JPH06122336A - 自動車の座席装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 運転者の居住環境、運転の安全性を改善し、
近年より一般的になっている小型自動車の１人１台の使
用態様に適した四輪車両を提供する。 【構成】 運転席を車両の左右中央付近に設け、かつそ
の幅を助手席（補助席）よろ著しく大きくし、さらに、
ドアミラーを運転席側に配置し、フェンダーミラーを助
手席（補助席）側に配置する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、自動車の座席装置に関
する。

【０００２】

【従来の技術】従来の自動車は、運転席を助手席と同一
幅かやや広い幅に設置し、ドアミラーまたはフェンダー
ミラーのいずれかを左右対称に配置したものであった。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし近年、車両の普
及率が高まり、その利用形態も大きく変化しつつある。
特に、小型自動車は、１人１台の使用形態が多くなって
きている。通常、運転者一人のみが乗車するこのような
使用形態において、従来の左右の対称性を維持すること
は、人間工学的な観点からも、運転者の居住性、運転操
作の容易性にとって好ましくない。たとえば、１人１台
の使用形態では、運転席が、余り利用されることのない
助手席と同じ大きさ又はやや幅広程度である必要はな
い。また、ドアミラーが車両の両側に装備されている場
合、ドアミラーは鏡面が大きくとれるため、運転席側の
ドアミラーの視認性はよい。しかし、運転者が助手席側
にあるドアミラーを見るためには、視線を特に大きく動
かす必要があり、助手席側のドアミラーの確認を困難に
している。一方、フェンダーミラーを車両の両側に装備
した場合、助手席側後部の視認のために必要な運転者の
視点の移動が少なくてすむが、ドアミラーの利点を生か
すことはできない。上述のように、車両レイアウトの左
右対称性を維持することは、かならずしも運転者の利
便、運転操作上の安全性に寄与するものではない。

【０００４】

【課題を解決するための手段】これら従来の車両レイア
ウトがもつ問題に鑑み、本発明は、運転席を車両のほぼ
中央位置に設け、かつ、助手席の幅の略１．５倍又はそ
れ以上の広い幅とし、助手席の前後移動可能距離を運転
席の前後移動可能距離よりも大きくした自動車の座席配
置を提供する。本発明においては、助手席（以下補助席
という）より著しく幅の広い運転席が、車両の中心線を
跨いで設置される。すなわち、運転席が車両の中心に近
い位置に設置される。このとき、運転に必要なハンド
ル、ペダル、計器等は、運転席に正対して設置される。
また、補助席はその前方にタイヤハウジングがあるよう
に配置され、その前後移動が可能な距離は、補助席塔乗
者の足が前方のタイヤハウジングに干渉されることがな
い程度まで補助席を後退させることができるよう、運転
席の前後移動量よりも大きくする。車内のルームミラー
は、車両中央部でなく、後方の視界を妨げることのない
ように、運転者と助手塔乗者との間に設置する。なお、
ルームミラーは運転者の右側に配置することもできる。

【０００５】

【作 用】運転席を車体中心線を跨いで、車体のほぼ中
央部に大きく取ることにより、運転席をより豪華につく
り、運転者の居住性を改善することができる。すなわ
ち、１人１台の使用形態が注目される中、運転席のアメ
ニティーを高めることができ、より運転者にアピールす
る車体デザインが可能となる。また、運転席と並んで補
助席を設けたため、従来同様、前席２人乗車も可能であ
る。補助席には、小児等のほか、ペットの座席としても
利用できる。この補助席は、これを前後に大きく移動で
きるようにすることにより、補助席塔乗者に足元の窮屈
感を与えることを防止できる。また、運転席側はドアミ
ラーとし、補助席側はフェンダーミラーとしたので、運
転者は助手席側に頭を大きく動かさずに左側の後方視認
をすることができ、注意力を前方により集中させること
ができる。

【０００６】

【実施例】本発明の実施例を図を参照しつつ説明する。
図１は、本発明による運転席、補助席、フェンダーミラ
ー、及びドアミラーの配置の一実施例を示す平面図であ
る。運転席１は、車体２の中心線３を越えて、車両のほ
ぼ中央付近に配置され、助手席側に広がっている。運転
席１の幅は、左右対称の従来の車両の運転席よりもはる
かに広く、ゆったりしたものとなっている。運転席１と
補助席４の間に隙間は設けられていない。ハンドル５、
計器類を収める計器パネル６、アクセルペダル７、ブレ
ーキエダル８、その他の運転者用の装置は、運転席１に
正対するように配置される。また、図中の９は、車両の
中心線３に近い位置にあるハンドル軸線を示す。これに
対し、補助席４は、運転席１の幅に比べて、著しく狭く
なっている。図示の実施例の場合、補助席４の幅は例え
ば４０ｃｍであり、運転席１の幅の１／２以下である。
また、運転席１の横幅が中心線３を越えたため、ルーム
ミラー１０は、後方の視野を確保できるよう、フロント
ガラス１１の運転席１と補助席４の間に取り付けられ
る。すなわち、ルームミラー１０の取付位置は、中心線
３をはずれたところにある。二人乗車時にも、後方の視
野を確保するためのである。また、ルームミラーを、図
１中に１０′で示す運転者の右側の位置に取り付けても
よい。補助席４側には、フェンダーミラー１３が取り付
けられる。

【０００７】運転席１及び補助席４は、フロアパネル１
４上に取り付けられたレール１５の上に、それぞれ独立
して前後移動ができるように取り付けられる。運転席４
の２つのレールのうちの１つは、フロアトンネル１６の
補助席側に延設した支持部材１６′上に、補助席用のレ
ールとともに取り付けられる。従って、運転席１は、フ
ロアトンネル１６を跨いで取り付けられる。運転席１と
補助席４の残りのレールはそれぞれ、フロアパネル１４
のドアに沿った位置に取り付けられる。運転席１及び補
助席４は、それぞれ別個に前後移動が可能である。特
に、前輪のタイヤハウジング１７により補助席搭乗者の
レッグルームが狭められて不快な場合には、席を後ろに
引いて、十分なスペースを確保することができ、また塔
乗者の上半身の動きも運転席による制約が少なくなく、
自由度が増す。このため、補助席４の前後移動可能な距
離をできるだけ大きく取ることが望ましく、補助席４の
前後移動量を運転席１の移動可能な距離よりも大きくす
ることが望ましい。このことは、運転席１及び補助席４
の移動範囲を示す図１中の破線４′により図示されてい
る。また、図中の１８は前輪を、１９は後部座席を示
す。

【０００８】図２は、図１の実施例のＡ−Ａ線に沿った
座席取付部分の断面を示す。運転席１および補助席４
は、フロアパネル１４上に取り付けられたレール１５の
上に、前後移動ができるように取り付けられる。また、
運転席４の２つのレールのうち１つは、フロアトンネル
１６の補助席側に設けた支持部材１６′上に補助席用の
レールの一つとともに取り付けられる。図３は、図１の
実施例を補助席側からみた側面図である。各レール１５
は、図示のように前方に向かって高くなるように傾斜し
ている。

【０００９】

【発明の効果】本発明によれば、小型車両における運転
者の居住環境、運転の安全性を改善することができ、近
年より一般的になっている小型自動車の１人１台の使用
態様に適した各種の自動車の座席を提供することができ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例を概念的に示す平面図である。

【図２】図１の実施例のＡ−Ａ線に沿った車体下部と座
席取付部の断面を示す。

【図３】図１の実施例の助手席側からの側面図である。

【符号の説明】

１ 運転席 ２ 車体 ３ 車体中央線 ４ 助手席（補助席） ５ ハンドル ６ 計器パネル ７ アクセルペダル ８ ブレーキペダル ９ ハンドル軸線 １０ ルームミラー １０′ 右側ルームミラー設置位置 １１ フロントガラス １２ ドアミラー １３ フェンダーミラー １４ フロントパネル １５ レール １６ フロアトンネル １７ タイヤハウジング １８ 前輪 １９ 後部座席

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 互いに分離独立した運転席および助手席
   を有する四輪車両において、運転席のシート幅を助手席
   のシート幅の略１．５倍又はそれ以上の幅に構成すると
   ともに、運転席を車両のほぼ中央に近い位置に配置し、
   助手席の前後方向のシートスライド量を、運転席の前後
   方向のシートスライド量より大きく設定したことを特徴
   とする自動車の座席装置。
2. 【請求項２】 ドアミラーを運転席側に配置し、フェン
   ダーミラーを助手席側に配置したことを特徴とする請求
   項１に記載の自動車の座席装置。