JPH06123216A - ディーゼルパティキュレートフィルタの異常検出装置 - Google Patents

ディーゼルパティキュレートフィルタの異常検出装置

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JPH06123216A
JPH06123216A JP4271421A JP27142192A JPH06123216A JP H06123216 A JPH06123216 A JP H06123216A JP 4271421 A JP4271421 A JP 4271421A JP 27142192 A JP27142192 A JP 27142192A JP H06123216 A JPH06123216 A JP H06123216A
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pressure
filter element
circuit
particulate filter
diesel engine
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JP4271421A
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Hiroaki Maehara
弘明 前原
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Denso Ten Ltd
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    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02BINTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
    • F02B3/00Engines characterised by air compression and subsequent fuel addition
    • F02B3/06Engines characterised by air compression and subsequent fuel addition with compression ignition

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ディーゼルエンジンの排気中の微粒子を捕捉
するパティキュレートフィルタのフィルタ素子の状態を
識別して、フィルタ素子の異常を検知するディーゼルパ
ティキュレートフィルタの異常検出装置に関し、フィル
タ素子の状態を正確に識別できて、小さな異常でも見過
ごすことなく、その発生や変化を正確に認知できるディ
ーゼルパティキュレートフィルタの異常検出装置を提供
することを目的とする。 【構成】 ディーゼルエンジン3の回転数を計測する回
転検知手段5Aと、前記フィルタ素子4Dに作用する圧
力を計測する圧力検知手段5Bと、計測された前記回転
数および圧力に基づいてフィルタ素子4Dの状態を識別
する識別回路6とを有し、該識別回路6は、リセット6
R後に積算した前記ディーゼルエンジン3の通算運転時
間とそのときの回転数とに基づいて圧力の期待値を求め
る基準値回路6Kと、該期待値にそのときの圧力を比較
して、該期待値の許容範囲に満たない場合に異常検知信
号6Sを出力する比較回路6Hとを含む構成とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ディーゼルエンジンの
排気中の微粒子を捕捉するパティキュレートフィルタの
フィルタ素子の状態を識別して、フィルタ素子の異常を
検知するディーゼルパティキュレートフィルタの異常検
出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ディーゼルエンジンは、ガソリンエンジ
ンに比較して熱効率が高く、気化が困難な軽油や重油で
も利用できるから、運転の経済性が高く、大型トラック
やバスを始めとして、近年では、中小型の乗用車にも搭
載されて、ガソリンエンジンのいくつかの分野を置き換
えつつある。
【0003】しかし、ガソリンに比較して炭素含有率の
高い軽油や重油をディーゼルエンジンで燃料として用い
ると、排気ガス中に含まれる未燃焼のパティキュレー
ト、すなわち、炭素の微粉末や油滴粒子やその混合物の
微粒子が増して、排気ガスが黒煙化されて悪臭を伴う
等、種々の不都合を発生する。
【0004】そこで、ディーゼルエンジンの排気ガスか
ら上記の微粒子を除去して排気ガスを清浄化するパティ
キュレートフィルタの装備が提案された。パティキュレ
ートフィルタは、排気ガスから微粒子を濾し取るフィル
タ素子を内蔵して、ディーゼルエンジンの排気経路に直
列に接続される。フィルタ素子は、微小な無数の開口を
有する大面積の濾過膜を備え、濾過膜のディーゼルエン
ジン側表面およびその微小な開口中に微粒子を捕捉す
る。
【0005】フィルタ素子は、ディーゼルエンジンにお
ける運転時間の経過とともに次第に目詰まりを起こし
て、排気ガスの通過抵抗を増し、ディーゼルエンジンの
排気側圧力を高めてその効率を低下させる。従って、定
期的にフィルタ素子の交換や再生作業を行う必要があ
る。
【0006】ここで、フィルタ素子の再生は、例えば、
フィルタ素子を加熱しながらフィルタ素子に空気を供給
して、フィルタ素子に蓄積された微粒子を燃焼させて除
去する方法によって遂行される。微粒子は、炭酸ガスと
水蒸気に変換された後に大気中に排出される。加熱燃焼
による再生を前提としたフィルタ素子は、例えば、円柱
の両方の底面から無数の盲孔が互い違いに配置されたセ
ラミック製の円柱体で構成され、互い違いの盲孔の対向
する側壁部分を濾過膜として使用する。
【0007】そして、ディーゼルエンジンの効率的な運
転を維持するためのフィルタ素子の管理方法として、フ
ィルタ素子に作用する圧力を計測してフィルタ素子の交
換時期あるいは再生時期を判別する方法が提案されてい
る。すなわち、ディーゼルエンジンの排気側に圧力計を
設けて排気圧力を計測し、この値が一定の基準値を越え
た場合にフィルタ素子の交換や再生が実施される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】このようなフィルタ素
子の管理方法では、その時点における排気圧力だけを問
題としているから、フィルタ素子の状態が十分には識別
できず、フィルタ素子における破損、取り付け不良、再
生不良等の異常を正確に検知できない。
【0009】例えば、高速道路、急な登り坂、発進と加
速等においてディーゼルエンジンの回転数を上昇させる
と、ディーゼルエンジンから吐出される排気ガスの流量
が増して排気圧力が上昇し、再生直後でフィルタ素子の
機能が正常な場合でも容易に基準値を越える結果とな
る。従って、ディーゼルエンジンを一定回転数で運転し
た場合の排気圧力で比較を行う必要があり、例えば、無
負荷のアイドリング状態で排気圧力の計測が実施される
ことになる。しかし、アイドリング状態では、回転数が
低過ぎて排気圧力の絶対値が小さく、一定回転数の維持
が困難で、回転数の変動率も大きいため、排気圧力の変
動も著しく、正確な排気圧力の計測に長時間を要する結
果となる。また、一定ギア比、一定速度の走行中の排気
圧力を検出すれば、排気圧力自体は正確に計測できる
が、一定ギア比、一定速度の走行が車輛の運転の自由を
不当に拘束するため、その都度、道路や交通状態を選ぶ
必要がある。
【0010】さらに、セラミック製のフィルタ素子を加
熱再生した際に、部分的な崩落や小さなクラックが形成
されて、濾過機能を十分に果たせなくなる場合がある
が、排気圧力への影響が小さい限り、これらの異常は容
易に見過ごされる。また、運転中にフィルタ素子の崩落
やクラックが進行して拡大した場合、いつまでたっても
交換や再生の必要がないと判別されることになり、排気
ガスの見掛け状態の黒煙化を他の運転者から指摘される
まで、大気中に大量の微粒子を放出し続ける結果とな
る。
【0011】本発明の目的は、フィルタ素子の状態を正
確に識別できて、小さな異常でも見過ごすことなく、そ
の発生や変化を正確に認知できるディーゼルパティキュ
レートフィルタの異常検出装置を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】図1は、請求項1の発明
の基本的な構成の説明図である。図1において、請求項
1のディーゼルパティキュレートフィルタの異常検出装
置は、ディーゼルエンジン3の排気経路に直列に接続さ
れたパティキュレートフィルタ4のフィルタ素子4Dの
状態を識別してその異常を検知するディーゼルパティキ
ュレートフィルタの異常検出装置において、前記ディー
ゼルエンジン3の回転数を計測する回転検知手段5A
と、前記フィルタ素子4Dに作用する圧力を計測する圧
力検知手段5Bと、計測された前記回転数および圧力に
基づいてフィルタ素子4Dの状態を識別する識別回路6
とを有し、該識別回路6は、リセット6R後に積算した
前記ディーゼルエンジン3の通算運転時間とそのときの
回転数とに基づいて圧力の期待値を求める基準値回路6
Kと、該期待値にそのときの圧力を比較して、該期待値
の許容範囲に満たない場合に異常検知信号6Sを出力す
る比較回路6Hとを含むものである。
【0013】請求項2のディーゼルパティキュレートフ
ィルタの異常検出装置は、請求項1のディーゼルパティ
キュレートフィルタの異常検出装置において、前記フィ
ルタ素子の再生作業を検知して前記リセットを遂行する
自動リセット回路を設けたものである。
【0014】請求項3のディーゼルパティキュレートフ
ィルタの異常検出装置は、ディーゼルエンジンの排気経
路に直列に接続されたパティキュレートフィルタのフィ
ルタ素子の状態を識別してその異常を検知するディーゼ
ルパティキュレートフィルタの異常検出装置において、
前記ディーゼルエンジンの回転数を計測する回転検知手
段と、前記フィルタ素子に作用する圧力を計測する圧力
検知手段と、計測された前記回転数および圧力に基づい
てフィルタ素子の状態を識別する識別回路とを有し、該
識別回路は、リセット後に積算した前記回転数の積算値
とそのときの回転数とに基づいて圧力の期待値を求める
基準値回路と、該期待値にそのときの圧力を比較して、
該期待値の許容範囲に満たない場合に異常検知信号を出
力する比較回路とを含むものである。
【0015】
【作用】本発明のディーゼルパティキュレートフィルタ
の異常検出装置では、一定不変の基準値に対してそのと
きの排気圧力を比較するのではなく、フィルタ素子の最
後の交換(あるいは再生)からそのときまでのディーゼ
ルエンジンの稼動量(積算値)と、そのときのディーゼ
ルエンジンの回転数と、で修正された刻々変化する基準
値(期待値)に対して、そのときの排気圧力を比較す
る。換言すれば、稼動量から予想されるフィルタ素子の
目詰まり具合による誤差要素と、回転数の変動による誤
差要素との両方を排除した形式でディーゼルエンジンの
排気圧力を評価する。これによって、排気圧力を用いた
フィルタ素子の状態の識別における精度を、従来の単な
る排気圧力の測定に比較して格段に高め得た。
【0016】ディーゼルエンジンの稼動量は、新品(再
生)状態からそのときまでのディーゼルエンジンの微粒
子吐出量、すなわち、フィルタ素子内に蓄積完了した微
粒子吐出量の総量を見積もるための変数である。同一の
ディーゼルエンジンとティキュレートフィルタの組み合
わせにおいては、フィルタ素子が同量の微粒子を蓄積
(すなわち同程度に汚れた)して圧損がほぼ等しくなる
と、同一回転数に対して再現性のある排気圧力が得られ
る。
【0017】請求項1のディーゼルパティキュレートフ
ィルタの異常検出装置では、ディーゼルエンジン3の稼
動量をリセットR入力後の積算運転時間で代表させる。
リセットRは、例えば、フィルタ素子4Dの交換(ある
いは再生)作業が完了した際にその作業者が実施し、新
しい交換(あるいは再生)サイクルにおけるディーゼル
エンジンの稼動時間の積算を開始させる。
【0018】基準値回路6Kは、リセットRが入力され
た後に積算したディーゼルエンジン3の積算運転時間
と、そのときの回転数NEとに基づいて、(a) 記憶され
た演算式による数値計算、(b) 記憶されたデータ数値か
らの呼び出し、または、(a) 、(b) の組み合わせによっ
て排気圧力の期待値を求める。
【0019】比較回路6Hは、基準値回路6Kで得た期
待値に対してそのときの圧力Pを比較し、期待値の許容
範囲に満たない、すなわち、あるべき排気圧力に比較し
て不当に低い排気圧力Pが検知された場合に異常検知信
号6Sを出力する。これにより、例えば、フィルタ素子
4Dの破損の可能性や、フィルタ素子4Dを交換した際
の取り付け不良等を通報できる。異常検知信号6Sは、
単なる警報以外の用途、例えば、ディーゼルエンジン3
の緊急停止のためのトリガー信号にも応用できる。
【0020】比較回路6Hには、期待値の許容範囲を越
えた、すなわち、あるべき排気圧力に比較して不当に高
い排気圧力Pが検知された場合に、異常検知信号6Sを
出力する機能を追加してもよい。これにより、例えば、
フィルタ素子4Dの異常な目詰まり発生や、再生不良を
通報できる。
【0021】回転検知手段5Aは、ディーゼルエンジン
3のクランク軸の回転数、燃料噴射ポンプの噴射回数、
圧力検知手段5Bで検知された排気圧力のリップル数等
を検知して、ディーゼルエンジン3の運転状態を反映し
た回転数NEを計測する。
【0022】圧力検知手段5Bは、ディーゼルエンジン
3の排気側からフィルタ素子4Dの高圧側までの任意の
位置に設けてよく、ディーゼルエンジン3の排気圧力P
を計測する。排気圧力Pは、読み数値、電流信号、パル
ス数、電圧信号、圧力そのもの等の形態で計測され、リ
ップルを含んだそのままの値、あるいは、平均値、最大
値、最小値等の加工値として識別に使用される。
【0023】請求項2のディーゼルパティキュレートフ
ィルタの異常検出装置では、識別回路6におけるリセッ
トRの入力が自動的になされる。例えば、パティキュレ
ートフィルタの開閉を検知するセンサによって交換作業
の実施を認知させ、パティキュレートフィルタに設けた
温度センサによって加熱再生の実施を認知させることが
できる。自動リセット回路は、これらのセンサの出力に
基づいて、識別回路の基準値回路をリセットする。
【0024】請求項3のディーゼルパティキュレートフ
ィルタの異常検出装置は、請求項1のディーゼルパティ
キュレートフィルタの異常検出装置に比較して、基準値
回路のみが異なり、ディーゼルエンジンの積算運転時間
の代わりにディーゼルエンジンの積算回転数を用いる。
積算回転数は、積算運転時間と密接に関連した数値であ
る。
【0025】基準値回路は、リセットRが入力された後
に積算を開始して、回転検知手段から刻々出力されるデ
ィーゼルエンジンの回転数を積分して回転数の積算値を
求める。そして、回転数の積算値とそのときの回転数と
に基づいて、(a) 記憶された演算式による数値計算、
(b) 記憶されたデータ数値からの呼び出し、または、
(a) 、(b) の組み合わせによって排気圧力の期待値を求
める。
【0026】
【実施例】図2は実施例のディーゼルパティキュレート
フィルタの異常検出装置の説明図、図3は排気圧力の変
動の説明図、図4は図2の実施例における記憶回路の説
明図、図5は図2の実施例における比較回路の説明図で
ある。ここでは、フィルタ素子を装着したままの状態で
フィルタ素子の再生を実施できるパティキュレートフィ
ルタ装置が示され、再生時期の管理を実施例のディーゼ
ルパティキュレートフィルタの異常検出装置によって行
う。
【0027】図2において、振動センサ51は、ディー
ゼルエンジンの爆発振動を検知して爆発のたびに1パル
スを出力する。識別回路60は、このパルスの継続によ
ってディーゼルエンジン30の動作を識別し、このパル
スのカウントによって回転数NEを検知する。圧力セン
サ52は、ディーゼルエンジン30の排気圧力に比例し
た電圧信号Pを出力する。
【0028】パティキュレートフィルタ装置40は、容
器41にフィルタ素子42を収納して周囲にヒータ44
を設けて構成される。再生装置45は、ディーゼルエン
ジン30の休止時間を利用して、外部電源を用いてヒー
タ44に通電して、容器41ごとフィルタ素子42を加
熱して再生する。そして、この再生シーケンスの終了と
同時に識別回路60に対してリセット信号Rを出力す
る。
【0029】フィルタ素子42は、微粒子の加熱燃焼に
よる再生を前提としたセラミック製のもので、1.5mm
角の盲孔を両方の底面から隔壁の厚さ100μm で市松
状に配置した直径200mm、長さ400mmの円柱状に形
成されている。フィルタ素子42は、車輛10のほぼ5
00kmの走行距離ごとに再生が必要となり、この期間を
通じてフィルタ素子42の全体に蓄積される微粒子の総
量は100〜200gにも達する。
【0030】図2において、積算タイマー61は、リセ
ット信号Rが入力された時点の積算値を0として積算を
開始し、振動センサ51から規則的なパルスが出力され
ている時間を積算する。カウンター64は、サンプリン
グタイマー63の動作時間だけ振動センサ51からのパ
ルスを受信してカウントし、ディーゼルエンジンの回転
数NEに換算する。
【0031】平均回路65は、サンプリングタイマー6
3の動作時間だけ圧力センサ52からの電圧信号を受信
し、積分してこの動作時間を通じた平均値を求めて、電
圧を圧力に換算して圧力平均値Pを算出する。
【0032】記憶回路62は、積算タイマー61による
積算時間Hとカウンター64による回転数NEとを参照
して、積算時間Hと回転数NEの組み合わせに対応させ
て予め蓄積しておいた多数の基準値の中から、1つの基
準値Qを選択して比較回路68に出力する。比較回路6
8は、基準値Qに対して許容範囲の上限と下限を設定
し、この上限と下限で構成される許容範囲に圧力平均値
Pが含まれるか否かを識別し、許容範囲を外れていれば
警告信号Sを出力する。
【0033】サンプリングタイマー63は、比較回路6
8から一定時間おきに出力されるサンプリング信号Dで
トリガーされて、一定の短時間だけカウンター64およ
び平均回路65を動作させる。サンプリング信号Dは、
記憶回路62の動作もトリガーする。
【0034】図3は、図2のディーゼルエンジン30と
パティキュレートフィルタ装置40の組み合わせによる
排気圧力の変動を示す。サンプリングタイマー63によ
る短い時間のサンプリングによって得られた排気圧力P
は、ディーゼルエンジン30のシリンダ内爆発に応じた
リップルを持ち、そのときのディーゼルエンジン30の
排気量とフィルタ素子42の圧損で決定される平均値を
持つ。そして、フィルタ素子42の圧損は、フィルタ素
子42における微粒子の蓄積量、すなわち、再生後の運
転時間の積算値Hに応じた値となる。
【0035】図3(a) において、ディーゼルエンジン3
0の回転数NEが高まると排気圧力Pの平均値が上昇す
る。図3(b) において、再生直後では、再生直前の目詰
まりが進行した場合に比較して、フィルタ素子41の圧
損が低い分、同じ回転数NEでも排気圧力Pが格段に低
くなる。
【0036】図4は、図3(a) 、(b) の関係を加味して
定めた記憶回路62の記録データを説明している。記憶
回路62には、新品のフィルタ素子41がパティキュレ
ートフィルタ装置40に装填された際の実測データが記
憶されている。
【0037】図4(a) において、排気圧力Pは、ディー
ゼルエンジン30の回転数NEが高まると単調に増加す
る。排気圧力Pと回転数NEの関係は、異なるディーゼ
ルエンジン30の稼動時間においても同様に計測され、
それぞれの計測データは、標準的な排気圧力の平均値Q
として、回転数NEと稼動時間Hを参照して直ちに引き
出し可能に記憶されている。
【0038】図4(b) において、排気圧力Pは、ディー
ゼルエンジン30の稼動時間Hが増すと単調に増加す
る。標準的な排気圧力の平均値Qは、換言すれば、図4
(a) をX−Z軸、図4(b) をY−Z軸として表現される
曲面上に配置した網目の各交点に対応して記憶される。
図4(a) 、(b) には、比較回路68で設定される許容範
囲の上限と下限とを点線で示した。
【0039】図5は、図2の比較回路30における識別
と警告のシーケンスのフローチャートである。ここで
は、再生装置45を用いたフィルタ素子42の再生を、
ヒータ44による加熱と、フィルタ素子42の高圧側に
設けた図示しない空気供給装置による空気供給との組み
合わせで行う。空気供給装置は、フィルタ素子42を冷
却することなく、微粒子の燃焼に必要な空気を最小限の
一定流量で供給する。そして、記憶回路62には、この
一定流量に対する新品のフィルタ素子42での圧損、す
なわち、再生完了に相当する圧力センサ52で計測され
るべき圧力の基準値Qが記憶されている。
【0040】図5において、比較回路68は、再生装置
45が作動中か否かを識別し、再生中であれば左側の再
生管理シーケンスを作動させ、再生中でなければ右側の
運転管理シーケンスを作動させる。
【0041】再生管理シーケンスでは、比較回路68
は、一定の時間間隔でサンプリング信号Dを発信して、
繰り返し回転数NE、基準値Q、圧力Pを取込み、基準
値Qを中心として許容範囲の上限と下限を定め、この許
容範囲と圧力を比較して、許容範囲の内側になければ警
告信号を発生する。これにより、警告信号の消滅によっ
て再生完了を確認でき、許容範囲の以下となった警告信
号によって、再生中の破損による圧損の低下を検知でき
る。
【0042】運転管理シーケンスでは、比較回路68
は、一定の時間間隔でサンプリング信号Dを発信して、
繰り返し回転数NE、基準値Q、圧力Pを取込み、基準
値Qを中心として許容範囲の上限と下限を定め、この許
容範囲と圧力を比較して、許容範囲の内側になければ警
告信号を発生する。これにより、運転中に発生した異常
な目詰まりや、運転中のクラック成長による圧損の低下
を検知でき、また、回転数の変動による影響を除去した
フィルタ素子42の目詰まり状態の正確な認知が可能と
なり、次回の再生の実施時期を誤らずに済む。
【0043】図6は別の実施例のディーゼルパティキュ
レートフィルタの異常検出装置の説明図である。ここで
は、図2の実施例のディーゼルパティキュレートフィル
タの異常検出装置における識別回路の別の構成例が示さ
れる。
【0044】図6において、回転数積算回路71は、リ
セット信号Rが入力された時点の積算値を0として積算
を開始し、振動センサ(51)から出力される規則的な
パルスの数を積算し、積算回転数Lに換算する。カウン
ター74は、サンプリングタイマー73の動作時間だけ
振動センサ(51)からのパルスを受信してカウント
し、ディーゼルエンジンの回転数NEに換算する。
【0045】平均回路75は、サンプリングタイマー7
3の動作時間だけ圧力センサ(52)からの電圧信号を
受信し、積分してこの動作時間を通じた平均値を求め
て、電圧を圧力に換算して圧力平均値Pを算出する。
【0046】記憶回路72は、回転数積算回路71によ
る積算回転数Lを参照して、積算回転数Lに対応させて
予め蓄積しておいた多数の基準値の中から、1つの基準
値Mを選択して補正回路77に入力する。補正回路77
は、カウンター74から得た回転数NEと基準値Mとを
予め記憶した代数式に代入し、数値計算を実施して回転
数NEで補正した基準値Qを算出する。補正回路77に
は、図4(a) の関係が代数式化して記憶される。
【0047】比較回路68は、基準値Qに対して許容範
囲の上限と下限を設定し、この上限と下限で構成される
許容範囲に圧力平均値Pが含まれるか否かを識別し、許
容範囲を外れていれば警告信号Sを出力する。
【0048】サンプリングタイマー63は、10分おき
に自ら作動して0.5秒間だけカウンター64および平
均回路65を動作させる。このように短いサンプリング
時間を設定したので、車輛の加速中、高速走行中、停車
中、アイドリング中のいずれでも、排気圧力からフィル
タ素子42の目詰まり状態を正確に識別できることにな
った。
【0049】
【発明の効果】請求項1のディーゼルパティキュレート
フィルタの異常検出装置によれば、排気圧力によるフィ
ルタ素子の目詰まり状態の識別を正確に実施でき、フィ
ルタ素子の次回の必要な交換や再生の時期を誤らないで
済む。また、ディーゼルエンジンの回転数による誤差
と、リセットからそのときまでのディーゼルエンジンの
稼動量による誤差とを予め除いてあるから、基準値に基
づいて定めた排気圧力の許容範囲を狭く採ることがで
き、許容範囲を狭く定めることによって、従来、見過ご
されていたフィルタ素子の小さな破損や、運転中におけ
る破損状態のわずかな進行をも正確に識別できる。
【0050】また、排気圧力の検出時間を非常に短く
(例えば0.5秒以下に)設定できるから、排気圧力の
計測だけのためにディーゼルエンジンを一定回転数で運
転する必要がなく、例えば、図2の実施例のような構成
とすれば、通常の運転中でも十分実施でき、車輛の運転
を不当に拘束することもない。
【0051】請求項2のディーゼルパティキュレートフ
ィルタの異常検出装置によれば、リセットの入力が自動
的になされるから、作業者がわざわざリセットしなくて
も間違いなく次の交換(再生)サイクルにおいて必要
な、異常検出のプログラムが開始される。
【0052】請求項3のディーゼルパティキュレートフ
ィルタの異常検出装置によれば、運転時間を積算するタ
イマーを設ける必要がない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基本的な構成の説明図である。
【図2】実施例のディーゼルパティキュレートフィルタ
の異常検出装置の構成の説明図である。
【図3】図2のディーゼルパティキュレートフィルタの
異常検出装置における排気圧力の変動の説明図である。
【図4】図2のディーゼルパティキュレートフィルタの
異常検出装置における記憶回路の説明図である。
【図5】図2のディーゼルパティキュレートフィルタの
異常検出装置における比較回路の説明図である。
【図6】別の実施例のディーゼルパティキュレートフィ
ルタの異常検出装置の構成の説明図である。
【符号の説明】
3 ディーゼルエンジン 4 パティキュレートフィルタ 6 識別回路 R リセット 4D フィルタ素子 5A 回転検知手段 5B 圧力検知手段 6K 基準値回路 6H 比較回路 6S 出力

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ディーゼルエンジン(3)の排気経路に
    直列に接続されたパティキュレートフィルタ(4)のフ
    ィルタ素子(4D)の状態を識別してその異常を検知す
    るディーゼルパティキュレートフィルタの異常検出装置
    において、前記ディーゼルエンジン(3)の回転数を計
    測する回転検知手段(5A)と、前記フィルタ素子(4
    D)に作用する圧力を計測する圧力検知手段(5B)
    と、計測された前記回転数および圧力に基づいてフィル
    タ素子(4D)の状態を識別する識別回路(6)とを有
    し、該識別回路(6)は、リセット(6R)後に積算し
    た前記ディーゼルエンジン(3)の通算運転時間とその
    ときの回転数とに基づいて圧力の期待値を求める基準値
    回路(6K)と、該期待値にそのときの圧力を比較し
    て、該期待値の許容範囲に満たない場合に異常検知信号
    (6S)を出力する比較回路(6H)と、を含むことを
    特徴とするディーゼルパティキュレートフィルタの異常
    検出装置。
  2. 【請求項2】 請求項1のディーゼルパティキュレート
    フィルタの異常検出装置において、前記フィルタ素子の
    再生作業を検知して前記リセットを遂行する自動リセッ
    ト回路を設けたことを特徴とするディーゼルパティキュ
    レートフィルタの異常検出装置。
  3. 【請求項3】 ディーゼルエンジンの排気経路に直列に
    接続されたパティキュレートフィルタのフィルタ素子の
    状態を識別してその異常を検知するディーゼルパティキ
    ュレートフィルタの異常検出装置において、前記ディー
    ゼルエンジンの回転数を計測する回転検知手段と、前記
    フィルタ素子に作用する圧力を計測する圧力検知手段
    と、計測された前記回転数および圧力に基づいてフィル
    タ素子の状態を識別する識別回路とを有し、該識別回路
    は、リセット後に積算した前記回転数の積算値とそのと
    きの回転数とに基づいて圧力の期待値を求める基準値回
    路と、該期待値にそのときの圧力を比較して、該期待値
    の許容範囲に満たない場合に異常検知信号を出力する比
    較回路と、を含むことを特徴とするディーゼルパティキ
    ュレートフィルタの異常検出装置。
JP4271421A 1992-10-09 1992-10-09 ディーゼルパティキュレートフィルタの異常検出装置 Withdrawn JPH06123216A (ja)

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