JPH06116641A - 小型静止器用電磁鋼板の製造方法 - Google Patents

小型静止器用電磁鋼板の製造方法

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JPH06116641A
JPH06116641A JP26600792A JP26600792A JPH06116641A JP H06116641 A JPH06116641 A JP H06116641A JP 26600792 A JP26600792 A JP 26600792A JP 26600792 A JP26600792 A JP 26600792A JP H06116641 A JPH06116641 A JP H06116641A
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JP26600792A
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Takashi Tanaka
隆 田中
Hiroyoshi Yashiki
裕義 屋鋪
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Nippon Steel Corp
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Sumitomo Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】磁気特性の優れた小型静止器用電磁鋼板の製造
法を提供する。 【構成】C:0.005 %以下、N:0.005 %以下、Si:1
%を超え4%以下、sol.Al:0.15〜0.5 %、Mn:0.1 %
以下およびS:0.006 %以下を含有し、かつ(Mn/S)
≧10を満足し、残部はFeおよび不可避的不純物からなる
鋼素材を、700 ℃以上850 ℃以下の仕上げ温度で熱間圧
延した後、600 ℃以下の温度で巻取りを行い、次いで脱
スケールの前または後に800 ℃以上の温度で焼鈍を行
い、更に80%以下の圧下率で1回の冷間圧延を行った
後、 850〜1100℃の温度で焼鈍を施すことを特徴とする
磁気特性の優れた小型静止器用電磁鋼板の製造方法。 【効果】2回冷間圧延などの煩雑な工程を経ることな
く、小型静止器用の鉄芯材料として好適な圧延方向に磁
気特性の優れた無方向性電磁鋼板が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、小型静止器の鉄心材料
として用いられる、圧延方向に磁気特性の優れた電磁鋼
板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】電磁鋼板に対しては、機器の電力損失低
減および小型化のため、低鉄損、高磁束密度化という磁
気特性改善が強く求められている。中でも、変圧器や安
定器などの静止器用の電磁鋼板については、磁化方向が
限定されることから、機器性能上その磁気特性には異方
性 (方向性) があることがむしろ有利となる。すなわ
ち、一方向のみに磁気特性に優れた方向性電磁鋼板が望
ましいことになる。
【0003】しかし、方向性電磁鋼板の欠点としては、
長時間の高温焼鈍などの煩雑なその製造方法に起因する
高価格が挙げられる。このため、大型静止器ほど低鉄損
を要しない小型静止器に対しては、より低価格の無方向
性電磁鋼板が用いられるが、静止器のように磁化方向が
限定される用途には、できるだけ一方向に方向性を持
ち、かつできるだけ低鉄損の電磁鋼板の方が好ましいの
はいうまでもない。このような観点から圧延方向にのみ
磁気特性の優れた無方向性電磁鋼板の開発が進められて
きた。
【0004】例えば、特公昭56−43294 号公報には、S
i:0.1〜1.0 %で、T.Al を0.007 %以下に低く調整し
た熱延鋼板を、中間焼鈍をはさんだ2回の冷間圧延で、
2回目の圧下率を2〜15%とし、かつ鋼板の表面粗度を
15μ-in,r.m.s 以下とすることにより、圧延方向の透磁
率μ15/50 を4500以上とする透磁率の高い無方向性電磁
鋼板の製造方法が示されている。
【0005】特開昭61−119618号公報には、C:0.020%
以下、Si:1.0%以下、Mn:0.1〜1.0%、Al:0.40 %以下
を含む鋼スラブを熱間圧延後、熱延板焼鈍を経ることな
く、中間焼鈍をはさむ2回の冷間圧延で、2回目の圧下
率を3〜7%とする小型静止器の鉄芯材料用電磁鋼板の
製造方法が示されている。
【0006】特開平2−305920号公報には、C:0.015
%以下、Si:0.1 〜1.5 %、Mn:0.1 〜1.5 %、P:0.1
5 %以下、S:0.008 %以下、sol.Al:0.01〜1.0 %、
T.N:0.0050%以下およびT. O (酸素) :0.02%以
下を含有し、 (sol.Al/Si):0.02以上、 Al2O3 /( SiO2
+ MnO + Al2O3 )×100:40%以上を満足する鋼スラ
ブを熱間圧延後、中間焼鈍をはさむ2回の冷間圧延で、
2回目の圧下率を3〜10%とし、かつ鋼板の表面粗度を
15μ-in,r.m.s 以下とする磁気特性と溶接性の優れたセ
ミプロセス無方向性電磁鋼板の製造方法が示されてい
る。
【0007】しかし、これらの各号報に示される方法で
は、いずれも中間焼鈍をはさんで2回の冷間圧延を行う
ため、その製造工程が複雑になり、また経済的にも不利
である。さらに、Siが 1.5%以下と低いため、特に低鉄
損を要求される用途に適しない無方向性電磁鋼板しか得
られない。
【0008】ところで、一般に無方向性電磁鋼板におい
て板面内の磁気特性を向上させる手法の一つとして、熱
延板の結晶粒径を粗大化させることが知られている。例
えば、本出願人は、特開昭64−4425および特開昭64−55
338 の各号公報において、Si:0.1〜1.0 %、または 4.0
%以下の鋼素材中のMnを 0.2%以下、Sを0.006 %以下
に低減し、熱延板焼鈍を施すことにより、効果的に上記
粒径の粗大化を図ることができる無方向性電磁鋼板の製
造方法を開示した。ただし、この方法では、熱間圧延の
終了温度は 700℃以上のフェライト域内の温度、巻取温
度は 600℃以下とし、原則として1回の冷間圧延を施す
ことが条件である。
【0009】上記の各号報に示されるいずれの方法で
も、板面内各方向の平均磁気特性については向上する
が、圧延方向の磁気特性が特に優れた無方向性電磁鋼板
は得られない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
の問題点を解消することができる、圧延方向の磁気特性
の優れた小型静止器用電磁鋼板の製造方法を提供するこ
とにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は次の製造
方法にある。
【0012】重量%で、C:0.005 %以下、N:0.005
%以下、Si:1%を超え4%以下、sol.Al: 0.15〜0.5
%、Mn:0.1 %以下およびS:0.006 %以下を含有し、
かつ(Mn/S)≧10を満足し、残部はFeおよび不可避的
不純物からなる鋼素材を、700 ℃以上850 ℃以下の仕上
げ温度で熱間圧延した後、600 ℃以下の温度で巻取りを
行い、次いで脱スケールの前または後に800 ℃以上の温
度で焼鈍を行い、更に80%以下の圧下率で1回の冷間圧
延を行った後、 850〜1100℃の温度で焼鈍を施すことを
特徴とする磁気特性の優れた小型静止器用電磁鋼板の製
造方法。
【0013】本発明者らは、工程が単純な1回冷間圧延
法による上記電磁鋼板の製造方法を検討して次の新知見
を得た。
【0014】鋼素材中のMn含有量を低下させ、Sおよび
sol.Alの各含有量をある特定量に限定し、かつ冷間圧延
の圧下率を低く抑えることにより、簡単な工程で圧延方
向に磁気特性の優れた無方向性電磁鋼板を得ることがで
きる。
【0015】
【作用】本発明の基になった知見を図1により説明す
る。
【0016】図1は、ベース成分として、C:0.002
%、Si:1.7 %、Mn:0.06%、P:0.01%およびS:0.
0017%を含有する鋼素材で、sol.Al含有量(以下、Alと
いう)を0.2 〜0.8 %の範囲で、冷間圧延の圧下率を67
〜83%の範囲で、それぞれ変化させた場合の鉄損(W
15/50)と磁束密度(B50) の変化を示す図である。これ
らの鋼素材に対し、熱間圧延の仕上温度を780 ℃、巻取
温度を550 ℃とし、板厚3.0mm に熱間圧延した。これら
の熱延板を酸洗による脱スケールを行って、さらに850
℃で30秒間の連続焼鈍をした後、冷間圧延の圧下率を変
化させるために表面研削により板厚を 1.5〜3.0mm まで
変化させ、引き続き冷間圧延により最終板厚を0.5mm と
した。このときの冷間圧延圧下率が、図示する67、75お
よび83%である。その後 900℃で30秒間の連続焼鈍を施
し、得られた鋼板から圧延方向の短冊状試料を採取し、
JIS C 2550に定められている方法で磁気特性を調査し
た。
【0017】なお、無方向性電磁鋼板では、上記の磁気
特性は通常、JIS C 2550に定められているように、圧延
方向だけでなく圧延直角方向にも短冊状試料を採取して
行われるが、静止器用の場合には圧延方向の磁気特性の
みが重要となる。
【0018】図示するように、冷間圧延の圧下率が80%
を超えると鉄損は増大し、磁束密度は低下する。この磁
束密度の低下傾向はAlが 0.5%を超えると特に顕著とな
る。
【0019】これは次のような理由によるものと考えら
れる。すなわち、冷間圧延の圧下率が高すぎると、特公
昭64−55338 号公報にも示されているように、板面内無
方向に平均した磁気特性に近づくため、圧延方向の磁気
特性としては悪化したものと解される。また、Alが増加
すると、電気抵抗の増加により鉄損が減少するはずであ
るが、図1ではこれにほとんど変化はなく、同時に磁束
密度が急激に減少していることから、 0.5%を超えると
集合組織を変化させる作用を引き起こして、圧延方向の
磁気特性を悪化させたものと解される。
【0020】次に本発明の方法の対象となる鋼素材の組
成を前記のように限定した理由を説明する。
【0021】C:C含有量は鉄損低減の観点から少ない
方がよい。C含有量が 0.005%を超えると磁気時効によ
る鉄損増加が生じることから、 0.005%を上限とした。
望ましいのは0.003 %以下である。
【0022】N:N含有量も鉄損低減の観点から少ない
方がよい。N含有量が 0.005%を超えるとAlN などの窒
化物が生成し磁気特性が劣化することから、 0.005%を
上限とした。望ましいのは0.003 %以下である。
【0023】Si:Siは固有抵抗を増加させ、渦電流損の
低下による鉄損低下に有効に寄与する元素であり、特に
低鉄損が要求される用途では、1%を超えて含有させる
必要がある。一方、4%を超えると鋼板が脆くなって冷
間圧延時に板割れ等の問題を生じる。よって、Si含有量
の範囲を1%を超え4%以下とした。
【0024】sol.Al:Alは本発明において重要な意味を
もつ元素の一つである。前記のように 0.5%を超えてAl
を含有させると磁気特性に不利な集合組織が発達し、磁
束密度が急激に減少する。一方、0.15%未満では、溶鋼
での脱酸が不十分となる上、AlN が微細に析出して再結
晶後の結晶粒の成長を阻害し、磁気特性に悪影響を及ぼ
す。よって、Alの含有量をsol.Alとして0.15〜0.5 %の
範囲とした。
【0025】Mn:従来は、Sによる熱間脆性の防止およ
びMnS の粗大化の促進の観点から、Mn含有量は、 0.1〜
1.5 %まで許容するのが普通であったが、本発明ではMn
含有量は0.1 %以下とする。これは、前記のようにSi含
有量が高い場合はフェライト域が広く、Mn含有量が 0.1
%を超えると熱間脆性をもたらす MnSが析出しやすいた
めである。
【0026】S:Mnと MnSを形成し、焼鈍時の結晶粒成
長を妨げ、鉄損の低下を阻む方向に作用するとともに、
熱間脆性を引き起こす。また熱延板の再結晶と結晶粒成
長を促進する上でも有害である。よって、S含有量は
0.006%以下とした。望ましいのは0.003 %以下であ
る。
【0027】Mn/S:前記のように単独でMnとSを限定
しても、Mn/Sが10未満では、熱間脆性をもたらすSを
MnS として固定することができない。熱間脆性の防止の
観点から、さらにMn/Sで10以上とした。
【0028】なおPは、特に限定する必要はないが、
0.1%を超えると鋼板が脆化し冷間圧延において破断が
生じ易くなるので、 0.1%以下とすることが望ましい。
【0029】次に製造工程および製造条件を前記のよう
に限定した理由を説明する。
【0030】上記のような組成の鋼素材は常法に従って
転炉等で溶製され、連続鋳造または造塊−分塊圧延を経
てスラブとされる。次いで、このスラブを熱間圧延し、
その後巻取りを行い、脱スケールの前または後に焼鈍を
行い、1回の冷間圧延を施して、焼鈍を実施する。熱間
圧延以降の各工程について以下に詳述する。
【0031】熱間圧延、巻取り この工程は圧延仕上温度を700 ℃以上850 ℃以下とし、
巻取温度を600 ℃以下とすることを条件とする。
【0032】本発明の方法は既述したとおり、熱延板の
焼鈍の階段で再結晶及び粒成長を促進させることによ
り、磁気特性を向上させるところに重要なポイントがあ
る。熱延板の焼鈍時に再結晶及び粒成長を十分に促進さ
せるためには、熱間圧延終了時に十分な歪が蓄積され、
またその歪エネルギーが巻取りを経た後まで解放されず
に残っていなければならない。熱間圧延は、このような
観点から圧延仕上温度を850 ℃以下とし、巻取りはでき
るだけ歪エネルギーが解放されない低い温度とするのが
良い。この場合、圧延仕上温度は、熱延板の焼鈍時の再
結晶及び粒成長の意味からは、850 ℃以下の温度とする
上限限定だけで十分であるが、現実には圧延仕上温度が
700 ℃を下回ると、圧延負荷が大きくなりすぎ、通常の
圧延機では操業が困難となる。以上のことから、圧延仕
上温度は700 ℃以上850 ℃以下とした。
【0033】巻取温度については、600 ℃を超える場合
には、鋼板内部の歪エネルギーの解放が進むとともに再
結晶も生じ始めて、その後の熱延板の焼鈍時の結晶粒成
長性が悪くなる。従って、巻取り温度は600 ℃以下とし
た。下限は、歪エネルギーの解放抑制という観点から設
ける必要はない。
【0034】脱スケール 脱スケールは酸洗いで行う場合が多いが、種々の機械的
な脱スケール法、例えばショットブラストやロールベン
ダ等の組合せで行っても良い。脱スケールは熱延板の焼
鈍の前または後に実施する。
【0035】熱延板の焼鈍 この工程は、前記の熱間圧延、巻取りを経た熱延板を再
結晶させ、さらに結晶粒を成長させるために施すもので
ある。
【0036】焼鈍の方法としては、箱焼鈍、連続焼鈍の
いずれでも採用できる。再結晶と結晶粒の成長を安定し
て完了させるには、箱焼鈍の場合800 ℃以上、連続焼鈍
の場合850 ℃以上の温度とする必要がある。焼鈍温度を
800 ℃以上としたのはこれに基づいている。上限につい
ては特に限定する必要はないが、磁気特性改善の効果と
設備費とのバランスの観点から自ずと定まる。すなわ
ち、本来焼鈍温度はその効果の点からは高い方が有利で
あるが、800 ℃を遙に超える高温度に設定するには非常
に高価な設備が必要となり、またそうしてもこの場合設
備費に見合うだけの磁気特性改善の効果が見込めない。
一般には、箱焼鈍の場合は950 ℃以下、連続焼鈍の場合
は1000℃以下が望ましい。
【0037】冷間圧延 冷間圧延の圧下率は本発明の重要な条件の一つであり、
80%以下とする必要がある。このような圧下率で冷間圧
延を行うことにより、製品での圧延方向の磁気特性が向
上する。下限はもっぱら操業上の制約から決まるので限
定しない。例えば、板厚が0.5mm の最も一般的な製品の
場合、50%の圧下率を採ろうとすれば熱延板板厚は1mm
であることが必要となるので、この程度が実操業の限界
であり、これ以下の圧下率での冷間圧延は事実上不可能
といえる。
【0038】冷間圧延後の焼鈍 この焼鈍は、上記冷間圧延後の加工組織を再結晶させる
と共に再結晶粒を十分に粒成長させることを目的とする
もので、普通連続焼鈍が採用される。
【0039】焼鈍温度としては850 ℃以上1100℃以下と
する。850 ℃未満の低い温度では再結晶しないか、ある
いは再結晶しても粒成長が十分起こらない。一方、1100
℃を超えると粒成長しすぎて、かえって磁気特性、特に
鉄損が悪化する。
【0040】なお、電磁鋼板を製造する場合、通常は上
記の焼鈍後さらに絶縁コーティングを付与する。本発明
の方法においても、製造の最終工程としてこのコーティ
ング工程を追加することは可能である。また、無方向性
電磁鋼板には、所定の磁気特性を付与して出荷されるフ
ルプロセス品と出荷後ユーザー側で打ち抜きなどの加工
後に歪み取り焼鈍( 750℃×2時間程度)を施して所定
の磁気特性を保有させるセミプロセス品とがある。前者
についてもユーザー側で歪み取り焼鈍が施されることも
当然あり、したがって、この場合では出荷時はもとより
ユーザー側で歪み取り焼鈍後も規定の磁気特性を示すこ
とが要求される。本発明の方法は、上記いずれの製品で
あっても適用できる。
【0041】
【実施例】表1(1) に示す各化学組成の鋼を転炉で溶製
し、これらを連続鋳造により鋳片となし、続いて熱間圧
延、熱延板焼鈍、冷間圧延および連続焼鈍を行った。製
造工程とその条件を表1(2) に示す。なお最終板厚は0.
5mm とした。
【0042】得られた各鋼板から、JIS C 2550に定めら
れている方法で鉄損と磁束密度を測定した。このときの
短冊試料も、前記図1の場合と同様に、圧延方向のみと
した。結果を表1(2) の右欄に示す。
【0043】No.1〜No.4は、MnとSの含有量およびMn/
Sバランスの影響をみたものである。Mn含有量が本発明
で定める範囲を超えるNo.2では、磁束密度、鉄損ともに
悪い。S含有量が同様のNo.3では、MnS 等の析出物が増
加しているため、特に鉄損が悪い。Mn/Sが低すぎるN
o.4では、熱間圧延時に破断した。
【0044】No.5〜No.7は、sol.Al含有量の影響をみた
ものである。sol.Al含有量が本発明で定める上限を超え
るNo.6では、特に磁束密度が悪い。一方、下限以下のN
o.7では、AlN が微細に析出して結晶粒の成長性を阻害
しているため特に鉄損が悪い。
【0045】No.8、No.9は、Si含有量の影響をみたもの
である。Si含有量が本発明で定める範囲を超えるNo.9で
は、冷間圧延時に破断した。
【0046】No.10 、No.11 はC含有量の、No.12 、N
o.13 はN含有量の、それぞれ影響をみたものである。
C含有量が本発明で定める範囲を超えるNo.11 とN含有
量が同様のNo.13 では、過剰の炭化物、窒化物の生成に
より、特に鉄損が悪い。
【0047】No.14 〜No.20 は、本発明で定める範囲内
の成分系について製造条件の影響をみたものである。こ
れらのうち、その製造条件のいずれかがが本発明で定め
る範囲外のNo.16 〜20では、全て本発明例のNo.14 、15
と比較して磁束密度、鉄損ともに悪い。No.16 では、
熱間圧延の仕上温度が高すぎて熱延板に歪エネルギーの
蓄積がなく、熱延板焼鈍時に再結晶及び粒成長が十分に
行われなかったため、磁気特性の向上が見られない。N
o.17 では、熱間圧延の巻取温度が高すぎるため、No.16
と同じ理由で磁気特性の向上が見られない。No.18 で
は、熱延板の焼鈍温度が低すぎるため粒成長が十分起こ
らず磁気特性は向上していない。No.19 では、冷間圧延
の圧下率が高すぎて、板面内無方向に平均した磁気特性
を持つ状態に近づくため、圧延方向の磁気特性としては
悪い。No.20 では、冷間圧延後の連続焼鈍温度が低すぎ
るため、充分結晶粒の成長が起こらず、磁気特性の向上
が見られない。
【0048】
【表1(1)】
【0049】
【表1(2)】
【0050】
【発明の効果】本発明の方法によれば、小型静止器の鉄
芯用材料として好適な、圧延方向に低鉄損かつ高磁束密
度の優れた磁気特性を有する無方向性電磁鋼板を製造す
ることができる。しかも、従来技術のような2回冷間圧
延などの煩雑な工程を経る必要がない。
【図面の簡単な説明】
【図1】sol.Al含有量および冷間圧延の圧下率と磁気特
性との関係を示す図である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重量%で、C:0.005 %以下、N:0.005
    %以下、Si:1%を超え4%以下、sol.Al:0.15〜0.5
    %、Mn:0.1 %以下およびS:0.006 %以下を含有し、
    かつ( Mn/S)≧10を満足し、残部はFeおよび不可避的
    不純物からなる鋼素材を、700 ℃以上850 ℃以下の仕上
    温度で熱間圧延した後、600 ℃以下の温度で巻取りを行
    い、次いで脱スケールの前または後に800 ℃以上の温度
    で焼鈍を行い、更に80%以下の圧下率で1回の冷間圧延
    を行った後、 850〜1100℃の温度で焼鈍を施すことを特
    徴とする磁気特性の優れた小型静止器用電磁鋼板の製造
    方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8318293B2 (en) 2005-06-17 2012-11-27 Sandvik Intellectual Property Ab Coated cutting tool insert

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US8318293B2 (en) 2005-06-17 2012-11-27 Sandvik Intellectual Property Ab Coated cutting tool insert

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