JPH06128294A - アミロイド前駆体様タンパク質及びその使用 - Google Patents

アミロイド前駆体様タンパク質及びその使用

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JPH06128294A
JPH06128294A JP5093240A JP9324093A JPH06128294A JP H06128294 A JPH06128294 A JP H06128294A JP 5093240 A JP5093240 A JP 5093240A JP 9324093 A JP9324093 A JP 9324093A JP H06128294 A JPH06128294 A JP H06128294A
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protein
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amyloid precursor
glu
leu
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Wilma Wasco
ウィルマ・ワスコ
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キース・バップ
Margaret Magendantz
マーガレット・マージェンダンツ
Rudolph Tanzi
ルドルフ・タンジ
Frank Solomon
フランク・ソロモン
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    • C07K14/4711Alzheimer's disease; Amyloid plaque core protein
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K38/00Medicinal preparations containing peptides
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    • Y10S530/00Chemistry: natural resins or derivatives; peptides or proteins; lignins or reaction products thereof
    • Y10S530/81Carrier - bound or immobilized peptides or proteins and the preparation thereof, e.g. biological cell or cell fragment as carrier

Abstract

(57)【要約】 【構成】 アミロイド前駆体様タンパク質(APLP)、
これらタンパク質をコード化するヌクレオチド配列、そ
の発現を調節するヌクレオチド配列、これらタンパク質
に対する抗体、これらタンパク質配列をコード化しその
発現を調節する遺伝子配列を含有するベクターおよびそ
の宿主細胞を提供する。さらに単離されたゲノムDN
A、cDNA、アンチセンスRNA、およびタンパク質
配列を含有するRNAをも提供する。 【効果】 体液、血清または組織試料を含む生物学的標
本中のAPLPを検出するために本発明の抗体を使用す
ることができる。本発明のAPLP1およびAPLP2
は遅発型家族性アルツハイマー病に関する候補遺伝子で
ある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の背景】本願は1992年8月17日に出願され
た米国特許出願番号第07/930022号の一部継続
出願であり、該米国特許出願は1992年4月20日に
出願された米国特許出願番号第07/872642号の
一部継続出願である。これら米国特許出願に開示された
全内容は本明細書の一部を構成するものとする。本発明
は米国政府の基金を使用して為された。この結果、米国
政府は本発明に関して支払い済みの非排他的な世界的特
許権使用料を認可されている。
【0002】
【産業上の利用分野】本発明は、APLP1およびAP
LP2を含むアミロイド前駆体様タンパク質(APL
P)、APLP遺伝子のクローニング、調製及び発現に
関連する生成物並びに方法、これらのタンパク質に対し
て特異性を有する抗体、及びその診断的並び医薬的使用
に関する。
【0003】
【従来の技術】アルツハイマー病(AD)は脳中の血管沈
渣及び老人斑の形態にあるアミロイドと神経原線維混乱
の存在を特徴とする神経変性的障害である。アミロイド
の主な成分は、染色体21上の遺伝子によってコード化
されているより大きいアミロイド前駆体タンパク質(A
PP)から誘導される39−43アミノ酸ペプチドAβ
である(Glenner及びWong,Biochem.Biophys.Res.Commun.
120:885-890(1984);Goldgaberら,Science 235:877-880
(1987);Kangら,Nature 325:733-736(1987);Robakis
ら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 84:4190-4194(1987);Tanz
iら,Science 235:880-884(1987))。ADの比率は遺伝し
(St.George-Hyslopら,Neurobiol.Aging 10:417-425(198
9)に総説がある)、その家族性型(FAD)は遺伝学的に
不均質な障害であることが明確に示されている(Shellen
bergら,Science 241:1507-1510(1988);St.Geroge-Hysl
opら,Nature 347:194-197(1990))。早発性(65歳未満)
FAD遺伝子座が染色体21上に位置付けされており(S
t.Geroge-Hyslopら,Sicence 235:885-889(1987))、FA
Dの極く一部(3%未満)がAPP遺伝子内の点突然変異
に関係している(Goateら,Nature 349:704-706(1991);M
urrellら,Science 254:97-99(1991);Chartier-Harlin
ら,Nature 353:884-846(1992);Tanzi及びHyman,Ann.N.
Y.Acad.Sci.640:149-154(1992);Mullanら,Nature Gene
tics 2:340-342(1992))。より最近になって、主な早発
性FAD遺伝子座が染色体14上に存在することが明ら
かにされた(Mullanら,Nature Genentics 2:340-342(199
2);Schellenbergら,Science 258:668-673(1992);St.G
eoge-Hyslopら,Nature Genetics:印刷中(1992);Broeck
hovenら,Nature Genetics 2:335-339(1992))。早発性F
AD家系のいくつかはAPP遺伝子あるいは染色体14
のいずれにも関連を示さない(Schellenbergら,Science
241:1507-1510(1988);St.Geroge-Hyslopら,Nature 34
7:194-197(1990);Schellenbergら,Science 258:668-67
3(1992);Tanzi,R.E.,Am.J.Human Genet.51:273-282(19
92))。
【0004】遅発性(65歳以上)FAD家系の副集合
(ただし全てではない)は染色体19上の遺伝子座と関連
があるようである(Pericak-Vanceら,Am.J.Hum.Genet.4
8,1034-1050(1991))。したがって、染色体14、19及
び21上の遺伝子に加えて少なくとも2つのさらなるF
AD遺伝子座がまだ位置決定されずに残っていると思わ
れる。他のFAD遺伝子座についての候補遺伝子には、
アミロイド形成の代替基質として作用するか、もしくは
APPの正常なプロセシングを妨害するかもしれない潜
在的なAPP遺伝子相同体が含まれる。
【0005】APPは小さい細胞質C-末端ドメインと
かなり大きい細胞外N-末端ドメインを伴う内在性膜タ
ンパク質に似ている(Kangら,Nature 325:733-736(198
7))。APP遺伝子は少なくとも6つの転写物を生産し
(Ponteら,Nature 331:525-527(1988);Tanziら,Nature
331:528-530(1988);Kitaguchiら,Nature 331:530-53
2;De Sauvageら,Science 245:651-655(1989);Jacobse
nら,Neurobiol.Aging 12:575-583(1991);Konigら,J.Bi
ol.Chem.,267:19804-19809(1992))、そのうちの5つ
は、クニッツ型プロテアーゼ阻害因子ドメインをコード
化する選択的にスプライスされるエクソンを含有する。
APPは少なくとも2つの経路を通して加工(プロセシ
ング)されるようである。分泌経路は、βA4ドメイン
内にある細胞外-連結部分の膜近くの部位におけるAP
Pの切断をもたらし(Eschら,Science 248:1122-1124(19
90);Sisodiaら,Science 248:492-495(1990))、Aβの
生成を排除する。代替的に、エンドソーム-リソソーム
経路でのプロセシングはAβペプチドを含有するカルボ
キシ末端誘導体の生産をもたらす(Estusら,Science 25
5:726-728(1991);Goldeら,Science 255:728-730(199
1);Haassら,Science 357:500-503(1992))。より最近に
なって、培養細胞によってAβが可溶型で生成すること
が明らかにされている(Haassら,Nature 359:322-325(19
92);Sebubertら,Nature 359:325-327(1992);Shojiら,
Science 258:126-129(1992))。ただし、可溶性Aβの生
成を導く正確な経路はまだわかっていない。アミロイド
原性断片の過剰生産を避けるためには、おそらくこれら
の経路間の正確な平衡が維持されなければならないので
あろう。
【0006】アミノ酸配列と全体の構造がAPPに似て
いるタンパク質がAPPの成熟および/または代謝にお
いて役割を果たしている因子と相互作用し、効果的に競
合するのであろうという仮説が既に提出されている(Was
coら,Genomics:印刷中(1992);Wascoら,Proc.Natl.Aca
d.Sci.USA 89:10758-10762(1992))。最近得られた証拠
は、APPが著しくよく保存されている特殊なドメイン
を伴うタンパク質ファミリーの一構成要素であることを
示している。
【0007】cDNAクローンはAPPが小さい細胞内
C-末端ドメインとかなり大きい細胞外N-末端度メイン
を有する貫膜タンパク質であることを予言している(Gol
dgaberら,Science 235:877-880(1987);Kangら,Nature
325:733-736(1987);Robakisら,Proc.Natl.Acad.Sci.US
A 84:4190-4194(1987);Tanziら,Science 235:880-884
(1987))。APPには少なくとも4つの型があり、これ
らが563、695、751および770アミノ酸から
なるタンパク質をもたらす(De Sauvageら,Science 245:
651-653(1989);Kitaguchiら,Nature 331:530-532(198
8);Ponteら,Nature 331:525-527(1988);Tanziら,Natu
re 331:528-530(1988))。これらのうち少なくとも3つ
は選択的なスプライシングの結果である(Kitaguchiら,N
ature 331:530-532(1988);Ponteら,Nature 331:525-52
7(1988);Tanziら,Nature 331:528-530(1988))。APP
の大きい方の2つの型はプロテアーゼ阻害因子のKuN
aファミリーに対して相同性を有する56アミノ酸挿入
物を含有する(Kitaguchiら,Nature 331;530-532(198
8);Ponteら,Nature 331;525-527(1988);Tanziら,Natu
re 331:528-530(1988))。
【0008】プロテアーゼ阻害因子ドメインを含有する
APPの分泌型の1つはプロテアーゼ・ネキシン-IIと
同一であることがわかっている(Oltersdorfら,J.Biol.C
hem.265:4492-4497(1990);Saitohら,Cell 58:615-622
(1989))。
【0009】βA4ドメインはAPPの予想される膜-
細胞外連結部分をまたいでいる。アルツハイマー病にお
いて如何にしてこのペプチドが前駆体タンパク質から遊
離するのかは不明瞭である。いくつかの研究室で得られ
た結果は、正常には前駆体タンパク質が、見かけ上βA
4ドメイン内にある膜-細胞外連結部分またはその付近
の部位での切断を介して分泌されることを示唆している
(Eschら,Science 248:1122-1124(1990);Selkoeら,Pro
c.Natl.Acad.Sci.USA 85:7341-7345(1988);Weidmanら,
Cell 57:115-126(1989);Sisodaら,Sience 248:492-495
(1990))。これらの発見が正しいとすれば、APPの分
泌型の正常なプロセシングがβA4の生成を排除し、そ
れゆえにアミロイド自体の生成を排除するであろう。こ
のようなモデルは、斑および脳血管沈渣内に含有される
βA4が異常なプロセシング事象の結果であることを含
意している。
【0010】今回、全体の構造とアミノ酸配列がAPP
と類似しているヒト染色体19上のアミロイド前駆体様
タンパク質APLP1をコード化するヒトとマウスのc
DNAクローンが単離された(Wascoら,Genomices:印刷
中(1992);Wascoら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:10758-
10762(1992))。
【0011】より具体的には、予想アミノ酸配列がAP
Pと42%同一であり64%類似しているタンパク質を
コード化しているマウス脳cDNAを今回同定した。こ
のアミロイド前駆体様タンパク質(APLP1)が、既に
クローン化されヒトAPPと96.8%同一であること
がわかっているヒトAPPのマウス相同体によってコー
ド化されていないことは明らかである(Yamadaら,Bioche
m.Biophys.Res.Comm.158:9060912(1987))。APP様遺
伝子はキイロショウジョウバエ属からも単離されており
(APPL;Rosenら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 86:2478-
2482(1989))、もう1つはラット精巣ライブラリーから
単離された部分的cDNAクローンの形態で報告されて
いる(Yanら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 87:2405-2408(199
0))。興味深いことに、Luoら(Luoら,Neuron 9:595-605
(1992))はAPPLとAPPの間の機能的な相同性を明
らかにしている。ヒトAPPまたはキイロショウジョウ
バエAPPLを発現する形質転換は共に、Appl-急
速光走性欠損(fast phototaxis defect)キイロショウジ
ョウバエ突然変異体の救出について同程度のレベルを示
す。これらのデータはAPPが、共通の機能を有し、類
似のタンパク質と相互作用し得る進化論的に高度に保存
されたタンパク質ファミリーの一構成要素であることを
示すものであろう。
【0012】本APLP1はAPPと相同な3つの明確
な領域を共有する。これはマウス脳と神経芽腫細胞中に
存在する2.4kbのメッセージによってコード化され
ている。APLP1のC-末端から誘導した合成ペプチ
ドに対して生じた抗体は神経芽腫細胞のゴルジ体を染色
する。
【0013】APPタンパク質ファミリーの他の構成要
素を単離しようとする試みとして、まずマウスAPLP
1配列を用いてジェンバンク・データベースを相同配列
について検索した。APP、APPL、およびラット精
巣から得られた部分的cDNAとの合致を得たことに加
えて、はっきりした特徴のない274塩基対ヒト脳cD
NA登録物(ジェンバンク受託番号M78104)との合
致が注目された。マウスAPLP1にかなり近いが同一
ではないこの合致(同一性63%)は、M78104が第
2のAPLPをコード化するcDNAの小さい断片であ
ることを示した。APP様遺伝子ファミリーをより詳細
に特徴づけるために、完全な長さのcDNAをこの第2
のAPLPであるAPLP2について単離した。ヒト脳
から得られるAPLP2cDNAクローンの単離と特徴
づけは、APPが高度に保存された遺伝子ファミリーの
一構成要素であるという仮説をさらに支持するものであ
る。
【0014】本明細書に記載するcDNAは、APPお
よび他の2つの遺伝子(1つはキイロショウジョウバエ
由来のもの(Rosenら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 86:2478-
2482(1989))であり、もう1つはラットから得られたもの
(Yanら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 87:2405-2408(1990))
である)と共に、共通の機能を共有すると思われる保存
された相同ドメインを伴うタンパク質ファミリーをコー
ド化している。本APLPはゴルジ体に極在する膜結合
タンパク質である。
【0015】
【発明の要約】本発明は、アミロイド前駆体様タンパク
質(APLP)、APLP遺伝子のクローニング、調製お
よび発現に関連する生成物および方法、これらのタンパ
ク質に対して特異的な抗体、およびAPLPポリペプチ
ドまたはAPLPポリペプチドの一部に対応するヌクレ
オチドプローブに関する。APLPポリペプチドはそれ
に対する抗体を製造するのに有用である。これらの抗体
およびプローブは、例えば動物またはヒトから得られる
体液、血清または組織試料などを含む生物学的標本中の
APLPの存在を検出するのに有用である。
【0016】本発明は、脳細胞および神経芽腫細胞を含
む哺乳動物細胞中に存在するAPLPをコード化するc
DNAおよびゲノム断片の同定、特徴づけおよび配列決
定に関する。
【0017】本発明により、APLPをコード化する遺
伝子配列が提供される。また本発明は、上記遺伝子配列
を含有する発現ベクター、上記発現ベクターで形質転換
された宿主、および遺伝子操作されたAPLPあるいは
組換えAPLPを製造する方法をも提供する。
【0018】さらに本発明は、APLPを特異的に認識
する抗体をも提供する。
【0019】本APLPcDNAおよび組換えタンパク
質は、APLPを特異的に認識する抗体を作成する際に
有用である。このような抗体は生物学的標本中のAPL
Pを検出するのに有用である。
【0020】予想アミノ酸配列がアミロイド前駆体タン
パク質(APP)と42%同一であり、64%類似してい
るタンパク質をコード化するcDNAをマウス脳ライブ
ラリーから単離した。この653アミノ酸のアミロイド
前駆体様タンパク質(APLP1)は全体の構造とアミノ
酸配列がAPPに類似している。アミノ酸配列相同性は
2つのタンパク質の3つの明確な領域内に濃縮されてお
り、それらの同一性は47%、54%および56%であ
る。3領域すべてがキイロショウジョウバエ属APP様
遺伝子APPL中でも強く保存されている(Rosenら,Pro
c.Natl.Acad.Sci.USA 86:2478-2482(1989))。
【0021】注目すべきことに、細胞外N-グリコシル
化部位および細胞質クラスリン結合ドメインと同様に、
APLP1とAPLP2の両方の富システイン領域中で
12個のシステイン残基が保存されている。細胞質ドメ
インも、ラット精巣中のAPP様遺伝子をコード化する
と報告された部分的cDNAクローン中に保存されてい
る(Yanら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 87:2405-2408(199
0))。これらのデータは、APPが高度に保存された遺伝
子ファミリーの一部であることを示唆している。
【0022】本マウスAPLP1cDNAは、マウス脳
および神経芽腫細胞中に存在する約2.4および1.6k
bの2つのメッセージにハイブリッド形成する。
【0023】APLP1は、遅発型家族性アルツハイマ
ー病の一形態に関連すると報告されている遺伝子座と同
じ一般領域内の染色体19に位置決定された。具体的に
は、APLP1遺伝子遺伝子座は染色体19の長鎖上の
19q13.2と動原体の間に位置する。原位置ハイブ
リッド形成研究は、APPとAPLPが類似するヒト脳
領域および細胞副集団中で発現することを示している。
APLP1は遅発型家族性アルツハイマー病に関する遺
伝子欠陥の候補遺伝子である。
【0024】ヒトAPLP2は、APPとAPLP1に
全体の構造とアミノ酸配列が似ている706アミノ酸配
列によってコード化されている。APLP2はAPP6
95に対して52%同一、69%類似であり、APLP
1に対して43%同一、63%類似である。APP、A
PPLおよびAPLP1を特徴づける同定されたドメイ
ンおよびモチーフの基本的にすべてがAPLP2中に存
在する。具体的には、N-末端の富システイン領域(12
システインを含む)、新規亜鉛結合モチーフ(Bushら,Nue
robiol.Aging 13(supplement 1):A.331(1992))、富酸性
ドメイン、N-グリコシル化部位、クラスリン結合モチ
ーフを含有する細胞質ドメインおよび疎水性貫膜、およ
び潜在的セリン/スレオニン、カゼインキナーゼI、II
およびチロシンリン酸化部位がAPLP2中に保存され
ている。APLP1とAPLP2は遅発型家族性アルツ
ハイマー病の候補遺伝子である。
【0025】
【図面の説明】
図1:マウスAPLP1読み取り枠と様々なcDNAク
ローンの関係の模式図。APLP1cDNAの2361
塩基対の読み取り枠と非コード領域を示す。11ライブ
ラリー中に認められる2つの代表的cDNAクローン6
9Aと1AおよびRACE法によって得られる1クロー
ンJの相対的位置をも示す。制限酵素部位:E=Eco
RI,P=PstI
【0026】図2:APLP1cDNAのヌクレオチド
配列およびアミノ酸配列。APLP1の混成ヌクレオチ
ド配列(配列番号2)および予想アミノ酸配列(配列番号
3)を示す。予想貫膜領域に下線を付す。RACE法に
使用したプライマーの位置をヌクレオチド配列上の矢印
で示す。抗血清の製造に使用したペプチド配列の位置に
二重下線を付す。予想N-グリコシル化部位の下に波線
を引き、潜在的チロシンリン酸化部位の下に点線を引
く。ポリアデニル化シグナルを太字型で示し、停止コド
ンを星印で示す。
【0027】図3:APLP1アミノ酸配列とAPPア
ミノ酸配列の比較。マウスAPLP1とヒトAPP69
5(Chenら,J.Biol.Chem.265:3116-3123(1990))のUWG
CGベストフィット分析を示す。同一性を2つのアミノ
酸間の垂直線で表す。類似性を一点または二点で表す。
ベストフィット並置によって生まれた間隙を配列中の点
で表す。APP配列中のβA4-タンパク質配列に下線
を付す。同一性は3つの領域:APLPアミノ酸21−
211、316−488および609−654に濃縮さ
れている。
【0028】図4:相同ドメイン。マウス・アミロイド
前駆体様タンパク質(APLP1)、ヒト・アミロイド前
駆体タンパク質(APP)、キイロショウジョウバエ属ア
ミロイド前駆体様タンパク質(APPL1)およびラット
精巣cDNA(精巣)のアミノ酸配列の領域を比較する。
そのドメイン中のすべての配列で同一なアミノ酸を太字
型の大文字として表し、配列上に記した垂直線(|)で同
定する。複数の配列中で同一であるアミノ酸を大文字で
表し、配列上に点(°)を付す。いずれの配列とも同一で
ないアミノ酸を小文字で表す。保存されているシステイ
ンを配列下部に脱字記号を付して表す。特に保存されて
いる一連のアミノ酸に下線を引く。N-グリコシル化部
位を二重下線で表す。停止コドンを星印で表し、配列の
アミノ酸番号を各行の最初に示す。
【0029】図5:マウス脳および神経芽腫RNAのノ
ーザンブロット。神経芽腫(レーン1)とマウス脳(レー
ン2)から得たポリA+RNA(10μg)を、ホルムア
ミドを含むアガロースゲルで分離し、「材料および方
法」の項に記載の如くナイロン膜に転写した。このブロ
ットを図2に示すヌクレオチド配列のヌクレオチド14
82−1995に対応するDNAでプローブした。ハイ
ブリッド形成するメッセージの大きさをkbで示す。
【0030】図6:抗血清301(実施例を参照のこと)
を用いたウエスタンブロット。マウス脳および神経芽腫
タンパク質を、「材料および方法」の項に記載の如く
7.5%PAGEで分離した。 A)マウス脳タンパク質を1:100の希釈率で抗血清
301または免疫前の血清でプローブした。65および
33kDaタンパク質に対する抗血清301の結合はウ
サギの免疫化に使用したペプチドQQLRELQRHの
存在量を増大させると阻害される。ペプチドを伴わない
免疫前の血清(レーン1);ペプチドを伴わない免疫血清
(レーン2);5ng/mlペプチドで予備吸着した免疫
血清(レーン3);50ng/mlのペプチドで予備吸着
した免疫血清(レーン4);500ng/mlのペプチド
で予備吸着した免疫血清(レーン5)。500ngの無関
係な酵母βチューブリンペプチドでの予備吸着は結合に
影響を与えなかった(レーン6)。 B)免疫前の血清(レーン1)および301抗血清(レー
ン2)でプローブした神経芽腫細胞抽出物。両血清とも
1:100の希釈率で使用した。 C)抗ペプチド(QQLRELQRH)抗血清はβ-ガラ
クトシダーゼ-APLP1融合タンパク質を認識する。
細菌が生産したタンパク質のウエスタンブロット。レー
ン1〜3をウサギ301から得た免疫前の血清で染色し
た。レーン4〜6を免疫血清で染色した。レーン1およ
び4:APLP1エピトープの生産にとっては不適切に
配向させたAPLP1cDNA断片に融合したβ-ガラ
クトシダーゼ遺伝子を伴うプラスミドを含有する誘導し
た(温度感受性誘導およびプロモーター)細胞。レーン2
および5:APLP読み取り枠に枠を合わせて融合した
β-ガラクトシダーゼ遺伝子を伴うプラスミドを含有す
る誘導していない細胞。レーン3および6:レーン2お
よび5と同じ細胞であるが、ただし誘導したもの。誘導
した細胞を42℃で生育させた。誘導していない細胞は
30℃で生育させた。矢頭は、免疫血清によって認識さ
れ、免疫前の血清では認識されないβ-ガラクトシダー
ゼ-APLP1融合タンパク質を示す。このタンパク質
は、予想される通り、APLP1読み取り枠の222追
加残基の挿入ゆえにβ-ガラクトシダーゼのみよりも約
24kDa大きい。
【0031】図7:抗血清301によるマウス神経芽腫
細胞の免疫蛍光染色。「材料および方法」の項に記載の
如く1:10000に希釈した抗血清301で細胞を染
色した。パネル(a)は抗血清301で染色した神経芽腫
細胞を表す。パネル(b)は抗血清301で染色した細胞
をより高い強度で表し、ここでは網状様式が明確であ
る。この染色様式は既知のゴルジ酵素(マンノシダーゼI
I)に対する抗体をこの細胞の染色に使用した場合(c)に
認められるものと類似している。周辺核染色は抗原とし
て使用したペプチドの添加により競合し(d)、また、免
疫前の血清の存在下では認められない(e)。a、c、d
およびeにおける強度は720×であり、bでは950
×である。
【0032】図8:体細胞ハイブリッド群を用いたAP
LP1遺伝子座の地図化(マッピング)。すべてのハイブ
リッドはすでに記述されている(Brookら,Hum.Genet.87:
65-72(1991);Chartier-Harlinら,Nature 353:884-846
(1991);Geisslerら,Cell Mol.Genet.17:197-214(199
1))。各ヒト-齧歯目細胞ハイブリッド中に保持されてい
る染色体19の部分を図示し、代表的細胞系の名前を上
部に記す。各ハイブリッド細胞系中のAPLP1の存在
(+)または不在(−)を示す。
【0033】図9:APLP2アミノ酸配列(配列番号
4)とAPPアミノ酸配列の比較。UWGCG GAP分
析を用いてヒトAPLP2アミノ酸配列とヒトAPP6
95(Kangら,Nature 325:733-736(1987))を並置した。
この並置によって生成した間隙を配列中の点で表す。S
G190プローブ(実施例3を参照のこと)を作成するた
めに使用した4つのPCRプライマーをアミノ酸配列上
の矢印で示す。12個の保存されたシステインを配列下
の脱字記号(∧)で示し、亜鉛結合モチーフを二重下線で
示す。保存されている富酸性領域はAPLP2アミノ酸
216と278の間に位置する。N-グリコシル化信号
に下線を付し、選択的にスプライスされるエクソンに上
線を付し、予想貫膜領域をイタリック体で示し、クラス
リン結合モチーフを太字型で示す。潜在的なリン酸化部
位を配列上の#印(プロテインキナーゼC)、 印(カゼ
インキナーゼIおよびII)、もしくは°印(チロシンキナ
ーゼ)で示す。停止コドンを星印で示す。
【0034】図10:APP遺伝子ファミリーの構成要
素のアミノ酸配列の並置。ヒトAPLP2、マウスAP
LP1の配列(Wascoら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:107
58-10762(1992))をUWGCG PILEUPプログラム
によって並べたものを表す。同一でないアミノ酸または
保存的に置換されているアミノ酸をダッシュで示す。こ
の並置によって生じたアミノ酸配列中の間隙を点で表
す。各タンパク質の予想開始メチオニンを示し、停止コ
ドンを星印で示す。
【0035】図11:ヒトAPLP2遺伝子転写物の分
布。過去に記述されている要領で、ヒト胎児組織(A)ま
たは成人脳(B)からRNAを単離し、分画し、ナイロン
膜に転写し、放射線ラベルしたプローブでハイブッド形
成させた(Tanziら,Science 235:880-884(1987))。(A)
APLP2アミノ酸327から490までに対応するP
CR断片(APLP2)または3'1.1kbEcoRI
APPcDNA断片(FB63)のハイブリッド形成を、
ブリガム・アンド・ウイメンズ・ホスピタルでの組織審
査委員会で認可された手法の下に三カ月中期に得たヒト
20〜22週流産胎児組織から得たRNA(20μg)に
ハイブリッド形成させた。(B)成人脳小地域:A10,
前頭皮質;A17,線条皮質;A18,線条外皮質;A2
0,21側頭部結合皮質;A4,運動性皮質;視床-VP
L,視床-腹面後側部核;A40,後部ペリシルビアン皮
質-辺縁上脳回;A44,前部ペリシルビアン皮質-弁蓋
脳回から得たRNA(10μg)に対するAPLP2 P
CR断片またはFB63のハイブリッド形成。パネルB
の下部にグルタルアルデヒド-3-リン酸デヒドロゲナー
ゼcDNA(G3PD)との対照ハイブリッド形成を示
す。同じフィルターに対する独立したハイブリッド形成
から2つのオートラジオグラムを得る。
【0036】図12:正常およびダウン症候群脳、成人
正常およびADA小脳および前頭皮質から得た全RNA
に対するAPLP2のノーザンブロット。APLP2ア
ミノ酸327から490までに対応するPCR断片とF
B63(APP)を、19週正常(N)およびダウン症候群
(DS)脳、成人正常(N Cb)小脳、および成人正常(N
FCtx)およびAD(AD FCtx)前頭皮質から得た全
RNA(25μg)にハイブリッド形成させた。同じフィ
ルターに対する独立したハイブリッド形成から2つのオ
ートラジオグラムを得る。
【0037】図13:APLP2-オリゴヌクレオチド
の非同位体原位置位置決定。A)APLP2に特異的な
45量体(図9のアミノ酸74〜88に対応する)を用い
る原位置ハイブリッド形成はCA1錘体ニューロンの染
色を明らかにする。3'末端トランスフェラーゼを用い
てプローブをビオチン-21-dUTPで末端ラベルし、
アビジン-ビオチン-ペルオキシダーゼ反応で可視化した
(Tanziら,Mol.Brain Res:印刷中;Hymanら,Mol.Brain R
es.:印刷中;Wascoら,Alzheimer's disiease and relat
ed disorders 1992:selected communications(印刷
中))。B)APLP2の同じ領域の他方の鎖に対応する
陰性対照45量体は有意な染色を示さない。 強度=16×.3
【0038】
【定義】本明細書の理解を助けるために、用語が包含す
べき範囲を含めて、以下に用語の定義を行う。
【0039】遺伝子:用語「遺伝子」はその鋳型または
メッセンジャーRNAを介して特定のペプチドに特有の
アミノ酸配列をコード化するDNA配列を意味する。さ
らに、この用語は介在領域、非コード領域並びに調節領
域をも包含し、5'および3'末端をも包含し得る。
【0040】遺伝子配列:用語「遺伝子配列」は一般に
DNA分子を指すものとする。本明細書においてこの用
語は、1またはそれ以上の遺伝子あるいは遺伝子断片を
含有するDNA分子並びに非転写配列または非翻訳配列
を含有するDNA分子を共に包含する。さらにこの用語
は、同じDNA分子上に存在する、遺伝子(単数または
複数)、遺伝子断片(単数または複数)、非転写配列(単数
または複数)もしくは非翻訳配列(単数または複数)のあ
らゆる組み合わせを包含するものとする。本配列はDN
A、cDNA、合成DNA、RNA、もしくはそれらの
組み合わせを含む様々な供給源から誘導され得る。その
ような遺伝子配列は、天然に存在するイントロンを含ん
でも含まなくてもよいゲノムDNAからなり得る。さら
に、そのようなゲノムDNAがプロモーター領域または
ポリA配列を伴って得られることもある。遺伝子配列、
ゲノムDNAまたはcDNAは数種の方法のいずれによ
っても得ることができる。当該技術分野で公知の手段に
よって、脳細胞などの好適な細胞からゲノムDNAを抽
出し、精製することができる。別法として、mRNAを
細胞から単離し、それを用いて逆転写あるいは他の手段
でcDNAを作成することもできる。
【0041】cDNA:用語「cDNA」は介在配列が
除去されている遺伝子を包含する。
【0042】組換えDNA:用語「組換えDNA」と
は、インビトロでcDNAまたはゲノムDNA配列を接
合することによって組み換えられた分子を意味する。
【0043】クローニング伝達体:宿主細胞中で複製す
ることができるプラスミドまたはファージDNAあるい
は他のDNA配列。クローニング伝達体は1またはそれ
以上のエンドヌクレアーゼ認識部位によって特徴づけら
れ、それらの部位では、形質転換された細胞の同定に使
用するに適するマーカー(標識)を含有してもよいそのD
NAの基本的な生物学的機能を失うことなく、そのよう
なDNA配列を決定可能な様式で切断することができ
る。マーカーには、例えばテトラサイクリン耐性やアン
ピシリン耐性などが含まれる。クローニング伝達体を内
包するべく用語ベクターを使用することができる。
【0044】発現制御配列:構造遺伝子に操作可能に連
結された時にそれら遺伝子の発現を制御または調節する
ヌクレオチド配列。これらにはlac系、ファージラム
ダのプロモーター領域およびtrp系主要オペレータ
ー、fdコートタンパク質の制御領域および原核細胞ま
たは真核細胞中で遺伝子の発現を制御することが知られ
ている他の配列が含まれる。
【0045】発現伝達体:クローニング伝達体と類似す
る伝達体またはベクターであるが、宿主中に形質転換さ
れた後、その中にクローン化された遺伝子を発現させる
ことができるものをいう。クローン化された遺伝子は通
常プロモーター配列などのいくつかの制御配列の制御下
に置かれる(即ち、操作可能に連結される)。発現制御配
列はそのベクターが操作可能に連結された遺伝子を原核
宿主中で発現させるよう意図されているか、あるいは真
核宿主中で発現させるよう意図されているかに応じて異
なり、エンハンサー要素、終結配列、組織特異性要素、
および/または翻訳開始および終結部位などの転写要素
を追加して含有してもよい。
【0046】機能的誘導体:APLPの「機能的誘導
体」は、非組換えAPLPの生物学的活性または免疫学
的特徴に実質上類似する生物学的活性(機能上もしくは
構造上の)あるいは免疫学的特徴を有するタンパク質で
ある。APLPの機能的誘導体は、特定の機能の発揮に
とって翻訳後修飾が必要であるか否かに応じて、共有結
合した炭水化物などの翻訳後修飾を含有してもよいし、
含有しなくてもよい。用語「機能的誘導体」は、ある分
子の「断片」、「類縁体」、「変種」、「相同体」、ま
たは「化学的誘導体」を包含するものとする。
【0047】断片:APLPなどの分子の「断片」とは
その分子のあらゆる変種を意味するものとする。
【0048】変種:APLPなどの分子の「変種」と
は、全分子か、もしくはその断片と、構造および生物学
的活性または免疫学的特徴が実質上類似している分子を
意味するものとする。したがって類似の活性を有する2
つの分子があるとすれば、それらは、たとえそれら分子
のうちの1つの組成、二次、三次、四次構造が他方のも
のとは同一でないとしても、あるいはアミノ酸残基の配
列が同一でなくても、本明細書で用いる用語としての変
種であると考えられる。
【0049】類縁体:APLPなどの分子の「類縁体」
とは、全分子もしくはその断片に機能が実質上類似して
いる分子を意味するものとする。本明細書では、ある分
子が通常はもう1つの分子の一部でない化学的部分を追
加して含有する場合に、その分子をそのもう1つの分子
の「化学的誘導体」であるという。上記部分は、その分
子の溶解度、吸収性、生物学的半減期などを改善するも
のであり得る。あるいは、それらの部分がその分子の毒
性を減じたり、その分子の望ましくない副作用を除去も
しくは緩和するものであってもよい。このような効果を
媒介し得る部分は「Remington's Pharmaceutical Scien
ce(1980)」に開示されている。このような部分を分子に
結合する方法は当該技術分野で公知である。
【0050】オペレーター:特定の抑制因子と相互作用
することによって、隣接する遺伝子(単数または複数)の
転写を制御することができるDNA配列。
【0051】プロモーター:用語「プロモーター」と
は、RNAポリメラーゼによって認識され得るDNA配
列を意味するものとする。このような配列の存在は、R
NAポリメラーゼが結合して操作可能に連結された遺伝
子配列の転写を開始することを可能にする。
【0052】プロモーター領域:用語「プロモーター領
域」とは、プロモーター配列と、転写の開始に必要であ
り得るすべての遺伝子配列との両方を広く包含するもの
とする。したがってプロモーター領域の存在は、操作可
能に連結された遺伝子配列の発現を引き起こすに充分で
ある。
【0053】操作可能に連結された:本明細書において
「操作可能に連結された」という用語は、プロモーター
が遺伝子の発現の開始を制御することを意味する。宿主
中に導入されたときにプロモーターが隣接する1または
複数のDNA配列の1または複数のRNA種への転写を
決定するのであれば、そのプロモーターはその隣接DN
Aに操作可能に連結されている。プロモーターがDNA
配列の転写を開始し得るのであれば、そのプロモーター
はそのDNA配列に操作可能に連結されている。
【0054】原核生物:用語「原核生物」は、真の核を
伴わない全ての生物(細菌を含む)を包含するものとす
る。
【0055】宿主:用語「宿主」は、原核生物のみなら
ず、酵母や糸状菌などの真核生物並びに植物および動物
細胞をも包含するものとする。この用語は、複製可能な
発現伝達体の受容物であるあらゆる生物または細胞を包
含する。
【0056】アミロイド前駆体様タンパク質(APL
P):この用語はAPLP1およびAPLP2を含み、
あらゆる種、とりわけヒト脳、アルツハイマー病患者の
脳、あるいは合成APLPから得られるあらゆるアミロ
イド前駆体様タンパク質を包含するものとする。本AP
LPはAPPおよび/またはAPLP1および/または
APLP2とアミノ酸レベルで少なくとも40%の同一
性を示し、より好ましくは同じく50%の同一性を示
し、少なくとも10システインからなり、より好ましく
は12システインからなるN-末端富システン領域を含
有する。本発明では、天然に存在するAPLPの類縁
体、相同体、突然変異体または誘導体をも包含するべ
く、この用語が使用される。またこの用語は、本明細書
に特定して開示されるポリペプチドの生物学的または免
疫学的特徴を保持する天然または合成APLPの部分的
断片など、天然に存在するアミノ酸数より数が少ない断
片をも包含するものとする。また天然に存在するAPL
Pの配列あるいはその類縁体または相同体を1またはそ
れ以上の隣接アミノ酸と共に含み、かつ、同じ生物学的
または免疫学的特徴を有するあらゆる産物をも包含する
べく、この用語を使用する。またこの用語は、天然に存
在すAPLPの配列あるいはその類縁体を1またはそれ
以上の隣接するアミノ酸と共に含み、同じ生物学的(機
能上または構造上の)特徴もしくは免疫学的特徴を有す
るあらゆるペプチドをも包含するべく、使用される。本
発明は、全長APLP類(即ちAPLA1およびAPL
P2)の発現およびこれらタンパク質の機能的誘導体の
両方に関係する。この用語はAPLP1およびAPLP
2を含むAPLP類の遺伝的アレルをも包含する。
【0057】実質上相同:本明細書で用いる「実質上相
同」という用語は、あるAPLPをコード化する第1の
DNA配列があるAPLPをコード化する第2のDNA
配列に厳密な条件下(例えば約0.1×クエン酸ナトリウ
ム塩化ナトリウム緩衝液(SSC)、約65℃の温度)で
ハイブリッド形成できることを意味する。例えば、ある
APLP変種がマウスAPLPに対して実質上相同であ
る場合、そのAPLP変種をコード化するDNA配列は
厳密な条件下でマウスAPLPをコード化するDNA配
列にハイブリッド形成することができる。
【0058】実質上純粋:「実質上純粋」という用語
は、タンパク質/分子が基本的に他の検出し得る生物学
的構成物を何ら含有しないことを意味する。
【0059】動物:用語「動物」は、哺乳動物(例えば
ヒト)を含むあらゆる生物を意味するものとする。
【0060】
【発明の構成】APLP1とAPLP2のアミノ酸配列
は共に確立しているので、APLP1またはAPLP2
もしくはその断片をコードするDNAまたはmRNAに
相補的なヌクレオチドプローブを構築することができ
る。このプローブは、APLP1およびAPLP2を含
むAPLP類の存在を決定するための診断試験として使
用することができる。
【0061】APLPの遺伝子工学 本発明は、APLP1およびAPLP2のアミノ酸配
列、APLP1mRNAをコード化する遺伝子配列およ
びAPLP2mRNAをコードする遺伝子配列、上記遺
伝子配列を含有する発現伝達体、それによって形質転換
された宿主、組換えAPLP1および組換えAPLP
2、および上記形質転換宿主発現によって生産されるア
ンチセンスRNAを包含する。さらに本発明はAPLP
1およびAPLP2に対する抗体をも包含する。
【0062】本発明によるAPLP1およびAPLP2
配列の遺伝子工学の方法は、上記ペプチドをコード化す
ることができる遺伝子配列のクローニングによって、お
よびそのような遺伝子配列の発現によって、容易にな
る。本明細書において用語「遺伝子配列」とは核酸分子
(好ましくはDNA)を意味するものとする。本APLP
タンパク質をコード化することができる遺伝子配列は様
々な供給源から誘導される。これらの供給源には、ゲノ
ムDNA、cDNA、合成DNAおよびそれらの組み合
わせが含まれる。ゲノムDNAまたはmRNAの好まし
い供給源は脳または神経芽腫細胞である。RNAを単離
するには死後(post mortem)RNA法に従うことができ
る。Sajdel-Sulkowskaら,J.Neurochem.40:670-680(198
3)を参照のこと。次いで、そのmRNAを用いて、当業
者には公知の技術でcDNAを得ることができる。当該
技術分野で公知の方法によって、本APLPタンパク質
(APLP1およびAPLP2)の既知のアミノ酸配列に
基づき、プローブを合成することできる。
【0063】本発明のAPLPゲノムDNAは天然に存
在するイントロンを含むこともあるし、含まないことも
あろう。さらに、APLP遺伝子配列の5'プロモータ
ー領域および/または3'転写終結領域を伴う上記ゲノ
ムDNAを得ることもできる。さらに、APLPmRA
NAの5'非翻訳領域をコード化する遺伝子配列および
/または3'非翻訳領域をコード化する遺伝子配列を伴
う上記ゲノムDNAを得ることもできる。宿主細胞がそ
のmRNAとタンパク質の発現に関連する転写および/
または翻訳調節シグナルを認識し得る限り、天然の遺伝
子の5'および/または3'非転写領域、および/また
は、mRNAの5'および/または3'非翻訳領域を残し
て、それを転写および翻訳の調節に使用することができ
る。APLPゲノムDNAは、動物(例えばマウスおよ
びヒトを含む)のあらゆる脳細胞から、あるいはヒト染
色体19を含有するあらゆる細胞から、あるいはAPL
Pを発現させるあらゆる細胞から、当該技術分野でよく
知られた手段によって抽出・精製することができる(例
えばGuide to Molecular Cloning Techniques,S.L.Berg
erら編,アカデミック・プレス(1987)を参照のこと)。
【0064】別法として、APLPを生産または発現さ
せるあらゆる細胞からAPLPmRNAを単離すること
ができ、それを用いて当該技術分野でよく知られている
手段でcDNAを作成することができる(例えばGuide t
o Molecular Cloning Techniques,S.L.Bergerら編,アカ
デミック・プレス(1987)を参照のこと)。APLPを大量
に生産している細胞からmRNAを単離することによっ
て自然に、あるいはショ糖密度勾配遠心分離などmRN
A調製物を特定の配列について濃縮するために一般的に
使用される技術によってインイビトロで、あるいはその
両方によって、使用するmRNA調製物がAPLPをコ
ードするmRNAに関して濃縮されていることが好まし
い。
【0065】ベクター中にクローニングするためには、
上記の好適なDNA調製物(ヒトゲノムDNAあるいは
cDNA)をそれぞれ無作為に剪断するか、もしくは酵
素的に切断し、適当なベクター中に連結して組換え遺伝
子(ゲノムあるいはcDNA)ライブラリーを作成する。
APLPまたはその機能的誘導体ををコード化するDN
A配列は、連結のための平滑末端化や突出末端化、適当
な末端を得るための制限酵素消化、それが適当な場合に
は付着末端の充填、望ましくない結合を避けるためのホ
スファターゼ処理、および適当なリガーゼによる連結を
含む従来の技術に従ってDNAベクター中に挿入するこ
とができる。上記操作の技術はManiatisらによって開示
されており(Molcular cloning,A Laboratory Manual,コ
ールド・スプリング・ハーバー・ラボラトリーズ,ニューヨ
ーク州コールド・スプリング・ハーバー)、当該技術分野
ではよく知られている。
【0066】APLPクローンを含有するライブラリー
をスクリーニングし、APLP DNAを特異的に選択
するなんらかの手段、例えば、a)このタンパク質のD
NAに特異的な配列を含有する適当な核酸プローブとの
ハイブリッド形成によって、あるいはb)課題のクロー
ンとハイブリッド形成する天然のmRNAをインビトロ
で翻訳し、その翻訳産物をさらに特徴づけるハイブリッ
ド形成選択翻訳分析によって、あるいはc)クローン化
された遺伝子配列そのものがmRNAを発現できる場合
には、そのクローンを含有する宿主によって生産される
翻訳されたAPLP産物の免疫沈降によって、APLP
クローンを同定することができる。
【0067】このタンパク質に対するクローンを同定す
るために使用することができるAPLPに特異的なオリ
ゴヌクレオチドプローブを、APLP1またはAPLP
2のアミノ酸配列の知識から設計することができる。本
明細書では、ペプチド中のアミノ酸残基の配列を一般的
に使用される3文字指定を用いることによって、あるい
はそれらの1文字指定によって指定する。これら3文字
または1文字指定のリストはBiochemistry,Lehninger,
A.,ワース・パブリッシャーズ,ニューヨーク州ニューヨ
ーク(1970)などの教科書に認められる。アミノ酸配列が
水平に記載される場合、アミノ末端をその左端に置き、
カルボキシ末端をその右端に置くこととする。あるペプ
チド中のアミノ酸の残基をハイフンで分離することもあ
る。このようなハイフンはただ単に配列の表現を容易に
するために過ぎない。
【0068】遺伝子コードは縮重しているので、ある特
定のアミノ酸をコード化するために複数のコドンを使用
することができる(Watson,J.D.,Molecular Biology of
theGene,第3版,ダブリュ・エイ・ベンジャミン,インコー
ポレイテッド,カリフォルニア州メンロ・パーク(1977),3
56-357頁)。ペプチド断片を分析することによって、最
も低い縮重度を有するオリゴヌクレオチドによってコー
ド化され得るアミノ酸の配列を同定する。単一のコドン
のみによってコード化されるアミノ酸を含有する配列を
同定することによってこれを達成することが好ましい。
【0069】場合によってはあるアミノ酸配列が単一の
オリゴヌクレオチドのみによってコード化され得ること
もあるが、アミノ酸配列は類似するオリゴヌクレオチド
の集合のいずれかによってコード化され得ることが多
い。重要なことは、この集合の構成要素はすべて同じペ
プチド断片をコード化することができるオリゴヌクレオ
チド配列を含有し、それゆえにそのペプチド断片をコー
ド化する遺伝子と同じオリゴヌクレオチド配列を潜在的
に含有するのであるが、この集合の1つの構成要素のみ
が上記遺伝子のエクソンコード化配列と同一なヌクレオ
チド配列を含有するということである。この構成要素は
上記集合内に存在し、その集合の他の構成要素の存在下
でもDNAにハイブリッド形成することができるので、
そのペプチドをコード化する遺伝子をクローン化するた
めに、単一のオリゴヌクレオチドを使用する際と同じ方
法で、分画していないオリゴヌクレオチドの集合を使用
することができる。
【0070】遺伝子コード(Watson,J.D.,Molecular Bio
logy of the Gene,第3版,ダブリュ・エイ・ベンジャミン,
インコーポレイテッド,カリフォルニア州メンロ・パーク
(1977))を用いて、それぞれがAPLPをコード化する
ことができるであろう1またはそれ以上の異なるオリゴ
ヌクレオチドをアミノ酸配列から同定することができ
る。異常な塩基対形成関係および真核細胞中で特定のコ
ドンが(特定のアミノ酸をコード化するために)実際に使
用される頻度を考慮することによって、特定のオリゴヌ
クレオチドが実際に真のAPLPコード配列を構成する
可能性を見積もることができる。このような「コドン使
用則」はLatheら,J.Molec.Biol.183:1-12(1985)に開示
されている。Latheの「コドン使用則」を用いることに
より、APLP配列をコード化することができる理論的
に「最も可能性の高い」ヌクレオチド配列を含有する単
一のオリゴヌクレオチド配列もしくはオリゴヌクレオチ
ド配列の集合を同定する。
【0071】APLP遺伝子の断片をコード化すること
ができる好適なオリゴヌクレオチドまたはオリゴヌクレ
オチドの集合(もしくはそのようなオリゴヌクレオチド
またはオリゴヌクレオチドの集合に相補的なオリゴヌク
レチドまたはオリゴヌクレオチドの集合)を当該技術分
野でよく知られた手段(例えばSynthesis and Applicati
on of DNA and RNA,S.A.Narang編,1987,アカデミック・
プレス,カリフォルニア州サンディエゴ)で合成し、これ
をクローン化されたAPLP遺伝子を当該技術分野で公
知の技術で同定・単離するためのプローブとして使用す
ることができる。核酸ハイブリッド形成およびクローン
同定の技術は、Maniatisら(Molcular cloning,A Labora
tory Manual,コールド・スプリング・ハーバー・ラボラト
リーズ,ニューヨーク州コールド・スプリング・ハーバー
(1982));Bergerら,(Guide to Molecular Cloning Techn
iques,アカデミック・プレス(1988));Sambrookら(Molec
ularCloning,A Laboratory Manual,コールド・スプリン
グ・ハーバー・プレス,ニューヨーク州コールド・スプリン
グ・ハーバー,第2版(1989));およびHamesら(NucleicAci
d Hybridization,A Practical Approach,IRLプレス,ワ
シントンDC(1985))に開示されており、これらの文献は
本明細書の一部を構成する。次いで、このようなハイブ
リッド形成をすることができると分かった上述の遺伝子
ライブラリーの構成要素を分析して、それらが含有する
APLPコード化配列の程度と性質を決定する。
【0072】所望のAPLP DNAコード化配列の検
出を容易にするために、上述のDNAプローブを検出可
能な基でラベルする。そのような検出可能基は検出可能
な物理的または化学的特性を有する物質であればなんで
もよい。そのような物質は核酸ハイブリッド形成の分野
で充分に開発されており、一般にそのような方法で有用
なほとんどすべてのラベルを本発明に適用することがで
きる。特に有用なものは放射性ラベル、例えば32P、3
H、14C、35S、125Iなどである。適当な信号を与
え、充分な半減期を有する放射性ラベルはいずれも使用
することができる。例えばRigbyら,J.Mol.Biol.113:237
(1977)に記述されているよく知られた手段による「ニッ
クトランスレーション」によって、および例えばDeen
ら,Anal.Biochem.135:456(1983)に記述されているT4
DNAポリメラーゼ置換合成によって、オリゴヌクレオ
チドを放射性ラベルすることができる。
【0073】別法として、ビオチン、酵素または蛍光基
などの非放射性標識でラベルすれば、ポリヌクレオチド
も核酸ハイブリッドプローブとして有用である。例えば
Learyら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 80:4045(1983);Renz
ら,Nucl.Acids Res.12:3435(1984);およびRenz,M.,EMB
O J.6:817(1983)を参照のこと。
【0074】上述のように、要するに、APLP配列の
真の同定により、そのようなペプチドをコード化するこ
とができる理論的に「最も可能性のある」DNA配列ま
たはそのような配列の集合の同定が可能になる。この理
論的配列に相補的なオリゴヌクレオチドを構築すること
により(あるいは「最も可能性のある」オリゴヌクレオ
チドの集合に相補的なオリゴヌクレオチドの集合を構築
することにより)、APLP(即ちAPLP1またはAP
LP2)遺伝子を含有するクローンを同定・単離するた
めのプローブとして機能することができるDNA分子
(またはDNA分子の集合)を得る。
【0075】APLP遺伝子をクローニングする別法と
して、DNA(より好ましくはAPLPを発現させるこ
とができる細胞から調製したcDNA)を発現ベクター
中にクローニングすることによって、発現ベクターを用
いてライブラリーを調製する。次に、例えばそのタンパ
ク質に対する抗体を用いてそのライブラリーをスクリー
ニングすることなどにより、APLPを発現させる構成
要素についてこのライブラリーをスクリーニングする。
【0076】したがって、上述の方法により、APLP
またはこのタンパク質の断片をコード化することができ
る遺伝子配列を同定することができる。このような遺伝
子配列をさらに特徴づけるため、並びに、組換えタンパ
ク質を生産するためには、これらの配列がコード化して
いるタンパク質を発現させることが望ましい。そのよう
な発現によって、APLPの特徴を有するタンパク質を
発現させるクローンが同定される。そのような特徴に
は、APLP抗体を特異的に結合する能力およびAPL
Pに結合することができる抗体の産生を引き出す能力が
含まれ得る。
【0077】APLPおよびその機能的誘導体の発現 APLPを発現させるためには、適当な宿主によって認
識され得る転写および翻訳信号が必要である。上述の方
法で得られるクローン化したAPLPコード化配列であ
って、好ましくは二本鎖型のものを、発現ベクター中の
転写発現を制御している配列に操作可能に連結し、それ
を宿主細胞(原核もしくは真核)中に導入することによ
り、組換えAPLPまたはその機能的誘導体を生産する
ことができる。APLPコード化配列のどちらの鎖が転
写発現を制御する配列に操作可能に連結されているかに
よっては、APLPアンチセンスRNAまたはその機能
的誘導体を発現させることもできる。
【0078】異なる宿主中でのAPLPの発現は、AP
LPの特性を変化させ得る異なる翻訳後修飾をもたらす
であろう。本発明は、真核細胞、とりわけ哺乳動物、昆
虫および酵母細胞中でのAPLPまたはその機能的誘導
体の発現を包含する。特に好ましい真核宿主は動物生体
内あるいは組織培養の哺乳動物細胞である。哺乳動物細
胞は翻訳後修飾を組換えAPLPに提供し、この翻訳後
修飾には天然のAPLPに認められるものと同一もしく
は類似する部位でのグリコシル化および/または折り畳
みが含まれる。もっとも好ましくは、哺乳動物宿主細胞
には脳および神経芽腫細胞が含まれる。
【0079】DNAなどの核酸分子は、それが転写調節
情報を含有する発現制御配列を含有し、そのような配列
があるポリペプチドをコード化するヌクレオチド配列に
「操作可能に連結されて」いる場合に、そのポリペプチ
ドを「発現させることができる」という。
【0080】操作可能な連結とは、ある配列が調節配列
(単数または複数)に対して、その調節配列の制御または
影響下にその配列の発現が置かれるように連結されてい
る連結である。2つのDNA配列(例えばAPLPコー
ド化配列とそのコード化配列の5'末端に連結されたプ
ロモーター領域配列)は、プロモーター機能の誘導がそ
のAPLPコード化配列mRNAの転写をもたらし、そ
の2つのDNA配列間の連結の性質が、(1)枠移動突然
変異の導入をもたらさず、(2)APLP mRAN、ア
ンチセンスmRNAまたはタンパク質の発現を指示する
という発現調節配列の能力を妨害せず、あるいは(3)プ
ロモーター領域配列によって転写されるというAPLP
鋳型の能力を妨害しない場合に、操作可能に連結してい
るという。したがって、あるプロモーターがあるDNA
配列の転写を達成することができるのであれば、そのプ
ロモーター領域はそのDNA配列に操作可能に連結して
いるであろう。
【0081】遺伝子発現に必要な調節領域の正確な性質
は種間または細胞型間で異なり得るが、一般的には必要
に応じて、例えばTATAボックス、キャッピング配
列、CAAT配列など、それぞれ転写と翻訳の開始に関
与する5'非転写および5'非翻訳(非コード)配列を含む
であろう。とりわけ、そのような5'非転写制御配列に
は、操作可能に連結された遺伝子の転写制御のためのプ
ロモーターを含有する領域が含まれるであろう。
【0082】真核宿主におけるAPLPの発現にはその
ような宿主中で機能的な調節領域(好ましくは真核調節
系)の使用が必要である。真核宿主の性質に応じて広範
囲にわたる様々な転写および翻訳調節配列を使用するこ
とができる。転写および翻訳調節信号を、アデノウイル
ス、牛乳頭腫ウイルス、シミアンウイルス、ヘルペスウ
イルスなど真核生物に感染するウイルスのゲノム配列か
ら誘導することもできる。好ましくは、これらの調節信
号を、その宿主細胞内で高レベルの発現が可能である特
定の遺伝子に結合させる。
【0083】転写が翻訳と連動しない真核生物では、ク
ローン化された配列が開始メチオニンを含有するか否か
に応じて、上記調節領域が開始メチオニン(AUG)コド
ンを提供することもあり、提供しないこともある。一般
にそのような領域には、宿主細胞内でのRNA合成の開
始を指示するに足るプロモーター領域が含まれる。翻訳
可能なmRNA産物をコード化する異種哺乳動物遺伝子
に由来するプロモーターが好ましく、とりわけ、アクチ
ン、コラーゲン、ミオシンなどのプロモーターのように
強力なプロモーターを、それらがその宿主細胞内でもプ
ロモーターとして機能するのであれば使用することがで
きる。好ましい真核プロモーターには、マウス・メタロ
チオネインI遺伝子(Hamerら,J.Mol.Appl.Gen.1:273-28
8(1982));ヘルペスウイルスのTKプロモーター(McKni
ght,S.,Cell 31:355-365(1982));SV40初期プロモ
ーター(Benoistら,Nature(London) 290:304-310(1981))
が含まれ、酵母では、酵母gal4遺伝子プロモーター
(Johnstonら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 79:6971-6975(19
82);Silverら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 81:5951-5955
(1984))または解糖遺伝子プロモーターを使用すること
ができる。
【0084】広く知られているように、真核mRNAの
翻訳は最初のメチオニンをコードするコドンで開始され
る。この理由ゆえに、真核プロモーターとAPLPまた
はその機能的誘導体をコード化するDNA配列の間の連
結がメチオニンをコード化することのできる介在コドン
を含有しないよう確認することが好ましい。そのような
コドンの存在は融合タンパク質の形成(そのAUGコド
ンがAPLPコード化DNA配列と同じ読み枠にある場
合)か、もしくは枠移動突然変異(そのAUGがAPLP
コード化配列と同じ読み枠にない場合)をもたらす。
【0085】所望であれば、APLPの融合産物を構築
することができる。例えばAPLPをコードする配列
を、そのタンパク質を特定の宿主から分泌させるか、も
しくは特定の宿主中にそのタンパク質を画分化させるシ
グナル配列に連結することができる。そのようなシグナ
ル配列は、そのシグナル配列を次いで除去しやすくする
ように特異的プロテアーゼ部位を伴うか、もしくは伴わ
ないように設計することができる。別法として、このタ
ンパク質の天然のシグナル配列を使用することもでき
る。
【0086】操作可能に連結された遺伝子の発現を調節
し得るように、抑制もしくは活性化を可能にする転写開
始調節信号を選択することができる。温度感受性であっ
て、温度を変化させることによって発現を抑制もしくは
開始させ得る調節信号や、化学的調節(例えば中間代謝
物質)などの支配を受ける調節信号が興味深い。APL
P mRNAとアンチセンスRNAを転写可能な形態で
提供するが、異なるプロモーターまたは他の転写調節要
素を伴っていて、APLP mRNA発現の誘導がアン
チセンスRNA発現の抑制を伴い、かつ/または、AP
LP mRNA発現の抑制がアンチセンスRNA発現の
誘導を伴うようになっている構築物も興味深い。
【0087】翻訳信号はAPLPアンチセンスRNA配
列を発現させたい場合には必要でない。
【0088】所望であれば、APLPをコードしている
配列の3'側の非転写および/または非翻訳領域を上述
のクローニング法で得ることができる。その転写終結調
節配列要素ゆえに3'非転写領域を残して置くことがで
き、その翻訳終結調節配列要素ゆえに、あるいは真核細
胞中でポリアデニル化を指示するこれらの要素ゆえに
3'非翻訳領域を残して置くことができる。天然の発現
制御配列信号が宿主細胞中で充分に機能にしない場合に
は、その宿主細胞中で機能的な配列に置換することがで
きる。
【0089】本発明のベクターはエンハンサー配列や、
操作可能に連結された遺伝子に組織または細胞型特異的
発現を付与するDNA要素など、他の操作可能に連結さ
れた調節要素をさらに含んでもよい。
【0090】本発明のDNA構築物で哺乳動物細胞を形
質転換するには、APLP DNA構築物を宿主細胞染
色体DNA中に挿入させることを望むか、あるいは染色
体外型で存在させることを望むかに応じて、多くのベク
ター系を使用することができる。
【0091】APLP DNAコード化配列と操作可能
に連結されたプロモーターを受容真核細胞中に、自律的
な複製が不可能な直鎖状もしくは閉環共有結合環状分子
のいずれであってもよい非複製DNA(またはRNA)分
子として導入した場合、APLPの発現は導入した配列
の一時的発現によって起こり得る。
【0092】APLP DNAを宿主染色体中に組み込
むベクター系や形質転換系を用いて、遺伝学的に安定な
形質転換体を構築することができる。このような組み込
みはその細胞内で新規に起こり得るか、もしくはほとん
どの好ましい態様では、機能的に自分自身を宿主染色体
中に挿入するベクター(例えばレトロウイルスベクタ
ー、トランスポゾン、またはDNA配列の染色体中への
組み込みを促進する他のDNA要素)を用いる形質転換
によって援助され得る。所望の遺伝子配列を哺乳動物宿
主細胞の染色体中に組み込むことができるベクターを使
用する。
【0093】染色体中に発現ベクターを含有する宿主細
胞の選択を可能にする1またはそれ以上のマーカー(例
えば抗生物質、重金属(銅など)に対する耐性などの殺生
物剤耐性を提供し得るマーカー)をも導入することによ
って、導入したDNAを自らの染色体中に安定に組み込
んでいる細胞を選択する。選択可能なマーカー遺伝子を
発現させるべきDNA遺伝子配列に直接連結させること
もできるし、同時トランスフェクションによって同じ細
胞内に導入することもできる。
【0094】もう1つの態様として、導入する配列を受
容宿主内で自律的に複製することのできるプラスミドま
たはウイルスベクター中に組み込む。この目的には広範
囲にわたる様々なベクターのいずれをも使用することが
でき、これらの概略を以下に記述する。
【0095】特定のプラスミドまたはウイルスベクター
を選択する際に重要な因子には次の事項が含まれる:そ
のベクターを含有する受容細胞を認識し、そのベクター
を含有しない受容細胞から選択することの容易さ、特定
の宿主中で望まれるそのベクターのコピー数、そのベク
ターを種の異なる宿主細胞間で「シャトル(往復)」させ
得ることが望ましいか否か。
【0096】好ましい真核プラスミドには牛乳頭腫ウイ
ルス、ワクチニアウイルス、SV40から誘導されたも
の、および酵母では、2ミクロン環状体などを含有する
プラスミドまたはそれらの誘導体が含まれる。このよう
なプラスミドは当該技術分野でよく知られており(Botst
einら,Miami Wntr.Symp.19:265-274(1982);Broach、J.
R.,The Molecular Biology of the Yeast Saccharomyce
s:Life Cycle and Inheritance,コールド・スプリング・
ハーバー・ラボラトリー,ニューヨーク州コールド・スプ
リング・ハーバー,445-470頁(1981);Broach,J.R.,Cell
28:203-204(1982);Bollonら,J.Clin.Hematol.Oncol.1
0:39-48(1980);Maniatis,T.Cell Biology:A Comprehen
sive Treatise 第3巻,“Gene Expression”,アカデミッ
ク・プレス,ニューヨーク,563-608頁(1980))、市販され
ている。例えば、クローン化した遺伝子の発現を駆動す
るためにMSV-LTRプロモーターを使用する哺乳動
物発現ベクター系であって、プラスミドコピー数を増幅
し、宿主細胞の染色体中にそのプラスミドを組み込むた
めにヘルパーウイルスを同時トランスフェクトすること
のできるものが記述されている(Perkinsら,Mol.Cell Bi
ol.3:1123(1983);クローンテック,カリフォルニア州パ
ロ・アルト)。
【0097】構築物を含有するベクターまたはDNA配
列を発現のために調製したら、トランスフェクションを
含む様々な好適な手段のいずれかにより、そのDNA構
築物を適当な宿主細胞中に導入する。ベクターの導入
後、ベクター含有細胞の生育を選択する選択培地中で受
容細胞を生育させる。クローン化した遺伝子配列の発現
はAPLPの生産もしくはこのタンパク質の断片の生産
をもたらす。この発現は形質転換した細胞中で連続的な
様式で起こり得るし、あるいは、例えば形質転換した細
胞の分化の誘導(これは例えば神経芽腫細胞などへのブ
ロモデオキシウラシルの投与による)に続く発現など、
制御された様式でも起こり得る。
【0098】従来の条件、例えば抽出、沈殿、クロマト
グラフィー、アフィニティークロマトグラフィー、、電
気泳動などに従って、発現したタンパク質を単離・精製
する。
【0099】上記の方法によって得られるAPLP D
NAコード化配列は、定義によりAPLPをコード化す
る配列を提供するであろうし、またアンチセンスRNA
配列はペプチド核のmRNAを転写する鎖の反対の鎖に
認められる配列であるから、次いでこれを用いてAPL
PアンチセンスRNA遺伝子配列を得ることができる。
アンチセンスDNA鎖を発現ベクター中のプロモーター
に操作可能に連結することにより、そのベクターによる
形質転換が形質転換細胞中でAPLPアンチセンスRN
Aを発現させ得る宿主をもたらすようにすることもでき
る。アンチセンスRNAとその発現を用いて、高度に特
異的な様式でAPLP遺伝子の転写または翻訳を阻害も
しくは抑制するように内因性APLP DNAまたはR
NAと相互作用させることができる。遺伝子発現を遮断
するためのアンチセンスRNAプローブの使用はLichte
nstein,C.,Nature 333:801-802(1988)に議論されてい
る。例えば、発現が常軌を逸したときにAPLPの発現
を遮断するためにこのようなプローブを用いることがで
きる。
【0100】APLPに対する抗体の構築と同定 以下の説明では免疫学の当業者にはよく知られている様
々な方法を参照する。免疫学の一般的原理を説明してい
る標準的な参考研究には、Catty,D.,(Antibody,A Pract
ical Approach,第1巻,IRLプレス,ワシントンDC(198
8));Klein,J.(Immunology:The Science of Cell-Nonce
ll Discrimination,ジョン・ウィリー・アンド・サンズ,ニ
ューヨーク(1982));Kennettら(Monoclonal Antibodie
s,Hybridoma:ANew Dimension in Biological Analyses,
プレナム・プレス,ニューヨーク(1980));Campbell,A.(L
aboratory Techniques in Biochemistry and Molcular
Biology,第13巻(Burdon,Rら編),エルセヴィアー,アムス
テルダム(1984)中の“Monoclonal Antibody Techonolog
y(モノクローナル抗体技術)”;およびEisen,H.N.(Micr
obiology,第3版,Davis,B.D.ら,ハーパー・アンド・ロウ,
フィラデルフィア(1980))の研究が含まれる。
【0101】抗体は、それがある分子と特異的に反応す
ることによってその分子をその抗体に結合させることが
できる場合に、その分子を「結合することができる」と
いう。用語「エピトープ」とは、ハプテンのうち抗体に
よって認識され結合され得る部分を意味するものとす
る。抗原は1またはそれ以上のエピトープを有し得る。
「抗原」は、その抗原のエピトープに結合することがで
きる抗体を産生するよう動物を誘導することができる。
上記の特異的反応とは、その抗原が対応する抗体とは高
度に選択的な様式で反応するが、他の抗原によって喚起
され得る多数の他の抗体とは反応しないことを示すもの
とする。
【0101】本明細書における用語「抗体」(Ab)また
は「モノクローナル抗体」(Mab)は、完全な分子と
共に抗原を結合することができるその断片(例えばFa
bおよびF(ab')2断片など)をも包含するものとす
る。FabおよびF(ab')2断片は完全な抗体のFc断
片を欠いており、循環系からより迅速に消滅し、より少
ない完全な抗体の非特異的組織結合を有し得る(Wahlら,
J.Nucl.Med.24:316-325(1983))。
【0102】本発明の抗体はAPLP(即ちAPLP1
またはAPLP2)ペプチド上に存在する1またはそれ
以上のエピトープに対して特異性を有する。本発明の抗
体は、それらが本発明のポリペプチドまたはその断片を
免疫原として作成されるという条件の下に、ポリクロー
ナルでもあり得るし、あるいはモノクローナルでもあり
得る。以下に記述する複数の応用ではこれらの抗体型の
どちらをも使用することができる。
【0103】体液、血清、または組織試料などの生物学
的標本中のAPLPの存在を検出するために、本抗体を
用いることができる。APLPは、本発明の検出可能に
ラベルした抗体の画像化有効量を試料と接触させ、その
ラベルを検出し、それによってその試料中のAPLPの
存在を立証することによって検出され得る。試料は組織
切片、血清、あるいは他の生物学的標本であり得、検出
は生体内での画像化によって行い得る。また本抗体を用
いることにより、APLPを、例えばRIAやELIS
Aなどを含む公知の免疫検定技術によって検出すること
もできる。
【0104】本発明の抗体は様々な方法にいずれかによ
って調製される。例えば、APLPを結合することがで
きるポリクローナル抗体を含有する血清の産生を誘発す
るために、APLPまたはその断片を発現させている細
胞を動物に投与することができる。例えば、APLP断
片を化学的に合成し、HPLCによって精製し、汚染物
質を実質上含有しないようにする。次いで高度に特異的
な活性を有するポリクローナル抗血清を生産するため
に、このような調製物を動物中に導入する。
【0105】ポリクローナル抗体は、例えばマウス、ウ
サギまたはヤギを含む好適な動物のいずれでも生成させ
ることができる。本ペプチドそのものを注射することも
できるし、適当な免疫活性担体(例えばキーホール・リ
ムペット・ヘモシアニン(KLH))に連結させて注射す
ることもできる。Antibodies,A Practical Handbook,第
1巻及び第2巻,D.Cattty編,IRLプレス,ワシントンDC(198
8)を参照のこと。
【0106】当業者がよく理解している技術を用いて、
様々な方法でモノクローナル抗体を調製することができ
る。例えば、ハイブリドーマ技術を用いてモノクローナ
ル抗体を調製することができる(Kohlerら,Nature 256:4
95(1975);Kohlerら,Eur.J.Immunol.6:511(1976);Kohl
erら,Eur.J.Immunol.6:292(1976);Hmmerlingら,Monocl
onal Antibodies and T-Cell Hybridomas,エルセヴィア
ー,ニューヨーク,563-581頁(1981);Monoclonal Antibo
dies-Hybridomas:A New Dimension in Biological Anal
ysis,Roger H.Kennettら編,プレナム・プレス(1980))。
上記手法には一般にAPLP抗原による動物の免疫化が
含まれる。そのような動物の脾細胞を摘出し、適当な骨
髄腫細胞と融合させる。好適な骨髄腫細胞系はいずれも
本発明に従って使用できる。融合後、得られたハイブリ
ドーマ細胞をHAT培地中で選択的に維持し、次いで、
Wandsら,Gastroenterology 80:225-232(1981)(この文献
は本明細書の一部を構成する)に記述されている限界希
釈法でクローン化する。次に、このような選択によって
得られたハイブリドーマ細胞を検定することによって、
APLP抗原を結合することができる抗体を分泌するク
ローンを同定する。
【0107】上記の方法の適用によって、APLPのエ
ピトープを認識する抗体を産生することができる追加の
細胞系を得ることができる。
【0108】例えばAPLPの検出を可能にするモノク
ローナル抗体を産生する追加のハイブリドーマは、最少
スクリーニングで容易に作成され、単離される。APL
P上に認められるエピトープに特異的なモノクローナル
抗体を産生するハイブリドーマは、まずハイブリドーマ
を作成することができる動物(例えばBalb/cマウ
スなど)をフロンド・アジュバントの皮下注射によって
免疫化し、次いで数日内に追加免疫注射することによっ
て、最も効果的に作成される。融合は当業者が一般に知
っている技術のいずれかを用いて行うことができる。ど
のハイブリドーマが本ペプチドに特異的なモノクローナ
ル抗体を生産しているかを決定するためのハイブリドー
マのスクリーニングは簡単なことであり、標準的なEL
ISAもしくはRIA形式で行うことができる。例えば
RIAスクリーニング形式では、モノクローナル抗体を
産生しているハイブリドーマから得られる培養上清もし
くは腹水を125I-ペプチドと反応させる。
【0109】本発明にとって特に興味深いものは、ヒト
中で免疫原性をもたないように、あるいはかなり長い期
間にわたって受容者の循環血清中で維持されるように、
組換えもしくは他の技術によってヒト中で生産された抗
体、もしくは「擬人化された」(即ちヒト中で非免疫原
性である)抗体である。
【0110】擬人化抗体は、例えば抗体の免疫原性部分
をそれに対応するが免疫原性でない部分で置換すること
によって生産することができる(即ちキメラ抗体)(Robin
sonら,国際特許出願PCT/US86/02269;Ak
iraら,欧州特許出願184187;Taniguchi,M.,欧州
特許出願171496;Morrisonら,欧州特許出願17
3494;Neubergerら,PCT出願WO86/0153
3;Cabillyら,欧州特許出願125023;Betterら,S
cience 240:1041-1043(1988);Liuら,Proc.Natl.Acad.S
ci.USA 84:3439-3443(1987);Liuら,J.Immunol.139:352
1-3526(1987);Sunら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 84:214-
218(1987);Nishimuraら,Canc.Res.47:999-1005(198
7);Woodら,Nature 314:446-449(1985);Shawら,J.Nat
l.Cancer Inst.80:1553-1559(1988))。「擬人化」キメ
ラ抗体の一般的な総説はMorrison,S.L.(Science 229:12
02-1207(1985))およびOiら(BioTechniques 4:214(198
6))によって記されている。
【0111】別法として、Jonesら,Nature 321:552-525
(1986);Verhoeyanら,Science 234:1534(1988);Beidle
rら,J.Immunol.141:4053-4060(1988)に記述されている
ように好適な「擬人化」抗体を作成することもできる。
【0112】APLPの高度に保存されている領域とあ
まり保存されていない領域の両方に対する抗体は、正常
な状態および病的な状態におけるAPLPの生合成およ
び異化作用の制御に関する研究にとって有用である。さ
らに、これらの抗体を臨床的に用いることによって、A
PLPの発現が常軌を逸している疾患状態の進行を監視
することができる。
【0113】本発明の抗体を、液体、半液体または組織
試料、血清、あるいは他の生物学的標本を含みAPLP
が存在し得るところならどこでも、APLPを検出する
ための免疫検定に使用することができる。免疫検定は競
争法またはサンドイッチ法、あるいはその他よく知られ
ている方法のいずれでもよく、これらはすべて抗体-抗
原免疫複合体の形成に依存する。これらの検定法は当業
者にはよく知られている。
【0114】この検定のために抗体を固定化するか、ラ
ベルすることができる。抗体を固定化するために結合さ
せる担体および本発明で使用し得る担体は数多くある。
よく知られている担体には、ガラス、ポリスチレン、ポ
リプロピレン、ポリエチレン、デキストラン、ナイロ
ン、アミラーゼ、天然または修飾セルロース、ポリアク
リルアミド、アガロース、および磁鉄鉱が含まれる。本
発明の目的にとっては、担体の性質はある程度可溶性で
あってもよいし、不溶性であってもよい。当業者は抗体
の結合に好適な他の担体を数多く知っているであろう
し、あるいは日常的な実験を用いてそれを確かめること
もできよう。
【0115】本発明の特定の態様に応じて、1またはそ
れ以上の抗体を検出可能なラベル(例えば酵素、放射性
同位体、蛍光性化合物、化学発光性化合物または生物発
光性化合物など)に結合させる。
【0116】当業者は抗体に結合させるに適した他のラ
ベルを知っているであろうし、また日常的な実験でそれ
を確かめることもできよう。さらに、抗体に対するこれ
らラベルの結合は当業者が一般に知っている標準的な技
術を用いて行うことができる。
【0117】抗体を酵素に結合させることができる。そ
うすれば、この酵素は、後にその基質にさらされた時
に、例えば分光光度測定法的に、あるいは蛍光測定法的
に検出することができる化学部分を生産するような様式
で基質に反応するであろう。検出可能なようにラベルす
るために使用することができる酵素の例は、リンゴ酸脱
水素酵素、スタフィコッカル・ヌクレアーゼ、デルタ-
5-ステオリド異性化酵素、酵母アルコール脱水素酵
素、アルファ-グリセロホスフェート脱水素酵素、トリ
オセホスフェート異性化酵素、アルカリ性ホスファター
ゼ、アスパラギナーゼ、グルコース酸化酵素、ベータ-
ガラクトシダーゼ、リボヌクレアーゼ、ウレアーゼ、カ
タラーゼ、グルコース-6-リン酸脱水素酵素、グルコア
ミラーゼ、およびアセチルコリンエステラーゼである。
【0118】抗体の存在は、それを放射性同位体でラベ
ルすることによっても検出することができる。そうすれ
ば、放射性同位体の存在をガンマ計数器やシンチレーシ
ョン計数器を使用するなどの手段によって決定すること
ができよう。特に有用な同位体には3H、125I、32P、
35S、14C、51Cr、36Cl、57Co、58Co、59
e、75Se、および152Euである。
【0119】蛍光化合物で抗体をラベルすることによっ
て、抗体の存在を検出することも可能である。蛍光的に
ラベルされた抗体を適切な波長の光にさらすと、その色
素の蛍光によってその存在を検出することができる。最
も重要な蛍光ラベル化合物には、イソチオシアン酸フル
オレセイン、ローダミン、フィコエリスリン、フィコシ
アニン、アロフィコシアニン、o-フタルアルデヒドお
よびフルオレサミンがある。
【0120】抗体を検出可能にラベルするもう1つの方
法は化学発光化合物にそれを結合させることである。そ
の場合には、化学反応の過程で生じる発光の存在を検出
することによって、化学発光標識抗体の存在を決定す
る。特に有用な化学発光ラベル化合物の例は、ルミノー
ル、イソルミノール、芳香族アクリジニウムエステル、
イミダゾール、アクリジニウム塩およびシュウ酸エステ
ルである。
【0121】同様に、生物発光化合物を用いて抗体をラ
ベルすることもできる。生物発光は、生物系に認められ
る化学発光の特殊な形態であり、ここでは触媒的タンパ
ク質が化学発光反応の効率を増大させる。生物発光結合
パートナーの存在は発光の存在を検出することによって
測定されるであろう。ラベル化の目的にとって重要な生
物発光化合物はルシフェリン、ルシフェラーゼおよびエ
クオリンである。
【0122】本発明の検定で使用するための抗体をキッ
トの調製物に適合させることが理想的である。そのよう
なキットはバイアルやチューブなどの1または複数の容
器手段を密接に閉じ込めておくために区分化された担体
手段からなり得、ここに該容器手段のそれぞれは本法で
使用されるべき別個の要素の1つを含む。
【0123】例えば、上記容器手段の1つは不溶性もし
くは部分的に可溶性の担体に結合した第1の抗体を含み
得る。第2の容器は可溶性の検出可能にラベルされた第
2の抗体を凍結乾燥状態もしくは溶液状態で含み得る。
担体手段は検出可能にラベルされた第3の抗体を凍結乾
燥状態もしくは溶液状態で含む第3の容器手段を含有し
てもよい。このようなキットをサンドイッチ検定法に用
いることができる。例えばDavidら,USP437611
0(この文献は本明細書の一部を構成する)を参照のこ
と。
【0124】さらに、担体手段はそれぞれに異なるあら
かじめ決定した量の既知のAPLPを含む複数の容器を
含有してもよい。そうすればこれら後者の容器を用いて
標準曲線を作成し、これに対して未知量のAPLP抗原
を含有する試料から得られる結果を内挿することができ
る。
【0125】画像化はインビトロでもインビボでも行い
得る。インビトロ画像化を上述のラベルで行うことがで
きる。インビボ画像化は診断的に有効にラベルした抗体
を用いて行う。用語「診断的に有効」とは、投与される
検出可能にラベルされた抗体の量が、背景信号と比較し
てAPLPが存在する部位の検出を可能にするに足るこ
とを意味する。
【0126】一般に、検出可能にラベルされた診断用抗
体の投与量は、患者の年齢、状態、性別、および疾患の
程度、もしあれば対抗指標、および個々の医師によって
調節されるべき他の変数に応じて変化するであろう。投
与量は0.01mg/kgから2000mg/kgまで
の範囲で変化し得、好ましくは0.1mg/kg〜10
00mg/kgである。
【0127】「診断的にラベルされた」という用語は、
免疫グロブリンが診断的に検出可能なラベルを結合させ
ていることを意味する。
【0128】当業者に知られている異なる画像化ラベル
とラベル化法は数多くある。本発明で使用することがで
きるラベルの種類の例には、放射性同位体および常磁性
同位体が含まれる。
【0129】診断的インビボ画像化にとっては、利用可
能な検出装置の種類が与えられた放射性核種の選択にお
いて重要な因子である。選択される放射性核種は、与え
られた種類の装置にとって検出可能な減衰型を有さなく
てはならない。一般に、診断的画像化を可視化する従来
法のいずれかを本発明に従って使用することができる。
【0130】インビボ診断用の放射性核種を選択するう
えで重要なもう1つの因子は、放射性核種の半減期が、
標的による最大取り込み時にまだ検出可能である程度に
充分長く、かつ、宿主の心身に有害な放射が最少化され
る程度に短いということである。理想的には、インビボ
画像化に使用する放射性核種は粒子状放出を欠くが、従
来のガンマカメラで容易に検出することができる140
〜200keVの範囲の多量の光子を発生させるであろ
う。
【0131】インビボ診断については、放射性核種を抗
体に直接結合させてもよいし、仲介官能基を用いて間接
的に結合させてもよい。金属イオンとして存在する放射
性同位体を抗体に結合させるためによく用いられる仲介
官能基はジエチレントリアミンペンタ酢酸(DTPA)お
よびエチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)である。免
疫グロブリンに結合させることができる金属イオンの代
表例は、99mTc、123I、111In、131I、97Ru、67
Cu、67Ga、72As、89Zr、および201Tlであ
る。
【0132】インビボ診断の目的には、本発明の方法で
使用する抗体を常磁性同位体でラベルすることもでき
る。この方法で(磁気共鳴画像化(MRI)技術などで)特
に有用な元素には157Gd、55Mn、162Dy、52Crお
よび56Feが含まれる。
【0133】非経口投与用の画像化抗体の調製物には滅
菌水溶液、非水性溶液、懸濁液および乳液が含まれる。
非水性溶媒の例は、プロピレングリコール、ポリエチレ
ングリコール、オリーブ油などの植物油、オレイン酸エ
チルなどの注射可能な有機エステルである。水性担体に
は水、アルコール/水溶液、食塩水および緩衝化媒体を
含む乳液または懸濁液、塩化ナトリウム溶液、リンゲル
デキストロース、デキストロースおよび塩化ナトリウ
ム、乳酸化リンゲルまたは固定油を含む非経口担体が含
まれる。静脈内賦形剤には、リンゲルデキストロースな
どに基づくものなどの液体および栄養補給剤、電解質補
給剤が含まれる。保存剤および他の添加物が入っていて
もよく、例えば抗微生物剤、抗酸化剤、キレート剤およ
び不活性気体などである。一般的にはRemington's Phar
maceutical Science 第16版,Mac Eds.1980を参照のこ
と。
【0134】
【実施例】実施例1 材料および方法 神経芽腫NB2A細胞を過去に記述されているように維
持した(Magendantzら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 82:6581
-6585(1985))。放射性ヌクレオチドをニュー・イングラ
ンド・ヌクレアーおよびアマシャムから得た。制限酵素
をニュー・イングランド・バイオラブスから得、PCR
試薬をパーキン-エルマーから得た。λgt11ライブ
ラリーのスクリーニング。ライブラリーを調製し、スク
リーニングするための一般的技術はManiatisら,Molecul
ar Cloning,A Laboratory Manual,コールド・スプリング
・ハーバー・ラボラトリー,ニューヨーク州コールド・スプ
リング・ハーバー第2版(1989)に開示されている。3つの
異なるライブラリーを用いてλgt11中のマウス脳c
DNAクローンを得た。ランダムプライマー処理および
オリゴdTプライマー処理したライブラリーをクローン
テックから得た。オリゴdTプライマー処理したライブ
ラリーをストラタジーンから得た。標準的な操作法に従
い、ランダムプライマー処理によってラベル化したcD
NAを用いて、ニトロセルロース(BA85,シュライ
ヒャー・アンド・シュネル)またはナイロン(ハイボンド-
N,アマシャム)にハイブリッド形成させることによ
り、ライブラリーをスクリーニングした(Feinbergら,An
al.Biochem.132:6-13(1983))。ニュー・イングランド・バ
イオラブスから得たプライマー1218および1222
を用いるλgt11挿入物のPCR増幅によって、陽性
クローンのサイズを分類した。
【0135】組換えDNA技術 DNA断片をpBluescript(ストラタジーン)またはM
13(ニュー・イングランド・バイオラブス)ベクター中に
サブクローニングし、製造者の指示に従い、両方の鎖を
シークエナーゼ(U.S.バイオケミカル)で配列決定し
た。MITのホワイタッカー・カレッジ・コンピューテ
ィング・ファシリティー(Whitaker College Computin F
acility)でUWGCGプログラムを用いて配列分析を行
った。
【0136】5'cDNA伸長物を得るためのRACE
使用したRACE(Rapid Amplification of cDNA Ends
(cDNA末端の迅速増殖))法はFrohmanらの方法(Frohm
anら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 85:8998-9002(1988))とO
haraらの方法(Oharaら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 86:567
3-5677(1989))の組み合わせである。このRACE法に
ついては、プライマーを図2に示す配列のヌクレオチド
699〜719および672〜692の補体とした。R
ACE産物をpBluescript中にサブクローニングし、
69Aの5'120bpEcoRI-PstI断片にハイ
ブリッド形成させることによってスクリーニングし、陽
性クローンの配列を決定した。
【0137】RNA分析 Badleyら(Badleyら,BioTechniques 6:114-116(1988))に
記載のように、オリゴdTビーズ(コラボレイティブ・
リサーチ)を用いてポリA+RNAを調製した。ノーザ
ンブロット分析のために、そのRNAをホルムアルデヒ
ドの入ったアガロースゲル上で分離し、標準的な方法(S
ambrookら,Molecular Cloning(A Laboratory Manual),
コールド・スプリング・ハーバー・ラボラトリー(1989))に
従ってナイロン(バイオトレイス,ゲルマン・サイエン
シズ)に転写し、そのナイロンにUVクロスリンカー(ス
トラタジーン)を用いて架橋した。そのブロットを、Chu
rch及びGilbertの方法(Churchら,J.Cell Biol.107:1765
-1772(1988))に従って、ハイブリッド形成させ、洗浄し
た。RNA分子量マーカーを用いることによって、転写
物の分子量を決定した。
【0138】APLPペプチドに対する抗血清の生産 MITのハワード・ヒュージス・メディカル・インステ
ィテュート・アンド・センター・フォー・カンサー・リ
サーチ(Howard Hughes Medical Institute andCenter f
or Cancer Research)のバイオポリマーズ・ラボラトリー
(Biopolymerslaboratory)からQQLRELQRH(配列
番号1)という配列のペプチドを得た。基本的にMarcant
onio,C.G.及びHynes,R.O.,J.Cell Biol.107:1765-1722
(1988)に記述されているようにしてこのペプチド20m
gをKLHに結合し、4匹のニュー・バンド(New Band)
白ウサギの免疫化をSchatzら(Shcatzら,Mol.Cell Biol.
7:3799-3805(1987))が記述しているように行った。
【0139】タンパク質の調製 神経芽腫細胞をPBSで濯いだ後、その細胞をSDS試
料緩衝液中で溶解し、煮沸することによって、神経芽腫
細胞からタンパク質を単離した。1つの脳をRIPA緩
衝液(50nM トリス(pH7.4)、150mM NaC
l、5mM EDTA、1%トリトンX-100、1%N
aデオキシコレート、0.1%SDSおよびプロテアー
ゼ阻害因子)1ml中でホモジナイズすることにより、
マウスの脳からタンパク質を単離した。そのホモジネー
トをエッペンドルフ遠心機中4℃で30分間遠心分離
し、集めて、SDS試料緩衝液と混合し、煮沸した。
【0140】β-ガラクトシダーゼ融合タンパク質の調
β-ガラクトシダーゼ-APLP1融合タンパク質を標準
的な技術(Sambrookら,Molecular Cloning(A Laboratory
Manual),コールド・スプリング・ハーバー・ラボラトリー
(1989))を用いて構築した。APLPの非翻訳領域の2
58ヌクレオチド(図2のヌクレオチド2047〜23
05)と3'コード部分の666ヌクレオチド(図2のヌ
クレオチド1380〜2046)を含有するλgt11
クローンから得たEcoRI-EcoRI断片をpUE
X5ベクターのEcoRI部位中に連結した。これらの
プラスミドを含有する細菌から全タンパク質溶解液を調
製するために、L-ブロス+アンピシリン中に1:10
に希釈した終夜培養物を30℃で1.5〜2時間生育さ
せ、次いで42℃で2.5〜3時間誘導した(あるいは誘
導しない試料については30℃のままにしておいた)。
次いで、細菌を遠心分離し、プロテアーゼ阻害因子を含
む50%SDS試料緩衝液に再懸濁し、超音波処理する
ことによって染色体DNAを剪断した。
【0141】ウエスタンブロット分析 基本的にBirgbauer(Birgbauerら,J.Cell Biol.109:1609
-1620(1989))に記述されているようにして、タンパク質
試料をポリアクリルアミドゲル電気泳動にかけ、ニトロ
セルロースに転写し、ウサギ抗体と125I-標識プロテイ
ンAでプローブした。
【0142】免疫蛍光 神経芽腫細胞をガラス製カバースリップ上で約48時間
培養してから固定した。固定の24時間前に神経芽腫細
胞の培地中の牛胎児血清の濃度を10%から0.1%に
変更することにより神経突起伸長を誘導した。固定の2
0分前にコンカナバリンAを20mg/mlの濃度で加
えることによりカバースリップへの細胞接着を援助し
た。細胞を3.7%ホルムアルデヒド/PBS中で固定
し、アセトン中で透過可能にし、1%牛血清を含むPB
S中37℃で30分間遮断した。一次抗体を遮断緩衝液
中に希釈して、これを30分間細胞に適用し、FITC
結合ヤギ抗ウサギ抗体で可視化した。ツァイス・アキシ
オプラン(Axioplan)顕微鏡を用いて細胞を観察し、写真
撮影した。ペプチド競合実験については、ペプチドを一
次抗体と共に遮断緩衝液中で30分間予備インキュベー
トした後、それを細胞に加えた(Donaldsonら,J.Cell Bi
ol.111:2295-2306(1990)およびMoremenら,J.Biol.Chem.
260:6654-6662(1985))。
【0143】結果 APLP1の同定とクローニング 微小管関連タンパク質(MAP)をコード化するcDNA
クローンについてのスクリーニングで、APPと相同な
読み取り枠(ORF)を有するクローンをマウス脳cDN
Aライブラリー(ストラタジーン)から単離した。スクリ
ーニングに使用したプローブはMAPに対して生じた抗
体である。APLP1は既知のMAPのいずれとも関連
しない。
【0144】APP相同性が最初に同定されたcDNA
クローンはC-末端コード配列の一部と3'非翻訳領域の
一部を含有していた。APLP1 ORFを5'方向に伸
長させるために、利用可能なcDNAクローンの最も
5'側の領域からえたプローブを用いて、2つのクロー
ンテックλgt11ライブラリーをスクリーニングし
た。次々により上流のプローブを用いるスクリーニング
を繰り返すことにより、1.8kbのcDNAクローン
69Aが単離され(図1)、その5'末端にはAPLP1
のコード配列内に存在し、cDNAライブラリーの構築
中にメチル化を免れたEcoRI部位の結果であるEc
oRI部位がある。
【0145】69Aの5'末端から誘導したプローブに
よるcDNAライブラリーのスクリーニングではこれ以
上のAPLP1クローンを同定することができなかった
が、Frohmanら(Frohmanら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 85:
8998-9002(1988)とOharaら(Oharaら,Proc.Natl.Acad.Sc
i.USA 86:5673-5677(1989))によって開発されたRAC
E法の変法を用いることにより、69Aの5'EcoR
Iを越えてAPP相同性を伸長させる数種の独立し重な
り合ったcDNAクローンを単離することができた。最
も長いクローンJ(図1)は開始メチオニンを含有してい
なかった。
【0146】RACE法によって得られた配列情報を用
いてPCRプライマーを作成し、クローンJによってコ
ード化されている最も5'側の100塩基対を増幅し
た。このPCR産物をストラタジーン・マウス脳cDN
Aライブラリーのスクリーニングでプローブとして用
い、このスクリーングによっていくつかの全長APLP
1クローンを同定することができた。これらのうちの2
つを配列決定することにより、最後の313 5'ヌクレ
オチドとAPLP1cDNAのポリアデニル化信号およ
びポリA尾を得た。予想開始メチオニンは真核生物共通
開始配列と合致する(Kozak,M.Nucl.Acids Res.12:857-8
72(1984))。
【0147】APLP1はAPPに関連する 635アミノ酸の読み取り枠をコード化するcDNA配
列の2361ヌクレオチドを図2に示す(配列番号3)。
このタンパク質は46アミノ酸からなる短い細胞質内C
-末端、23アミノ酸からなる貫膜ドメインおよびかな
り大きい細胞質外N-末端を有すると予想される。AP
LP1の予想アミノ酸配列と全体の構造はAPPと類似
しており、またこれは内在性膜タンパク質と似ている(K
angら,Nature 325:733-736(1987))。図3に示す2つの
アミノ酸配列の並置により、APLP全体がAPPに対
して42%同一であり、64%類似であることがわか
る。
【0148】APLP1はAPP様タンパク質ファミリ
ーの一構成要素である APLP1とAPPの間の同一性は3つの明確な領域
(図4)に濃縮されており、そこでは両タンパク質が4
7、54および56%同一であり、67、73および7
4%類似である。これらと同じ3つの領域はAPPとキ
イロショウジョウバエ属APP様タンパク質(キイロシ
ョウジョウバエAPPL)の間でも共有されていること
が既に示されており、これらの研究者によって細胞外I
(EI)、細胞外II(EII)および細胞質(C)ドメインと名
付けられている(Rosenら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 86:2
478-2482(1989))。細胞質ドメイン相同性はラット精巣
ライブラリーから単離された部分的cDNAクローンに
も存在する(Yanら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 87:2405-24
08(1990))。APPのみがアミロイド斑中に認められる
βA4配列を含有している。
【0149】図4は上述の4種のタンパク質のドメイン
並置を示す。キイロショウジョウバエAPPL1とAP
Pの関係について同様の並置が示されている(Rosenら,P
roc.Natl.Acad.Sci.USA 86:2478-2482(1989))。精巣c
DNAはCドメイン比較にしか含まれない。というの
は、この部分の予想アミノ酸配列しか分かっていないか
らである(Yanら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 87:2405-2408
(1990))。EIはAPLP1読み取り枠のアミノ酸21
から始まり、136アミノ酸をまたいでいる。全体とし
て、136アミノ酸のうち102(75%)がAPPまた
はキイロショウジョウバエAPPLのそれぞれの位置の
アミノ酸と同一であるか、もしくは3つのタンパク質す
べてにおいて同じである。この領域内で最も顕著な保存
は3つの配列すべてにおける12システイン残基の保存
である。さらに、とりわけよく保存されているアミノ酸
の領域が2つあり(図4の下線部)、APLP1配列中の
アミノ酸237〜271(図2)をまたぐグルタミン酸お
よび/またはアルパラギン酸からなる異常に酸性な領域
も同様である。
【0150】EIIはマウスAPLP1配列中の130ア
ミノ酸をまたぐ。APLP1アミノ酸130個のうち9
3(71%)がAPPまたはキイロショウジョウバエAP
PL配列中の対応部分の1つまたは両方と同一である。
この領域は3タンパク質すべてで保存されているN-グ
リコシル化部位をも含有する。
【0151】第3の領域は、ラット精巣cDNAの予想
アミノ酸配列を含むすべてのタンパク質のC-末端細胞
質領域を包含する。このドメイン内でのAPP様ファミ
リー間のアミノ酸の保存はとりわけ強い。4つのタンパ
ク質は予想貫膜ドメイン(図3;Rosenら,Proc.Natl.Aca
d.Sci.USA 86:2478-2482(1989);Yanら,Proc.Natl.Aca
d.Sci.USA 87:2405-2408(1990))内で相同性を共有しな
いが、これらのすべては膜の細胞質面に3〜4アミノ酸
長の荷電残基(アルギニン/リジン)を含有する。この特
徴はしばしば他のタンパク質の膜-細胞質連結部分に認
められ、膜中のリン脂質との相互作用を可能にしている
か、もしくは膜結合タンパク質の停止転移(stop transf
er)信号を提供するとの仮説が立てられている(Blobel,
G.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 77:1796-1500(1980))。
【0152】ノーザンブロット分析 図5はマウス脳および神経芽腫細胞から得たポリA+R
NAを含有するノーザンブロットであって、図2のヌク
レオチド1791〜2305に対応するDNAでプロー
ブしたブロットのオートラジオグラフを示す。これらの
ブロットは、マウス脳と神経芽腫細胞中にこのプローブ
とハイブリッド形成する約2.4および1.6kbの2つ
のメッセージがあることを明らかにしている。大きいほ
うのメッセージは小さいほうのメッセージより比較的豊
富に存在するように見える。厳密な条件下でプローブ
し、洗浄したノーザン中に両方のメッセージが確実に見
えるが、その大きさゆえに、2.4kbメッセージに対
応するcDNAが明確である。マウスAPLP1cDN
Aは使用した条件下では3.2および3.4kbAPPメ
ッセージにハイブリッド形成しなかった(「材料および
方法」の項を参照のこと;Kang,J.ら,Nature.325:733-7
36(1987))。
【0153】APLP1ペプチドに対する抗体の生成 APLP1cDNAによってコード化されているタンパ
ク質をさらに特徴づけるために、マウスAPLP1の特
有の配列に対応する合成ペプチドに対して抗体を生じさ
せた。抗原として使用したペプチドはAPLP1タンパ
ク質のC-末端付近に位置する9アミノ酸断片(QQLR
ELQRH)に対応し、この領域では4つのタンパク質
は相同でない。
【0154】「材料および方法」の項に記述したように
4匹のウサギに上記ペプチドを注射した。4匹のウサギ
のうち2匹(301と302)が、適切な免疫前の血清で
は認識されない65kDaマウス脳タンパク質を強く認
識する血清を生産した(図6A)。抗血清301によって
認識される約33kDaの小さい方のタンパク質は、大
きい方のタンパク質のタンパク質加水分解産物であろ
う。図6Aでは、元のペプチドと予備吸着させることに
よってタンパク質に対する抗体301の結合が遮断する
ことができ(レーン2〜5)、また無関係なペプチドは6
5kDまたは33kDaタンパク質のいずれかとの抗体
の相互作用に何らの影響も与えない(レーン6)ことか
ら、この抗体のこれらのタンパク質との相互作用の特異
性が立証されている。抗血清301は神経芽腫細胞抽出
物中に存在する65kDaタンパク質をも認識し、この
タンパク質は免疫前の血清によっては認識されない(図
6B)。
【0155】301抗血清の特異性をさらに確かめるた
めに、この抗血清がAPLP1cDNAによってコード
化されている222カルボキシ末端アミノ酸を含有する
β-ガラクトシダーゼ誘導体タンパク質を認識するか否
かを決定した。図6Cは細菌が生産したタンパク質のウ
エスタンブロットであって、抗血清301でプローブし
たものを示す。この図のレーン6からわかるように、抗
血清301はβ-ガラクトシダーゼ-APLP1融合タン
パク質と特異的に相互作用する。
【0156】APPのC-末端に対して作成されたいく
つかの抗体がある。この領域におけるAPPとマウスA
PLP1の間の同一性は特に強いので、これらの抗血清
のうちいくつかはマウスAPLP1とも相互作用するで
あろうと思われる。これらの抗血清のうちの1つR37
(Kangら,Nature 325:733-736(1987);Ishiiiら,Neuropa
tolo.and Appl.Neurobiol.15:135-147(1989))はAPP
のカルボキシ末端15アミノ酸に対するものであり、こ
の領域では2つのタンパク質が特に類似している(図4
を参照のこと)。R37はβ-ガラクトシダーゼ-APL
P1融合タンパク質と、抗血清301によって認識され
る65kDaタンパク質と同時泳動する65kDaマウ
ス脳タンパク質を認識する(データ非開示)。抗APP抗
体を生じさせるために用いた15アミノ酸配列は抗血清
301を作成するために用いた9アミノ酸とは重ならな
い。これらのデータは上記65kDaタンパク質がAP
LP1融合タンパク質と共通する2つのエピトープを含
有することを示唆している。APLP1のみを認識する
抗体を作成することができる。
【0157】抗APLP1抗血清はゴルジ体中のタンパ
ク質を認識する 抗血清301によって認識されるタンパク質の細胞下極
在性を免疫蛍光法によって検定した。神経芽腫細胞を3
01で染色すると、核付近の網状染色が観察される(図
7a,b)。この染色の三次元性と細胞の丸い形ゆえ
に、1つの焦点面上のいずれに認められる画像も網状で
あるよりはむしろ斑点状に見える。抗血清302でも同
一の様式が観察される(データ非開示)。様式それ自体は
ゴルジ染色を暗示するものであり、これらの細胞を既知
のゴルジ酵素マンノシダーゼIIに対する抗体で染色した
場合には、抗血清301の場合に認められものと非常に
よく似た様式が観察される(図7c)。抗体インキュベー
ションに元のペプチドを含有させることによって301
染色が阻害された(図7d)。免疫前の血清を用いた場合
には染色は認められなかった(図7e)。
【0158】考察 本APLP1cDNA配列はAPP様ファミリーの新し
い構成要素をコード化している。ヒト・アミロイド前駆
体タンパク質のマウス相同体は過去にクローン化されて
おり、ヒト配列に対してアミノ酸レベルで96.8%同
一である(Yamadaら,Biochem.Biophys.Res.Comm.158:906
-912(1987))。したがって、アミロイド前駆体タンパク
質に対してアミノ酸レベルで42%同一である本APL
P1cDNAは、APPのマウス相同体ではなく別個の
ものではあるが、関連するタンパク質である。
【0159】上記2つの配列は3つの相同性ドメインを
共有している。これらのドメイン内のアミノ酸保存には
12システイン、通常でない酸性領域、潜在的N-グリ
コシル化部位、疎水性貫膜領域、および数個の正確に同
一な特定のブロックが含まれる。マウスAPLP、キイ
ロショウジョウバエAPPL、ラット精巣タンパク質お
よびAPPが1つのタンパク質ファミリーを構成するこ
とは明白である。このタンパク質ファミリー内のアミノ
酸同一性と全体の構造および特定のドメイン構造の広範
囲にわたる保存は、これらのタンパク質が共通の機能を
有することを示唆している。
【0160】APP様ファミリー中のタンパク質の細胞
質尾内に位置する7アミノ酸配列の厳密な保存に関して
潜在的に興味深い2つの観察事実がある(図4中の適切
な部位の下線を付した配列を参照のこと)。4配列すべ
てのカルボキシ末端から8〜9アミノ酸に潜在的チロシ
ンリン酸化部位が存在する(Tamkunら,Cell 46:271-282
(1986))。形質転換された胚性腎細胞中に導入するとA
PPはリン酸化され得(Oltersdorfら,J.Biol.Chem.265:
4492-4497(1990))、細胞質ドメインの一部を含有するペ
プチドはインビトロでセリンおよびスレオニン残基がリ
ン酸化され得る(Gandyら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 85:6
218-6221(1988))が、チロシンリン酸化はまだ立証され
ていない。タンパク質のリン酸化を調節することが知ら
れている物質はAPPの成熟型のタンパク質加水分解的
プロセシングの速度に影響を与えるようであり(Buxbaum
ら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 87:6003-6006(1990))、異
常なタンパク質リン酸化がβA4の生成に関与し得るこ
とを示唆している。このチロシン周辺の配列も数種の中
間フィラメント間で保存されているα-ヘリックスドメ
イン中の唯一のチロシンと相同性を共有している(Lenda
hlら,Cell 60:585-595(1990))。この潜在的にリン酸化
されるチロシンの保存は、チロシンリン酸化が細胞の成
長と分化の調節に果たすことが知られている役割を考慮
すると、興味深いものがある。
【0161】同じチロシンは、低密度リポタンパク質受
容体のリガンド依存性被覆小胞媒介内在化に必要である
と考えられている四量体配列NPxYの一部である(Che
nら,J.Biol.Chem.265:3116-3123(1990))。NPxY配列
は少なくとも16の他の細胞表面受容体分子(β-インテ
グリン受容体およびEGF受容体ファミリーの構成要素
を含む)の細胞質尾に存在する(Chenら,J.Biol.Chem.26
5:3116-3123(1990)。
【0162】単離されたAPLP1cDNAは少なくと
も1つのエピトープを、マウス脳ホモジネートおよび神
経芽腫細胞抽出物中に存在する65kDaタンパク質と
共有し、神経芽腫細胞中のゴルジ体に極在化するタンパ
ク質とエピトープを共有する。キイロショウジョウバエ
APPLタンパク質を認識する抗血清もゴルジ体中のタ
ンパク質を認識する(Luoら,J.Neurosci 10:3849-3861(1
990))。さらに、APPに対する抗体は、筋肉線維の免
疫蛍光に使用した場合に、ゴルジもしくはER極在性を
示唆する周辺核染色様式を与える(Zimmermannら,EMBO
J.7:367-372(1988))。キイロショウジョウバエAPPL
とAPPの両方のN-末端細胞外部分は膜またはその付
近での切断を介して分泌され得る(Weidmanら,Cell 57:1
15-126(1989);Zimmermannら,EMBO J.7:367-372(198
8);Palmertら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 86:6338-6342
(1989))。APPファミリー中のタンパク質の正常な機
能はあいまいなままであるが、この結果は、APLP1
がAPPやキイロショウジョウバエAPPLと同様にゴ
ルジ体内でプロセシングされるか、あるいはゴルジ体内
に存在し得ることを示唆している。
【0163】APP様タンパク質のファミリーが存在す
ることは、これらのタンパク質がある機能を共有し得る
ことを含意している。N-末端におけるシステインの保
存は保存された三次および/または四次構造を示してお
り、これらの分子が共通の細胞外分子と相互作用し得る
ことを示唆している。同様に、細胞内C-末端内の強度
のアミノ酸保存は、このファミリーのタンパク質が細胞
内部の共通の分子と相互作用し得ることを示唆してい
る。APPの明瞭な生理学的役割はまだ決定されていな
い。タンパク質のAPP様ファミリーの構成要素のいず
れかの機能への手掛かりはAPPの正常な機能とプロセ
シングおよび調節を解明する助けとなるに違いない。
【0164】実施例2 APLP1をコード化しているヒト染色体遺伝子座の地
図化 マウス脳cDNAの部分とヒト脳cDNAライブラリー
から単離した1.8kbの部分的cDNAを用いてAP
LP1をコード化するヒト染色体遺伝子座を地図化し
た。ヒト染色体APLP1断片の選択的同定にとって最
適な制限消化を決定するために、ヒト、マウスおよびハ
ムスターのゲノムDNAを、EcoRI、HindIII、
PstI、およびTaqIで消化した後、部分的ヒトc
DNAクローンを用いるサザンブロットハイブリッド形
成で分析した。EcoRIによって齧歯目とは明らかに
識別し得るヒトDNA断片(約8kbと3.3kb;デー
タ非開示)が生成するので、EcoRIをさらなる分析
のために選択した。既知の核型を有する31のヒト-齧
歯目体細胞系(Geisslerら,Somat.Cell Mol.Genet.17:19
7-214(1991))から得た一群のDNAをEcoRIで消化
した。次いでこれらのDNAをヒトAPLP1cDNA
クローンでプローブしたところ、そのハイブリッド形成
様式は染色体19へのAPLP1遺伝子の割り当てに合
致した。
【0165】染色体19上のAPLP1遺伝子座の領域
位置を決定するために、全長マウス脳APLP1cDN
Aを、ヒト染色体19のみを含有するか、もしくはこの
常染色体の特定の断片を他の染色体と共に含有するいく
つかの体細胞ハイブリッド(G35CCB、G35F3
B、GM89A99c7B、G24B2AM、FON1
A4、TVB1D、1016Aおよび5HL94;図
8)から得たEcoRI消化ゲノムDNAにハイブリッ
ド形成させた。これらのハイブリッド系はGM89A9
9c7Bを除いてすべて2つのヒト特異的APLP1バ
ンドを含有する。GM89A99c7Bは908K1、
G35F3およびG35FCCに起こるX:19転位の
互換部分を含有する。これらの結果より、APLP1の
遺伝子座は染色体19の短鎖から排除され、19q1
3.2と動原体の間に置かれる。
【0166】考察 APLP1の生理学的役割はまだ決定されていないが、
その地図上の位置はアルツハイマー病(AD)との潜在的
関連性の観点から興味深い。アルツハイマー関連アミロ
イドの主要成分は、染色体21上の遺伝子によってコー
ド化されているより大きいアミロイド前駆体タンパク質
(APP)から誘導される39〜43アミノ酸βA4ペプ
チドである(Kangら,Nature 325:733-736(1987);Robaki
sら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 84:4190-4194(1987);Tan
ziら,Science 235:880-884(1987))。家族性アルツハイ
マー病(FAD)の早発性(65歳未満)型に関する遺伝子
欠陥は染色体21上に位置付されており(St.George-Hys
lopら,Science 235:885-889(1987))、FADの少率(3
%未満)がAPP遺伝子内の突然変異によって引き起こ
されるようである(Chartier-Harlinら,Nature 353:884-
846(1991);Goateら,Nature 349:704-706(1991);Murre
llら,Science 254:97-99(1991))。遺伝学的不均質性も
FADに関して報告されており(St.George-Hyslopら,Na
ture 347:194-197(1990)、遅発性(65歳以上)FAD家
系の一群は最近染色体19との関連が立証されている(P
ericak-Vanceら,Am.J.Hum.Genet.48:1034-1050(199
1))。APLP1の19qに近い部分への領域的な染色
体極在性およびこの遺伝子のAPPに対する有意な相同
性ゆえに、APLP1はFADの遅発型に寄与する遺伝
子欠陥の候補である。
【0167】実施例3アルツハイマー関連アミロイドBタンパク質前駆体の相
同体をコード化するヒトAPLP 2遺伝子の単離と特徴
づけ APPタンパク質ファミリーの他の構成要素を単離する
試みとして、まずマウスAPLP1配列を用いてジェン
バンク・データベースを相同配列に関して検索した。A
PP、APPL、およびラット精巣から得られた部分的
cDNAとの合致を得たことに加えて、はっきりした特
徴のない274塩基対ヒト脳cDNA登録物(ジェンバ
ンク受託番号M78104)との合致が注目された。マ
ウスAPLP1にかなり近いが同一ではないこの合致
(同一性63%)は、M78104が第2のAPLPをコ
ード化するcDNAの小さい断片であることを示した。
APP様遺伝子ファミリーをより詳細に特徴づけるため
に、完全な長さのcDNAをこの第2のAPLPである
APLP2について単離した。ヒト脳から得られるAP
LP2cDNAクローンの単離と特徴づけは、APPが
高度に保存された遺伝子ファミリーの一構成要素である
という仮説をさらに支持するものである。
【0168】ヒト脳前頭皮質ラムダZapIIcDNAラ
イブラリー(ストラタジーン)を、ジェンバンクで同定さ
れた274塩基対の部分的cDNA配列の部分を増幅す
るように設計したプライマーで生成したPCR産物から
なるプローブでスクリーニングした。このプローブを調
製するために、プライマー対(5'GCAACCGAAT
GGACAGGGTA3'と5'CAAGGCAGCCA
GGTAGTTCTC3';図9を参照のこと)を用い
て、ヒト後頭部皮質cDNAライブラリーから232塩
基対の産物を増殖した。このPCR産物を配列決定する
ことによって、その同一性を確認し、内部プライマー対
(5'GTAAAGAAGGAATGGGAAGAGGC
3'と5'CCATCCGACGGCGGTCATTCA
GC3';図9を参照のこと)を設計し、これを用いて1
85塩基対のPCR断片(SG190)を増幅し、ヒト脳
ライブラリーのスクリーニングにこれを使用した。全長
cDNAを含むSG190陽性クローンのスクリーニン
グ、精製および配列決定を標準的な条件に従って行った
(Wascoら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:10758-10762(199
2))。
【0169】ヒトAPLP2は全体の構造とアミノ酸配
列がAPPとAPLP1に類似する706アミノ酸(配
列番号4)によってコード化されている。APLP2は
APP695に対して52%同一、69%類似であり
(図9)、APLP1に対して43%同一、63%類似で
ある。APP、APPLおよびAPLP1を特徴づける
同定されたドメインおよびモチーフの基本的にすべてが
APLP2中に存在する。具体的には、N-末端の富シ
ステイン領域(12システインを含む)、新規亜鉛結合モ
チーフ(Bushら,Nuerobiol.Aging 13(supplement 1):A.3
31(1992))、富酸性ドメイン、N-グリコシル化部位、ク
ラスリン結合モチーフを含有する細胞質ドメインおよび
疎水性貫膜ドメイン、および潜在的セリン/スレオニ
ン、カゼインキナーゼI、IIおよびチロシンリン酸化部
位がAPLP2中に保存されている(図9)。図10はA
PLP2、APPおよびAPLP1中で同一であるか、
もしくは保存的に置換されているアミノ酸を表し、これ
らのタンパク質間の極めて高度な保存性を立証してい
る。図10に示すこれら一連の相同アミノ酸のうちいく
つかは、このタンパク質ファミリーの機能に密接な関係
がある潜在的に共通なモチーフを含有し得る。
【0170】APLP2遺伝子の染色体位置 APLP2遺伝子の染色体位置を決定するために、cD
NAプローブを、個々のヒト染色体もしくは特定の組み
合わせのヒト染色体を含有する一群の43のヒト-齧歯
目体細胞ハイブリッド系(Pelletierら,Geneomics 10:10
79-1082(1991);Geisslerら,Som Cell Gen 17:207-214
(1991))から得たHindIII消化DNAを含有するフィ
ルターにハイブリッド形成させた。このプローブは、ヒ
ト染色体11へのAPLP2遺伝子座割り当てに合致す
る体細胞ハイブリッド系中で、特異的なヒトAPLP2
バンドを検出した。具体的には、ヒトAPLP2に関す
る陽性信号が、唯一のヒト物質として染色体11から得
られるDNAを含有する体細胞ハイブリッド系中と、染
色体11および他の3つのヒト染色体を含有するハイブ
リッド中で得られた。
【0171】ヒトAPLP2cDNAクローンの配列決
定中に、12アミノ酸長をコード化するエクソンを含有
する単一の選択的にスプライスされた型が同定された。
このことはAPPと同様にAPPL2も選択的に転写さ
れること示している(図9)。マウス胚から単離されたA
PLP2cDNAの部分は、APPのものに似ているK
PIドメインを含有したが、そのようなドメインを含有
する成人APLP2の一形態はまだ検出されていない。
【0172】ノーザンブロット分析 胎児末梢組織と成体脳領域のノーザンブロット分析は、
APLP2メッセージが約4kbの大きさであることを
立証した(図11)。より軽い約3Kbと2kbのバンド
はAPP/APLPファミリーの他の構成要素からのメ
ッセージか、あるいはまだ単離されていないAPLP2
の別の転写物との交差ハイブリッド形成を表し得る。A
PLP2転写物は試験したすべての末梢および中枢神経
系組織中で様々なレベルで検出され、APPと極めて類
似する発現レベルと様式を示した(図11A)。両転写物
は脳、心臓および腎臓で比較的多量に発現され、肝臓お
よび胸腺ではより低いレベルで発現される。しかし、A
PPとは対照的に、APLP2は小腸と肺中で比較的高
いレベルで発現される。
【0173】成人脳におけるAPLP2転写物の分布を
決定するために、11の異なる脳領域から得たmRNA
に対してノーザンブロット分析を行った(図11B)。同
じブロットは既にAPPにハイブリッド形成されている
ので、2つの遺伝子の発現の直接的な比較が可能である
(Tanziら,Science 235:880-884(1987);Tanziら,Nature
331:528-530(1988))。APLP2mRNAのレベルは
側頭部結合皮質(A20,Tanziら,Nature 331:528-530
(1988))、後部ペリシルビアン皮質-辺縁上脳回(A4
0)、前部ペリシルビアン皮質-弁蓋脳回(A44)および
皮質の前頭極(A10)で最も高かった。AD患者の脳で
特に影響を受けるこれらの領域は通常、比較的大量のA
PP RNAを含有する。小脳皮質と有尾被殻では中度
のハイブリッド形成が検出された。線条皮質、線条外皮
質および運動性皮質(A17、A18およびA40)、海
馬および視床では比較的弱いハイブリッド形成が認めら
れた。全体として、APLP2はAPPと極めて類似す
る発現様式を示すが(図11B;Tanziら,Science 235:8
80-884(1987);Tanziら,Nature 331:528-530(1988))、
いくつかの相違点も注目される。例えばAPLP2は視
床においてAPPより比較的高いレベルで発現され、一
方、APPの発現はブロッドマン(Brodman)領域A40
においてAPLP2より高い。
【0174】図12は、正常およびダウン症候群(DS)
を伴う胎児脳に由来するRNA、並びに正常およびAD
を伴う成人脳に由来するRNAに対する、APLP2と
APPcDNAプローブのノーザンブロットハイブリッ
ド形成の結果を示す。APPの発現はDS試料中でかな
り高いが、APLP2の発現は有意に変化しない。この
結果はDS患者中に存在する染色体21の余分なコピー
を考慮すると意外なことではない。APPの発現は正常
な成体小脳に対してADでわずかに低く、AD前頭皮質
では正常に対して劇的に減少する(図12)。このAPP
発現の減少はおそらく、前頭皮質内で特に増進されるこ
れら領域におけるAD関連神経欠失の反映であろう。驚
くべきことに、APP発現はAD小脳化合物において正
常に対していくらか減少するが、APLP2発現は同じ
AD小脳試料で明らかに増大することがここにわかった
(図12)。1つの可能性は、これがAPPレベルの低下
に応答してAPLP2発現が代償的に増大することの反
映であり得るということである。同様にAPLP2発現
の増大がAPPメッセージ減少に先立つとも考えられ
る。
【0175】本発明者らは、成熟とプロセシングに関与
する因子に関してAPLPがAPPと競合することを発
見した(Wascoら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:10758-107
62(1992))。このことは、2つのタンパク質が同じ細胞
集団内で生産されプロセシングされることを必要とする
であろう。この問題に対処するため、ADにおいて重大
な影響を受ける領域である海馬形成内でのAPLP2
mRNA転写物の位置を決定するべく設計した非同位体
原位置ハイブリッド研究を使用した。APLP2のmR
NAが海馬形成内で細胞体と、ある程度は錘体ニューロ
ンの神経突起の両方に含有されることが分かった(図1
3)。より小さい介在ニューロン、グリア細胞、および
内皮細胞でははるかに少ないハイブリッド形成が観測さ
れた。細胞下極在性は同じ原位置ハイブリッド形成法を
用いてAPPおよびAPLP1メッセージで認められた
ものと類似している(Tanziら,Mol.Brain Res.:印刷中;
Hymanら,Mol.Brain Res:印刷中;Wascoら,Alzheimer's
disiease and related disorders 1992:selected commu
nications(印刷中))。さらに、APLPメッセージの細
胞特異性および領域分布もAPPと極めて類似してお
り、APPとAPLPが海馬形成中に同じ群のニューロ
ン内に位置することを示している。
【0176】APP遺伝子ファミリー内のアミノ酸配列
およびドメイン構造の総体的な保存に基づき、これらの
タンパク質は共通の機能を有すると思われ、おそらく同
様に加工されるのであろう(Wascoら,Proc.Natl.Acad.Sc
i.USA 89:10758-10762(1992))。最近のデータはさら
に、APLP2とAPPが類似のプロセシングを受ける
ことを示している(未発表データ)。APP、APLP1
およびAPPLに対する抗体はゴルジ体中のタンパク質
を認識する(Wascoら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:10758
-10762(1992);Zimmermannら,EMBO J. 7:367-372(198
8);Palaciosら,Mol.Brain Res.15:195-206(1992);Luo
ら,J.Neurosci.10:3849-3861(1990))。同様にAPLP
2はゴルジ装置と関連しているようである(未発表デー
タ)。このことはこれらのタンパク質のゴルジ体におけ
る成熟が共通の因子との相互作用を含む可能性が極めて
高いことを示唆している。APPとAPLP2のプロセ
シングと成熟における見かけ上の類似性は、APLP2
または他のAPLPの発現の変化が、これらの遺伝子が
同時に発現される細胞内でのAPPの翻訳後修飾と代謝
に影響を与え得るという可能性を惹起する。もしAPL
P2または他のAPLPがAPPの適正な成熟(例えば
N-またはO-グリコシル化)を妨害するとすれば、AP
Pはアミロイド形成を起こしやすい経路を含む代替経路
に送り込まれることになり得る。これらと同じ道筋で、
もしAPPのプロセシングに寄与する代謝機構がAPL
Pファミリーの構成要素によって圧倒されるとすれば、
APPの代謝に変化が起こり、おそらくアミロイド原性
断片の生産の増大をもたらすであろう。したがって、A
PLP2とAPLP1はAβドメインを含有しないが、
それでもこれらはAPPの成熟および/または代謝に最
終的に影響を与え得る。
【0177】本明細書で言及したすべての刊行物は当該
技術分野の当業者のレベルを示すものである。個々の刊
行物のそれぞれについて特に述べるまでもなく、すべて
の刊行物は参考文献として本明細書の一部を構成する。
【0178】本発明を特定の態様と関連させて記述した
が、さらなる変更が可能であり、本願が一般に本発明の
原理に従う本発明のあらゆる変法、使用、または適用
を、当該技術分野の慣用的実施または公知になるような
本開示からの逸脱あるい上述の基本的性質に適用され得
る逸脱を含めて、包含しようとするものであることは理
解されるであろう。
【0179】
【配列表】
【0180】配列番号:1 配列の長さ:9 配列の型:アミノ酸 鎖の数:両形態 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド
【0181】配列番号:2 配列の長さ:2358 配列の型:核酸 鎖の数:両形態 トポロジー:直鎖状 配列の種類:DNA 配列 CGGCACGAGG TGGCGCTGGG AGCTCCTGTC ACCGCTGGGG CCGGGTAGGG GCGGGCGGGA 60 GCGCAGGGAC GTGAGGGCCG AGCGGAC ATG GGG CCC ACC AGC CCC GCC GCT 111 Met Gly Pro Thr Ser Pro Ala Ala 1 5 CGC GGT CAG GGT CGC CGC TGG CGA CCG CCG CTG CCG CTG TTG CTG CCA 159 Arg Gly Gln Gly Arg Arg Trp Arg Pro Pro Leu Pro Leu Leu Leu Pro 10 15 20 CTG TCA TTG CTG CTT CTG CGC GCG CAG CTC GCC GTC GGG AAC CTG GCT 207 Leu Ser Leu Leu Leu Leu Arg Ala Gln Leu Ala Val Gly Asn Leu Ala 25 30 35 40 GTT GGG AGC CCC AGC GCG GCC GAG GCT CCG GGG TCG GCT CAA GTG GCT 255 Val Gly Ser Pro Ser Ala Ala Glu Ala Pro Gly Ser Ala Gln Val Ala 45 50 55 GGA CTA TGT GGG CGT CTA ACC CTT CAC CGG GAC TTG CGC ACC GGC CGC 303 Gly Leu Cys Gly Arg Leu Thr Leu His Arg Asp Leu Arg Thr Gly Arg 60 65 70 TGG GAA CCA GAC CCA CAG CGA TCA CGA CGC TGT CTT CTG GAC CCG CAG 351 Trp Glu Pro Asp Pro Gln Arg Ser Arg Arg Cys Leu Leu Asp Pro Gln 75 80 85 CGC GTG CTG GAG TAC TGC AGA CAG ATG TAC CCC GAG CTG CAC ATA GCA 399 Arg Val Leu Glu Tyr Cys Arg Gln Met Tyr Pro Glu Leu His Ile Ala 90 95 100 CGC GTG GAG CAG GCT GCA CAG GCC ATC CCG ATG GAG CGC TGG TGT GGG 447 Arg Val Glu Gln Ala Ala Gln Ala Ile Pro Met Glu Arg Trp Cys Gly 105 110 115 120 GGT ACC CGG AGT GGC AGA TGC GCC CAC CCC CAC CAT GAG GTT GTG CCC 495 Gly Thr Arg Ser Gly Arg Cys Ala His Pro His His Glu Val Val Pro 125 130 135 TTC CAT TGC CTG CCT GGC GAA TTC GTG AGT GAA GCC CTG CTA GTG CCC 543 Phe His Cys Leu Pro Gly Glu Phe Val Ser Glu Ala Leu Leu Val Pro 140 145 150 GAA GGC TGT CGG TTC TTG CAC CAG GAG CGT ATG GAC CAG TGT GAG AGT 591 Glu Gly Cys Arg Phe Leu His Gln Glu Arg Met Asp Gln Cys Glu Ser 155 160 165 TCA ACC AGG AGG CAT CAG GAG GCT CAG GAG GCC TGC AGC TCT CAG GGC 639 Ser Thr Arg Arg His Gln Glu Ala Gln Glu Ala Cys Ser Ser Gln Gly 170 175 180 CTC ATC CTG CAC GGC TCT GGC ATG CTT TTG CCC TGT GGC TCT GAT CGG 687 Leu Ile Leu His Gly Ser Gly Met Leu Leu Pro Cys Gly Ser Asp Arg 185 190 195 200 TTC CGA GGT GTG GAG TAT GTA TGC TGT CCA CCT CCC GCA ACT CCC AAC 735 Phe Arg Gly Val Glu Tyr Val Cys Cys Pro Pro Pro Ala Thr Pro Asn 205 210 215 CCA TCT GGG ATG GCA GCT GGT GAC CCC TCT ACC CGG TCC TGG CCC CTG 783 Pro Ser Gly Met Ala Ala Gly Asp Pro Ser Thr Arg Ser Trp Pro Leu 220 225 230 GGG GGC AGA GCA GAG GGA GGT GAG GAT GAA GAG GAG GTG GAA TCT TTC 831 Gly Gly Arg Ala Glu Gly Gly Glu Asp Glu Glu Glu Val Glu Ser Phe 235 240 245 CCT CAG CCA GTA GAC GAT TAC TTC GTA GAG CCC CCT CAG GCT GAA GAA 879 Pro Gln Pro Val Asp Asp Tyr Phe Val Glu Pro Pro Gln Ala Glu Glu 250 255 260 GAA GAG GAA GAG GAG GAA GAA AGG GCC CCA CCT CCC AGC TCC CAC ACC 927 Glu Glu Glu Glu Glu Glu Glu Arg Ala Pro Pro Pro Ser Ser His Thr 265 270 275 280 CCT GTC ATG GTT AGC AGA GTC ACT CCC ACC CCA AGG CCT ACT GAT GGT 975 Pro Val Met Val Ser Arg Val Thr Pro Thr Pro Arg Pro Thr Asp Gly 285 290 295 GTG GAT GTT TAC TTT GGC ATG CCT GGG GAA ATC GGC GAG CAT GAG GGT 1023 Val Asp Val Tyr Phe Gly Met Pro Gly Glu Ile Gly Glu His Glu Gly 300 305 310 TTC CTG AGG GCC AAG ATG GAC CTG GAG GAG CGT AGG ATG CGC CAG ATT 1071 Phe Leu Arg Ala Lys Met Asp Leu Glu Glu Arg Arg Met Arg Gln Ile 315 320 325 AAT GAG GTG ATG CGT GAA TGG GCC ATG GCT GAC AGC CAA TCT AAG AAC 1119 Asn Glu Val Met Arg Glu Trp Ala Met Ala Asp Ser Gln Ser Lys Asn 330 335 340 CTG CCA AAG GCG GAC AGG CAG GCC CTG AAT GAG CAC TTC CAG TCC ATT 1167 Leu Pro Lys Ala Asp Arg Gln Ala Leu Asn Glu His Phe Gln Ser Ile 345 350 355 360 CTG CAG ACC CTG GAA GAA CAA GTG TCT GGT GAA CGG CAA CGC CTG GTG 1215 Leu Gln Thr Leu Glu Glu Gln Val Ser Gly Glu Arg Gln Arg Leu Val 365 370 375 GAG ACC CAC GCC ACC AGA GTC ATC GCT CTG ATC AAC GAC CAG CGC CGA 1263 Glu Thr His Ala Thr Arg Val Ile Ala Leu Ile Asn Asp Gln Arg Arg 380 385 390 GCA GCC CTG GAA GGT TTC CTG GCA GCC TTA CAG GGC GAT CCG CCT CAG 1311 Ala Ala Leu Glu Gly Phe Leu Ala Ala Leu Gln Gly Asp Pro Pro Gln 395 400 405 GCT GAG CGA GTT CTG ATG GCC CTG AGG CGC TAC CTG CGC GCC GAG CAG 1359 Ala Glu Arg Val Leu Met Ala Leu Arg Arg Tyr Leu Arg Ala Glu Gln 410 415 420 AAA GAG CAG AGG CAC ACT CTG AGG CAC TAC CAG CAC GTG GCC GCA GTG 1407 Lys Glu Gln Arg His Thr Leu Arg His Tyr Gln His Val Ala Ala Val 425 430 435 440 GAT CCT GAG AAG GCC CAG CAG ATG CGC TTT CAG GTC CAG ACC CAC CTT 1455 Asp Pro Glu Lys Ala Gln Gln Met Arg Phe Gln Val Gln Thr His Leu 445 450 455 CAG GTG ATC GAA GAG CGA ATG AAT CAG AGC CTG GGG CTG CTC GAC CAG 1503 Gln Val Ile Glu Glu Arg Met Asn Gln Ser Leu Gly Leu Leu Asp Gln 460 465 470 AAC CCT CAC CTG GCT CAG GAG CTG CGG CCA CAG ATC CAG GAG CTT CTC 1551 Asn Pro His Leu Ala Gln Glu Leu Arg Pro Gln Ile Gln Glu Leu Leu 475 480 485 CTT GCT GAA CAC TTG GGT CCC AGT GAA CTG GAC GCC TCT GTG CCC GGG 1599 Leu Ala Glu His Leu Gly Pro Ser Glu Leu Asp Ala Ser Val Pro Gly 490 495 500 AGC AGC AGT GAG GAC AAA GGT AGC CTC CAG CCT CCC GAA TCC AAG GAC 1647 Ser Ser Ser Glu Asp Lys Gly Ser Leu Gln Pro Pro Glu Ser Lys Asp 505 510 515 520 GAT CCC CCA GTG ACC CTT CCA AAA GGG TCC ACA GAT CAA GAG TCA TCC 1695 Asp Pro Pro Val Thr Leu Pro Lys Gly Ser Thr Asp Gln Glu Ser Ser 525 530 535 TCC TCT GGG AGA GAG AAG CTA ACT CCA CTG GAG CAG TAT GAG CAA AAG 1743 Ser Ser Gly Arg Glu Lys Leu Thr Pro Leu Glu Gln Tyr Glu Gln Lys 540 545 550 GTG AAT GCA TCC GCC CCG AGG GGG TTT CCG TTC CAC TCG TCA GAT ATC 1791 Val Asn Ala Ser Ala Pro Arg Gly Phe Pro Phe His Ser Ser Asp Ile 555 560 565 CAG CGG GAT GAA CTG GCT CCT TCC GGG ACT GGA GTG TCC CGA GAG GCC 1839 Gln Arg Asp Glu Leu Ala Pro Ser Gly Thr Gly Val Ser Arg Glu Ala 570 575 580 TTG TCA GGT CTG CTG ATC ATG GGA GCT GGA GGA GGC TCT CTC ATT GTC 1887 Leu Ser Gly Leu Leu Ile Met Gly Ala Gly Gly Gly Ser Leu Ile Val 585 590 595 600 CTA TCC TTG CTG CTT CTG CGC AAG AAG AAA CCC TAT GGG ACT ATC AGC 1935 Leu Ser Leu Leu Leu Leu Arg Lys Lys Lys Pro Tyr Gly Thr Ile Ser 605 610 615 CAT GGA GTG GTG GAG GTG GAC CCC ATG CTG ACC CTG GAG GAG CAG CAG 1983 His Gly Val Val Glu Val Asp Pro Met Leu Thr Leu Glu Glu Gln Gln 620 625 630 CTC CGG GAA CTT CAG AGG CAT GGC TAT GAG AAC CCC ACC TAC CGC TTC 2031 Leu Arg Glu Leu Gln Arg His Gly Tyr Glu Asn Pro Thr Tyr Arg Phe 635 640 645 CTG GAA GAA CGA CCT TGACCCCTAC CCTAGCTGCC TTCAGCTGAG CCCTACTGCC 2086 Leu Glu Glu Arg Pro 650 TTCTTCCGGC CCCCCAAACC CAACTCCCAG CTTCCGGTGG GGGAGGGAGA TCTTGACAAA 2146 TTCATTCTTG TTTCCCCTTC CTAGTTCCAA ATTCCACACC CTTAGAAATC CCCAGCTCCT 2206 GTCCCACAAG GGACCTCTTC ACCTTAATTT ATTTTACGTT AATTTATTGC TCCTTAAGGT 2266 GACCTGGGTC CCAGGTATGT ATGTCACTCC CTGGAATTCA CCATCCCACG TTTCTTCACT 2326 AACATCCCAA TAAACTCCTC TTTCCCTCCG GC 2358
【0182】配列番号:3 配列の長さ:653 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:蛋白質 配列 Met Gly Pro Thr Ser Pro Ala Ala Arg Gly Gln Gly Arg Arg Trp Arg 1 5 10 15 Pro Pro Leu Pro Leu Leu Leu Pro Leu Ser Leu Leu Leu Leu Arg Ala 20 25 30 Gln Leu Ala Val Gly Asn Leu Ala Val Gly Ser Pro Ser Ala Ala Glu 35 40 45 Ala Pro Gly Ser Ala Gln Val Ala Gly Leu Cys Gly Arg Leu Thr Leu 50 55 60 His Arg Asp Leu Arg Thr Gly Arg Trp Glu Pro Asp Pro Gln Arg Ser 65 70 75 80 Arg Arg Cys Leu Leu Asp Pro Gln Arg Val Leu Glu Tyr Cys Arg Gln 85 90 95 Met Tyr Pro Glu Leu His Ile Ala Arg Val Glu Gln Ala Ala Gln Ala 100 105 110 Ile Pro Met Glu Arg Trp Cys Gly Gly Thr Arg Ser Gly Arg Cys Ala 115 120 125 His Pro His His Glu Val Val Pro Phe His Cys Leu Pro Gly Glu Phe 130 135 140 Val Ser Glu Ala Leu Leu Val Pro Glu Gly Cys Arg Phe Leu His Gln 145 150 155 160 Glu Arg Met Asp Gln Cys Glu Ser Ser Thr Arg Arg His Gln Glu Ala 165 170 175 Gln Glu Ala Cys Ser Ser Gln Gly Leu Ile Leu His Gly Ser Gly Met 180 185 190 Leu Leu Pro Cys Gly Ser Asp Arg Phe Arg Gly Val Glu Tyr Val Cys 195 200 205 Cys Pro Pro Pro Ala Thr Pro Asn Pro Ser Gly Met Ala Ala Gly Asp 210 215 220 Pro Ser Thr Arg Ser Trp Pro Leu Gly Gly Arg Ala Glu Gly Gly Glu 225 230 235 240 Asp Glu Glu Glu Val Glu Ser Phe Pro Gln Pro Val Asp Asp Tyr Phe 245 250 255 Val Glu Pro Pro Gln Ala Glu Glu Glu Glu Glu Glu Glu Glu Glu Arg 260 265 270 Ala Pro Pro Pro Ser Ser His Thr Pro Val Met Val Ser Arg Val Thr 275 280 285 Pro Thr Pro Arg Pro Thr Asp Gly Val Asp Val Tyr Phe Gly Met Pro 290 295 300 Gly Glu Ile Gly Glu His Glu Gly Phe Leu Arg Ala Lys Met Asp Leu 305 310 315 320 Glu Glu Arg Arg Met Arg Gln Ile Asn Glu Val Met Arg Glu Trp Ala 325 330 335 Met Ala Asp Ser Gln Ser Lys Asn Leu Pro Lys Ala Asp Arg Gln Ala 340 345 350 Leu Asn Glu His Phe Gln Ser Ile Leu Gln Thr Leu Glu Glu Gln Val 355 360 365 Ser Gly Glu Arg Gln Arg Leu Val Glu Thr His Ala Thr Arg Val Ile 370 375 380 Ala Leu Ile Asn Asp Gln Arg Arg Ala Ala Leu Glu Gly Phe Leu Ala 385 390 395 400 Ala Leu Gln Gly Asp Pro Pro Gln Ala Glu Arg Val Leu Met Ala Leu 405 410 415 Arg Arg Tyr Leu Arg Ala Glu Gln Lys Glu Gln Arg His Thr Leu Arg 420 425 430 His Tyr Gln His Val Ala Ala Val Asp Pro Glu Lys Ala Gln Gln Met 435 440 445 Arg Phe Gln Val Gln Thr His Leu Gln Val Ile Glu Glu Arg Met Asn 450 455 460 Gln Ser Leu Gly Leu Leu Asp Gln Asn Pro His Leu Ala Gln Glu Leu 465 470 475 480 Arg Pro Gln Ile Gln Glu Leu Leu Leu Ala Glu His Leu Gly Pro Ser 485 490 495 Glu Leu Asp Ala Ser Val Pro Gly Ser Ser Ser Glu Asp Lys Gly Ser 500 505 510 Leu Gln Pro Pro Glu Ser Lys Asp Asp Pro Pro Val Thr Leu Pro Lys 515 520 525 Gly Ser Thr Asp Gln Glu Ser Ser Ser Ser Gly Arg Glu Lys Leu Thr 530 535 540 Pro Leu Glu Gln Tyr Glu Gln Lys Val Asn Ala Ser Ala Pro Arg Gly 545 550 555 560 Phe Pro Phe His Ser Ser Asp Ile Gln Arg Asp Glu Leu Ala Pro Ser 565 570 575 Gly Thr Gly Val Ser Arg Glu Ala Leu Ser Gly Leu Leu Ile Met Gly 580 585 590 Ala Gly Gly Gly Ser Leu Ile Val Leu Ser Leu Leu Leu Leu Arg Lys 595 600 605 Lys Lys Pro Tyr Gly Thr Ile Ser His Gly Val Val Glu Val Asp Pro 610 615 620 Met Leu Thr Leu Glu Glu Gln Gln Leu Arg Glu Leu Gln Arg His Gly 625 630 635 640 Tyr Glu Asn Pro Thr Tyr Arg Phe Leu Glu Glu Arg Pro 645 650
【0184】配列番号:4 配列の長さ:706 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列 Met Ala Ala Thr Gly Thr Ala Ala Arg Ala Ala Thr Gly Arg Leu Leu 1 5 10 15 Leu Leu Leu Leu Val Gly Leu Thr Ala Pro Ala Ala Ala Leu Ala Gly 20 25 30 Tyr Ile Glu Ala Leu Ala Ala Ala Ala Gly Thr Gly Phe Ala Val Ala 35 40 45 Glu Pro Gln Ile Ala Met Phe Cys Gly Lys Leu Asn Met His Val Asn 50 55 60 Ile Gln Thr Gly Lys Trp Glu Pro Asp Pro Thr Gly Thr Lys Ser Cys 65 70 75 80 Phe Arg Thr Lys Glu Glu Val Leu Gln Tyr Cys Gln Glu Met Tyr Pro 85 90 95 Glu Leu Gln Ile Thr Asn Val Met Glu Ala Asn Gln Arg Val Ser Ile 100 105 110 Asp Asn Trp Cys Arg Arg Asp Lys Lys Gln Cys Lys Ser Arg Phe Val 115 120 125 Thr Pro Phe Lys Cys Leu Val Gly Glu Phe Val Ser Asp Val Leu Leu 130 135 140 Val Pro Glu Lys Cys Arg Phe Phe His Lys Glu Arg Met Glu Val Cys 145 150 155 160 Glu Asn His Gln His Trp His Thr Val Val Lys Glu Ala Cys Leu Thr 165 170 175 Gln Gly Met Thr Leu Tyr Ser Tyr Gly Met Leu Leu Pro Cys Gly Val 180 185 190 Asp Gln Phe His Gly Thr Glu Tyr Val Cys Cys Pro Gln Thr Lys Asp 195 200 205 Tyr Trp Ser Val Ser Lys Glu Glu Glu Glu Glu Glu Asp Glu Glu Glu 210 215 220 Glu Glu Glu Glu Asp Glu Glu Glu Asp Tyr Asp Val Tyr Lys Ser Glu 225 230 235 240 Phe Pro Thr Glu Ala Asp Leu Glu Asp Phe Thr Glu Ala Ala Val Asp 245 250 255 Glu Asp Asp Glu Asp Glu Glu Glu Gly Glu Glu Val Val Glu Asp Arg 260 265 270 Asp Tyr Tyr Tyr Asp Thr Phe Lys Gly Asp Asp Tyr Asn Glu Glu Asn 275 280 285 Pro Thr Glu Pro Gly Ser Asp Gly Thr Met Ser Asp Lys Glu Ile Thr 290 295 300 His Asp Val Lys Val Pro Pro Thr Pro Leu Pro Thr Asn Asp Val Asp 305 310 315 320 Val Tyr Phe Glu Thr Ser Ala Asp Asp Asn Glu His Ala Arg Phe Gln 325 330 335 Lys Ala Glu Lys Glu Gln Leu Ile Glu Arg His Arg Asn Arg Met Asp 340 345 350 Arg Val Lys Lys Glu Trp Glu Glu Ala Glu Leu Gln Ala Lys Asn Leu 355 360 365 Pro Lys Ala Glu Arg Gln Thr Leu Ile Gln His Phe Gln Ala Met Val 370 375 380 Lys Ala Leu Glu Lys Ala Glu Ala Ala Ser Glu Lys Gln Gln Leu Val 385 390 395 400 Glu Thr His Leu Ala Arg Val Glu Ala Met Leu Asn Asp Arg Arg Met 405 410 415 Ala Leu Glu Asn Tyr Leu Ala Ala Leu Gln Arg Ser Asp Pro Pro Arg 420 425 430 Pro His Arg Ile Leu Gln Pro Leu Arg Arg Tyr Val Arg Ala Glu Asn 435 440 445 Lys Asp Arg Leu His Thr Ile Arg His Tyr Gln His Val Leu Ala Val 450 455 460 Asp Pro Glu Lys Ala Ala Gln Met Lys Ser Gln Val Met Thr His Leu 465 470 475 480 His Val Ile Glu Glu Arg Arg Asn Gln Ser Leu Ser Leu Leu Tyr Lys 485 490 495 Asp Pro Tyr Val Ala Arg Ile Gln Glu Asn Asp Glu Leu Leu Gln Ala 500 505 510 Glu Arg Ala Asp Met Asp Gln Phe Thr Ala Ser Ile Ser Glu Thr Pro 515 520 525 Val Asp Val Arg Val Ser Ser Glu Glu Ser Glu Glu Ile Pro Pro Phe 530 535 540 His Pro Phe His Pro Phe Pro Ala Leu Pro Glu Asn Glu Asp Thr Gln 545 550 555 560 Pro Glu Leu Tyr His Pro Met Lys Lys Gly Ser Gly Val Gly Glu Gln 565 570 575 Asp Gly Gly Leu Ile Gly Ala Glu Glu Lys Val Ile Asn Ser Lys Asn 580 585 590 Lys Val Asp Glu Asn Met Val Ile Asp Glu Thr Leu Asp Lys Glu Met 595 600 605 Ile Phe Asn Ala Glu Arg Val Gly Gly Leu Glu Glu Arg Glu Ser Val 610 615 620 Gly Pro Leu Arg Glu Asp Phe Ser Leu Ser Ser Ser Ala Ser Ile Gly 625 630 635 640 Leu Leu Val Ile Ala Val Ala Ile Ala Thr Val Ile Val Ile Ser Leu 645 650 655 Val Met Leu Arg Lys Arg Gln Val Cys Thr Ile Ser His Gly Ile Val 660 665 670 Glu Val Asp Pro Met Leu Thr Pro Glu Glu Arg His Leu Asn Lys Met 675 680 685 Gln Asn His Gly Tyr Glu Asn Pro Thr Tyr Lys Thr Leu Glu Gln Met 690 695 700 Gln Ile 705
【図面の簡単な説明】
【図1】 マウスAPLP1読み取り枠と様々なcDN
Aクローンの関係を表す模式図である。
【図2】 APLP1cDNAのヌクレオチド配列およ
びアミノ酸配列である。
【図3】 APLP1アミノ酸配列とAPPアミノ酸配
列の比較を表す模式図である。
【図4】 マウス・アミロイド前駆体様タンパク質(A
PLP1)、ヒト・アミロイド前駆体タンパク質(AP
P)、キイロショウジョウバエ属アミロイド前駆体様タ
ンパク質(APPL1)およびラット精巣cDNA(精巣)
のアミノ酸配列を比較した模式図である。
【図5】 マウス脳および神経芽腫RNAのノーザンブ
ロット分析の結果を表す模写図である。
【図6】 抗血清301を用いたマウス脳および神経芽
腫タンパク質ウエスタンブロット分析の結果を表す模写
図である。
【図7】 抗血清301によるマウス神経芽腫細胞の免
疫蛍光染色の結果を表す模写図である。
【図8】 体細胞ハイブリッド群を用いたAPLP1遺
伝子座の地図化の結果を表す模式図である。
【図9】 APLP2アミノ酸配列(配列番号4)とAP
Pアミノ酸配列の比較を表す模式図である。
【図10】 APP遺伝子ファミリーの構成要素のアミ
ノ酸配列の比較を表す模式図である。
【図11】 ヒトAPLP2遺伝子転写物の分布を表す
ノーザンブロット分析の結果を表す模写図である。
【図12】 正常およびダウン症候群脳、成人正常およ
びADA小脳および前頭皮質から得たRNAに対するA
PLP2のノーザンブロット分析の結果を表す模写図で
ある。
【図13】 APLP2-オリゴヌクレオチドの非同位
体原位置位置決定を行った結果を表す模写図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12N 5/10 15/11 15/12 ZNA C12P 21/02 8214−4B 21/08 8214−4B C12Q 1/68 Z 7823−4B G01N 33/53 D 8310−2J //(C12P 21/02 C12R 1:91) (71)出願人 593085624 マサチューセッツ・インスティテュート・ オブ・テクノロジー MASSACHUSETTS INSTI TUTE OF TECHNOLOGY アメリカ合衆国02142マサチューセッツ州 ケンブリッジ、カールトン・ストリート28 番 (72)発明者 ウィルマ・ワスコ アメリカ合衆国02115マサチューセッツ州 ボストン、ビーコン・ドライブ470番 (72)発明者 キース・バップ フランス91400オルセー、リュ・ドゥ・シ ャルトル8番 (72)発明者 マーガレット・マージェンダンツ アメリカ合衆国02145マサチューセッツ州 サマービル、サージェント・アベニュー4 番 (72)発明者 ルドルフ・タンジ アメリカ合衆国02021マサチューセッツ州 キャントン、ストロベリー・レイン25番 (72)発明者 フランク・ソロモン アメリカ合衆国02138マサチューセッツ州 ケンブリッジ、ベサル・レイン71番

Claims (50)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 単離された実質上純粋なアミロイド前駆
    体様タンパク質またはその機能的誘導体もしくは断片。
  2. 【請求項2】 ヒトタンパク質であり、 染色体19上
    に存在する遺伝子によってコード化されている請求項1
    の単離された実質上純粋なアミロイド前駆体様タンパク
    質。
  3. 【請求項3】 ヒトタンパク質であり、 染色体11上
    に存在する遺伝子によってコード化されている請求項1
    の単離された実質上純粋なアミロイド前駆体様タンパク
    質。
  4. 【請求項4】 該タンパク質をコード化する配列が配列
    番号2に記載のアミロイド前駆体様タンパク質をコード
    化する配列と実質上相同である請求項1の単離された実
    質上純粋なアミロイド前駆体様タンパク質。
  5. 【請求項5】 該タンパク質をコード化する配列が配列
    番号4に記載のアミノ酸配列をコード化する配列と実質
    上相同である請求項1の単離された実質上純粋なアミロ
    イド前駆体様タンパク質。
  6. 【請求項6】 該タンパク質が配列番号2に記載のコー
    ド配列によってコード化されている請求項1の単離され
    た実質上純粋なアミロイド前駆体様タンパク質。
  7. 【請求項7】 該タンパク質が配列番号4に記載のアミ
    ノ酸配列を有する請求項1の単離された実質上純粋なア
    ミロイド前駆体様タンパク質。
  8. 【請求項8】 該タンパク質をコード化する遺伝子配列
    が組換えDNAからなる請求項1の単離された実質上純
    粋なアミロイド前駆体様タンパク質。
  9. 【請求項9】 アミロイド前駆体様タンパク質をコード
    する単離されたヌクレオチド配列。
  10. 【請求項10】 配列番号2に記載の配列と実質上相同
    である請求項9の単離されたヌクレオチド配列。
  11. 【請求項11】 配列番号4に記載のアミノ酸配列をコ
    ード化する配列と実質上相同である請求項9の単離され
    たヌクレオチド配列。
  12. 【請求項12】 配列番号2に記載の配列である請求項
    9の単離されたヌクレオチド配列。
  13. 【請求項13】 配列番号4に記載のアミノ酸配列をコ
    ード化する配列である請求項9の単離されたヌクレオチ
    ド配列。
  14. 【請求項14】 ゲノムDNAからなる請求項9、10
    または11のいずれかの単離されたヌクレオチド配列。
  15. 【請求項15】 cDNA配列からなる請求項9、10
    または11のいずれかの単離されたヌクレオチド配列。
  16. 【請求項16】 RNAからなる請求項9、10または
    11のいずれかの単離されたヌクレオチド配列。
  17. 【請求項17】 アミロイド前駆体様タンパク質をコー
    ドする遺伝子配列を含有する組換えDNA分子。
  18. 【請求項18】 該遺伝子配列がヒトの脳由来のアミロ
    イド前駆体様タンパク質をコードする請求項17の組換
    え分子。
  19. 【請求項19】 該配列が配列番号2に記載の配列と実
    質上相同である請求項17の組換えDNA分子。
  20. 【請求項20】 該配列が配列番号4に記載のアミノ酸
    配列をコード化する配列と実質上相同である請求項17
    の組換えDNA分子。
  21. 【請求項21】 該配列が配列番号2に記載の配列であ
    る請求項17の組換えDNA分子。
  22. 【請求項22】 該配列が配列番号4に記載のアミノ酸
    配列をコード化する請求項17の組換えDNA分子。
  23. 【請求項23】 ベクターである請求項17の組換えD
    NA分子。
  24. 【請求項24】 アミロイド前駆体様タンパク質をコー
    ド化する組換えDNA分子を含むベクターであって、該
    ベクターが該組換えDNA分子中のAPLPをコードす
    る該配列を発現させるベクター。
  25. 【請求項25】 該APLPがAPLP1またはAPL
    P2である請求項24のベクター。
  26. 【請求項26】 アミロイド前駆体様タンパク質をコー
    ド化する組換えDNA分子を含むクローニングベクター
    であって、該ベクターが該組換え分子のアンチセンスR
    NAを発現させるクローニングベクター。
  27. 【請求項27】 該アミロイド前駆体様タンパク質がA
    PLP1またはAPLP2である請求項26のクローニ
    ングベクター。
  28. 【請求項28】 請求項17の組換えDNA分子で形質
    転換された宿主細胞。
  29. 【請求項29】 哺乳動物細胞である請求項28の宿主
    細胞。
  30. 【請求項30】 アミロイド前駆体様タンパク質を製造
    する方法であって、(a)請求項17の組換えDNA分
    子を構築し、(b)上記(a)の該分子で宿主細胞を形質
    転換し、(c)該分子によってコード化されているアミ
    ロイド前駆体様タンパク質を該宿主中で発現させ、
    (d)上記(c)の発現によって生産されたアミロイド前
    駆体様タンパク質を単離することからなる方法。
  31. 【請求項31】 該アミロイド前駆体様タンパク質がA
    PLP1またはAPLP2である請求項30の方法。
  32. 【請求項32】 該宿主が哺乳動物細胞である請求項3
    0の方法。
  33. 【請求項33】 式:QQLRELQRHで表されるペ
    プチド。
  34. 【請求項34】 アミロイド前駆体様タンパク質または
    その断片を特異的に認識する抗体。
  35. 【請求項35】 該アミロイド前駆体様タンパク質がA
    PLP1またはAPLP2である請求項34の抗体。
  36. 【請求項36】 請求項33のペプチドに対して生じた
    抗体である請求項34の抗体。
  37. 【請求項37】 ポリペプチド配列QQLRELQRH
    内のエピトープに対する特異性を有する抗体である請求
    項34項の抗体。
  38. 【請求項38】 ポリクローナル抗体である請求項34
    の抗体。
  39. 【請求項39】 モノクローナル抗体である請求項34
    の抗体。
  40. 【請求項40】 検出可能なようにラベルされている請
    求項34の抗体。
  41. 【請求項41】 該検出可能なラベルが放射性ラベル、
    酵素ラベル、補因子ラベル、蛍光性ラベル、常磁性ラベ
    ルおよび金属ラベルからなる群から選択される請求項4
    0の抗体。
  42. 【請求項42】 ポリペプチド配列QQLRELQRH
    またはその一部配列からなる免疫原性ペプチド断片であ
    って、該配列がAPLP1に特異的な活性抗体の生産を
    誘発するように免疫原性である免疫原性ペプチド断片。
  43. 【請求項43】 免疫原性担体に結合している請求項4
    2の免疫原性ペプチド断片。
  44. 【請求項44】 組織中のアミロイド前駆体様タンパク
    質の存在を検出する方法であって、該組織を請求項40
    の検出可能なようにラベルされている抗体の画像化有効
    量と接触させ、該ラベルを検出することによって該組織
    試料中の該アミロイド前駆体様タンパク質の存在を立証
    することからなる方法。
  45. 【請求項45】 該アミロイド前駆体様タンパク質がA
    PLP1またはAPLP2である請求項44の方法。
  46. 【請求項46】 該組織が組織切片である請求項44の
    方法。
  47. 【請求項47】 該検出をインビボ画像化によって行う
    請求項44の方法。
  48. 【請求項48】 アミロイド前駆体様タンパク質を特異
    的にコードする第2の配列に対して実質上相補的な第1
    の配列からなる、検出可能なようにラベルされているヌ
    クレオチドプローブ。
  49. 【請求項49】 該アミロイド前駆体様タンパク質がA
    PLP1またはAPLP2である請求項48の検出可能
    なようにラベルされているヌクレオチドプローブ。
  50. 【請求項50】 該第2の配列がポリペプチド配列QQ
    LRELQRHまたはその一部配列をコードするヌクレ
    オチド配列である請求項48のヌクレオチドプローブ。
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