JPH06126A - 調理器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 炊飯器の鍋の載置構造に関し、安価でかつ確
実な鍋の回転防止と位置決め構成を得ることを目的とす
る。 【構成】 台座部９とガイド部１０と爪部１１と耐熱性
ゴム製の当接ゴム１３を一体に形成した上枠キャップ８
を上枠３に爪係合することにより、組み立て作業性が良
く耐熱性樹脂の使用量が少なく安価な構成で、確実に内
鍋１の回転防止と位置規制ができる構造を得ることがで
きる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、主に家庭で使用される
炊飯器などの調理器に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】近年、炊飯器には内鍋自身を発熱させる
電磁誘導加熱方式が増えつつある。

【０００３】従来、この種の炊飯器は図６に示すような
構造が知られている。以下、その構成について図を参照
しながら説明する。

【０００４】図５および図６において、内鍋５１は加熱
コイル５２によって電磁誘導加熱され発熱する。前記内
鍋５１上部のフランジ部５３の下方には上枠５４が備え
られており、この上枠５４は前記内鍋５１の外形より若
干大きい径の開口部５５と、この開口部５５から上方に
突出して前記内鍋５１のフランジ部５３に対向するリン
グ部５６を一体に形成している。前記リング部５６の上
面には、耐熱性ゴムにて形成された当接ゴム５７がリン
グ部５６から若干突出して埋設されており、前記内鍋５
１のフランジ部５３に当接して内鍋５１を支持してい
る。

【０００５】上記の様に構成された炊飯器において、加
熱コイル５２に通電すると電磁誘導加熱により内鍋５１
が発熱し炊飯を行う。また、炊飯終了後内鍋５１内のご
飯をほぐす操作をしたりするときに、当接ゴム５７によ
り内鍋５１が回転するのを防止している。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記の従
来の炊飯器では、当接ゴム５７は弾力性があるため内鍋
５１の重量により上から圧縮され、内鍋５１のフランジ
部５３が上枠５４のリング部５６に直接当接して内鍋５
１の回転防止効果がなくなったり、内鍋５１とリング部
５６との径寸法の差によって発生する隙間により内鍋５
１の径方向の位置が変化し、内鍋５１と加熱コイル５２
との位置関係が変わって加熱ムラがおこったりするもの
であった。

【０００７】さらには、前述のように内鍋５１と上枠５
４とが接触する可能性が高く、電磁誘導加熱のため内鍋
５１の表面温度も高温となるため、上枠５４は耐熱性樹
脂にて形成する必要があり、かつ当接ゴム５７の弾力性
のため上枠５４への挿入作業性が悪くかつ抜けやすいと
いう欠点があった。

【０００８】本発明は上記従来の問題を解決するもの
で、確実に内鍋の回転防止効果があり、かつ内鍋と加熱
コイルとの位置が変化することが少ない炊飯器を提供す
ることを目的としている。

【０００９】

【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
めに本発明は、米と水とを入れる内鍋と、前記内鍋を加
熱する加熱コイルと、前記内鍋の上端に設けたフランジ
の下方に位置する上枠と、前記上枠の上端に装着され前
記内鍋を載置する上枠キャップと、前記上枠キャップの
下部に形成され、前記内鍋の側部に当接する当接ゴムと
を備え、前記上枠キャップは耐熱性樹脂で形成し、前記
内鍋のフランジ部に当接する台座部と、前記上枠に装着
する爪部とガイド部とを有し、前記ガイド部の下方に
は、耐熱性ゴム製の当接ゴムを設けたものである。

【００１０】また本発明は、上枠キャップの台座部の下
方部とガイド部と、当接ゴムとを、耐熱性ゴムで形成す
ることができるものである。

【００１１】また本発明は、上枠キャップに前記内鍋に
対向して突出する当接部を形成し、少なくとも前記上枠
キャップの当接部と台座部とを、耐熱性ゴムでコーティ
ングすることができるものである。

【００１２】

【作用】本発明は、耐熱性樹脂製の上枠キャップを、一
般樹脂製の上枠に挿入爪で係合しており、この上枠キャ
ップは内鍋のフランジ部に当接する台座部と上枠に挿入
ガイドをするガイド部と上枠に係止する爪部で構成され
ており、さらにはガイド部の下方には内鍋の側面に当接
する耐熱性ゴム製の当接ゴムを設けたため、上枠キャッ
プを上枠に挿入する作業性が良く、また爪係合のため抜
けにくいものである。さらには上枠キャップ以外は耐熱
性樹脂を使用する必要がなく安価であり、内鍋の回り止
め効果や加熱コイルとの位置関係が変化しないで位置規
制を確実なものとすることができる。

【００１３】また、上枠キャップの台座部の下方部とガ
イド部と当接ゴムとを耐熱性ゴムにて上枠キャップと一
体に形成した場合には、より効果的な内鍋の回転防止お
よび位置決めができ、また上枠キャップと上枠との隙間
からの水漏れを防止できるものである。

【００１４】また、上枠キャップに内鍋に対向する当接
部を形成し、少なくとも当接部と台座部とを耐熱ゴムで
コーティングした場合には、上枠キャップを耐熱性樹脂
にて形成する必要がなく、非常に安価な構成でかつ効果
的な回り止め効果を得ることができるものである。

【００１５】

【実施例】以下、本発明の一実施例について図面を参照
しながら説明する。

【００１６】（実施例１）図１および図２において、内
部に内鍋１を有する炊飯器本体２の内部は、前記内鍋１
を保持する樹脂製の上枠３と金属材を円筒状に形成した
保護枠胴４と非金属材料で椀状に形成された下保護枠５
で構成している。前記上枠３は前記内鍋１の外径より若
干大きい開口部６を有し、この開口部６に設けた挿入穴
７に耐熱性樹脂にて形成した上枠キャップ８を爪係合し
ている。前記上枠キャップ８は、台座部９とガイド部１
０と爪部１１とで構成されており、台座部９は前記内鍋
１の上端に形成されたフランジ部１２に当接してその上
に内鍋１を載置している。ガイド部１０は前記上枠３の
挿入穴７にガイドして上枠キャップ８を挿入し、爪部１
１によって上枠キャップ８を上枠３に爪で固定してい
る。前記ガイド部１０の下部には、耐熱性ゴムにて舌片
状に形成された当接ゴム１３をインサート成型等により
一体に形成されており、この当接ゴム１３は前記内鍋１
に当接して設けられている。前記保護枠５の外面には前
記内鍋１の底部と対向して加熱コイル１４を配置してお
り、制御部１５により通電を制御して内鍋１の外面を加
熱して、加熱調理を行う。また前記内鍋１の上部には蓋
体１６が開閉自在に備えられている。

【００１７】上記構成において、内鍋１を炊飯器本体２
にセットするとき上枠３の開口部６に挿入するが、この
開口部６は内鍋１の外径より若干大きい径を有してお
り、かつ上枠６に装着された上枠キャップ８の当接ゴム
１３が内方向に突出しているため当接ゴム１３の弾性力
を受けながら内鍋１を装着することとなる。また、この
時内鍋１は上枠キャップ８の台座部９にフランジ部１２
を当接させて載置される。したがって、内鍋１は上枠３
と径方向に均一な隙間を設け、かつ上枠キャップ８と当
接ゴム１３以外とは接触せずに保持される。

【００１８】このように本発明の実施例によれば、耐熱
性ゴムにて形成され内鍋１の側部に当接する当接ゴム１
３を、耐熱性樹脂にて形成された上枠キャップ８に一体
に形成して、爪係合により上枠３に挿入装着しているた
め、組み立て作業性が良くまた抜けにくい構造で、確実
に内鍋１の回り止め効果と、加熱コイルと内鍋との位置
規制ができるものである。さらには、上枠キャップ８以
外は耐熱性樹脂を使用する必要がない。なお、この上枠
キャップ８は上枠の複数個所に設けることができるもの
である。そして特に内鍋と加熱コイルとの位置関係がズ
レることを防止できるものである。

【００１９】（実施例２）図３において、実施例１と同
一のものについては同一の符号を付して説明を省略す
る。

【００２０】耐熱性樹脂で形成された上枠キャップ８は
台座部９と爪部１１とを一体に形成しており、台座部９
の下方には耐熱性ゴムで成型された当接ゴム１３をイン
サート等により一体に形成している。前記当接ゴム１３
は前記台座部９の下部に密着するシール部１７と共に上
枠キャップ８を上枠３の挿入穴７に挿入するときのガイ
ドとなり、かつ上枠３から径方向に若干突出し内鍋１の
側部に当接する当接部１８とを一体に形成している。前
記上枠キャップ８は、上枠３の挿入穴７に挿入され、爪
部１１により上枠３に爪係合され確実に装着される。

【００２１】上記構成においては、当接ゴム１３のシー
ル部１７と当接部１８により上枠キャップ８と上枠３の
挿入穴７とがゴム弾性により隙間なくシールされ上枠キ
ャップ８が装着されるため、上枠キャップ８からの水漏
れがなく、また当接ゴム１３にてガイド部を兼ねている
ため構成が簡素化され当接部１８も強固となり、より確
実に内鍋１の回り止めと位置規制ができるものである。

【００２２】なお、本実施例２では炊飯器を例としたの
であるが、炊飯以外の調理を行うことができる調理器に
本実施例を適用することができる。

【００２３】（実施例３）図４において、樹脂材料で形
成された上枠キャップ８は台座部９と爪部１１と当接部
１８とを一体に形成しており、台座部９は内鍋１のフラ
ンジ部１２と当接してその上に内鍋１を載置している。
爪部１１は上枠３の挿入穴７を介して上枠キャップ８を
上枠３に爪係合する。当接部１８は上枠キャップ８を挿
入穴７に挿入するときのガイドとなり、かつ上枠３から
径方向に若干突出している。前記上枠キャップ８の台座
部９と当接部１８は耐熱性ゴムにて表面をコーティング
されており、このコーティング部１９が内鍋１と直接当
接し、内鍋１の回り止めと上枠キャップ８と上枠３との
防水と上枠キャップ８の耐熱保護を行っている。

【００２４】上記構成においては、上枠キャップ８の台
座部９と当接部１８を耐熱性ゴムにてコーティングして
コーティング部１９を形成しているため、上枠キャップ
８を内鍋１から熱的に保護しているため、上枠キャップ
８は耐熱性樹脂を使用する必要がなく非常に安価な構成
とすることができる。また上枠キャップ８と上枠３との
シール効果もでき水の浸入を防止できるものである。さ
らに内鍋１に対しては台座部９と当接部１８のコーティ
ング部１９が当接しているため、内鍋１の回り止め効果
および位置規制がより確実なものとなる。

【００２５】

【発明の効果】以上の実施例から明らかなように本発明
においては、米と水とを入れる内鍋と、前記内鍋を加熱
する加熱装置と、前記内鍋の上端に設けたフランジの下
方に位置する上枠と、前記上枠の上端に装着され前記内
鍋を載置する上枠キャップと、前記上枠キャップの下部
に形成され、前記内鍋の側部に当接する当接ゴムとを備
え、前記上枠キャップは耐熱性樹脂で形成し、前記内鍋
のフランジ部に当接する台座部と、前記上枠に装着する
爪部とガイド部とからなり、前記ガイド部の下方には、
耐熱性ゴムで形成した当接ゴムを一体に形成したことに
より、その当接ゴムにより確実に内鍋の回転防止効果が
あり、かつ内鍋と加熱コイルとの位置決めができるもの
である。

【００２６】また、上枠キャップの台座部の下の一部と
ガイド部と、当接ゴムとを、耐熱性ゴムで形成した場合
には、より効果的な内鍋の回転防止および位置決めがで
き、また上枠キャップと上枠との隙間からの水漏れを防
止できるものである。

【００２７】また、上枠キャップに、内鍋に対向して突
出する当接部を形成し、少なくとも前記上枠キャップの
当接部と台座部とを、耐熱性ゴムでコーティングした場
合には、上枠キャップを耐熱性樹脂にて形成する必要が
なく、非常に安価な構成でかつより効果的な回り止め効
果を得ることができるものである。また上枠キャップと
上枠とのシール効果もできるものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例１における炊飯器の鍋の載置部
の拡大斜視図

【図２】同実施例１における炊飯器の一部縦断面図

【図３】同実施例２における炊飯器の鍋の載置部の拡大
斜視図

【図４】同実施例２における炊飯器の鍋の載置部の拡大
斜視図

【図５】従来の炊飯器の鍋の載置部の拡大縦断面図

【図６】同炊飯器の一部縦断面図

【符号の説明】

１ 内鍋 ３ 上枠 ８ 上枠キャップ ９ 台座部 １０ ガイド部 １１ 爪部 １２ フランジ部 １３ 当接ゴム １４ 加熱コイル １７ シール部 １８ 当接部 １９ コーティング部

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 米と水とを入れる内鍋と、前記内鍋を加
   熱する電磁誘導加熱コイルと、前記内鍋の上端に設けた
   フランジの下方に位置する上枠と、前記上枠の上端に装
   着され前記内鍋を載置する上枠キャップと、前記上枠キ
   ャップの下部に形成され、前記内鍋の側部に当接する当
   接ゴムとを備え、前記上枠キャップは耐熱性樹脂で形成
   され、前記内鍋のフランジ部に当接する台座部と、前記
   上枠に装着する爪部とガイド部とを有し、前記ガイド部
   の下方には、耐熱性ゴムで形成した当接ゴムを設けた調
   理器。
2. 【請求項２】 上枠キャップの台座部の下部とガイド部
   と、当接ゴムとを、耐熱性ゴムで形成し、前記上枠キャ
   ップと一体に形成した請求項１記載の調理器。
3. 【請求項３】 上枠キャップには、内鍋に対向して突出
   する当接部を形成し、前記上枠キャップの当接部と台座
   部には、耐熱性ゴムでコーティングを施した請求項１記
   載の調理器。