JPH06128669A - チタン合金製アノード電極部材 - Google Patents
チタン合金製アノード電極部材Info
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- JPH06128669A JPH06128669A JP5195093A JP19509393A JPH06128669A JP H06128669 A JPH06128669 A JP H06128669A JP 5195093 A JP5195093 A JP 5195093A JP 19509393 A JP19509393 A JP 19509393A JP H06128669 A JPH06128669 A JP H06128669A
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- titanium alloy
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Abstract
(57)【要約】
【構成】Mn 0.01〜8wt%を含有し、残部Ti
および不可避不純物からなるチタン合金製アノード電極
部材であり、さらに、この電極部材に、Al、Fe、
V、Zr、Pb、Coの内から選んだ1種または2種以
上合計で0.01〜6wt%以下を含有させることがで
き、また、上記電極部材にNi、Mo、Pd、Ruの内
から選んだ1種または2種以上合計で0.01〜8wt
%を含有させることができる電極部材である。 【効果】二酸化マンガン製造時に電解電圧の上昇を抑制
し、さらに、スプラッシュゾーンの腐蝕を抑制できるも
のである。
および不可避不純物からなるチタン合金製アノード電極
部材であり、さらに、この電極部材に、Al、Fe、
V、Zr、Pb、Coの内から選んだ1種または2種以
上合計で0.01〜6wt%以下を含有させることがで
き、また、上記電極部材にNi、Mo、Pd、Ruの内
から選んだ1種または2種以上合計で0.01〜8wt
%を含有させることができる電極部材である。 【効果】二酸化マンガン製造時に電解電圧の上昇を抑制
し、さらに、スプラッシュゾーンの腐蝕を抑制できるも
のである。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はチタン合金製アノード電
極部材に関し、さらに詳しくは、特に、二酸化マンガン
製造用チタン合金製アノード電極の部材であり、電解中
の電圧上昇が少なく、かつ、電極の喫水線直上部におけ
る腐蝕が少ないチタン合金製アノード電極部材に関する
ものである。
極部材に関し、さらに詳しくは、特に、二酸化マンガン
製造用チタン合金製アノード電極の部材であり、電解中
の電圧上昇が少なく、かつ、電極の喫水線直上部におけ
る腐蝕が少ないチタン合金製アノード電極部材に関する
ものである。
【0002】
【従来技術】一般的に、電解二酸化マンガンは主として
乾電池の活物質として使用されているが、この二酸化マ
ンカンは、硫酸マンガン0.5〜1mol/l、硫酸0.
2〜0.6mol/lよりなる硫酸、硫酸マンガン水溶
液から電解により製造されている。
乾電池の活物質として使用されているが、この二酸化マ
ンカンは、硫酸マンガン0.5〜1mol/l、硫酸0.
2〜0.6mol/lよりなる硫酸、硫酸マンガン水溶
液から電解により製造されている。
【0003】そして、この二酸化マンガンの製造用の電
解電極部材としては、黒鉛、または、鉛合金が使用され
てきているが、黒鉛電極の場合は電極に析出した二酸化
マンガンを機械的衝撃により除去する際に、破損し易
く、また、鉛合金の場合は電解液中に溶出した微量の鉛
がアノード電極に析出して、二酸化マンガンの純度を劣
化させるという問題がある。
解電極部材としては、黒鉛、または、鉛合金が使用され
てきているが、黒鉛電極の場合は電極に析出した二酸化
マンガンを機械的衝撃により除去する際に、破損し易
く、また、鉛合金の場合は電解液中に溶出した微量の鉛
がアノード電極に析出して、二酸化マンガンの純度を劣
化させるという問題がある。
【0004】そのため、最近になって、二酸化マンガン
製造用アノード電極部材としてチタンが使用されるよう
になってきており、これは、チタンを使用した電極が耐
蝕性、比強度、加工性に優れているからである。
製造用アノード電極部材としてチタンが使用されるよう
になってきており、これは、チタンを使用した電極が耐
蝕性、比強度、加工性に優れているからである。
【0005】しかし、二酸化マンガン製造用のチタン電
極は、電流密度を高くすると表面に不働態皮膜が成長し
て浴電圧が上昇するようになり、電解を続けて行うため
に必要な電力が上昇するので経済的ではなく、さらに、
通電を行っていくと、通電が不能になるという問題があ
る。
極は、電流密度を高くすると表面に不働態皮膜が成長し
て浴電圧が上昇するようになり、電解を続けて行うため
に必要な電力が上昇するので経済的ではなく、さらに、
通電を行っていくと、通電が不能になるという問題があ
る。
【0006】従って、二酸化マンガンを製造する工場に
おいては、浴電圧がある程度上昇してくると、電極を浴
から引き上げて表面に析出した二酸化マンガンをハンマ
ー等による打撃により剥離、回収を行った後、チタン電
極に対してショットブラストを行って、チタン電極表面
に生成している不働態皮膜を除去しなければならない。
おいては、浴電圧がある程度上昇してくると、電極を浴
から引き上げて表面に析出した二酸化マンガンをハンマ
ー等による打撃により剥離、回収を行った後、チタン電
極に対してショットブラストを行って、チタン電極表面
に生成している不働態皮膜を除去しなければならない。
【0007】しかし、このような作業を行うことは極め
て操業効率が悪く、従って、大電流を長時間流しても浴
電圧の上昇を抑制することができれば、操業効率が格段
に上昇するばかりではなく、経済的でもある。
て操業効率が悪く、従って、大電流を長時間流しても浴
電圧の上昇を抑制することができれば、操業効率が格段
に上昇するばかりではなく、経済的でもある。
【0008】また、二酸化マンガン製造用電解浴は硫酸
酸性であり、単純浸漬ではチタンは腐蝕するが、電解に
よりチタンはアノード防蝕されるため、浴中にあるチタ
ン電極は腐蝕することはない。しかし、浴外にある電極
の喫水線直上部では電解浴のスプラッシュにより腐蝕が
起こる。そこで、製造現場では、電解浴のスプラッシュ
により腐蝕減肉した部分にチタン材を溶接して、チタン
電極の落下を防止している。
酸性であり、単純浸漬ではチタンは腐蝕するが、電解に
よりチタンはアノード防蝕されるため、浴中にあるチタ
ン電極は腐蝕することはない。しかし、浴外にある電極
の喫水線直上部では電解浴のスプラッシュにより腐蝕が
起こる。そこで、製造現場では、電解浴のスプラッシュ
により腐蝕減肉した部分にチタン材を溶接して、チタン
電極の落下を防止している。
【0009】この作業は極めて効率が悪く、かつ、経済
的でもなく、従って、電極浴のスプラッシュにより腐蝕
し難い電極部材が開発されるならば、操業効率が格段に
向上するばかりか、非常に経済的でもある。
的でもなく、従って、電極浴のスプラッシュにより腐蝕
し難い電極部材が開発されるならば、操業効率が格段に
向上するばかりか、非常に経済的でもある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記に説明し
たように、従来使用されてきている二酸化マンガン製造
用のチタン電極部材の種々の問題点を解決するために、
本発明者が鋭意研究を行い、検討を重ねた結果、電解電
圧の上昇の少なく、かつ、電解浴のスプラッシュにより
腐蝕し難いチタン合金製アノード電極部材を開発したの
である。
たように、従来使用されてきている二酸化マンガン製造
用のチタン電極部材の種々の問題点を解決するために、
本発明者が鋭意研究を行い、検討を重ねた結果、電解電
圧の上昇の少なく、かつ、電解浴のスプラッシュにより
腐蝕し難いチタン合金製アノード電極部材を開発したの
である。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明に係るチタン合金
製アノード電極部材は、Mn 0.01〜20wt%を
含有し、残部Tiおよび不可避不純物からなることを特
徴とするチタン合金製アノード電極部材を第1の発明と
し、Mn 0.01〜20wt%を含有し、かつ、A
l、Fe、V、Zr、Pb、Coの内から選んだ1種ま
たは2種以上合計で0.01〜6wt%以下を含有し、
残部Tiおよび不可避不純物からなることを特徴とする
チタン合金製アノード電極部材ヲ第2の発明とし、Mn
0.01〜20wt%を含有し、および、Ni、M
o、Pd、Ruの内から選んだ1種または2種以上合計
で0.01〜8wt%を含有し、残部Tiおよび不可避
不純物からなることを特徴とするチタン合金製アノード
電極部材を第3の発明とし、Mn 0.01〜20wt
%を含有し、かつ、Al、Fe、V、Zr、Pb、Co
の内から選んだ1種または2種以上合計で0.01〜6
wt%以下を含有し、および、Ni、Mo、Pd、Ru
の内から選んだ1種または2種以上合計で0.01〜8
wt%を含有し、残部Tiおよび不可避不純物からなる
ことを特徴とするチタン合金製アノード電極部材を第4
の発明とする4つの発明よりなるものである。
製アノード電極部材は、Mn 0.01〜20wt%を
含有し、残部Tiおよび不可避不純物からなることを特
徴とするチタン合金製アノード電極部材を第1の発明と
し、Mn 0.01〜20wt%を含有し、かつ、A
l、Fe、V、Zr、Pb、Coの内から選んだ1種ま
たは2種以上合計で0.01〜6wt%以下を含有し、
残部Tiおよび不可避不純物からなることを特徴とする
チタン合金製アノード電極部材ヲ第2の発明とし、Mn
0.01〜20wt%を含有し、および、Ni、M
o、Pd、Ruの内から選んだ1種または2種以上合計
で0.01〜8wt%を含有し、残部Tiおよび不可避
不純物からなることを特徴とするチタン合金製アノード
電極部材を第3の発明とし、Mn 0.01〜20wt
%を含有し、かつ、Al、Fe、V、Zr、Pb、Co
の内から選んだ1種または2種以上合計で0.01〜6
wt%以下を含有し、および、Ni、Mo、Pd、Ru
の内から選んだ1種または2種以上合計で0.01〜8
wt%を含有し、残部Tiおよび不可避不純物からなる
ことを特徴とするチタン合金製アノード電極部材を第4
の発明とする4つの発明よりなるものである。
【0012】本発明に係るチタン合金製アノード電極部
材について、以下詳細に説明する。先ず、本発明に係る
チタン合金製アノード電極部材の含有成分および成分割
合について説明する。
材について、以下詳細に説明する。先ず、本発明に係る
チタン合金製アノード電極部材の含有成分および成分割
合について説明する。
【0013】二酸化マンガンの製造に際して、電解時の
電解電圧が上昇する原因は、電解を行うことによりチタ
ン電極表面に不働態皮膜が生成することに起因している
ことから、チタンの不働態皮膜を弱くする合金元素、即
ち、電解浴中に溶け出し易い合金元素を選定するために
多数のチタン合金元素電極を製作して、実際に電解浴中
において電解試験を行って、電解電圧の上昇を調査し
た。
電解電圧が上昇する原因は、電解を行うことによりチタ
ン電極表面に不働態皮膜が生成することに起因している
ことから、チタンの不働態皮膜を弱くする合金元素、即
ち、電解浴中に溶け出し易い合金元素を選定するために
多数のチタン合金元素電極を製作して、実際に電解浴中
において電解試験を行って、電解電圧の上昇を調査し
た。
【0014】結果として、Mnが電解電圧の上昇を抑制
する効果のあることを知見した。この電解時の電解電圧
の上昇を抑制するためには、Mn含有量は0.01wt
%未満ではこの効果を期待することはできず、また、2
0wt%を越えて含有させるとこの効果か飽和してしま
い、多量に含有させることによる経済的負担が大きくな
る。よって、Mn含有量は0.01〜20wt%とす
る。なお、製品である二酸化マンガンへの電極成分の混
入、特に重金属の混入は、乾電池の性能を低下させるた
め、最低限に抑制する必要がある。しかし、本発明に係
るチタン合金製アノード電極部材はTi−Mn合金であ
り、Mnが溶出しても最終的には二酸化マンガンになる
ことから、電極部材の成分の混入の点においても、非常
に有効な電極部材である。
する効果のあることを知見した。この電解時の電解電圧
の上昇を抑制するためには、Mn含有量は0.01wt
%未満ではこの効果を期待することはできず、また、2
0wt%を越えて含有させるとこの効果か飽和してしま
い、多量に含有させることによる経済的負担が大きくな
る。よって、Mn含有量は0.01〜20wt%とす
る。なお、製品である二酸化マンガンへの電極成分の混
入、特に重金属の混入は、乾電池の性能を低下させるた
め、最低限に抑制する必要がある。しかし、本発明に係
るチタン合金製アノード電極部材はTi−Mn合金であ
り、Mnが溶出しても最終的には二酸化マンガンになる
ことから、電極部材の成分の混入の点においても、非常
に有効な電極部材である。
【0015】さらに、Al、Fe、V、Zr、Pb、C
oも電解時の電解電圧の上昇を抑制する効果を有する合
金元素であることがわかった。そして、これらの元素を
Ti−Mn合金に含有させることにより、電解電圧の上
昇抑制効果が促進されることを見いだした。Al、F
e、V、Zr、Pb、Coの1種または2種以上の合計
含有量は、0.01wt%未満ではこのような効果を期
待することができず、また、6wt%を越えるとこの効
果は飽和してしまい、それ以上の含有は経済的負担が大
きくなる。よって、Al、Fe、V、Zr、Pb、Co
の1種または2種以上の合計含有量は0.01〜6wt
%以下とする。
oも電解時の電解電圧の上昇を抑制する効果を有する合
金元素であることがわかった。そして、これらの元素を
Ti−Mn合金に含有させることにより、電解電圧の上
昇抑制効果が促進されることを見いだした。Al、F
e、V、Zr、Pb、Coの1種または2種以上の合計
含有量は、0.01wt%未満ではこのような効果を期
待することができず、また、6wt%を越えるとこの効
果は飽和してしまい、それ以上の含有は経済的負担が大
きくなる。よって、Al、Fe、V、Zr、Pb、Co
の1種または2種以上の合計含有量は0.01〜6wt
%以下とする。
【0016】また、電解時の電解電圧の上昇を抑制する
には、電解を行うことによりチタン表面に生成する不働
態皮膜の弱化により達成することができるが、スプラッ
シュゾーンの耐蝕性の向上は、反対に不働態皮膜が強固
である方がよく、従って、この相反する要求を満足さ
せ、かつ、Mn、Al、Fe、V、Zr、Pb、Coの
電解電圧上昇を抑制する効果を損なうことなく、スプラ
ッシュゾーンの耐蝕性を向上させる合金元素として、N
i、Mo、Pd、Ruが好適であることを見いだした。
には、電解を行うことによりチタン表面に生成する不働
態皮膜の弱化により達成することができるが、スプラッ
シュゾーンの耐蝕性の向上は、反対に不働態皮膜が強固
である方がよく、従って、この相反する要求を満足さ
せ、かつ、Mn、Al、Fe、V、Zr、Pb、Coの
電解電圧上昇を抑制する効果を損なうことなく、スプラ
ッシュゾーンの耐蝕性を向上させる合金元素として、N
i、Mo、Pd、Ruが好適であることを見いだした。
【0017】このNi、Mo、Pd、Ruの1種または
2種以上の合計含有量は、0.01wt%未満ではこの
ような効果は期待できず、また、8wt%を越えて過剰
に含有させると効果は飽和してしまい、これ以上の含有
は経済的負担が大きくなる。よって、Ni、Mo、P
d、Ruの1種または2種以上の合計含有量は、0.0
1〜8wt%とする。
2種以上の合計含有量は、0.01wt%未満ではこの
ような効果は期待できず、また、8wt%を越えて過剰
に含有させると効果は飽和してしまい、これ以上の含有
は経済的負担が大きくなる。よって、Ni、Mo、P
d、Ruの1種または2種以上の合計含有量は、0.0
1〜8wt%とする。
【0018】なお、本発明に係るチタン合金製アノード
電極部材における、特に好ましい含有成分、成分割合と
しては、Ti(2〜15)Mn−(0.02〜0.15)
Pdの範囲である。
電極部材における、特に好ましい含有成分、成分割合と
しては、Ti(2〜15)Mn−(0.02〜0.15)
Pdの範囲である。
【0019】
【実 施 例】本発明に係るチタン合金製アノード電極
部材について、以下実施例を比較例と共に説明する。
部材について、以下実施例を比較例と共に説明する。
【0020】
【実 施 例 1】表1に示すチタン合金を製造した。即
ち、スポンジチタン(JIS1種)に表1に示す含有成
分および成分割合の金属粉末を含有させ、眞空アーク溶
解炉において溶解して鋳塊とした。
ち、スポンジチタン(JIS1種)に表1に示す含有成
分および成分割合の金属粉末を含有させ、眞空アーク溶
解炉において溶解して鋳塊とした。
【0021】この鋳塊を熱間鍛造および熱間圧延を行っ
て、2.5tmm厚の板を製作し、硝弗酸を用いて上記の
板の脱スケールを行い、その後、板表面を研磨して15
mm×15mm×2.0tmmの試験片を採取した。
て、2.5tmm厚の板を製作し、硝弗酸を用いて上記の
板の脱スケールを行い、その後、板表面を研磨して15
mm×15mm×2.0tmmの試験片を採取した。
【0022】この試験片について、以下説明する試験に
より評価を行った。表2に示す条件により定電流電解を
行い、電解電圧の経時変化を調査し、48時間電解後の
電解電圧と電解開始時の電解電圧を1とした時の、48
時間電解後の電解電圧を求めた。これにより電解電圧の
上昇割合がわかる。表3に電解電圧の経時変化の測定結
果を示す。
より評価を行った。表2に示す条件により定電流電解を
行い、電解電圧の経時変化を調査し、48時間電解後の
電解電圧と電解開始時の電解電圧を1とした時の、48
時間電解後の電解電圧を求めた。これにより電解電圧の
上昇割合がわかる。表3に電解電圧の経時変化の測定結
果を示す。
【0023】表3から本発明に係るチタン合金製アノー
ド電極部材No.1〜No.8は、現在二酸化マンガン電
解製造に一般的に使用されている比較例No.19(J
IS2種相当の純チタン)より、48時間の定電流電解
後の電解電圧が小さく、電解電圧の上昇割合も小さいこ
とがわかる。
ド電極部材No.1〜No.8は、現在二酸化マンガン電
解製造に一般的に使用されている比較例No.19(J
IS2種相当の純チタン)より、48時間の定電流電解
後の電解電圧が小さく、電解電圧の上昇割合も小さいこ
とがわかる。
【0024】また、比較例No.20のMn含有量が0.
01wt%以下の場合、48時間後の電解電圧と電解電
圧上昇割合は共に純チタンと大差が無く、Mnを含有さ
せることによる効果は認められない。
01wt%以下の場合、48時間後の電解電圧と電解電
圧上昇割合は共に純チタンと大差が無く、Mnを含有さ
せることによる効果は認められない。
【0025】比較例No.21はMn含有量は20wt
%であり、48時間後の電解電圧と電解電圧上昇割合共
にMn20wt%含有の本発明No.4と変わりはない
が、含有量が多い割りには効果が少なく、また、加工性
もMn含有量が増加することにより悪くなる。さらに、
比較例No.22も比較例No.21と同様である。
%であり、48時間後の電解電圧と電解電圧上昇割合共
にMn20wt%含有の本発明No.4と変わりはない
が、含有量が多い割りには効果が少なく、また、加工性
もMn含有量が増加することにより悪くなる。さらに、
比較例No.22も比較例No.21と同様である。
【0026】
【表1】
【0027】
【表2】
【0028】
【表3】
【0029】
【実 施 例 2】表4に示すチタン合金を製造した。即
ち、スポンジチタン(JIS1種)に表4に示す含有成
分および成分割合の金属粉末を含有させ、眞空アーク溶
解炉において溶解して鋳塊とした。
ち、スポンジチタン(JIS1種)に表4に示す含有成
分および成分割合の金属粉末を含有させ、眞空アーク溶
解炉において溶解して鋳塊とした。
【0030】この鋳塊を熱間鍛造および熱間圧延を行っ
て、2.5tmm厚の板を製作し、硝弗酸を使用して上記
の板の脱スケールを行い、その後、板表面を研磨して15
mm×15mm×2.0tmmの試験片を採取した。
て、2.5tmm厚の板を製作し、硝弗酸を使用して上記
の板の脱スケールを行い、その後、板表面を研磨して15
mm×15mm×2.0tmmの試験片を採取した。
【0031】この試験片について、以下説明する試験に
より評価を行った。表5に示す条件により定電流電解を
行い、電解電圧の経時変化を調査し、48時間電解後の
電解電圧と電解開始時の電解電圧を1とした時の、48
時間電解後の電解電圧を求めた。これにより電解電圧の
上昇割合がわかる。
より評価を行った。表5に示す条件により定電流電解を
行い、電解電圧の経時変化を調査し、48時間電解後の
電解電圧と電解開始時の電解電圧を1とした時の、48
時間電解後の電解電圧を求めた。これにより電解電圧の
上昇割合がわかる。
【0032】表6に示す条件により自然浸漬試験を行
い、スプラッシュゾーンの耐蝕性を評価した。さらに、
表7に電解電圧の経時変化の測定結果とスプラッシュゾ
ーンの耐蝕性評価結果を示す。
い、スプラッシュゾーンの耐蝕性を評価した。さらに、
表7に電解電圧の経時変化の測定結果とスプラッシュゾ
ーンの耐蝕性評価結果を示す。
【0033】表7から本発明に係るチタン合金製アノー
ド電極部材No.1〜No.21は、二酸化マンガン製造
に一般的に使用されている比較例No.22(JIS2
種相当の純チタン)より、48時間の定電流電解後の電
解電圧が小さく、電解電圧の上昇割合も小さいことがわ
かる。また、スプラッシュゾーンの腐蝕速度も本発明に
係るチタン合金製アノード電極部材は比較例22よりも
小さい。
ド電極部材No.1〜No.21は、二酸化マンガン製造
に一般的に使用されている比較例No.22(JIS2
種相当の純チタン)より、48時間の定電流電解後の電
解電圧が小さく、電解電圧の上昇割合も小さいことがわ
かる。また、スプラッシュゾーンの腐蝕速度も本発明に
係るチタン合金製アノード電極部材は比較例22よりも
小さい。
【0034】また、比較例No.23はMn含有量が0.
01wt%未満の電極部材であり、48時間後の電解電
圧、電解電圧の上昇割合も純チタンと大差がなく、Mn
を含有させることによる効果が認められない。しかし、
Pd、Ruを含有させることにより耐蝕性の向上効果は
認められる。
01wt%未満の電極部材であり、48時間後の電解電
圧、電解電圧の上昇割合も純チタンと大差がなく、Mn
を含有させることによる効果が認められない。しかし、
Pd、Ruを含有させることにより耐蝕性の向上効果は
認められる。
【0035】比較例No.24はMn含有量は22wt
%であり、48時間後の電解電圧、電解電圧の上昇割合
は、Mn含有量が20wt%の本発明に係るチタン合金
製アノード電極部材4と殆ど変わっておらず、含有量が
多い割りには効果か小さく、また、加工性も悪い。ま
た、比較例No.25は本発明No.8と比較してNiの
含有量の割には効果は少ない。さらに、比較例No.2
6はPd含有量が0.005wt%と少ないので耐蝕性
の向上効果は得られていない。
%であり、48時間後の電解電圧、電解電圧の上昇割合
は、Mn含有量が20wt%の本発明に係るチタン合金
製アノード電極部材4と殆ど変わっておらず、含有量が
多い割りには効果か小さく、また、加工性も悪い。ま
た、比較例No.25は本発明No.8と比較してNiの
含有量の割には効果は少ない。さらに、比較例No.2
6はPd含有量が0.005wt%と少ないので耐蝕性
の向上効果は得られていない。
【0036】
【表4】
【0037】
【表5】
【0038】
【表6】
【0039】
【表7】
【0040】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係るチタ
ン合金製アノード電極部材は上記の構成であるから、二
酸化マンガン製造時に電解電圧の上昇を抑制し、さら
に、スプラッシュゾーンの腐蝕を抑制できるという優れ
た効果を有する。
ン合金製アノード電極部材は上記の構成であるから、二
酸化マンガン製造時に電解電圧の上昇を抑制し、さら
に、スプラッシュゾーンの腐蝕を抑制できるという優れ
た効果を有する。
Claims (4)
- 【請求項1】Mn 0.01〜20wt%を含有し、残
部Tiおよび不可避不純物からなることを特徴とするチ
タン合金製アノード電極部材。 - 【請求項2】Mn 0.01〜20wt%を含有し、か
つ、 Al、Fe、V、Zr、Pb、Coの内から選んだ1種
または2種以上合計で0.01〜6wt%以下を含有
し、残部Tiおよび不可避不純物からなることを特徴と
するチタン合金製アノード電極部材。 - 【請求項3】Mn 0.01〜20wt%を含有し、お
よび、 Ni、Mo、Pd、Ruの内から選んだ1種または2種
以上合計で0.01〜8wt%を含有し、残部Tiおよ
び不可避不純物からなることを特徴とするチタン合金製
アノード電極部材。 - 【請求項4】Mn 0.01〜20wt%を含有し、か
つ、 Al、Fe、V、Zr、Pb、Coの内から選んだ1種
または2種以上合計で0.01〜6wt%以下を含有
し、および、 Ni、Mo、Pd、Ruの内から選んだ1種または2種
以上合計で0.01〜8wt%を含有し、残部Tiおよ
び不可避不純物からなることを特徴とするチタン合金製
アノード電極部材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5195093A JPH06128669A (ja) | 1992-09-07 | 1993-07-12 | チタン合金製アノード電極部材 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26426692 | 1992-09-07 | ||
JP4-264266 | 1992-09-07 | ||
JP5195093A JPH06128669A (ja) | 1992-09-07 | 1993-07-12 | チタン合金製アノード電極部材 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06128669A true JPH06128669A (ja) | 1994-05-10 |
Family
ID=26508921
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5195093A Withdrawn JPH06128669A (ja) | 1992-09-07 | 1993-07-12 | チタン合金製アノード電極部材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06128669A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH10110247A (ja) * | 1995-10-27 | 1998-04-28 | Kobe Steel Ltd | 耐水素脆性および疲労特性に優れたばね鋼 |
CN101880795A (zh) * | 2010-07-15 | 2010-11-10 | 上海大学 | 微量稀土合金化处理的ta16钛合金 |
CN105624467A (zh) * | 2016-03-08 | 2016-06-01 | 上海大学 | 一种含Fe和Mn合金元素的α钛合金 |
CN112063892A (zh) * | 2020-09-29 | 2020-12-11 | 中国科学院金属研究所 | 一种高热稳定性等轴纳米晶Ti-Zr-Mn合金及其制备方法 |
-
1993
- 1993-07-12 JP JP5195093A patent/JPH06128669A/ja not_active Withdrawn
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH10110247A (ja) * | 1995-10-27 | 1998-04-28 | Kobe Steel Ltd | 耐水素脆性および疲労特性に優れたばね鋼 |
CN101880795A (zh) * | 2010-07-15 | 2010-11-10 | 上海大学 | 微量稀土合金化处理的ta16钛合金 |
CN105624467A (zh) * | 2016-03-08 | 2016-06-01 | 上海大学 | 一种含Fe和Mn合金元素的α钛合金 |
CN112063892A (zh) * | 2020-09-29 | 2020-12-11 | 中国科学院金属研究所 | 一种高热稳定性等轴纳米晶Ti-Zr-Mn合金及其制备方法 |
CN112063892B (zh) * | 2020-09-29 | 2021-12-10 | 中国科学院金属研究所 | 一种高热稳定性等轴纳米晶Ti-Zr-Mn合金及其制备方法 |
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