JPH06117871A - 車両の移動距離測定装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 測定精度の向上が図れる車両の移動距離測定
装置を提供する。 【構成】 軌道１に沿って距離基準器（例えば発振器か
らなる）２が一定間隔Ｌを置いて配置される。一方、３
〜６は車両に搭載される。検出器３は、距離基準器２を
検出する。その検出信号（基準点通過信号）はカウンタ
部５に与えられ、またそれを介して距離算出部６にも与
えられる。回転検出器４は、車輪２１の回転を検出す
る。カウンタ部５は、基準点通過信号により初期化され
次の初期化までの期間内における回転検出器４の出力か
ら車輪２１の１回転を示す信号を逐一形成する。距離算
出部６は、カウンタ部５から１回転を示す信号が入力す
る度に１回転の長さを加算し、また基準点通過信号が入
力する度に距離Ｌを加算し、両加算値の和を当該車両の
移動距離として出力する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、車両の移動距離測定装
置に係り、特に車輪の回転数から距離を算出する方式の
改良に関する。

【０００２】

【従来の技術】周知のように、車両の移動距離ないしは
走行距離を測定する方式として、従来車輪の回転数から
距離を算出する方式が知られている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上述した従来の測定方
法では、路上にある突起物や窪等の障害物、氷結やぬか
るみ等による車輪のスリップなどは測定誤差の原因とな
るが、この誤差は累積してゆくので、走行距離が長くな
る程正確な距離測定が困難になるという問題がある。

【０００４】本発明の目的は、車輪の回転数から距離を
算出する方式において測定精度の向上が図れる車両の移
動距離測定装置を提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明の車両の移動距離測定装置は次の如き構成を
有する。即ち本発明の車両の移動距離測定装置は、道路
または線路に沿って所定の距離間隔で距離基準器を配置
する； とともに、車両に、前記距離基準器を検出し基
準点通過信号を出力する検出器と； 車輪の回転を検出
する回転検出器と； 前記基準点通過信号により初期化
され次の初期化までの期間内における前記回転検出器の
出力から車輪の１回転を示す信号を逐一出力するカウン
タ部と； 前記基準点通過信号の入力の都度前記距離基
準器の配置間隔距離を加算し、前記カウンタ部から１回
転を示す信号が入力する度に車輪の１回転の長さを加算
し、両加算値の和を当該車両の移動距離として出力する
距離算出部と； を備えたことを特徴とするものであ
る。

【０００６】

【作用】次に、前記の如く構成される本発明の車両の移
動距離測定装置の作用を説明する。本発明では、道路ま
たは線路に沿って所定の距離間隔で距離基準器を配置
し、車両が距離基準器の配置位置に到達する度に車輪の
回転数の計数を値０から開始する。つまり、車輪の回転
から距離を検出する区間を距離基準器の配置間隔の区間
内に限定する。

【０００７】その結果、車輪の空転等により生ずる測定
誤差の累積を小さくでき、高精度の距離測定が可能とな
る。なお、距離基準器の設置間隔を変えることにより目
的に応じた精度を得ることができる。

【０００８】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。図１は、本発明の一実施例に係る車両の移動距離
測定装置を示す。図１において、１は例えば線路（軌
道）であり、この軌道１に沿って距離基準器２が所定間
隔Ｌを置いて配置される。この距離基準器２は種々の構
成が考えられスイッチでも構成できるが、ここでは発振
器からなるとする。

【０００９】そして、車載装置として、検出器３と回転
検出器４とカウンタ部５と距離算出部６を基本的に備え
る。

【００１０】検出器３は、当該車両が距離基準器２の配
置位置にあるとき、または、通過するとき距離基準器２
を検出し、カウンタ部５に検出信号（基準点通過信号）
を出力する。

【００１１】回転検出器４は、例えば図２に示すよう
に、車輪２１の円周を等分（例えば１６等分）する１６
個のマーク２２のそれぞれを検出するセンサからなり、
マーク検出の度に検出パルス信号をカウンタ部５に与え
る。

【００１２】カウンタ部５は、例えば図３に示すよう
に、リセット端子付きカウンタ３１を中心に構成され
る。このカウンタ３１は、カウント入力が回転検出器４
の出力であり、１６個の検出パルスを計数して車輪２１
の１回転を示す信号を距離算出部６に逐一与える。ま
た、リセット入力は検出器３の出力（基準点通過信号）
であり、この基準点通過信号は距離算出部６にもそのま
ま与えられる。

【００１３】つまり、カウンタ部５では、基準点通過信
号により初期化され次の初期化までの期間内における回
転検出器４の出力から車輪２１の１回転を示す信号を逐
一形成しそれを距離算出部６に与える。従って、車両
は、通常は距離基準器２の設置位置から走行を開始する
ことになる。

【００１４】距離算出部６は、距離基準器２の配置間隔
Ｌと車輪２１の１回転の長さＤを基礎データとして有
し、走行開始時に基準点通過信号を得て距離Ｌを初期値
として設定し、その後、カウンタ部５から１回転を示す
信号が入力する度に長さＤを加算し、また基準点通過信
号が入力する度にＤの加算値は距離Ｌの値となるからＤ
の加算値を０にして距離Ｌを加算し、両加算値の和を当
該車両の移動距離として出力する。

【００１５】従って、距離基準器２のある配置区間内で
車輪に空転が生じたとしても、その配置区間が最終の区
間ではなく複数区間の途中であれば、測定誤差の原因に
はならず、測定精度が向上する。距離基準器２の配置間
隔を変えることで目的に応じた精度が得られる。

【００１６】

【発明の効果】以上説明したように、本発明の車両の移
動距離測定装置によれば、道路または線路に沿って所定
の距離間隔で距離基準器を配置し、車両が距離基準器の
配置位置に到達する度に車輪の回転数の計数を値０から
開始する、つまり、車輪の回転から距離を検出する区間
を距離基準器の配置間隔の区間内に限定するようにした
ので、車輪の空転等により生ずる測定誤差の累積を小さ
くでき、高精度の距離測定が可能となる効果がある。な
お、距離基準器の設置間隔を変えることにより目的に応
じた精度を得ることができる効果もある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例に係る車両の移動距離測定装
置の構成ブロック図である。

【図２】回転検出器の構成図である。

【図３】カウンタ部の構成図である。

【符号の説明】

１ 軌道 ２ 距離基準器 ３ 検出器 ４ 回転検出器 ５ カウンタ部 ６ 距離算出部 ２１ 車輪 ２２ マーク ２３ センサ ３１ カウンタ

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 道路または線路に沿って所定の距離間隔
   で距離基準器を配置する； とともに、車両に、前記距
   離基準器を検出し基準点通過信号を出力する検出器と；
   車輪の回転を検出する回転検出器と； 前記基準点通
   過信号により初期化され次の初期化までの期間内におけ
   る前記回転検出器の出力から車輪の１回転を示す信号を
   逐一出力するカウンタ部と； 前記基準点通過信号の入
   力の都度前記距離基準器の配置間隔距離を加算し、前記
   カウンタ部から１回転を示す信号が入力する度に車輪の
   １回転の長さを加算し、両加算値の和を当該車両の移動
   距離として出力する距離算出部と； を備えたことを特
   徴とする車両の移動距離測定装置。