JPH06123308A - プロペラシャフト - Google Patents

プロペラシャフト

Info

Publication number
JPH06123308A
JPH06123308A JP29799192A JP29799192A JPH06123308A JP H06123308 A JPH06123308 A JP H06123308A JP 29799192 A JP29799192 A JP 29799192A JP 29799192 A JP29799192 A JP 29799192A JP H06123308 A JPH06123308 A JP H06123308A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
propeller shaft
range
main body
reinforced plastic
foam
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP29799192A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3183428B2 (ja
Inventor
Yasuyuki Toyoda
靖之 豊田
Kazuo Oyori
和男 大依
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toray Industries Inc filed Critical Toray Industries Inc
Priority to JP29799192A priority Critical patent/JP3183428B2/ja
Publication of JPH06123308A publication Critical patent/JPH06123308A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3183428B2 publication Critical patent/JP3183428B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Motor Power Transmission Devices (AREA)
  • Shafts, Cranks, Connecting Bars, And Related Bearings (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 軽量でかつ膜1次共振点における減衰性能に
優れた繊維強化プラスチック性チューブを用いたプロペ
ラシャフトを提供することを目的とする。 【構成】 繊維強化プラスチック製円筒状本体1の両端
部にトルク伝達継手2が接合され、上記本体1は、厚み
が1.5〜4.0mmの範囲にあり、長さ方向に対して
±5〜20°の範囲でヘリカル巻された炭素繊維を含
み、かつ、内部には、その本体1の全長の5〜40%の
範囲に比重0.1以下の発泡体3が装填されているプロ
ペラシャフト。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はプロペラシャフトに関
し、とくに自動車用として最適な、繊維強化プラスチッ
クを用いたプロペラシャフトに関する。
【0002】
【従来の技術】従来のスチール製プロペラシャフトにお
いては、トルク伝達時に、エンジン等の振動発生源やプ
ロペラシャフト自身の回転により加振される各振動モー
ドに対して、プロペラシャフトを共振現象から防止する
必要がある。
【0003】プロペラシャフトの振動のモードとして
は、曲げ振動および膜振動が考えられる。この2つの振
動モードに対する現行のスチール製プロペラシャフトの
設計は次のように行なわれている。
【0004】曲げ1次共振振動数は、スチールチューブ
の断面2次モーメント、縦弾性率、比重、長さにより決
定されるため、搭載できるスチールチューブ径での長さ
を分割することにより、使用域で曲げ1次共振点が生じ
ることを回避している。
【0005】このような構造のスチールチューブ製プロ
ペラシャフトは高速回転時に大きな騒音を発生し、乗員
に不快感を与えることがある。これに対処するため、ス
チールチューブの内面に吸音材を取り付けたり、全長に
わたって延びる条溝が形成された吸音性の可とう体を円
筒状本体内部に挿入することによって、減衰効果を得よ
うとしている。
【0006】また、スチールチューブを用いたプロペラ
シャフトでは、そのスチールの等方性と弾性率の高さか
ら、通常、使用範囲に膜1次共振点が現われる可能性は
なく、特に膜1次共振に対して回避の手段を必要としな
い。
【0007】また、特公昭49−20644号公報で
は、プロペラシャフトを構成しているスチール製チュー
ブの中空部分に液体またはゴム状弾性物質を挿入し、他
の振動源による振動のレベル低下を試みている。
【0008】一方、自動車工業の分野では、車両重量を
軽減して燃費節減を図るために、各種の部材を繊維強化
プラスチック材料で代替することが試みられている。各
種部材の内、プロペラシャフトの場合には、繊維強化プ
ラスチック製チューブの両端部に、駆動軸や従動軸と連
結してエンジンのトルクを車輪へ伝達するための接続継
手を接合した構造になっている。繊維強化プラスチック
製チューブを用いたプロペラシャフトでも、スチール製
のプロペラシャフトと同様に各振動現象を回避する設計
が行われている。繊維強化プラスチック製チューブを用
いたプロペラシャフトでは、繊維強化プラスチック製チ
ューブの軸方向の弾性率を効果的に高めることにより、
プロペラシャフトに必要な曲げ1次振動による共振の回
避をはかっている。また、繊維強化プラスチック製チュ
ーブの比弾性率の高さから、プロペラシャフトの分割数
を減らす可能性が生まれ、より一層の軽量化が図れる。
【0009】繊維強化プラスチック製チューブを用いた
プロペラシャフトの製造方法として、米国特許第3,5
53,978号公報に開示された方法が知られている。
この方法では、ポリウレタンフォーム軸の両端部表面に
突起をつけ、かつ、ポリウレタンフォーム軸の外径と等
しい外径の接合部を持つ継手部材を直線的に配置し熱硬
化性樹脂を含浸した強化繊維を張り渡した後、硬化を行
ないチューブと継手部材とを一体成形する方法について
述べている。この方法によれば、軽量なポリウレタンフ
ォームを捨てマンドレルとして用いることにより、軽量
なかつ接合強度に優れたプロペラシャフトを一体成形で
製造できる、とある。
【0010】一方、膜振動に対しては、繊維強化プラス
チック製チューブはその振動減衰性能が良いことが知ら
れており、振動源の振動を伝え難い特性を持つため、単
に該繊維強化プラスチック製チューブの表面に樹脂層を
塗布するといった程度の簡単な防振対策しかとられてい
ない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】振動減衰性能の高い繊
維強化プラスチック製チューブを用いたプロペラシャフ
トは、前述したスチール製プロペラシャフトの構成ある
いは繊維強化プラスチック製チューブを用いたプロペラ
シャフトの製造方法の提案を適用することにより得られ
そうに考えられるが、次のような問題点が生じる。
【0012】まず、前述のスチール製プロペラシャフト
では、それ自身の膜1次共振周波数が実際の使用域より
十分高い位置にあるためプロペラシャフト自身の共振は
発生せず、他の振動源による振動の伝幡を防止しようと
している。ところが、本発明の様に繊維強化プラスチッ
ク製チューブをプロペラシャフトに用いるケースでは、
上述したように曲げ1次振動の共振点を回避するために
軸方向の弾性率を高くする構成を採る必要がある。しか
しそうすると必然的に円周方向の弾性率は著しく低下
し、それにともなって該プロペラシャフトの膜1次共振
周波数も低下して使用条件の範囲内に入ってくる可能性
が生じる。すなわち、プロペラシャフト自身の共振が発
生し不快な騒音を発生してしまうことになるのである。
【0013】本発明はこの膜1次共振に於ける減衰効果
を有効に向上させるための方法に関するものであり、前
述のスチール製プロペラシャフトで用いられている防振
対策とは根本の目的が異なる。
【0014】また、前述のスチール製プロペラシャフト
の減衰性能を向上させる方法を繊維強化プラスチック製
チューブに応用すればたしかに減衰効果は向上するが、
質量の増加により曲げ1次共振周波数が低下してしま
い、プロペラシャフトとしての機能を失ってしまう。
【0015】従って、繊維強化プラスチック製チューブ
を用いてプロペラシャフトを製作する場合には、繊維強
化プラスチック製チューブの特性について十分な配慮を
行った減衰効果の向上手段を用いる必要がある。
【0016】米国特許3,553,978号の提案につ
いても上記の問題が生じる。つまり、繊維強化プラスチ
ック製チューブの内部にポリウレタンフォーム軸を存在
させることにより、結果として膜1次共振における減衰
特性が向上するかもしれないが、その膜振動の減衰特性
向上への効果や充填物の充填量、充填位置については何
等明らかにされていない。また、プロペラシャフトとし
ての性能を達成するためのチューブの設計条件に対して
も何ら説明されていない。
【0017】さらに、従来技術においては、前述の如
く、チューブの表面を樹脂で被覆することにより減衰効
果の向上を狙っているが、この方法では十分な減衰効果
が得られないばかりか、減衰効果を向上させるために樹
脂層を厚くする必要があり、厚くすると全体の質量が増
加して本来の目的である軽量化の意味が薄れてしまう。
また、表面に樹脂層を被覆することによる質量の増加
は、曲げ1次共振周波数の低下を招き使用条件を満たせ
なくなるおそれがある。
【0018】この発明は、上記問題点に鑑みてなされた
もので、上記問題点を解決し、自動車などで用いられる
プロペラシャフトにおいて、軽量でかつ膜1次共振点に
おける減衰性能に優れた繊維強化プラスチック製チュー
ブを用いたプロペラシャフトを提供することを目的とす
る。
【0019】
【課題を解決するための手段】この目的に沿う本発明の
プロペラシャフトは、繊維強化プラスチック製円筒状本
体の両端部にトルク伝達継手が接合され、上記本体は、
厚みが1.5〜4.0mmの範囲にあり、長さ方向に対
して±5〜20°の範囲でヘリカル巻された炭素繊維を
含み、かつ、内部には、その本体の全長の5〜40%の
範囲に比重0.1以下の発泡体が装填されているものか
ら成る。
【0020】また、もう一つの本発明のプロペラシャフ
トは、繊維強化プラスチック製円筒状本体の両端部にト
ルク伝達継手が接合され、上記本体は、全体厚みが1.
5〜4.0mmの範囲にあり、かつ、厚みが1.5〜
3.8mmの範囲の、長さ方向に対して±5〜20°の
範囲でヘリカル巻された炭素繊維を含む層と、厚みが
0.2〜0.6mmの範囲の、長さ方向に対して±80
〜90°の範囲でフープ巻された炭素繊維を含む層との
層状構成を有し、かつ、内部には、その本体の全長の5
〜40%の範囲に比重0.1以下の発泡体が装填されて
いるものから成る。
【0021】自動車用途等に用いられるプロペラシャフ
トは高速で回転するために曲げ共振における危険速度を
高く設計する必要があり、プロペラシャフトに必要な軸
方向弾性率を発現させるためには、強化繊維である炭素
繊維の構成が長さ方向に対して±5〜20°のヘリカル
巻単一構成、あるいは±5〜20°のヘリカル巻構成と
±80〜90°のフープ巻構成との2つの層構成の中か
ら選択する必要がある。実際にはプロペラシャフトの仕
様に合わせて上記の範囲で適切な層構成を選ぶ。
【0022】ここで、上記ヘリカル巻の角度を長さ方向
に対して±5°以下としても、得られる繊維強化プラス
チック製円筒状本体の軸方向弾性率は上昇しないし、±
20°以上にすると軸方向弾性率が低下し仕様の曲げ1
次共振周波数を満足出来なくなるか、若しくは繊維強化
プラスチック製円筒状本体の直径が非常に大きくなり自
動車への搭載が不可能となる。
【0023】本発明のプロペラシャフトにおいては、繊
維強化プラスチック製円筒状本体の肉厚について1.5
〜4.0mmの範囲とする必要がある。自動車用のプロ
ペラシャフトでは静的なねじり強度として150〜40
0kgf・m程度が必要で、かつねじり剛性が6〜20
kgf・m/deg・m程度の範囲をとる必要がある
が、肉厚が1.5mm未満ではねじり強度、ねじり剛性
の仕様値を満足することができないし、かといって4m
mを越えると、ねじり強度、ねじり剛性がオーバースペ
ックとなり材料に無駄が生じ好ましくない。また、軽量
化の目的にも反する。
【0024】炭素繊維の巻構成を、±5〜20°のヘリ
カル巻と±80〜90°のフープ巻の層状構成とする場
合には、円筒状本体の全体厚みを1.5〜4.0mmの
範囲とし、ヘリカル巻による層の厚みを1.5〜3.8
mmの範囲から、フープ巻による層の厚みを0.2〜
0.6mmの範囲から設定することが好ましい。そし
て、フープ巻層が内層を形成し、ヘリカル巻層が外層を
形成することが好ましい。
【0025】本発明のプロペラシャフトの繊維強化プラ
スチック製円筒状本体の内部には、比重0.1以下の発
砲体が装填される。発泡体の比重が0.1を越えると、
繊維強化プラスチック製円筒状本体の質量が増加してし
まい、上述した繊維強化プラスチック製円筒状本体の構
成をもってしても曲げ1次の危険速度の仕様を達成する
ことが困難になる。また、軽量化の目的にも反する。
【0026】ここで円筒状本体内部に充填される材料と
しては、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、シリコン、ゴム等の材料で構成される発泡体で、自
動車用途で使用される耐熱性や耐久性を持っていれば特
に限定しない。また、発泡体等の装填方法については、
円筒状本体内に発泡体等の原液を注入して発泡させても
良く、あるいは発泡体の成形品から円筒状本体内に嵌合
出来るように切りとったものを装着(圧入)してもよ
い。但し、発泡体等の装填位置は膜振動の起こり易い中
央部とすることが効果的である。
【0027】その充填量(装填長さ)は、円筒状本体長
さの5〜40%の範囲とされる。5%未満ではその発泡
体の膜振動に対する減衰効果が不十分であり、かといっ
て40%を越えると確かに減衰効果は向上するが、減衰
効果のオーバースペックとなりそれ自身としては何等問
題ないが、重量の増加により曲げ振動などの他の性能に
対して悪影響を与えるからである。
【0028】さらに、使用する強化繊維は、その弾性率
の高さから炭素繊維を用いることとしているが、プロペ
ラシャフトに要求される曲げ1次共振周波数の要求が低
い場合では他の繊維を混合しても良い。
【0029】上記のように構成される繊維強化プラスチ
ック製円筒状本体の両端部にトルク伝達用の継手が接合
されることにより、本発明のプロペラシャフトが構成さ
れる。継手の接合方法については、特に限定されない。
【0030】
【作用】本発明の繊維強化プラスチック製円筒状本体を
用いたプロペラシャフトは、円筒状本体内に発泡体を充
填しているため、円筒状本体自身が発生する膜共振のレ
ベルが非常に小さくなる。また、円筒状本体の厚みを、
共振防止に必要な大きさを確保しつつ、必要最小限かつ
最適な範囲としたので、全体として極めて軽いものにな
る。したがって、自動車用途として用いられる、プロペ
ラシャフトとしての性能を満足しつつ、その軽量化が達
成される。
【0031】
【実施例】以下この発明を、実施例に基づいて図面を参
照しながら具体的に説明する。図1はこの発明に係るプ
ロペラシャフトの概略断面図を示しており、図6は、図
1に示したプロペラシャフトのFFT(高速フーリエ変
換)を用いたインパルス加振応答による伝達関数を示し
ている。
【0032】実施例1 このプロペラシャフトに用いた繊維強化プラスチック製
円筒状本体はフィラメントワインディング法によって得
た。その製造過程は次の通りであった。東レ株式会社製
の炭素繊維“トレカ”T300−12kを4本引き揃え
エポキシ樹脂含浸した状態でフィラメントワインディン
グ法により±14°でマンドレル上に8層積層した後、
全体を回転しながら加熱してエポキシ樹脂を硬化させ、
次いでマンドレルを抜取り図2に示す外径75mm、内
径70mm(つまり肉厚2.5mm)の、長さ1200
mmの繊維強化プラスチック製円筒状本体1を製造し
た。この繊維強化プラスチック製円筒状本体の物性につ
いて試験を行なったところ、ねじり強度が230kgf
・mでねじり剛性が14kgf・m/deg・mでプロ
ペラシャフトとしての条件を満足していることを確認し
た。
【0033】図3および図4は繊維強化プラスチック製
円筒状本体の内部に発泡体を充填する作業を示したもの
で、図に示すように充填したいところに原液受け4をセ
ットし、所定の量の発泡体原液を供給し常温で放置して
発泡体3を成形した。得られた発泡体3の比重は0.0
7で、充填位置は中央部でその長さは200mmであ
り、図4に示す断面形状となった。この発泡体として
は、日本ソフラン化工(株)製のポリウレタン系発泡体
ソフランを用いた。
【0034】更に、発泡体3の充填された繊維強化プラ
スチック製円筒状本体1の両端に、スチール製のトルク
伝達用継手2を接着剤により接合し、図1に示すプロペ
ラシャフトを得た。
【0035】このプロペラシャフトの減衰性能の測定
は、FFTを用いたインパルス加振応答による伝達関数
から求めた。測定方法は次の通りである。
【0036】上記のように作成した発泡体3の充填され
たプロペラシャフトを、図5に示すように、両端を直径
5mmのゴム8で吊した状態で、加速度センサー6を全
長の1/4の位置にセットし、加速度センサー6の18
0°反対位置でかつ全長の1/2の位置でインパルスハ
ンマー5により加振し、両方のシグナルをFFTアナラ
イザー7へ取り組んで伝達関数を求め、さらに演算プロ
グラムにより減衰比の計算を行なった。この伝達関数の
測定結果が図6に示したものである。
【0037】上記構成からなるプロペラシャフトの振動
特性測定結果から、曲げ1次共振周波数が260Hz、膜
1次共振周波数が886Hzで、膜1次共振点における振
動減衰比が0.1であった。
【0038】比較例1 実施例1での繊維強化プラスチック製円筒状本体の内部
に、前記実施例1の発泡体を全長の50%まで充填を行
なったプロペラシャフトについて、同様に振動特性の測
定を行なったところ、曲げ1次共振周波数が220Hzと
大幅に低下してしまい、プロペラシャフトとしての性能
が大幅に低下してしまった。
【0039】比較例2 実施例1での繊維強化プラスチック製円筒状本体の内部
に、前記実施例1の発泡体を全長の5%充填を行なった
プロペラシャフトについて、同様に振動特性の測定を行
なったところ、図7に示すように、曲げ1次共振周波数
が265Hz、膜1次共振周波数が630Hzで減衰比が
0.037であり、膜1次共振点における振動減衰効果
が不十分であった。
【0040】比較例3 東レ株式会社製の炭素繊維“トレカ”T300−12k
を4本引き揃えエポキシ樹脂を含浸した状態でフィラメ
ントワインディング法により±14°でマンドレル上に
4層積層した後、全体を回転しながら加熱してエポキシ
樹脂を硬化させ、ついでマンドレルを抜取り図2に示す
外径75mm、内径72.5mm(つまり肉厚1.25
mm)の、長さ1200mmの繊維強化プラスチック製
円筒状本体を製造した。この円筒状本体の両端にトルク
伝達用継手を接着により接続しプロペラシャフトとし
た。このプロペラシャフトのねじり強度を測定したとこ
ろ、120kgf・mの強度しかなくプロペラシャフト
として用いることは困難である。
【0041】比較例4 実施例1での繊維強化プラスチック製円筒状本体の内部
に、比重0.15の発泡体を長さ200mmにわたって
充填し、実施例1と同様に振動特性の測定を行なった。
その結果、曲げ1次共振周波数が240Hz、膜1次共振
周波数が900Hzで減衰比が0.15であった。結果と
して曲げ1次共振周波数の低下が大きくプロペラシャフ
トとしての性能が大幅に低下することになる。
【0042】これらの実施例および比較例から明らかな
ように、この発明による繊維強化プラスチック製円筒状
本体の内部に発泡体を装着したプロペラシャフトは、曲
げ1次共振周波数の低下が少なく、かつ、膜1次共振点
での振動減衰比が円筒状本体の内部に発泡体を装填して
いないものに対して格段に高く、その減衰性能の優秀性
が明らかである。併せて、プロペラシャフトとして必要
なねじり強度、ねじり剛性を有している。
【0043】また、この発明によって得られたプロペラ
シャフトは、円筒状本体内部に発泡体を装填していない
ものに比べて、膜1次共振周波数が高くなるので、膜1
次共振が使用範囲から完全に外れ、更に静寂性の高いプ
ロペラシャフトを得ることができる。
【0044】さらに、本発明実施例によれば、発泡体の
充填量はわずか20〜80g程度ですみ、円筒状本体の
重量に対してわずか2〜7%の重量増化で抑えられ、軽
量なプロペラシャフトを得ることができる。
【0045】
【発明の効果】本発明は、上述した構成を有するので以
下に述べる優れた効果を発揮する。すなわち、特定の最
適な範囲の肉厚と炭素繊維巻構成とを有する繊維強化プ
ラスチック製円筒状本体の内部に、適切な長さにわたっ
て比重0.1以下の発泡体を装填しているので、自動車
用のプロペラシャフトとして用いた場合、軽量でかつ、
プロペラシャフトとしてねじり強度、ねじり剛性、曲げ
1次共振点等の必要な仕様を満足でき、さらに膜1次共
振点での減衰性能が高いために極めて静寂性の高いプロ
ペラシャフトを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る繊維強化プラスチック製円筒状本
体を用いたプロペラシャフトの一実施態様を示す断面図
である。
【図2】繊維強化プラスチック製円筒状本体の断面図で
ある。
【図3】繊維強化プラスチック製円筒状本体の内部に発
泡体を充填する方法を示す断面図である。
【図4】図3の方法における発泡体発泡後の状態を示す
断面図である。
【図5】プロペラシャフトの振動特性測定法を示す概略
斜視図である。
【図6】実施例1における伝達関数特性図である。
【図7】比較例2における伝達関数特性図である。
【符号の説明】
1 繊維強化プラスチック製円筒状本体 2 トルク伝達用金属製継手 3 発泡体 4 発泡体の原液受け 5 インパルスハンマー 6 加速度センサー 7 FFTアナライザー 8 ゴム

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊維強化プラスチック製円筒状本体の両
    端部にトルク伝達継手が接合され、上記本体は、厚みが
    1.5〜4.0mmの範囲にあり、長さ方向に対して±
    5〜20°の範囲でヘリカル巻された炭素繊維を含み、
    かつ、内部には、その本体の全長の5〜40%の範囲に
    比重0.1以下の発泡体が装填されていることを特徴と
    するプロペラシャフト。
  2. 【請求項2】 繊維強化プラスチック製円筒状本体の両
    端部にトルク伝達継手が接合され、上記本体は、全体厚
    みが1.5〜4.0mmの範囲にあり、かつ、厚みが
    1.5〜3.8mmの範囲の、長さ方向に対して±5〜
    20°の範囲でヘリカル巻された炭素繊維を含む層と、
    厚みが0.2〜0.6mmの範囲の、長さ方向に対して
    ±80〜90°の範囲でフープ巻された炭素繊維を含む
    層との層状構成を有し、かつ、内部には、その本体の全
    長の5〜40%の範囲に比重0.1以下の発泡体が装填
    されていることを特徴とするプロペラシャフト。
  3. 【請求項3】 フープ巻された炭素繊維の層が内層を形
    成し、ヘリカル巻された炭素繊維の層が外層を形成して
    いる、請求項2のプロペラシャフト。
  4. 【請求項4】 発泡体が、本体の内部で発泡形成された
    ものである、請求項1、2または3のプロペラシャフ
    ト。
  5. 【請求項5】 発泡体が、本体の長さ方向中央部に装填
    されている、請求項1、2、3または4のプロペラシャ
    フト。
  6. 【請求項6】 本体のねじり強度が150〜400kg
    f・mの範囲にあり、かつ、ねじり剛性が6〜20kg
    f・m/deg・mの範囲にある、請求項1、2、3、
    4または5のプロペラシャフト。
  7. 【請求項7】 膜1次共振点における振動減衰比が0.
    05以上である、請求項1、2、3、4、5または6の
    プロペラシャフト。
JP29799192A 1992-10-09 1992-10-09 プロペラシャフト Expired - Fee Related JP3183428B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29799192A JP3183428B2 (ja) 1992-10-09 1992-10-09 プロペラシャフト

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29799192A JP3183428B2 (ja) 1992-10-09 1992-10-09 プロペラシャフト

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH06123308A true JPH06123308A (ja) 1994-05-06
JP3183428B2 JP3183428B2 (ja) 2001-07-09

Family

ID=17853719

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP29799192A Expired - Fee Related JP3183428B2 (ja) 1992-10-09 1992-10-09 プロペラシャフト

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3183428B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100336118B1 (ko) * 1999-08-13 2002-05-08 이계안 프로펠러 샤프트의 진동 저감장치 및 그 제어방법
JP2005121213A (ja) * 2003-08-20 2005-05-12 Gkn Driveline North America Inc プロペラシャフト
JP2011190931A (ja) * 2010-02-17 2011-09-29 Toray Ind Inc プロペラシャフト
CN111498077A (zh) * 2020-04-20 2020-08-07 中国船舶科学研究中心 一种船用厚壁复合结构艉轴

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6323307B1 (en) 1988-08-08 2001-11-27 Cargill Dow Polymers, Llc Degradation control of environmentally degradable disposable materials

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100336118B1 (ko) * 1999-08-13 2002-05-08 이계안 프로펠러 샤프트의 진동 저감장치 및 그 제어방법
JP2005121213A (ja) * 2003-08-20 2005-05-12 Gkn Driveline North America Inc プロペラシャフト
DE102004039893B4 (de) 2003-08-20 2018-10-04 Gkn Driveline North America, Inc. Biegesteife Gelenkwellenanordnung und Verfahren zur Herstellung einer biegesteifen Kraftübertragungswelle
JP2011190931A (ja) * 2010-02-17 2011-09-29 Toray Ind Inc プロペラシャフト
CN111498077A (zh) * 2020-04-20 2020-08-07 中国船舶科学研究中心 一种船用厚壁复合结构艉轴

Also Published As

Publication number Publication date
JP3183428B2 (ja) 2001-07-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10704643B2 (en) Damped propshaft assembly and tuned damper for a damped propshaft assembly
US8176613B2 (en) Method for attenuating driveline vibrations
US9033807B1 (en) Propshaft assembly with damper
JP2904767B1 (ja) フレキシブルシャフトライナーアッセンブリ及び回転伝達シャフト
JPH0914351A (ja) ダブルマス式ダイナミックダンパおよびダイナミックダンパ付駆動車軸
JP2002235726A (ja) 繊維強化樹脂パイプ及びこれを用いた動力伝達シャフト
US6237642B1 (en) Sealing-tight pipe with acoustic damping for the transport of gaseous fluids, and a method of producing the same
US5672111A (en) Motor vehicle steering spindle with plug-in connection
US7134964B2 (en) Propeller shaft assembly with stiffening feature
JPH06123308A (ja) プロペラシャフト
US10107357B2 (en) Dynamic damper for drive shaft for automobile
US20080176663A1 (en) Structure for mounting dynamic damper on rotary shaft and rotary shaft equipped with dynamic damper
EP0726409A1 (en) Dynamic damper and molding material therefor and method of manufacturing the same
JP5699657B2 (ja) プロペラシャフトおよびその製造方法
JPH041374Y2 (ja)
JPH07167211A (ja) プロペラシャフト
WO2015065877A1 (en) Propshaft assembly with damper
JPS6091008A (ja) 繊維強化プラスチツク製伝動軸
JPH08277883A (ja) ダイナミックダンパ
JPH0648172Y2 (ja) 棒状樹脂部材
JPH0953686A (ja) プロペラシャフト用ダイナミックダンパー
JPH01108409A (ja) 繊維強化合成樹脂製駆動軸
JPH0685925U (ja) プロペラシャフト
JPS5921805B2 (ja) 自動車用プロペラシャフト
JPH06241255A (ja) ダンパ−

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080427

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090427

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090427

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment

Year of fee payment: 9

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100427

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees