JPH0611499Y2 - 制御機器の測温抵抗の異常検出回路 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、電気敷物など主に家庭用電気器具の温度制御
機器に用いられている測温抵抗の異常検出回路に関す
る。

（従来技術及びその問題点） 電気敷物や電気毛布等の採暖具は、通常温度制御機器に
よってその温度を調節できるようになっており、該温度
調節のためには、温度に対応して自身の抵抗値が変化す
るサーミスタや感熱線等の測温抵抗が発熱体に近接して
設けられる。しかしながら、この測温抵抗が短絡したり
断線したりすると正常な温度調節ができなくなって発熱
体が異常な高温となり焦損事故を招く危険性がある。こ
のため、測温抵抗の短絡あるいは断線時には発熱体への
通電を遮断するための当該用異常検出回路が設けられて
いる。

ところが従来の斯種回路は、測温抵抗の短絡と断線を検
出する回路が別々に独立していたので、全体の回路構成
が複雑で部品点数が多く、このため小形化と低価格化に
難点があった。

（問題点を解決するための手段） 本考案は上記従来の問題点を解消し、測温抵抗の短絡と
断線を一回路で共通して検出できるようにしたもので、
ＰＮＰ型トランジスタＱ１のエミッタＥは抵抗を介して
正極側に、同ベースＢは測温抵抗Ｒ２を介して負極側に
夫々接続し、該トランジスタＱ１のエミッタＥ信号は測
温信号とし、該トランジスタＱ１の同コレクタＣ信号は
測温抵抗Ｒ２の短絡あるいは断線時にオフ状態となるよ
うにしたことを特徴とする制御機器の測温抵抗の異常検
出回路に係る。

本考案を実施例の図示に従って詳述すると、第１図は本
考案の要部回路図を示し、ＰＮＰ型トランジスタＱ１の
エミッタＥは抵抗Ｒ１を介して電源の正極側に、同ベー
スＢは測温抵抗Ｒ２を介して電源の負極側に夫々接続さ
れている。トランジスタＱ１のコレクタＣは抵抗３を介
してＮＰＮ型トランジスタＱ２のベースに接続され、同
Ｑ２のエミッタは電源の負極側に接続されている。ま
た、上記トランジスタＱ１のエミッタＥ信号は温度調節
回路の一例としての差動増幅器１に入力される。

即ち、２個のＮＰＮ型トランジスタQ3、Q4のコレクタは
夫々抵抗14、13を介して正極側に、両エミッタは抵抗15
を介して負極側に接続され、一方のトランジスタＱ４の
ベースは正負極間に直列接続された抵抗10と可変抵抗11
の接続部に、他方のトランジスタＱ３のベースは上記ト
ランジスタＱ１のエミッタＥに接続される。

尚、トランジスタＱ３のベースには上記トランジスタＱ
１のベースＢを接続しても良い。要は、抵抗Ｒ１、測温
抵抗Ｒ２の抵抗値に対してトランジスタＱ１のエミッタ
Ｅ〜ベースＢ間のＰＮ接合の影響を少なくする方が望ま
しく、抵抗Ｒ１＜測温抵抗Ｒ２の場合はＰＮ接合が測温
抵抗Ｒ２と直列に入るよう図示のようにエミッタＥを接
続する方が良く、他方抵抗Ｒ１＞測温抵抗Ｒ２の場合に
はＰＮ接合が抵抗Ｒ１と直列に入るようにベースＢを接
続する方が良い。限時部はタイムアップで可変抵抗11に
並列接続の抵抗12を接断し差動増幅器１の動作点を変え
る。

第２図は上記測温抵抗Ｒ２に感熱線を使用した場合の応
用回路図で、トランジスタＱ１のエミッタ〜ベース間に
はこれと逆極性に第１のダイオードＤ１が並列接続さ
れ、同Ｑ１のコレクタと負極側には抵抗３、５と第２の
ダイオードＤ２が順方向に直列接続されている。また、
トランジスタＱ１のエミッタと負極側には両方向にダイ
オードD3、D4が夫々抵抗６、７及び抵抗８を介して接続
されている。尚、トランジスタＱ２はトランジスタＱ１
の出力を整え、抵抗３〜抵抗８及びコンデンサC1、C2は
全体のバランスをとり動作の安定を図るためのものであ
る。

（作用） 本考案は以上のように構成され、その動作は次のように
なる。

(1)測温抵抗Ｒ２が正常な場合には、正極側抵抗Ｒ１
トランジスタＱ１のエミッタＥ同ベースＢ測温抵
抗Ｒ２負極側と電流が流れてトランジスタＱ１は導通
し、従ってトランジスタＱ１のコレクタ出力はオンとな
る。

(2)測温抵抗Ｒ２は温度の高低によってその抵抗値が変
化し、それに応じて抵抗Ｒ１と測温抵抗Ｒ２の抵抗比も
変わるのでトランジスタＱ１のエミッタＥ電圧は測温信
号としてトランジスタＱ３のベースに入力され、可変抵
抗11の調節によって温度制御用の所定出力Ｐが得られ
る。

(3)測温抵抗Ｒ２（又はその両端接続電線）が短絡する
と、トランジスタＱ１のベースＢが負極側に直結される
ことになって同Ｑ１のコレクタＣ電位は零（オフ）とな
る。

(4)測温抵抗Ｒ２（又はその接続電線）が断線すると、
トランジスタＱ１のベース電流が流れなくなって同Ｑ１
のコレクタＣ電位は零（オフ）となる。

(5)即ち、測温抵抗Ｒ２が正常な場合には、トランジス
タＱ１にベース電流が流れてコレクタ電位があり、他
方、測温抵抗Ｒ２が短絡あるいは断線時にはトランジス
タＱ１のコレクタ電位が零（オフ）となるので、測温抵
抗Ｒ２の異常はトランジスタＱ１のコレクタのオフ信号
で検出できる。

第２図においては、交流電源が印加される測温抵抗Ｒ２
が正常な場合、１サイクル毎にトランジスタＱ１のエミ
ッタからは測温信号が、またコレクタからはオン信号が
出力され、測温抵抗Ｒ２が短絡あるいは断線するとコレ
クタ出力は上記同様に常時オフ状態となる。

尚、測温抵抗Ｒ２の短絡あるいは断線状態が解消すると
回路は正常動作に自動復帰する。

（効果） 以上説明したように本考案の異常検出回路は、抵抗と測
温抵抗間にトランジスタを介在させたのみの簡単な構成
で測温信号を得ると共に、更に測温抵抗の短絡あるいは
断線といった異常を該トランジスタのコレクタ出力のオ
フ状態で検出できるので、回路のより小型化及び低価格
化を計れるといった特徴を有する。

また、測温抵抗が感熱線であって交流電源が印加される
場合にも、ダイオードの追加等によって上記同様に測温
信号はトランジスタのエミッタから、感熱線の短絡ある
いは断線といった異常信号はコレクタのオフ状態で検出
できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る異常検出回路の一実施例を示す回
路図、第２図は同他の実施例を示す回路図である。 Ｑ１……ＰＮＰ型トランジスタ Ｒ１……抵抗 Ｒ２……測温抵抗 Ｄ１、Ｄ２……ダイオード

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ＰＮＰ型トランジスタのエミッタは抵抗を
   介して正極側に、同ベースは測温抵抗を介して負極側に
   夫々接続し、該トランジスタのエミッタ信号は測温信号
   とし、該トランジスタのコレクタ信号は測温抵抗の短絡
   あるいは断線時にオフ状態となるようにしたことを特徴
   とする制御機器の測温抵抗の異常検出回路。
2. 【請求項２】上記ＰＮＰ型トランジスタのエミッタとベ
   ース間にはこれと逆極性に第１のダイオードを並列接続
   し、該トランジスタのコレクタと負極側には第２のダイ
   オードを順方向に接続し、該トランジスタのエミッタ信
   号は測温信号とし、該トランジスタのコレクタ信号は測
   温抵抗の短絡あるいは断線時にオフ状態となるようにし
   たことを特徴とする実用新案登録請求の範囲第１項記載
   の制御機器の測温抵抗の異常検出回路。