JPH06116331A - 透明耐熱樹脂材料および光学用成形体 - Google Patents

透明耐熱樹脂材料および光学用成形体

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JPH06116331A
JPH06116331A JP4268897A JP26889792A JPH06116331A JP H06116331 A JPH06116331 A JP H06116331A JP 4268897 A JP4268897 A JP 4268897A JP 26889792 A JP26889792 A JP 26889792A JP H06116331 A JPH06116331 A JP H06116331A
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JP
Japan
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group
resin material
resistant resin
transparent heat
monomer
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Pending
Application number
JP4268897A
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English (en)
Inventor
Masaya Adachi
眞哉 足立
Kazuo Tanaka
一雄 田中
Masaki Maekawa
正樹 前川
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Publication date
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  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】耐熱性、透明性が優れ、加熱黄変が低減された
透明耐熱樹脂材料および光学成形体を提供することを目
的とする。 【構成】(1) 一般式(1)で表される単量体を10重量
%以上含有し、かつリン原子を有する化合物を全単量体
に対して0.001重量%〜1重量%含有する組成物を
重合してなることを特徴とする透明耐熱樹脂材料。 【化1】 (式中のR1 、R2 は水素、メチル基およびエチル基か
ら選ばれる置換基を表す。R3 は炭素数1〜20のアル
キル基、アリール基、アラルキル基およびシクロアルキ
ル基から選ばれる置換基を表す。) (2) ガラス転移温度が150℃以上で、YIの変化が2
以下である透明耐熱樹脂材料からなり、厚みが0.2m
m〜2mmであることを特徴とする光学用成形体。 【効果】本発明により得られる透明耐熱樹脂材料および
光学成形体は、耐熱性に優れ、かつ、低加熱着色性を有
するため、表示装置用光学フィルターや液晶表示用基
板、光ディスク基板等に適した素材を与えることができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、透明耐熱樹脂材料およ
び光学用成形体に関し、表示装置用光学フィルターや液
晶表示素子用基板、光ディスク基板、光学レンズ等に好
適に使用される。
【0002】
【従来の技術】一般にプラスチック材料は軽量で、耐衝
撃性、加工性、および大量生産性に優れていることか
ら、近年、表示装置用光学フィルター、光ディスク基
板、光学レンズ等の光学素子用材料としての需要が拡大
しつつある。これらの光学素子用プラスチック材料とし
ては、現在、ポリメタクリル酸メチル、ポリスチレン、
ポリカーボネート、アモルファスポリオレフィン、およ
びポリジエチレングリコールビスアリルカーボネート等
の透明性樹脂がよく知られているが、特に高い耐熱性が
必要な用途には特開昭56−131654号公報、特開
昭58−126119号公報、特開昭64−79208
号公報および特開平4−142313号公報等で示され
ているようなN−置換マレイミドを有する共重合体の使
用が好適であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、N−置換マ
レイミドを有する共重合体は、高温下で長時間さらされ
た場合、黄変する傾向にあり、高い透明性が必要な用途
への使用が困難となる。本発明は、上記問題を解決しよ
うとするものであり、表示装置用光学フィルターや液晶
表示素子用基板、光ディスク基板、光学レンズ、光ファ
イバー等に好適に使用される、加熱黄変が低減された透
明耐熱樹脂材料および光学用成形体を提供することを目
的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、下記の構成を有する。
【0005】「(1) 一般式(1)で表される単量体を1
0重量%以上含有し、かつリン原子を有する化合物を全
単量体に対して0.001重量%〜1重量%含有する組
成物を重合してなることを特徴とする透明耐熱樹脂材
料。
【0006】
【化3】 (式中のR1 、R2 は水素、メチル基およびエチル基か
ら選ばれる置換基を表す。R3 は炭素数1〜20のアル
キル基、アリール基、アラルキル基およびシクロアルキ
ル基から選ばれる置換基を表す。) (2) ガラス転移温度が150℃以上で、YIの変化が2
以下である透明耐熱樹脂材料からなり、厚みが0.2m
m〜2mmであることを特徴とする光学用成形体。」ま
ず、一般式(1)で表されるマレイミド系単量体につい
て説明する。
【0007】R1 、R2 については、それぞれが同種で
あっても異種であってもよい。
【0008】R3 の具体例としては、メチル基、エチル
基、プロピル基、オクチル基、オクタデシル基などの直
鎖状アルキル基、イソプロピル基、sec-ブチル基、tert
- ブチル基、イソペンチル基などの分岐状アルキル基、
シクロヘキシル基、メチルシクロヘキシル基などのシク
ロアルキル基、フェニル基、メチルフェニル基などのア
リール基、ベンジル基、フェネチル基などのアラルキル
基など各種の例を挙げることができる。
【0009】さらに、R1 、R2 およびR3 は、フッ
素、塩素、臭素などのハロゲン基、シアノ基、カルボキ
シル基、スルホン酸基、ニトロ基、ヒドロキシ基、アル
コキシ基などの各種置換基で置換されたものであっても
よい。
【0010】一般式(1)で表される単量体の具体例と
しては、N−メチルマレイミド、N−n−ブチルマレイ
ミド、N−フェニルマレイミド、N−o−メチルフェニ
ルマレイミドマレイミド、N−m−メチルフェニルマレ
イミド、N−p−メチルフェニルマレイミド、N−o−
ヒドロキシフェニルマレイミド、N−m−ヒドロキシフ
ェニルマレイミド、N−p−ヒドロキシフェニルマレイ
ミド、N−o−メトキシフェニルマレイミド、N−m−
メトキシフェニルマレイミド、N−p−メトキシフェニ
ルマレイミド、N−o−クロロフェニルマレイミド、N
−m−クロロフェニルマレイミド、N−p−クロロフェ
ニルマレイミド、N−o−カルボキシフェニルマレイミ
ド、N−m−カルボキシフェニルマレイミド、N−p−
カルボキシフェニルマレイミド、N−o−ニトロフェニ
ルマレイミド、N−m−ニトロフェニルマレイミド、N
−p−ニトロフェニルマレイミド、N−エチルマレイミ
ド、N−イソプロピルマレイミド、N−イソブチルマレ
イミド、N−tert−ブチルマレイミド、N−シクロ
ヘキシルマレイミドなどが挙げられる。
【0011】これらの単量体は、1種、あるいは2種以
上の混合物として用いてもよい。また、前記マレイミド
単量体の中でも、無色透明性、加熱黄変、耐候性の点か
ら、特にアルキルマレイミド、シクロアルキルマレイミ
ドが好ましく、特にN−イソプロピルマレイミド、N−
シクロヘキシルマレイミドが好ましい。さらには、塊状
重合時のモノマー調整の容易さ、および前記特性を満足
させ得るという点から、N−イソプロピルマレイミド、
N−シクロヘキシルマレイミドの併用が最も好ましく、
高い耐熱性が要求される用途、例えば液晶表示素子用基
板用途には、N−イソプロピルマレイミド、N−シクロ
ヘキシルマレイミドの併用が好適である。
【0012】塊状重合時のモノマー調整の容易さの点か
らは、N−イソプロピルマレイミド単独のほうが好まし
いと言えるが、高い耐熱性が要求される用途には、耐熱
性が不十分となる傾向がある。耐熱性の点からは、N−
シクロヘキシルマレイミドが可能な限り多いほうが好ま
しいが、N−シクロヘキシルマレイミドは、常温では固
体であるため、溶解性に限界があり、モノマー調整の容
易さ、耐熱性のバランスからN−シクロヘキシルマレイ
ミドの含有量が、全組成の30重量%以下であることが
好ましい。これより多いと、キャスト重合時のモノマー
調整が困難となる傾向がある。好ましくは5〜25重量
%、さらに好ましくは10〜20重量%が、モノマー調
整の容易さ、耐熱性のバランスの点で良い。また、溶液
重合等の有機溶媒中の重合においては、N−シクロヘキ
シルマレイミド等の常温で固体のN−置換マレイミドで
あっても、使用量を自由に選択可能である。
【0013】本発明においては、加熱黄変を低減させる
目的で、リン原子を有する化合物を全単量体に対して
0.001重量%以上、1重量%以下の割合で添加する
ことが必須である。0.001重量%未満の場合加熱黄
変の低減効果が不十分となる。1重量%を越えると、成
形体の表面にブリードアウトし、好ましくない。
【0014】リン原子を有する化合物の具体例として
は、エチルジエチルホスホノアセテート、エチルアシッ
ドホスフェート、ブチルアシッドホスフェート、ブチル
ピロホスフェート、ブトキシエチルアシッドホスフェー
ト、2−エチルヘキシルアシッドホスフェート、オレイ
ルアシッドホスフェート、テトラコシルアシッドホスフ
ェート、ジ(2−エチルヘキシル)ホスフェート、エチ
レングリコールアシッドホスフェート、(2−ヒドロキ
シエチル)メタクリレートアシッドホスフェート等のリ
ン酸エステル類、トリフェニルホスファイト、トリス
(ノニルフェニル)ホスファイト、トリエチルホスファ
イト、トリス(2−エチルヘキシル)ホスファイト、ト
リデシルホスファイト、トリス(トリデシル)ホスファ
イト、ジフェニルモノ(2−エチルヘキシル)ホスファ
イト、ジフェニルモノデシルホスファイト、ジフェニル
モノ(トリデシル)ホスファイト、ジラウリルハイドロ
ゲンホスファイト、ジフェニルハイドロゲンホスファイ
ト、テトラフェニルジプロピレングリコールジホスファ
イト、テトラフェニルテトラ(トリデシル)ペンタエリ
スリトールテトラホスファイト、テトラ(トリデシル)
−4,4´−イソプロピリデンジフェニルジホスファイ
ト、トリラウリルトリチオホスファイト、トリステアリ
ルホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェ
ニル)ホスファイト、水添ビスフェノールAペンタエリ
スリトールホスファイトポリマー、水添ビスフェノール
Aホスファイトポリマー、テトラキス(2,4−ジ−t
−ブチルフェニル)−4,4´−ビフェニレンホスフォ
ナイト、および下記一般式(2)で表される化合物等の
亜リン酸エステル類等が挙げられる。
【0015】
【化4】 (式中のR4 、R5 は水素、炭素数1〜25のアルキル
基、シクロアルキル基、フェニル基およびアルキルフェ
ニル基から選ばれる置換基を表す。)これらの中でも加
熱黄変低減効果が大きく、好ましく添加される化合物と
してはトリフェニルホスファイト、トリス(ノニルフェ
ニル)ホスファイト、テトラフェニルテトラ(トリデシ
ル)ペンタエリスリトールテトラホスファイト、トリス
(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、テ
トラ(トリデシル)−4,4´−イソプロピリデンジフ
ェニルジフェニルジホスファイト、水添ビスフェノール
Aペンタエリスリトールホスファイトポリマー、テトラ
キス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4´−
ビフェニレンホスフォナイト、一般式(2)で表される
化合物等の亜リン酸エステル類が挙げられる。
【0016】特に、成形体が空気雰囲気下で130℃以
上の高温に10分以上さらされる場合は、これらの亜リ
ン酸エステル類の中でも一般式(2)で表される化合物
が好ましい。
【0017】一般式(2)で表される化合物の具体例と
しては、ノニルフェニルトリデシルペンタエリスリトー
ルジホスファイト、ビス(ノニルフェニル)ペンタエリ
スリトールジホスファイト、ジステアリルペンタエリス
リトールジホスファイト、ビス(トリデシル)ペンタエ
リスリトールジホスファイト等が挙げられる。上記リン
原子を有する化合物は1種、あるいは2種以上の混合物
であってもよい。
【0018】また、加熱黄変低減効果をさらに高めるた
め、リン原子を有する化合物以外の酸化防止剤、耐熱性
向上剤の併用も好ましい。具体的な例としては、2,6
−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、n−オクタ
デシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキ
シフェニル)プロピオネート、2,2´−メチレンビス
(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2−t−
ブチル−6−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−
メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、
4,4´−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチ
ルフェノール)、4,4´−チオビス(3−メチル−6
−t−ブチルフェノール)、3,9−ビス[2−〔3−
(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニ
ル)−プロピオニロキシ〕−1,1−ジメチルエチル]
−2,4,8,10−テトラオキサピロ〔5・5〕ウン
デカン、トリエチレングリコール−ビス〔3−(3−t
−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロ
ピオネート〕、1,6−ヘキサンジオール−ビス〔3−
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)
プロピオネート〕、2,4−ビス−(n−オクチルチ
オ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチル
アニリノ)−1,3,5−トリアジン、ペンタエリスリ
チル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4
−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、2,2−チ
オ−ジエチレンビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−
4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、オクタデ
シル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ
フェニル)プロピオネート、2,2−チオビス(4−メ
チル−6−t−ブチルフェノール)、N,N´−ヘキサ
メチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキ
シ−ヒドロシンナマミド)、3,5−ジ−t−ブチル−
4−ヒドロキシ−ベンジルホスフォネート−ジエチルエ
ステル、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)
ベンゼン、トリス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒ
ドロキシベンジル)−イソシアヌレイト、N,N´−
〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロピオニル〕ヒドラジン等のフェノール系化合
物、4,4−ジメチル−ジフェニルアミン等のアミン系
化合物、ジラウリル3,3´−チオジプロピオネート、
ジミリスチル3,3´−チオジプロピオネート、ジステ
アリル3,3´−チオジプロピオネート、ペンタエリス
チリルテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネー
ト)、ジトリデシル3,3´−チオジプロピオネート、
2−メルカプトベンズイミダゾール等の有機イオウ系化
合物等が挙げられる。これらの中でも特に、リン原子を
有する化合物とフェノール系化合物の併用が加熱黄変低
減に効果的である。
【0019】さらに、本発明に使用される透明耐熱樹脂
材料には、機械的強度の向上、低複屈折化、高屈折率
化、低吸水率化、染色性向上、耐熱性向上、耐衝撃性向
上等を目的として各種重合可能な単量体を使用すること
ができる。
【0020】かかる使用可能な単量体としては、芳香族
ビニル系単量体、オレフィン系ビニル単量体、メタクリ
ル酸(メタ)アクリル酸およびそのエステル系単量体、
多価カルボン酸無水物等が挙げられる。好ましく使用さ
れる単量体の具体例としては、メチルメタクリレート、
シクロヘキシルメタクリレート、ノルマルボルニル(メ
タ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレー
ト、ノルボルニル(メタ)アクリレート、アダマンチル
(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート
等のホモポリマーが高いガラス転移温度を与えるアクリ
ル系単量体が挙げられる。さらに、スチレン、α−メチ
ルスチレン等のスチレン系単量体、アクリロニトリル、
メタクリロニトリル等のシアン化ビニル系単量体、無水
マレイン酸等が挙げられる。
【0021】本発明において、一般式(1)で表される
単量体と共重合可能な単量体のうち、光学特性、耐熱
性、機械的強度のバランスが良く、最も好ましく使用さ
れる単量体としてスチレンおよびα−メチルスチレンが
挙げられる。これらは、それぞれが単独、あるいは混合
して用いられてもよい。スチレンは、10重量%以上共
重合されていることが、光学特性、機械的強度の点で好
ましく、さらには15〜60重量%が好ましく、60重
量%を越えると、耐熱性が不十分となる傾向にある。α
−メチルスチレンは、3〜20重量%共重合されている
ことが好ましく、3重量%未満では、耐熱性が不十分と
なり、20重量%を越えると、加熱着色が大きくなり光
学特性に問題がでる傾向にある。
【0022】また、本発明の透明耐熱樹脂材料には、三
次元架橋させるために多官能単量体を使用することがで
きる。これにより透明性、耐熱性、耐薬品性、耐溶剤
性、機械的特性の優れたものが得られる。かかる多官能
単量体としては、エチレングリコールジ(メタ)アクリ
レート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、
グリセロール(ジ/トリ)(メタ)アクリレート、トリ
メチロールプロパン(ジ/トリ)(メタ)アクリレー
ト、ペンタエリスリトール(ジ/トリ/テトラ)(メ
タ)アクリレートなどの多価アルコールのジ−、トリ
−、テトラ−(メタ)アクリレート類、(メタ)アクリ
ル酸ビニルエステル、(メタ)アクリル酸アリルエステ
ルなどのエステル類、ジエチレングリコールビスアリル
カーボネート、ジアリルフタレートなどのジアリル化合
物、ブタジエン、ヘキサジエン、ペンタジエンなどのジ
エン類、ジクロロホスファゼンを原料として重合性多官
能基を導入したホスファゼン骨格を有する多官能単量
体、トリアリルジイソシアヌレートなどの異原子環状骨
格を有する多官能単量体、一般式(3)で表される多官
能マレイミド誘導体化合物、ジビニルベンゼンなどが挙
げられる。
【0023】
【化5】 (式中のR6 、R7 は水素、メチル基およびエチル基か
ら選ばれる置換基を表す。R8 は、炭素数1〜4のn価
の有機基であり、それぞれ、マレイミドの窒素とN−C
結合で結合されている。nは、2〜10の整数を表
す。)R6 、R7 については、それぞれが同種であって
も異種であってもよい。
【0024】R8 は、n価の有機基であり、例えば、n
が2の場合には2価の有機基であり、nが3の場合に
は、3価の有機基である。特に、合成の容易さから、2
価の有機基を有するものが最も好ましい。かかる2価の
有機基の具体例としては、メチレン基、エチレン基、プ
ロピレン基などのアルキレン基、シクロヘキシレン基、
メチルシクロヘキシレン基などの脂環式アルキレン基、
フェニレン基、メチルフェニレン基などのアリーレン基
など、各種の例が挙げられる。さらには、有機基中に酸
素、窒素、ハロゲン、リン、硫黄などの原子を含んでい
てもよい。上記以外の具体例として、さらに以下に示す
ようなものも挙げられる。
【0025】
【化6】 これらの多官能単量体は1種あるいは2種以上の混合物
でもよい。
【0026】これらの多官能単量体の中でも、透明性、
耐熱性、成形性の観点から、ジビニルベンゼンの共重合
が最も好ましい。
【0027】ジビニルベンゼンは各種異性体が混在して
いてもさしつかえないが、透明耐熱樹脂の耐熱性の点か
ら、ジビニルベンゼン中のパラ体の割合が、30重量%
以上が好ましい。これ以下であれば十分な耐熱性が得ら
れにくい傾向にある。好ましくは60重量%以上、さら
に好ましくは90重量%以上が耐熱性の点で良い。ま
た、工業的に入手できるジビニルベンゼンの不純物であ
るエチルビニルベンゼン、ジエチルベンゼン等はできる
だけ少ない方が好ましい。エチルビニルベンゼン、ジエ
チルベンゼンは、耐熱性を低下させたり、キャスト重合
を行う場合に、表面欠陥の原因となる傾向にある。ジビ
ニルベンゼンの純度は50重量%以上が好ましく、80
重量%以上がさらに好ましい。
【0028】さらに、低吸水性、低吸水寸法変化性、難
燃性を向上するため、ハロゲン原子を有する単量体やビ
ニルシクロアルカンの共重合も好ましい。ハロゲン原子
としては、塩素、フッ素、臭素等が挙げられる。色調の
観点から、塩素、フッ素が好ましく、低吸水性等の点か
らフッ素原子含有単量体が好ましい。また、吸水率、吸
水寸法変化を効果的に小さくするためには、ハロゲン原
子をできるだけ多く含有することが好ましい。ハロゲン
原子を有する単量体の具体例としては、p−クロロスチ
レン、m−クロロスチレン、o−クロロスチレン、p−
クロロメチルスチレン、p−ブロモスチレン、p−フル
オロスチレン、β−フルオロスチレン、2,4−ジクロ
ロスチレン、2,4,6−トリクロロスチレン、2,
3,4,6−テトラクロロスチレン、2,3,4,5,
6−ペンタフルオロスチレン、2,4−ジブロモスチレ
ン、p−クロロ−α−メチルスチレン、4−クロロ−1
−ビニルナフタレン等のハロゲン原子を有する芳香族ビ
ニル系単量体、塩化ビニル、臭化ビニル、フッ化ビニ
ル、塩化ビニリデン、α−クロロアクロレイン、クロロ
トリフルオロエチレン、クロロプレン、2−クロロ−1
−プロピレン、3−クロロ−1−プロピレン、テトラフ
ルオロエチレン、ヘキサクロロ−1,3−ブタジエン、
ヘキサフルオロ−1,3−ブタジエン等のハロゲン原子
を有するオレフィン系ビニル単量体、α−クロロアクリ
ロニトリル、α−ブロモアクリロニトリル等のハロゲン
原子を有するシアン化ビニル系単量体、N−(p−クロ
ロフェニル)メタクリルイミド等のハロゲン原子を有す
るメタクリルイミド系単量体、(メタ)アクリル酸クロ
ロメチル、(メタ)アクリル酸2−クロロエチル、(メ
タ)アクリル酸p−クロロフェニル、(メタ)アクリル
酸p−ブロモフェニル、(メタ)アクリル酸1,2,
2,2−テトラクロロエチル、(メタ)アクリル酸2,
4,6−トリクロロフェニル、α−クロロ(メタ)アク
リル酸メチル、α−ブロモ(メタ)アクリル酸メチル、
α−フルオロ(メタ)アクリル酸メチル、下記一般式
(4)で表される単量体等のハロゲン原子を有する(メ
タ)アクリル酸およびそのエステル系単量体等が挙げら
れる。
【0029】 Rf (CH2 OCOCR9 =CH2 (4) (Rf はフッ素原子数1以上のフロロアルキル基、また
はパーフロロアルキル基含有の置換基であり、nは1〜
4の整数、R9 は水素またはメチル基を表す。)ビニル
シクロアルカンの具体例としてはビニルシクロプロパ
ン、ビニルシクロヘキサン、ビニルシクロオクタン、ビ
ニルデカヒドロナフタリン、ビニルノルボルナン、ビニ
ルイソボルナン等が挙げられる。これらの単量体は、フ
ッ素、塩素、臭素などのハロゲン基、シアノ基、カルボ
キシル基、スルホン酸基、ニトロ基、ヒドロキシ基、ア
ルコキシ基などの各種置換基で置換されたものであって
もよい。これらのハロゲン原子を有する単量体およびビ
ニルシクロアルカンは1種、あるいは2種以上の混合物
として用いてもよい。
【0030】さらに、耐候性、耐酸化劣化性、帯電防止
性などを向上させる目的から、各種紫外線吸収剤、帯電
防止剤を添加することも有用である。具体例としては、
2−(5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾト
リアゾール、2−〔2−ヒドロキシ−3,5−ビス
(α,α−ジメチルベンジル)フェニル〕−2H−ベン
ゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−
ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3−
t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−
5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t
−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベン
ゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−アミル−2−
ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール等のベンゾト
リアゾール系化合物、2−エトキシ−2´−エチルオキ
ザリックアシッドビスアニリド、2−エトキシ−5−t
−ブチル−2´−エチルオキザリックアシッドビスアニ
リド等のオキザリックアシッドアニリド系化合物、コハ
ク酸ジメチル−1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒ
ドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重
縮合物、ポリ[〔6−(1,1,3,3−テトラメチル
ブチル)イミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジ
イル〕〔(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリ
ジル)イミノ〕ヘキサメチレン〔(2,2,6,6−テ
トラメチル−4−ピペリジル)イミノ〕]、2−(3,
5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−
n−ブチルマロン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタ
メチル−4−ピペリジル)等のヒンダードアミン系化合
物、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2
−ヒドロキシ−4−オクチロキシベンゾフェノン等のベ
ンゾフェノン系化合物等が挙げられる。特に、耐薬品性
や耐熱性を低下させずにこれらの特性を向上させること
が可能であることから、紫外線吸収性、あるいは酸化防
止性を有する単量体を共重合することが好ましい。かか
る単量体の好ましい例としては、不飽和二重結合を有す
るベンゾフェノン系紫外線吸収剤、不飽和二重結合を有
するフェニルベンゾエート系紫外線吸収剤、ヒンダード
アミン基を置換基として有する(メタ)アクリル系単量
体などが挙げられる。
【0031】不飽和二重結合を有するベンゾフェノン系
紫外線吸収剤としては、例えば、下記一般式(5)で示
される構造を有するものが挙げられる。
【0032】
【化7】 10、R11、R12、R13のうち、少なくとも1つは不飽
和二重結合を有する有機基であり、その他の官能基は、
水素、またはアルキル基、アルケニル基、アラルキル
基、アリール基、アルコキシ基、アラルコキシ基、アリ
ーロキシ基、ヒドロキシ基、ハロゲン基、スルホン酸
基、スルホン酸エステル基、カルボン酸基、カルボン酸
エステル基、リン酸基、リン酸エステル基など特に限定
されるものではなく、さらには、それぞれが同種であっ
ても異種であってもよい。
【0033】また、不飽和二重結合を有するフェニルベ
ンゾエート系紫外線吸収剤としては、例えば、下記一般
式(6)で示される構造を有するものが挙げられる。
【0034】
【化8】 ここで、R14〜R19のうち、少なくとも1つは不飽和二
重結合を有する有機基であり、その他の官能基は、水
素、またはアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、
アリール基、アルコキシ基、アラルコキシ基、アリーロ
キシ基、ヒドロキシ基、ハロゲン基、スルホン酸基、ス
ルホン酸エステル基、カルボン酸基、カルボン酸エステ
ル基、リン酸基、リン酸エステル基など特に限定される
ものではなく、さらには、それぞれが同種であっても異
種であってもよい。
【0035】ヒンダードアミン基を置換基として有する
アクリル系単量体、およびメタクリル系単量体におい
て、ヒンダードアミン基としては、例えば下記の構造式
(7)で示される置換基が挙げられる。
【0036】
【化9】 (式中のR20、R21、R23およびR24は、炭素数1〜5
のアルキル基であり、R22は、炭素数1〜5のアルキル
基、および水素から選ばれる。)かかるヒンダードアミ
ン基を置換基として有するアクリル系単量体、およびメ
タクリル系単量体は、ヒドロキシヒンダードアミンと各
種の(メタ)アクリル酸とのエステル化、あるいは(メ
タ)アクリル酸クロライドなどとの反応によって調整さ
れる。
【0037】かかるヒンダードアミン基を置換基として
有するアクリル系単量体、およびメタクリル系単量体の
具体例としては、2,2,6,6−テトラメチル−4−
ピペリジニルアクリレート、2,2,6,6−テトラメ
チル−4−ピペリジニルメタクリレート、1,2,2,
6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニルアクリレー
ト、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジ
ニルメタクリレートなどが挙げられる。
【0038】本発明の透明耐熱樹脂材料は、特に高耐熱
性、無色透明性が重要な用途、例えば、表示装置用光学
フィルターや液晶表示用基板等の用途に好適である。ガ
ラス転移温度としては150℃以上が好ましい。150
℃未満の場合これらの製造工程において、変形等の問題
が出てくる傾向がある。さらに、加熱や紫外線などの影
響で色調が変化しないことが表示品位の点から重要であ
り、特に、透過型液晶ディスプレイや、STN型、DS
TN型、TSTN型、FSTN型液晶を用いた液晶ディ
スプレイ、カラーフィルター等の用途は、YIの変化が
2以下であることが好ましい。2を越えるとディスプレ
イの着色が目立ったり、色調が変化したりする可能性が
ある。さらに好ましくは、1以下である。これらの用途
には、本発明の透明耐熱樹脂材料等からなる厚み0.2
〜2mmの光学成形体が好適である。0.2mm未満で
は光学成形体の形態保持性に問題があり、2mmを越え
ると、軽量、薄型化の観点から好ましくない。
【0039】本発明の透明耐熱樹脂材料の重合方法に関
しては、特に制限はなく、通常公知の方法で重合するこ
とができる。例えば、エポキシ樹脂を適用する場合には
アミン系、酸無水物系、イミダゾール系、各種金属化合
物系などの硬化剤や硬化促進剤を用いて行うことが可能
である。また、水酸基などの活性水素を有する重合体、
オリゴマー、さらには単量体をイソシアネート化合物で
重合させることも可能である。さらには、マレイミド系
単量体、アクリル系単量体やスチレンなどのビニル系単
量体の重合に際しては、ラジカル発生性開始剤の存在
下、または非存在下に、前記の単量体混合物を所定の温
度条件下に保つことによって重合することができる。重
合方法としては、塊状重合、溶液重合、懸濁重合、乳化
重合、およびキャスト重合などが挙げられる。ラジカル
発生性開始剤としては、各種パーオキシド化合物、アゾ
化合物などが挙げられる。特に、加熱後の黄変防止の観
点からはアゾ化合物が好ましく使用される。具体例とし
ては、2,2´−アゾビスイソブチロニトリル、1,1
´−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリ
ル)、2,2´−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジ
メチルバレロニトリル)、2,2´−アゾビス(2−シ
クロプロピルプロピオニトリル)、2,2´−アゾビス
(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2´−アゾ
ビス(2−メチルブチロニトリル)、1−[(1−シア
ノ−1−メチルエチル)アゾ]フォルムアミド、2−フ
ェニルアゾ−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニ
トリルなどのアゾニトリル化合物、2,2´−アゾビス
(2−メチル−N−フェニルプロピオンアミジン)二塩
基酸塩などのアゾアミジン化合物、2,2´−アゾビス
[2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プ
ロパン]二塩基酸塩などの環状アゾアミジン化合物、
2,2´−アゾビス{2−メチル−N−[1,1−ビス
(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル]プロピ
オンアミド}などのアゾアミド化合物、2,2´−アゾ
ビス(2,4,4−トリメチルペンタン)などのアルキ
ルアゾ化合物が挙げられる。また、重合条件としては、
使用する単量体、および開始剤によって適宜、実験的に
定められるべきであるが、重合率を高くし、未反応単量
体をできる限り少なくするという観点から、注型重合に
おいては、型内で100℃以上、さらに好ましくは17
0℃以上に少なくとも10分間以上加熱されることが好
ましい。また、重合温度を連続的または、半連続的に昇
温させることも光学的に均一な樹脂を得るためには好ま
しい方法である。
【0040】本発明の樹脂の重合率に関しては、特に制
限はないが、高い方が好ましく、後処理として、ハード
ーコート、反射防止膜、ガスバリア膜、導電膜などを施
す場合においては、溶液コーティング、真空蒸着などを
考慮すると90%以上が好ましい。
【0041】本発明の樹脂の成形方法に関しても特に制
限はなく、射出成形、押し出し成形、圧縮成形、ベルト
プレス成形、注型成形などがが挙げられる。効果的な成
形方法としては、注型重合法が挙げられる。
【0042】注型重合法において使用されるモールドと
してはガラス、中でもフロート法によるガラス板、ある
いは表面研磨されたガラス板が、表面精度に優れた透明
耐熱樹脂を得るためには好適である。一方、連続注型重
合として、ベルトプレス成形である金属製ベルトを用い
る方法も生産性と薄板における良好な厚み精度を達成可
能であるなどの観点から好ましい。
【0043】本発明によって得られる透明耐熱樹脂は、
透明性、耐熱性、耐候性、耐衝撃性、グレージング性、
耐溶剤性、耐薬品性、低吸水性、低吸水寸法安定性、難
燃性、低複屈折性、加熱着色性などに優れることから、
眼鏡用レンズ、サングラスレンズ、カメラ用レンズ、ビ
デオカメラ用レンズ、コンタクトレンズなどの光学用レ
ンズ、さらには表示装置用光学フィルターや液晶ディス
プレイ用基板、液晶ディスプレイの光拡散板、エレクト
ロルミネッセンス用基板、液晶ライトバルブ用基板、光
ディスク基板、さらには自動車、航空機、家屋、家庭用
電気機器などのウィンド用などに好ましく適用されるも
のである。また、液晶ディスプレイ用基板向けにおいて
は、TN型、STN型、TFT型、強誘電性液晶など、
いずれにも適用可能であるが、STN型や強誘電性液晶
を用いた液晶ディスプレイの薄型、軽量化のために、と
くに好ましく用いられる。
【0044】
【実施例】以下、本発明を実施例をもとにさらに具体的
に説明する。
【0045】実施例において用いられるガラス転移温度
は、JIS規格K−7121に従って、Metller
社製DSC 30により測定した。値はTmgを示す。
【0046】加熱黄変は、空気雰囲気下で、170℃で
2時間加熱処理を行い、そのYI値と加熱処理前のYI
値の差(ΔYI)で表した。YI値はスガ試験機(株)
製、SMカラーコンピューターを用いて測定した。
【0047】実施例1 N−イソプロピルマレイミド32g、N−シクロヘキシ
ルマレイミド15g、スチレン38g、α−メチルスチ
レン7g、新日鐵化学(株)製“DVB−810”8
g、アゾビスイソブチロニトリル0.5g、ノニルトリ
デシルペンタエリスリトールジホスファイト0.1gを
混合溶解させ、調合モノマをキャスト重合により成形し
た。キャスト重合は次のように行った。
【0048】大きさ150mm×150mm、厚さ5m
mの2枚のガラス板の外周変部を、軟質塩化ビニル製ガ
スケットで貼り、2枚のガラス板の間の距離が2mmに
なるように組み立てた。この組み立てたガラス板の中
へ、前記の単量体混合物をガスケット内部を完全に満た
すまで注入し、70℃にて8時間、190℃にて1時間
重合し、厚み1.7mmの透明な板状の重合体を得た。
この板状重合体は、ガラス転移温度212℃で、ΔYI
が0.29であった。
【0049】また、得られた板状重合体を基板とし、該
基板上に、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラ
ン加水分解物とビスフェノールA型エポキシ樹脂(固形
分重量比50対50)およびアルミニウム系硬化触媒か
らなるオルガノポリシロキサン系ハードコート組成物を
塗布し、さらに酸化ジルコニウム、酸化タンタルおよび
二酸化ケイ素をこの順に、それぞれ光学膜厚を1/4λ
(λ=520nm)に設定して、無機酸化物からなる多
層反射防止膜を真空蒸着法により被覆させた。蒸着温度
は180℃に設定した。この反射防止膜を有する透明耐
熱樹脂は、100℃、2時間の耐熱性試験においても全
くクラック発生や反射防止効果、色調に変化が認められ
ず、表示装置用光学フィルターとして、優れた耐熱性を
有していた。
【0050】実施例2 N−イソプロピルマレイミド36g、N−シクロヘキシ
ルマレイミド17g、p−クロロスチレン18g、スチ
レン20g、新日鐵化学(株)製“DVB−810”9
g、アゾビスイソブチロニトリル0.5g、ノニルトリ
デシルペンタエリスリトールジホスファイト0.1g、
ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−
t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネー
ト〕0.05gを混合溶解させ、調合モノマをキャスト
重合により成形した。キャスト重合は、実施例1におい
て、2枚のガラス板の間の距離が0.6mmになるよう
に設定変更し、70℃にて8時間、190℃にて1時間
重合した以外はすべて同様に行い、厚み0.5mmの透
明な板状の重合体を得た。この板状重合体はガラス転移
温度196℃で、ΔYIが0.25であった。
【0051】また、この板状重合体上に、実施例1で使
用したオルガノポリシロキサン系ハードコート組成物
に、さらに平均粒子径が50mμのシリカゾルを50重
量部添加した系からなるハードコートを設け、さらに該
ハードコート膜状にインジウム・錫酸化物からなる透明
導電膜をスパッタリング法で約1000オングストロー
ムの厚みに被覆させた。スパッタリングは130℃で行
った。この透明導電膜を有する透明耐熱樹脂は、150
℃、2時間の耐熱性試験においても全くクラック発生
や、被膜剥離などの問題は認められず、また色調の変化
もほとんどなく、液晶表示用基板としての優れた耐熱性
を有していた。
【0052】実施例3 N−イソプロピルマレイミド36g、N−シクロヘキシ
ルマレイミド17g、ビニルシクロヘキサン11g、ス
チレン27g、新日鐵化学(株)製“DVB−810”
9g、アゾビスイソブチロニトリル0.2g、ノニルト
リデシルペンタエリスリトールジホスファイト0.07
g、ビス(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホ
スファイト0.03g、ペンタエリスリチル−テトラキ
ス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフ
ェニル)プロピオネート〕0.05g、2−(5−メチ
ル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール0.
01gを混合溶解させ、実施例2と同様の条件でキャス
ト重合を行い、厚み0.5mmの透明な板状の重合体を
得た。この板状重合体はガラス転移温度198℃で、Δ
YIが0.24であった。
【0053】実施例4 N−イソプロピルマレイミド26g、N−シクロヘキシ
ルマレイミド7g、メチルメタクリレート67g、アゾ
ビスイソブチロニトリル0.2g、ノニルトリデシルペ
ンタエリスリトールジホスファイト0.07g、ジステ
アリルペンタエリスリトールジホスファイト0.03
g、ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3,5−
ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネ
ート〕0.05g、2−(5−メチル−2−ヒドロキシ
フェニル)ベンゾトリアゾール0.05gを混合溶解さ
せ、実施例1と同様の条件でキャスト重合を行い、厚み
1.7mmの透明な板状の重合体を得た。この板状重合
体はガラス転移温度150℃で、ΔYIが0.33であ
った。
【0054】比較例1 N−イソプロピルマレイミド47g、N−シクロヘキシ
ルマレイミド10g、スチレン31g、新日鐵化学
(株)製“DVB−570”12g、アゾビスイソブチ
ロニトリル0.2gを混合溶解させ、実施例1と同様の
条件でキャスト重合を行い、厚み1.7mmの透明な板
状の重合体を得た。この板状重合体はガラス転移温度1
90℃で、ΔYIが2.89であった。
【0055】比較例2 N−イソプロピルマレイミド40g、N−シクロヘキシ
ルマレイミド19g、スチレン22g、α−メチルスチ
レン9g、新日鐵化学(株)製“DVB−810”10
g、アゾビスイソブチロニトリル0.2gを混合溶解さ
せ、実施例1と同様の条件でキャスト重合を行い、厚み
1.7mmの透明な板状の重合体を得た。この板状重合
体はガラス転移温度214℃で、ΔYIが2.11であ
った。
【0056】比較例3 N−イソプロピルマレイミド35g、メチルメタクリレ
ート60g、トリメチロールプロパントリメタクリレー
ト5g、アゾビスイソブチロニトリル0.5gを混合溶
解させ、実施例2と同様の条件でキャスト重合を行い、
厚み0.5mmの透明な板状の重合体を得た。この板状
重合体はガラス転移温度142℃で、ΔYIが1.13
であった。
【0057】
【発明の効果】本発明により得られる透明耐熱樹脂材料
および光学成形体は、耐熱性に優れ、かつ、、低加熱着
色性を有するため、表示装置用光学フィルターや液晶表
示用基板、光ディスク基板等に適した素材を与えること
ができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G02B 1/04 7132−2K

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(1)で表される単量体を10重量
    %以上含有し、かつリン原子を有する化合物を全単量体
    に対して0.001重量%〜1重量%含有する組成物を
    重合してなることを特徴とする透明耐熱樹脂材料。 【化1】 (式中のR1 、R2 は水素、メチル基およびエチル基か
    ら選ばれる置換基を表す。R3 は炭素数1〜20のアル
    キル基、アリール基、アラルキル基およびシクロアルキ
    ル基から選ばれる置換基を表す。)
  2. 【請求項2】請求項1において、一般式(1)で表され
    る単量体がN−イソプロピルマレイミドおよび/または
    N−シクロヘキシルマレイミドであることを特徴とする
    透明耐熱樹脂材料。
  3. 【請求項3】請求項1において、リン原子を有する化合
    物が亜リン酸エステル類であることを特徴とする透明耐
    熱樹脂材料。
  4. 【請求項4】請求項3において亜リン酸エステル類が下
    記一般式(2)で表される化合物であること特徴とする
    透明耐熱樹脂材料。 【化2】 (式中のR4 、R5 は水素、炭素数1〜25のアルキル
    基、シクロアルキル基、フェニル基およびアルキルフェ
    ニル基から選ばれる置換基を表す。)
  5. 【請求項5】請求項4において、一般式(2)で表され
    る化合物がノニルフェニルトリデシルペンタエリスリト
    ールジホスファイト、ビス(ノニルフェニル)ペンタエ
    リスリトールジホスファイトおよびジステアリルペンタ
    エリスリトールジホスファイトから選ばれることを特徴
    とする透明耐熱樹脂材料。
  6. 【請求項6】ガラス転移温度が150℃以上で、YIの
    変化が2以下である透明耐熱樹脂材料からなり、厚みが
    0.2mm〜2mmであることを特徴とする光学用成形
    体。
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