
速度である。上記に示すパイプライン例における一般的
な値は、1〜2m/sec である。下流側圧力先頭波伝播速
度Vd (図4(ニ)に示す)は、下流側から伝播する圧
力先頭波の速度であり、(1)式で計算される。
【0043】 Vd = C − P (1) 上流側圧力先頭波伝播速度Vu (図4(ニ)に示す)
は、上流から伝播する圧力先頭波の速度であり、(2)
式で計算される。
【0044】 Vu = C + P (2) 最大距離Dx は、各報告リモートステーションごとに異
なり、例えば図1に示すように特定の報告リモートステ
ーション(図1の場合のBステーション)とパイプライ
ンに沿った当該報告リモートステーションから最も離れ
た他のリモートステーション(図1の場合Eステーショ
ン)との間の距離である。
【0045】最大判定ウィンドウWqxは、ある報告リモ
ートステーションからの圧力先頭波レポートを受信した
後の経過時間の長さである。もし、圧力先頭波の発生源
が保護領域内にある場合には、同一の発生源による圧力
先頭波であれば、その到達についてはこのWqxの時間内
に他のリモートステーションからもマスターステーショ
ンにレポートがなされることとなる。最大判定ウィンド
ウWqxは、報告リモートステーションから最も遠方のリ
モートステーションまでの距離をもとにして計算され
る。もし、最も遠方のリモートステーションが報告ステ
ーションの上流側にあるときは、最大判定ウィンドウW
qxは、(3)式で計算される。
【0046】 Wqx = Dx /Vd (3) もし、最も遠方のリモートステーションが報告リモート
ステーションの下流側にあるときは、最大判定ウィンド
ウWqxは、(4)式で計算される。
【0047】 Wqx = Dx /Vu (4) これらの値はいずれも、ある特定の報告リモートステー
ションから最も遠方のリモートステーションまでの圧力
先頭波の伝播時間を表している。Wqxの値の例は、ガソ
リンを輸送するパイプラインにおける50km区間の場
合約45秒である。
【0048】最大ウィンドウ公差Wtxは、最大判定ウィ
ンドウWqxと組合わせて使用される時間の値であり、下
記に詳述するように、実質的には最大判定ウィンドウW
qxとほぼ等しいと考えられるところの圧力先頭波が到達
する時間差Td の範囲を定義する。その値は、リモート
ステーションに使用される基準時刻の不確かさUt 、音
速Cの不確かさUc 、および最大距離Dx にもとづいて
いる。Wtxは(5)式で計算される。
【0049】Wtx =Ut +(Uc /C)×{Dx /
(C+Uc )} (5) 基準時刻の精度が、
0.01秒であり、、パイプライン1中の流体が単一で
あって音速Cが変化しないシステムの場合、その値は1
0ミリ秒となる。
【0050】本発明は、パイプライン1を、図5(チ)
に示すように、流体の圧力の過渡事象を確実に検出して
その位置を計算することができる保護領域と、事象の発
生またはその発生位置を正確に検出することができない
2つの非保護領域とに区分して扱う。非保護領域の一つ
は、パイプライン1の最上流端から保護領域の上流側ま
でであり、もう一つの非保護領域は保護領域の下流端か
らパイプライン1の下流端までである。ある非保護領域
あるいはもう一方は、パイプライン1の末端(最上流端
あるいは最下流端)の一つにリモートステーションを設
置することにより、消去することができる。
【0051】図1の例では、パイプライン1に沿って各
リモートステーションA〜Eによってカバーされる範囲
が保護領域を構成する。保護領域の範囲は、図5(チ)
に示すようにシステムに組込まれたすべてのリモートス
テーションの中で最も下流にあるリモートステーション
Eの位置、システムに組込まれたすべてのリモートステ
ーションの中で最も上流にあるリモートステーションA
の位置、および不確実領域の大きさUu およびUd によ
って決定される。
【0052】前記最も下流、最も上流にあるリモートス
テーションには、それぞれ不確実領域が隣接している。
不確実領域とは、最も上流もしくは最も下流のリモート
ステーションに非常に近接したの部分であって、もし、
その領域内で事象が発生した場合は、この発明に係わる
システムをして、当該事象が不確実領域で発生したのか
保護領域外で発生したのか判別することができない部分
のパイプラインをいう。不確実領域は、利用するすべて
の時間基準に伴う固有の精度限界があるために、また、
(パイプラインの流体の種類の変化によって生じる)音
速Cの変化があるために存在するものである。
【0053】不確実領域の大きさは、図4(ニ)のVu
とVd および最大ウィンドウ公差Wtxから計算すること
ができる。上流側の不確実領域Uu の大きさは、(6)
式で計算される。
【0054】 Uu = Wtx × Vu (6) 下流側の不確実領域Ud の大きさは、(7)式で計算さ
れる。 Ud = Wtx × Vd (7) 不確実領域の大きさは、保護領域の有効範囲を決定す
る。保護領域の有効範囲の上流側の端点Eu と下流側の
端点Ed は、(8),(9)式の通りになる。
【0055】 Eu = Dmu + Uu (8) Ed = Dmd − Ud (9) もし、リモートステーションがパイプライン1の両側の
末端(最上流端および再下流端)に位置する場合には、
これらを含むリモートステーションでパイプライン全体
をカバーすることができる。この場合、不確実領域は、
パイプライン1のわずかな部分だけとなる。ただし、そ
こでは事象の位置を正確に計算することはできない。本
発明に従って、圧力の過渡事象が不確実領域内で発生し
たと決定された場合には、本システムは単に発生した領
域を指定するだけで、その位置をさらに正確に決定する
ことはしない。
【0056】上流側の不確実領域内で考えられる位置誤
差の値の例は、ガソリンを輸送するパイプラインでの8
0km区間に対しては10メートル程度である。図5
(チ)に、これまでに述べた保護領域、その有効範囲、
非保護領域および不確実領域を示す。
【0057】図6は、本発明の実施例の漏洩あるいは弁
操作などによる圧力の過渡事象の検知およびこれを判定
するための処理動作を説明するためのフローチャートで
ある。以下、図6について、各ステップ(以下単にSと
称する)をおって説明する。ここでは、Sは、必ずしも
単一の操作を示すものではない。
【0058】図6において、S7は、一般的な用語「ス
タートアップ」で指定される開始ルーチンであり、本発
明の目的を遂行するためにシステム操作が開始すること
を意味している。
【0059】S8は、図1の各リモートステーションA
〜Eからの圧力先頭波の情報伝送(レポート)待ちの状
態であり、圧力先頭波到達レポートの受信状況をチェッ
クする。
【0060】ここで、各リモートステーションA〜Eに
よる圧力先頭波の到達の検出方法は、本発明の要旨には
直接関係ないので、その詳細な説明は省略するが、その
一例について簡単に説明する。例えば圧力先頭波の到達
の検出方法としては、パイプライン中の流体圧力に関係
する特性値を測定する工程と、測定された特性値を電気
信号に変換する工程と、所定時間に亘る電気信号を記憶
保持する工程と、記憶保持された所定時間の電気信号か
ら前記圧力先頭波の到達時刻を決定する工程とで構成さ
れている。
【0061】パイプライン内に圧力変動を伴う事象が発
生した場合、圧力先頭波がパイプライン内の流体中を伝
播していくが、この圧力先頭波はパイプライン内の流体
の圧力特性を測定することによって検出される。測定さ
れた圧力特性は電気信号に変換される。そして、測定さ
れた各圧力値は所定時間に亘り記憶保持される。したが
って、常時最新の所定時間分の圧力値が記憶保持され
る。そして、この最新の所定時間分の圧力値から用いて
圧力先頭波の到達時刻を決定している。
【0062】S9では、もし圧力先頭波の到達が検出さ
れると(あるリモートステーションから圧力先頭波を捕
らえたとの情報が伝達(レポート)されると)、そのリ
モートステーション(報告リモートステーション)の識
別符号、圧力先頭波の到達時刻、圧力先頭波の大きさ、
および圧力先頭波の通過方向(ただし方向情報について
は必ずしも今回の発明に必要ではなく、リモートステー
ションが方向の検出も可能なタイプであるとき時のみオ
プションとして取扱われる)が、図2に示すような圧力
先頭波リストに追加される。
【0063】S10は、圧力先頭波リスト(図2)の中
で最も古い圧力先頭波に着目し、その到達時刻から最大
判定ウィンドウWqxの時間(パージングウインドウと呼
ぶ)が経過したか否かを判定する(同じ事象による圧力
先頭波を他のリモートステーションが検知する可能性の
ある時間が経過したか否かを判定することになる)。こ
のパージングウィンドウは、同一事象による圧力先頭波
を表す場合の2つの圧力先頭波到達レポート間の最大時
間であり、式(3)および(4)によって決定される。
パージングウインドウが経過していない場合には、流れ
はS8に戻る。
【0064】ここで、最も古い圧力先頭波を報告したリ
モートステーション(図1の場合B)を“SS”と呼
ぶ。S11では、S10においてパージングウインドウ
が経過したら、“SS”リモートステーション以外に他
のリモートステーションからのレポートがそこまでの
(パージングウインドウ内の)リスト中にあるかどうか
を調べる。例えば、図2のリストで言えば、“B”が最
も古い圧力先頭波であり、それに基づく最大判定ウィン
ドウWqxの時間を1分30秒とすれば、Wqx時間の中に
“C”,“A”,“D”の圧力先頭波があることにな
る。
【0065】S12では、S11において調べた結果、
“SS”以外のリモートステーションがリスト中になけ
れば、“SS”をリストから削除する。S13では、S
11において調べた結果、“SS”をスタート点とする
パージングウインドウ内に、“SS”以外のリモートス
テーションがリスト中にあれば、それら“SS”以外の
リモートステーションの内より最新の圧力先頭波を報告
しているものを拾い上げ、それと最も古い圧力先頭波を
報告しているもので以下の条件に適合するものを先頭波
ペアとして構成する。例えば、図2のリスト例で言えば
“B”:最も古い圧力先頭波を報告しているリモートス
テーションであり、“D”が最新の圧力先頭波を報告し
ているリモートステーションとなる。
【0066】ただし、以下の説明は、簡潔に記すことを
目的として隣り合うリモートステーション同志である
“B”と“C”のリモートステーションにより先頭波ペ
アを構成するものとして行う。
【0067】S14では、圧力先頭波の到達時刻情報を
基にしてTd >Wq +Wt かどうかが判断される。ここ
で、Td は例えば図3(イ),(ロ)に示す“B”と
“C”のリモートステーションにおける圧力先頭波到達
時間差、 Wq は特定の判定ウィンドウであり、同一事
象による圧力先頭波である場合に、Td が取り得る最大
値であり、これは(10)式、(11)式により計算さ
れる。
【0068】 Wq = (Ds −Df )/Vu (10) この(10)式は、最初の報告リモートステーションが
第2の報告リモートステーションの上流側にある場合で
あり、特定の判定ウィンドウWq は、基準点から圧力先
頭波の到達を報告する最初のリモートステーションまで
の距離Df 、および基準点から圧力先頭波の到達を報告
する第2のリモートステーションまでの距離Ds から計
算される。
【0069】 Wq = (Df −Ds )/Vd (11) (11)式は、最初の報告リモートステーションが第2
の報告リモートステーションの下流側にある場合であ
る。
【0070】Wt は特定の判定ウィンドウ公差であり、
特定の判定ウィンドウWq と実質的に等しいと考えられ
る時間差Td の範囲を定義する。その値は、2つの特定
の報告リモートステーション間の距離(監視領域)およ
び前述の基準時刻の不確かさUt と音速Cの不確かさU
c に基づいている。
【0071】ここで、2つの報告リモートステーション
の距離は、2つの内、下流のリモートステーションまで
の基準点からの距離をDd 、上流のリモートステーショ
ンまでの基準点からの距離をDu とすると、(Dd −D
u )より計算される。Wt は(12)式のように計算さ
れる。
【0072】Wt =Ut+(Uc /C)×{(Dd −D
u )/(C+Uc )} (12)Wt の値は、基準
時刻精度が0.01秒、および単一の流体を流す音速C
が変化しないパイプラインの場合、10ミリ秒となる。
【0073】S14で、Td >Wq +Wt であれば、
“B”と“C”のリモートステーションで検出された圧
力先頭波は互いに関連がなく、同一事象によるものでは
ないことになる。この場合には、S11に戻る。S14
で、Td ≦Wq +Wt であれば、“B”と“C”のリモ
ートステーションで検出された圧力先頭波は、BーC区
間で生じた漏洩等の事象によるものか、あるいはBーC
区間以外で生じた漏洩等の事象による圧力先頭波が
“B”と“C”を通過したものである可能性があること
になる。
【0074】S15では、Td <Wq −Wt であるかど
うかが判断され、Td <Wq −Wtである場合に、
“B”と“C”のリモートステーションで検出された圧
力先頭波は、BーC間で生じた漏洩等の監視対象事象に
よるものである可能性が考えられ、さらに詳しい判定を
行うためS20に進む。S15でTd ≧Wq −Wt と判
定された場合には、既にS14によりTd ≦Wq +Wt
と判定されているので、Wt がWq に比して小さいこと
を考えると、Td とWq がほぼ等しいことを意味してい
ると言える。この場合は、BーC区間以外で生じた漏洩
等の事象による圧力先頭波が“B”と“C”を通過した
可能性が考えられる。この場合には、S16へ進む。
【0075】S16では、以下のような処理を行う。図
3(ハ)に示すように“B”と“C”は、共に対象とし
ているパイプラインの両末端に設置されているリモート
ステーションではないので(パイプラインの両末端に設
置されているリモートステーションとは、図3(ハ)に
おいてパイプラインの最上流端および最下流端に設置さ
れている“A”と“E”のことを言う)、BーC間以外
の部分で生じた圧力先頭波が“B”と“C”を通過した
可能性があり、S17へ進む。
【0076】S17では、通過性事象か否かの判定とし
て、当該先頭波ペアの持つ情報が保護領域の外に位置す
る圧力先頭波の発生源によるものであることを意味して
いるかどうかを確認する。この詳細な動作については、
図8を参照して後述する。
【0077】S17,S18において、先頭波ペアが通
過性事象によるものであると判定された場合、S19に
おいては下記の方法により、音速Cおよび流速Pのそれ
までの値を更新する。まず、検出されたばかりの通過性
事象の各種パラメータが保存される。これらのパラメー
タには、通過性事象に伴う圧力先頭波到達時刻の時間差
Td および圧力先頭波の通過方向が含まれている。リモ
ートステーションが圧力先頭波の伝播方向を検知するこ
とができないタイプの場合であっても、ここでいう通過
性事象の場合には、2つの報告リモートステーションの
どちらが圧力先頭波を最初に検出したかを示すことによ
って圧力先頭波の方向を決定することができる。
【0078】ついでシステムは、反対方向に伝播する最
も新しい通過性事象に対するデータを検索する(これに
ついては図6には示されていない)。図4(ニ)に示す
上流側圧力先頭波伝播速度Vu に対する原値は、Dmdと
Dmuおよび上流側からの通過性事象における時間差Tdu
から、(13)式のように計算される。
【0079】 Vu = (Dmd−Dmu)/Tdu (13) 下流側圧力先頭波伝播速度Vd に対する原値は、Dmdと
Dmuおよび下流側からの通過性事象における時間差Tdd
から、(14)式のように計算される。
【0080】 Vd = (Dmd−Dmu)/Tdd (14) 流速Pの原値は、(15)式のように計算される。 P = (Vu −Vd )/2 (15) 音速Cの原値は、(16)式のように計算される。
【0081】 C = Vu − P (16) 音速Cおよび流速Pの新しい原値が得られると、システ
ムは、音速、流速、および上流側および下流側圧力先頭
波伝播速度の、それまでこの判定フロー中で用いられて
きた値を更新する。これは、原値をディジタルフィルタ
ー(図示されていない)を通すことによって行われる。
このフィルターは、音速および流速の変化に迅速に応答
するように設計されており(例えば、パイプラインの流
体の成分の変化などに対して)、一方では単発性の異常
な原値が発生した場合にはそれを除去するようになって
いる。このためには、単純なIIR(infinite Impluse
Response)タイプをはじめ、種々の好適なフィルターが
ある。
【0082】上記の処理が終了すると、通過性事象を表
わしている先頭波ペアを構成する2つの圧力先頭波情報
は、いずれも圧力先頭波リストから削除される。これら
の圧力先頭波に対応する事象は、すでに通過性事象とし
て検出されていることにより不要となるからである。
【0083】もし、S14とS15により、Td がWq
より小さいと判定された場合(すなわち、S15が出力
YES を発する)、あるいは、Td がWq とほとんど等し
いと判定されてた場合でも2つの報告リモートステーシ
ョンがそれぞれパイプラインの実質的な最上流端および
最下流端に位置している場合(図3(ハ)のAとEのリ
モートステーションがその例である)には(S16によ
って決定されるように)、二つの圧力先頭波は、漏洩な
どの監視対象事象によるものを表わしている可能性があ
ると考えられる。このため、S20において、該事象が
監視対象事象か否かの判定が行われる。この詳細につい
ては、図7を参照して後述する。
【0084】S21において、先頭波ペアが監視対象事
象によるものと判定されなかった場合には、S11に戻
る。先頭波ペアが通過性事象か監視対象事象のいずれか
と判定された場合には、システムはS8に戻り、先頭波
レポートに対する監視を再開する。
【0085】S20の判定は、圧力先頭波の伝播方向を
検知できるリモートステーションの有無によって多少そ
の内容が変わるが、この方向を検知できるリモートステ
ーションとしては、例えば以下のような方法を用いれば
よい。即ち、パイプラインに沿って2つの測定位置から
流体圧力に関係する特性値を測定し、最も最新の前記特
性値の変化率からしきい値を決定するとともに、このし
きい値と前記特性値の変化率とから圧力先頭波の到達を
検出し、さらに、前記2つの測定位置で測定された最も
最新の前記特性値の差からしきい値を決定し、このしき
い値と前記特性値の差とから圧力先頭波の到達による圧
力の相対的な変化を求め、前記圧力先頭波の到達検出信
号と前記圧力先頭波の到達による圧力の相対的な変化に
よる信号とから前記圧力先頭波の伝播方向と極性、或い
は圧力先頭波の伝播方向のみを決定する方法である。
【0086】この方法を用いることにより、測定位置か
ら測定した特性値のうち最も最新の特性値からしきい値
を決定し、このしきい値に基づいてパイプライン中の圧
力先頭波の到達を検出しているので、多少のノイズを含
んでも確実、かつ、適切に圧力先頭波を検出できる。ま
た、2つの測定位置から測定した最も最新の特性値の差
からしきい値を決定し、このしきい値と前記特性値との
差を比較しているので、同様にノイズの影響を受けずに
圧力先頭波の到達による圧力の相対的な変化を求めるこ
とができ、しかも2つの測定位置に対応してそれぞれ圧
力先頭波の到達を見ており、かつ、圧力先頭波の到達に
よる圧力の相対的な変化を判定しているので、迅速に圧
力先頭波の伝播方向と極性、或いは圧力先頭波の伝播方
向を決定できる。
【0087】次に、図7を参照して監視対象事象に関す
る判定動作(図6のS20に相当する)を説明する。こ
のS20の目的は、圧力先頭波の到達時刻、大きさ、伝
播方向の情報(方向情報はオプション)を用いて、その
圧力先頭波が両報告リモートステーションに挟まれる区
間で生じた単一の事象によるものかどうかを判定するこ
とにある。
【0088】図7のS23で図6のS20の処理を開始
する。S42において、まずここで先頭波ペアを構成す
るリモートステーションが方向検出機能を有するか否か
が、調べられる。2つのリモートステーションが方向検
出機能を有する場合、2つの圧力先頭波の方向は、上流
側、下流側および不明のいずれかとなる。上流側とは、
圧力先頭波が上流側からくることをを意味する。一方、
下流側とは、圧力先頭波が下流側からくることを意味す
る。不明とは、報告リモートステーションが方向を検知
できなかったことを意味する。
【0089】S24では、2つの報告リモートステーシ
ョンで検知された圧力先頭波の方向の少なくとも一つが
その2つのリモートステーションで挟まれた区間から外
側へ出ていくものであるかどうかをチェックする。この
条件に当てはまれば、S25へ進む。例えば、図4の
(ホ)のように、“B”と“C”での圧力先頭波の方向
が、2つともBーC間に向かって入ってくる方向の場合
を除いてS25に進むことになる。
【0090】S25では、いずれの圧力先頭波もその2
つのステーシヨンで挟まれた区間に入ってくる方向でな
いことをチェックする。例えば、図4の(ホ)のように
する。この条件に当てはまれば、S26に進む。
【0091】S26では、S42で判断された結果とし
て、先頭波ペアを構成する2つのリモートステーション
の両方、あるいはどちらかが方向検出機能を持たない場
合か、またはS24でYESで、かつS25でNOと判
定された先頭波ペアに基づいて監視対象事象の発生位置
の計算を行う。いま、図4(ヘ)に示すように、この発
生位置Deuは、2つの報告リモートステーションの内の
上流側のものから発生位置までの距離であり、これは
(17)式により計算される。
【0092】ただし、Vu は上流側圧力先頭波伝播速
度、Vd は下流側圧力先頭波伝播速度、Tadは下流報告
リモートステーションにおける圧力先頭波の到達時刻、
Tauは上流報告リモートステーションにおける圧力先頭
波到達時刻、Dd は基準点から下流報告リモートステー
ションまでの距離、Du は基準点から上流報告リモート
ステーションまでの距離である。
【0093】 Deu={Vu ×(Tau−Tad)+Dd −Du }÷{(Vu ÷Vd )+1} (17) 次に、パイプライン上の基準点から事象の発生位置まで
の距離De は、(18)式のように計算される。
【0094】 De = Du + Deu (18) ついで、S27では、S26で計算された監視対象事象
の発生位置に基き、それが中央部分での事象か、端部部
分での事象かをチェックする。中央部分での事象の場合
は、S28へ進み、監視対象事象に関する判定はここで
終了する。端部位置事象の場合(報告リモートステーシ
ョン位置に事象の発生場所が近接している場合)は、さ
らにS29へ進み、圧力先頭波の大きさ情報による判定
を行う。図5の(ト)に示すように、中央部分事象 (1)
か端部部分での事象(2) かの判定には、しきい距離Dz
を用いる。Dz の値は、報告された圧力先頭波の大きさ
に含まれる誤差に基づいて選ばれる。このしきい距離D
z の、代表的な例としては、2つの報告リモートステー
ション間の距離Dd −Du の25%程度が採られる。
【0095】監視対象事象が端部部分事象であると判定
されると、S29で圧力先頭波の大きさに基づいた判定
が行われる。圧力先頭波の大きさに基づく判定は次のよ
うにして実行される。
【0096】(a) 両圧力先頭波の予想大きさ比Ree
を計算する。両圧力先頭波の予測大きさ比Reeは、圧力
先頭波の大きさが指数関数的に減衰するという仮定に基
づいてこれと、S26で求めた事象の発生位置とから両
圧力先頭波の大きさの比率を予想した値である。
【0097】(b) 両圧力先頭波の実測大きさ比Rem
を計算する。両圧力先頭波の実測大きさ比Remは、報告
された両圧力先頭波の大きさの実測値から計算した値で
ある。
【0098】(c) 上記両大きさ比を比較する。両圧
力先頭波の予測大きさ比Reeは、Du 、Dd 、De 、減
衰率Bにより(9)式から計算される。
【0099】減衰率Bは(dB/距離)で表わされ、これ
はそのパイプラインにおいて経験的に求められるもので
ある。 Ree=exp{[B×(Du +Dd )÷20]−[(2
×B×De )÷20]}
…(19) 両圧
力先頭波の実測大きさ比Remは、上流報告リモートステ
ーションにおける圧力先頭波の大きさAu 、及び下流報
告リモートステーションにおける圧力先頭波の大きさA
d から、Rem=Au ÷Ad により計算される。
【0100】両先頭波が末端部分での事象によるもので
あると判定されるのは、 |Rem−Ree|÷Ree×100 で求めた値が許容範囲F(%で表される)内に入ってい
る場合である。許容範囲F内に入っていると判定された
場合は、監視対象事象の末端部分での事象であると判定
され、S28に至り、監視対象事象についての判定ロジ
ックが終了する。許容範囲Fを超えると判定された場合
は、監視対象事象でないと判断され、S30に至り、判
定ロジックが終了する。許容範囲Fの値は、リモートス
テーションやパイプラインの固有の特性により報告され
る圧力先頭波の大きさに含まれる誤差に基づき選ばれ
る。この実施例では、Fの一般的な値として20%とし
ている。
【0101】図7のS24でNO,S25でYES及び
S29でNOと判定された場合(S30に至る)には、
図6のS21でのNOを意味し、S11へ戻る。図6の
S41では、図7のS28に至った場合、すなわち監視
対象事象として判定された場合に、図7のS26で計算
されたその事象の発生位置を利用して、発生場所での圧
力先頭波の大きさを計算する。発生場所での圧力先頭波
の大きさをAe とし、上流報告リモートステーションで
の圧力先頭波の大きさをAu とすると、(20)式か
ら、Ae を計算することができる。
【0102】 Ae =exp{B×Deu÷20}×Au (20) Deu:上流報告ステーションから圧力発生場所までの距
離 B:減衰率(dB/距離) なお、Ae は上記以外に、DedとAd を使用して求める
こともでき、また、DeuとAu 、DedとAd を使用して
求めた各Ae の平均をとってAe とすることもできる。
【0103】また、S41では、次の(21)式によっ
て、監視対象事象の発生時刻Te の計算も行う。 Te =Tau−(Deu÷Vd ) (21) ここで、Tau,DeuおよびVd の意味は前述の通りであ
る。
【0104】図7のS28に至った場合、すなわち図6
のS21でYESと判定された場合は、事象が監視対象
事象と判定されたことを意味し、S22において当該事
象の発生場所、時刻、大きさを含む警報を発する。ただ
し、前述したように発生位置が不確実領域内にある場合
は、警報は発生場所の特定ではなく、その事象が不確実
領域内に発生したことを示すものとなる。以上が終了す
ると、使用した圧力先頭波ペアをリストから削除してS
8へ戻る。
【0105】次に、図8を参照して通過性事象に関する
判定動作について説明する。S31は、図6のS17の
処理の開始を意味している。S32では、先頭波ペアを
構成する両リモートステーションがそれぞれ保護領域の
上流端Dmu及び下流端Dmdに位置しているものかどう
か、即ちこれらのリモートステーションが全てのリモー
トステーションの内最も上流側にあるリモートステーシ
ョン、および最も下流側にあるリモートステーションで
あるかどうかを判定する。位置していなければ、該先頭
波ペアは通過性事象によるものではないとされる。即
ち、通過性事象とは圧力先頭波が保護領域の一端に入り
込んで、他端から出て行くことを意味するからである。
通過性事象でないと判定された場合は、通過性事象につ
いての判定ロジックは、S37で終了する。
【0106】S32で先頭波ペアを構成する両リモート
ステーションがそれぞれ保護領域の上流端Dmu及び下流
端Dmdに位置していると判定されると、S33で両圧力
先頭波の大きさが調査される。S33では監視対象事象
の判定ロジックで圧力先頭波の大きさの調査に用いた方
法と同様の方法を用いて両圧力先頭波の大きさを調査す
る。この場合の予測大きさ比Rpeは、次式(22)によ
り減衰率B、Df 、Ds から計算される。
【0107】 Rpe=exp[{B×(Df +Ds )÷20} −{(2×B×Df )÷20}] (22) ここで、B、Df 、Ds の意味は前述の通りである。
【0108】次に、最初に報告された方の圧力先頭波の
大きさに関する実測値Afと、2番目に報告された方の
圧力先頭波の大きさに関する実測値Asから、式 Rpm
=Af ÷As を用いて実測大きさ比Rpmを計算し、こ
の計算結果を予測大きさ比Rpeと比較する。通過性事象
と判定されるためには、両大きさ比の差は先に規定した
大きさ比許容範囲F内でなければならない。|Rpm−R
pe|÷Rpe×100で求めた値が許容範囲Fより大きい
場合には、該先頭波ペアは通過性事象としての基準を満
たしていないものと判定され、判定ロジックはS37で
終了する。
【0109】S33で先頭波ペアが前記の大きさの判定
基準を満たしていることが判明すると、S40で先頭波
ペアを構成する両リモートステーションに方向検知能力
があるかどうかを調べる。S40は図3のS42に類似
している。両リモートステーションに方向検知能力がな
い場合には、通過性事象とされ、S40からS38に移
行して判定ロジックを終了する。両リモートステーショ
ンに方向検知能力がある場合には、S34で両圧力先頭
波の方向を調べる。先ず、S34で両圧力先頭波の方向
が通過性事象として矛盾していないことを確認する。一
方の圧力先頭波が上流に向かい、他方の圧力先頭波が下
流に向かっている場合には、両圧力先頭波は方向が矛盾
しているものと判定される。方向が矛盾している場合に
は、該先頭波ペアは通過性事象としての基準を満たして
いないものと判定され、判定ロジックはS37で終了す
る。
【0110】両圧力先頭波が方向の点で矛盾していない
と判定された場合には、S35で両リモートステーショ
ンから通過方向に関する明確な表示が得られているかど
うかを判定する。両圧力先頭波とも方向が分からない場
合には、両圧力先頭波は通過性事象としての基準を満た
していないものとして判定され、判定ロジックはS37
で終了する。
【0111】両圧力先頭波のいずれか一方の方向が分か
っている場合には、この方向が通過方向として採用され
る。そして、S36でこの方向と両圧力先頭波の到着時
刻との間に矛盾がないかどうかを調べる。通過方向が上
流から下流に向かう場合には、上流側のリモートステー
ションからの圧力先頭波が先に報告されなければならな
い。通過方向が下流から上流へ向かう場合には、下流側
のリモートステーションからの圧力先頭波が先に報告さ
れなければならない。先頭波ペアがこの判定基準を満た
さなかった場合には、通過性事象としての基準を満たし
ていないものと判定され、判定ロジックはS37で終了
する。
【0112】S36での判定基準が満たされた場合、又
は、S40でいずれのリモートステーションも圧力先頭
波の方向に関する情報を提供できないタイプであること
が判明した場合には、該先頭波ペアは通過性事象として
の基準を満たしているものと判定され、判定ロジックは
S38で終了する。
【0113】本発明は前述した実施例に限定されず、種
々変形して実施できる。例えば、リモートステーション
が3台以上設けられている場合には、2つの圧力先頭波
による先頭波ペアに対して3つ以上、最高でリモートス
テーションと同数の圧力先頭波の組み合わせを利用し
て、ノイズにより生じる誤報の防止機能を高めることが
考えられる。3台以上の数多くのリモートステーション
を用いて誤報防止機能を高めるための一つの方策は、各
リモートステーションに到着した各圧力先頭波から複数
個の異なる先頭波ペアを形成し、このようにして得られ
た情報を相互に比較して、一貫性があるかかどうか及び
正確かどうかを判定することである。
【0114】リモートステーションを3箇所以上設置し
ておけば、隣接するリモートステーションの対毎に異な
る音速Cを参照することができるので、一本のパイプラ
インで異なる種類の流体を連続して輸送する際に特に有
益である。また、前述の通過性事象についての考え方を
拡張して、パイプラインのある部分で発生した監視対象
事象により生じる圧力先頭波がパイプラインの別の部分
ではそこを通過するもの(即ち、その部分では通過性事
象)として処理させるようにすれば、パイプラインの各
部分の音速C及び流速Pの値を経験に基づい決定、更新
することができるようになる。
【0115】この発明に基づくシステムでは、漏洩の生
じている部分を補修員に正確に通報することができるの
で、漏洩の生じている部分を探し出すのに費やす時間を
低減することができる。また、漏洩の大きさに関する警
報により補修の緊急度や規模を知ることができる。更
に、発生場所や発生時刻の情報に基づいて、その基とな
った圧力先頭波が漏洩によるものであるか別の過渡的圧
力事象を起こす原因(弁の操作等)により生じたもので
あるかを区別することができる。
【0116】この発明は漏洩の生じている場所を特定す
ることに限定されるものではない。すなわち、この発明
に基づくシステムでは、パイプラインに設けられている
弁などの様々な装置が正確に作動しているかどうかを遠
隔監視することもできる。例えば、遠隔指令により弁を
作動させるとパイプラインの流体中には圧力先頭波が生
じるので、指令を受けた弁の設けられている部分で発生
し、伝播するこの圧力先頭波を検出し、この圧力先頭波
の検出と弁の作動指令とを論理的に比較させれば、弁が
正しく作動しているかどうかを確認することができる。
【0117】以上にこの発明の実施例を述べたが、この
技術分野に属する者であれば、これらの実施例を様々に
変更することができることは言うまでもない。例えば、
最も古い圧力先頭波レポートと最も新しい圧力先頭波レ
ポートとを組み合わせて先頭波ペアとして用いる替わり
に、最も古い情圧力先頭波レポートに対してそれより新
しい圧力先頭波レポートを総て吟味して、その中から最
適の組み合わせを選択するようにしても良い。「最適」
かどうかの判定は、圧力先頭波の大きさ比が予測した値
にどれだけ近いか、及び圧力先頭波の方向が分かればそ
の方向に矛盾がないかどうかなどに基づいて行われる。
【0118】また、リモートステーションの数が多けれ
ば、圧力先頭波がリモートステーションを通過する度に
得られる情報を逐一調べることにより、パイプライン内
を進む先頭波を追跡することもできる。また、本発明で
用いられる種々のパラメータをパイプラインの運転状態
の変化に応じて自動的に再調整することもできる。自動
的に再調整することのできるパラメータには、パラメー
タF、B、Uc及びこれらのパラメータから得られる値
が含まれる。
【0119】
【発明の効果】以上述べた本発明によれば、パイプライ
ンにおける漏洩などの監視すべき事象を迅速かつ信頼性
よく監視でき、また漏洩などの監視すべき事象の発生位
置、該事象の発生時刻および該事象に伴う圧力変化の相
対的大きさを正確に監視することが可能となり、さらに
流速および流体の種類の変化に応じた音速を更新するこ
とができるパイプラインの監視方法及びその装置を提供
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の概略構成を示すブロック図。
【図2】本発明の実施例を説明するための圧力先頭波リ
ストの例を示す図。
【図3】本発明の実施例を説明するための説明図。
【図4】本発明の実施例を説明するための説明図。
【図5】本発明の実施例を説明するための説明図。
【図6】本発明の実施例の漏洩あるいは弁操作などによ
る圧力の過渡事象の検知およびこれを判定するための処
理動作を説明するためのフローチャート。
【図7】図6の監視対象事象についての判定をするため
の処理動作を説明するためのフローチャート。
【図8】図6の通過性事象についての判定をするための
処理動作を説明するためのフローチャート。
【符号の説明】
1…パイプライン、2…マスターステーション、A,
B,C,D,E…リモートステーション、3…遠隔通信
回線。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パイプライン内の流体中を伝播する圧力
    先頭波を引き起こす圧力の過渡現象を生ずる事象の発生
    を識別するパイプラインの監視方法であって、 前記パイプラインに沿って互いに既知の距離だけ離れて
    複数個のリモートステーションを設置し、 この各リモートステーションから前記圧力先頭波がその
    リモートステーションへ到達したことを示す到達時刻信
    号をそれぞれ発生させ、 前記各リモートステーションからの前記到達時刻信号が
    同一事象に対応するものかどうかを決定し、もし前記到
    達時刻信号が同一事象に対応していると決定された場合
    に、前記過渡現象を生ずる事象の少なくともパイプライ
    ン上の発生位置を得るとともに、前記事象の発生を識別
    するステップを含んでいることを特徴とするパイプライ
    ンの監視方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の同一事象に対応するもの
    かどうかを決定する決定ステップは、前記リモートステ
    ーションのうちの一つのリモートステーションから発せ
    られた前記到達時刻信号に着目し、この到達時刻信号か
    らスタートして前記リモートステーションに対して最も
    離間している他のリモートステーションとの距離に基づ
    いて事前に決定されている時間窓の中で他のリモートス
    テーションが発した該到達時刻信号の有無をチェック
    し、到達時刻信号が有った場合にそれを選定することに
    より、決定することを特徴とするパイプラインの監視方
    法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の同一事象に対応するもの
    かどうかを決定する決定ステップは、到達時刻信号を発
    生した各リモートステーションに対応する識別符号、な
    らびにその各リモートステーションに対応する到達時刻
    信号をリストへ保存し、 このリストに保存された最も古い到達時刻信号に対応す
    るリモートステーションに対して、前記事前に決定され
    た時間窓内に発生した到達時刻信号をすべてチェック
    し、 それらの中から、到達時刻信号の先頭波ペアを構成する
    ために、該2つの到達時刻信号に対応する2つのリモー
    トステーションを選定し、 もし、前記リストに、前記の事前に決定された時間窓内
    に到達したものがない場合に、前記リストから前記最も
    古い到達時刻信号を削除することを特徴とするパイプラ
    インの監視方法。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の決定ステップは、選定さ
    れた先頭波ペアの2つの到達時刻信号が同一事象に対応
    しているかどうかを先頭波ペアの2つの圧力先頭波の到
    達時刻の差が、前記先頭波ペアを構成する2つのリモー
    トステーション間の距離をもとにした時間窓より大きく
    ないかどうかにより確認することにより、決定すること
    を特徴とするパイプラインの監視方法。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の決定ステップは、前記先
    頭波ペアの2つのリモートステーションからの前記到達
    時刻信号が同一事象に対応しているかどうかを決定し、 この決定されたリモートステーションにおける圧力先頭
    波の到達時刻を前記圧力先頭波の伝播方向と組合わせ、 選定された2つのリモートステーションの少なくとも一
    つの圧力先頭波の伝播方向が2つのリモートステーショ
    ンに挟まれた監視領域から外側に向かうものであり、か
    ついずれの先頭波伝播方向も前記監視領域に入ってくる
    ものでない場合に、前記事象の発生と決定することを特
    徴とするパイプラインの監視方法。
  6. 【請求項6】 請求項1記載の決定ステップは、前記監
    視領域を前記2つのリモートステーションの間の中央部
    分と、該各リモートステーションに隣接する各端部部分
    に区分し、 この区分された中央部分に、前記決定ステップによって
    得られた事象の位置が入る場合に当該事象の発生位置と
    して出力し、 前記決定ステップにより得られた当該事象の発生位置が
    前記区分された端部部分のいずれかに入る場合に、選定
    された2つのリモートステーションの各々における到達
    圧力先頭波の大きさを求め、この求めた2つの大きさ比
    が、パイプライン中の流体を伝播する圧力先頭波の減衰
    率および当該事象の発生位置と2つのリモートステーシ
    ョンの間の距離をもとに計算された大きさ比と一致して
    いる場合に端部部分における前記事象の発生位置として
    出力することを特徴とするパイプラインの監視方法。
  7. 【請求項7】 パイプライン内の流体中を伝播する圧力
    先頭波を引き起こす圧力の過渡現象を生ずる事象の発生
    を識別するパイプラインの監視方法であって、 互いに既知の距離だけ離れて設置された複数のリモート
    ステーションを備え、 この各リモートステーションにおいて、該リモートステ
    ーションの圧力先頭波の到達を表示する到達時刻信号を
    発生し、 事前に決定された時間窓内に到達時刻信号を発する前記
    リモートステーションの内の2つを選定し、 この選定された2つのリモートステーションからの前記
    到達時刻信号が、前記複数のリモートステーションの
    内、最上流のリモートステーションおよび最下流のリモ
    ートステーションによって定義されるパイプラインの保
    護領域の外で発生した事象によって生じた通過性の圧力
    先頭波に対応するかどうかを決定し、 この決定が通過性の圧力先頭波の場合には、パイプライ
    ン中を流れる流体中を伝わる圧力先頭波の伝播速度およ
    び該流体の流速の少なくとも1つを導出し、それにより
    圧力先頭波の伝播速度あるいは流速を更新するステップ
    を含んだことを特徴とするパイプラインの監視方法。
  8. 【請求項8】 請求項7記載の決定ステップは、前記選
    定された2つのリモートステーションにおいて得られた
    到達圧力先頭波の大きさ比がパイプライン中の流体を伝
    播する圧力先頭波の減衰率および前記保護領域の長さを
    もとに計算された圧力先頭波の大きさ比と一致する場
    合、前記事象が発生したことを出力する導出ステップを
    含んでいることを特徴とするパイプラインの監視方法。
  9. 【請求項9】 パイプライン内の流体中を伝播する圧力
    先頭波を引き起こす圧力の過渡現象を生ずる事象の発生
    を識別するパイプラインの監視方法であって、 前記パイプラインに沿って互いに既知の距離間隔を置い
    て設置された複数のリモートステーションを定め、かつ
    保護領域を定義する前記複数のリモートステーションの
    内の最も下流側と最も上流側のものを定め、 前記圧力先頭波の到達を表示する到達時刻信号が標準時
    刻を参照する前記リモートステーションで発せられ、 前記標準時刻に基づく基準時刻および前記パイプライン
    中を流れる流体中を伝わる圧力先頭波の伝播速度の精度
    に基き、前記保護領域の各端に存在する不確実領域の長
    さを求め、 前記リモートステーションで発した圧力先頭波の到達時
    刻を表す信号から前記事象の発生位置を決定し、 前記事象の発生位置が保護領域の両端のどちらかの不確
    実領域内にあるときは、その不確実領域自体を示す信号
    を出力し、また前記事象の位置が前記保護領域内にある
    が、前記不確実領域内にないときは、決定された前記事
    象の発生位置に対応する位置信号を出力するステップを
    含んでいることを特徴とするパイプラインの監視方法。
  10. 【請求項10】 パイプライン内の流体中を伝播する圧
    力先頭波を引き起こす圧力の過渡現象を生ずる事象の発
    生を識別するパイプラインの監視装置において、 前記パイプラインの保護領域を定義する最上流と最下流
    に設置されたリモートステーションの間に所定の間隔で
    設置された複数のリモートステーションと、 このリモートステーションから、前記圧力先頭波の到達
    を示す時刻信号を、標準時刻を参照にして発生させる時
    刻信号発生手段と、 前記標準時刻に基づく基準時刻と前記パイプライン中を
    流れる流体中を伝わる圧力先頭波の伝播速度の精度に基
    き、前記保護領域の各端に存在する不確実領域の長さを
    求める手段と、 前記リモートステーションから発せられた、該圧力先頭
    波の到達を示す時刻信号に基いて前記事象の発生する位
    置を決定する手段と、 前記事象の発生位置が前記不確実領域の中に含まれる場
    合には、不確実領域自体を示す信号を出力し、また前記
    事象の発生位置が前記保護領域にあるが、前記不確実領
    域内にない場合には前記事象の決定された位置に対応す
    る位置信号を出力する位置信号出力手段と、 を具備したパイプラインの監視装置。
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