JP2594998Y2 - 隠蔽情報伝達用シート - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、隠蔽情報を伝達するた
めのシートに関し、特に、隠蔽情報を隠蔽した後に、隠
蔽情報表示面に追加記入が可能な隠蔽情報伝達用シート
に関する。なお、本明細書における隠蔽情報は、秘匿性
を有する情報に限定されない。

【０００２】

【従来の技術】従来における隠蔽情報伝達用シートは、
隠蔽情報を隠蔽した後に、隠蔽情報表示面に追加記入す
ることはできなかった。したがって、従来において追加
記入が必要な場合、例えば、本社でコンピュータに連動
したプリンタで一括して宛名を印字してダイレクトメー
ルを封緘後、各営業所の担当者のスケジュールに合わせ
て宛名人を訪問したり、展示会に招待する日時を記入す
るような場合には、用紙に設けた訪問日や招待日の記入
欄に対応するよう封筒内面にカーボン紙を接着してお
き、封筒を受け取った担当者が、封筒の外からガラスペ
ン等で所望の日時を書き込むことによって、当該用紙の
記入欄に複写記入していた。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】したがって、従来にあ
っては、封書を利用するので葉書に比べて郵送料金が高
いという不都合があり、この費用の問題は多数のダイレ
クトメールを郵送する場合に特に顕著となる。本考案は
このような不都合を解消した隠蔽情報伝達用シートを提
供することを目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上述した目的を達成する
ために本考案の隠蔽情報伝達用シートは、シートの少な
くとも重ね合わせ面に、通常では接着せず所定の圧を加
えると接着可能となり、接着後に剥離可能な接着剤を設
けるとともに、これら重ね合わせ面の少なくとも一方を
隠蔽情報を表示する隠蔽情報表示面とし、この隠蔽情報
表示面に設けた追加情報記入欄と、重ね合わせた時にこ
の追加情報記入欄と対向する部分には、呈色剤と染料マ
イクロカプセル剤を相対的に配置したものである。前記
呈色剤としては、例えば、活性白土、酸性白土、カオリ
ン、フェノール系水酸基を有する化合物等を挙げること
ができる。

【０００５】

【作用】隠蔽情報伝達用シートの隠蔽情報表示面に所定
の隠蔽情報を記載したうえ、所定状態に折り重ね、ある
いは切り重ねし、所定の圧を加えて重ね合わせ面を剥離
可能に接着すると、隠蔽情報は隠蔽される。そして、呈
色剤と染料マイクロカプセル剤が対向位置する部分に対
応する表出面から、所望事項をガラスペン等により書き
込むと、同一事項が重ね合わせ接着された隠蔽情報表示
面に複写記入される。一方、この接着された隠蔽情報表
示面を剥離すると、そこに表示された隠蔽情報と追加記
入情報とが視認可能となる。

【０００６】

【実施例】以下、本考案を葉書に適用した場合の好適な
実施例について添付図面に基づき詳細に説明する。ここ
において、図１〜図４は第１実施例を示し、図１は隠蔽
情報伝達用シートたる葉書用シートの概略的な平面図、
図２はその概略的なＡ−Ａ線断面図、図３は葉書用シー
トを三つ折りして重ね合わせ面を接着し葉書とした状態
を示す概略的な断面図、図４は隠蔽情報を視認可能状態
とした葉書の平面図であり、また、図５〜図８は第２実
施例を示し、図５は葉書用シートの概略的な平面図、図
６は葉書用シートを二つ折りして重ね合わせ面を接着し
葉書とした状態を示す概略的な平面図、図７はその概略
的なＢ−Ｂ線断面図、図８は隠蔽情報を視認可能状態と
した葉書の平面図である。

【０００７】まず、第１実施例について図１〜図４に基
づき説明する。図１及び図２に示すように、葉書用シー
ト１は、折り用ミシン目２，３を介して上紙片４、中紙
片５、下紙片６が連接されてなり、その幅方向両端には
切り用ミシン目７，７を境としてマージナル孔８，８が
等間隔に透設されてなるマージナル部９，９が設けられ
ている。図示してはいないが、前記葉書用シート１は、
図１上、上下方向に折り兼切り用ミシン目を介して多数
連接された連続状態にある。また、前記上紙片４の表面
側は宛名表示面であり、宛名情報記入欄１０が設けられ
るとともに、その下端縁に沿って、折り用ミシン目２に
向けた矢印と「ここから剥がして下さい」という文から
なる剥離端指示表示１１があらかじめ印刷されている。
一方、前記中紙片５と前記下紙片６の表面側は隠蔽情報
表示面であり、「新車展示会のご案内」なる標題の下に
隠蔽情報たる案内文１２があらかじめ印刷されている。
また、下紙片６の下部には、「ご招待日、担当者名」の
見出しの右に追加情報記入欄１３が設けられる一方、中
紙片５には、前記下紙片６と中紙片５とを折り用ミシン
目３で折り重ねた場合に前記追加情報記入欄１３と対応
する位置に透孔１４が設けられている。

【０００８】図２で理解できるように、葉書用シート１
の表面側には、通常では接着せず、所定の圧を加えると
接着可能となり、接着後に剥離可能で、かつ、印字ある
いは印刷が可能な感圧性接着剤１５が、マージナル部
９，９にも及ぶよう塗布されている。この感圧性接着剤
１５としては、例えば天然ゴム１００重量部に対し、ス
チレン２重量部とメタクリル酸１０重量部とをグラフト
共重合させて得られた天然ゴムラテックスに、テルペン
樹脂系粘着付与剤５重量部に対し、平均粒径５μｍのシ
リカゲル２０重量部を添加したものを加えてなるものが
好適である。また、前記葉書用シート１の裏面側には、
通常では接着せず、所定の圧の加えると接着可能とな
り、接着後は剥離困難で、かつ、印字あるいは印刷が可
能な感圧性接着剤１６が、マージナル部９，９にも及ぶ
よう塗布されている。

【０００９】同じく図２に示すように、下紙片６におけ
る感圧性接着剤１５塗布部分の追加情報記入欄１３に対
応する部分には、呈色剤１７が混合配置されている。こ
の呈色剤１７としては、例えば、無機物質として、活性
白土、酸性白土、カオリン、ベントナイト、ゼオライト
等を挙げることができ、また有機物質としては、ｐ−フ
ェニルフェノール−ホルムアルデヒド縮合物、ｐ−フェ
ニルフェノールの亜鉛塩、ｐ−ｔｅｒｔ．ブチルフェノ
ールの亜鉛塩等のフェノール化合物の亜鉛塩、安息香酸
亜鉛、サリチル酸亜鉛等を挙げることができる。一方、
上紙片４の裏面側の感圧性接着剤１６の各折り用ミシン
目２，３で葉書用シート１を三つ折りした場合に、透孔
１４及び前記追加情報記入欄１３と対応する部分２２の
表面には、染料マイクロカプセル剤層１８が設けられて
いる。

【００１０】続いて、上述した葉書用シート１から、葉
書を作成する手順について説明する。まず、各マージナ
ル孔８，８に、図示していないトラクタ装置のトラクタ
ピンを係合して所定方向に移送しながら、同じく図示し
ていないコンピュータの出力装置であるプリンタによっ
て、前記コンピュータにあらかじめ入力しておいた宛名
人情報１９を宛名情報記入欄１０に印字する。次に、葉
書用シート１は各マージナル部９，９を切り用ミシン目
７，７から切り離したうえ、単位状態に切断する。さら
に、図３に示すように、各折り用ミシン目２，３で三つ
折り状に折り重ねて所定圧を加え、重ね合わせ面を接着
すると、宛名人情報１９が表出する一方、案内文１２は
隠蔽されて外部からは視認不能状態となった葉書２１と
なる。この接着に際しては、感圧性接着剤１６表面の染
料マイクロカプセル剤層１８と感圧性接着剤１５の呈色
剤１７混合部分とは、中紙片５の厚さ分の余裕を有して
透孔１４を通して対向するので、接着加圧時に所定条件
以上の圧が付与されても、不必要な発色が生ずることは
ない。

【００１１】この図３状態で葉書２１は一般の葉書と同
様に投函可能となる一方、染料マイクロカプセル剤層１
８は、上述のように透孔１４を通して呈色剤１７と対向
する状態となる。この状態で葉書２１を受け取った各宛
名人毎の担当者が、上紙片４の表出面側から前記染料マ
イクロカプセル剤層１８対応部分に、自己のスケジュー
ルに合わせた新車展示会への招待日と自己の氏名からな
る追加記入情報２０をガラスペン等を用いて記入する
と、これが追加記入欄１３に複写記入される。そして、
投函された葉書２１を受領した宛名人は、上紙片４に印
刷されている剥離端指示表示１１にしたがい、上紙片４
と中紙片５の連接端を下紙片６から捲り上げると、図４
に示すように、前記中紙片５と前記下紙片６との接着面
が剥離し、隠蔽されていた案内文１２と追加記入情報２
０が露出して視認可能な状態となる。

【００１２】次に、本考案の第２実施例を図５〜図８に
基づいて説明する。図５に示すように、葉書用シート３
１は、折り用ミシン目３２を介して上紙片３３と、この
上紙片３３のほぼ半分の大きさの下紙片３４が連接され
た単位シート状態にある。前記上紙片３３の表面側上部
（図５上左側部分）は宛名表示面であり、宛名情報記入
欄３５が設けられる一方、表面側下部（図５上右側部
分）は隠蔽情報表示面であり、隠蔽情報である適宜な説
明文３６があらかじめ印刷されるとともに、「ご招待
日、担当者名」の見出しの横に追加情報記入欄３７が設
けられている。また、前記下紙片３４の表面側も隠蔽情
報表示面であり、適宜な説明文３８があらかじめ印刷さ
れている。さらに、前記下紙片３４の裏面側には、図６
で理解できるように、その折り用ミシン目３２とは反対
側の側端縁に沿って、下端隅部に向けた矢印と「ここか
ら剥がして下さい」という文からなる剥離端指示表示３
９があらかじめ印刷され、また、「新車展示会のご案
内」なる標題の下に適宜な案内文４０があらかじめ印刷
されている。

【００１３】図７で理解できるように、葉書用シート３
１の表面には、通常では接着せず、所定の圧の加えると
接着可能となり、接着後に剥離可能で、かつ、印字ある
いは印刷が可能な、第１実施例と同様の感圧性接着剤４
１が塗布されている。そして、感圧性接着剤４１塗布部
分の追加情報記入欄３７に対応する部分には、第１実施
例と同様の呈色剤４２が混合配置されている。一方、下
紙片３４の表面の感圧性接着剤４１塗布部分には、折り
用ミシン目３２で葉書用シート３１を二つ折りした場合
に、追加情報記入欄３７に対応する部分４３（図５及び
図８に示す仮想線表示部分）に、染料マイクロカプセル
剤４４が混合配置されている。

【００１４】続いて、上述した葉書用シート３１から、
葉書を作成する手順について説明する。まず、図示して
いない移送ローラにより単位シート状態の葉書用シート
３１を所定方向に移送しながら、同じく図示していない
コンピュータの出力装置であるプリンタによって、前記
コンピュータにあらかじめ入力しておいた宛名人情報４
５を宛名情報記入欄３５に印字する。次に、図６及び図
７に示すように、折り用ミシン目３２で二つに折り重ね
て所定圧を加え、重ね合わせ面を接着すると、宛名人情
報４５及び案内文４０が表出する一方、説明文３６，３
８は隠蔽されて外部からは視認不能状態となった葉書５
１となる。この葉書５１の使用方法は、追加情報記入欄
３７への追加記入情報４６（図８参照）の複写記入も含
めて上述した第１実施例と同様であるから、その説明は
省略する。

【００１５】なお、本考案は上述した各実施例に限定さ
れるものではなく、例えば、葉書用シート１，３１は、
折り重ねに限らず、切り重ねするものでもよく、さらに
は別体のものを重ね合わせるよう構成してもよい。ま
た、感圧性接着剤１５，４１は葉書用シート１，３１の
一面側の全体に設ける必要はなく、重ね合わせ面のみに
設けてもよい。さらに、呈色剤１７，４２や染料マイク
ロカプセル剤４４は、染料マイクロカプセル剤層１８の
ように、感圧性接着剤１５，４１の所定部分の表面に設
けてもよいものである。またさらに、本考案を葉書用シ
ート１，３１以外にも、適宜な情報を表示するための各
種シートに適用できることはもちろんである。さらにま
た、表示する隠蔽情報の種類も種々変更可能である。

【００１６】

【考案の効果】以上説明したところで明らかなように、
本考案によれば、隠蔽情報を隠蔽した後に、隠蔽情報表
示面に追加情報を記入することができるので、隠蔽情報
伝達用シートの用途を拡大することができ、また、葉書
として郵送可能なので、封書に比較して郵送料金が安い
という効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】第１実施例を示す葉書用シートの平面図。

【図２】同じく図１のＡ−Ａ線断面図。

【図３】同じく作成した葉書の断面図。

【図４】同じく隠蔽情報を視認可能状態とした葉書の平
面図。

【図５】第２実施例を示す葉書用シートの平面図。

【図６】同じく作成した葉書の平面図。

【図７】同じく図６のＢ−Ｂ線断面図。

【図８】同じく隠蔽情報を視認可能状態とした葉書の平
面図。

【符号の説明】

１，３１ 葉書用シート ２，３，３２ 折り用ミシン目 ４，３３ 上紙片 ５ 中紙片 ６，３４ 下紙片 １２ 案内文 １３，３７ 追加情報記入欄 １４ 透孔 １５，４１ 接着剤 １７，４２ 呈色剤 １８ 染料マイクロカプセル剤層 １９，４５ 宛名人情報 ２０，４６ 追加記入情報 ２１，５１ 葉書 ３６，３８ 説明文 ４４ 染料マイクロカプセル剤

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 シートの少なくとも重ね合わせ面に、通
   常では接着せず所定の圧を加えると接着可能となり、接
   着後に剥離可能な接着剤を設けるとともに、これら重ね
   合わせ面の少なくとも一方を隠蔽情報を表示する隠蔽情
   報表示面とし、この隠蔽情報表示面に設けた追加情報記
   入欄と、重ね合わせた時にこの追加情報記入欄と対向す
   る部分には、呈色剤と染料マイクロカプセル剤層あるい
   は染料マイクロカプセル剤を相対的に配置したことを特
   徴とする隠蔽情報伝達用シート。