JPH06116197A - 新規ラジカルスカベンジャー - Google Patents
新規ラジカルスカベンジャーInfo
- Publication number
- JPH06116197A JPH06116197A JP23862392A JP23862392A JPH06116197A JP H06116197 A JPH06116197 A JP H06116197A JP 23862392 A JP23862392 A JP 23862392A JP 23862392 A JP23862392 A JP 23862392A JP H06116197 A JPH06116197 A JP H06116197A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- group
- radical scavenger
- compound
- lower alkoxy
- cultured
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
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- Cosmetics (AREA)
- Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
- Acyclic And Carbocyclic Compounds In Medicinal Compositions (AREA)
- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
- Anti-Oxidant Or Stabilizer Compositions (AREA)
- Furan Compounds (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【構成】 下記の一般式(I)および(II)で表される
化合物およびその薬学上許容される塩。 【化1】 (式中、R1、R2、R3およびR4の少なくとも一つ
はアルキル基を表し、残りの三つは独立して、それぞれ
水酸基、アルコキシ基またはアシル基を表し、R5およ
びR6はそれぞれ独立して水素原子、アルコキシまたは
アルケニルオキシ基を表し、R7、R8、R9およびR
10の少なくとも一つはアルキル基を表し、残りの三つは
独立して、それぞれ水酸基、アルコキシ基またはアシル
基を表す。) 【効果】 前記化合物はラジカルスカベンジャーとして
利用することができる。
化合物およびその薬学上許容される塩。 【化1】 (式中、R1、R2、R3およびR4の少なくとも一つ
はアルキル基を表し、残りの三つは独立して、それぞれ
水酸基、アルコキシ基またはアシル基を表し、R5およ
びR6はそれぞれ独立して水素原子、アルコキシまたは
アルケニルオキシ基を表し、R7、R8、R9およびR
10の少なくとも一つはアルキル基を表し、残りの三つは
独立して、それぞれ水酸基、アルコキシ基またはアシル
基を表す。) 【効果】 前記化合物はラジカルスカベンジャーとして
利用することができる。
Description
【0001】[発明の背景]
【産業上の利用分野】本発明はラジカルスカベンジャー
的性質を有する新規化合物に関する。
的性質を有する新規化合物に関する。
【0002】
【従来の技術】一般にラジカルスカベンジャーとは、フ
リーラジカルを制御する化合物をいい、基質中の特定の
フリーラジカルに特異的に作用するものが知られてい
る。現在、主に利用されている活性酸素に作用する有用
なラジカルスカベンジャーとしては、ブチルヒドロキシ
アアニソール(BHA)、ブチルヒドロキシトルエン
(BHT)、トコフェロール類(ビタミンE)およびそ
の誘導体、アルコルビン酸などが知られている。
リーラジカルを制御する化合物をいい、基質中の特定の
フリーラジカルに特異的に作用するものが知られてい
る。現在、主に利用されている活性酸素に作用する有用
なラジカルスカベンジャーとしては、ブチルヒドロキシ
アアニソール(BHA)、ブチルヒドロキシトルエン
(BHT)、トコフェロール類(ビタミンE)およびそ
の誘導体、アルコルビン酸などが知られている。
【0003】合成品であるBHA、BHTなどはその発
癌性が疑われていることなどから、その使用が制限され
つつある。そこで、天然物であるトコフェロール類やそ
の誘導体、アスコルビン酸などの使用が考えられ、事実
これらの化合物は主に食品、化粧品、医薬品中の抗酸化
剤として利用されている。しかし、これらの天然物の場
合、その酸化防止作用は比較的弱い。
癌性が疑われていることなどから、その使用が制限され
つつある。そこで、天然物であるトコフェロール類やそ
の誘導体、アスコルビン酸などの使用が考えられ、事実
これらの化合物は主に食品、化粧品、医薬品中の抗酸化
剤として利用されている。しかし、これらの天然物の場
合、その酸化防止作用は比較的弱い。
【0004】そこで、天然で比較的強いラジカルスカベ
ンジャー、特に活性酸素に作用するラジカルスカベンジ
ャーが望まれていると言える。
ンジャー、特に活性酸素に作用するラジカルスカベンジ
ャーが望まれていると言える。
【0005】天然物からの抗酸化剤の例としては、例え
ば培煎植物繊維物質の抽出物から得た経口摂取可能な抗
酸化剤(特開平2−3495号公報)、豆あるいは加工
品の抽出物から得た食品や化粧品用抗酸化剤(特開平2
−257852号公報)、植物種子または胚芽類より得
られた組成物からなる食品、化粧品、医薬品に関する抗
酸化剤(特開平3−223217号公報)などが知られ
ている。
ば培煎植物繊維物質の抽出物から得た経口摂取可能な抗
酸化剤(特開平2−3495号公報)、豆あるいは加工
品の抽出物から得た食品や化粧品用抗酸化剤(特開平2
−257852号公報)、植物種子または胚芽類より得
られた組成物からなる食品、化粧品、医薬品に関する抗
酸化剤(特開平3−223217号公報)などが知られ
ている。
【0006】さて、植物は病原菌の侵入に対し物理的防
御としてリグニンを構築する。植物病原菌が宿主植物に
侵入して感染するためには、この菌は宿主の防御機構を
打ち破るシステムを有していなければならない。このリ
グニン形成にはペルオキシダーゼ(POD)が重要な役
割を果たしているとされている。そこで、本発明者ら
は、POD活性を阻害することによって感染を成立させ
る病原微生物の存在を想定し、植物の培養物にPOD阻
害活性を有する物質を探索した結果、POD阻害活性を
有する特定の化合物分群を見出し、本発明を完成させ
た。
御としてリグニンを構築する。植物病原菌が宿主植物に
侵入して感染するためには、この菌は宿主の防御機構を
打ち破るシステムを有していなければならない。このリ
グニン形成にはペルオキシダーゼ(POD)が重要な役
割を果たしているとされている。そこで、本発明者ら
は、POD活性を阻害することによって感染を成立させ
る病原微生物の存在を想定し、植物の培養物にPOD阻
害活性を有する物質を探索した結果、POD阻害活性を
有する特定の化合物分群を見出し、本発明を完成させ
た。
【0007】[発明の概要]
【0008】
【発明が解決しようとする課題】すなわち、本発明はラ
ジカルスカベンジャー的性質を有する化合物を提供する
ことを目的としている。
ジカルスカベンジャー的性質を有する化合物を提供する
ことを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明による第一の態様
の化合物は、下記の一般式(I)で表される化合物およ
びその薬学上許容される塩である。
の化合物は、下記の一般式(I)で表される化合物およ
びその薬学上許容される塩である。
【0010】
【化3】 (式中、R1、R2、R3およびR4の少なくとも一つ
は、低級アルキル基を表し、残りの三つは独立して、そ
れぞれ水酸基、低級アルコキシ基またはアシル基を表
し、R5およびR6はそれぞれ独立して水素原子、低級
アルコキシまたはアルケニルオキシ基を表す。)また本
発明による第二の態様の化合物は、下記の一般式(II)
で表される化合物およびその薬理上許容される塩であ
る。
は、低級アルキル基を表し、残りの三つは独立して、そ
れぞれ水酸基、低級アルコキシ基またはアシル基を表
し、R5およびR6はそれぞれ独立して水素原子、低級
アルコキシまたはアルケニルオキシ基を表す。)また本
発明による第二の態様の化合物は、下記の一般式(II)
で表される化合物およびその薬理上許容される塩であ
る。
【0011】
【化4】 (式中、R7、R8、R9およびR10の少なくとも一つ
は、低級アルキル基を表し、残りの三つは独立して、そ
れぞれ水酸基、低級アルコキシ基またはアシル基を表
す。)さらに、本発明によるラジカルスカベンジャー
は、前記一般式(I)および一般式(II)で表される化
合物を含有してなるもの、である。
は、低級アルキル基を表し、残りの三つは独立して、そ
れぞれ水酸基、低級アルコキシ基またはアシル基を表
す。)さらに、本発明によるラジカルスカベンジャー
は、前記一般式(I)および一般式(II)で表される化
合物を含有してなるもの、である。
【0012】本発明による前記化合物は、PODが関与
して発生したラジカルを捕捉する性質を有すると思われ
ることから、いわゆるラジカルスカベンジャーとして利
用することができる。
して発生したラジカルを捕捉する性質を有すると思われ
ることから、いわゆるラジカルスカベンジャーとして利
用することができる。
【0013】[発明の具体的説明]本明細書において、
低級アルキル基および低級アルコキシ基の一部としての
アルキル基は、直鎖または分岐鎖の炭素数1〜6、好ま
しくは1〜4、のアルキル基を意味する。また、低級ア
ルケニル基とは、直鎖または分岐鎖であってかつ少なく
とも1つの炭素−炭素二重結合を含む炭素数2〜6、好
ましくは2〜4、の基を意味する。
低級アルキル基および低級アルコキシ基の一部としての
アルキル基は、直鎖または分岐鎖の炭素数1〜6、好ま
しくは1〜4、のアルキル基を意味する。また、低級ア
ルケニル基とは、直鎖または分岐鎖であってかつ少なく
とも1つの炭素−炭素二重結合を含む炭素数2〜6、好
ましくは2〜4、の基を意味する。
【0014】一般式(I)において、R1、R2、R3
およびR4の少なくとも1つは低級アルキル基を表す。
特にR3またはR4が低級アルキル基である化合物が好
ましく、より好ましくはR3またはR4がメチル基であ
る化合物が挙げられる。
およびR4の少なくとも1つは低級アルキル基を表す。
特にR3またはR4が低級アルキル基である化合物が好
ましく、より好ましくはR3またはR4がメチル基であ
る化合物が挙げられる。
【0015】R1、R2、R3およびR4のうち、低級
アルキル基を表さない残りの三つが表すアシル基の好ま
しい具体例としては炭素数1〜6の、好ましくは炭素数
1〜4の、アルキルカルボニル基が挙げられる。R1、
R2、R3およびR4のうち低級アルキル基を表さない
残りの三つは独立していても(同一でも異なっていて
も)よいが、好ましい化合物群としては二つまたは三つ
の基が同一であるものが挙げられる。基の好ましい例と
しては水酸基、メトキシ基、アセチル基などが挙げられ
る。
アルキル基を表さない残りの三つが表すアシル基の好ま
しい具体例としては炭素数1〜6の、好ましくは炭素数
1〜4の、アルキルカルボニル基が挙げられる。R1、
R2、R3およびR4のうち低級アルキル基を表さない
残りの三つは独立していても(同一でも異なっていて
も)よいが、好ましい化合物群としては二つまたは三つ
の基が同一であるものが挙げられる。基の好ましい例と
しては水酸基、メトキシ基、アセチル基などが挙げられ
る。
【0016】一般式(I)において、R5およびR6は
同一でも異なっていてもよいが、同一であるのが好まし
く、好ましい具体例としては水素原子、メトキシ基など
が挙げられる。
同一でも異なっていてもよいが、同一であるのが好まし
く、好ましい具体例としては水素原子、メトキシ基など
が挙げられる。
【0017】また、一般式(I)の化合物はイソベンゾ
フラン環骨格の1位および3位の炭素に起因する立体異
性体が存在し得るが、いずれの異性体も本発明に包含さ
れるものである。なお、この1位および3位の立体構造
は(R,S)、(S,R)、(R,R)および(S,
S)で表されるが、これらの異性体はお互いに相互変換
することができ、その平衡状態における存在比は3:
3:2:2と考えられる。
フラン環骨格の1位および3位の炭素に起因する立体異
性体が存在し得るが、いずれの異性体も本発明に包含さ
れるものである。なお、この1位および3位の立体構造
は(R,S)、(S,R)、(R,R)および(S,
S)で表されるが、これらの異性体はお互いに相互変換
することができ、その平衡状態における存在比は3:
3:2:2と考えられる。
【0018】本発明による一般式(I)で表される化合
物の好ましい化合物の具体例を挙げれば、次の第1表に
示される通りである。
物の好ましい化合物の具体例を挙げれば、次の第1表に
示される通りである。
【0019】
【表1】 一般式(II)において、R7、R8、R9およびR10の
少なくとも1つは低級アルキル基を表す。特にR9また
はR10が低級アルキル基である化合物が好ましく、より
好ましくはR9またはR10がメチル基である化合物が挙
げられる。
少なくとも1つは低級アルキル基を表す。特にR9また
はR10が低級アルキル基である化合物が好ましく、より
好ましくはR9またはR10がメチル基である化合物が挙
げられる。
【0020】R7、R8、R9およびR10のうち、低級
アルキル基を表さない残りの三つが表すアシル基の好ま
しい具体例としては炭素数1〜6の、好ましくは炭素数
1〜4の、アルキルカルボニル基が挙げられる。R7、
R8、R9およびR10のうち低級アルキル基を表さない
残りの三つは独立していても(同一でも異なっていて
も)よいが、好ましい化合物群としては二つまたは三つ
の基が同一であるものが挙げられる。基の好ましい例と
しては水酸基、メトキシ基などが挙げられる。
アルキル基を表さない残りの三つが表すアシル基の好ま
しい具体例としては炭素数1〜6の、好ましくは炭素数
1〜4の、アルキルカルボニル基が挙げられる。R7、
R8、R9およびR10のうち低級アルキル基を表さない
残りの三つは独立していても(同一でも異なっていて
も)よいが、好ましい化合物群としては二つまたは三つ
の基が同一であるものが挙げられる。基の好ましい例と
しては水酸基、メトキシ基などが挙げられる。
【0021】本発明による一般式(II)で表される化合
物の好ましい化合物の具体例を挙げれば、次の第2表に
示される通りである。
物の好ましい化合物の具体例を挙げれば、次の第2表に
示される通りである。
【0022】
【表2】 本発明による化合物は、その塩とすることができる。そ
のような塩の好ましい例として、医学上許容される非毒
性塩が挙げられ、好適にはナトリウム塩、カリウム塩ま
たはカルシウム塩のようなアルカリ金属またはアルカリ
土類金属の塩、フッ化水素酸塩、塩酸塩、臭化水素酸
塩、ヨウ化水素酸塩のようなハロゲン化水素塩、硝酸
塩、過塩素酸塩、硫酸塩、リン酸塩などの無機酸塩、メ
タスルホン酸塩、トリフルオロメタンスルホン酸塩、エ
タンスルホン酸塩のような低級アルキルスルホン酸塩、
ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩のよ
うなアリールスルホン酸塩、フマール酸塩、コハク酸
塩、クエン酸塩、酒石酸塩、シュウ酸塩、マレイン酸塩
などの有機酸塩、および、グルタミン酸塩、アスパラギ
ン酸塩のようなアミノ酸塩を挙げることができる。
のような塩の好ましい例として、医学上許容される非毒
性塩が挙げられ、好適にはナトリウム塩、カリウム塩ま
たはカルシウム塩のようなアルカリ金属またはアルカリ
土類金属の塩、フッ化水素酸塩、塩酸塩、臭化水素酸
塩、ヨウ化水素酸塩のようなハロゲン化水素塩、硝酸
塩、過塩素酸塩、硫酸塩、リン酸塩などの無機酸塩、メ
タスルホン酸塩、トリフルオロメタンスルホン酸塩、エ
タンスルホン酸塩のような低級アルキルスルホン酸塩、
ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩のよ
うなアリールスルホン酸塩、フマール酸塩、コハク酸
塩、クエン酸塩、酒石酸塩、シュウ酸塩、マレイン酸塩
などの有機酸塩、および、グルタミン酸塩、アスパラギ
ン酸塩のようなアミノ酸塩を挙げることができる。
【0023】本発明による化合物は、インゲンマメ(Ph
aseolus vulgaris、特に好ましくは子実体)を適当な大
きさに切断し、滅菌水中で、場合によって通常の微生物
が利用し得る栄養源を含有する培地で培養し、その培養
物から得ることができる。
aseolus vulgaris、特に好ましくは子実体)を適当な大
きさに切断し、滅菌水中で、場合によって通常の微生物
が利用し得る栄養源を含有する培地で培養し、その培養
物から得ることができる。
【0024】培地の栄養源としては、グルコース、水
飴、デキストリン、ショ糖、デンプン、糖蜜、動植物油
などを利用することができる。また、窒素源としては大
豆粉、小麦胚芽、コーンスティープ・リカー、綿実粕、
肉エキス、ペプトン、酵母エキス、硫酸アンモニウム、
硝酸ソーダ、尿素などを利用することができる。また、
必要に応じてナトリウム、カリウム、カルシウム、マグ
ネシウム、コバルト、塩素、リン酸、硝酸、その他の無
機塩類を添加することも有効である。
飴、デキストリン、ショ糖、デンプン、糖蜜、動植物油
などを利用することができる。また、窒素源としては大
豆粉、小麦胚芽、コーンスティープ・リカー、綿実粕、
肉エキス、ペプトン、酵母エキス、硫酸アンモニウム、
硝酸ソーダ、尿素などを利用することができる。また、
必要に応じてナトリウム、カリウム、カルシウム、マグ
ネシウム、コバルト、塩素、リン酸、硝酸、その他の無
機塩類を添加することも有効である。
【0025】培養は、好気的条件、特に通気攪拌培養が
好ましい。培養は10〜30℃で行われるのが好まし
く、より好ましくは20〜27℃で、通気攪拌培養の場
合、6時間から10日程度でその生成物の蓄積が最高と
なる。
好ましい。培養は10〜30℃で行われるのが好まし
く、より好ましくは20〜27℃で、通気攪拌培養の場
合、6時間から10日程度でその生成物の蓄積が最高と
なる。
【0026】このようにして得られた培養物をホモジナ
イズし、遠心分離の後、溶媒で抽出し、カラムクロマト
グラフィーなどで処理する。こうして分離された分画か
らPOD阻害活性を示す分画を選択する。この画分から
本発明による化合物を、適当なカラムクロマトグラフィ
ーによって、メタノール、酢酸エチルエステルなどの抽
出溶媒もしくは抽出混合溶媒、抽出時間、抽出温度など
の条件を適宜設定することによって、単離、精製するこ
とができる。
イズし、遠心分離の後、溶媒で抽出し、カラムクロマト
グラフィーなどで処理する。こうして分離された分画か
らPOD阻害活性を示す分画を選択する。この画分から
本発明による化合物を、適当なカラムクロマトグラフィ
ーによって、メタノール、酢酸エチルエステルなどの抽
出溶媒もしくは抽出混合溶媒、抽出時間、抽出温度など
の条件を適宜設定することによって、単離、精製するこ
とができる。
【0027】なお、培地や培養条件を適宜選択すること
によって、産生される本発明による化合物の構造を適宜
制御することが可能である。
によって、産生される本発明による化合物の構造を適宜
制御することが可能である。
【0028】本発明による化合物はラジカルスカベンジ
ャー的性質を有する。すなわち、本発明による化合物
は、例えばPODが関与して発生したラジカルを捕捉す
る性質を有すると思われることから、いわゆるラジカル
スカベンジャーとして利用することができる。具体的に
は、本発明によるラジカルスカベンジャーは経皮、経口
などの医薬品、医薬部外品、化粧料、食品などの分野で
主として抗酸化剤として使用することができる。特に、
経皮医薬品、医薬部外品、化粧料の分野においては老化
防止、美白作用を有する製品として使用することがで
き、一般のベヒクル、担体、賦形剤、結合剤、防腐剤、
安定剤、香料などとともに要求される単位用量形態に処
方されてよい。
ャー的性質を有する。すなわち、本発明による化合物
は、例えばPODが関与して発生したラジカルを捕捉す
る性質を有すると思われることから、いわゆるラジカル
スカベンジャーとして利用することができる。具体的に
は、本発明によるラジカルスカベンジャーは経皮、経口
などの医薬品、医薬部外品、化粧料、食品などの分野で
主として抗酸化剤として使用することができる。特に、
経皮医薬品、医薬部外品、化粧料の分野においては老化
防止、美白作用を有する製品として使用することがで
き、一般のベヒクル、担体、賦形剤、結合剤、防腐剤、
安定剤、香料などとともに要求される単位用量形態に処
方されてよい。
【0029】
【実施例】実施例1 植物病原菌の培養 露地栽培されたインゲンマメ(Phaseolus vulgaris)子
実体を減菌したメスで適当な大きさに切断したものを滅
菌水が入ったフラスコに入れ、25℃、100rpm 、8
時間の条件で振とう培養した。
実体を減菌したメスで適当な大きさに切断したものを滅
菌水が入ったフラスコに入れ、25℃、100rpm 、8
時間の条件で振とう培養した。
【0030】培養終了後、ポリビニルポリピロリドンと
NaClを含むKPi緩衝液(pH5.8)0.1Mを
培養物の5倍量添加し、ブレンダーでホモジナイズし、
4℃、10000g、20分の条件で遠心分離し、その
上清を得た。
NaClを含むKPi緩衝液(pH5.8)0.1Mを
培養物の5倍量添加し、ブレンダーでホモジナイズし、
4℃、10000g、20分の条件で遠心分離し、その
上清を得た。
【0031】実施例2 培養物の精製 前記実施例1で得た培養上清5Lを、酢酸エチル5Lを
用いて3回抽出した。抽出液を無水硫酸ナトリウムで脱
水し、減圧濃縮して、4.5gの油状物を得た。得られ
た油状物をメタノール液を展開液とするTS gelトヨパー
ルHW-40S(東洋ソーダ社製)カラムクロマトクラフィー
に付し、20mlずつ分画した。溶出した活性画分を減圧
濃縮し、得られた褐色油状物をメタノール液を展開溶媒
とするSepadex LH-20 (ファルマシア社製)カラムクロ
マトグラフィーに付し、20mlずつ画分した。溶出され
た活性画分を減圧濃縮して、黄色油状物35mgを得た。
用いて3回抽出した。抽出液を無水硫酸ナトリウムで脱
水し、減圧濃縮して、4.5gの油状物を得た。得られ
た油状物をメタノール液を展開液とするTS gelトヨパー
ルHW-40S(東洋ソーダ社製)カラムクロマトクラフィー
に付し、20mlずつ分画した。溶出した活性画分を減圧
濃縮し、得られた褐色油状物をメタノール液を展開溶媒
とするSepadex LH-20 (ファルマシア社製)カラムクロ
マトグラフィーに付し、20mlずつ画分した。溶出され
た活性画分を減圧濃縮して、黄色油状物35mgを得た。
【0032】この油状物をさらにメタノール、酢酸エチ
ルエステルなどの抽出溶媒もしくは抽出混合溶媒、抽出
時間、抽出温度などの条件を適宜変化させるたカラムク
ロマトグラフィーによって精製すると、前記した第1表
および第2表に示された化合物を単離することができ
た。
ルエステルなどの抽出溶媒もしくは抽出混合溶媒、抽出
時間、抽出温度などの条件を適宜変化させるたカラムク
ロマトグラフィーによって精製すると、前記した第1表
および第2表に示された化合物を単離することができ
た。
【0033】化合物(1)の化合物の諸物性を示せば下
記の通りである。
記の通りである。
【0034】紫外吸収スペクトル:λmax(MeOH)nm (log
ε);208(4.39),230sh(3.80),268(3.17) 赤外吸収スペクトル:νmax(KBr)cm-1;30208, 2941, 1
657, 1618, 1584, 1478, 1446, 1341, 1305, 1262, 123
2, 1156, 1107, 966, 938, 6851 H−NMR(500MHz,CDCl3 )σ 2.12(9,S), 2.13
(6,S), 3.30(6,S), 3.31(6,S), 3.41(9,S), 3.43(9,S),
5.94(3,S), 6.03(3,S), 6.30(2,d,J=2.3Hz), 6.38(2,
d,J=2.3Hz), 10.42(<1,S), 10.57(<1,S)13 C−NMR(125MHz,CDCl3 )σ 11.0, 11.1, 52.
9, 53.0, 54.0, 54.1,105.7, 105.8, 106.8, 107.7, 11
2.4, 112.6, 117.2, 117.4, 129.2, 129.4, 135.7, 13
5.8, 139.9, 140.1, 147.2, 147.4。
ε);208(4.39),230sh(3.80),268(3.17) 赤外吸収スペクトル:νmax(KBr)cm-1;30208, 2941, 1
657, 1618, 1584, 1478, 1446, 1341, 1305, 1262, 123
2, 1156, 1107, 966, 938, 6851 H−NMR(500MHz,CDCl3 )σ 2.12(9,S), 2.13
(6,S), 3.30(6,S), 3.31(6,S), 3.41(9,S), 3.43(9,S),
5.94(3,S), 6.03(3,S), 6.30(2,d,J=2.3Hz), 6.38(2,
d,J=2.3Hz), 10.42(<1,S), 10.57(<1,S)13 C−NMR(125MHz,CDCl3 )σ 11.0, 11.1, 52.
9, 53.0, 54.0, 54.1,105.7, 105.8, 106.8, 107.7, 11
2.4, 112.6, 117.2, 117.4, 129.2, 129.4, 135.7, 13
5.8, 139.9, 140.1, 147.2, 147.4。
【0035】実施例3 ラジカル捕捉試験 本発明による化合物のラジカル補足能力を評価するため
に、PODを酵素とし、GuaiacolおよびH2O2を基質
として、Guaiacol重合生成物を470nmの吸光度で経時
的に測定した。
に、PODを酵素とし、GuaiacolおよびH2O2を基質
として、Guaiacol重合生成物を470nmの吸光度で経時
的に測定した。
【0036】すなわち、試験官にそれぞれ2.2mg/ml
のGuaiacol 50μl 、30×10-3% H2O2 4
0μl 、リン酸緩衝液(pH5.8) 3.0mlおよび
化合物(1) 4.1×10-8moleを加え、25℃の恒
温水槽中で10分間インキュベートした。これにインゲ
ン子葉から調製したPODをそれぞれ1unit加え、よく
攪拌した後直ちに分光光度計で470nm吸光度を15分
間経時的に測定した。
のGuaiacol 50μl 、30×10-3% H2O2 4
0μl 、リン酸緩衝液(pH5.8) 3.0mlおよび
化合物(1) 4.1×10-8moleを加え、25℃の恒
温水槽中で10分間インキュベートした。これにインゲ
ン子葉から調製したPODをそれぞれ1unit加え、よく
攪拌した後直ちに分光光度計で470nm吸光度を15分
間経時的に測定した。
【0037】なお、ここでPODの1unitとは、2.2
mg/ml のGuaiacol 50μl 、30×10-3% H2O
2 40μl 、リン酸緩衝液(pH5.8) 3.0ml
中で反応を行い、470nmにおける5分間の吸光度の変
化が0.1である酵素量とする。
mg/ml のGuaiacol 50μl 、30×10-3% H2O
2 40μl 、リン酸緩衝液(pH5.8) 3.0ml
中で反応を行い、470nmにおける5分間の吸光度の変
化が0.1である酵素量とする。
【0038】また対照として、化合物(1)に代えてア
スコルビン酸を添加したもの、化合物(1)を添加しな
いものについても同様にしてその吸光度を測定した。
スコルビン酸を添加したもの、化合物(1)を添加しな
いものについても同様にしてその吸光度を測定した。
【0039】これらの結果は、図1に示される通りであ
る。図中で、Aは化合物(1)を添加したもの、Bはア
スコルビン酸を添加してもの、そしてCは化合物(1)
を添加していないものである。
る。図中で、Aは化合物(1)を添加したもの、Bはア
スコルビン酸を添加してもの、そしてCは化合物(1)
を添加していないものである。
【0040】図1のグラフから反応速度を経時的に考察
することにより、PODは失活されていないと推察され
る。従って、化合物(1)は、PODを直接失活させる
ものではなく、反応中に発生するラジカルを捕捉し、Gu
aiacol重合物の生成を阻害していると考えられる。すな
わち、化合物(1)はラジカルスカベンジャー的性質を
有しているといえる。
することにより、PODは失活されていないと推察され
る。従って、化合物(1)は、PODを直接失活させる
ものではなく、反応中に発生するラジカルを捕捉し、Gu
aiacol重合物の生成を阻害していると考えられる。すな
わち、化合物(1)はラジカルスカベンジャー的性質を
有しているといえる。
【0041】また、西洋ワサビから調製したPODにつ
いても同様の試験を行った結果、インゲン子葉から調製
したPODとほぼ同様の試験結果が得られた。
いても同様の試験を行った結果、インゲン子葉から調製
したPODとほぼ同様の試験結果が得られた。
【図1】本発明による化合物の、PODの作用によって
生成するGuaiacol重合物の生成を阻害する能力を表した
グラフである。
生成するGuaiacol重合物の生成を阻害する能力を表した
グラフである。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年12月7日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0023
【補正方法】変更
【補正内容】
【0023】本発明による化合物は、インゲンマメ(P
haseolus vulgaris、特に好ましくは
子葉)を適当な大きさに切断し、滅菌水中で、場合によ
って通常の微生物が利用し得る栄養源を含有する培地で
培養し、その培養物から得ることができる。
haseolus vulgaris、特に好ましくは
子葉)を適当な大きさに切断し、滅菌水中で、場合によ
って通常の微生物が利用し得る栄養源を含有する培地で
培養し、その培養物から得ることができる。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0029
【補正方法】変更
【補正内容】
【0029】
【実施例】実施例1 植物病原菌の培養 露地栽培されたインゲンマメ(Phaseolus v
ulgaris)子葉を減菌したメスで適当な大きさに
切断したものを滅菌水が入ったフラスコに入れ、25
℃、100rpm、8時間の条件で振とう培養した。
ulgaris)子葉を減菌したメスで適当な大きさに
切断したものを滅菌水が入ったフラスコに入れ、25
℃、100rpm、8時間の条件で振とう培養した。
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // A61K 7/00 C 7252−4C D 7252−4C X 7252−4C W 7252−4C 7/48 9051−4C 31/11 ADA 9283−4C 31/34 ADD 9360−4C C09K 15/06 15/08
Claims (4)
- 【請求項1】下記の一般式(I)で表される化合物およ
びその薬学上許容される塩。 【化1】 (式中、 R1、R2、R3およびR4の少なくとも一つは、低級
アルキル基を表し、残りの三つは独立して、それぞれ水
酸基、低級アルコキシ基またはアシル基を表し、 R5およびR6はそれぞれ独立して水素原子、低級アル
コキシまたはアルケニルオキシ基を表す。) - 【請求項2】請求項1記載の化合物を含有してなる、ラ
ジカルスカベンジャー。 - 【請求項3】下記の一般式(II)で表される化合物およ
びその薬理上許容される塩。 【化2】 (式中、 R7、R8、R9およびR10の少なくとも一つは、低級
アルキル基を表し、残りの三つは独立して、それぞれ水
酸基、低級アルコキシ基またはアシル基を表す。) - 【請求項4】請求項3記載の化合物を含有してなる、ラ
ジカルスカベンジャー。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23862392A JPH06116197A (ja) | 1992-09-07 | 1992-09-07 | 新規ラジカルスカベンジャー |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23862392A JPH06116197A (ja) | 1992-09-07 | 1992-09-07 | 新規ラジカルスカベンジャー |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06116197A true JPH06116197A (ja) | 1994-04-26 |
Family
ID=17032901
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP23862392A Pending JPH06116197A (ja) | 1992-09-07 | 1992-09-07 | 新規ラジカルスカベンジャー |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06116197A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1093786A1 (en) * | 1999-10-21 | 2001-04-25 | Coreana Cosmetics Co., Ltd. | Skin cosmetic composition containing kidney bean extracts |
KR100811614B1 (ko) * | 2006-09-29 | 2008-03-31 | 한국생명공학연구원 | 좀주름찻잔버섯 균사체 배양물 유래의 항산화 활성추출물, 이로부터 분리된 신규한 활성산소소거능을 가지는화합물 및 그 제조방법 |
US11241470B2 (en) | 2005-12-22 | 2022-02-08 | Indena S.P.A. | Phaseolus vulgaris extracts, their use and formulations containing them |
-
1992
- 1992-09-07 JP JP23862392A patent/JPH06116197A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1093786A1 (en) * | 1999-10-21 | 2001-04-25 | Coreana Cosmetics Co., Ltd. | Skin cosmetic composition containing kidney bean extracts |
US11241470B2 (en) | 2005-12-22 | 2022-02-08 | Indena S.P.A. | Phaseolus vulgaris extracts, their use and formulations containing them |
KR100811614B1 (ko) * | 2006-09-29 | 2008-03-31 | 한국생명공학연구원 | 좀주름찻잔버섯 균사체 배양물 유래의 항산화 활성추출물, 이로부터 분리된 신규한 활성산소소거능을 가지는화합물 및 그 제조방법 |
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