JPH06116015A - マグネシアドロマイト煉瓦及び精錬炉 - Google Patents

マグネシアドロマイト煉瓦及び精錬炉

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JPH06116015A
JPH06116015A JP4293876A JP29387692A JPH06116015A JP H06116015 A JPH06116015 A JP H06116015A JP 4293876 A JP4293876 A JP 4293876A JP 29387692 A JP29387692 A JP 29387692A JP H06116015 A JPH06116015 A JP H06116015A
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magnesia
zro
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slag
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JP4293876A
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English (en)
Inventor
Shintaro Sudo
新太郎 須藤
Toru Miwa
徹 三輪
Hirohisa Nakajima
廣久 中島
Hajime Mori
肇 森
Koichi Suzuki
浩一 鈴木
Tsugio Yukinawa
次夫 行縄
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JFE Engineering Corp
AGC Inc
Original Assignee
Asahi Glass Co Ltd
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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  • Furnace Housings, Linings, Walls, And Ceilings (AREA)
  • Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】スラグに対する耐食性とスラグに対する耐浸透
性に優れたピーリング現象の起きないマグネシアドロマ
イト煉瓦を提供する。 【構成】煉瓦中のCaOの含有量を3〜15重量%と少
なくし、粒径が0.15mm以下の細かいZrO2 粒子
を1〜10重量%添加する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はマグネシアドロマイト煉
瓦とこれが内張りされた製鋼用の精錬炉に関する。
【0002】
【従来の技術】鉄ニッケル系ステンレス鋼などのクロム
成分を含まない鋼を精錬する場合には精錬炉の内張り耐
火物にもクロム成分を含まない煉瓦を使用することが要
求されるので、従来マグネシア(MgO)が50〜80
重量%、カルシア(CaO)が20〜45重量%からな
るマグネシアドロマイト煉瓦が使用されている。例えば
特公平3−66374には、15〜75重量%のMgO
および15〜85重量%のCaOを含むマグネシアドロ
マイト煉瓦を精錬炉などに使用することが提案されてい
る。
【0003】ドロマイトはCaCO3 ・MgCO3 の組
成を有する天然鉱物であり、これを焼成してドロマイト
クリンカーとしたもの、あるいはCaOとMgOが概ね
等モル比となるように配合して焼成された合成ドロマイ
トクリンカーをマグネシアクリンカーと組み合わせて煉
瓦としたものがマグネシアドロマイト煉瓦である。
【0004】溶融金属および溶融スラグと接触する精錬
炉において、内張りされた煉瓦の耐用を確保するのに煉
瓦に要求される特性は、スラグと溶鋼、特にスラグに対
する耐食性と、耐スラグ浸透性および耐スポール性であ
る。
【0005】マグネシアドロマイト煉瓦では、これらの
特性は煉瓦の構成成分、特にCaO成分の含有量によっ
て大きく影響され、CaO成分を減らすと煉瓦の耐食性
が向上する。しかしCaO成分が少ないと煉瓦中へスラ
グが浸透しやすく、スラグの浸透した表面層が剥離する
ピーリング現象によって煉瓦の消耗が促進され、さらに
耐スポール性が劣化して煉瓦に亀裂が入りやすくなる傾
向のあることが知られていて、マグネシアドロマイト煉
瓦には通常20重量%以上のCaO成分が含まれてい
る。
【0006】マグネシアドロマイト煉瓦中の遊離CaO
が空気中の水分を吸収して消石灰(Ca(OH)2 )に
変化(消化という)するので体積が増加し、煉瓦が崩壊
する傾向を示すので、この現象を防いで煉瓦の保存性を
向上せしめる対策として種々の工夫がなされており、特
公昭57−27869にはジルコン(ZrO2 ・SiO
2 )粉末を原料に添加して遊離CaO粒子の表面をSi
2 質の成分で被覆して安定化する方法が提案されてい
る。
【0007】SiO2 成分を多く含む煉瓦は焼結性もよ
いが、SiO2 成分はスラグと反応してCaO・MgO
・SiO2 、3CaO・MgO・2SiO2 などの低融
点化合物を生成するので耐食性の点で好ましくない。さ
らに、SiO2 成分が煉瓦の結合部に存在するとスラグ
と濡れやすいことによりスラグが煉瓦中に浸透してピー
リング現象の原因となる。しかしながら、マグネシアド
ロマイト煉瓦中のSiO2 成分を少なくすると、MgO
粒子とドロマイト粒子間及びMgO粒子とMgO粒子間
の焼結性が劣化して充分な強度を有する煉瓦とならない
他、気孔率が大きくなって耐食性が小さいという問題が
ある。
【0008】マグネシアドロマイト煉瓦の耐スポール性
を改善する従来の試みとして、マグネシアドロマイト煉
瓦(耐火物技術協会発行、1987年2月号、27〜2
8頁)に20〜60メッシュ(0.83〜0.25m
m)のジルコニア(ZrO2 )粗粒子を添加する遠藤勇
らの報告がある。
【0009】すなわち、MgOを37〜77重量%、C
aOを23〜60重量%の間で変化させた組成のマグネ
シアドロマイト煉瓦に20〜60メッシユ(0.8〜
0.2mm)のZrO2 粗粒子を配合すると、ドロマイ
トクリンカー中のCaOがZrO2 粗粒子側へ拡散して
反応(CaO+ZrO2 →CaO・ZrO2 )し、この
反応に伴うZrO2 粒子の体積増加によって煉瓦中に多
数のマイクロクラックが生じ、煉瓦が高気孔率、低弾性
率となって曲げ強度は小さくなるが耐スポール性が向上
するとしている。
【0010】しかしながらこの構成のマグネシアドロマ
イト煉瓦はマイクロクラックが存在している分だけ気孔
率が大きくて強度が小さく、CaOの含有量もかなり多
いことから耐食性は充分とはいえない。
【0011】また、CaOを10重量%程度まで含むマ
グネシア質煉瓦において、熱間強度と耐スポール性をジ
ルコン(ZrO2 ・SiO2 )を配合することによって
向上せしめたマグネシア質煉瓦が特公昭51−2200
3に提案されている。
【0012】しかし、SiO2 成分を加えることは焼結
性と耐消化性の改善に有効ではあっても、高温強度が低
下する他、スラグに対する煉瓦の耐食性を劣化せしめる
ことになるので、耐食性を重視するマグネシアドロマイ
ト煉瓦では好ましいことではない。
【0013】また特開平2−205617には、MgO
を7〜90重量%含むマグネシアドロマイト煉瓦に選択
成分としてZrO2 やZrO2 ・SiO2 などを0.1
〜30重量%添加した塩基性煉瓦を容器内に内張りして
溶鋼を精錬する方法が提案されている。しかし、実施例
には75重量%以上のMgOを含む耐火物についての記
載は全くなく、選択成分をどのような粒度の原料として
添加するかについても説明がない。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来のマグ
ネシアドロマイト煉瓦に劣らない高温曲げ強度と耐スポ
ール性を有するとともに、スラグに対する優れた耐食性
と耐浸透性を有するマグネシアドロマイト煉瓦と、これ
が内張りされた精錬炉を提供しようとする。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は前述の課題を解
決すべくなされたものであり、本発明のマグネシアドロ
マイト煉瓦は、75〜96重量%のMgOと3〜15重
量%のCaOと1〜10重量%のZrO2 とから主とし
て構成され、ZrO2 が粒径0.15mm以下の粒子と
して含まれ、SiO2 の含有量が0.7重量%以下であ
ることを特徴とする。
【0016】本発明のマグネシアドロマイト煉瓦では、
CaOの含有量を3〜15重量%と従来のマグネシアド
ロマイト煉瓦の場合と比べて相当少なくしており、Mg
O成分が多く含まれていることによりスラグに対する耐
食性が優れている。従来のマグネシアドロマイト煉瓦で
はMgO成分を多くしてCaOの含有量を少なくする
と、焼結しにくくなって高温強度が小さくなり、スラグ
が煉瓦中へ浸透しやすくなってピーリング現象が起きる
とともに、耐スポール性が低下することになるが、本発
明のマグネシアドロマイト煉瓦ではこれらの問題が解消
されている。
【0017】すなわち、耐食性と高温強度を左右してい
る弱い部分である煉瓦の結合部中に0.15mm以下の
細かいZrO2 粒子が存在していることによって煉瓦の
焼結性が改善されており、煉瓦の気孔率が小さくなって
いる。気孔率が小さいことによって煉瓦中へのスラグの
浸透が妨げられるとともに、煉瓦の高温強度が大きくな
っている。本発明においてZrO2 粒子としては、Ca
O安定化ZrO2 、CaO部分安定化ZrO2 、MgO
部分安定化ZrO2 、CaZrO3 などを使用すること
ができる。
【0018】この細かいZrO2 粒子の配合効果はZr
2 含有量が1重量%以上あれば得られ、ZrO2 含有
量が10重量%より多いと煉瓦のスラグに対する耐食性
が相対的に低下することになるので10重量%以下に制
限されている。ZrO2 成分の含有量はある量以上多く
加えても添加量に比例した効果が得られないので、また
原料コストが高くなることもあり、好ましくは2〜8重
量%である。
【0019】煉瓦に添加するZrO2 粒子の粒径を0.
15mm以下、より好ましくは0.10mm以下とする
ことにより、ZrO2 粒子が煉瓦の結合部に存在してい
てもZrO2 の体積増加によるマイクロクラックの発生
がほとんどなく、煉瓦の焼結性が改善されて煉瓦の気孔
率が小さくなるとともに高温強度が大きくなり、溶鋼や
スラグのエロージョンに対して強い煉瓦が得られるとい
う効果がある。また、CaOの含有量は3重量%より少
ないと煉瓦の耐スポール性が低下し、CaOが15重量
%より多いと従来のマグネシアドロマイト煉瓦と比べて
耐食性の差は小さくなる。
【0020】また、本発明のマグネシアドロマイト煉瓦
では、SiO2 成分の結合部における含有量が骨材部分
より少なく、大部分のSiO2 成分が骨材中に含まれて
いて煉瓦中のSiO2 の含有量が0.7重量%以下、よ
り好ましくは0.5重量%以下と少ないのでスラグが煉
瓦中に浸透しにくく、高温強度が大きく、耐食性も良好
である。
【0021】本発明のマグネシアドロマイト煉瓦の好ま
しい態様では、5〜10重量%のCaOと、2〜8重量
%の細かいZrO2 粒子を含む煉瓦とされ、これにより
総合的な特性、すなわち耐食性と耐スポール性および耐
スラグ浸透性に優れた耐用のよいマグネシアドロマイト
煉瓦が得られる。
【0022】本発明のマグネシアドロマイト煉瓦は、特
に塩基性のスラグに対して耐食性の優れた煉瓦であっ
て、脱ガス炉その他の精錬炉の内張り用として好適であ
り、相対的に侵食の激しい精錬炉のスラグライン付近に
本発明によるマグネシアドロマイト煉瓦を内張りするこ
とによって耐用の優れた精錬炉を得ることができる。
【0023】本発明のマグネシアドロマイト煉瓦は、ク
ロム成分を含まないステンレス鋼を精錬する精錬炉の内
張り煉瓦として好適である。すなわち、酸化クロムを含
む煉瓦は一般的に耐用に優れていて、多くの精錬炉に好
んで使用されているが、酸化クロムが還元されるとクロ
ム成分が鋼中に取り込まれて鋼の成分が変化することに
なるからである。
【0024】クロム成分を含まないステンレス鋼として
たとえば高ニッケル合金鋼があり、本発明のマグネシア
ドロマイト煉瓦が内張りされた精錬炉は高ニッケル合金
鋼用の精錬炉として特に好ましいものである。
【0025】
【実施例】以下、本発明を実施例に沿って具体的に説明
するが、本発明は以下の実施例によってなんら限定され
るものではない。
【0026】粒径が5mm以下の合成マグネシアクリン
カー、粒径が0.1〜5mmの合成ドロマイトクリンカ
ー、粒径が0.1mm以下で平均粒径が0.05mmの
CaO部分安定化電融ZrO2 および粒径が0.2〜
0.8mmで平均粒径が0.5mmのCaO部分安定化
電融ZrO2 を原料とし、表1に示す調合のマグネシア
ドロマイト煉瓦およびマグネシア煉瓦を試作した。
【0027】試作した煉瓦の化学組成および試作した煉
瓦について調べた物性とスラグ浸食試験の結果を表1に
併せて示した。すなわち、表1に示された化学組成とな
るように調合した原料粉体に結合材としてアクリル樹脂
を加え、1000kg/cm2 でプレス成形して約17
90℃で約4時間焼成し、230mm×200mm×8
0mmの煉瓦を得た。
【0028】見掛け気孔率と嵩比重は試作した寸法の煉
瓦について水浸法により測定し、圧縮強度は試作煉瓦を
50mm×50mm×50mmに切断加工した試験片3
個について常温で測定した平均値であり、曲げ強度は4
0mm×40mm×160mmに切断加工した試験片3
個について1500℃の空気中における3点曲げ強度を
測定した平均値である。
【0029】耐スポール性試験はDIN法に準拠して行
われた。すなわち114mm×65mm×230mmの
並型煉瓦を試験片とし、1400℃に保持した電気炉中
に煉瓦の65mm×114mmの面から炉内に約1/3
(約77mm)分を挿入して15分間加熱し、次いで電
気炉から抜き出して15分間強制空冷する加熱冷却サイ
クルを繰り返し、亀裂が生じて煉瓦の欠落が5%以上に
達したサイクル回数を以て耐スポール性指数とした。
【0030】また、浸食試験を回転ドラム法により行っ
た。すなわち、各試作煉瓦を切断加工して断面が台形の
試験用煉瓦(160mm×50mm×30〜73mm)
とし、これらを8角柱状に組み合わせ、内側に8角形の
穴(内径約75mm)を有する試験体とし、片端中央に
約20mmの開口を、他端の中央に約40mmの開口を
設けた回転炉に組み込み、炉体の軸を水平から10°傾
斜させた状態で、2rpmで回転させながら点火した酸
素アセチレンバーナを炉の低い側の20mmの開口に差
し込んで1750℃に昇温した。
【0031】次いでCaOが50重量%、CaF2 が7
重量%、SiO2 が13重量%、Al23 が30重量
%からなる合成スラグを700g回転炉内に投入し、炉
を回転させながら1750℃に1時間保持した。
【0032】その後バーナを抜き取って回転炉を転倒
し、内部の溶融スラグを排出してから元の位置に戻し、
40mmの開口から空気を吹き込んで約10分間強制空
冷した。次いでバーナを差し込んで再点火し、炉を回転
させながら1750℃に昇温し、新たに同量のスラグを
投入して1時間保持後にバーナを抜き取り、炉を転倒し
てスラグを排出して強制空冷する操作を合計4回繰り返
した。つまり溶融スラグによる各試験煉瓦の浸食時間は
合計4時間である。
【0033】冷却後炉を解体して試験用煉瓦を取り出
し、長手方向に中央で切断してそれぞれの煉瓦について
最大浸食深さを測定した。耐食性指数Ci は、従来のマ
グネシアドロマイト煉瓦(試験例1)の最大浸食深さを
0 mmとし、試験煉瓦の最大浸食深さをdi mmとす
るとき、Ci =100×d0 /di によって求めた。こ
の場合、耐食性は耐食性指数Ci の大きい方が優れてい
ることになる。
【0034】また、各試験後の煉瓦についてスラグの最
大浸透深さ(浸食面からの浸透深さ)を切断面で測定し
た。耐浸透性指数Ii は、従来のマグネシアドロマイト
煉瓦におけるスラグの最大浸透深さをb0 mmとし、試
験煉瓦の最大浸透深さbi mmとするとき、Ii =10
0×b0 /bi によって求めた。この場合、耐浸透性指
数Ii は大きい方がスラグが浸透しにくく、ピーリング
現象が起きにくいことになる。これらの試験結果につい
ても表1に併せて示した。
【0035】
【表1】
【0036】試験例1は従来精錬炉で使用されているマ
グネシアドロマイト煉瓦である。この組成からCaO含
有量を少なくした試験例2の煉瓦ではスラグに対する耐
食性が向上する一方で耐スラグ浸透性が顕著に劣化して
いる。試験例2に粒径が0.1mm以下の細かいZrO
2 粒子を添加したものが試験例3、4、5であり、Zr
2 粒子を配合していないものと比べてスラグに対する
耐浸透性が顕著に向上していることが分かる。試験例4
と5ではスラグに対する耐浸透性指数の差が小さいこと
から、これ以上細かいZrO2 粒子の配合量を増やして
も、耐浸透性指数の改善効果の小さいことが分かる。
【0037】一方、試験例3、4、5から分かるよう
に、細かいZrO2 粒子の配合量を増すとスラグに対す
る耐食性が少々低下する傾向が見られるが、ZrO2
子の配合量が1〜10重量%の範囲にあれば、耐食性、
耐スラグ浸透性とも試験例1(従来品の組成)の煉瓦と
比べて顕著に優れた煉瓦が得られる。また、表1に示さ
れたデータから、細かいZrO2 粒子の配合は煉瓦の気
孔率を低下させ、熱間曲げ強度を向上せしめるのに有効
であることが分かる。
【0038】本発明によるマグネシアドロマイト煉瓦の
切断面をX線マイクロアナライザーで調べたところ、細
かいZrO2 粒子は煉瓦の骨材間の結合部に存在してい
て、ZrO2 粒子は結合部の主な構成物として焼結性、
すなわち煉瓦の強度の発現に寄与していると推定され
る。煉瓦の高温強度が大きければ、溶鋼の流動によるエ
ロージョンに対しても良好な抵抗性を有することにな
る。
【0039】合成ドロマイトクリンカーを配合していな
い試験例6、7のマグネシア煉瓦では、細かいZrO2
粒子を配合すると対スラグ耐浸透性が向上する効果は認
められるが、耐スポール性が小さく、実炉での使用には
問題がある。
【0040】試験例8はZrO2 粗粒子を配合したマグ
ネシアドロマイト煉瓦であり、同じ化学組成の試験例4
の煉瓦と比べて気孔率が大きく、耐スポール性は優れて
いるが高温強度とスラグに対する耐食性が相対的に小さ
い。これは、ZrO2 粗粒子が煉瓦中にマイクロクラッ
クを生ぜしめていることによると考えられる。
【0041】フィールド試験として、試験例4の調合の
煉瓦を真空脱ガス炉(VOD炉)のスラグライン部に内
張りして高ニッケル合金鋼であるアンバー材の精錬に使
用したところ、耐スポール性については使用上問題がな
く、スラグに対する耐食性が良好で、従来のマグネシア
ドロマイト煉瓦と比べて耐用を約70%延長できること
が分かった。
【0042】
【発明の効果】本発明のマグネシアドロマイト煉瓦で
は、従来のマグネシアドロマイト煉瓦と比べてCaOの
含有量を2〜15重量%と少なくしているので、この分
耐食性が優れており、CaOの含有量が少ないことによ
るスラグに対する耐浸透性の劣化の問題を細かいZrO
2 粒子を1〜10重量%配合することにより焼結性を改
善して気孔率を小さくし解消している。
【0043】さらに、細かいZrO2 粒子が配合された
マグネシアドロマイト煉瓦は、圧縮強度と熱間曲げ強度
が大きく、流動する溶鋼などに対する耐エロージョン性
にも優れている。本発明のマグネシアドロマイト煉瓦
は、酸化クロムを含む煉瓦が使用できない鋼を精錬する
精錬炉に特に好適であり、従来のマグネシアドロマイト
煉瓦を使用した精錬炉と比べて顕著に良好な耐用が得ら
れる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中島 廣久 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 森 肇 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 鈴木 浩一 兵庫県高砂市梅井5丁目6番1号 旭硝子 株式会社高砂工場内 (72)発明者 行縄 次夫 兵庫県高砂市梅井5丁目6番1号 旭硝子 株式会社高砂工場内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】75〜96重量%のMgOと3〜15重量
    %のCaOと1〜10重量%のZrO2 とから主として
    構成され、ZrO2 が粒径0.15mm以下の粒子とし
    て含まれ、SiO2 の含有量が0.7重量%以下である
    ことを特徴とするマグネシアドロマイト煉瓦。
  2. 【請求項2】請求項1において、5〜10重量%のCa
    Oと2〜8重量%のZrO2 とを含むマグネシアドロマ
    イト煉瓦。
  3. 【請求項3】75〜96重量%のMgOと3〜15重量
    %のCaOと1〜10重量%のZrO2 とから主として
    構成され、ZrO2 が粒径0.15mm以下の粒子とし
    て含まれ、SiO2 の含有量が0.7重量%以下である
    マグネシアドロマイト煉瓦が内張りされていることを特
    徴とする精錬炉。
  4. 【請求項4】請求項3において、前記マグネシアドロマ
    イト煉瓦がスラグライン付近に内張りされている精錬
    炉。
  5. 【請求項5】請求項3または4において、精錬される鋼
    がクロム成分を含まないステンレス鋼である精錬炉。
  6. 【請求項6】請求項5において、精錬される鋼が高ニッ
    ケル合金鋼である精錬炉。
JP4293876A 1992-10-07 1992-10-07 マグネシアドロマイト煉瓦及び精錬炉 Pending JPH06116015A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004082868A1 (ja) * 2003-03-14 2004-09-30 Krosakiharima Corporation 連続鋳造ノズル
JP2009263691A (ja) * 2008-04-22 2009-11-12 Sumitomo Metal Ind Ltd Vod鍋の築炉方法

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WO2004082868A1 (ja) * 2003-03-14 2004-09-30 Krosakiharima Corporation 連続鋳造ノズル
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