JPH0612325Y2 - 多管式ボイラにおけるヒレ付水管のヒレ形状 - Google Patents
多管式ボイラにおけるヒレ付水管のヒレ形状Info
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- JPH0612325Y2 JPH0612325Y2 JP1985031672U JP3167285U JPH0612325Y2 JP H0612325 Y2 JPH0612325 Y2 JP H0612325Y2 JP 1985031672 U JP1985031672 U JP 1985031672U JP 3167285 U JP3167285 U JP 3167285U JP H0612325 Y2 JPH0612325 Y2 JP H0612325Y2
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【考案の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この考案は、多管式ボイラにおけるヒレ付水管のヒレ形
状の改良に係り、特に多管式貫流ボイラに使用して有効
なヒレを有する水管のヒレ形状に関するものである。
状の改良に係り、特に多管式貫流ボイラに使用して有効
なヒレを有する水管のヒレ形状に関するものである。
[従来の技術] 一般にボイラ等の伝熱管表面には、熱伝達を促進する目
的でヒレが取付けられている。
的でヒレが取付けられている。
多管式貫流ボイラにおいても同様で、伝熱効率の向上を
目的として第6図に示すように、伝熱管としての水管に
燃焼ガスの流れ方向に対して直角方向にヒレを設ける構
造が採用されていた(直角配列構造)。しかし、このよ
うな缶体構造ではヒレの下流側に渦流が発生し、燃焼ガ
スの圧力損失が大きいといった問題がある。
目的として第6図に示すように、伝熱管としての水管に
燃焼ガスの流れ方向に対して直角方向にヒレを設ける構
造が採用されていた(直角配列構造)。しかし、このよ
うな缶体構造ではヒレの下流側に渦流が発生し、燃焼ガ
スの圧力損失が大きいといった問題がある。
そこで、近年では伝熱効率の向上を図ると共に燃焼ガス
の圧力損失の低下を目的として、例えば、第7図の(イ),
(ロ)に示すように平板状ヒレを燃焼ガスの流れ方向に平
行に設ける構造がとられるようになった(平行配列構
造)。
の圧力損失の低下を目的として、例えば、第7図の(イ),
(ロ)に示すように平板状ヒレを燃焼ガスの流れ方向に平
行に設ける構造がとられるようになった(平行配列構
造)。
この平行配列構造のボイラは、従前の直角配列構造のも
のに比べ、伝熱ヒレの面積の増加による伝熱効率の向上
の割に燃焼ガスの圧力損失が小さいという利益がある。
のに比べ、伝熱ヒレの面積の増加による伝熱効率の向上
の割に燃焼ガスの圧力損失が小さいという利益がある。
しかしながら、前記平行配列構造のボイラにおいても、
温度境界層発達域における高熱伝達を利用した前記効果
が形成されるのはヒレ先端部のみであり、燃焼ガスの流
れ方向のヒレの長さが長くなると温度境界層が発達し、
この前縁効果を十分利用することができず、伝熱効率の
向上に限界があった。
温度境界層発達域における高熱伝達を利用した前記効果
が形成されるのはヒレ先端部のみであり、燃焼ガスの流
れ方向のヒレの長さが長くなると温度境界層が発達し、
この前縁効果を十分利用することができず、伝熱効率の
向上に限界があった。
[考案が解決しようとする課題] この考案が解決しようとする技術的課題は、対流伝熱に
おけるヒレの前縁効果を高めることにより、伝熱効率の
向上を図り、しかも、ヒレと水管の温度差に起因する熱
応力の発生を防ぎ、水管での亀裂発生を防止した多管式
貫流ボイラにおけるヒレ付水管管のヒレ形状を提供する
ことにある。
おけるヒレの前縁効果を高めることにより、伝熱効率の
向上を図り、しかも、ヒレと水管の温度差に起因する熱
応力の発生を防ぎ、水管での亀裂発生を防止した多管式
貫流ボイラにおけるヒレ付水管管のヒレ形状を提供する
ことにある。
[課題を解決するための手段] この考案は上記課題を達成するためになされたもので、
複数本の水管を配置して環状の水管列を構成すると共
に、この環状水管列の外周に、各水管の軸線方向に対し
て実質上直交する方向に燃焼ガスを流通させる環状の燃
焼ガス通路を形成し、これら各水管の燃焼ガス通路側表
面に、燃焼ガスの流れ方向に対して所定の傾斜角をもた
せた平坦な傾斜面を有し、かつ、燃焼ガスの流れに対し
て実質上交叉する方向に適当数のスリットを形成したヒ
レを設けたことを特徴とする。
複数本の水管を配置して環状の水管列を構成すると共
に、この環状水管列の外周に、各水管の軸線方向に対し
て実質上直交する方向に燃焼ガスを流通させる環状の燃
焼ガス通路を形成し、これら各水管の燃焼ガス通路側表
面に、燃焼ガスの流れ方向に対して所定の傾斜角をもた
せた平坦な傾斜面を有し、かつ、燃焼ガスの流れに対し
て実質上交叉する方向に適当数のスリットを形成したヒ
レを設けたことを特徴とする。
[実施例] 以下、この考案を多管式貫流ボイラに適用した一実施例
を図面を参照しながら説明する。
を図面を参照しながら説明する。
第1図は、この考案を適用した多管式貫流ボイラの縦断
面図、第2図は、第1図の横断面図、第3図(イ),(ロ)
は、ヒレが平板状ヒレである場合の説明図で、第3図
(イ)は、一部拡大側面図、第3図(ロ)は、第3図(イ)のIII
-III断面図である。
面図、第2図は、第1図の横断面図、第3図(イ),(ロ)
は、ヒレが平板状ヒレである場合の説明図で、第3図
(イ)は、一部拡大側面図、第3図(ロ)は、第3図(イ)のIII
-III断面図である。
図面において、(1),(2)は、環状をなす上部および下部
管寄せで、これら両管寄せ(1),(2)は伝熱管として機能
する垂直水管で連結される。
管寄せで、これら両管寄せ(1),(2)は伝熱管として機能
する垂直水管で連結される。
上記の各水管の両端は縮径部(8)とされ、それぞれ上部
管寄せ(1)の管板および下部管寄せ(2)の管板に嵌め込ん
で溶接されることにより、これら水管は半径方向に間隔
をおいた2重の環状水管壁(3),(4)として配列される。
管寄せ(1)の管板および下部管寄せ(2)の管板に嵌め込ん
で溶接されることにより、これら水管は半径方向に間隔
をおいた2重の環状水管壁(3),(4)として配列される。
上記の上部管寄せ(1)の内側に燃焼装置(6)が設け、内方
の環状水管壁(3)の内側空間を燃焼室(7)としてある。
の環状水管壁(3)の内側空間を燃焼室(7)としてある。
上記内外の環状水管壁(3),(4)の間には、燃焼ガス通路
(5)が形成されている。
(5)が形成されている。
内方の環状水管壁(3)の一部には水管の全長にわたる開
口部(9)が設けられ、燃焼室(7)と燃焼ガス通路(5)とを
連通しており、外方の環状水管壁(4)の一部にも水管の
全長にわたる開口部(10)が設けられ、燃焼ガス通路(5)
と煙道(11)とを連通している。
口部(9)が設けられ、燃焼室(7)と燃焼ガス通路(5)とを
連通しており、外方の環状水管壁(4)の一部にも水管の
全長にわたる開口部(10)が設けられ、燃焼ガス通路(5)
と煙道(11)とを連通している。
なお、外方の環状水管壁(4)の各水管をスペーサーによ
って連結し、内側水管のピッチ角と外側水管のピッチ角
とが同じになるように構成してある。
って連結し、内側水管のピッチ角と外側水管のピッチ角
とが同じになるように構成してある。
内方の環状水管壁(3)および外方の環状水管壁(4)の燃焼
ガス通路(5)に面している部分には、平板状のヒレ(12)
が、燃焼ガスの流れ方向Aに対して平坦な傾斜面を形成
するように所定の角度をもって水管の円周方向に設けら
れ、かつ、水管の管軸方向に所要間隔をおいて多段状に
取付けられている。
ガス通路(5)に面している部分には、平板状のヒレ(12)
が、燃焼ガスの流れ方向Aに対して平坦な傾斜面を形成
するように所定の角度をもって水管の円周方向に設けら
れ、かつ、水管の管軸方向に所要間隔をおいて多段状に
取付けられている。
さらに、前記平板状のヒレ(12)には、燃焼ガスの流れ方
向Aに対して実質的に直角となる方向に所要量の幅およ
び長さのスリット(13)が適当数設けられている。
向Aに対して実質的に直角となる方向に所要量の幅およ
び長さのスリット(13)が適当数設けられている。
上記のような構成においてその作用を説明すると、燃焼
室(7)で発生した燃焼ガスは、先ず輻射伝熱により内方
の環状水管壁(3)と熱交換を行い、内方の環状水管壁(3)
に形成した開口部(9)から燃焼ガス流路(5)に流入し、こ
の燃焼ガス通路(5)内を水管の管軸方向に対して略直角
に、すなわち水管を横切る方向Aに流れ、水管及びヒレ
(12)と主として対流伝熱により熱交換を行い、開口部(1
0)で合流し、煙道(11)から外部に排出される。
室(7)で発生した燃焼ガスは、先ず輻射伝熱により内方
の環状水管壁(3)と熱交換を行い、内方の環状水管壁(3)
に形成した開口部(9)から燃焼ガス流路(5)に流入し、こ
の燃焼ガス通路(5)内を水管の管軸方向に対して略直角
に、すなわち水管を横切る方向Aに流れ、水管及びヒレ
(12)と主として対流伝熱により熱交換を行い、開口部(1
0)で合流し、煙道(11)から外部に排出される。
このとき、燃焼ガス通路に設けた平板状のヒレ(12)は燃
焼ガス流れに対して略平行に配設された状態となるの
で、燃焼ガスの通過圧力損失はヒレ枚数が多い割に高く
ならない。しかも、ヒレ(12)表面は燃焼ガスの流れ方向
に対して傾斜した状態で配置されており、燃焼ガスがヒ
レ(12)表面を這うように流れ、即ち、燃焼ガスの粘性に
よって形成される温度境界層を剥離する作用を惹起し温
度境界層を乱すことにより伝熱効率の向上が図られる。
焼ガス流れに対して略平行に配設された状態となるの
で、燃焼ガスの通過圧力損失はヒレ枚数が多い割に高く
ならない。しかも、ヒレ(12)表面は燃焼ガスの流れ方向
に対して傾斜した状態で配置されており、燃焼ガスがヒ
レ(12)表面を這うように流れ、即ち、燃焼ガスの粘性に
よって形成される温度境界層を剥離する作用を惹起し温
度境界層を乱すことにより伝熱効率の向上が図られる。
しかも、平板状ヒレ(12)には燃焼ガスの流れ方向に対し
てほぼ直角になるように所要量の幅および長さのスリッ
ト(13)が欠切されているので、燃焼ガスが平板状ヒレ(1
2)のスリット(13)部分を通過するごとに、平板状ヒレ(1
2)には温度境界層発達域における高熱伝導を利用した前
縁効果が形成され、伝熱効率がさらに向上する。
てほぼ直角になるように所要量の幅および長さのスリッ
ト(13)が欠切されているので、燃焼ガスが平板状ヒレ(1
2)のスリット(13)部分を通過するごとに、平板状ヒレ(1
2)には温度境界層発達域における高熱伝導を利用した前
縁効果が形成され、伝熱効率がさらに向上する。
さらに平板状ヒレ(12)と水管との温度差を主たる要因と
して両者間に生じる熱膨張の差は平板状ヒレ(12)に設け
たスリット(13)部分で吸収・緩和され、ヒレ(12)あるい
は水管に亀裂や変形をもたらすような溶接部における熱
応力の発生を軽減する。
して両者間に生じる熱膨張の差は平板状ヒレ(12)に設け
たスリット(13)部分で吸収・緩和され、ヒレ(12)あるい
は水管に亀裂や変形をもたらすような溶接部における熱
応力の発生を軽減する。
第4図(イ),(ロ)は、ヒレがヘ文字形ヒレである場合の説
明図で、第4図(イ)は一部拡大側面図、第4図(ロ)は、第
4図の(イ)のIV-IV線断面図である。
明図で、第4図(イ)は一部拡大側面図、第4図(ロ)は、第
4図の(イ)のIV-IV線断面図である。
このへ文字形ヒレ(22)も、前記平板形ヒレ(12)と同様
に、第1図、第2図に記す多管式貫流ボイラに使用され
る場合について示している。
に、第1図、第2図に記す多管式貫流ボイラに使用され
る場合について示している。
図面中央部の符号(22)は、内方の環状水管壁(3)および
外方の環状水管壁(4)の燃焼ガス通路(5)に面している部
分に燃焼ガス流れ方向に対して折返しにより表裏二対の
平坦な傾斜面を持って設けられるへ文字形のヒレ(22)で
あって、このヒレ(22)は、水管の円周方向、即ち、燃焼
ガスの流れに対して垂直方向に所要間隔をおいて多段に
取付けられる。そしてこのへ文字形ヒレ(22)にも燃焼ガ
スの流れ方向Aに対して実質的に垂直となる方向に所要
量の幅および長さのスリット(13)が適当数設けられてい
る。なお、他の構成は前記平板状ヒレ(12)と同様である
ので説明を省略する。
外方の環状水管壁(4)の燃焼ガス通路(5)に面している部
分に燃焼ガス流れ方向に対して折返しにより表裏二対の
平坦な傾斜面を持って設けられるへ文字形のヒレ(22)で
あって、このヒレ(22)は、水管の円周方向、即ち、燃焼
ガスの流れに対して垂直方向に所要間隔をおいて多段に
取付けられる。そしてこのへ文字形ヒレ(22)にも燃焼ガ
スの流れ方向Aに対して実質的に垂直となる方向に所要
量の幅および長さのスリット(13)が適当数設けられてい
る。なお、他の構成は前記平板状ヒレ(12)と同様である
ので説明を省略する。
上記構成によれば、へ文字形ヒレ(22)を多段に配した状
態であるので、2個のヒレ(22)間に流入した燃焼ガスは
まず下段のヒレ(22)の上表面を這うように流れヒレ(22)
の折返し部を通過した燃焼ガスは上段のヒレ(22)の裏表
面を這うように流れる。即ち、へ文字形ヒレ(22)とする
ことにより燃焼ガスの流れ方向の規制を有効に利用し
て、燃焼ガスの粘性によってヒレ(22)の表面に形成され
る温度境界層を剥離する作用を折返しにより連続して惹
起する。
態であるので、2個のヒレ(22)間に流入した燃焼ガスは
まず下段のヒレ(22)の上表面を這うように流れヒレ(22)
の折返し部を通過した燃焼ガスは上段のヒレ(22)の裏表
面を這うように流れる。即ち、へ文字形ヒレ(22)とする
ことにより燃焼ガスの流れ方向の規制を有効に利用し
て、燃焼ガスの粘性によってヒレ(22)の表面に形成され
る温度境界層を剥離する作用を折返しにより連続して惹
起する。
従って、ヒレ(22)表面の温度境界層を乱し伝熱効率が大
幅に向上する。しかもへ文字形ヒレ(22)には燃焼ガスの
流れ方向に対してほぼ直角になるように所定量の幅およ
び長さのスリット(13)が欠切されているので、燃焼ガス
が平板状ヒレ(22)のスリット(13)部分を通過するごと
に、平板状ヒレ(22)には温度境界層発達域における高熱
伝達を利用した前縁効果が形成され、伝熱効率がさらに
向上する。又、ヒレ(22)の形状がへ文字形であるので、
燃焼ガス流れを常に一定レベルに規制することが容易で
ある。さらにへ文字形ヒレ(22)と水管との温度差を主た
る要因として両者間に生じる熱膨張の差はへ文字形ヒレ
(22)に設けたスリット(13)部分で吸収・緩和され、ヒレ
(22)あるいは水管に亀裂や変形をもたらすような溶接部
における熱応力の発生を軽減する。
幅に向上する。しかもへ文字形ヒレ(22)には燃焼ガスの
流れ方向に対してほぼ直角になるように所定量の幅およ
び長さのスリット(13)が欠切されているので、燃焼ガス
が平板状ヒレ(22)のスリット(13)部分を通過するごと
に、平板状ヒレ(22)には温度境界層発達域における高熱
伝達を利用した前縁効果が形成され、伝熱効率がさらに
向上する。又、ヒレ(22)の形状がへ文字形であるので、
燃焼ガス流れを常に一定レベルに規制することが容易で
ある。さらにへ文字形ヒレ(22)と水管との温度差を主た
る要因として両者間に生じる熱膨張の差はへ文字形ヒレ
(22)に設けたスリット(13)部分で吸収・緩和され、ヒレ
(22)あるいは水管に亀裂や変形をもたらすような溶接部
における熱応力の発生を軽減する。
第5図(イ),(ロ)は、ヒレがW文字形ヒレである場合の説
明図であり、第5図(イ)は、一部拡大側面図、第5図(ロ)
は、第5図の(イ)のV−V線断面図である。このW文字
形ヒレ(32)も、前記平板状ヒレ(12)、へ文字形ヒレ(22)
と同様に第1図、第2図に記す多管式貫流ボイラに使用
される場合について示している。
明図であり、第5図(イ)は、一部拡大側面図、第5図(ロ)
は、第5図の(イ)のV−V線断面図である。このW文字
形ヒレ(32)も、前記平板状ヒレ(12)、へ文字形ヒレ(22)
と同様に第1図、第2図に記す多管式貫流ボイラに使用
される場合について示している。
図面中央部の符号(32)は、内方の環状水管壁(3)および
外方の環状水管壁(4)の燃焼ガス通路(5)に面している部
分に燃焼ガス流れ方向に対してW文字形の折返しにより
表裏四対の平坦な傾斜面を持って設けられるW文字形の
ヒレ(32)であって、このヒレ(32)も、水管の円周方向に
設けられ、かつ、水管の垂直方向に所定間隔をおいて多
段状に取付けられる。そしてこのW文字形ヒレ(32)にも
燃焼ガスの流れ方向Aに対して実質的に垂直となる方向
に所要量の幅および長さのスリット(13)が適当数設けら
れている。なお、他の構成は前記平板状ヒレ(12)、へ文
字形ヒレ(22)と同様であるので説明を省略する。上記構
成によって、温度境界層を乱しスリットによる前縁効果
と相俟つて伝熱効率を向上する作用効果ならびに、燃焼
ガス流れの規制が容易に行われる点、またスリット(13)
により溶接部における熱応力の発生を軽減する点につい
ては前述の平板形ヒレ(12)ならびに、へ文字形ヒレ(22)
と同様であるので説明を省略する。
外方の環状水管壁(4)の燃焼ガス通路(5)に面している部
分に燃焼ガス流れ方向に対してW文字形の折返しにより
表裏四対の平坦な傾斜面を持って設けられるW文字形の
ヒレ(32)であって、このヒレ(32)も、水管の円周方向に
設けられ、かつ、水管の垂直方向に所定間隔をおいて多
段状に取付けられる。そしてこのW文字形ヒレ(32)にも
燃焼ガスの流れ方向Aに対して実質的に垂直となる方向
に所要量の幅および長さのスリット(13)が適当数設けら
れている。なお、他の構成は前記平板状ヒレ(12)、へ文
字形ヒレ(22)と同様であるので説明を省略する。上記構
成によって、温度境界層を乱しスリットによる前縁効果
と相俟つて伝熱効率を向上する作用効果ならびに、燃焼
ガス流れの規制が容易に行われる点、またスリット(13)
により溶接部における熱応力の発生を軽減する点につい
ては前述の平板形ヒレ(12)ならびに、へ文字形ヒレ(22)
と同様であるので説明を省略する。
[考案の効果] この考案は上述の如く、多管式ボイラにおいて伝熱面に
ヒレをその表面が燃焼ガスの流れ方向に対して傾斜した
状態で多段に配して燃焼ガスがヒレ表面を這うが如く流
れるように構成されているので、燃焼ガスの粘性によっ
て形成される温度境界層を剥離する作用を惹起して温度
境界層を乱し、スリットによる前縁効果と相俟って伝熱
効率の向上を図ることができる。特にヒレ形状をへ文字
形あるいはW文字形とすることにより、燃焼ガスの流れ
方向の規制を有効に利用して伝熱効率の大幅向上を達成
することができ、又燃焼ガスの流れ方向の規制も容易で
ある。しかも、スリットを設けることにより、ヒレと水
管間の温度差による熱応力の発生を防ぎ、ヒレや水管の
亀裂を防止することができる。
ヒレをその表面が燃焼ガスの流れ方向に対して傾斜した
状態で多段に配して燃焼ガスがヒレ表面を這うが如く流
れるように構成されているので、燃焼ガスの粘性によっ
て形成される温度境界層を剥離する作用を惹起して温度
境界層を乱し、スリットによる前縁効果と相俟って伝熱
効率の向上を図ることができる。特にヒレ形状をへ文字
形あるいはW文字形とすることにより、燃焼ガスの流れ
方向の規制を有効に利用して伝熱効率の大幅向上を達成
することができ、又燃焼ガスの流れ方向の規制も容易で
ある。しかも、スリットを設けることにより、ヒレと水
管間の温度差による熱応力の発生を防ぎ、ヒレや水管の
亀裂を防止することができる。
第1図は、この考案を適用した多管式貫流ボイラ一例を
示す縦断面図、第2図は、第1図の横断面図、第3図
(イ),(ロ)は、それぞれ上記第1図の要部を示すもので、
第1図の一部拡大側面図、第3図(イ)のIII-III断面図で
ある。 第4図(イ),(ロ)は、この考案に係る他の実施例を示すも
ので、第4図(イ)は、一部拡大側面図、第4図(ロ)は、第
4図の(イ)のIV-IV線断面図である。 第5図(イ),(ロ)は、この考案に係る更に他の実施例を示
すもので、第5図(イ)は、一部拡大側面図、第5図(ロ)
は、第5図の(イ)のV−V線断面図である。 第6図は、従来の多管式ボイラにおける缶体構造(直角
配列式)の一例を示す概略横断面図、第7図の(イ)は、
従来の他の多管式ボイラにおける缶体構造(平行配列
式)を例示する要部の概略横断面図、第7図(ロ)は、第
7図(イ)の側面図である。 (1)……上部管寄せ (2)……下部管寄せ (3)……内方の環状水管壁 (4)……外方の環状水管壁 (5)……燃焼ガス通路 (6)……燃焼装置 (7)……燃焼室 (8)……水管の縮径部 (9)……内方の環状水管壁の開口部 (10)……外方の環状水管壁の開口部 (11)……煙道 (12),(22),(32)……ヒレ (13)……スリット
示す縦断面図、第2図は、第1図の横断面図、第3図
(イ),(ロ)は、それぞれ上記第1図の要部を示すもので、
第1図の一部拡大側面図、第3図(イ)のIII-III断面図で
ある。 第4図(イ),(ロ)は、この考案に係る他の実施例を示すも
ので、第4図(イ)は、一部拡大側面図、第4図(ロ)は、第
4図の(イ)のIV-IV線断面図である。 第5図(イ),(ロ)は、この考案に係る更に他の実施例を示
すもので、第5図(イ)は、一部拡大側面図、第5図(ロ)
は、第5図の(イ)のV−V線断面図である。 第6図は、従来の多管式ボイラにおける缶体構造(直角
配列式)の一例を示す概略横断面図、第7図の(イ)は、
従来の他の多管式ボイラにおける缶体構造(平行配列
式)を例示する要部の概略横断面図、第7図(ロ)は、第
7図(イ)の側面図である。 (1)……上部管寄せ (2)……下部管寄せ (3)……内方の環状水管壁 (4)……外方の環状水管壁 (5)……燃焼ガス通路 (6)……燃焼装置 (7)……燃焼室 (8)……水管の縮径部 (9)……内方の環状水管壁の開口部 (10)……外方の環状水管壁の開口部 (11)……煙道 (12),(22),(32)……ヒレ (13)……スリット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭58−160797(JP,A) 実開 昭57−66385(JP,U)
Claims (4)
- 【請求項1】複数本の水管を配置して環状の水管列を構
成すると共に、この環状水管列の外周に、各水管の軸線
方向に対して実質上直交する方向に燃焼ガスを流通させ
る環状の燃焼ガス通路を形成し、これら各水管の燃焼ガ
ス通路側表面に、燃焼ガスの流れ方向に対して所定の傾
斜角をもたせた平坦な傾斜面を有し、かつ、燃焼ガスの
流れに対して実質上交叉する方向に適当数のスリットを
形成したヒレを設けたことを特徴とする多管式ボイラに
おけるヒレ付水管のヒレ形状。 - 【請求項2】前記ヒレが燃焼ガスの流れ方向に対して表
裏一対の平坦な傾斜面を持つ平板状のヒレであることを
特徴とする実用新案登録請求の範囲第1項記載の多管式
ボイラにおけるヒレ付水管のヒレ形状。 - 【請求項3】前記ヒレが燃焼ガスの流れ方向に対して表
裏二対の折返しをもった平坦な傾斜面を持つへ文字形の
ヒレであることを特徴とする実用新案登録請求の範囲第
1項記載の多管式ボイラにおけるヒレ付水管のヒレ形
状。 - 【請求項4】前記ヒレが燃焼ガスの流れ方向に対して表
裏四対の平坦な傾斜面を持つW文字形のヒレであること
を特徴とする実用新案登録請求の範囲第1項記載の多管
式ボイラにおけるヒレ付水管のヒレ形状。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1985031672U JPH0612325Y2 (ja) | 1985-03-05 | 1985-03-05 | 多管式ボイラにおけるヒレ付水管のヒレ形状 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1985031672U JPH0612325Y2 (ja) | 1985-03-05 | 1985-03-05 | 多管式ボイラにおけるヒレ付水管のヒレ形状 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS61149685U JPS61149685U (ja) | 1986-09-16 |
JPH0612325Y2 true JPH0612325Y2 (ja) | 1994-03-30 |
Family
ID=30532484
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1985031672U Expired - Lifetime JPH0612325Y2 (ja) | 1985-03-05 | 1985-03-05 | 多管式ボイラにおけるヒレ付水管のヒレ形状 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0612325Y2 (ja) |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS58160797A (ja) * | 1982-03-19 | 1983-09-24 | Nippon Light Metal Co Ltd | 熱交換器 |
-
1985
- 1985-03-05 JP JP1985031672U patent/JPH0612325Y2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS61149685U (ja) | 1986-09-16 |
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