JPH0612151B2 - パイプ - Google Patents

パイプ

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JPH0612151B2
JPH0612151B2 JP59263432A JP26343284A JPH0612151B2 JP H0612151 B2 JPH0612151 B2 JP H0612151B2 JP 59263432 A JP59263432 A JP 59263432A JP 26343284 A JP26343284 A JP 26343284A JP H0612151 B2 JPH0612151 B2 JP H0612151B2
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賢司 佐藤
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恭一郎 猪狩
卓司 岡谷
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Description

【発明の詳細な説明】 A.産業上の利用分野 本発明は、パイプ、とくに温水循環法によるセントラル
ヒーテイング、就中フロアー・ヒーテイング設備に用い
られて、耐久性に優れ、外部酸素の浸透による温水中の
溶存酸素の増加が極めて少く、熱交換器、温水循環ポン
プ等の金属製部分の腐触を殆んど惹起しない温水循環用
パイプに関する。
B.従来技術 従来フロアーヒーテイング用温水パイプとしては、鉄
製、銅製などのパイプが主として用いられている。該パ
イプは施工時にコンクリート内に埋め込まれる場合、床
下に設置される場合が多く、一度設置されるとその後の
補修が多くの場合困難であり、しかも、通常、たとえば
約50年の如き長期に亘る耐久性が要求される。かかる
厳しい条件から継ぎ目なしパイプが容易に得られ、従つ
て継ぎ目からの濡洩の生ずる可能性がなく、またより安
価であること、鉄製、銅製などの従来のパイプを使用す
る場合の如く、熔接操作等に由来する施工費を要するこ
となく、しかもパイプ材質自体の腐触もないプラスチッ
クパイプがより好適であるとして使用され始めている。
通常ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等が用
いられるが、かかるプラスチツクパイプを温水循環方式
によるフロアーヒーテイングシステムに使用するとき熱
交換器、ポンプ等の金属製の部分に顕著に腐蝕が認めら
れるという意外な事実、しかも該腐蝕は、従前の鉄製、
銅製のパイプ使用時には全く認められていなかつた事実
が認められるに至り、複合プラスチツクパイプへの指向
が強まりつつある。しかし完全に該腐蝕防止の要求を満
たすものは、見出されていないのが実情である。たとえ
ば該腐蝕は、大気中の酸素がパイプ材質を通して、温水
中に浸透、溶解し、溶存酸素が増加することに起因する
らしいとの想定に基き、アルミニウム(Al)層を中間
層とする複合ポリエチレンパイプが一部試みられつつあ
るが、温度変化に起因するとみられるものの詳しくは明
らかでないが、Al層に亀裂が生じるなどの欠陥が認め
られ前記要求を満足するに至つていない。また従来ポリ
エチレン、ポリプロピレンは耐熱性が不十分であり、ま
た他のポリオレフインについてもさらに耐熱性の向上を
目的として通常放射線架橋が施こされて用いられる。こ
の場合架橋度が高いこと、生産性を高めるため、架橋速
度を大きく選定して行うなどのため通常厳しい条件、た
とえば12〜20Mradの強度の放射線(電子線)の照
射が採用されている。エチレン−酢酸ビニル共重合体け
ん化物(以下EVOHと記すことがある)は、かような
強度の照射には耐え難く主鎖の切断、劣化が避けられ
ず、EVOH層を中間層に用いたとしても該複層パイプ
を放射線架橋して実用的に満足な酸素遮断性を有する該
パイプとはなり得ない。また特開昭55-9611号および特
開昭56-93542号には水架橋ポリオレフインにEVOHを
積層したフイルム、シート、タンクについて記載されて
いるが、EVOHの片面に水架橋ポリオレフインを、も
う一方の面にポリブテンを積層することおよびそうして
得られたものを温水循環用パイプとして用いることにつ
いて記載されていないし、またここに記載されているよ
うな最内層をEVOH層とする水架橋ポリオレフインと
EVOHの2層構造の積層体を温水循環用パイプとして
使用しても、耐熱水性が充分でないばかりでなく、温水
中の溶存酸素の増加の顕著な抑制効果も期待できないた
めに、長期間前記した腐蝕の問題を生じさせないように
することは困難である。
C.発明が解決しようとする問題点 本発明は共押出積層操作が可能で、しかも、EVOH層
の劣化なしに、耐熱性、耐久性をも満足しうる樹脂を内
外層に用いて、該腐蝕もなく、しかも耐久性にも問題の
ない、継ぎ目なしのパイプ、とくに温水循環用パイプ、
就中フロアーヒーテイング用パイプを得んとするもので
ある。
D.問題点を解決するための手段 本発明はポリブテン(A)層/エチレン−酢酸ビニル共重
合体けん化物(B)層/ポリブテンまたは水架橋ポリオレ
フイン(C)層の積層体からなるパイプ、とくに温水循環
用パイプである。
E.発明の効果 本発明によれば、後述する実施例からも明らかなよう
に、パイプ中に温水を循環させた場合でも、温水中の溶
存酸素の増加速度は微々たるものであり、そのために温
水を循環させることによる熱交換器などの金属部分の腐
蝕を最小限に抑えることができるし、またパイプは耐熱
性に優れており、しかもEVOH層より内側のポリブテ
ンまたは水架橋ポリオレフイン層の酸化劣化をも顕著に
抑制することができるので、長期間にわたつて支障なく
使用することができる。
F.発明のより詳細な説明 本発明に用いるポリブテンは優れた耐熱性を有し、また
EVOHとの共押出し性に優れているため、ポリブテン
を使用することにより、前記したとおりの優れた効果を
奏することになる。ポリブテンはパイプの内外層に設け
てもよいし、また内外層のいづれかに設けてもよい。こ
こでポリブテンとはポリブテン−1のホモポリマーの
外、ブテン−1を主成分とするエチレン、プロピレンな
どのビニルモノマー、ジオレフイン、無水カルボン酸化
合物等との共重合体又はグラフト重合体などである。ま
た、このポリブテンには他の熱可塑性ポリマー、ポリエ
チレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合
体、さらには、エチレン−プロピレンエラストマー、ポ
リイソブチレンゴムなどの熱可塑性エラストマーなどを
本発明の目的を阻害されない範囲で配合することができ
るし、さらに滑剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、酸化防
止剤、架橋剤、架橋助剤、金属キレート剤、無機粉末、
着色剤などの添加剤を配合することもできる。このう
ち、無水マレイン酸変性ポリブテンが好ましい。また本
発明において水架橋ポリオレフインは優れた耐熱水性を
有しているので、水架橋ポリオレフインを内外層のいづ
れかに、とくに内層に用いることにより優れた特性を有
するパイプを得ることができる。
本発明に用いる水架橋ポリオレフインは加水分解可能な
有機基を持つたシリル基を含む化合物を共重合化または
グラフト化したポリオレフインで、シラノール縮合触媒
の存在下に水の作用により架橋し得るポリオレフインで
あり、架橋度が55%以上のものである。より具体的に
記せば、たとえばシラノール縮合の存在下で水により架
橋しうる一般式R−Si−(OR′){RはH2C=
CH−または (n=1〜5)、R′はCH3−、C25−またはCH3
−O−CH2−CH2−を表わす。}で示されるビニルシ
ランで変性されたシラン変性ポリオレフインがある。未
改質のポリオレフインをブレンド使用することも可能で
あるが、この場合においてもブレンド物の架橋度は55
%以上でなければならない。該架橋度が55%以上でな
ければ炭素数2〜3のオレフインでは、たとえば60〜
95℃の温水使用時要求される耐熱性、耐久性において
不満足なものとなる。また該架橋度があまりにも高すぎ
ると、可撓性が低下するので好ましくなく、該架橋度は
90%以下とすることが好ましく、85%以下とするこ
とがより好適である。
本発明にいう架橋度とは、沸点下のキシレンで8時間抽
出を行つたときの不溶出重量分率(ゲル分率)をいう。
該架橋度が65%以上であることは耐熱性、耐クリープ
性の向上の観点からより好ましい。前記加水分解可能な
有機基を持つシリル基を含む化合物としては、具体的に
はたとえばビニルトリメトキシシラン、ビニルエトキシ
シラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリス
(β−メトキシシラン)等がある。かかる水架橋性ポリ
オレフインを共重合により得る方法としては特開昭55-9
611号公報に開示されているが、該ビニルシランとエチ
レンとの共重合はたとえば具体的には、圧力500〜4000K
g/cm2、好ましくは1000〜4000Kg/cm2、温度100〜400
℃、好ましくは150〜250℃の条件下で、ラジカル重合開
始剤および必要ならば連鎖移動剤の存在下に、槽型また
は管型反応器、好ましくは槽型反応器内で同時にあるい
は段階的に反応させる。この場合、酢酸ビニル、アクリ
ル酸、メタアクリル酸およびそれらのエステル等の第3
モノマーを耐熱性、耐クリープ性、耐久性を害さない程
度に共重合してもよい。
グラフト化により水架橋性を付与する方法としては、特
公昭48-1711号公報等に示されている方法などがある。
たとえばポリオレフインに加水分解可能な前記シリル基
を含む化合物とラジカル発生剤とを押出機に供給し、18
0〜240℃、好ましくは200〜220℃のシリンダー温度で押
出すものである。この場合ラジカル発生剤としては、ジ
クミルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド等の
有機過酸化物が好適なものの一例として挙げられる。
共重合またはグラフト化したポリオレフインのシラン化
合物含量は0.001〜15重量%、好ましくは0.01〜5重
量%、より好ましくは0.1〜2重量%である。シラノー
ル触媒としては、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫
ジアセテート、ジオクチル錫ジアセテート、ジオクチル
錫ジラウレート、酢酸第1銅、無機酸、脂肪酸の如き酸
類、エチルアミン、ジブチルアミンの如き塩基類等の各
種がある。このシラノール縮合触媒は、未改質のポリオ
レフインとのマスターバツチとして前記水架橋性ポリオ
レフインに予め配合して用いるのが好ましい。
前記の水架橋性をグラフト化により付与されるポリオレ
フインとしては、たとえば炭素数2〜12のα−オレフ
インの単独重合体、α−オレフイン同志の共重合体(ラ
ンダム及びブロツク共重合体を含む)及び前記酢酸ビニ
ル、アクリル酸等の第3成分を、パイプ、とくにフロア
ーヒーテイング用パイプとしての要求特性を損わない範
囲で、α−オレフインと共重合した共重合体等がある。
就中、重合度の大きい高密度ポリエチレンがより好適で
ある。さらにグラフト化により水架橋性を付与されるよ
り好適なポリオレフインとしてオレフインの単独重合体
又は共重合体に僅少量(たとえば0.005〜5重量%、よ
り好ましくは、0.01〜2重量%)の無水マレイン酸を第
3成分としてグラフト重合させた変性ポリオレフインが
ある。該変性ポリオレフインに前記改質を施こし、水架
橋性を付与した該改質ポリオレフインは、耐クリープ
性、耐熱性を損わず、エチレン−酢酸ビニル共重合体け
ん化物との接着性をも付与されて、より好ましく用いる
ことができる。就中、無水マレイン酸変性高密度ポリエ
チレンが好適である。無水マレイン酸変性水架橋ポリオ
レフインと該未変性水架橋ポリオレフインとをブレンド
使用することもできる。
本発明に用いるEVOHは、エチレン含量20〜60モ
ル%、けん化度95%以上のEVOHである。エチレン
含量が20モル%未満の領域にあつては、酸素バリヤー
性には優れるものの、成形加工性に劣り、満足に成形を
行うことが困難となり、また該含量が60モル%を越え
ると、成形性に優れるも、酸素バリヤー性が次第に劣る
ものとなるので好ましくない。該含量が25〜55モル
%であることがより好ましい。また該けん化度は95%
以上であることを要し、95%以下では酸素バリヤー性
が低下し、本発明の効果を享受することができない。
さらにエチレン含量20〜60モル%の領域内から選ば
れた異なるエチレン含量をもつ、2種またはそれ以上の
EVOHのブレンド物もまた使用することができ、この
場合においても同様に本発明の効果を享受することがで
きる。
本発明における温水循環用パイプは、前述の如く、たと
えば60℃〜95℃、好ましくは60〜90℃の比較的
高温の温水をパイプ内に流通せしめることを目的とする
ものであり、かかる観点から、より好適な中間バリヤー
層としてのEVOH層の態様としてエチレン含量20〜
35モル%、好ましくは25〜35モル%、および40
〜60モル%、好ましくは40〜55モル%の2つのエ
チレン含量領域から選ばれた2種のEVOHからなる複
層EVOH層であり、かつより高いエチレン含量のEV
OH層がパイプ内部側に位置するように設けた態様があ
る。特により高温の温水用パイプに好適に用いられる。
この場合においても前記それぞれのエチレン含量領域に
ある2種または、それ以上の異なるエチレン含量のEV
OHからなるブレンド物をそれぞれ、よりエチレン含量
の低いEVOH層、より該含量の高いEVOH層に用い
ることができる。
本発明のEVOHには、酸素バリヤー性を損わない程度
にプロピレン等の炭素数3以上のオレフイン、(メタ)
アクリル酸等の第3成分を共重合成分として有するEV
OH、ビニルメトキシシラン、ビニルエトキシシラン等
のビニルシランをエチレン及び酢酸ビニルと共存せしめ
て共重合し、得られた共重合体をけん化して得られるシ
ラン変性EVOH等が包含される。
通常該パイプの外径は、たとえば10〜30mm程度であ
り、厚みは、たとえば1〜5mm程度である。さらに通常
使用する温水温度は、たとえば60〜95℃、好ましく
は60〜90℃である。温度的には比較的高温であり、
使用期間も長期に亘る関係上、EVOH層の層厚さは、
使用温水温度にも依存し、要求の程度に応じて選定され
るが、15〜150μ、たとえば温水温度60〜95℃の
場合では70〜80μから120μの範囲内で好適に使用
される。
EVOHの酸素バリヤー性は、EVOH中の水分に依存
し、該水分の増加と共に低下する。特に温度の高い領域
においてその依存性が大きい。本発明においてはEVO
H層の位置は中間層であればとくに限定されるものでは
ないが、EVOH層を該パイプ厚みの中央部より外表面
側に位置するように、つまり外層の厚さをa1、内層の厚
さをa2とするとき、a1/a2<1となる如くEVOH層を
設けることが、よりEVOH層の定常水分率を低下せし
め得てより好適である。さらにできるだけa1/a2が小さ
くなるように、たとえばa1/a2≦0.9、さらに好ましく
はa1/a2≦0.8となるように設けることが、EVOH層
より内表面側にある樹脂が通常うける酸素に起因する劣
化を、EVOHの酸素遮断性により、防ぐことができる
ので好適である。特に温水温度が高い場合に該劣化が促
進されるので、この効果は極めて顕著なものとなる。ま
たEVOH層を外表面に近づけすぎると、施工時等の表
面損傷により、EVOH層にも該損傷が及ぶ場合が多く
なるので、a1/a2の下限値は0.01とすることが好まし
い。ここで外層の厚さa1は0.02〜1.4mm、好ましくは0.0
3〜1.3mmであり、また内層の厚さa2は1.0〜3.0mm、好ま
しくは1.2〜2.9mmである。
樹脂中には酸化防止剤(たとえば3,5−t−ブチル−4
−ヒドロキシトルエン、イルガノツクス1010、イルガノ
ツクス1076など)を添加使用するのを常とするが、EV
OH層より内表面側に設けられる樹脂層への該酸化防止
剤の添加は殆んど不要か、または添加量はより少くてよ
い。内外両層が同じ樹脂で構成される場合には両層の酸
化防止剤量を変化せしめることは共押出積層操作におい
ては、両者をそれぞれの押出機に供給せねばならない等
の設備上余分の負担を要することとなるので、該酸化防
止剤費との関連で両者の添加量は同一であることがより
好適である場合もある。内外層が異なる樹脂で構成され
る場合には両層への酸化防止剤の添加量は同じでもよい
し、また異なつていてもよい。
水架橋ポリオレフイン層とEVOH層との層間接着力は
該パイプを共押出成形操作を行う場合においては弱く、
前記該ポリオレフインが無水マレイン酸等を第3成分と
して変成し、該ポリオレフイン層とEVOH層との層間
接着性を改良した該変性ポリオレフインである場合を除
き該両層を接着性樹脂を介して設けることがより好まし
い。該接着性樹脂としては、ポリオレフインの不飽和カ
ルボン酸またはその誘導体変性物が好適に用いられる。
該不飽和カルボン酸またはその誘導体とはアクリル酸、
メタクリル酸、メチルメタクリル酸等の一塩基酸、マレ
イン酸、フマール酸、イタコン酸、シトラコン酸、ハイ
ミツク酸等の二塩基酸またはこれらの無水物等があげら
れ、少くともこれらの1種が使用されるが、特に無水マ
レイン酸が好適である。該接着性樹脂に用いられるポリ
オレフインとしては、炭素数2〜12のα−オレフイン
の重合体(ポリエチレン、ポリプロピレン、など)、エ
チレンと炭素数3〜12のα−オレフインとの共重合体
である直鎖状低密度ポリエチレン、炭素数2〜12のα
−オレフインとこれと共重合しうるビニル単量体{脂肪
酸ビニルエステル(酢酸ビニルなど)、アクリル酸エス
テル(アクリル酸エチルなど)など}との共重合体があ
げられる。これらのポリオレフインの不飽和カルボン酸
またはその無水物などによる変性物の変性度(不飽和カ
ルボン酸またはその無水物が化学的に結合した量)は0.
005〜5重量%、より好ましくは0.01〜2重量%の領域
にあるのが適当である。さらに該変性ポリオレフインと
未変性のポリオレフインのブレンド物も接着性樹脂とし
て用いることができる。この場合ブレンド物中に含まれ
る化学的に結合した無水マレイン酸量は前記同様0.005
〜5重量%、より好ましくは、0.01〜2重量%に選定す
ることが適当である。接着性樹脂層の厚さは、2〜10
μ、通常4〜6μが適当である。
また、該パイプ構成樹脂層のいづれにも酸化防止剤、た
とえば3,5−t−ブチル−4−ヒドロキシトルエン(B
HT)、イルガノツクス1010、イルガノツクス1076など
を含有させることができるが、就中EVOH層より外表
面側に位置する樹脂層中には該酸化防止剤を含有させる
ことは、極めて長期に亘る使用を目的とするものであ
り、耐久性を保持させる観点から必要である。
本発明の複層構成のパイプは、それ自体公知の2基また
は、3基の押出機と多層用円形ダイを用いて行う共押出
成形操作で最も効率的にエンドレスパイプとして得るこ
とができる。
水架橋性ポリオレフインまたはその変成物を用いる場
合、該パイプ成形段階においては該シラン変性ポリオレ
フイン層が未架橋であり、またゲル分率も低く、該成形
に支障はなく、成形後において該シラン変性ポリオレフ
イン層に対する架橋を水で行う。その場合における架橋
方法としては該パイプを大気中に長期に放置しておき、
大気中の水分と反応させる方法、あるいは該パイプを温
湯、水中に浸漬する方法、さらにスチームを該パイプに
あてる方法等、要するに該シラン変性ポリオレフイン層
に水分を接触させるそれ自体公知の方法が利用できる。
かようにして得られる架橋シラン変性ポリオレフインの
架橋度は、55%以上、好ましくは65%以上である。
本発明のパイプは前述したとおり、温水循環用パイプと
してとくに著効を示すものであるが、その他の各種液
体、またはガス用パイプ、またパリソンを得、これをブ
ロー成形してボトルを製造するためのパイプとしても使
用することができる。
以下実施例により本発明を詳細に説明するが本発明を限
定するものではない。
実施例1 ポリブテン−1を一台の押出機に、他の一台の押出機に
エチレン含量31モル%、けん化度99.3%、メルトイン
デツクス1.2g/10分(190℃、2160g荷重)のEVO
Hを、さらに他の一台の押出機に無水マレイン酸変性度
0.02重量%、メルトインデツクス1.3g/10分(190
℃、2160g荷重の変性ポリエチレン(三井石油化学製ア
ドマーNF−500)を供給し、3種5層用円形ダイを用
いて、ダイ温度230℃で共押出操作を行つて、ポリブテ
ン−1(A)/該無水マレイン酸変性ポリエチレン(D)/該
EVOH(B)/(D)/ポリブテン−1(C)の構成からなる
複合構成の外径20mmのパイプを得た。また各層の厚さ
は、外表面側のA層50μ、内表面側のC層1950μ、B
層98μ、各D層は50μであつた。なお上記操作を行
うに際しては、A、C及びD樹脂には、イルガノツクス
1010を0.5重量%含有せしめて用いた。
金属スズを充填した充填塔を用いて溶存酸素を除去した
水を上記パイプに循環し、温度70℃で該水中の溶存酸
素濃度の増加速度を測定した。大気中の相対湿度は65
%(20℃)であつた。該溶存酸素の増加速度は20μ
g/・hrであつた。
比較のため、同じ肉厚をもつたポリブテン−1のパイプ
を得て、同様に該溶存酸素の増加速度を測定した。該増
加速度は840μg/・hrであつた。
ここで増加速度μg/・hrとは、パイプ中の水1当
りμg/hrの速度で溶存酸素の増加のあることを示す。
すなわち、パイプを含む装置全系の水の体積をVcc、上
記パイプ内の水の体積をvccとし、単位時間当りの装置
内循環水の酸素濃度増加量をBμg/・hrとした場
合、上記溶存酸素増加速度(Aμg/・hr)とはA=
B(V/v)で計算される値を示す。
実施例2 実施例1において、ポリブテン−1に代えて無水マレイ
ン酸変性度0.013重量%の変性ポリブテン−1を用いま
た接着性樹脂を用いなかつた以外は実施例1と同様に行
つた。内外両表面層とEVOH層の接着力は充分で、実
用上支障のないものであつた。
実施例1と同様にして、該溶存酸素の増加速度を測定し
たところ19μg/・hrであつた。また比較のためE
VOH層を設けず該変性ポリブテン−1のみからなるパ
イプを得て、該溶存酸素増加量を測定したところ820μ
g/・hrであつた。
実施例3 密度0.952g/cc、メルトインデツクス0.5g/1
0分の高密度ポリエチレン〔三菱油化製ユカロンハード
BX−50(商品名)〕100重量部、アセトンに溶解し
たビニルトリメトキシシラン2重部およびジクミルパー
オキサイド0.2重量部を混合した後、その混合物を径6
5mm、L/D24の押出機を用いて230℃で溶解混練し、ス
トランド状に押出し、ついでそれを冷却してカツテイン
グし、ビニルシランが1.5重量%付加された変性ポリエ
チレンのペレツト(ゲル分率0%)を得た。
次にこのペレツト100重量部に対しジブチル錫ラウレー
ト2重量部を配合したBX−50を5重量部配合したも
のを、実施例1のポリブテン−1(A)および(C)に代えて
使用し、以下実施例1と同様の方法によりパイプを得
た。得られたパイプの溶存酸素の増加速度は25μg/
・hrであつた。
実施例4 実施例1のポリブテン−1(A)および(C)に代えて、無水
マレイン酸変性ポリブテン−1(ポリブテン−1100重量
部に、無水マレイン酸0.04重量部及びジクミルパーオキ
サイド0.04重量部添加し230℃押出機にて溶融混練し、
ストランド状に凝固カツテイングしたペレツト状物)を
用いた以外は実施例1と同様の条件でパイプを得た。得
られたパイプの溶存酸素の増加速度は22μg/・hr
であつた。
実施例5 実施例3において使用したビニルシラン変性ポリエチレ
ン100重量部に対して、ジブチル錫ラウレート2重量部
無水マレイン酸変性ポリエチレン(三井石油化学アドマ
ーNF500)を10重量部配合したもの、及び実施例4
で使用した無水マレイン酸変性ポリブテン−1を、実施
例1のポリブテン−1(A)及び(C)にそれぞれ代えて使用
し、また接着性樹脂を用いなかつた以外は実施例1と同
様に行なつた。内外両表面層とEVAL層との接着力は
充分であり、実用上支障のないものであつた。実施例4
と同様にして該溶存酸素の増加速度を測定したところ、
21μg/・hrであつた。
また、比較のため、EVOH層を設けず、該変性ポリブ
テン−1及び変性ポリエチレンのみからなるパイプを得
て、該溶存酸素増加量を測定したところ、900μg/
・hrであつた。
比較例1 実施例1に示したポリブテン−1、EVOH及び無水マ
レイン酸変性ポリエチレンを使用し、3種3層円型ダイ
を用いてダイ温度230℃で共押出し操作を行ない、外層
のポリブテン−1(A)/該無水マレイン酸変性ポリエチ
レン(C)/内層の該EVOH(B)の構成からなる複合構成
の外径20mmのパイプを得た。また各層の厚さは、A層
2000μ、C層50μ、B層105μであつた。なお上記操
作を行うに除してA,B,C,樹脂にはイルガノツクス1010を
0.5重量%含有せしめて用いた。
該パイプに85℃の温水を循環したところ、数日后、E
VOH層の表面は光沢をうしない表面の凹凸が顕著であ
つた。また一部にはEVOH層の脱落が局部的に認めら
れた。実施例1に示した方法で溶存酸素の増加速度を測
定したところ、780μg/・hrであつた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岡谷 卓司 岡山県倉敷市酒津1621番地 株式会社クラ レ内 (56)参考文献 特開 昭58−162334(JP,A)

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリブテン(A)層/エチレン含量20〜6
    0モル%、けん化度95%以上のエチレン−酢酸ビニル
    共重合体けん化物(B)層/ポリブテンまたは水架橋ポリ
    オレフイン(架橋度55%以上)(C)層の積層体からな
    るパイプ。
  2. 【請求項2】外層が(A)層であり、内層が(C)層である特
    許請求の範囲第1項記載のパイプ。
  3. 【請求項3】外層が(C)層であり、内層が(A)層である特
    許請求の範囲第1項記載のパイプ。
  4. 【請求項4】外層の厚みをa1、内層を厚みをa2とすると
    き、0.01≦a1/a2<1である特許請求の範囲第1項記載
    のパイプ。
  5. 【請求項5】水架橋ポリオレフインが水架橋ポリエチレ
    ンである特許請求の範囲第1項記載のパイプ。
  6. 【請求項6】水架橋ポリオレフインが水架橋無水マレイ
    ン酸変性ポリオレフインである特許請求の範囲第1項記
    載のパイプ。
  7. 【請求項7】ポリブテンが無水マレイン酸変性ポリブテ
    ンである特許請求の範囲第1項記載のパイプ。
  8. 【請求項8】パイプが温水循環用パイプである特許請求
    の範囲第1項記載のパイプ。
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