JPH06122988A - 電解用電極およびその製造方法 - Google Patents
電解用電極およびその製造方法Info
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- JPH06122988A JPH06122988A JP29390192A JP29390192A JPH06122988A JP H06122988 A JPH06122988 A JP H06122988A JP 29390192 A JP29390192 A JP 29390192A JP 29390192 A JP29390192 A JP 29390192A JP H06122988 A JPH06122988 A JP H06122988A
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Abstract
以上の酸化タンタルの下地層を設けた導電性基体上に、
金属換算でイリジウム75〜95原子%およびタンタル
5〜25原子%を含有する酸化イリジウムと酸化タンタ
ルとの層を設けた電解用電極を、にかわ成分またはチオ
尿素系化合物を含有する金属電解液の電解の陽極に用い
る。 【効果】 長寿命で高い耐久性を示す。
Description
親水性有機化合物を含有する金属電解液の電解プロセス
に使用される電解用電極とその製造方法とに関するもの
である。さらに、詳しくいえば、本発明は、所定の親水
性有機化合物を含有する金属水溶液を電解して、陽極で
酸素を発生させる反応に好適に用いられる、すぐれた耐
久性と低い酸素過電圧に有する電解用電極と、これを簡
単に効率よく製造するための方法に関するものである。
の上に白金族金属やその酸化物の被覆層を設けた金属電
極は、種々の電解工業の分野において使用されている。
例えば、チタン基板上に、ルテニウムとチタンの酸化物
や、ルテニウムとスズの酸化物の被覆を施した電極が食
塩電解による塩素発生用陽極として知られている(特公
昭46−21884号公報、特公昭48−3954号公
報、特公昭50−11330号公報)。
合のように塩素発生を伴う電解のほかに、酸、アルカリ
または塩の回収、銅、亜鉛などの金属の採取や精製、め
っき、金属箔製造、金属表面処理、陰極防食、廃液処理
などの酸素発生を伴う電解プロセスも数多くの分野で利
用されている。そして、このような酸素発生を伴う電解
では、鉛系電極が最も一般的に使用されている。その
他、不溶性電極として、チタン基板上に酸化イリジウム
と白金を被覆した電極、酸化イリジウム−酸化スズ系電
極、酸化イリジウム−酸化タンタル系電極などの酸化イ
リジウム系電極や白金めっきチタン電極などが知られて
いる。
の使用用途によっては種々のトラブルを生じ、必ずしも
適当なものとはいえない。例えば亜鉛めっき用の陽極と
して可溶性亜鉛陽極を用いると、陽極の溶解が著しいの
で、極間距離の調節を頻繁に行わなければならないし、
また鉛系の不溶性陽極を用いると、電解液中に混入した
鉛の影響によりめっき不良を生じる。また、白金めっき
チタン電極は、100A/dm2 以上の高電流密度で、いわ
ゆる高速亜鉛めっきを行う場合には、消耗が激しく使用
することができない。
用用途ごとに、なんら障害を伴わずに適用できる電極を
開発することが、電極製造技術における重要な課題の1
つになっている。このような特殊電解プロセスの1例と
しては、銅の電解精製や、銅箔の製造等、各種金属の電
解プロセスにおいて、にかわ分やチオ尿素等を添加剤と
して含有する電解液用いることがある。
3号公報には、Ir50〜90モル%、Ta50〜10
モル%の下地層を設けた酸化イリジウム−酸化タンタル
系電極が開示されている。そして、この電極は、めっき
浴中に親水性有機化合物添加剤を全く含まないめっき用
の陽極としては実用上十分な耐久性を示す。しかし、め
っき浴中ににかわ分等を添加した場合には、耐久性が低
下して実用性を失ってしまうものがあることが判明し
た。
電極を陽極として酸素発生を伴う電解を行うと、基体と
被覆層との間に酸化チタン層を生じ、次第に陽極電位が
高くなり、遂には被覆層が剥離して陽極が不働態化する
現象がしばしばみられる。この現象は特に、電解液中に
にかわ分等が添加された電解プロセスにおいて顕著であ
る。
タンの生成を抑制し、陽極の不働態化を防止するために
は、適当な被覆層を選択したり、適当な下地層を設ける
ことが種々提案されてきている。
は、比較的薄く、導電性で比較的酸素に対して不浸透性
を示す中間障壁層を有する電極が開示されている。ま
た、特公昭49−48072号公報には、中間層とし
て、電極基体をフィルム形成金属イオン含有水溶液中に
浸漬して、そしてこの溶液から電気的もしくは化学的酸
化によりフィルム形成金属の酸化物を沈着させることに
より中間層を形成する電極の製造法が開示されている。
しかし、にかわ分等を添加したときには、電極触媒層の
消耗が激しく、耐久性が不十分なため使用できない。
は、酸化タンタルが電解液中で安定なことから、電極の
表面被覆層として酸化タンタルと他の原子価の金属の酸
化物からなる被覆層を設ける旨が提案されている。ま
た、特開昭49−79971号公報には、酸化タンタル
層を、電極触媒層の表面または、電極触媒層間または、
基体と電極触媒層間の中間層として設ける旨が開示され
ている。ただし、酸化タンタルは導電性の不良な物質で
あるため、基体と電極触媒層間の中間層として設ける場
合には、基体上にあらかじめ酸化チタン層を形成してか
ら酸化タンタル層を形成させなければならないとしてい
る。
で、チタン基体と電極触媒層の中間に形成するチタン基
体の酸化を抑制し陽極の不働態化を防止するために中間
層材料として適している。しかし、酸化タンタルのみで
は、導電性が不良なため、酸化タンタルを還元処理した
り、酸化タンタルに他の原子価をもつ金属または金属の
酸化物を加えたり、また、酸化タンタルの層を非常に薄
くすることなどにより、導電性の不良な酸化タンタルの
導電性を改良する試みが提案されている。しかし、これ
らの提案では、にかわ分等を添加剤として用いる電解プ
ロセスでは、十分に満足できる中間層として機能するに
は至っていない。
は、チタン基体上に酸化タンタルの層を形成し、これを
非酸化性雰囲気中で熱処理することにより、部分的に還
元された酸化タンタル中間層を形成する電極の製造方法
が開示されている。しかし、この場合、タンタルの亜酸
化物層を形成するための雰囲気抑制用電気炉を必要と
し、また、製造コストも高くなるという欠点を有する。
2−61083号公報や、特開平3−193889号公
報には、酸化タンタルと酸化イリジウム、あるいは酸化
タンタルと酸化イリジウムと白金からなる中間層を有す
る電極が開示されている。しかし、中間層にイリジウム
や白金を用いるのでコスト高になる上に、中間層自体が
活性であり、その耐久性が悪いことから、電極寿命や酸
素過電圧の経時劣化の点で、満足する性能は得られな
い。
ンタルの中間層を金属換算で0.001〜1g/m2の薄さ
に設け、基体表面に生成するチタン酸化物に導電性を付
与した電極が開示されている。しかし、中間層が薄いた
め、チタン基体を保護し電極の不動態化を防止する効果
は小さくなり、十分な耐久性をもつ電極は得られにく
い。
中間層と上地層との組合わせ例では、いずれもにかわ分
等を添加剤として用いる電解プロセスでは十分な耐久性
を示さないことが判明した。このような事情から、電解
液がにかわ分等の親水性有機化合物を含有している場合
でも、異常消耗を起こさず、耐久性の良好な電極が切望
されている。
わ成分やチオ尿素系化合物を含有する電解液を電解する
電極であって、異常消耗を起こさず、長期間にわたっ
て、なんの支障もなく使用することができ、長寿命で耐
久性に優れた電極と、その製造方法を提供することであ
る。
分やチオ尿素系化合物を添加剤として用いる場合には、
チタンのような導電性基体上に酸化イリジウム−酸化タ
ンタル層を設ける際に、イリジウムとタンタルの組成比
を所定の範囲内に規制したときのみ、異常消耗が抑制さ
れ、高い耐久性が得られることを見出した。また、この
際、特定の厚さの酸化タンタルからなる下地層を設ける
と、異常消耗がさらに抑制され、耐久性がさらに高めら
れることを見出した。従って、上記の目的は、下記
(1)〜(7)の構成によって達成される。 (1)導電性基体上に、金属換算でイリジウム75〜9
5原子%およびタンタル5〜25原子%を含有する酸化
イリジウムと酸化タンタルとの層が設けられており、に
かわ成分またはチオ尿素系化合物を含有する金属電解液
の電解を行うための電解用電極。 (2)前記金属電解液は銅を含有する上記(1)の電解
用電極。 (3)導電性基体上に、金属換算でタンタル0.2mg/c
m2以上の酸化タンタルの下地層を介して、金属換算でイ
リジウム75〜95原子%およびタンタル5〜25原子
%を含有する酸化イリジウムと酸化タンタルとの上地層
が設けられており、にかわ成分またはチオ尿素系化合物
を含有する金属電解液の電解を行うための電解用電極。 (4)前記下地層の酸化タンタル担持量が金属換算で
1.0〜5.0mg/cm2である上記(3)の電解用電極。 (5)前記金属電解液は銅を含有する上記(3)または
(4)の電解用電極。 (6)導電性基体上にイリジウム化合物とタンタル化合
物とを含有する溶液を塗布後、酸化性雰囲気中で熱処理
して、金属換算でイリジウム75〜95原子%およびタ
ンタル5〜25原子%を含有する酸化イリジウムと酸化
タンタルとの層を形成して上記(1)または(2)の電
解用電極を得る電解用電極の製造方法。 (7)導電性基体上に、まずタンタル化合物を含有する
溶液を塗布後、酸化性雰囲気中で熱処理して、金属換算
でタンタル0.2mg/cm2以上の酸化タンタルの下地層を
形成し、次いで、この上に、イリジウム化合物とタンタ
ル化合物とを含有する溶液を塗布後、酸化性雰囲気中で
熱処理して、金属換算でイリジウム75〜95原子%お
よびタンタル5〜25原子%を含有する酸化イリジウム
と酸化タンタルからなる層を形成して上記(3)〜
(5)のいずれかの電解用電極を得る電解用電極の製造
方法。
に説明する。
ては、例えば、チタン、タンタル、ジルコニウム、ニオ
ブなどのバルブ金属あるいはこれらのバルブ金属の中か
ら選ばれた2種以上の金属の合金が挙げられる。
体上に、実質的に酸化イリジウムと酸化タンタルからな
る層が設けられており、この層の各成分の割合は金属換
算でイリジウムが75〜95原子%、タンタルが5〜2
5原子%の範囲にあることが必要である。
られ、前記イリジウムが75原子%未満となると、電解
とともに酸化タンタルと比較して、酸化イリジウムが選
択的に消耗する傾向があり、電解とともに過電圧が増加
し、電極寿命が短くなってしまう。また、前記イリジウ
ムが95原子%を超えると電極膜の密着強度が悪くなっ
てしまう。
量が金属換算で0.5〜7mg/cm2程度となるような厚さ
とすることが好ましい。
として、実質的に酸化タンタルからなる下地層が設けら
れる。この被覆層はタンタル換算で0.2mg/cm2以上の
量で施されることが必要である。この量が0.2mg/cm2
以上となると、下地層としてチタン基体を保護する効果
が十分に発揮されるからである。このような場合、本発
明のように電解銅箔製造など電解液中に添加剤としてに
かわ等の親水性有機化合物を含み、電極消耗を加速しチ
タン基体の劣化を大きく加速する条件では、この酸化タ
ンタルの下地層をタンタル換算で1.0mg/cm2〜5.0
mg/cm2の量で施すとより一層好ましい結果が得られる。
この量が1.0mg/cm2以上となると、にかわ等を含んだ
電解液がチタン基体表面に到達する危険性が解消し、チ
タン基体を保護する効果がより一層増大するからであ
る。また下地層の担持量が多くなれば、その量とともに
下地層自体の抵抗は高くなるため、高電流密度で使用し
た場合、この量が大きすぎると下地層の導電性が悪くな
り、下地層の抵抗のため電力ロスを生じ下地層としての
効果が十分に発揮されない場合が生じる。
好適な実施態様を説明すると、先ず導電性基体上にイリ
ジウム化合物とタンタル化合物とを含有する溶液を塗布
したのち、酸化性雰囲気中で熱処理して、金属換算でイ
リジウム75〜95原子%およびタンタル5〜25原子
%を含有する、酸化イリジウムと酸化タンタルからなる
層を形成する。この際使用する塗布液は、熱分解によっ
て酸化イリジウムになる化合物、例えば塩化イリジウム
酸(H2 IrCl6 ・6H2 O)、塩化イリジウムなど
のイリジウム化合物と、熱分解によって酸化タンタルに
なる化合物、例えば塩化タンタルのようなハロゲン化タ
ンタルやエトキシタンタルのようなタンタルアルコキシ
ドなどのタンタル化合物とを、所定の割合で適当な溶媒
に溶解することによって調整することができる。この酸
化性雰囲気中での熱処理は、前記塗布液を導電性基体上
に塗布し、乾燥したのち、酸素の存在下、一般に0.0
5気圧以上の酸素分圧で、好ましくは400〜600℃
の範囲の温度において焼成することによって行われる。
この操作は、必要な担持量になるまで複数回繰り返され
る。
電性基体上に、タンタル化合物を含有する溶液を塗布し
たのち、酸化性雰囲気中で熱処理して、酸化タンタルか
らなる下地層を形成させる。この際使用する塗布液は、
熱分解によって酸化タンタルになる化合物、例えば、塩
化タンタルのようなハロゲン化タンタルやエトキシタン
タルのようなタンタルアルコキシドなどのタンタル化合
物を、所定の割合で適当な溶媒に溶解することによって
調製することができる。この酸化性雰囲気中での熱処理
は、前記塗布液を導電性基体上に塗布し、乾燥したの
ち、酸素の存在下、一般に0.05気圧以上の酸素分圧
で、好ましくは400〜550℃の範囲の温度において
焼成することによって行われる。この操作は、必要な担
持量になるまで複数回繰り返される。
層の上に、イリジウム化合物とタンタル化合物とを含有
する溶液を塗布したのち、酸化性雰囲気中で熱処理し
て、金属換算でイリジウム75〜95原子%およびタン
タル5〜25原子%を含有する、酸化イリジウムと酸化
タンタルとの上地層を形成する。この際使用する塗布液
は、熱分解によって酸化イリジウムになる化合物、例え
ば塩化イリジウム酸(H2 IrCl6 ・6H2 O)、塩
化イリジウムなどのイリジウム化合物と、熱分解によっ
て酸化タンタルになる化合物、例えば塩化タンタルのよ
うなハロゲン化タンタルやエトキシタンタルのようなタ
ンタルアルコキシドなどのタンタル化合物とを、所定の
割合で適当な溶媒に溶解することによって調製すること
ができる。
布液を前記被覆層の上に塗布し、乾燥したのち、酸素の
存在下に好ましくは400〜600℃の範囲の温度にお
いて焼成することによって行われる。この操作は、必要
な担持量に達するまで複数回繰り返される。このように
して、前記被覆層の上に、所望の担持量を有する上地層
が施され、本発明の電極が得られる。
を形成するための熱処理を酸化性雰囲気中で行わない場
合には、酸化が不十分になり、金属が遊離状態で存在す
るので得られる電極の耐久性が低下する。
にかわ成分またはチオ尿素系化合物を含有する金属電解
液の電解における陽極、すなわち酸素発生電極として用
いられる。電解金属としては、銅、ニッケル、亜鉛、
鉄、錫、ビスマス、アンチモン、ヒ素、各種貴金属等が
可能であるが、特に銅を用いるときに好ましい結果が得
られる。そして、これらの金属精製、金属採取、金属箔
製造、めっき、排液処理等の電解プロセスに用いられる
各種の電解液はいずれも適用可能である。
源のにかわの他、ゼラチンが包含される。また、チオ尿
素系化合物には、チオ尿素とその誘導体が包含される。
本発明の電解用電極はこれらの1種以上を0.001〜
10g/l の範囲で含有する電解液に適用可能である。な
お、金属含有量は1〜200g/l の範囲内のいずれであ
ってよい。また、親水性有機化合物として、さらにアビ
トン、サフラニン、リグニン系等が含有されていてもよ
い。また、電解浴温は10〜80℃、電流密度0.1〜
300A/dm2 にて使用可能である。
するが、本発明はこれらの例によってなんら限定される
ものではない。
とが所定の組成比に相当するような所定の割合で塩化イ
リジウム酸(H2 IrCl6 ・6H2 O)とタンタルエ
トキシド[Ta(OC2 H5 )5 ]をブタノールにて溶
解して、イリジウム/タンタルの組成比を変化させた金
属換算濃度80g/l の下地または上地用塗布液を調整し
た。
基体上に、前記下地用塗布液を刷毛で塗布し、乾燥した
後、電気炉に入れて空気を吹き込みながら500℃で焼
き付けた。この塗布、乾燥、焼き付けの操作を適当な回
数所定の担持量になるまで繰り返して、酸化イリジウム
と酸化タンタルの表1に示される各種被覆下地層を作製
した。ただし、一部は単層膜被覆とした。なお、下地層
のタンタル担持量は、0.9〜1.2mg/cm2とし、その
他下地層を単層膜被覆で用いる場合にはイリジウム担持
量を1.3〜1.6mg/cm2とした。
刷毛で塗布し、乾燥した後、電気炉に入れて空気を吹き
込みながら500℃で焼き付けた。この塗布、乾燥、焼
き付けの操作を適当な回数所定の担持量になるまで繰り
返して、下地層の上に酸化イリジウムと酸化タンタルの
上地層が被覆した電極試料を作製した。上地層のイリジ
ウムの担持量は1.2〜1.5mg/cm2とした。
て、酸素過電圧を測定した。測定方法は電位走査法によ
り、30℃、1モル/l 硫酸水溶液中で電流密度20A/
dm2における値を求めた。
l 硫酸水溶液中で寿命試験を行った。この電極を陽極と
して陰極には白金を用い、電流密度200A/dm2 で電解
を行った。その結果を表1に示した。なお、1モル/l
硫酸水溶液中での電極寿命は○:2000時間以上、
△:1000〜2000時間、×:1000時間未満で
示した。
命試験を1000時間まで行い、試験を一時中断して上
記の酸素過電圧の測定法により1000時間経過の酸素
過電圧を求め、その値と初期値との差を求めて評価を行
った。その結果を表1に示したが、酸素過電圧の経時変
化は、○:0.3V未満、△:0.3〜0.7V、×:
0.7V以上の過電圧の上昇で表示した。
液での寿命試験を行った。電解液は2モル/l 硫酸水溶
液に対してにかわ100ppm 、チオ尿素50ppm 、塩酸
100ppm の量を添加したものを用いた。電解液温度は
70℃、電流密度200A/dm 2 、陰極には銅板を用い
た。この親水性有機化合物含有電解での電極寿命は◎:
1000時間超、○:600〜1000時間、△:30
0〜600時間、×:300時間以下で表1に示した。
め、電解中の電極の機械的強度を試験した。試験方法は
1モル/l 硫酸水溶液中での寿命試験を1000時間ま
で行い、その後超音波による振動剥離試験を5分間行
い、振動剥離試験前後の膜厚を蛍光X線分析により測定
し、減量を求め評価を行った。電極膜厚の剥離は○:5
%以下、△:5〜10%、×:10%以上の超音波減量
で示している。
C2 H5 )5 ]をブタノールに溶解してタンタル金属換
算40g/l の下地用塗布液を調整した。また、酸化イリ
ジウムと酸化タンタルが所定の組成比に相当するような
所定の割合で、酸化イリジウム(H2 IrCl6 ・6H
2 O)とタンタルエトキシド[Ta(OC2 H5 )5 ]
をブタノールに溶解してイリジウム/タンタルの組成比
を変化させた金属換算濃度100g/l の上地用塗布液を
調整した。
基体上に、前記下地用塗布液を刷毛で塗布し、乾燥した
後、電気炉に入れて空気を吹き込みながら500℃で焼
き付けた。この塗布、乾燥、焼き付けの操作を適当な回
数所定の担持量になるまで繰り返して、表2に示した酸
化タンタル下地層を作製した。
刷毛で塗布し、乾燥した後、電気炉に入れて空気を吹き
込みながら500℃で焼き付けた。この塗布、乾燥、焼
き付けの操作を適当な回数所定の担持量になるまで繰り
返して、下地層の上に酸化イリジウムと酸化タンタルの
上地層を被覆した電極試料を作製した。上地層のイリジ
ウム担持量は、1.2〜1.5mg/cm2とした。
て、酸素過電圧を測定した。測定方法は電位走査法によ
り、30℃、1モル/l硫酸水溶液中で電流密度20A/dm
2 における値を求めた。
硫酸水溶液中で寿命試験を行った。この電極を陽極とし
て陰極には白金を用い、電流密度200A/dm2 で電解を
行った。その結果を表2に示した。
は○:2000時間超、△:1000〜2000時間、
×:1000時間以下で表示した。
命試験を1000時間まで行い、試験を一次中断して上
記の酸素過電圧の測定法により1000時間経過後の酸
素過電圧を求め、その値と初期値との差を求めて評価を
行った。
経時変化は○:0.3V未満、△:0.3〜0.7V、
×:0.7V以上の過電圧の上昇で表示した。
での寿命試験を行った。電解液は2モル/l硫酸水溶液に
対して、にかわ100ppm 、チオ尿素50ppm 、塩酸1
00ppm の量を添加したものを用いた。電解液温度は7
0℃、電流密度200A/dm2、陰極には銅板を用いた。
この親水性有機化合物含有電解での電極寿命は、◎:1
000時間超、○:600〜1000時間、△:300
〜600時間、×:300時間以下で表2に示した。
電極は、酸素過電圧の経時変化が小さく、機械的密着強
度も高く、電解液中ににかわ成分やチオ尿素系化合物を
含有し、酸素発生反応において電極消耗を著しく加速す
る電解プロセスにおいて、臨界的に著しく長い寿命を有
する。
l 、にかわ濃度10mg/lの硫酸酸性銅電解液を用い、ス
テンレス回転円筒体を陰極とし、上記実施例1〜13の
電極を陽極として、電流密度40A/dm2 にて70μm の
電着銅箔を連続的に製造したところ、長期間に亘って安
定した銅箔を得ることができた。
系を含有する電解液の電解プロセスにおいて陽極として
使用する場合、低い槽電圧で長期間の使用に耐え、耐久
性に優れる上、100A/dm2 以上の高電流密度で電解を
行っても、耐久性に優れ、長期間の使用が可能である。
親水性有機化合物を含有する金属電解液の電解プロセス
に使用される電解用電極とその製造方法とに関するもの
である。さらに、詳しくいえば、本発明は、所定の親水
性有機化合物を含有する金属水溶液を電解して、陽極で
酸素を発生させる反応に好適に用いられる、すぐれた耐
久性と低い酸素過電圧を有する電解用電極と、これを簡
単に効率よく製造するための方法に関するものである。
C2H5)5]をブタノールに溶解してタンタル金属換
算40g/lの下地用塗布液を調整した。また、酸化イ
リジウムと酸化タンタルが所定の組成比に相当するよう
な所定の割合で、塩化イリジウム(H2IrCl6・6
H2O)とタンタルエトキシド[Ta(OC
2H5)5]をブタノールに溶解してイリジウム/タン
タルの組成比を変化させた金属換算濃度100g/lの
上地用塗布液を調整した。
Claims (7)
- 【請求項1】 導電性基体上に、金属換算でイリジウム
75〜95原子%およびタンタル5〜25原子%を含有
する酸化イリジウムと酸化タンタルとの層が設けられて
おり、にかわ成分またはチオ尿素系化合物を含有する金
属電解液の電解を行うための電解用電極。 - 【請求項2】 前記金属電解液は銅を含有する請求項1
の電解用電極。 - 【請求項3】 導電性基体上に、金属換算でタンタル
0.2mg/cm2以上の酸化タンタルの下地層を介して、金
属換算でイリジウム75〜95原子%およびタンタル5
〜25原子%を含有する酸化イリジウムと酸化タンタル
との上地層が設けられており、にかわ成分またはチオ尿
素系化合物を含有する金属電解液の電解を行うための電
解用電極。 - 【請求項4】 前記下地層の酸化タンタル担持量が金属
換算で1.0〜5.0mg/cm2である請求項3の電解用電
極。 - 【請求項5】 前記金属電解液は銅を含有する請求項3
または4の電解用電極。 - 【請求項6】 導電性基体上にイリジウム化合物とタン
タル化合物とを含有する溶液を塗布後、酸化性雰囲気中
で熱処理して、金属換算でイリジウム75〜95原子%
およびタンタル5〜25原子%を含有する酸化イリジウ
ムと酸化タンタルとの層を形成して請求項1または2の
電解用電極を得る電解用電極の製造方法。 - 【請求項7】 導電性基体上に、まずタンタル化合物を
含有する溶液を塗布後、酸化性雰囲気中で熱処理して、
金属換算でタンタル0.2mg/cm2以上の酸化タンタルの
下地層を形成し、 次いで、この上に、イリジウム化合物とタンタル化合物
とを含有する溶液を塗布後、酸化性雰囲気中で熱処理し
て、金属換算でイリジウム75〜95原子%およびタン
タル5〜25原子%を含有する酸化イリジウムと酸化タ
ンタルからなる層を形成して請求項3〜5のいずれかの
電解用電極を得る電解用電極の製造方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4293901A JP2983114B2 (ja) | 1992-10-07 | 1992-10-07 | 電解用電極およびその製造方法 |
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JP4293901A JP2983114B2 (ja) | 1992-10-07 | 1992-10-07 | 電解用電極およびその製造方法 |
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JPH06122988A true JPH06122988A (ja) | 1994-05-06 |
JP2983114B2 JP2983114B2 (ja) | 1999-11-29 |
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Family Applications (1)
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JP4293901A Expired - Lifetime JP2983114B2 (ja) | 1992-10-07 | 1992-10-07 | 電解用電極およびその製造方法 |
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JP (1) | JP2983114B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH06146051A (ja) * | 1992-11-06 | 1994-05-27 | Permelec Electrode Ltd | 金属箔の電解による製造方法 |
-
1992
- 1992-10-07 JP JP4293901A patent/JP2983114B2/ja not_active Expired - Lifetime
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JPH06146051A (ja) * | 1992-11-06 | 1994-05-27 | Permelec Electrode Ltd | 金属箔の電解による製造方法 |
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