JPH06127983A - 合わせガラス用中間膜 - Google Patents
合わせガラス用中間膜Info
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- JPH06127983A JPH06127983A JP28161692A JP28161692A JPH06127983A JP H06127983 A JPH06127983 A JP H06127983A JP 28161692 A JP28161692 A JP 28161692A JP 28161692 A JP28161692 A JP 28161692A JP H06127983 A JPH06127983 A JP H06127983A
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- laminated glass
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- interlayer film
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- film
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- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B32—LAYERED PRODUCTS
- B32B—LAYERED PRODUCTS, i.e. PRODUCTS BUILT-UP OF STRATA OF FLAT OR NON-FLAT, e.g. CELLULAR OR HONEYCOMB, FORM
- B32B17/00—Layered products essentially comprising sheet glass, or glass, slag, or like fibres
- B32B17/06—Layered products essentially comprising sheet glass, or glass, slag, or like fibres comprising glass as the main or only constituent of a layer, next to another layer of a specific material
- B32B17/10—Layered products essentially comprising sheet glass, or glass, slag, or like fibres comprising glass as the main or only constituent of a layer, next to another layer of a specific material of synthetic resin
- B32B17/10005—Layered products essentially comprising sheet glass, or glass, slag, or like fibres comprising glass as the main or only constituent of a layer, next to another layer of a specific material of synthetic resin laminated safety glass or glazing
- B32B17/1055—Layered products essentially comprising sheet glass, or glass, slag, or like fibres comprising glass as the main or only constituent of a layer, next to another layer of a specific material of synthetic resin laminated safety glass or glazing characterized by the resin layer, i.e. interlayer
- B32B17/10559—Shape of the cross-section
- B32B17/10577—Surface roughness
Landscapes
- Laminated Bodies (AREA)
- Joining Of Glass To Other Materials (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 規則的に配列された複数の突出部を両面に形
成してもモアレ模様が出現しない若しくはその出現が低
減された合わせガラス用中間膜を得る。 【構成】 熱可塑性樹脂からなるシート又はフィルムの
両面に複数の突出部を規則的に配列してなる合わせガラ
ス用中間膜において、その両面のうちの一面に配列した
突出部の配列軸と他の一面に配列した突出部の配列軸と
が60±3°又は30±3°の角度をなすようにする。
成してもモアレ模様が出現しない若しくはその出現が低
減された合わせガラス用中間膜を得る。 【構成】 熱可塑性樹脂からなるシート又はフィルムの
両面に複数の突出部を規則的に配列してなる合わせガラ
ス用中間膜において、その両面のうちの一面に配列した
突出部の配列軸と他の一面に配列した突出部の配列軸と
が60±3°又は30±3°の角度をなすようにする。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、合わせガラス用中間膜
に関する。さらに詳しくは、積層体からなる合わせガラ
スの中間層に使用される合わせガラス用中間膜に関す
る。
に関する。さらに詳しくは、積層体からなる合わせガラ
スの中間層に使用される合わせガラス用中間膜に関す
る。
【0002】
【従来の技術】合わせガラスは、強度が大きく破損しに
くいという特長を有し、破損した場合でも破片が飛散し
ない安全なガラス材である。このため、自動車や航空機
等の輸送機器や建築物の窓ガラスとして広く使用されて
いる。この合わせガラスを製造する場合は、2枚のガラ
ス板の間に接着性を有する熱可塑性樹脂からなる中間膜
を挿入し、得られた積層体をまず予備圧着工程で各層間
に残存する空気を排除(脱気)し、次に本圧着工程で完
全に密着させる。
くいという特長を有し、破損した場合でも破片が飛散し
ない安全なガラス材である。このため、自動車や航空機
等の輸送機器や建築物の窓ガラスとして広く使用されて
いる。この合わせガラスを製造する場合は、2枚のガラ
ス板の間に接着性を有する熱可塑性樹脂からなる中間膜
を挿入し、得られた積層体をまず予備圧着工程で各層間
に残存する空気を排除(脱気)し、次に本圧着工程で完
全に密着させる。
【0003】上記合わせガラスに用いられる中間膜は、
予備圧着時の脱気性が良好であること、保管時に中間膜
同士のブロッキングが生じないこと、2枚のガラス板の
間に挿入する際のすべりの良さが適度である等、保管時
の取扱い性や合わせガラスの製造時における作業性が良
好であることが要求される。特に予備圧着時における脱
気性は合わせガラスの品質を左右し、脱気が不十分であ
ると得られた合わせガラスの透明性が不十分であった
り、促進試験をすると気泡が生じたりすることがある。
予備圧着時の脱気性が良好であること、保管時に中間膜
同士のブロッキングが生じないこと、2枚のガラス板の
間に挿入する際のすべりの良さが適度である等、保管時
の取扱い性や合わせガラスの製造時における作業性が良
好であることが要求される。特に予備圧着時における脱
気性は合わせガラスの品質を左右し、脱気が不十分であ
ると得られた合わせガラスの透明性が不十分であった
り、促進試験をすると気泡が生じたりすることがある。
【0004】上記のような脱気性等を含む中間膜の綜合
性能は、素材である熱可塑性樹脂の種類や粘弾性等の物
性によって左右されるが、この物性を固定して考える
と、中間膜の表面形状がその綜合性能を決定する大きな
要因となる。
性能は、素材である熱可塑性樹脂の種類や粘弾性等の物
性によって左右されるが、この物性を固定して考える
と、中間膜の表面形状がその綜合性能を決定する大きな
要因となる。
【0005】特に、エンボスと呼ばれる多数の微細な凹
凸を中間膜の表面に形成すると効果があることが知ら
れ、表面にエンボスが形成された中間膜が従来より使用
されている。エンボスの形態としては、例えば凹凸をラ
ンダムに形成したものや、格子状の多数の条溝を形成し
たもの等がある。
凸を中間膜の表面に形成すると効果があることが知ら
れ、表面にエンボスが形成された中間膜が従来より使用
されている。エンボスの形態としては、例えば凹凸をラ
ンダムに形成したものや、格子状の多数の条溝を形成し
たもの等がある。
【0006】このエンボスの形態は中間膜の綜合性能を
左右し、特に突出部の形状、突出部の大きさ(凸部の底
辺径)、突出部の間隔(ピッチ)、粗さ等の影響が大き
い。この突出部は、必ずしも規則的に配列している必要
はないが、彫刻、ヘリオ蝕刻、エッチング等の加工を施
したエンボスロールによりエンボスを付与する場合に
は、エンボスロールの谷配列はランダムな配列より規則
性のある配列(中間膜における山配列)の方が機械的に
加工し易く、山配列の再現性が得やすい場合がある。
左右し、特に突出部の形状、突出部の大きさ(凸部の底
辺径)、突出部の間隔(ピッチ)、粗さ等の影響が大き
い。この突出部は、必ずしも規則的に配列している必要
はないが、彫刻、ヘリオ蝕刻、エッチング等の加工を施
したエンボスロールによりエンボスを付与する場合に
は、エンボスロールの谷配列はランダムな配列より規則
性のある配列(中間膜における山配列)の方が機械的に
加工し易く、山配列の再現性が得やすい場合がある。
【0007】例えば、特公平1−32776号公報に
は、シート表面に多数の独立した突起(エンボス)が形
成されてなる中間膜が開示されている。この中間膜にお
いては、エンボスが規則的に配列され、各凹部が整列し
ているので、空気が通り易い構成となっている。この構
成により、予備圧着工程における脱気性の向上を図って
いる。
は、シート表面に多数の独立した突起(エンボス)が形
成されてなる中間膜が開示されている。この中間膜にお
いては、エンボスが規則的に配列され、各凹部が整列し
ているので、空気が通り易い構成となっている。この構
成により、予備圧着工程における脱気性の向上を図って
いる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記のような規則的に
配列されたエンボスは、上記公報では中間膜の少なくと
も片面に形成すればよいとしているが、予備圧着時にお
ける良好な脱気性を得るには、エンボスを中間膜の両面
に形成することが不可欠である。
配列されたエンボスは、上記公報では中間膜の少なくと
も片面に形成すればよいとしているが、予備圧着時にお
ける良好な脱気性を得るには、エンボスを中間膜の両面
に形成することが不可欠である。
【0009】しかし、中間膜の両面にエンボスを規則的
に配列すると、モアレ模様といわれる縞状の回折像が出
現することがある。このモアレ模様が生じると、中間膜
の外観上の不具合となるばかりでなく、ガラス板と中間
膜の合わせ作業時において干渉縞が変化すること等によ
り作業者の目を疲れさせ、作業性の低下を招くという問
題点があった。
に配列すると、モアレ模様といわれる縞状の回折像が出
現することがある。このモアレ模様が生じると、中間膜
の外観上の不具合となるばかりでなく、ガラス板と中間
膜の合わせ作業時において干渉縞が変化すること等によ
り作業者の目を疲れさせ、作業性の低下を招くという問
題点があった。
【0010】そこで本発明は、規則的に配列されたエン
ボスが両面に形成されていても、モアレ模様が出現しな
い、若しくは不具合とならない程度までモアレ模様の出
現を低減した合わせガラス用中間膜を提供することを目
的とする。
ボスが両面に形成されていても、モアレ模様が出現しな
い、若しくは不具合とならない程度までモアレ模様の出
現を低減した合わせガラス用中間膜を提供することを目
的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するべく鋭意研究をした結果、エンボスが両面に
規則的に配列されている場合でも、その互いの配列軸が
所定の角度差をなすように設定することにより、モアレ
模様が出現しないか若しくは出現しても不具合とならな
い程度に低減することを見出し、本発明を完成させたも
のである。
を解決するべく鋭意研究をした結果、エンボスが両面に
規則的に配列されている場合でも、その互いの配列軸が
所定の角度差をなすように設定することにより、モアレ
模様が出現しないか若しくは出現しても不具合とならな
い程度に低減することを見出し、本発明を完成させたも
のである。
【0012】すなわち本発明は、熱可塑性樹脂からなる
シート又はフィルムの両面に複数の突出部を規則的に配
列してなる合わせガラス用中間膜において、その両面の
うちの一面に配列した突出部の配列軸と他の一面に配列
した突出部の配列軸とが60±3°又は30±3°のい
ずれかの角度をなすことを特徴とする合わせガラス用中
間膜を提供するものである。
シート又はフィルムの両面に複数の突出部を規則的に配
列してなる合わせガラス用中間膜において、その両面の
うちの一面に配列した突出部の配列軸と他の一面に配列
した突出部の配列軸とが60±3°又は30±3°のい
ずれかの角度をなすことを特徴とする合わせガラス用中
間膜を提供するものである。
【0013】本発明の中間膜において、熱可塑性樹脂か
らなるシート又はフィルム(以下シートという。)の表
面に形成する突出部の形状は、円錐、角錐、擬錐体、角
柱、円柱等の柱体等、特に限定されることなく種々の形
状を採用することができる。
らなるシート又はフィルム(以下シートという。)の表
面に形成する突出部の形状は、円錐、角錐、擬錐体、角
柱、円柱等の柱体等、特に限定されることなく種々の形
状を採用することができる。
【0014】また、突出部の高さ、底辺径、間隔(ピッ
チ)は、合わせ加工時の脱気性(シール性、エアー溜ま
り限度)、作業性(中間膜同士のブロッキング防止、中
間膜とガラス板との適度な滑り)等を考慮して適宜変更
することができるが、モアレ模様の解消のためには、底
辺径は小さい方が好ましく、ピッチは大きい方が好まし
い。一般的には、高さ5〜500μm、底辺長30〜9
00μm、ピッチ100〜1000μmの範囲が好まし
いが、特にこれらに限定されるものではない。
チ)は、合わせ加工時の脱気性(シール性、エアー溜ま
り限度)、作業性(中間膜同士のブロッキング防止、中
間膜とガラス板との適度な滑り)等を考慮して適宜変更
することができるが、モアレ模様の解消のためには、底
辺径は小さい方が好ましく、ピッチは大きい方が好まし
い。一般的には、高さ5〜500μm、底辺長30〜9
00μm、ピッチ100〜1000μmの範囲が好まし
いが、特にこれらに限定されるものではない。
【0015】突出部の規則的な配列としては種々のもの
が考えられるが、例えば、図1に図示するように、千鳥
格子状の規則正しい配列の他、行・列共に位相ずれのな
い格子状の規則正しい配列が挙げられる。なお、中間膜
の脱気性等を含む綜合的な品質を向上するために、2種
以上の異なる大きさのエンボスをシートの表面に施す場
合も、主たるエンボスが規則的に配列されている限り本
発明の効果が得られる。
が考えられるが、例えば、図1に図示するように、千鳥
格子状の規則正しい配列の他、行・列共に位相ずれのな
い格子状の規則正しい配列が挙げられる。なお、中間膜
の脱気性等を含む綜合的な品質を向上するために、2種
以上の異なる大きさのエンボスをシートの表面に施す場
合も、主たるエンボスが規則的に配列されている限り本
発明の効果が得られる。
【0016】エンボスをシートの表面上に形成する方法
としては、例えばエンボスロールによる方法や成形法等
が挙げられるが、特にこれらに限定されるものではな
い。
としては、例えばエンボスロールによる方法や成形法等
が挙げられるが、特にこれらに限定されるものではな
い。
【0017】シートの素材となる熱可塑性樹脂として
は、例えば、ポリビニルブチラール、ポリウレタン、ポ
リ塩化ビニル−エチレン共重合体、塩化ビニル−エチレ
ン−グリシジルメタクリレート共重合体、塩化ビニル−
エチレン−グリシジルアクリレート共重合体、塩化ビニ
ル−グリシジルメタクリレート共重合体、塩化ビニル−
グリシジルアクリレート共重合体、ポリ塩化ビニリデ
ン、ポリ塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、
ポリ酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリ
ビニルアセタール−ポリビニルブチラール混合物等のビ
ニル系樹脂を挙げることができる。これらの中では、特
にポリビニルブチラール、ポリウレタン及び塩化ビニル
−エチレン−グリシジルメタクリレート共重合体が好ま
しく用いられる。
は、例えば、ポリビニルブチラール、ポリウレタン、ポ
リ塩化ビニル−エチレン共重合体、塩化ビニル−エチレ
ン−グリシジルメタクリレート共重合体、塩化ビニル−
エチレン−グリシジルアクリレート共重合体、塩化ビニ
ル−グリシジルメタクリレート共重合体、塩化ビニル−
グリシジルアクリレート共重合体、ポリ塩化ビニリデ
ン、ポリ塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、
ポリ酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリ
ビニルアセタール−ポリビニルブチラール混合物等のビ
ニル系樹脂を挙げることができる。これらの中では、特
にポリビニルブチラール、ポリウレタン及び塩化ビニル
−エチレン−グリシジルメタクリレート共重合体が好ま
しく用いられる。
【0018】次に、このようなビニル系樹脂の組成物に
混練りする可塑剤としては、例えばジオクチルフタレー
ト、ジブチルフタレート、アジピン酸−ジ−2−エチル
ヘキシル、アジピン酸ジイソデシル、エポキシ脂肪酸モ
ノエステル、トリエチレングリコール−ジ−2−エチル
ブチレート、トリエチレングリコール−ジ−2−エチル
ヘキソエート、セバシン酸ジブチル、ジブチルセバケー
ト等を挙げることができるが、特にこれらに限定される
ものではない。この可塑剤の配合量は、ビニル系樹脂に
体して20〜45重量%の範囲が好ましい。
混練りする可塑剤としては、例えばジオクチルフタレー
ト、ジブチルフタレート、アジピン酸−ジ−2−エチル
ヘキシル、アジピン酸ジイソデシル、エポキシ脂肪酸モ
ノエステル、トリエチレングリコール−ジ−2−エチル
ブチレート、トリエチレングリコール−ジ−2−エチル
ヘキソエート、セバシン酸ジブチル、ジブチルセバケー
ト等を挙げることができるが、特にこれらに限定される
ものではない。この可塑剤の配合量は、ビニル系樹脂に
体して20〜45重量%の範囲が好ましい。
【0019】上記熱可塑性樹脂組成物から合わせガラス
用中間膜へ成形する方法としては、例えばカレンダーロ
ール法、押出し法、キャスティング法、インフレーショ
ン法等の任意の公知の方法を採用することができる。ま
た、シート成形に際して、必要に応じてシートに熱安定
剤、酸化防止剤等を配合してもよい。さらに、高耐貫通
性を与えるために、接着力調整剤、例えば金属塩等を配
合してもよい。
用中間膜へ成形する方法としては、例えばカレンダーロ
ール法、押出し法、キャスティング法、インフレーショ
ン法等の任意の公知の方法を採用することができる。ま
た、シート成形に際して、必要に応じてシートに熱安定
剤、酸化防止剤等を配合してもよい。さらに、高耐貫通
性を与えるために、接着力調整剤、例えば金属塩等を配
合してもよい。
【0020】本発明の合わせガラス用中間膜は、種々の
積層構造からなる合わせガラスに使用することができ
る。例えば、ガラス−中間膜−ガラス、ガラス−中間膜
−ガラス−中間膜−熱可塑性樹脂層、ガラス−中間膜−
熱可塑性樹脂層、熱可塑性樹脂層−中間膜−ガラス−中
間膜−熱可塑性樹脂等の積層構造を有する合わせガラス
に用いることができるが、特にこれらに限定されるもの
ではない。
積層構造からなる合わせガラスに使用することができ
る。例えば、ガラス−中間膜−ガラス、ガラス−中間膜
−ガラス−中間膜−熱可塑性樹脂層、ガラス−中間膜−
熱可塑性樹脂層、熱可塑性樹脂層−中間膜−ガラス−中
間膜−熱可塑性樹脂等の積層構造を有する合わせガラス
に用いることができるが、特にこれらに限定されるもの
ではない。
【0021】
【作用】エンボスが規則的に配列された中間膜の表面は
回折面を構成し、方向又は格子定数が多少異なる2面の
回折面の組を電子顕微鏡やX線回折顕微鏡で観察する
と、問題となるモアレ模様を観察することができる。こ
のモアレ模様は、モアレ像干渉縞に類似した性質を有す
る縞状の回折像であり、回折面同士の相互の干渉効果に
よって生じるものである。このモアレ模様は、規則模様
の薄い布地を重ねて透視したり、網版の印刷物を再び格
子状スクリーンに掛けて網版を作る時等においても観察
される。
回折面を構成し、方向又は格子定数が多少異なる2面の
回折面の組を電子顕微鏡やX線回折顕微鏡で観察する
と、問題となるモアレ模様を観察することができる。こ
のモアレ模様は、モアレ像干渉縞に類似した性質を有す
る縞状の回折像であり、回折面同士の相互の干渉効果に
よって生じるものである。このモアレ模様は、規則模様
の薄い布地を重ねて透視したり、網版の印刷物を再び格
子状スクリーンに掛けて網版を作る時等においても観察
される。
【0022】そこで我々は、エンボスロールの加工が容
易で、再現性よくエンボスを形成でき、且つモアレ模様
が出現しない若しくは出現が減少した規則配列されたエ
ンボスを表裏両面に施した合わせガラス用中間膜を得る
ため、鋭意工夫を重ねた結果、中間膜の表裏に形成する
エンボスの相互の配列軸の角度差がモアレ模様による不
具合を改善する鍵となることを見出した。
易で、再現性よくエンボスを形成でき、且つモアレ模様
が出現しない若しくは出現が減少した規則配列されたエ
ンボスを表裏両面に施した合わせガラス用中間膜を得る
ため、鋭意工夫を重ねた結果、中間膜の表裏に形成する
エンボスの相互の配列軸の角度差がモアレ模様による不
具合を改善する鍵となることを見出した。
【0023】図1は、本発明の合わせガラス用中間膜の
表裏両面に形成するエンボス配列を模式的に示し、図の
破線を挟んで左右にそれぞれ表面に形成した突出部1及
び裏面に形成した突出部2の配列を示している。ここ
で、表裏両面の配列軸の角度差αが60±3°又は30
±3°である場合にモアレ模様が観察されず、あるいは
その出現が大幅に減少する。
表裏両面に形成するエンボス配列を模式的に示し、図の
破線を挟んで左右にそれぞれ表面に形成した突出部1及
び裏面に形成した突出部2の配列を示している。ここ
で、表裏両面の配列軸の角度差αが60±3°又は30
±3°である場合にモアレ模様が観察されず、あるいは
その出現が大幅に減少する。
【0024】図2は、表面に形成した突出部1と裏面に
形成した突出部2とを重ね合せて観察した様子を模式的
に示すものである。各突出部の間隔(ピッチ)の約2倍
程度の小さい径の多角形(図の破線で示した各図形)の
内部では、干渉が極めて小さく限定され、中間膜全体を
目視観察しても、モアレ模様は観察されない。
形成した突出部2とを重ね合せて観察した様子を模式的
に示すものである。各突出部の間隔(ピッチ)の約2倍
程度の小さい径の多角形(図の破線で示した各図形)の
内部では、干渉が極めて小さく限定され、中間膜全体を
目視観察しても、モアレ模様は観察されない。
【0025】
【実施例】エンボス配列、突出部のピッチ、突出部の高
さ、突出部の形状、突出部の底辺長、サブエンボスの有
無を種々の条件に設定して中間膜を作製し、モアレ模様
の出現の有無、中間膜の外観の不具合及びブロッキング
性を調べた。なお、モアレ模様の出現の有無及び外観の
不具合は目視により判定した。また、エンボス形状の観
察及びピッチの測定は顕微鏡観察により行い、表面粗さ
(突出部高さ)の測定は触針式表面粗さ計を用いて行っ
た。さらにブロッキング性は、中間膜を100mm×2
5mmの長方形に2枚裁断して積み重ね、その上に2k
gの荷重を乗せ、25時間放置した後、引っ張り試験に
より180°ピール剥離力(n=3の平均値)を測定す
ることにより評価した。この場合、値が大きい程接着力
が大きく、作業性が悪いことを示す。
さ、突出部の形状、突出部の底辺長、サブエンボスの有
無を種々の条件に設定して中間膜を作製し、モアレ模様
の出現の有無、中間膜の外観の不具合及びブロッキング
性を調べた。なお、モアレ模様の出現の有無及び外観の
不具合は目視により判定した。また、エンボス形状の観
察及びピッチの測定は顕微鏡観察により行い、表面粗さ
(突出部高さ)の測定は触針式表面粗さ計を用いて行っ
た。さらにブロッキング性は、中間膜を100mm×2
5mmの長方形に2枚裁断して積み重ね、その上に2k
gの荷重を乗せ、25時間放置した後、引っ張り試験に
より180°ピール剥離力(n=3の平均値)を測定す
ることにより評価した。この場合、値が大きい程接着力
が大きく、作業性が悪いことを示す。
【0026】[実施例1]可塑化ポリビニルブチラール
製シートの両表面にエンボスロールを用いて突出部を形
成して中間膜を作製した。突出部の配列は規則的な千鳥
格子状で、表裏の突出部の配列方向には30°の角度差
を付けてある。さらに、中間膜のブロッキング防止、合
わせ加工時のシール先行防止のため、ランダムなサブエ
ンボスが施してある。各条件を表1に示す。
製シートの両表面にエンボスロールを用いて突出部を形
成して中間膜を作製した。突出部の配列は規則的な千鳥
格子状で、表裏の突出部の配列方向には30°の角度差
を付けてある。さらに、中間膜のブロッキング防止、合
わせ加工時のシール先行防止のため、ランダムなサブエ
ンボスが施してある。各条件を表1に示す。
【0027】
【表1】 表1において、突出部のピッチ、高さ、形状、底辺長の
項の上段及び下段はそれぞれ中間膜の表及び裏の突出部
の条件を示す。
項の上段及び下段はそれぞれ中間膜の表及び裏の突出部
の条件を示す。
【0028】[実施例2]実施例1において突出部の形
状及びピッチを表1に示すように変更し、配列方向角度
差を60°とした以外は実施例1と同じ条件で中間膜を
作製した。 [実施例3]実施例2において材質をポリウレタン製に
変更し、サブエンボスを施さない以外は実施例2と同じ
条件で中間膜を作製した。
状及びピッチを表1に示すように変更し、配列方向角度
差を60°とした以外は実施例1と同じ条件で中間膜を
作製した。 [実施例3]実施例2において材質をポリウレタン製に
変更し、サブエンボスを施さない以外は実施例2と同じ
条件で中間膜を作製した。
【0029】[比較例1]実施例1においてメインのエ
ンボスを千鳥格子状配列で且つ表裏の配列方向を同じと
した以外は実施例1と同じ条件で中間膜を作製した。 [比較例2]実施例2においてメインのエンボスを千鳥
格子状配列で且つ表裏の配列方向を同じとした以外は実
施例2と同じ条件で中間膜を作製した。 [比較例3]実施例3においてメインのエンボスを千鳥
格子状配列で且つ表裏の配列方向を同じとした以外は実
施例3と同じ条件で中間膜を作製した。
ンボスを千鳥格子状配列で且つ表裏の配列方向を同じと
した以外は実施例1と同じ条件で中間膜を作製した。 [比較例2]実施例2においてメインのエンボスを千鳥
格子状配列で且つ表裏の配列方向を同じとした以外は実
施例2と同じ条件で中間膜を作製した。 [比較例3]実施例3においてメインのエンボスを千鳥
格子状配列で且つ表裏の配列方向を同じとした以外は実
施例3と同じ条件で中間膜を作製した。
【0030】表2に上記各実施例及び比較例の中間膜の
特性を示す。
特性を示す。
【0031】
【表2】
【0032】表2から分かるように、表裏のエンボスの
配列軸の角度差が30°又は60°に設定されている各
実施例の中間膜はいずれもモアレ模様及び外観不具合が
無かったのに対し、配列軸の角度差の無い各比較例の中
間膜はいずれもモアレ模様が明瞭に確認され、外観不具
合も生じていた。なお、ブロッキング性はサブエンボス
の有無によって大きく左右されることも確認できた。
配列軸の角度差が30°又は60°に設定されている各
実施例の中間膜はいずれもモアレ模様及び外観不具合が
無かったのに対し、配列軸の角度差の無い各比較例の中
間膜はいずれもモアレ模様が明瞭に確認され、外観不具
合も生じていた。なお、ブロッキング性はサブエンボス
の有無によって大きく左右されることも確認できた。
【0033】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、エ
ンボスロール等の加工が施し易く、形状再現性の良い規
則配列のエンボスを表裏両面に形成した合わせガラス用
中間膜であって、モアレ模様が出現しない若しくはその
出現が大幅に低減された合わせガラス用中間膜を得るこ
とができた。
ンボスロール等の加工が施し易く、形状再現性の良い規
則配列のエンボスを表裏両面に形成した合わせガラス用
中間膜であって、モアレ模様が出現しない若しくはその
出現が大幅に低減された合わせガラス用中間膜を得るこ
とができた。
【図1】本発明の合わせガラス用中間膜の表裏両面に形
成するエンボスの配列軸方向を示す説明図である。
成するエンボスの配列軸方向を示す説明図である。
【図2】本発明の合わせガラス用中間膜の表裏両面に形
成するエンボスの配列を重ね合わせた様子を示す説明図
である。
成するエンボスの配列を重ね合わせた様子を示す説明図
である。
1,2 突出部
Claims (1)
- 【請求項1】 熱可塑性樹脂からなるシート又はフィル
ムの両面に複数の突出部を規則的に配列してなる合わせ
ガラス用中間膜において、その両面のうちの一面に配列
した突出部の配列軸と他の一面に配列した突出部の配列
軸とが60±3°又は30±3°のいずれかの角度をな
すことを特徴とする合わせガラス用中間膜。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28161692A JPH06127983A (ja) | 1992-10-20 | 1992-10-20 | 合わせガラス用中間膜 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28161692A JPH06127983A (ja) | 1992-10-20 | 1992-10-20 | 合わせガラス用中間膜 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06127983A true JPH06127983A (ja) | 1994-05-10 |
Family
ID=17641617
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP28161692A Pending JPH06127983A (ja) | 1992-10-20 | 1992-10-20 | 合わせガラス用中間膜 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06127983A (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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KR20210040557A (ko) | 2019-10-04 | 2021-04-14 | 에스케이씨 주식회사 | 유리접합용 필름 및 이를 포함하는 광투과 적층체 |
-
1992
- 1992-10-20 JP JP28161692A patent/JPH06127983A/ja active Pending
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