JPH0611520Y2 - Ｅｃｔ装置の被検体位置表示装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この考案は医用撮像の分野で利用される。

この考案はＥＣＴ装置の被検体位置表示装置に関し、詳
しくはスライス位置決めの際におけるベツト移動操作の
改良に関する。

［従来技術］ 通常、ベツドが水平移動してその水平方向の位置のみが
表示されるが、スライス面が傾いているとき、スライス
面と垂直の位置と対応した水平位置は指示されない。

［考案が解決しようとする課題］ スライス面が傾いているとき、ベツド水平移動をどの程
度行えば、被検部がスライス面に対応してデータ収集を
行いたい位置に達するか、が容易にわからない。

それはベツドの移動方向と、被検者を移動させたい方向
とがスライス面の傾いているときには異なるためであ
る。

この考案の目的は、ベツドの単位距離の水平移動毎に、
被検者を移動させたい方向（すなわち、スライス面に直
角な方向）の移動距離をスライス面の傾きに応じて計算
し、表示して、その移動距離が目的の移動距離に達した
ときにその移動を停止できる、ＥＣＴ装置の被検体位置
表示装置を提供することである。

［課題を解決するための手段］ 前記した目的は、放射性トレーサを投与された被検者よ
り放出される放射線を、円周上に配列した検出器により
検出、収集して、コンピユータ処理により放射性元素の
分布イメージが得られるリング型ＥＣＴ装置において、
コンピユータシステムと、表示器と、ベツド上の基準位
置より水平方向に単位距離移動する毎にガントリの傾き
角（θ）に応じたスライス面垂直位置（Ｚ）の距離を算
出し、表示させ、目的のスライス面垂直位置が表示され
たときにベツドの移動停止を操作できるモニタ手段また
は算出位置にベツドを移動設定する手段とを具備するこ
とにより、達成される。

［作用］ ベツドの移動開始の際に、起点よりスライス面の垂直位
置への移動距離が知られている。ベツドが単位距離水平
移動する毎にスライス面の垂直位置への移動距離が表示
器により表示され、その表示値が知られている移動距離
に達したときに、ベツドの移動を停止する。

或いは、ベツドを単位距離移動毎にガントリの傾き角に
応じた垂直距離が計算され、その算出距離だけベツドが
垂直移動して、前記同様にその表示値が知られている移
動距離に達したときに、ベツドの移動を停止する。

［実施例］ この考案の好適な実施例は、図面に基づいて説明され
る。

第１図はその１実施例を示した構成ブロツク図である。

１０はＥＣＴ装置のガントリで、その内部の検出器によ
りガントリに傾き角が検出され、ＣＰＵ１４へ送られ、
またベッド装置１２の駆動部を有し、ベツドの水平移動
距離のデータもＣＰＵ１４へ送られる。

ＣＰＵ１４はこれらのデータによりスライス面の垂直位
置への移動距離を計算して、メモリ１６に書き込み、ま
たそのメモリ１６を読み出して表示器１８上に表示す
る。

第３図はベツドとスライス面との関係例示図である。

１０ａはＥＣＴ装置の検出器リング断面、１２ｂはベツ
ド、１２ｃはベツド上におかれたポイント線源を示す。
ここでは５スライスの装置を例にとり、スライス面はθ
だけ傾いている。

スライス間隔はｔとする。図示例では、ポイント線源１
２ｃはスライスＮＯ．１に位置し、ベツド位置はＡを示
している。このポイント線源１２ｃをスライスＮＯ．５
に移動させたいとき、スライス面に垂直には４ｔだけ移
動させればよいが、ベツド１２ｂをどれだけ水平移動す
ればよいのかについては即座に判断できない。

計算上、４ｔ・ｃｏｓθだけベツドを水平移動すればよ
いが、この計算をその都度行うのは容易でなく、非常に
不便である。

そこで、Ｚ方向（スライス面に垂直な方向）への移動量
を、ベツド１２ｂの単位距離水平移動毎にＣＰＵ１４に
より、ガントリ１０の傾き（テイルト）角θに応じて計
算させ、表示させる。

すなわち、図示例では、Ｚ方向の移動量が４ｔとなるま
でベツド１２ｂを動かすだけでポイント線源１２ｃはス
ライスＮＯ．５の位置Ｂに達することになる。

第２図はその動作例を示したフローチヤートである。

ステツプＳ１でＺ位置は初期値設定され、ステツプＳ２
でガントリ１０からテイルト角θが読み出され、ステツ
プ３でメモリ１６からＺ位置が読み出され、ステツプＳ
４でそのデータが表示器１８に表示され、操作者はこの
表示値を見て未だ目的のＺ位置に達していないと知る
と、ステツプＳ５でベツドの移動はそのまま続け、ステ
ツプ６でその場合にはその時点でのＺ位置の計算が行わ
れる。

ステツプＳ５で、もし表示値が目的のＺ位置であると
き、ベツド移動の停止操作が行われる。

第４図は他の動作例を示したフローチヤートであり、第
５図はその場合のベツドとスライス面との関係例示図で
ある。

この第５図の図示例においても、スライス面はθだけ傾
いており、スライス間隔はｔとしている。

いま、ポイント線源１２ｃはスライスＮＯ．１面内の位
置Ａ′にあり、スライスＮＯ．５面内まで移動させたい
とすると、前示の動作例では、４ｔ・ｃｏｓθだけベツ
ドを水平に移動している。

すなわち、テイルト角θによって４ｔ・ｃｏｓθを計算
する必要があり、さらに、得られる断層像の中心も変化
する。

この動作例によれば、テイルト角θに応じて、ベツドの
上下運動を水平運動と連動させることによつてスライス
面に垂直な方向（Ｚ方向）にベツドを移動させることに
なる。もちろん、Ｚ方向の位置の表示も行い、Ｚ方向の
移動距離も知ることができる。このようにして、ポイン
ト線源１２ｃは位置Ａ′からＢ′へ直線的に移動させる
ことができる。

第４図のフローチヤートでは、第２図のものと比較し
て、ベツドが水平とそれに対応してその水平移動距離Ｘ
・ｔａｎθの垂直移動が行われ、この移動停止を続行す
るか否かがステツプＳ７で問われる点で異なる。

この動作例では、ポイント線源１２ｃがスライスＮＯ．
１からスライスＮＯ．５に移動しても有効エリア内の被
写体位置が不変であるので、撮像の再現性が保障され
る。

前示２つの実施例では、表示器を監視してベツド移動停
止の操作が行われているが、Ｚ位置が目的の位置にきた
時点でベツド駆動部に停止指令を送るようにしてもよ
い。

なお、この考案はＥＣＴ装置のみならず、Ｘ線ＣＴ装置
についても適用可能である。

［効果］ ガントリの傾きによりスライス面が傾斜しているときで
も、正確かつ容易に、被検者をベツド移動させて、測定
ないしスライス位置へセツトすることが可能になる。ま
た、得られる断層像の中心がベツド移動によつても変化
しないように適用できる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の１実施例を示した構成ブロツク図、
第２図はこの考案の動作例を示したフローチヤート、第
３図はその場合のベツドとスライス位置関係図、第４図
は他の動作例を示したフローチヤート、第５図はその場
合のベツドとスライス位置の関係図である。 １０はガントリ、１２はベツド、１４はＣＰＵ、１６は
メモリ、１８は表示器である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】放射性トレーサを投与された被検者より放
   出される放射線を、円周上に配列した検出器により検
   出、収集して、コンピユータ処理により放射性元素の分
   布イメージが得られるリング型ＥＣＴ装置において、コ
   ンピユータシステムと、表示器と、ベツド上の基準位置
   より水平方向に単位距離移動する毎にガントリの傾き角
   （θ）に応じたスライス面垂直位置（Ｚ）の距離を算出
   し、表示させ、目的のスライス面垂直位置が表示された
   ときにベツドの移動停止を操作できるモニタ手段または
   算出位置にベツドを移動設定する手段とを具備している
   ことを特徴とする、ＥＣＴ装置の被検体位置表示装置。