JPH0612959Y2 - 控片を有する隠蔽情報表示用シート組 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、隠蔽すべき情報（以下隠蔽情報という）を控
片に記入することによって複写記入できるシート状基材
の前記複写記入された隠蔽情報表示部分に、隠蔽片を重
ねて剥離可能に接着することにより、前記隠蔽情報を隠
蔽した葉書やカード等を形成するための隠蔽情報表示用
シートを複数組備えた、控片を有する隠蔽情報表示用シ
ート組に関する。

従来の技術 従来、他人には知られたくない隠蔽情報、例えば、預金
残高通知、ローン返済金残高通知、クレジット返済金滞
納者等に対する督促通知、等の情報を特定人に伝達する
には、封書内にこれら隠蔽情報を表示した通知書を封入
して郵送するのが一般的である。

考案が解決しようとする課題 ところが、封書の場合には、隠蔽情報を確実に隠蔽する
ことはできるものの、葉書と比較して郵送料が高く、大
量の封書を郵送しなければならない場合にはその差額が
膨大なものになってしまう。また、通知書を封書内に封
入する作業も煩雑であり、作業効率が悪いものである。

従来においても、これら封書の有する欠点を解消すべく
各種のラベルやシールを用いた隠蔽情報表示用シートが
開発されているが、隠蔽情報を発信人側でも保管してお
きたい場合には、隠蔽情報表示用シートとは別に、帳票
類を作成しなければならず、この作成作業が煩雑であっ
た。

本考案は、このような事情に鑑みてなされたもので、隠
蔽情報を隠蔽できる葉書やカード等を形成するための控
片を有する隠蔽情報表示用シートを複数備えた隠蔽情報
表示用シート組を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段 本考案は、上述した目的を達成するために、隠蔽すべき
情報を表示するための隠蔽情報表示部を有するシート状
基材と、このシート状基材に対して前記隠蔽情報表示部
に重なり合うようにして分離可能に設けられた控片と、
前記控片に対する記入によって前記隠蔽情報表示部に複
写するための複写手段と、前記シート状基材に連設さ
れ、隠蔽すべき情報が複写記入された前記隠蔽情報表示
部に対して剥離可能に接着し得る接着手段を備えた隠蔽
片と、からなる隠蔽情報表示用シートを、複数組上下に
重ねて、前記各控片どうしは互いに分離不能に綴じ合わ
せてなるものである。

作用 本考案の控片を有する隠蔽情報表示用シート組は、控片
に所望の隠蔽情報を記入するとシート状基材の隠蔽情報
表示部に前記隠蔽情報が記入され、通常は控片と分離し
た後、隠蔽片を前記隠蔽情報表示部分に重ねて剥離可能
に接着することにより、複写記入された前記隠蔽情報が
前記隠蔽片で隠蔽された隠蔽情報表示部材となる。一
方、この隠蔽情報表示部材は、前記隠蔽片をシート状基
材から剥離すれば、隠蔽されていた隠蔽情報が露出して
視認可能となる。そして、複数組における各控片どうし
は、互いに綴じ合わされた状態で、保管や管理をするこ
とができる。

実施例 以下、本考案を葉書となるべき隠蔽情報表示用シート組
に適用した場合の好適な一実施例を添付図面に基づいて
詳細に説明する。

ここにおいて、第１図は隠蔽情報表示用シート組たる葉
書シート組の表面側を示す平面図、第２図は第１図のＡ
−Ａ線断面図、第３図は隠蔽情報表示用シートたる葉書
シートの裏面側を示す平面図、第４図は葉書シートから
形成した葉書を示す断面図、第５図は同じく葉書の表面
側を示す平面図、第６図は葉書から隠蔽片を剥離した葉
書片を示す断面図、第７図は同じくその表面側を示す平
面図である。

第１図及び第２図に示すように、隠蔽情報表示用シート
組たる葉書シート組１は、同一構成の３組の葉書シート
３０ａ，３０ｂ，３０ｃが、台紙を兼ねる下敷き２上に
重ねられた状態で、上下に対応する一側端で適宜な接着
剤３により分離不能に綴じ合わされている。前記下敷き
２の長さは、各葉書シート３０ａ，３０ｂ，３０ｃのほ
ぼ２倍に形成され、その中央よりやや右寄りの位置には
折り用ミシン目４が設けられている。各葉書シート３０
ａ，３０ｂ，３０ｃの構成は同一であるから、以下最下
位にある葉書シート３０ａについてのみ説明し、他の葉
書シート３０ｂ，３０ｃについては同一構成要素に同一
符号を付するに止め、その説明は省略する。

第１図及び第２図に示すように、シート状基材たる横長
の葉書片５には切り用ミシン目６を介して隠蔽片７が連
設され、また、前記葉書片５の綴じ合わせ端には接着部
分の内側に切り用ミシン目８が設けられている。前記葉
書片５の表面側は、隠蔽情報たる領収金額を表示する領
収証となる隠蔽情報表示部９と宛名表示部１０とにほぼ
二等分され、前記宛名表示部１０には、前記葉書片５が
前記切り用ミシン目８で切り離された後に宛名表示１０
ａが適宜手段で印字され、あるいは手書き記入される。
そして、前記隠蔽情報表示部９と重なり合うようにして
領収証の控片１１が、接着剤１２によりその一端で、前
記隠蔽情報表示部９の切り用ミシン目８の外側に接着さ
れている。なお、前述した印字を行う手段としては、コ
ンピュータに連繋されたインパクトプリンタ等のプリン
タが好適である。

第１図に示すように、前記控片１１の表面には、「領収
証」の表題と、発行者名があらかじめ印刷されるととも
に、金額記入欄１１ａ、入金名目記入欄１１ｂ及び日付
記入欄１１ｃが設けられている。そして、隠蔽情報表示
部９の表面には、前記控片１１の表示事項と同一事項が
あらかじめ印刷され、また前記金額記入欄１１ａ、前記
入金名目記入欄１１ｂ及び前記日付記入欄１１ｃに対応
する位置に同様の金額記入欄９ａ、入金名目記入欄９ｂ
及び前記日付記入欄９ｃが設けられている（第７図参
照）。

第２図に示すように、控片１１の裏面には塗料を含有す
るマイクロカプセル層１３が設けられる一方、これに対
向する隠蔽情報表示部９の表面には呈色剤層１４が設け
られ、前記両層１３，１４で複写手段を構成している。

また、第３図に示すように、葉書片５の裏面には、広告
等の各種案内文１５と差出人表示１６が適宜手段で印刷
されている。一方、隠蔽片７には、同じく第３図で明ら
かなように、その裏面側の切り用ミシン目６と反対側の
端縁に沿って「ここから剥がして下さい」という案内表
示１７が印刷されている。

次に、隠蔽片７に設けられた接着手段について説明す
る。第２図に示すように、隠蔽片７の表面側には、常時
接着性を有する粘着剤１８によってポリエチレン、ポリ
プロピレン等からなる合成樹脂製の透明フィルム１９が
接着されている。そして、この透明フィルム１９上に
は、同様の合成樹脂製の透明フィルム２０が重ねられ、
不完全な溶着によって剥離可能に形成された剥離層２１
を介して疑似的に接着されている。さらに、前記透明フ
ィルム２０の前記透明フィルム１９とは反対面側には、
常時接着性を有する粘着剤２２が切り用ミシン目６とは
反対側の所定幅の縁部を除いて塗布され、この粘着剤２
２は剥離処理が施された剥離紙２３で被覆されている。
この剥離紙２３には、第１図で明らかなように、切り用
ミシン目６とは反対側の縁に沿った表面に、「ここから
剥がして下さい。」という案内表示２５が印刷されてい
る。

続いて、以上のように構成した３組の葉書シート３０
ａ，３０ｂ，３０ｃが、台紙兼下敷き２上に綴じ合わせ
られてなる葉書シート組１から隠蔽情報表示部材である
葉書を作成する手順を説明する。

まず、台紙兼下敷き２を折り用ミシン目４から折り曲げ
て、最上位と中位の葉書シート３０ａ，３０ｂの間に挿
入する。次に、隠蔽情報である宛名人からの入金額２
６、入金面目２７及び入金日付２８（第７図参照）を控
片１１のそれぞれの記入欄１１ａ，１１ｂ，１１ｃに手
書きによって記入し、同一事項を葉書片５の隠蔽情報表
示部９に複写記入したうえ、前記葉書片５を切り用ミシ
ン目８から切り取ることにより、前記控片１１と前記葉
書片５とは分離される。一方、前記控片１１は前記切り
用ミシン目８から外側の前記葉書片５の残存部分を介し
て、中位の葉書シート３０ｂの控片１１に接着された状
態にある。この状態で前記控片１１を、発信人側で保管
しておくことにより、新たに領収書証を作成する必要が
ない。

続いて、分離された葉書片５の切り用ミシン目６から隠
蔽片７を切り離したうえ、剥離紙２３を案内表示２５に
したがって、粘着剤２２の非塗布縁側を摘んで剥離す
る。この剥離紙２３を剥離した隠蔽片４を、露出した粘
着剤２２で隠蔽情報表示部９に重ねるように接着する
と、第４図及び第５図に示すように、前記隠蔽情報であ
る宛名人からの入金額２６、入金名目２７及び入金日付
２８が隠蔽片７によって隠蔽され、外部からは視認不能
となった隠蔽情報表示シートたる葉書３１が作成され
る。そして、この葉書３１の宛名表示部に宛名表示１０
ａを記入することにより、投函可能となる。

一方、葉書３１を受け取った宛名人は、隠蔽片７に表示
された案内表示１７の「ここから剥がして下さい。」に
したがって、前記隠蔽片７を捲り上げると、各透明フィ
ルム１９，２０は剥離層２１部分から剥離される。これ
によって、第６図及び第７図に示すように、前記隠蔽片
７を前記透明フィルム１９とともに、葉書片５から分離
することができ、透明フィルム２０を通して葉書片５の
入金額２６、入金名目２７及び入金日付２８を視認する
ことができる。

第８図は本考案の他の実施例を示すもので、３組の葉書
シート４０ａ，４０ｂ，４０ｃからなる葉書シート組４
１は、各控片４２どうしが一端側で接着剤４３により分
離不能に接着されるとともに、前記各控片４２の裏面に
対してそれぞれ葉書片４４が接着力の弱い接着剤４５に
よって分離可能に接着されている。また、前記各控片４
２は、隠蔽情報表示部９のみならず、宛名表示部１０に
も対応するように伸びている。これにともなって、複写
手段であるマイクロカプセル層１３と呈色剤層１４も同
様に、宛名表示部１０にも対応するよう設けられてい
る。本実施例にあっては台紙兼下敷きは設けられていな
いので、控片４２に対する複写記入にあたっては、別途
下敷きを用意する必要がある。他の構成については、第
１の実施例と同様であるから対応する構成部分に同一符
号を付するに止め、その説明は省略する。本実施例によ
れば、控片４２への記入によって隠蔽情報表示部９のみ
ならず、宛名表示部１０への複写記入も可能となるもの
である。

なお、本考案は上述した各実施例に限定されるものでは
なく、例えば、透明フィルム２０と剥離紙２３とは全面
的に接着したり、剥離を容易にするための切り用ミシン
目を設けることもでき、また、隠蔽片７と葉書片５との
剥離可能な接着を行う接着手段は、剥離層２１を介して
剥離可能に接着された２枚の透明フィルム１９，２０に
よって行うほか、前記隠蔽片７の前記葉書片５との重ね
合わせ面に接着後に剥離可能な接着力の弱い接着剤を塗
布したり、前記隠蔽片７の前記重ね合わせ面に剥離処理
を施したうえ剥離不能な接着剤を全体に塗布する等種々
の構成を採用できる。さらに、宛名表示１０ａは、隠蔽
片７の裏面側に表示したり、葉書片５の裏面側に表示し
てもよい。この場合、差出人表示１６や案内分１５は、
当然、他の空いている部分に表示されることになる。さ
らにまた、隠蔽片７と葉書片５とは同一大でもよい。ま
たさらに、複写手段としてはノンカーボン式、カーボン
式いずれの方式でもよく、また、その具体的構造は種々
設定可能である。さらに、控片１１の大きさは、隠蔽情
報表示部５の複写記入部分に対応できる大きさであれば
よい。、また、本考案は葉書３１以外のカードをはじめ
とする各種シート状部材にも適用できることはいうまで
もない。さらにまた、葉書シート３０ａ，３０ｂ，３０
ｃ及び４０ａ，４０ｂ，４０ｃの組数が３組に限定され
ないことはもちろんである。

効果 以上の説明で明らかなように、本考案によれば、隠蔽情
報を確実に隠蔽できることはもちろん、隠蔽情報の改竄
も防止でき、さらには、隠蔽情報表示用シートに記入し
た隠蔽情報の控が存在するので、隠蔽情報を別途記録し
ておく必要がなく、作業が簡略化され、加えて複数の隠
蔽情報表示用シートが組となっているので、取扱が容易
であるほか、控は分離されずに組として残るので、保管
や管理がより一層容易になるという多くの効果を奏す
る。

【図面の簡単な説明】

図は本考案を葉書に適用した場合の好適な実施例を示す
もので、第１図〜第７図は第１実施例を示し、第１図は
葉書シート組の表面側を示す平面図、第２図は第１図の
Ａ−Ａ線断面図、第３図は葉書シートの裏面側を示す平
面図、第４図は葉書シートから形成した葉書を示す断面
図、第５図は同じく葉書の表面側を示す平面図、第６図
は葉書から隠蔽片を剥離した葉書片を示す断面図、第７
図は同じくその表面側を示す平面図であり、また、第８
図は他の実施例を示す葉書シート組の断面図である。 １……葉書シート組、５……葉書片、７……隠蔽片、９
……隠蔽情報表示部、１１……控片、１３……マイクロ
カプセル層、１４……呈色剤層、１８……粘着剤、１
９，２０……透明フィルム、２１……剥離層、２２……
粘着剤、２３……剥離紙、３０ａ，３０ｂ，３０ｃ……
葉書シート、３１……葉書、４０ａ，４０ｂ，４０ｃ…
…葉書シート、４１……葉書シート組、４２……控片、
４４……葉書片、４５……接着剤

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】隠蔽すべき情報を表示するための隠蔽情報
   表示部を有するシート状基材と、このシート状基材に対
   して前記隠蔽情報表示部に重なり合うようにして分離可
   能に設けられた控片と、前記控片に対する記入によって
   前記隠蔽情報表示部に複写するための複写手段と、前記
   シート状基材に連設され、隠蔽すべき情報が複写記入さ
   れた前記隠蔽情報表示部に対して剥離可能に接着し得る
   接着手段を備えた隠蔽片と、からなる隠蔽情報表示用シ
   ートを、複数組上下に重ねて、前記各控片どうしは互い
   に分離不能に綴じ合わせてなることを特徴とする控片を
   有する隠蔽情報表示用シート組。