JPH0611772Y2 - 印刷マスクの位置決め装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［考案の技術分野］ この考案はプリント基板へのクリーム半田を印刷する印
刷装置の印刷マスクの位置決め装置に関するものであ
る。

［従来技術とその問題点］ 従来の印刷マスクの位置決め方法を第５図によって説明
すると、台盤ａ、ｂの上面に、マスク枠ｃを４隅に配設
した取付板ｄの内側の孔に固定ねじｅにより仮締めし、
この取付板ｄの外側の２個づつの孔を固定ねじｆによっ
て、台盤ａ、ｂに取付固定する。そして、プリント基板
ｇを印刷位置にセットし、マスク枠ｃに取付けた印刷マ
スクｈのパターン孔ｉとプリント基板ｇ上のパターンと
をマスク枠ｃを微小移動させながら、合せ位置を上方か
らの目視で決めた後、固定ねじｅを締め付けて完全に固
定していた。

従って、機種切換時や、マスクｈの裏側に回った半田の
清掃等の際には、固定ねじｅを取外して、マスク枠ｃを
取外すため、再び取付けるときに、改めて前記の位置合
せ作業を繰返す必要があり、取外す度毎に多大の位置決
め工数が掛り、印刷装置の稼働率が低下するという問題
があった。

［考案の目的］ この考案は前記した事情に鑑みてなされたもので、その
目的とする処は、短時間に精度よく印刷マスクの位置決
めができる印刷装置を提供することにある。

［考案の要点］ この考案は前記した目的を達成するために、装置床に立
設された左右一対の台盤と、左側ガイドピンを有しこの
左側台盤に水平軸を介して回動可能に取付けられた左側
マスク枠取付け部材と、前記右側台盤に立設されたガイ
ドピンに嵌め合せる合わせ横孔と上面に右側ガイドピン
とを有し、右側台盤に着脱自在に取り付けられた右側マ
スク枠取付部材と、前記左側マスク枠取付部材の左側ガ
イドピンに合わせ孔が嵌め込まれ左側マスク枠取付部材
に着脱自在に取付けられた左側ジョイント部材と、前記
右側マスク枠取付部材の右側ガイドピンに合わせ孔が嵌
め込まれるとともに、右側マスク枠取付部材に着脱自在
に取付けられた右側ジョイント部材と、これ等左右のジ
ョイント部材に位置調整可能かつ着脱自在に取付けられ
たマスク枠と、このマスク枠に貼付された印刷マスクと
よりなり、上記左右のジョイント部材を左右のマスク枠
取付部材の両ガイドピンにそれぞれ嵌脱してマスク枠を
着脱するとともに、右側台盤に立設されたガイドピンに
右側マスク枠取付部材に形成された合せ横孔を嵌脱する
ことにより、マスク枠、左右のジョイント部材、左右の
マスク枠取付部材等を一体的に左側台盤の水平軸を支点
として、回動するようにしたことを要点とする。

［実施例］ 以下、第１図及び第２図を参照して、この考案の印刷マ
スクの位置決め装置の一実施例を説明する。

１は装置床で、この装置床１に左側台盤２と右側台盤３
とが立設され、左側台盤２に左側マスク枠取付部材６が
２個の固定ねじ３２によって固定されている。

また、右側台盤３の上面にガイドピン１４が立設され、
このガイドピン１４に嵌め合わされた横方向の長孔１４
ａを有する右側マスク枠取付部材１５が固定ねじ１６に
よって右側台盤３に取付けられている。

また、左右のマスク枠取付部材６、１５には夫々ガイド
ピン１７、１８が立設され、このガイドピンに嵌め合わ
された合せ孔１７ａを有するジョイント部材１９がマス
ク枠２１の左側縁に取付位置調整可能に２個の固定ねじ
２２により取付けられ、また、ガイドピン１８に嵌め合
せた合せ孔１８ａを有するジョイント部材２０が２個の
固定ネジ２３によって右側マスク枠取付部材１５に着脱
自在に取付けられるとともに、２個の固定ネジ２４によ
ってマスク枠２１の右側縁に取付位置調整可能に取付け
られている。

なお、２５はマスク枠２１に貼付されたマスクで、２６
はパターン孔である。

また、第２図に示すように、マスク枠２１に貼付された
マスク２５の下面に近接するように、前後方向に図示し
ない搬送装置によって基板２９が搬送されるようになっ
ている。

次に、この考案の印刷マスクの位置決め装置を具体的に
組み込んだ印刷装置について第２図乃至第４図により説
明する。

左側台盤２の上面に水平軸４を固定する一対の支持台４
ａを有する支持板４ｂが取付けられ、この水平軸４にＬ
字型の左側マスク枠取付部材６の回動脚６ａが回動自在
に、横移動なく、ガタなく取付けられ、この左側マスク
枠取付部材６の縦部材が支持板４ｂの右側側面に当接し
て、その水平部材が水平になった印刷状態において、こ
の水平部材が前記した左側マスク枠取付部材６と同じ機
能を有する。

また、水平軸４に左側天板５の一対の脚部材５ａが前記
左側マスク枠取付部材６と独立して、回転自在に取付け
られ、この左側天板５の上面にモータ７が取付けられ、
このモータ７の軸に精度のよいボールねじ８が連設さ
れ、このボールねじ８の先端に右側天板９を備えた軸受
箱１０が回転自在に取付けられている。このボールねじ
８には、ボールねじナット１１が螺合され、このボール
ねじナット１１に下向きにスキージ１２が取付けられ、
このスキージ１２は図示しない案内棒に案内されて、ボ
ールねじ８の回りに回動しないようになっている。

また、右側台盤３の上面の前記した右側マスク枠取付部
材１５の外側に立板１３が取付けられ、この立板１３に
前記右側天板９を支持するストッパ１３ａが取付けられ
ている。

また、左側天板５に取付けられた取付板２７にピン２７
ａによって先端部が枢支されたロッド２８ａを有するエ
アシリンダー２８が装置床１に設けられた取付台２８ｂ
に取付けられている。

また、第４図に示したように、右側天板９に垂直下方に
取付けられたフック取付板３０ａにフック３０がピン３
０ｂにより回動自在に取付けられ右側マスク枠取付部材
１５にフック３０のフック部３０ｃが蝶ナット３１によ
って取付けられるようになっている。

次に、この実施例の印刷マスクの位置決め装置の作用を
第１図により説明する。

マスク枠２１を取付ける場合には、 先ず台盤３のガイドピン１４に長溝１４ａを嵌め合せ
て、固定ねじ１６によって、右側マスク枠取付部材１５
を台盤３に固定する。

ついで、左右のジョイント部材１９、２０をマスク２５
を貼付したマスク枠２１の左側縁と右側縁に夫々固定ね
じ２２、２４によって仮止めする。

ついで、左右のジョイント部材１９、２０の合せ孔１７
ａ、１８ａを左右のマスク枠取付部材６、１５に立設さ
れたガイドピン１７、１８に夫々嵌め込み、固定ねじ２
３で右側マスク部材１５に右側ジョイント部材２０を固
定する。

ついで、第２図に示す下方の基板２９のパターンにマス
ク２５のパターン孔２６を合せるためにマスク枠２１を
微小移動させて、パターンとパターン孔２６とを目視に
より合せる。

ついで、固定ねじ２２、２４を締め付けて、マスク枠２
１と左右のジョイント部材１９、２０とを固定する。つ
いで固定ねじ１６を外すとマスク枠２１と右側台盤３
は、ガイドピン１４及び長溝１４ａで位置決めされた状
態のまま結合が解除され、エアシリンダー２８の作用に
よりマスク枠２１の回転が可能となる。以上がマスク２
５のパターン孔２６と基板２９のパターンを合せ込む方
法である。

次に、マスク枠２１を取外す場合には、 先ず、固定ねじ１６を取付けた後固定ねじ２３を取外
す。

ついで、マスク枠２１を持ち上げれば、右側マスク枠取
付部材１５は右側台盤３に固定された状態のままこのマ
スク枠２１は左右ジョイント部材１９、２０と一緒にガ
イドピン１７、１４から外れ、マスク枠２１が取外せ
る。

ついで、マスク枠２１または他の初期設定され位置決め
されたマスク枠２１′を取付ける場合には、先ず、マス
ク枠２１または２１′に取付いている左側ジョイント部
材１９の合せ孔１７ａと右側ジョイント部材２０の合せ
孔１８ａとをガイドピン１７、１８に夫々嵌め合す。

次いで固定ねじ２３により右側ジョイント部材２０を右
側台盤３に固定された右側マスク枠取付部材１５に固定
する。

この場合、ガイドピン１７と合せ孔１７ａ及びガイドピ
ン１８と合せ孔１８ａにより、左右及び前後方向の位置
が精度よく復元するので、マスク枠２１、従って、マス
ク２５の位置は元通りに復帰し、基板２９のパターンと
マスク２５のパターン孔２６とはづれなく合致する。つ
ぎに固定ねじ１６を取外せば、前記同様、マスク枠２１
は右側台盤３に対し結合状態が解除されるので、エアシ
リンダー２８の作用によりマスク枠２１の回転が可能に
なる。

なお、印刷装置全体の作用を説明すると、基板２９が搬
送装置により縦方向に搬送され、マスク枠２１の下面に
近接して所定の位置に停止すると、モータ７によって、
回転されるボールねじ８にボールねじナット１１が横方
向に移動され、このボールねじナット１１に下方を向い
て取付けられたスキージ１２がマスク２５の上面を摺擦
することによって、クリーム半田がパターン孔２６を通
して基板２９の所要部に印刷される。

次に、マスク枠２１を取外す場合には、第４図示したフ
ック３０を蝶ナット３１を外すことによって右側マスク
枠取付部材１５から外し、ついで、エアシリンダー２８
のロッド２８ａを退縮すると、取付板２７が水平軸４を
中心に反時計回りに回動し、モータ７、これに連設され
たボールねじ８、軸受箱１０、右側天板９が反時計回り
に回動してマスク枠２１の上方を開放した後に、前記し
たように、マスク枠２１を脱着する。

以上、説明したように、マスク枠２１を左右のジョイン
ト部材１９、２０を介して、左右のマスク枠取付部材
６、１５に取付け、左右のマスク枠取付部材６、１５に
設けられた夫々のガイドピン１７、１８に、左右のジョ
イント部材１９、２０に設けられた夫々の合せ孔１７
ａ、１８ａを合せるようにしたという簡単な構造で、固
定ねじ２３の着脱と、このガイドピン１７、１８に合せ
孔１７ａ、１８ａを嵌脱するという短時間の作業で、マ
スク枠２１に貼付されたマスク２５をづれることなく、
マスク枠２１を着脱できる。

更に台盤３にガイドピン１４を設け、右側マスク枠取付
部材１５にこれと嵌め合される横方向の長孔１４ａを設
けるという簡単な構造で、固定ねじ１６を着脱しても、
台盤３と右側マスク枠取付部材１５の位置関係は、常時
一定の状態である。すなわち、ガイドピン１８は常に一
定位置にある。

なお、左側マスク枠取付部材６の取付構造を水平軸４に
軸支された左側マスク枠取付部材６とすることによっ
て、前記フック３０のフック部３０ｃを蝶ナット３１に
より右側マスク枠取付部材１５に締め付けた後に、エア
シリンダー２８のロッド２８ａを退縮すると、マスク枠
２１は右側天板９を介して、軸受箱１０と一体にボール
ねじ８によって、水平軸４を中心に反時計回りに回動
と、マスク枠２１と基板２９との間に空間ができ、この
空間を利用してマスク２５の裏面の保守ができる効果が
ある。

［考案の効果］ 以上、詳細に説明したように、印刷マスクが貼付された
マスク枠を取替えたりする際には、右側マスク枠取付部
材に形成された合せ横孔を右側台盤に立設されたガイド
ピンに嵌め合せてこれらを所定の位置に確実に固定した
状態で、左右のマスク枠取付部材に設けられた両ガイド
ピンに、マスク枠が取付けられた左右の両ジョイント部
材を嵌脱して、これら取外したり、取付けたりすること
により、マスク枠の着脱や位置決め作業が短時間に容易
かつ確実にできるとともに、マスク枠等の位置がずれた
りすることもなく、確実にセットできる。

また、マスクの裏面等を清掃したり、点検したりする際
には、右側マスク枠取付部材に形成された合せ横孔を右
側台盤に立設されたガイドピンより嵌脱することによ
り、右側マスク枠取付部材が右側台盤との取付けが解除
されてフリーとなり、左右のマスク枠取付部材、左右の
ジョイント部材、マスク枠等は一体的に固定された状態
で水平軸を支点として一体的に回動するので、マスクの
裏面等の清掃や点検が短時間に容易かつ能率的にでき、
これらの位置決めも確実にできる。このように、マスク
枠の着脱やマスク裏面の清掃、点検の両作業が短時間に
容易かつ確実にできるので、特に大型のこの種の装置に
有効であるなどの優れた効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例の印刷マスクの位置決め装
置を示す平面図、第２図はこの考案の一実施例を印刷装
置に取付けた正面図、第３図はその左側面図、第４図は
フックを示す正面図、第５図は従来の印刷マスクの位置
決め装置を示す平面図である。 １……装置床、２……左側台盤、３……右側台盤、６…
…左側マスク枠取付部材、１４、１７、１８……ガイド
ピン、１５……右側マスク枠取付部材、１６、２２、２
３、２４……固定ねじ、１９……左側ジョイント部材、
２０……右側ジョイント部材、２１……マスク枠、２５
……マスク。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁵ 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 Ｈ０５Ｋ 3/34 Ｈ 9154−4Ｅ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】装置床に立設された左右一対の台盤と、左
   側ガイドピンを有しこの左側台盤に水平軸を介して回動
   可能に取付けられた左側マスク枠取付部材と、前記右側
   台盤に立設されたガイドピンに嵌め合せる合わせ横孔と
   上面に右側ガイドピンとを有し、右側台盤に着脱自在に
   取り付けられた右側マスク枠取付部材と、前記左側マス
   ク枠取付部材の左側ガイドピンに合わせ孔が嵌め込まれ
   左側マスク枠取付部材に着脱自在に取付けられた左側ジ
   ョイント部材と、前記右側マスク枠取付部材の右側ガイ
   ドピンに合わせ孔が嵌め込まれるとともに、右側マスク
   枠取付部材に着脱自在に取付けられた右側ジョイント部
   材と、これ等左右のジョイント部材に位置調整可能かつ
   着脱自在に取付けられたマスク枠と、このマスク枠に貼
   付された印刷マスクとよりなり、上記左右のジョイント
   部材を左右のマスク枠取付部材の両ガイドピンにそれぞ
   れ嵌脱してマスク枠を着脱するとともに、右側台盤に立
   設されたガイドピンに右側マスク枠取付部材に形成され
   た合せ横孔を嵌脱することにより、マスク枠、左右のジ
   ョイント部材、左右のマスク枠取付部材等を一体的に左
   側台盤の水平軸を支点として、回動するようにしたこと
   を特徴とする印刷マスクの位置決め装置。