JPH06128765A - 防錆機能を有する包装材料 - Google Patents
防錆機能を有する包装材料Info
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- JPH06128765A JPH06128765A JP30633992A JP30633992A JPH06128765A JP H06128765 A JPH06128765 A JP H06128765A JP 30633992 A JP30633992 A JP 30633992A JP 30633992 A JP30633992 A JP 30633992A JP H06128765 A JPH06128765 A JP H06128765A
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- packaging material
- metal
- fiber
- iron
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Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C23—COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; CHEMICAL SURFACE TREATMENT; DIFFUSION TREATMENT OF METALLIC MATERIAL; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL
- C23F—NON-MECHANICAL REMOVAL OF METALLIC MATERIAL FROM SURFACE; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL; MULTI-STEP PROCESSES FOR SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL INVOLVING AT LEAST ONE PROCESS PROVIDED FOR IN CLASS C23 AND AT LEAST ONE PROCESS COVERED BY SUBCLASS C21D OR C22F OR CLASS C25
- C23F11/00—Inhibiting corrosion of metallic material by applying inhibitors to the surface in danger of corrosion or adding them to the corrosive agent
- C23F11/08—Inhibiting corrosion of metallic material by applying inhibitors to the surface in danger of corrosion or adding them to the corrosive agent in other liquids
- C23F11/18—Inhibiting corrosion of metallic material by applying inhibitors to the surface in danger of corrosion or adding them to the corrosive agent in other liquids using inorganic inhibitors
- C23F11/182—Sulfur, boron or silicon containing compounds
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- Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
- Preventing Corrosion Or Incrustation Of Metals (AREA)
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 人体に対して安全性が高く、鉄系金属に対し
て高い防錆効果が継続的に得られ、従来の防錆処理より
もはるかに簡素な手段で防錆がおこなえ、更に、抗菌抗
黴効果も備えた鉄系金属製品の包装材料を提供する。 【構成】 環境中の水分によって、制御された特定の溶
出量をもって徐々にイオンを放出する溶解性ガラスを、
繊維又は樹脂中に分散させた構成の包装材料であり、不
織布、フィルム、プレート、又は箱型などに成形した樹
脂成形体などの形状に加工し、金属製品を包装すると、
放出されるイオンによって鉄系金属の表面に防錆被膜を
形成し、防錆機能を発揮するとともに、Ａｇイオンによ
り、抗菌抗黴機能も同時に発揮する。
て高い防錆効果が継続的に得られ、従来の防錆処理より
もはるかに簡素な手段で防錆がおこなえ、更に、抗菌抗
黴効果も備えた鉄系金属製品の包装材料を提供する。 【構成】 環境中の水分によって、制御された特定の溶
出量をもって徐々にイオンを放出する溶解性ガラスを、
繊維又は樹脂中に分散させた構成の包装材料であり、不
織布、フィルム、プレート、又は箱型などに成形した樹
脂成形体などの形状に加工し、金属製品を包装すると、
放出されるイオンによって鉄系金属の表面に防錆被膜を
形成し、防錆機能を発揮するとともに、Ａｇイオンによ
り、抗菌抗黴機能も同時に発揮する。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、鉄系金属の表面に発生
する錆を防ぐ防錆機能を備えた、鉄系金属を使用した鋼
材、機械部品、又は日用品、台所用品等の保管、輸送等
に使用する包装材料に関するものである。
する錆を防ぐ防錆機能を備えた、鉄系金属を使用した鋼
材、機械部品、又は日用品、台所用品等の保管、輸送等
に使用する包装材料に関するものである。
【０００２】
【従来技術】従来からおこなわれている鉄系金属に対す
る防錆方法は、金属表面を水分及び酸素から保護するた
めに、表面に安定な薄い耐食性の防錆被膜を形成させて
いる。この防錆被膜を形成する手段の１つとして、防錆
油を使用したものは、主に船舶輸送の際の鋼材又は機械
部品等に使用されるが、後工程で油膜の除去の為にトリ
クレン等の有機溶剤を使用した脱脂洗浄が必要であり、
完全な油膜除去に繁雑な工程と多くの時間を費やしてい
た。他の防錆方法として水溶性防錆剤を使用するもの
は、鉄系金属の表面に化成処理により防錆被膜を形成す
るが、後の洗浄が水などを用いて比較的容易に除去でき
るので、上記防錆油よりはいくらか取扱性が良く、金属
加工、又は鋼材の保管、輸送等に使用される。この水溶
性防錆剤にはクロム酸塩、燐酸塩等の水溶液があるが、
クロム酸塩は人体に有害であり、その使用が制限されて
いる。燐酸塩は人体に対する安全性が比較的高いが、防
錆力が弱く、防錆力を高める為に過剰に高濃度の溶液を
製造しようとしても溶解量に制限があり、燐酸塩の結晶
質が水溶液中に析出したりする。また、水溶液中の防錆
被膜に関与する各イオンの濃度制御が困難であるので、
防錆効果の持続性に欠けるなどの欠点があった。ところ
で、水溶性防錆剤を使用する一連の防錆処理工程におい
ては、この水溶性防錆剤の溶液を塗布、スプレー等によ
り、鉄系金属表面に成膜処理を施すが、処理時間、又は
被膜の乾燥時間を早める為に、温浴、又は乾燥装置が必
要であり、工業的に十分満足するものではなかった。ま
た、家庭において日用品、台所用品に使用される刃物製
品、特に食品切削用の刃物製品を保管する場合は、安全
衛生の観点から錆はもちろんのこと、細菌や、黴の発生
も嫌うが、これらを同時に防止するような包装材料はな
い。
る防錆方法は、金属表面を水分及び酸素から保護するた
めに、表面に安定な薄い耐食性の防錆被膜を形成させて
いる。この防錆被膜を形成する手段の１つとして、防錆
油を使用したものは、主に船舶輸送の際の鋼材又は機械
部品等に使用されるが、後工程で油膜の除去の為にトリ
クレン等の有機溶剤を使用した脱脂洗浄が必要であり、
完全な油膜除去に繁雑な工程と多くの時間を費やしてい
た。他の防錆方法として水溶性防錆剤を使用するもの
は、鉄系金属の表面に化成処理により防錆被膜を形成す
るが、後の洗浄が水などを用いて比較的容易に除去でき
るので、上記防錆油よりはいくらか取扱性が良く、金属
加工、又は鋼材の保管、輸送等に使用される。この水溶
性防錆剤にはクロム酸塩、燐酸塩等の水溶液があるが、
クロム酸塩は人体に有害であり、その使用が制限されて
いる。燐酸塩は人体に対する安全性が比較的高いが、防
錆力が弱く、防錆力を高める為に過剰に高濃度の溶液を
製造しようとしても溶解量に制限があり、燐酸塩の結晶
質が水溶液中に析出したりする。また、水溶液中の防錆
被膜に関与する各イオンの濃度制御が困難であるので、
防錆効果の持続性に欠けるなどの欠点があった。ところ
で、水溶性防錆剤を使用する一連の防錆処理工程におい
ては、この水溶性防錆剤の溶液を塗布、スプレー等によ
り、鉄系金属表面に成膜処理を施すが、処理時間、又は
被膜の乾燥時間を早める為に、温浴、又は乾燥装置が必
要であり、工業的に十分満足するものではなかった。ま
た、家庭において日用品、台所用品に使用される刃物製
品、特に食品切削用の刃物製品を保管する場合は、安全
衛生の観点から錆はもちろんのこと、細菌や、黴の発生
も嫌うが、これらを同時に防止するような包装材料はな
い。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記したよ
うな従来の欠点を解決し、人体に対して安全性が高く、
鉄系金属に対して、防錆力が高く、継続的にその効果が
得られるばかりでなく、従来の防錆処理よりもはるかに
簡素な工程で簡便に防錆がおこなえ、更に抗菌抗黴効果
も備えた鉄系金属製品の包装材料に関するものである。
うな従来の欠点を解決し、人体に対して安全性が高く、
鉄系金属に対して、防錆力が高く、継続的にその効果が
得られるばかりでなく、従来の防錆処理よりもはるかに
簡素な工程で簡便に防錆がおこなえ、更に抗菌抗黴効果
も備えた鉄系金属製品の包装材料に関するものである。
【０００４】
【課題を解決するための手段】本発明の一連の包装材料
は、防錆機能を発揮する粒状ガラスを繊維、又は樹脂中
に分散させた構成から成るものである。この包装材料を
用いて鉄系金属製品を包装することにより、上記の課題
を解決することができる。本発明の第１の包装材料は、
繊維又は樹脂中に分散される粒状ガラスが酸化物基準と
して、 Ｐ２Ｏ５−Ｒ′２Ｏ−Ｒ″Ｏ−ＭｘＯｙ−Ａｌ２Ｏ３ （ただし、Ｒ′は１種以上のアルカリ金属 Ｒ″は１種以上のアルカリ土類金属 Ｍ は鉄の標準電極電位よりも高い電位を有する１種以
上の金属 ｘ、ｙは１以上の数）で表される組成から成るガラスを
使用するものである。
は、防錆機能を発揮する粒状ガラスを繊維、又は樹脂中
に分散させた構成から成るものである。この包装材料を
用いて鉄系金属製品を包装することにより、上記の課題
を解決することができる。本発明の第１の包装材料は、
繊維又は樹脂中に分散される粒状ガラスが酸化物基準と
して、 Ｐ２Ｏ５−Ｒ′２Ｏ−Ｒ″Ｏ−ＭｘＯｙ−Ａｌ２Ｏ３ （ただし、Ｒ′は１種以上のアルカリ金属 Ｒ″は１種以上のアルカリ土類金属 Ｍ は鉄の標準電極電位よりも高い電位を有する１種以
上の金属 ｘ、ｙは１以上の数）で表される組成から成るガラスを
使用するものである。
【０００５】この第１の発明の包装材料に関わるガラス
は、燐酸塩系ガラス組成を主体としたガラスであり、制
御された特定の溶出量をもって徐々にイオンを放出する
溶解性ガラスであって、ガラス化範囲を越えない領域の
組成範囲であれば特定の成分をもって含有率比率を限定
するものではないが、好ましくは、例えばアルカリ金属
としてはＮａ、Ｋなどがあり、アルカリ土類金属として
はＭｇ、Ｃａ、Ｓｒ、Ｂａなどが使用できる。
は、燐酸塩系ガラス組成を主体としたガラスであり、制
御された特定の溶出量をもって徐々にイオンを放出する
溶解性ガラスであって、ガラス化範囲を越えない領域の
組成範囲であれば特定の成分をもって含有率比率を限定
するものではないが、好ましくは、例えばアルカリ金属
としてはＮａ、Ｋなどがあり、アルカリ土類金属として
はＭｇ、Ｃａ、Ｓｒ、Ｂａなどが使用できる。
【０００６】この第１の発明の包装材料を用いて、鉄系
金属製品を包装すると、包装材料中の粒状ガラスが環境
中の水分と反応し、溶解しながら制御された特定の溶出
量をもって徐々にイオンを放出する。この放出されるイ
オンの中で燐酸イオン又は燐酸塩イオンは、包装材料と
接触する、又は包装材料と近接する金属表面の脱スケー
ルをおこない、更に燐酸塩化成処理により金属表面に鉄
との燐酸塩被膜を形成する。
金属製品を包装すると、包装材料中の粒状ガラスが環境
中の水分と反応し、溶解しながら制御された特定の溶出
量をもって徐々にイオンを放出する。この放出されるイ
オンの中で燐酸イオン又は燐酸塩イオンは、包装材料と
接触する、又は包装材料と近接する金属表面の脱スケー
ルをおこない、更に燐酸塩化成処理により金属表面に鉄
との燐酸塩被膜を形成する。
【０００７】また同時に放出されるイオンの中で、Ｍと
して定義される金属のイオンは、鉄とイオン交換され、
無電解メッキにより鉄系金属の表面に金属被膜を形成す
る。このとき、共存する燐酸イオン、又は燐酸塩イオン
が還元剤としても作用するので、このイオン交換を促進
し無電解メッキによる金属被膜の形成を助長する。この
２つの被膜機能により強力な防錆力が得られる。
して定義される金属のイオンは、鉄とイオン交換され、
無電解メッキにより鉄系金属の表面に金属被膜を形成す
る。このとき、共存する燐酸イオン、又は燐酸塩イオン
が還元剤としても作用するので、このイオン交換を促進
し無電解メッキによる金属被膜の形成を助長する。この
２つの被膜機能により強力な防錆力が得られる。
【０００８】ここで、このＭとして定義される金属のイ
オンが鉄とイオン交換されるためには、鉄よりもイオン
化傾向の小さい金属である必要があるが、この金属は鉄
の標準電極電位よりも高い電位を有する金属に限られ
る。この金属としては、例えばＣｏ、Ｎｉ、Ｃｕ、Ａ
ｇ、Ｐｔ、Ａｕ等があげられる。更に、この金属にＡｇ
を使用すれば、そのイオンがオリゴジナミー作用により
細菌や黴の育成を阻害し、抗菌抗黴機能を発揮するので
鉄系金属表面を衛生的な清浄な状態で保つ。
オンが鉄とイオン交換されるためには、鉄よりもイオン
化傾向の小さい金属である必要があるが、この金属は鉄
の標準電極電位よりも高い電位を有する金属に限られ
る。この金属としては、例えばＣｏ、Ｎｉ、Ｃｕ、Ａ
ｇ、Ｐｔ、Ａｕ等があげられる。更に、この金属にＡｇ
を使用すれば、そのイオンがオリゴジナミー作用により
細菌や黴の育成を阻害し、抗菌抗黴機能を発揮するので
鉄系金属表面を衛生的な清浄な状態で保つ。
【０００９】本発明の第２の包装材料は、繊維又は樹脂
中に分散される粒状ガラスが酸化物基準として、 Ｂ２Ｏ３−ＳｉＯ２−Ｒ′２Ｏ 又は、Ｂ２Ｏ３−ＳｉＯ２−Ｒ′２Ｏ−Ａｇ２Ｏ （ただし、Ｒ′は一種以上のアルカリ金属）で表される
組成から成るガラスを使用するものである。
中に分散される粒状ガラスが酸化物基準として、 Ｂ２Ｏ３−ＳｉＯ２−Ｒ′２Ｏ 又は、Ｂ２Ｏ３−ＳｉＯ２−Ｒ′２Ｏ−Ａｇ２Ｏ （ただし、Ｒ′は一種以上のアルカリ金属）で表される
組成から成るガラスを使用するものである。
【００１０】この第２の発明の包装材料に関わるガラス
は、硼酸塩系ガラス組成を主体としたガラスであり、制
御された特定の溶出量をもって徐々にイオンを放出する
溶解性ガラスであって、ガラス化範囲を越えない領域の
組成範囲であれば特定の成分をもって含有率比率を限定
するものではないが、、好ましくは、例えばアルカリ金
属としてはＮａ、Ｋなどが使用できる。また、この他に
アルカリ土類金属や遷移金属成分を加えても本発明の目
的は充分達せられる。
は、硼酸塩系ガラス組成を主体としたガラスであり、制
御された特定の溶出量をもって徐々にイオンを放出する
溶解性ガラスであって、ガラス化範囲を越えない領域の
組成範囲であれば特定の成分をもって含有率比率を限定
するものではないが、、好ましくは、例えばアルカリ金
属としてはＮａ、Ｋなどが使用できる。また、この他に
アルカリ土類金属や遷移金属成分を加えても本発明の目
的は充分達せられる。
【００１１】この第２の発明の包装材料を用いて、鉄系
金属製品を包装すると、包装材料中の粒状ガラスが環境
中の水分と反応し、溶解しながら制御された特定の溶出
量をもって徐々にイオンを放出する。この放出されるイ
オンの中でアルカリイオンは、包装材料と接触する、又
は包装材料と近接する金属表面のｐＨをアルカリ域に変
える。鉄系金属表面は環境中の水分と酸素により、酸化
され水和反応を起こしＦｅＯ・ｎＨ２Ｏ（ｎは１以上の
数）被膜を形成するが、この被膜はアルカリ域で安定す
るので、鉄のさらなる酸化進行を阻止し、鉄系金属の腐
食進行を抑制するものと考えられる。またＡｇ成分を含
むガラスは同時にＡｇイオンを放出するが、このＡｇイ
オンは鉄とイオン交換され、無電解メッキにより鉄系金
属の表面にＡｇによる金属被膜も形成し、より強力な防
錆力を発揮するが、更に、このＡｇイオンは、オリゴジ
ナミー作用により細菌や黴の育成を阻害し、抗菌抗黴機
能を発揮するので鉄系金属表面を衛生的な清浄な状態で
保つ。
金属製品を包装すると、包装材料中の粒状ガラスが環境
中の水分と反応し、溶解しながら制御された特定の溶出
量をもって徐々にイオンを放出する。この放出されるイ
オンの中でアルカリイオンは、包装材料と接触する、又
は包装材料と近接する金属表面のｐＨをアルカリ域に変
える。鉄系金属表面は環境中の水分と酸素により、酸化
され水和反応を起こしＦｅＯ・ｎＨ２Ｏ（ｎは１以上の
数）被膜を形成するが、この被膜はアルカリ域で安定す
るので、鉄のさらなる酸化進行を阻止し、鉄系金属の腐
食進行を抑制するものと考えられる。またＡｇ成分を含
むガラスは同時にＡｇイオンを放出するが、このＡｇイ
オンは鉄とイオン交換され、無電解メッキにより鉄系金
属の表面にＡｇによる金属被膜も形成し、より強力な防
錆力を発揮するが、更に、このＡｇイオンは、オリゴジ
ナミー作用により細菌や黴の育成を阻害し、抗菌抗黴機
能を発揮するので鉄系金属表面を衛生的な清浄な状態で
保つ。
【００１２】ところで、高い防錆機能と抗菌抗黴機能と
を継続的に得る為には、各機能に関与するイオンの放出
源であるガラスの溶解速度を制御することが好ましく、
適切な溶解速度は第１の発明の包装材料に関わるガラス
を繊維又は樹脂中に分散した包装材料においては、繊維
又は樹脂１ｇ当り０．０１〜１００ｍｇ／ｄａｙであ
り、第２の発明の包装材料に関わるガラスを繊維又は樹
脂中に分散した包装材料においては、繊維又は樹脂１ｇ
当り０．０１〜１００ｍｇ／ｄａｙである。これは、ガ
ラスの溶解速度がこれらの範囲未満では防錆機能と抗菌
抗黴機能が十分に発揮されず、逆にこの範囲を越える
と、過剰のイオンが供給されることになり、防錆機能と
抗菌抗黴機能を発揮できる寿命が短くなるばかりでな
く、包装材料の強度の劣化を生ずるからである。
を継続的に得る為には、各機能に関与するイオンの放出
源であるガラスの溶解速度を制御することが好ましく、
適切な溶解速度は第１の発明の包装材料に関わるガラス
を繊維又は樹脂中に分散した包装材料においては、繊維
又は樹脂１ｇ当り０．０１〜１００ｍｇ／ｄａｙであ
り、第２の発明の包装材料に関わるガラスを繊維又は樹
脂中に分散した包装材料においては、繊維又は樹脂１ｇ
当り０．０１〜１００ｍｇ／ｄａｙである。これは、ガ
ラスの溶解速度がこれらの範囲未満では防錆機能と抗菌
抗黴機能が十分に発揮されず、逆にこの範囲を越える
と、過剰のイオンが供給されることになり、防錆機能と
抗菌抗黴機能を発揮できる寿命が短くなるばかりでな
く、包装材料の強度の劣化を生ずるからである。
【００１３】本発明において使用できる包装材料の材質
としては、ナイロン、ポリエステル、ポリウレタン、ポ
リアミド、ポリイミド、ポリエチレン、レーヨン、ポリ
プロピレン、ポリウレタン、ＰＥＴ、塩化ビニル、ポリ
塩化ビニリデン、酢酸ビニル、アクリル、ポリビニルア
ルコール、シリコン樹脂等があげられる。これらは、単
体又は複合の繊維質不織布、フィルム、プレート、又は
箱型などに成形した樹脂成形体をもって、包装材料とす
ることができる。また、紙、皮革等も本発明の包装材料
に適うものである。
としては、ナイロン、ポリエステル、ポリウレタン、ポ
リアミド、ポリイミド、ポリエチレン、レーヨン、ポリ
プロピレン、ポリウレタン、ＰＥＴ、塩化ビニル、ポリ
塩化ビニリデン、酢酸ビニル、アクリル、ポリビニルア
ルコール、シリコン樹脂等があげられる。これらは、単
体又は複合の繊維質不織布、フィルム、プレート、又は
箱型などに成形した樹脂成形体をもって、包装材料とす
ることができる。また、紙、皮革等も本発明の包装材料
に適うものである。
【００１３】分散される粒状ガラスは繊維又は樹脂中に
練り込んだり、これらの表面に付着させるが、このとき
接着成分として、ウレタン、アクリル、合成ゴム系等の
バインダーが使用できる。更に、含有される粒状ガラス
の粒径は、被包装物、包装材料の材質、使用環境などに
よって異なるが、繊維中に練り込む場合は、１０μｍ以
下が好ましく、樹脂中に練り込む場合又は表面に付着さ
せる場合は１００μｍ以下が好ましい。
練り込んだり、これらの表面に付着させるが、このとき
接着成分として、ウレタン、アクリル、合成ゴム系等の
バインダーが使用できる。更に、含有される粒状ガラス
の粒径は、被包装物、包装材料の材質、使用環境などに
よって異なるが、繊維中に練り込む場合は、１０μｍ以
下が好ましく、樹脂中に練り込む場合又は表面に付着さ
せる場合は１００μｍ以下が好ましい。
【００１４】
【作用及び発明の効果】本発明の包装材料は、環境中の
水分によって、制御された特定の溶出量をもって徐々に
イオンを放出する溶解性の粒状ガラスを、繊維又は樹脂
中に分散させた構成であり、放出されるイオンによっ
て、鉄系金属の表面に化成処理による燐酸塩被膜、無電
解メッキによる金属被膜、及び／又は安定な水和酸化鉄
被膜といった防錆被膜を形成し、鉄系金属に対して高い
防錆機能を発揮するものである。更に、繊維又は樹脂中
に分散させた粒状ガラスの溶解速度を特定の範囲をもっ
て制御したので、継続的な防錆効果があるばかりでな
く、容易に防錆効果のコントロ−ルができるので、使用
目的に応じた包装材料の材料設計が可能である。また人
体に対して安全性が高く、鉄系金属製品を包装するだけ
で容易に防錆ができるので、従来の水溶性防錆剤の溶液
を使用する場合に較べて、溶液塗布後の乾燥工程が不要
になるので、工業的に有益である。更に、本発明の包装
材料は、繊維又は樹脂から成る不織布、フィルム、プレ
ート、又は箱型などに成形した樹脂成形体等さまざまな
形状に加工できるので、被包装体の形状に合わせた包装
形状が得られるとともに、継続的な防錆効果があるの
で、繰り返しの使用が可能である。よって、本発明の包
装材料は、鉄系金属を使用した鋼材、機械部品、又は日
用品、台所用品等の保管、輸送等において上記のような
優れた効果を発揮するが、付随する効果として、Ａｇ成
分を含む包装材料は、抗菌抗黴機能も有するので、特に
食品切削用の刃物製品の包装に使用すれば、錆と細菌を
同時に防止できるので、安全衛生の観点から要求度の高
い包装材料を提供できるものと思われる。
水分によって、制御された特定の溶出量をもって徐々に
イオンを放出する溶解性の粒状ガラスを、繊維又は樹脂
中に分散させた構成であり、放出されるイオンによっ
て、鉄系金属の表面に化成処理による燐酸塩被膜、無電
解メッキによる金属被膜、及び／又は安定な水和酸化鉄
被膜といった防錆被膜を形成し、鉄系金属に対して高い
防錆機能を発揮するものである。更に、繊維又は樹脂中
に分散させた粒状ガラスの溶解速度を特定の範囲をもっ
て制御したので、継続的な防錆効果があるばかりでな
く、容易に防錆効果のコントロ−ルができるので、使用
目的に応じた包装材料の材料設計が可能である。また人
体に対して安全性が高く、鉄系金属製品を包装するだけ
で容易に防錆ができるので、従来の水溶性防錆剤の溶液
を使用する場合に較べて、溶液塗布後の乾燥工程が不要
になるので、工業的に有益である。更に、本発明の包装
材料は、繊維又は樹脂から成る不織布、フィルム、プレ
ート、又は箱型などに成形した樹脂成形体等さまざまな
形状に加工できるので、被包装体の形状に合わせた包装
形状が得られるとともに、継続的な防錆効果があるの
で、繰り返しの使用が可能である。よって、本発明の包
装材料は、鉄系金属を使用した鋼材、機械部品、又は日
用品、台所用品等の保管、輸送等において上記のような
優れた効果を発揮するが、付随する効果として、Ａｇ成
分を含む包装材料は、抗菌抗黴機能も有するので、特に
食品切削用の刃物製品の包装に使用すれば、錆と細菌を
同時に防止できるので、安全衛生の観点から要求度の高
い包装材料を提供できるものと思われる。
【００１５】
（実施例１） 粒状ガラスの作成 表１、２中に示す組成１〜１２のガラス組成となるよう
に原料を調合し、Ｖ型ミキサ−で混合後、ガラス溶融用
るつぼを用いて、１１００〜１２００℃で２時間溶融し
た。この溶融物をカ−ボン板上に流し出し大気中で放冷
し、固形状のガラスを得た。得られたガラスは乾式粉砕
され、分級し、粒状ガラスとした。なお、この分級は、
不織布を用いた包装材料用に最大粒径が５μｍ以下とな
るように、また樹脂シ−トを用いた包装材料用に最大粒
径が４０μｍ以下となるようにおこなった。
に原料を調合し、Ｖ型ミキサ−で混合後、ガラス溶融用
るつぼを用いて、１１００〜１２００℃で２時間溶融し
た。この溶融物をカ−ボン板上に流し出し大気中で放冷
し、固形状のガラスを得た。得られたガラスは乾式粉砕
され、分級し、粒状ガラスとした。なお、この分級は、
不織布を用いた包装材料用に最大粒径が５μｍ以下とな
るように、また樹脂シ−トを用いた包装材料用に最大粒
径が４０μｍ以下となるようにおこなった。
【００１６】
【表１】
【００１７】
【表２】
【００１８】（実施例２） 不織布を用いた包装材料の作成 実施例１で得られた各粒状ガラス（５μｍ以下）をＬＤ
ＰＥ樹脂に対して１．５ｗｔ％添加し、直径が約４０μ
ｍの原綿を成形した。この原綿を引っ張り、糸の直径が
約１０μｍとなるように延伸した後、長さ５ｃｍで切断
した。この糸とアクリル単繊維による糸を、それぞれ
１：１の重量比で混合し、ウォ−タ−ジェット法で包装
用不織布を作成した。
ＰＥ樹脂に対して１．５ｗｔ％添加し、直径が約４０μ
ｍの原綿を成形した。この原綿を引っ張り、糸の直径が
約１０μｍとなるように延伸した後、長さ５ｃｍで切断
した。この糸とアクリル単繊維による糸を、それぞれ
１：１の重量比で混合し、ウォ−タ−ジェット法で包装
用不織布を作成した。
【００１９】（実施例３） 樹脂シ−トを用いた包装材料の作成 実施例１で得られた各粒状ガラス（４０μｍ以下）をナ
イロン樹脂に対して２０ｗｔ％添加したマスタ−バッチ
を作成した。このマスタ−バッチとナイロン樹脂を、そ
れぞれ１：９の重量比で混合し、Ｔダイ法によりガラス
の添加率が２ｗｔ％で厚み５０μｍの包装用樹脂シ−ト
を作成した。
イロン樹脂に対して２０ｗｔ％添加したマスタ−バッチ
を作成した。このマスタ−バッチとナイロン樹脂を、そ
れぞれ１：９の重量比で混合し、Ｔダイ法によりガラス
の添加率が２ｗｔ％で厚み５０μｍの包装用樹脂シ−ト
を作成した。
【００２０】（実施例４） 錆の発生率試験 事前に、実施例２、３で得られた各不織布又は樹脂シ−
トを蒸留水に浸漬し、所定日数経過後に溶出液のｐＨ
と、ガラス溶解量として不織布又は樹脂シ−トに分散さ
れるガラスの総イオン溶出量を測定した。錆の発生率試
験に使用したサンプルは、鋼鉄・軟鉄合せ包丁（刃渡１
８ｃｍ）を、一般家庭において食品切削用として一週間
使用したものを用い、実施例２、３で得られた不織布又
は樹脂シ−トに包み、３５℃で湿度９５％の恒温恒湿槽
で放置し、所定日数経過後、包丁の片面に発生した錆の
面積を測定面積に対する比率としたものを錆発生率とし
て、各試料を比較した。ここで、実施例２、３におい
て、実施例１の粒状ガラスを無添加のまま作成した不織
布又は樹脂シ−トをブランクとして合せて比較した。こ
の結果を表３、表４に示す。これらの実施例の包装材料
で包装した包丁は、ブランクに対して錆の発生率が低
く、更にガラスの溶解速度（総イオン溶出量）が０．０
１ｍｇ／ｄａｙ以下の試料を除いて錆の発生を著しく抑
えることができた。
トを蒸留水に浸漬し、所定日数経過後に溶出液のｐＨ
と、ガラス溶解量として不織布又は樹脂シ−トに分散さ
れるガラスの総イオン溶出量を測定した。錆の発生率試
験に使用したサンプルは、鋼鉄・軟鉄合せ包丁（刃渡１
８ｃｍ）を、一般家庭において食品切削用として一週間
使用したものを用い、実施例２、３で得られた不織布又
は樹脂シ−トに包み、３５℃で湿度９５％の恒温恒湿槽
で放置し、所定日数経過後、包丁の片面に発生した錆の
面積を測定面積に対する比率としたものを錆発生率とし
て、各試料を比較した。ここで、実施例２、３におい
て、実施例１の粒状ガラスを無添加のまま作成した不織
布又は樹脂シ−トをブランクとして合せて比較した。こ
の結果を表３、表４に示す。これらの実施例の包装材料
で包装した包丁は、ブランクに対して錆の発生率が低
く、更にガラスの溶解速度（総イオン溶出量）が０．０
１ｍｇ／ｄａｙ以下の試料を除いて錆の発生を著しく抑
えることができた。
【００２１】
【表３】
【００２２】
【表４】
【００２３】（実施例５） 抗菌抗黴試験 錆の発生率試験の他に、抗菌抗黴試験として実施例４と
同様の不織布又は樹脂シ−トに包んだ包丁を、大腸菌が
１００００個／ｍｌ存在する蒸溜水中に浸漬し、２４時
間後の生菌数も測定した。この結果を表５に示す。Ａｇ
成分を含むガラスを分散した包装材料を用いたものは、
水中の大腸菌の生菌数が、著しく減少した。
同様の不織布又は樹脂シ−トに包んだ包丁を、大腸菌が
１００００個／ｍｌ存在する蒸溜水中に浸漬し、２４時
間後の生菌数も測定した。この結果を表５に示す。Ａｇ
成分を含むガラスを分散した包装材料を用いたものは、
水中の大腸菌の生菌数が、著しく減少した。
【００２４】
【表５】
Claims (6)
- 【請求項１】 酸化物基準として、 Ｐ２Ｏ５−Ｒ′２Ｏ−Ｒ″Ｏ−ＭｘＯｙ−Ａｌ２Ｏ３ （ただし、Ｒ′は１種以上のアルカリ金属 Ｒ″は１種以上のアルカリ土類金属 Ｍ は鉄の標準電極電位よりも高い電位を有する１種以
上の金属 ｘ、ｙは１以上の数）で表される組成から成る粒状ガラ
スを、繊維又は樹脂中に分散させた、鉄系金属に対して
防錆機能を有する包装材料 - 【請求項２】 特許請求の範囲第１項におけるＭとして
定義される金属がＡｇである粒状ガラスを、繊維又は樹
脂中に分散させた、鉄系金属に対して防錆機能を有する
包装材料 - 【請求項３】繊維又は樹脂中に分散させた粒状ガラスの
溶解速度が繊維又は樹脂１ｇ当り０．０１〜１００ｍｇ
／ｄａｙである特許請求の範囲第１項又は第２項の防錆
機能を有する包装材料 - 【請求項４】 酸化物基準として、 Ｂ２Ｏ３−ＳｉＯ２−Ｒ′２Ｏ （ただし、Ｒ′は一種以上のアルカリ金属）で表される
組成から成る粒状ガラスを、繊維又は樹脂中に分散させ
た、鉄系金属に対して防錆機能を有する包装材料 - 【請求項５】 酸化物基準として、 Ｂ２Ｏ３−ＳｉＯ２−Ｒ′２Ｏ−Ａｇ２Ｏ （ただし、Ｒ′は一種以上のアルカリ金属）で表される
組成から成る粒状ガラスを、繊維又は樹脂中に分散させ
た、鉄系金属対して防錆機能を有する包装材料 - 【請求項６】繊維又は樹脂中に分散させた粒状ガラスの
溶解速度が繊維又は樹脂１ｇ当り０．０１〜１００ｍｇ
／ｄａｙである特許請求の範囲第４項又は第５項の防錆
機能を有する包装材料
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP30633992A JPH06128765A (ja) | 1992-10-20 | 1992-10-20 | 防錆機能を有する包装材料 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP30633992A JPH06128765A (ja) | 1992-10-20 | 1992-10-20 | 防錆機能を有する包装材料 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH06128765A true JPH06128765A (ja) | 1994-05-10 |
Family
ID=17955913
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP30633992A Pending JPH06128765A (ja) | 1992-10-20 | 1992-10-20 | 防錆機能を有する包装材料 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH06128765A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH08325891A (ja) * | 1995-05-26 | 1996-12-10 | Aisero Kagaku Kk | 金属包装用織布および不織布 |
| CN115806781A (zh) * | 2022-12-13 | 2023-03-17 | 神州节能科技集团有限公司 | 一种对金属低腐蚀的玻璃棉制品及其制备方法 |
-
1992
- 1992-10-20 JP JP30633992A patent/JPH06128765A/ja active Pending
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH08325891A (ja) * | 1995-05-26 | 1996-12-10 | Aisero Kagaku Kk | 金属包装用織布および不織布 |
| CN115806781A (zh) * | 2022-12-13 | 2023-03-17 | 神州节能科技集团有限公司 | 一种对金属低腐蚀的玻璃棉制品及其制备方法 |
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