JPH06128585A - 軸受用潤滑組成物 - Google Patents

軸受用潤滑組成物

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JPH06128585A
JPH06128585A JP27999292A JP27999292A JPH06128585A JP H06128585 A JPH06128585 A JP H06128585A JP 27999292 A JP27999292 A JP 27999292A JP 27999292 A JP27999292 A JP 27999292A JP H06128585 A JPH06128585 A JP H06128585A
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JP
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bearing
pigment
molecular weight
lubricating
grease
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JP27999292A
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English (en)
Inventor
Mitsunari Aso
光成 麻生
Eishin Mikami
英信 三上
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NTN Corp
Original Assignee
NTN Corp
NTN Toyo Bearing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、軸受用潤滑組成物を、軸受内への
水や泥水の浸入によっても流失しない固形状の軸受用潤
滑組成物にすると共に、軸受内に充填した後にその区別
を軸受外部から判断できるようにして、軸受の仕様毎の
識別を容易にできるようにする。 【構成】 平均分子量1×106 〜5×106 の超高分
子量ポリオレフィン粉末5〜99wt%、低分子量ポリエ
チレンを含有する固形ワックス1〜50wt%、リチウム
石けん−鉱油系潤滑グリース5〜99wt%および所要の
顔料を添加混合し、前記超高分子量ポリオレフィンのゲ
ル化点以上かつ前記潤滑グリースの滴点以下の温度で分
散保持させて、軸受の隙間からその色彩が識別可能な固
形状の軸受用潤滑組成物とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、農業・土木用機械、
自動車などの耐水性を要する機械や、撚線機など強い遠
心力下で動作する機械の各種軸受に充填される軸受用潤
滑組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、転がり軸受としては、多様な形
状および寸法のものがあるが、いずれも内部潤滑性を高
めるため、鉱油などの基油に、リチウム石鹸、アルミニ
ウム石鹸またはポリウレアなどの増稠剤を配合したグリ
ースが充填されている。そして、特に農業機械または自
動車部品など雨水などに対して耐水性を要する機械や撚
線機など高速で遠心運動する諸種の機械部品に装着され
る転がり軸受においては、グリースの流動性を抑制し
て、長時間安定した潤滑特性を発揮させるように、密封
装置を付設している。
【0003】しかしながら、このような軸受を長期的に
亘って完全に密封することは、技術的にも生産コストの
上でも困難であって、グリースが遠心力の作用によって
徐々に飛散したり、水や泥水が徐々に軸受内に浸入して
グリースを次第に劣化させ、さらには流失させる場合が
ある。
【0004】本発明者等は、上記した問題点に鑑み、特
公昭63−23239号において、超高分子量のポリエ
チレンと、このポリエチレンの融解温度より高い滴点を
有する潤滑グリースを配合し、これを前記融解温度以上
に加熱して軸受内に充填して固形化させるようにして、
遠心力の作用や水や泥水の浸入によっても軸受外に流出
しない固形状の軸受用潤滑組成物を開示した。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記開示した
固形状の軸受用潤滑組成物は、前記したように諸種の形
状および寸法で形成された軸受に、それぞれ所要の潤滑
特性のものを調製し充填する必要があるが、軸受を装置
本体へ組付けるときに、それらの区別をつけるのが容易
でないという問題点がある。
【0006】そこで、この発明は、上記した問題点を解
決し、潤滑組成物を、軸受内に充填した後にその区別を
軸受外部から判断できるようにして、軸受の仕様毎の識
別を容易にできるようにすることを課題としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、この発明においては、潤滑グリース5〜99wt%
に、平均分子量が1×106 〜5×106 である超高分
子量ポリオレフィンの粉末95〜1wt%を混合すると共
に顔料を添加混合して、前記超高分子量ポリオレフィン
粉末のゲル化点以上かつ前記潤滑グリースの滴点以下の
温度で分散保持させてなる軸受用潤滑組成物としたので
ある。
【0008】また、潤滑グリース5〜99wt%に、平均
分子量が1×106 〜5×106 である超高分子量ポリ
オレフィンの粉末95〜1wt%および油の滲出抑制剤1
〜50wt%を混合すると共に顔料を添加混合して、前記
超高分子量ポリオレフィンのゲル化点以上かつ前記潤滑
グリースの滴点以下の温度で分散保持させてなる軸受用
潤滑組成物とすることもできる。上記油の滲出抑制剤は
固体ワックスであってよい。
【0009】以下、その詳細を述べる。この発明におけ
る超高分子量ポリオレフィン粉末は、ポリエチレン、ポ
リプロピレン、ポリブテンもしくはこれらの共重合体か
らなる粉末またはそれぞれ単独の粉末を配合した混合粉
末であってよく、各粉末の分子量は、粘度法により測定
される平均分子量が1×106 〜5×106 である。こ
のような平均分子量の範囲にあるポリオレフィンは、剛
性及び保油性において低分子量のポリオレフィンより優
れ、高温に加熱してもほとんど流動することがない。こ
のような超高分子量ポリオレフィンの潤滑組成物中の配
合割合は95〜1wt%であり、その量は組成物の所望の
離油度、粘り強さおよび硬さに依存する。したがって、
超高分子量ポリオレフィンの量が多い程、所定温度で分
散保持させた後のゲルの硬さが大きくなる。
【0010】この発明における潤滑グリースは、特に限
定されるものでなく、石けんまたは非石けんで増稠した
潤滑グリースとして、リチウム石けん−ジエステル系、
リチウム石けん−鉱油系、ナトリウム石けん−鉱油系、
アルミニウム石けん−鉱油系、リチウム石けん−ジエス
テル鉱油系、非石けん−ジエステル系、非石けん−鉱油
系、非石けん−ポリオールエステル系、リチウム石けん
−ポリオールエステル系等のグリースが挙げられる。
【0011】また、この発明に用いる顔料としては、体
質顔料、白色顔料、黒色顔料、黄色顔料、橙色顔料、褐
色顔料、赤色顔料、紫色顔料、青色顔料、緑色顔料、蛍
光顔料、金属粉顔料などの公知の顔料を特に限定するこ
となく用いる。具体的には、体質顔料として、バライト
粉、炭酸石灰粉、クレー、シリカ粉、タルクなど、白色
顔料として、亜鉛華、鉛白、硬化亜鉛、酸化チタンな
ど、黒色顔料として、カーボンブラック、黒鉛、鉄黒な
ど、黄色顔料として、黄鉛、亜鉛黄、クロム酸バリウ
ム、ナフトールエローS、ハンザエロー10G、ピグメ
ントエローL、ピグメントエロー110、ベンシジンエ
ロー、パーマネントエローNCGなど、橙色顔料とし
て、赤口黄鉛、スダーンI、パーマネントオレンジ、リ
ソールファストオレンジ3GL、ハンザエロー3R、イ
ンダンスレンブリリアントオレンジGKなど、褐色顔料
として、酸化鉄、パーマネントブラウンFG、パラブラ
ウンなど、赤色顔料としてべんがら、鉛丹、カドミウム
レッド、パーマネントレッド4R、パラレッド、パーマ
ネントレッドBL、紫色顔料として、コバルト紫、マン
ガン紫、ファストバイオレットB、メチルバイオレット
レーキなど、青色顔料として、群青、紺青、アルカリブ
ルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシア
ニンブルー、インダンスレンブルーRSなど、緑色顔料
として、クロムグリーン、亜鉛緑、エメラルドグリー
ン、ピグメントグリーンB、フタロシアニングリーンな
ど、蛍光顔料として、硫化亜鉛、ケイ酸亜鉛、硫化カル
シウム、硫化ストロンチウムなど、金属粉顔料として、
アルミニウム粉、ブロンズ粉、銅粉などが挙げられる。
【0012】また、この発明における油の滲出抑制剤
は、潤滑組成物の油性面に滲出する油の離油率を適度に
抑え、即ち油の滲み出しを抑制するものであって、ワッ
クス(ロウ)のうち固体ワックスまたはこれを含む低分
子ポリオレフィンなどを配合したものであってよい。上
記固体ワックスの具体例としては、カルナバロウ、カン
デリナロウ等の植物性ワックス、ミツロウ、虫白ロウ等
の動物性ワックス、またはパラフィンロウなどの石油系
ワックスが挙げられる。このような油の滲出抑制剤の配
合割合は潤滑組成物中1〜50wt%である。この配合割
合が多い程、離油率が抑制でき、油が滲み出る速度が小
さくなる。しかし、50wt%を越える多量では、潤滑組
成物の強度を低下させることとなるので好ましくない。
【0013】前記した潤滑グリースに、超高分子量ポリ
オレフィン、防錆剤および油の滲出抑制剤を分散保持さ
せるには、上記した材料を混合した後、超高分子量ポリ
オレフィンがゲル化を起す温度以上、たとえば150〜
200℃程度に加熱し、その後、冷却して固形化させ、
油性面すなわち油が滲み出る面のある潤滑組成物とす
る。
【0014】
【作用】この発明の軸受用潤滑組成物は、固形状である
ので、軸受の内・外輪間に若干の隙間を有しても、軸受
内部に浸入した水とともに流出することがなく、油の適
当な滲み出しによりグリースの潤滑特性を長期間維持す
る。そして、潤滑組成物は、添加された顔料により、軸
受の仕様を区別し得る着色がされているので、必要に応
じて軸受の外部から前記隙間を通して仕様の異なる軸受
の識別ができる。
【0015】
【実施例】
実施例1:超高分子量ポリオレフィン(三井石油化学工
業社製:ミペロン)20wt%、低分子量ポリオレフィ
ンを含有する固形ワックス(三井化成社製:サンワック
ス)6wt%、黄色顔料(越谷化成工業社製:ED−2
090YELL0W)0.5wt%、および潤滑グリー
ス(リチウム石けん−鉱油系)73.5wt%を原材料
として混合し、この混合物をラジアル玉軸受の内輪と外
輪の隙間が5〜20μmの軸受(軸受6204)に封入
し、この軸受を150〜180℃恒温層で30分加熱し
て、前記の混合物を固形状化した。
【0016】実施例2:顔料を青色顔料(越谷化成工業
社製:SD−7090BULUE)とし、ラジアルの隙
間が13〜28μmのラジアル玉軸受に封入する以外は
実施例1と全く同様にして固形状の潤滑組成物を製造
し、固形状化した。
【0017】実施例1または実施例2は、黄色または青
色をそれぞれ呈し、軸受外部から2つの軸受を容易に区
別することができた。
【0018】比較例1:顔料を配合せず、潤滑グリース
(リチウム石けん−鉱油系)の配合割合を74wt%と
する以外は、実施例1と全く同様にして原材料を表1に
示す配合割合にて混合し、さらに実施例1と全く同じよ
うに軸受内部で固形状化した。
【0019】比較例2:顔料を配合せず、潤滑グリース
(リチウム石けん−鉱油系)の配合割合を74wt%と
する以外は、実施例2と全く同様にして原材料を表1に
示す配合割合にて混合し、さらに実施例1と全く同じよ
うに軸受内部で固形状化した。
【0020】比較例1または比較例2はいずれも淡褐色
を呈し、軸受外部から2つの軸受を区別するのは困難で
あった。
【0021】
【効果】この発明は、以上説明したように、潤滑グリー
ス、所定の平均分子量の超高分子量ポリオレフィンまた
はこれらと共に、油の滲出抑制剤をそれぞれ所定量混合
すると共に、顔料を添加混合した軸受用潤滑組成物とし
たので、遠心力の作用や水や泥水の浸入によっても軸受
外に流出せず、所定の軸受内で長期間安定した潤滑特性
を発揮すると共に、軸受内に充填した後に軸受外部から
諸種の軸受の仕様毎の識別を容易にできるという利点が
ある。
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C10M 129:40 159:06) 125:00 C10N 20:04 20:06 Z 8217−4H 40:02 50:08 50:10 70:00

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 潤滑グリース5〜99wt%に、平均分子
    量が1×106 〜5×106 である超高分子量ポリオレ
    フィンの粉末95〜1wt%を混合すると共に顔料を添加
    混合して、前記超高分子量ポリオレフィン粉末のゲル化
    点以上かつ前記潤滑グリースの滴点以下の温度で分散保
    持させてなる軸受用潤滑組成物。
  2. 【請求項2】 潤滑グリース5〜99wt%に、平均分子
    量が1×106 〜5×106 である超高分子量ポリオレ
    フィンの粉末95〜1wt%および油の滲出抑制剤1〜5
    0wt%を混合すると共に顔料を添加混合して、前記超高
    分子量ポリオレフィンのゲル化点以上かつ前記潤滑グリ
    ースの滴点以下の温度で分散保持させてなる軸受用潤滑
    組成物。
  3. 【請求項3】 上記油の滲出抑制剤が固体ワックスであ
    る請求項2記載の軸受用潤滑組成物。
JP27999292A 1992-10-19 1992-10-19 軸受用潤滑組成物 Pending JPH06128585A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007314729A (ja) * 2006-05-29 2007-12-06 Ntn Corp 固形潤滑剤および固形潤滑剤封入転がり軸受

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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