JPH06129503A - 自動変速機の動力伝達装置 - Google Patents

自動変速機の動力伝達装置

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JPH06129503A
JPH06129503A JP4275643A JP27564392A JPH06129503A JP H06129503 A JPH06129503 A JP H06129503A JP 4275643 A JP4275643 A JP 4275643A JP 27564392 A JP27564392 A JP 27564392A JP H06129503 A JPH06129503 A JP H06129503A
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JP
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clutch
gear mechanism
planetary gear
transmission
brake
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Application number
JP4275643A
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English (en)
Inventor
Koki Ito
弘毅 伊藤
Yuzo Okawa
裕三 大川
Tatsuhiko Iwasaki
龍彦 岩▲崎▼
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Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 入力軸を備えた主変速機と出力軸を備えた副
変速機によって構成される自動変速機において、遊星歯
車機構のピニオンキャリヤを省略して主変速機の軸長の
短縮化と部品点数の削限とを図る。 【構成】 主変速機20から副変速機へ動力を伝達するた
めのドライブギヤ5の側方に、該ドライブギヤに近接し
て遊星歯車機構21を配設し、該遊星歯車機構21のピニオ
ン軸21d をドライブギヤ5に一体に結合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車に搭載される自
動変速機の動力伝達装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般の自動変速機では、遊星歯車機構
と、この遊星歯車機構に接続されて動力伝達状態を切換
えるクラッチ、ブレーキおよびワンウェイクラッチを含
む動力伝達経路切換要素とを備えている。
【0003】近時、自動車のFF化に伴う自動変速機の
占有スペースの制限化傾向に伴い、自動変速機の軸長の
短縮が要求されている。
【0004】そこで従来より、例えば特開昭64-98736号
公報に開示されているように、トルクコンバータと同一
軸線上に配置された入力軸を中心にして構成した主変速
機と、上記入力軸に対して所定の間隔を保って平行に配
置されたカウンタ軸を中心にして構成した副変速機とを
備えた自動変速機が提案されている。
【0005】そして、この種の自動変速機においては、
上記入力軸にはドライブギヤが設けられ、上記カウンタ
軸に上記ドライブギヤに常時噛合するドリブンギヤが設
けられ、主変速機の出力が上記一対のギヤを通じて副変
速機に伝達され、さらにカウンタ軸に設けられた出力ギ
ヤから出力が得られるように構成されている。
【0006】また、上記公報に記載された自動変速機で
は、上記ドライブギヤが、ボス部およびギヤ部からなる
とともに、上記入力軸と同軸上にかつ入力軸の軸方向中
間部分に位置し、かつ上記ボス部が、変速機ケースに形
成した隔壁にベアリングユニットを介して回転自在に支
持されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、エンジン容
量の増大に伴って、自動変速機の軸長のさらなる短縮化
が要求されており、この軸長短縮のための試みが従来よ
り種々なされているが、上記要求に対応するのは困難で
あった。
【0008】上述の事情に鑑み、本発明は、軸長を短縮
して小型化を図るとともに、部品点数の削限を図った自
動変速機の動力伝達装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明による自動変速機
の動力伝達装置は、入力軸に設けられているドライブギ
ヤの側方に、該ドライブギヤに近接して遊星歯車機構を
配置し、該遊星歯車機構のピニオン軸を上記ドライブギ
ヤに一体に結合したことを特徴とする。
【0010】
【作用および効果】上記構成によって、上記遊星歯車機
構のピニオン軸を支持するピニオンキャリヤを省略する
ことができ、その分自動変速機の軸長の短縮と部品点数
の削限とを図ることができる。
【0011】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。
【0012】図1のスケルトン図に示されているよう
に、本実施例に係る、エンジンが横置きに搭載された前
輪駆動車用の自動変速機1は、トルクコンバータ10と、
該トルクコンバータ10と同一軸線上に配置された主変速
機20と、これらの軸線と平行な軸線上に配置された副変
速機30とを有する。
【0013】上記トルクコンバータ10は、エンジン出力
軸2に連結されたケース11に一体のポンプ12と、このポ
ンプ12に対向配置されて該ポンプ12により作動油を介し
て駆動されるタービン13と、ポンプ12とタービン13との
間に配置され、かつワンウェイクラッチ14を介して変速
機ケース3に支持されたステータ15と、上記タービン13
に連結されたコンバータ出力軸すなわち、自動変速機1
の入力軸16と、上記ケース11を介して該入力軸16をエン
ジン出力軸2に直結するロックアップクラッチ17とによ
り構成されている。
【0014】なお、トルクコンバータ10と主変速機20と
の間には、トルクコンバータ10を介してエンジン出力軸
2に駆動されるオイルポンプ4が配置されている。
【0015】上記主変速機20は、図2の断面図にも示さ
れているように、入力軸16上において後述するドライブ
ギヤ5よりもトルクコンバータ10側に配置された第1遊
星歯車機構21と、ドイブギヤ5に関してトルクコンバー
タ10側とは反対側に配置された第2遊星歯車機構22とを
有する。そして、上記入力軸16が、フォワードクラッチ
23を介して第1遊星歯車機構21のサンギヤ21a に、ま
た、直結クラッチ24を介して第2遊星歯車機構22のサン
ギヤ22a にそれぞれ結合されているとともに、第1遊星
歯車機構21のサンギヤ21a と第2遊星歯車機構22のリン
グギヤ22b とが結合されている。
【0016】また、第1遊星歯車機構21のリングギヤ21
b と変速機ケース3との間は、第1ワンウェイクラッチ
25とローリバースブレーキ26とが並列に接続されている
とともに、第2遊星歯車機構22のサンギヤ22a と変速機
ケース3との間には、第2ワンウェイクラッチ27と3−
4ブレーキ28とが直列に接続され、かつ、これらに並列
にエンジンブレーキ用のコーストブレーキ29が接続され
ている。そして、第2遊星歯車機構22のピニオンキャリ
ヤ22c が主変速機20から副変速機30へ動力を伝達するド
ライブギヤ5に連結され、かつ該ドライブギヤ5に第1
遊星歯車機構21のピニオン軸21d が一体に結合されて、
ドライブギヤ5が第1遊星歯車機構21のピニオンキャリ
ヤを兼ねる構成となっている。
【0017】このような構成を有する主変速機20によ
り、前進の低速段、中速段および高速段と後退段とが得
られる。
【0018】すなわち、まず、フォワードクラッチ23の
みを締結した状態では、入力軸16からの動力がフォワー
ドクラッチ23を介して第1遊星歯車機構21のサンギヤ21
a に入力されるとともに、リングギヤ21b が第1ワンウ
ェイクラッチ25を介してケース3に固定されるので、第
1遊星歯車機構21のピニオンキャリヤを兼ねるドライブ
ギヤ5に上記入力軸16の回転が大きな減速比で減速され
て出力されることになり、これにより低速段が得られ
る。
【0019】また、この低速段の状態から3−4ブレー
キ28が締結されると、第2遊星歯車機構22のサンギヤ22
a が第2ワンウェイクラッチ27および3−4ブレーキ28
を介してケース3に固定されることにより、入力軸16か
らフォワードクラッチ23および第1遊星歯車機構21のサ
ンギヤ21a を介して第2遊星歯車機構22のリングギヤ22
b に入力される動力は、第2遊星歯車機構22で上記低速
段の減速比よりも小さな減速比で減速されてピニオンキ
ャリヤ22c からドライブギヤ5に出力されることにな
り、これにより中速段が得られる。
【0020】さらに、この中速段の状態から直結クラッ
チ24が締結されると、入力軸16からの動力は、フォワー
ドクラッチ23および第1遊星歯車機構21のサンギヤ21a
を介して第2遊星歯車機構22のリングギヤ22b に入力さ
れると同時に、上記直結クラッチ24を介して第2遊星歯
車機構22のサンギヤ22a にも入力されることになる。し
たがって、第2遊星歯車機構22は全体が一体回転するこ
とになって、ピニオンキャリヤ22c からドライブギヤ5
に入力軸16の回転と等しい回転が出力され、これにより
高速段(直結段)が得られることになる。
【0021】そして、上記フォワードクラッチ23が解放
されて、直結クラッチ24とローリバースブレーキ26とが
締結されれば、入力軸16からの動力は直結クラッチ24を
介して第2遊星歯車機構22のサンギヤ22a に入力される
とともに、第1遊星歯車機構21のリングギヤ21b がロー
リバースブレーキ26を介してケース3に固定されること
により、両遊星歯車機構21,22からドライブギヤ5に上
記入力軸16の回転が逆転されて出力され、後進段が得ら
れる。
【0022】なお、低速段および中速段での減速時に
は、上記第1,第2ワンウェイクラッチ25,27がそれぞ
れ空転してエンジンブレーキが作動しないことになる
が、エンジンブレーキ用のレンジにおいては、低速段で
は第1ワンウェイクラッチ25に並列のローリバースブレ
ーキ26が締結されることにより、また、中速段では第2
ワンウェイクラッチ27に並列のコーストブレーキ29が締
結されることにより、それぞれエンジンブレーキが作動
する低速段および中速段が得られる。
【0023】一方、副変速機30は、図3の断面図にも示
されているように、ケース3に回転自在に軸支されるカ
ウンタ軸35上に設けられた単一の第3遊星歯車機構31を
有し、上記主変速機20におけるドライブギヤ5に常時噛
み合ったドリブンギヤ6が第3遊星歯車機構31のリング
ギヤ31b に連結されているとともに、上記カウンタ軸35
に固着されたサンギヤ31a と上記リングギヤ31b との間
には直結クラッチ32が接続され、かつ、サンギヤ31a と
変速機ケース3との間には、第3ワンウェイクラッチ33
と減速ブレーキ34とが並列に接続されている。そして、
第3遊星歯車機構31のピニオンキャリヤ31c に、カウン
タ軸35の外周に回動自在に設けられた出力ギヤ7が連結
され、この出力ギヤ7から差動装置36(図3参照)を介
して左右の駆動輪(図示せず)に動力が伝達されるよう
になっている。
【0024】この副変速機30は、主変速機20からドライ
ブギヤ5およびドリブンギヤ6を介して入力される動力
を低速段と高速段の前進2段に変速して出力ギヤ7に出
力することができるように構成されている。
【0025】すなわち、直結クラッチ32が解放されてい
る状態では、第3ワンウェイクラッチ33もしくは減速ブ
レーキ34によってカウンタ軸35が変速機ケース3に固定
され、これによって第3遊星歯車機構31のサンギヤ31a
が固定されることにより、第3遊星歯車機構31のリング
ギヤ31b に入力されるドリブンギヤ6からの動力が減速
されてピニオンキャリヤ31c から出力ギヤ7に出力さ
れ、これにより低速段が得られる。その場合に、上記減
速ブレーキ34が締結されていれば、この副変速機30の単
体として、エンジンブレーキが作動することになる。
【0026】また、上記直結クラッチ32が締結され、か
つ減速ブレーキ34が解放されておれば、第3遊星歯車機
構31のリングギヤ31b とサンギヤ31a とが直結クラッチ
32およびカウンタ軸35を介して結合されることにより、
上記ドリブンギヤ6からの動力がピニオンキャリヤ31c
からそのまま出力ギヤ7に出力され、これにより高速段
(直結段)が得られることになる。
【0027】このようにして、主変速機20によって前進
3段、後退1段の変速段が得られ、また、副変速機30に
よって、主変速機20の出力に対して高低2段の変速段が
得られるから、自動変速機の全体としては前進について
は6段の変速段が得られ、また、後進については、主変
速機20の後進段と副変速機30の減速ブレーキ34が締結さ
れた低速段との組合せで全体としての後進段が得られる
ことになる。そして、本実施例では、前進変速段として
は上記6段のうちの所定の5段を使用するようになって
いる。
【0028】ここで、この前進5段、後進1段の各変速
段における各クラッチやブレーキの作動状態をまとめる
と、表1のようになる。なお、表1中、(○)は、エン
ジンブレーキ用のレンジのみで締結されることを示す。
【0029】
【表1】
【0030】次に、本実施に係る自動変速機1が備えて
いる主変速機の構成について、図4および図5の拡大断
面図を参照してさらに詳細に説明する。
【0031】この主変速機20の構成の第1の特徴は、動
力伝達経路切換手段であるフォワードクラッチ23,ロー
リバースブレーキ26および第1ワンウェイクラッチ25
が、第1遊星歯車機構21とともに、ドライブギヤ5より
も入力軸16の入力側、すなわち、トルクコンバータ10側
に集中配置されている点にある。
【0032】上記フォワードクラッチ23は、表1からも
明らかなように、1速〜5速で常に締結されて、トルク
コンバータ10から入力軸16に入力される動力を第1およ
び第2遊星歯車機構21,22に伝達するクラッチであるか
ら、特にギヤ比の大きい1速および2速において大きな
トルクを伝達する必要があり、また、ローリバースブレ
ーキ26もギヤ比の大きい1速,2速および後進で使用さ
れるブレーキであるから、その締結時に大きな反力を受
ける。さらに、第1ワンウェイクラッチ25も1速および
2速でロックされるから、やはり大きな反力を受ける。
【0033】このため、フォワードクラッチ23,ローリ
バースブレーキ26および第1ワンウェイクラッチ25は、
他の動力伝達切換手段よりもトルク伝達容量乃至は耐反
力容量の大きいものを必要とし、これは必然的に外径が
大きくなる。
【0034】そこで、本実施例では、これらのトルク伝
達容量乃至は耐反力容量の大きい動力伝達経路切換手段
と、これらに接続される第1遊星歯車機構21とを、もと
もと外径の大きいトルクコンバータ10に隣接させて集中
配置することにより、上記動力伝達経路切換手段に対し
て充分な占有スペースを与えるとともに、主変速機20の
入力軸16の軸方向中央部分に配置されているドライブギ
ヤ5に関してトルクコンバータ10側とは反対側(図1お
よび図2においてはドライブギヤ5よりも左側)に、ト
ルク伝達容量乃至は耐反力容量が比較的小さくてよい動
力伝達経路切換手段、すなわち、直結クラッチ24,3−
4ブレーキ28,コーストブレーキ29および第2ワンウェ
イクラッチ27を配置することにより、主変速機20のドラ
イブギヤ5よりも左側の部分の外径を小さくして、自動
変速機1全体の小型化を図っている。
【0035】さらに、ローリバースブレーキ26の径方向
の内側にフォワードクラッチ23を配置することによっ
て、主変速機20の軸長短縮も図っている。
【0036】一方、副変速機30においては、図3からも
明らかなように、上述した主変速機20の構成とは外径の
大小関係を逆にすることにより、自動変速機1全体の構
成の小型化を図っている。
【0037】すなわち、副変速機30では、比較的外径の
小さい第3遊星歯車機構31をドリブンギヤ6の右側、つ
まり入力軸16の入力側に配置するとともに、第3遊星歯
車機構31の各要素に連結される、該遊星歯車機構31より
も外径の大きい直結クラッチ32、減速ブレーキ34および
第3ワンウェイクラッチ33をドリブンギヤ6の左側に配
置することによって、自動変速機1全体の構成の小型化
を図っている。
【0038】主変速機20の第2の特徴は、図4の拡大断
面図からも明らかなように、第2遊星歯車機構22のサン
ギヤ22a に連結されている第2ワンウェイクラッチ27
と、上記サンギヤ22a と入力軸16との間に接続されてい
る直結クラッチ24と、第2ワンウェイクラッチ27と変速
機ケース3との間に接続されているコーストブレーキ29
とが、径方向に重合配置されている点にある。
【0039】すなわち、コーストブレーキ29は、3−4
ブレーキ28とともに、第2遊星歯車機構22の径方向の外
側に軸方向に並設し、直結クラッチ24は第2遊星歯車機
構22の側方(図では左側方)に配置し、第2ワンウェイ
クラッチ27は直結クラッチ24の径方向の内側に配置する
ことによって、主変速機20の大幅な軸長短縮を図ってい
る。
【0040】さらに詳述すると、直結クラッチ24のクラ
ッチハブ41と、コーストブレーキ29のブレーキハブ51と
が単一のハブ部材50に段違いに形成され、このハブ部材
50の左端(図4において)に、第2遊星歯車機構22のサ
ンギヤ22a を右端部の外周に一体に備えて左方へ延びる
連結部材52の左端が固着されている。そして、上記連結
部材52は、サンギヤ22a から左方へ延びる部分の外周を
第2ワンウェイクラッチ27のインナーレース27a として
おり、さらにこのインナーレース27a の左端から径方向
に外方へ延びて、上記ハブ部材50の左端に連結され、連
結部材50とハブ部材50のクラッチハブ41部分との間に、
空間58が第2遊星歯車機構22の左側方において形成され
ている。そして、この空間58内に第2ワンウェイクラッ
チ27が収容されている。
【0041】したがって、第2ワンウェイクラッチ27,
直結クラッチ24およびコーストブレーキ29のそれぞれの
一端は、連結部材57およびこの連結部材57に連結された
ハブ部材50を介して第2遊星歯車機構22のサンギヤ22a
に連結されていることになる。
【0042】上記直結クラッチ24は、ボス部40a を介し
て入力軸16に連結されたクラッチドラム40と、上記ハブ
部材50の一部に一体に形成されたクラッチハブ41と、ク
ラッチドラム40の内周に形成されたスプライン40b およ
びクラッチハブ41の外周に形成されたスプライン41a と
の間に交互に係合されたそれぞれ複数の摩擦板42,43
と、クラッチドラム40内における摩擦板42,43の左側に
配置されて、締結圧作用時に摩擦板42,43を締結させる
油圧ピストン44と、ボス部40a に固設された環状の隔壁
45と、この隔壁45と油圧ピストン44との間に縮装されて
ピストン44を反締結方向に付勢する複数のリターンスプ
リング46とによって構成されている。
【0043】上記油圧ピストン44の内周は、上記隔壁45
の外周に取付けられたシール部材47に摺接しており、油
圧ピストン44と隔壁45との間に、ピストン44背部の油室
48とほぼ同径の油室49が形成されている。この油室49
は、隔壁45に形成された油路45a を介して大気に開放さ
れており、この油室49の存在により、ピストン背部の油
室48内の作動油に回転に伴って作用する遠心力による油
圧分が相殺されて、油圧回路(図示は省略)から油室48
に供給される作動油の油圧のみでピストン44が作動され
るように構成されている。
【0044】また、コーストブレーキ29は、変速機ケー
ス3に形成されたスプライン3aおよび上記ハブ部材50の
一部に一体に形成されたブレーキハブ51のスプラインに
交互に係合されたそれぞれ複数の摩擦板52,53と、摩擦
板52,53の左側に配置されて、油圧作用時に摩擦板52,
23を締結させる油圧ピストン54と、この油圧ピストン54
を収容するケース部分3bに固設されたスプリングリテー
ナ55と、上記油圧ピストン54とスプリングリテーナ55と
の間に縮装されてピストン54を反締結方向に付勢する複
数のリターンスプリング56(図2参照)とによって構成
されている。上記油圧ピストン54は、スプリングリテー
ナ55を貫通して摩擦板52,53に向って延びる延設部54a
を一体に備えている。
【0045】3−4ブレーキ28は、ブレーキハブ61と、
このブレーキハブ61の外周に形成されたスプラインと変
速機ケース3の内周に形成されたスプライン3aに交互に
係合されたそれぞれ複数の摩擦板62,63と、摩擦板62,
63の右側に配置されて、締結圧作用時に摩擦板62,63を
締結させる油圧ピストン64と、変速機ケース3に固設さ
れたスプリングリテーナ65と、このスプリングリテーナ
65と油圧ピストン64との間に縮装されたリターンスプリ
ングとによって構成されている。
【0046】上記ブレーキハブ61は、直結クラッチ24の
クラッチハブ41と連結部材57との間の空間58内に収容さ
れた第2ワンウェイクラッチ27のアウターレース27b に
連結され、上記ハブ部材50に沿って延設されている。
【0047】一方、フォワードクラッチ23は、図5に示
されているように、入力軸16に連結され、かつ内周面に
スプライン70a を形成したクラッチドラム70と、第1遊
星歯車機構21のサンギヤ21a に連結され、かつ外周面に
スプライン71a を形成したクラッチハブ71と、これらク
ラッチハブ71およびクラッチドラム70のスプライン71a
,70a に交互に係合されたそれぞれ複数の摩擦板72,7
3と、クラッチドラム70内における摩擦板72,73の右側
(図5において)に配置されて、締結圧作用時に摩擦板
72,73を締結させる油圧ピストン74と、クラッチドラム
70に固設されたスプリングリテーナ75と、このスプリン
グリテーナ75と油圧ピストン74との間に配置されてピス
トン74を反締結方向に付勢する複数のリターンスプリン
グ76とによって構成されている。上記油圧ピストン74
は、回転に伴って作動油に作用する遠心力に起因して発
生するクラッチ解放不良を防止するために、その排圧通
路77を開閉するドリフトオンボール78を備えている。
【0048】フォワードクラッチ23の外方に重合して配
置されているローリバースブレーキ26は、第1遊星歯車
機構21のリングギヤ21b に結合されたブレーキハブ81
と、このブレーキハブ81の外周面に形成されたスプライ
ン81a と変速機ケース3の内周面に形成されたスプライ
ン3cとに交互に係合されたそれぞれ複数の摩擦板82,83
と、摩擦板82,83の右側(図5において)に配置され
て、締結圧作用時に摩擦板82,83を締結させる油圧ピス
トン84と、ケース3に固設されたスプリングリテーナ85
と、このスプリングリテーナ85と油圧ピストン84との間
に縮装されてピストン84を反締結方向に付勢する複数の
リターンスプリング86(図2参照)とによって構成され
ている。上記油圧ピストン84は、スプリングリテーナ85
を貫通して摩擦板82,83に向って延びる延設部84a を一
体に備えている。
【0049】主変速機20の第3の特徴は、図5からも明
らかなように、第1遊星歯車機構21が、入力軸16と同軸
的に設けられたドライブギヤ5の右側方(図5におい
て)に該ドライブギヤ5に近接して配設され、かつ該第
1遊星歯車機構21のピニオン軸21d が上記ドライブギヤ
5に一体に結合され、これによってピニオンキャリヤが
省略されている点にあり、部品点数の削限と、主変速機
20の軸長短縮が図られている。
【0050】また、ドライブギヤ5は、軸方向に延びる
ボス部5aを一体に備えており、このボス部5aの外周が、
ケース3に一体に形成されている隔壁3dにダブルテーパ
ードベアリング88を介して回転自在に、かつ軸方向には
移動不能に支持されている。この構成によって、第1遊
星歯車機構21の支持剛性の向上が図られている。
【0051】さらに、第1遊星歯車機構21と第1ワンウ
ェイクラッチ25とが径方向に重合され、第1遊星歯車機
構21のリングギヤ21b は、第1ワンウェイクラッチ25の
インナーレース25a の内周面に形成されている。そし
て、第1遊星歯車機構21の側方(図5の右側方)に油溜
め90が形成され、この油溜め90と第1ワンウェイクラッ
チ25のインナーレース25a の外周面との間を連通する油
路89が上記インナーレース25a 内に形成されていること
により、第1ワンウェイクラッチ25に対する潤滑油の供
給を万全のものとしている。
【0052】なお、第1ワンウェイクラッチ25のアウタ
ーレース25b の外周は変速機ケース3の内周面にスプラ
イン係合されている。
【0053】次に本実施例に係る自動変速機1における
副変速機30の構成を図6に基づいてさらに詳細に説明す
る。
【0054】この副変速機30の特徴は、減速ブレーキ34
の摩擦板92,93と該摩擦板92,93を締結するための油圧
ピストン94とが、第3ワンウェイクラッチ33に関して互
いに反対側に配設され、かつ上記油圧ピストン94が、第
3ワンウェイクラッチ33のアウターレース97を周方向の
複数箇所で部分的に貫通して延設されている点にある。
【0055】上記減速ブレーキ34は、カウンタ軸35に連
結された直結クラッチ32のクラッチドラム100 をクラッ
チハブとして用いており、変速機ケース3に形成された
スプライン3eおよび上記クラッチドラム100 の外周に形
成されたスプライン91a に交互に係合されたそれぞれ複
数の摩擦板92,93と、ワンウェイクラッチ33に関して摩
擦板92,93側とは反対側に配置されて、油圧作用時に摩
擦板92,93を締結する油圧ピストン94と、この油圧ピス
トン94の内方摺接面を形成しているケース部分3fに固設
されたスプリングリテーナ95と、このスプリングリテー
ナ95と油圧ピストン94との間に縮装されたリターンスプ
リング96とによって構成されている。
【0056】一方、減速ブレーキ34の油圧ピストン94と
摩擦板92,93との間に介在する第3ワンウェイクラッチ
33のアウターレース97の外周面には、図7に示されてい
るように、変速機ケース3の内周面に形成されたスプラ
イン3eに係合してアウターレース97の回転方向の動きを
規制する複数の係合部97a と、これら係合部97a の間に
形成された幅の広い複数の溝97b とを備えている。
【0057】そして、油圧ピストン94は、上記アウター
レース97の溝97b を貫通して摩擦板92,93に向ってのび
る複数の延設部94a を備えている。延設部94a の先端に
は、ケース3のスプライン3eに係合してピストン94の回
転方向の動きを規制する係合部94b が径方向外方へ向っ
て突設されている。
【0058】このように、本実施例における副変速機30
は、径方向の占有スペースが比較的大きい減速ブレーキ
34の油圧ピストン94と第3ワンウェイクラッチ33とを並
設し、その側部に、径方向の占有スペースの比較的小さ
い摩擦板92,93を配置したので、コンパクトなレイアウ
トが実現でき、摩擦板92,93の径方向内側に、直結クラ
ッチ32の摩擦板102 ,103 を配設することが可能とな
る。
【0059】また、上記スプリングリテーナ95は、ワン
ウェイクラッチ33のアウターレース97の軸方向の位置決
めを行なう位置決め部材98と一体に形成されており、こ
れによってアウターレース97を変速機ケース3に対して
位置決めする場合に通常用いられる2個のスナップリン
グを癈止することができる。
【0060】さらに、減速ブレーキ34締結用の油圧ピス
トン94の背部には、受圧面積の大きい内周側の第1油圧
室98a と、受圧面積の小さい外周側の第2油圧室98b と
が同心状に設けられている。そして、これら油圧室98a
,98b に同一の締結圧が導入された場合に、第1油圧
室98a に締結圧が導入された場合の方が、第2油圧室98
b に導入された場合よりも大きな締結圧が得られるよう
になっている。
【0061】直結クラッチ32は、第3遊星歯車機構31の
サンギヤ31a が固着されたカウンタ軸35に連結されたク
ラッチドラム100 と、ドリブンギヤ6に固設されたクラ
ッチハブ101 と、クラッチドラム100 の内周面に形成さ
れたスプライン100aおよびクラッチハブ101 の外周面に
形成されたスプライン101aに交互に係合されて上記減速
ブレーキ34の摩擦板92,93の径方向内側に配設されたそ
れぞれ複数の摩擦板102 ,103 と、これら摩擦板102 ,
103 の一側(図6では左側)に配設された受圧面積の大
きい大径の第1ピストン104aと、この第1ピストン104a
の背部に配設された受圧面積の小さい小径の第2ピスト
ン104bと、出力軸35に固設されたスプリングリテーナ10
5 と、このスプリングリテーナ105 と第1ピストン104a
との間に縮装されたリターンスプリング106 とによって
構成されている。
【0062】そして油路107 から締結圧が導入される第
1ピストン104a背部の第1油圧室108aと、油路109 (図
3参照)から締結圧が導入される第2ピストン104b背部
の第2油圧室108bとが設けられ、これら油圧室108a,10
8bに同一の締結圧が導入された場合に、第1油圧室108a
に導入された場合の方が、第2油圧室108bに導入された
場合よりも大きな締結圧が得られるようになっている。
【0063】そして、本実施例では、伝達トルクが異な
る複数の変速段で締結される直結クラッチ32の摩擦板10
2 ,103 および減速ブレーキ34の摩擦板92,93に対し、
伝達トルクが大きい方の変速段では、受圧面積の大きい
第1油圧室108aまたは98a に油圧を導入して摩擦板102
,103 または92,93を締結し、伝達トルクの小さい方
の変速段では、受圧面積の小さい第2油圧室108bまたは
98b に油圧を導入して摩擦板102 ,103 または92,93を
締結するようにしているので、ライン圧を変更する等の
制御手段を要することなく、変速段の伝達トルクに応じ
た過不足のない締結圧を得ることができる。
【0064】以上の説明から明らかなように、本実施例
によれば、第1遊星歯車機構21が入力軸16と同軸的に設
けられたドライブギヤ5の側方に該ドライブギヤ5に近
接して配設され、かつ該第1遊星歯車機構21のピニオン
軸21d がドライブギヤ5に一体に結合され、これによっ
てピニオンキャリヤが省略されている。したがって、主
変速機20の軸長短縮と部品点数の削限とを図ることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る自動変速機のスケルトン
【図2】同自動変速機における主変速機の構造を示す断
面図
【図3】同自動変速機における副変速機の構造を示す断
面図
【図4】図2の主変速機の部分的拡大断面図
【図5】図2の主変速機の部分的拡大断面図
【図6】図3の副変速機の部分的拡大断面図
【図7】図6のVII-VII 線に沿った断面図
【符号の説明】
10 トルクコンバータ 11 入力軸 20 主変速機 21 第1遊星歯車機構 22 第2遊星歯車機構 23 フォワードクラッチ 24 直結クラッチ 25 第1ワンウェイクラッチ 26 ローリバースブレーキ 27 第2ワンウェイクラッチ 28 3−4ブレーキ 30 副変速機 31 第3遊星歯車機構 32 直結クラッチ 33 第3ワンウェイクラッチ 34 減速ブレーキ 35 カウンタ軸

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力軸とカウンタ軸とを備え、上記入力
    軸に、該入力軸側から上記カウンタ軸側に動力を伝達す
    るドライブギヤが設けられてなる自動変速機において、 上記ドライブギヤの側方に、該ドライブギヤに近接して
    遊星歯車機構が配設され、該遊星歯車機構のピニオン軸
    が上記ドライブギヤに一体に結合されてなることを特徴
    とする自動変速機の動力伝達装置。
  2. 【請求項2】 上記ドライブギヤがベアリングを介して
    ケースに支持されてなることを特徴とする請求項1記載
    の自動変速機の動力伝達装置。
JP4275643A 1992-10-14 1992-10-14 自動変速機の動力伝達装置 Pending JPH06129503A (ja)

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JP4275643A JPH06129503A (ja) 1992-10-14 1992-10-14 自動変速機の動力伝達装置
DE4334950A DE4334950A1 (de) 1992-10-14 1993-10-13 Automatikgetriebe
KR1019930021161A KR940008940A (ko) 1992-10-14 1993-10-13 자동변속기의 동력전달장치

Applications Claiming Priority (1)

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