JPH06114595A - プレス装置のストローク制御装置 - Google Patents

プレス装置のストローク制御装置

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JPH06114595A
JPH06114595A JP4292208A JP29220892A JPH06114595A JP H06114595 A JPH06114595 A JP H06114595A JP 4292208 A JP4292208 A JP 4292208A JP 29220892 A JP29220892 A JP 29220892A JP H06114595 A JPH06114595 A JP H06114595A
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JP
Japan
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piezoelectric element
voltage
current
capacitor
circuit
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JP4292208A
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Inventor
Kazuto Nakamura
和人 中村
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Omron Corp
Original Assignee
Omron Corp
Omron Tateisi Electronics Co
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 加工用ロッドを駆動する圧電素子に電荷共振
回路を用いて電荷を転送させることによって圧電素子を
駆動し、所望の下死点を得る。 【構成】 充電回路のサイリスタ2をターンオンするこ
とによってコンデンサ3に充電する。ついで、コンデン
サ3とインダクタ8を含む共振・転流回路によりコンデ
ンサ3の静電エネルギーをインダクタ8の磁気エネルギ
ーに完全に変換し、さらにインダクタ8と圧電素子11
を含む共振・転流回路によりインダクタ8の磁気エネル
ギーを圧電素子11に転流する。圧電素子11の電圧を
電圧検出・比較回路13によって監視し、圧電素子11
の電圧VPが設定電圧値VSPと等しくなった時、圧電素
子11への転流動作を中断させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はプレス装置のストローク
制御装置に関する。具体的にいうと、圧電素子を駆動源
とするプレス装置においてプレス加工用のロッドのスト
ロークの下死点を精密に制御するためのストローク制御
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図17に示すものは、バネ材等の薄板材
51を打ち抜き加工するためのプレス装置Pに用いられ
ている金型部分を示す断面図である。このプレス装置P
にあっては、上型52と下型53の間に薄板材51を挟
み込み、加工用ロッド54を上方から打ち出すことによ
り薄板材51を半抜き加工し、ついで、下方から別な加
工用ロッド(図示せず)を打ち出すことにより薄板材5
1を半抜き加工し、薄板材51から打抜き品51aを打
ち抜いている。
【0003】このように半抜き加工を上下から行なうこ
とによって薄板材51から打抜き品51aを打抜けば、
打抜き品51aのバリ無し加工を実現することができ
る。しかしながら、電子部品や機器の小型化、薄型化に
伴って薄板材51は次第に厚みが薄くなっており、例え
ば薄板材51の厚みが200μm以下になると、バリ無
し加工を施すためには、加工用ロッド54を薄板材51
の表面から100μm程度打ち出した位置で停止させな
ければならず、正確かつ精密な下死点制御が必要とな
る。
【0004】また、図18に示すものは、バネ材等の薄
板材51を精密曲げ加工するためのプレス装置Qに用い
られている金型部分を示す断面図である。このプレス装
置Qにあっては、上型52と下型53の間に薄板材51
の端部を挟み込んで片持ち状に支持し、下端面を斜めに
形成された加工用ロッド54を上方から打出すことによ
り薄板材51の張り出し部分51bを所要の角度θに折
曲げ加工している。しかし、このような曲げ加工用のプ
レス装置Qにあっても、高精度の所要曲げ角度θを出す
ためには、正確な下死点制御を実現する必要がある。
【0005】ところで、上記のように微小ストロークの
プレス加工に用いられる従来のプレス装置P,Qにおい
ては、PZT等の圧電素子によって加工用ロッド54を
形成している。図19(a)はこのプレス装置P,Qの
圧電素子55を駆動するための駆動装置Rを示す概略図
であって、駆動アンプ56に入力された入力信号57を
増幅して圧電素子55へ出力し、圧電素子55を所要量
だけ変位(伸張)させてストローク制御をしている。図
19(b)は周期Tでプレス加工する際の駆動アンプ5
6の出力信号58の一例を示す図であって、ランプ関数
状に電圧を増加させた後、下死点に相当する電圧Vmax
で一定電圧に保ち、再び電圧を降下させる動作を周期T
で繰り返している。図20は圧電素子55を所望の下死
点に相当する変位量まで変位させる際の駆動アンプ56
の入力信号57及び出力電圧と、圧電素子の理想変位及
び実際の変位との関係を示す図であって、駆動アンプ5
6の入力信号57をランプ関数状に増加させた後、一定
電圧Vmaxに保った場合を示している。すなわち、図2
0の曲線57に沿って駆動アンプ56の入力信号を増加
させると、駆動アンプ56からは増幅された出力電圧が
出力され、駆動アンプ56の出力電圧は曲線58に沿っ
て変化する。この駆動アンプ56からの出力電圧を印加
されると、圧電素子55は理想的には曲線59のような
変位をするが、実際には被加工品からの反力等によって
曲線60のように理想変位よりも小さな変位となり、こ
の実際の変位量が一定値に達した時の値が下死点とな
る。
【0006】また、圧電素子55が動作を終了すると、
図19(b)において斜線を施した部分の面積に相当す
る静電エネルギーを放出して圧電素子55は初めの状態
に戻る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従来のプレス装置にお
いては、正確に下死点制御を行なう場合には、上記のよ
うに駆動アンプの入力信号をランプ関数状に上昇させ、
所望する電圧値で一定電圧に固定する方法が採用されて
いる。
【0008】しかしながら、このような方法では、プレ
ス装置の毎分当たりのストローク数(SPM)が高くな
った場合、駆動アンプの周波数特性及び電流容量を増加
させる必要があった。
【0009】また、駆動アンプの入力信号でもって圧電
素子を駆動する場合、圧電素子の電荷を転送及び回生す
る共振回路を併用することができなかった。
【0010】また、毎分当たりのストローク数(SP
M)を高くしない場合でも、圧電素子に加速度を与える
場合には、電圧立上げのランプ関数を急峻にする必要が
あり、その場合には駆動アンプに高い周波数特性が必要
になるという問題があった。
【0011】本発明は叙上の従来例の欠点に鑑みてなさ
れたものであり、その目的とするところは、圧電素子の
電荷共振回路を用いて所望の下死点に相当する電圧で共
振を中断させることにより、上記問題点を解決すること
にある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の第1のプレス装
置のストローク制御装置は、圧電素子を駆動源とするプ
レス装置において、電荷を蓄えることのできる蓄電用素
子と、前記蓄電用素子を充電するための電源と、前記蓄
電用素子に充電された電荷を前記圧電素子に共振・転流
させる回路と、下死点に相当する設定電圧値もしくは設
定電流値と圧電素子の電圧もしくは電流とを比較し、前
記共振・転流回路による共振・転流動作を中断させる手
段とを備えたことを特徴としている。
【0013】本発明の第2のプレス装置のストローク制
御装置は、圧電素子を駆動源とするプレス装置におい
て、電荷を蓄えることのできる蓄電用素子と、前記蓄電
用素子を充電するための電源と、下死点に相当する設定
電圧値もしくは設定電流値と前記蓄電用素子の充電電圧
もしくは電流とを比較し、前記電源による蓄電用素子の
充電を中断させる手段と、前記蓄電用素子に充電された
電荷を前記圧電素子に共振・転流させる回路とを備えた
ことを特徴としている。
【0014】本発明の第3のプレス装置のストローク制
御装置は、圧電素子を駆動源とするプレス装置のおい
て、電荷を蓄えることのできる蓄電用素子と、設定電圧
値に応じて出力電圧値を調整できる、前記蓄電用素子を
充電するための電源と、前記蓄電用素子に充電された電
荷を前記圧電素子に共振・転流させる回路とを備えたこ
とを特徴としている。
【0015】
【作用】本発明の第1のプレス装置のストローク制御装
置にあっては、圧電素子を駆動するための電圧よりも高
めの一定電圧に蓄電用素子を充電しておき、蓄電用素子
に充電されている電荷を圧電素子へ共振・転流させる。
このとき圧電素子の電圧(もしくは、圧電素子に流れる
電流)を監視し、設定電圧値(もしくは設定電流値)と
圧電素子の電圧(もしくは電流)とが等しくなった瞬間
に電荷の共振・転流動作を中断させる。この結果、圧電
素子は設定電圧値と等しい電圧に充電され、適当な設定
電圧値(電流値)を入力することによって目的とする下
死点を得ることができる。
【0016】また、本発明の第2のプレス装置のストロ
ーク制御装置にあっては、蓄電用素子に充電する際に、
蓄電用素子の充電電圧(もしくは充電電流)を監視し、
設定電圧値(もしくは設定電流値)と蓄電用素子の充電
電圧(もしくは電流)とが等しくなった瞬間に充電を中
断させる。ついで、蓄電用素子に充電されている電荷を
全て圧電素子へ共振・転流させる。この結果、圧電素子
は所定の電圧に充電され、適当な設定電圧値(電流値)
を入力することによって目的とする下死点を得ることが
できる。
【0017】また、発明の第3のプレス装置のストロー
ク制御装置にあっては、蓄電用素子を電源の出力電圧と
等しい電圧となるまで充電し、ついで、蓄電用素子に充
電されている電荷を全て圧電素子へ共振・転流させる。
この結果、圧電素子は所定の電圧に充電され、電源の出
力電圧を調整することによって目的とする下死点を得る
ことができる。
【0018】上記のように、第1〜第3のストローク制
御装置にあっては、いずれも、一旦電荷を蓄電用素子に
充電しておき、電気的な共振現象を利用して蓄電用素子
の電荷を圧電素子へ転流させているので、圧電素子に供
給される電流、あるいは圧電素子に印加される電圧が正
弦関数状に変化する。このときの転流動作の周波数(共
振周波数)は回路定数等によって決まっているので、圧
電素子を駆動するための回路等が不要な高調波を含ま
ず、ストローク制御装置の周波数特性を高くする必要が
なくなる。
【0019】
【実施例】図1は本発明の一実施例に係るストローク制
御装置Aを示す回路図であって、プレス装置において圧
電素子を駆動して加工用ロッドのストロークの下死点を
制御するためのストローク制御装置Aを示している。こ
のストローク制御装置Aにあっては、直列に接続された
直流電源(定電圧源)1及びサイリスタ2がコンデンサ
3の両端間に接続されており、サイリスタ2のカソード
がコンデンサ3の正極に接続され、サイリスタ2のアノ
ードと直流電源1のプラス側とが接続され、直流電源1
のマイナス側がコンデンサ3の負極に接続されており、
コンデンサ充電回路が構成されている。
【0020】コンデンサ3とフライホイルダイオード4
とは逆並列接続されており、コンデンサ3の正極側及び
負極側にそれぞれフライホイルダイオード4のカソード
及びアノードが接続されている。一方、加工用ロッドを
構成する圧電素子11には、サイリスタ9と放電抵抗1
0との直列接続体が並列接続されており、サイリスタ9
のカソードが放電抵抗10の一端につながり、サイリス
タ9のアノードが圧電素子11の正極側に接続され、放
電抵抗10の他端が圧電素子11の負極側に接続されて
いる。
【0021】コンデンサ3とフライホイルダイオード4
との逆並列接続体の負極側と、圧電素子11とサイリス
タ9及び放電抵抗10との並列接続体の負極側とは直結
されている。前者の逆並列接続体の正極側と後者の並列
接続体の正極側とは、スイッチング用トランジスタ5a
及びインダクタ(コイル)8を介して接続されており、
スイッチング用トランジスタ5aのコレクタがコンデン
サ3に接続され、スイッチング用トランジスタ5aのエ
ミッタがインダクタ8の一端に接続され、インダクタ8
の他端が圧電素子11に接続されている。さらに、イン
ダクタ8と圧電素子11との中点にはスイッチング用ト
ランジスタ5bのコレクタが接続され、スイッチング用
トランジスタ5bのエミッタはコンデンサ3及び圧電素
子11の負極側に接続されている。これによってコンデ
ンサ3から圧電素子11へ電荷を転流させるための共振
・転流回路が構成されている。
【0022】インダクタ8には、インダクタ8に残留し
た磁気エネルギーを放電させるための放電抵抗7及びダ
イオード6を直列に接続した放電回路が並列接続されて
いる。この放電回路のダイオード6はアノードが圧電素
子11側を向き、カソードがスイッチング用トランジス
タ5a側を向いており、放電回路に流れる電流の向きは
コンデンサ3から圧電素子11へ流れる電流の向きと逆
になっている。
【0023】13Aは電圧検出・比較回路であって、電
圧検出・比較回路13Aには、入力装置から加工用ロッ
ドの下死点に相当する設定電圧値VSPが入力され、検出
線14から圧電素子11の正極側の電圧VPが入力され
ている。電圧検出・比較回路13Aは、入力されている
設定電圧値VSPと圧電素子11の電圧VPを比較し、圧
電素子11の電圧VPが設定電圧値VSPと等しくなった
ことを検出するものであって、これを検出すると同時に
検出信号S1を制御回路12へ出力する。
【0024】上記スイッチング用素子、すなわち、各サ
イリスタ2,9及び各スイッチング用トランジスタ5
a,5bは制御回路12によってタイミング制御されて
おり、また、制御回路12には、プレス駆動タイミング
信号SGと電圧検出・比較回路13Aの出力(検出信号
S1)とが入力されている。また、制御回路12は、コ
ンデンサ3の充電電圧VCを監視している(例えば、図
1に示すように、検出線15を通してコンデンサ3の充
電電圧VCを直接読み取っている)。
【0025】つぎに、上記ストローク制御装置Aの動作
を説明する。図2は同上のストローク制御装置Aの動作
を説明するタイムチャートであって、(a)はプレス駆
動タイミング信号SG、(b)(c)はスイッチング用
トランジスタ5a,5bのオン,オフ、(d)はサイリ
スタ9のトリガーパルス(TP)、(e)(f)はコン
デンサ3の電圧VC及び放電電流iC、(g)はインダク
タ8に流れる電流iL、(h)(i)は圧電素子11の
電圧VP及び充電電流iPを示す。また、図3(a)
(b)(c)、図4(d)(e)はその動作を説明する
回路図である。以下、図2〜図4に従って、ストローク
制御装置Aの動作を説明する。
【0026】はじめに、制御回路12によってサイリス
タ2がターンオンされると、直流電源1からコンデンサ
3に電流I1(=−iC)が流れ〔図3(a)〕、コンデ
ンサ3が直流電源1の電源電圧V0と等しい電圧に充電
される。コンデンサ3の電圧VCが直流電源1の電圧V0
と等しくなると、コンデンサ3に流れる電流I1が0に
なるので、サイリスタ2がターンオフし、コンデンサ3
の電圧VcがV0に保たれる(時間t=0)。
【0027】いま、時間t=t1になったときに、制御
回路12にプレス駆動タイミング信号SGが入力された
とすると、制御回路12は両スイッチング用トランジス
タ5a,5bにベース電流を供給して両スイッチング用
トランジスタ5a,5bをオンにする。しかして、コン
デンサ3に充電されていた電荷が放出され、コンデンサ
3→スイッチング用トランジスタ5a→インダクタ8→
スイッチング用トランジスタ5bの経路で転流電流I2
(=iC=iL)が流れる〔図3(b)〕。この転流電流
2の流れている経路はLC共振回路となっているか
ら、コンデンサ3の電圧VCが0になったとき(t=
2)、コンデンサ3から流出する電流iC及びインダク
タ8に流れる電流iL(=転流電流I2)が最大となって
おり、コンデンサ3に蓄えられていた静電エネルギーが
完全にインダクタ8の磁気エネルギーに変換されてい
る。
【0028】コンデンサ3の充電電圧が0になると、制
御回路12はコンデンサ3の充電電圧VCが0になった
ことを検知してスイッチング用トランジスタ5bをオフ
にする。スイッチング用トランジスタ5bがオフになる
と、インダクタ8に蓄えられていた電磁エネルギーが放
出され、インダクタ8→圧電素子11→フライホイルダ
イオード4→スイッチング用トランジスタ5aの経路で
転流電流I3(=iL=iP)が流れ、圧電素子11が充
電される〔図3(c)〕。このとき、圧電素子11の電
圧VPは電圧検出・比較回路13Aによって監視されて
おり、圧電素子11の電圧VPが設定電圧値VSPに等し
くなった時(t=t3)に電圧検出・比較回路13Aか
ら制御回路12へ検出信号S1が出力され、検出信号S
1が出力されると制御回路12によってスイッチング用
トランジスタ5aがオフにされる。
【0029】スイッチング用トランジスタ5aがオフに
なって圧電素子11へ充電されなくなると、図4(d)
に示すように、インダクタ8の電磁エネルギーはフライ
ホイルダイオード6及び放電抵抗7を通して放電され
る。圧電素子11は、図3(c)の過程で所望の下死点
まで変位し、スイッチング用トランジスタ5aがオフに
なった後の状態を保つことによって所望の下死点で保持
される。但し、スイッチング用トランジスタ5aをオフ
にするタイミングt3は、圧電素子11の充電電流iP
0になる時間t4よりも以前であって、t2<t3<t4
ある。
【0030】圧電素子11を元の状態に戻すとき(t=
5)には、サイリスタ9をターンオンさせると、図4
(e)に示すように圧電素子11の充電電荷が放電抵抗
10を通して放電され、圧電素子11が収縮する。圧電
素子11の充電電圧VPが0になって放電電流−iPが流
れなくなると、サイリスタ9がターンオフする。
【0031】このように本発明のストローク制御装置A
によれば、インダクタ8とコンデンサ3からなるLC共
振回路、又はインダクタ8と圧電素子11からなるLC
共振回路を用いてコンデンサ3から圧電素子11へ電荷
を転送させているので、コンデンサ3から圧電素子11
への転流動作は、当該共振回路の回路定数によって決ま
る共振周波数で正弦関数状に変化しながら行なわれる。
したがって、このようなストローク制御装置Aでは、不
要な高調波が含まれず、高い周波数特性を要求されな
い。
【0032】図5に示すものは本発明の別な実施例によ
るストローク制御装置Bを示す回路図である。この実施
例にあっては、図1の実施例の電圧検出・比較回路13
Aに代えて電流検出・比較回路13Bを設けてあり、電
流検出・比較回路13Bには、加工用ロッドの下死点に
相当する設定電流値ISPと、例えば計器用変流器(C
T)等の電流検出器16によって検出された圧電素子1
1に流れている電流iPの値が入力されている。電流検
出・比較回路13Bは、入力されている設定電流値ISP
と圧電素子11に流れる電流iP(電流検出器16の出
力信号)を比較し、圧電素子11に流れる電流iPが設
定電流値ISPと等しくなったことを検出すると制御回路
12へ検出信号S1を出力する。
【0033】図1のストローク制御装置Aの動作を説明
するために用いた図2のタイミングチャートは図5のス
トローク制御装置Bにも当てはまる。すなわち、圧電素
子11に流れる電流iPは電流検出・比較回路13Bに
よって監視されており、図1の実施例についての図3
(a)〜(c)と同様にしてコンデンサ3から圧電素子
11へ電荷を転流されたとき、圧電素子11に流れる電
流iPが設定電流値ISPに等しくなった瞬間(t=t3
に電流検出・比較回路13Bから制御回路12へ検出信
号S1が出力され、検出信号S1が出力されると制御回
路12によってスイッチング用トランジスタ5aがオフ
にされる。この結果、圧電素子11は、設定電流値ISP
によって指定された所望の下死点に相当する変位量に保
持される。
【0034】図6は本発明のさらに別な実施例によるス
トローク制御装置Cを示す回路図である。このストロー
ク制御装置Cにあっては、直流電源1、充電抵抗17及
びスイッチング用トランジスタ5cがコンデンサ3の両
端間に直列に接続されており、スイッチング用トランジ
スタ5cのエミッタがコンデンサ3の正極に接続され、
スイッチング用トランジスタ5cのコレクタが充電抵抗
17を介して直流電源1のプラス側に接続され、直流電
源1のマイナス側がコンデンサの負極に接続されてお
り、コンデンサ充電用のRC回路が構成されている。
【0035】コンデンサ3とフライホイルダイオード4
とは逆並列接続されており、コンデンサ3の正極側及び
負極側にそれぞれフライホイルダイオード4のカソード
及びアノードが接続されている。一方、圧電素子11に
は、サイリスタ9と放電抵抗10との直列接続体が並列
接続されており、サイリスタ9のカソードが放電抵抗1
0の一端につながり、サイリスタ9のアノードが圧電素
子11の正極側に接続され、放電抵抗10の他端が圧電
素子11の負極側に接続されている。
【0036】コンデンサ3とフライホイルダイオード4
との逆並列接続体の負極側と、圧電素子11とサイリス
タ9及び放電抵抗10との並列接続体の負極側とは直結
されている。前者の逆並列接続体の正極側と後者の並列
接続体の正極側とは、インダクタ8を介して接続されて
おり、インダクタ8と圧電素子11との中点にはスイッ
チング用トランジスタ5bのコレクタが接続され、スイ
ッチング用トランジスタ5bのエミッタはコンデンサ3
及び圧電素子11の負極側に接続されている。これによ
ってコンデンサ3から圧電素子11へ電荷を転流させる
ための共振・転流回路が構成されている。
【0037】この実施例では、コンデンサ3の正極側の
電圧VCと、加工用ロッドの下死点に相当するコンデン
サ電圧の設定電圧値VSCとが電圧検出・比較回路13A
に入力されている。電圧検出・比較回路13Aは、入力
されている設定電圧値VSCとコンデンサ3の充電電圧V
Cを比較し、コンデンサ3の充電電圧VCが設定電圧値V
SCと等しくなったことを検出するものであって、等しく
なったことを検出すると同時に検出信号S1を制御回路
12へ出力する。
【0038】サイリスタ9及び各スイッチング用トラン
ジスタ5b,5cは制御回路12によってタイミング制
御されており、また、制御回路12には、プレス駆動タ
イミング信号SGと電圧検出・比較回路13Aの出力
(検出信号S1)とが入力されている。
【0039】つぎに図6のストローク制御装置Cの回路
動作を図7(a)(b)(c)に従って説明する。ま
ず、制御回路12によって充電回路のスイッチング用ト
ランジスタ5cをオンにすると、図7(a)に示すよう
に、充電抵抗17を通って直流電源1からコンデンサ3
に電流I1が流れ、コンデンサ3が充電される。直流電
源1からコンデンサ3に充電する充電回路は充電抵抗1
7とコンデンサ3を含むRC回路であるから、図8
(a)に示すように時間t11にスイッチング用トランジ
スタ5cがオンになったとすると、コンデンサ3の充電
電圧VCは図8(b)に示すように指数関数的に増加
し、コンデンサ3に流れる電流iCは図8(c)のよう
に減少する。一方で、コンデンサ3の充電電圧VCは電
圧検出・比較回路13Aによって監視されており、コン
デンサ3の充電電圧VCが設定電圧値VSC〔例えば、図
8(b)のVC1,VC2,VC3,…など〕と等しくなる
と、電圧検出・比較回路13Aから制御回路12へ検出
信号S1が出力される。電圧検出・比較回路13Aから
検出信号S1が出力されると、制御回路12によってス
イッチング用トランジスタ5cがオフにされる。この結
果、コンデンサ3は設定電圧値VSCと等しい充電電圧V
Cに充電される。
【0040】ついで、制御回路12にプレス駆動タイミ
ング信号SGが入力されると、制御回路12はスイッチ
ング用トランジスタ5bにベース電流を供給してスイッ
チング用トランジスタ5bをオンにする。このため、コ
ンデンサ3に充電されていた電荷が放出され、コンデン
サ3→インダクタ8→スイッチング用トランジスタ5b
の経路で転流電流I2が流れる〔図7(b)〕。この転
流電流I2の流れる経路はLC共振回路となっているか
ら、コンデンサ3の電圧VCが0になったとき、転流電
流I2(=iC=iL)が最大となり、コンデンサ3に蓄
えられていた静電エネルギーが完全にインダクタ8の電
磁エネルギーに変換される。
【0041】コンデンサ3の充電電圧VCが0になる
と、制御回路12はコンデンサ3の充電電圧VCが0に
なったことを知ってスイッチング用トランジスタ5bを
オフにする。スイッチング用トランジスタ5bがオフに
なると、インダクタ8に蓄えられていた電磁エネルギー
が放出され、インダクタ8→圧電素子11→フライホイ
ルダイオード4の経路で転流電流I3が流れ、圧電素子
11が充電される〔図7(c)〕。この転流経路もイン
ダクタ8と圧電素子11を含むLC共振回路となってい
るから、コンデンサ3の電荷が全て圧電素子11に転流
され、圧電素子11の充電電圧VPが最大になると、逆
に、圧電素子11からコンデンサ3へ電荷が転流されよ
うとするが、このときにはダイオード4が逆バイアスと
なるため圧電素子11からコンデンサ3へは電荷が転流
できず、圧電素子11の充電はコンデンサ3の電荷を完
全に転流された状態で停止する。したがって、コンデン
サ電圧の設定電圧値VSCによって最終的な圧電素子11
の充電電圧VPを決めることができ、プレス装置の加工
用ロッドを所望の下死点で停止させることができる。
【0042】圧電素子11を再び元の状態に戻す場合に
は、図1の実施例と同様、サイリスタ9をターンオンさ
せ、放電抵抗10を通して放電させる。
【0043】なお、スイッチング用トランジスタ5cを
オンにした後、コンデンサ3の充電電流iCは図8
(c)に示すように変化するので、図6のストローク制
御装置Cの場合も、コンデンサ3に流れる電流iCを図
5の実施例と同様に電流検出器で検出し、電流検出・比
較回路により電流検出器で検出した電流iCと設定電流
値ISCとが等しくなったときにスイッチング用トランジ
スタ5cをオフにするようにしてもよい。
【0044】図9は本発明のさらに別な実施例によるプ
レス装置のストローク制御装置Dを示す回路図である。
この実施例においては、コンデンサ3にサイリスタ2を
介して電圧調整可能な直流電源18を接続して充電回路
を構成している。この直流電源18からは、直流電源1
8に入力される設定電圧値VSCと等しい電圧V0が出力
され、設定電圧値VSCとしては所望の下死点に相当する
コンデンサ電圧の設定値が入力される。また、コンデン
サ3から圧電素子11へ電荷を転流させるための共振・
転流回路は図6のストローク制御装置Cと同じ構成とな
っている。
【0045】しかして、サイリスタ2がターンオンされ
ると、直流電源18からコンデンサ3に充電電流iC
流れてコンデンサ3が充電される。コンデンサ3の充電
電圧VCが直流電源18の出力電圧V0と等しくなって充
電電流iCが0になると、サイリスタ2がターンオフ
し、コンデンサ3は設定電圧値VSCと等しい電圧VC
充電される。この後、スイッチング用トランジスタ5b
をオンにすると、図6の実施例の場合と同様にして、コ
ンデンサ3の電荷が完全に圧電素子11へ転流され、圧
電素子11が所望の電圧VPに充電される。従って、直
流電源18に入力する設定電圧値VSCによって所望の下
死点を得ることができる。
【0046】図10は本発明のさらに別な実施例による
ストローク制御装置Eを示す回路図である。前述の各実
施例においては蓄電用素子としてコンデンサを用いた
が、この実施例では蓄電用素子として圧電素子を用いて
いる。すなわち、この実施例では2個の圧電素子を備
え、一方の圧電素子に対して他方の圧電素子が互いに蓄
電用素子の役割を果たしている。
【0047】この実施例では、図10に示すように、2
個の圧電素子26aと26bのうち、一方の圧電素子2
6aとダイオード25aとは逆並列接続している。さら
に、圧電素子26a及びダイオード25aの逆並列接続
部の両端にスイッチング用トランジスタ28aのエミッ
タ及びコレクタを接続し、スイッチング用トランジスタ
28aの通電方向がダイオード25aの通電方向と逆方
向となるようにしてある。同様に、圧電素子26bとダ
イオード25bも逆並列接続してあり、圧電素子26b
及びダイオード25bの逆並列接続部の両端にスイッチ
ング用トランジスタ28bのエミッタ及びコレクタを接
続し、スイッチング用トランジスタ28bの通電方向が
ダイオード25bの通電方向と逆方向となるようにして
ある。圧電素子26a及びダイオード25aの逆並列接
続部と圧電素子26b及びダイオード25bの逆並列接
続部は、互いに圧電素子26a,26bの負極側(ある
いは、ダイオード25a,25bのアノード側)同志を
接続されており、さらに両圧電素子26a,26bの負
極側にはサイリスタ27のアノードが接続され、両圧電
素子26a,26bの負極はサイリスタ27を介して直
流電源18のマイナス側に接続されている。この直流電
源18は、図9の実施例で用いたものと同じものであっ
て、設定電圧値VSCによって出力電圧V0が制御され
る。
【0048】転流ダイオード23aとサイリスタ24a
は整流方向が互いに逆向きとなるようにして逆並列接続
されており、転流ダイオード23bとサイリスタ24b
も互いに逆並列接続されている。転流ダイオード23a
とサイリスタ24aの逆並列接続部は、サイリスタ24
aのアノード側を直流電源18のプラス側に接続され、
サイリスタ24aのカソード側が圧電素子26aの正極
側に接続されている。また、転流ダイオード23bとサ
イリスタ24bの逆並列接続部は、サイリスタ24bの
アノード側をインダクタ22を介して直流電源18のプ
ラス側に接続され、サイリスタ24bのカソード側が圧
電素子26bの正極側に接続されている。
【0049】また、上記サイリスタ24a,24b,2
7はいずれも制御回路12からのトリガー信号によりタ
ーンオンのタイミングを制御されている。さらに、両ス
イッチング用トランジスタ28a,28bのベースは制
御回路12に接続されており、各スイッチング用トラン
ジスタ28a,28bは制御回路12によってオン、オ
フ制御されている。さらに、制御回路12は制御回路ア
ース線21によって圧電素子26a,26b間の接続点
(スイッチング用トランジスタ28a,28bのエミッ
タ同志の接続点)に接続されており、制御回路アース線
21はスイッチング用トランジスタ28a,28bのベ
ース電流を通す役目をしている。また、転流電流はイン
ダクタ22の近傍に配設された計器用交流器(CT)等
の電流検出器16によって検出されており、電流検出・
比較回路13Bは転流電流の通電期間とピーク値とを検
出している。
【0050】図11は同上のストローク制御装置Eの動
作を説明するタイムチャートであって、(a)(b)
(c)はサイリスタ24a,24b,27のトリガーパ
ルス(TP)を示し、(d)(e)(f)(g)はダイ
オード23a,23b、25a,25bのオン(順バイ
アス)、オフ(逆バイアス)を示し、(h)(i)は圧
電素子26a,26bの充電および放電期間を示し、
(j)(k)はスイッチング用トランジスタ28a,2
8bのオン、オフを示す。ただし、図11(h)(i)
の充電期間において斜線を施した部分は圧電素子26
a,26b間の転流期間を示し、斜線を施していない部
分は直流電源18からの充電期間を示す。また、図12
(a)(b)、図13(c)(d)、図14(e)
(f)、図15(g)(h)は同上の圧電素子駆動装置
Eの動作を説明する回路図である。以下、図11〜図1
5に従って、ストローク制御装置Eの動作を説明する。
【0051】まず始めに、t=0にサイリスタ24a及
び27をトリガーしてターンオンさせ、サイリスタ24
a,27を通して直流電源18から圧電素子26aへ電
流I1を流入させ圧電素子26aを充電する〔図12
(a)〕。これによって圧電素子26aが伸長し、何ら
かの動作をする。ついで、直流電源18から圧電素子2
6aに流入する電流I1が0になると、サイリスタ24
a,27がターンオフし、圧電素子26aが直流電源1
8から切り離される〔図12(b)〕。このときの圧電
素子26aの充電電圧VCは直流電源18の出力電圧V0
と等しいから、圧電素子26aは直流電源18の設定電
圧値VSCに充電される。
【0052】この後、圧電素子26aの動作が終了する
と、t=t1にサイリスタ24bをトリガーしてターン
オンさせると共にスイッチング用トランジスタ28bを
オンにする。これによって、圧電素子26aに蓄積され
ていた電荷Q1が放電され、転流電流I2として圧電素子
26a→転流ダイオード23a→インダクタ22→サイ
リスタ24b→スイッチング用トランジスタ28bの経
路に流れ、圧電素子26aの電荷が全て放電されて圧電
素子26aの電圧VC1が0になると、圧電素子26aが
元の状態に収縮する。一方、電流検出器16によって転
流電流I2がピーク値に達したことが検知され、スイッ
チング用トランジスタ28bがオフになる(t=
2)。このとき、圧電素子26aの充電時の静電エネ
ルギーは全てインダクタ22の電磁エネルギーに変換さ
れ、インダクタ22に保持されている。こうしてインダ
クタ22に磁束として蓄えられている電磁エネルギーが
放出されると、スイッチング用トランジスタ28bがオ
フとなっているために圧電素子26bに転流電流I3
流れ、さらに、ダイオード25aが順バイアスとなるた
めに圧電素子26aをバイパスしてダイオード25aに
転流電流I3が流れる。したがって、転流電流I3は、イ
ンダクタ22→サイリスタ24b→圧電素子26b→ダ
イオード25a→転流ダイオード23aの経路に流れ
〔図13(d)〕、サイリスタ24bに流れる電流I3
が0になると(t=t4)、サイリスタ24bがターン
オフし、圧電素子26bが伸長する。この結果、インダ
クタ22の電磁エネルギーが全て圧電素子26bの静電
エネルギーに変換され、圧電素子26bに圧電素子26
aの電荷Q1が完全に転流され、圧電素子26aの元の
充電電圧VC1と等しい電圧VC2に充電され、下死点が制
御される。
【0053】この後、t=t5にサイリスタ24aをト
リガーしてターンオンさせると共にスイッチング用トラ
ンジスタ28aをオンにする。これによって、圧電素子
26bに蓄積されていた電荷Q2は、転流電流I4として
圧電素子26b→転流ダイオード23b→インダクタ2
2→サイリスタ24a→スイッチング用トランジスタ2
8aの経路で転流し〔図14(e)〕、圧電素子26b
の電荷Q2が全て放電され、圧電素子26bに蓄えられ
ていた静電エネルギーは完全にインダクタ22の電磁エ
ネルギーに変換され、圧電素子26bが元の状態に収縮
する。圧電素子26bの電圧VC2が0になると、電流検
出器16によって転流電流I4がピーク値に達したこと
が検知され、スイッチング用トランジスタ28aがオフ
になる(t=t6)。ついで、インダクタ22に磁束と
して蓄えられている電磁エネルギーが放出されると、ダ
イオード25bが順バイアスとなるため、転流電流I4
は、インダクタ22→サイリスタ24a→圧電素子26
a→ダイオード25b→転流ダイオード23bの経路に
流れ〔図14(f)〕、サイリスタ24aに流れる電流
5が0になると、サイリスタ24aがターンオフし、
圧電素子26aが伸長する。この結果、インダクタ22
の電磁エネルギーが全て圧電素子26aの静電エネルギ
ーに変換され、圧電素子26aに圧電素子26bの電荷
2が完全に転流される。
【0054】従って、この実施例では、2つの圧電素子
26a,26bを駆動して2つの加工用ロッドを交互に
所望の下死点まで突出させる場合に有効である。
【0055】上記説明においては、図13(c)(d)
や図14(e)(f)の転流動作を簡単に説明したの
で、以下では、これらの転流動作を詳細に説明する。図
15(a)〜(d)は、この転流動作を説明するための
タイムチャートであって、図15(a)(d)は、圧電
素子26aに流れる転流電流IC1及び放電(充電)電圧
C1の変化を示し、図15(b)(c)は圧電素子26
bに流れる転流電流I C2及び充電(放電)電圧VC2の変
化を示している。
【0056】時間t=t1においては、静電容量がC1
圧電素子26aに電荷Q1が充電されており、圧電素子
26aの両端間の充電電圧がVC1p=Q1/C1となって
いるとする。この状態において、サイリスタ24b及び
スイッチング用トランジスタ28bをオンにすると、圧
電素子26aの電荷Q1は、図13(c)に示すよう
に、圧電素子26a→ダイオード23a→インダクタ2
2→サイリスタ24b→スイッチング用トランジスタ2
8bの経路で転流を開始する。この経路は1つのインダ
クタ22と1つの圧電素子26aからなるLC共振回路
であるから、圧電素子26aに流れる転流電流IC1(=
2)は次の式で表わされる。
【0057】
【数1】
【0058】この転流電流IC1の周期は、 T1=2π(LC11/2 …… である。このとき、転流電流IC1の流れる経路は、圧電
素子26bを含まないLC共振回路となっているから、
t=t2=t1+T1/4に転流電流IC1はピーク値IC1p
=Q1/(LC11/2に達し、同時に圧電素子26aの
電圧VC1=0となり、電荷Q1による静電エネルギーC1
・VC1p 2/2は、完全にインダクタ22の電磁エネルギ
ーL・IC1p 2/2に変換される。こうしてt=t2に圧
電素子26aの電圧VC1が0になると、スイッチング用
トランジスタ28bがオフになると共にダイオード25
aが順バイアスとなるので、図13(d)に示すように
転流電流IC2(=I3)は、インダクタ22→サイリス
タ24b→圧電素子26b→ダイオード25a→ダイオ
ード23aの経路に変化する。この経路も1つのインダ
クタ22と1つの圧電素子26bからなるLC共振回路
であるから、圧電素子26bに流れる転流電流IC2(=
3)は次の式で表わされる。
【0059】
【数2】
【0060】この転流電流IC2の周期は、 T2=2π(LC21/2 …… である。このとき、転流電流IC2の流れる経路は、圧電
素子26aを含まないLC共振回路となっているから、
t=t3=t2+T2/4に転流電流IC2は0になり、圧
電素子26bの充電電圧VC2=VC2p(ピーク値)とな
り、インダクタ22の電磁エネルギーL・IC1p 2/2は
完全に圧電素子26bの静電エネルギーC2・VC2p 2
2に変換される。このときサイリスタ24bがターンオ
フするので、圧電素子26bにはQ2=C2・VC2p=Q1
の電荷が充電され、駆動状態となる。
【0061】圧電素子26bから圧電素子26aへの転
流動作も同様であり、t=t5にサイリスタ24aをト
リガすると、圧電素子26bの電荷Q2は、図14
(e)に示すように、圧電素子26b→ダイオード23
b→インダクタ22→サイリスタ24a→スイッチング
用トランジスタ28aの経路で転流を開始する。そし
て、t=t6=t5+T2/4になると、転流電流I
C2(=I4)は、ピーク値IC2p=−Q2/(LC21/2
に達し、同時に圧電素子26bの電圧VC2=0となり、
圧電素子26bの静電エネルギーは全てインダクタ22
の電磁エネルギー(磁束)に変換される。
【0062】t=t6に圧電素子26bの電圧VC2が0
になると、スイッチング用トランジスタ28aがオフに
なると共にダイオード25bが順バイアスとなり、図1
4(f)に示すように転流電流IC1(=I5)は、イン
ダクタ22→サイリスタ24a→圧電素子26a→ダイ
オード25b→ダイオード23bの経路に変化し、磁束
としてインダクタ22に蓄えられていた電磁エネルギー
が圧電素子26aへ転流し続ける。
【0063】そして、t=t7=t6+(T1/4)=t5
+(T2/4)+(T1/4)になると、転流電流IC1
0になり、圧電素子26aの充電電圧VC1が最大値V
C1pに達する。転流電流IC1が0になると、サイリスタ
24aがターンオフするので、圧電素子26aの充電電
圧VC1はVC1pに維持され、圧電素子26aに圧電素子
26bの電荷Q2が完全に転流されて駆動状態となる。
【0064】このように本実施例では、圧電素子26a
(もしくは26b)からインダクタ22への転流時には
圧電素子26b(もしくは26a)を切り離してあり、
インダクタ22から圧電素子26b(もしくは26a)
への転流時には圧電素子26a(もしくは26b)を切
り離しているので、圧電素子26aと26b間で電荷を
転流させる際に、1つの圧電素子26a又は26bと1
つのインダクタ22からなるLC共振回路として動作さ
せることができ、電荷を完全に転流させることができ
る。また、圧電素子26aと26bの静電容量C1,C2
の大小によって転流モードが変化することもなく、安定
して転流動作を行なわせることができる。よって、圧電
素子26a,26bの静電容量を異ならせておけば、そ
れぞれの下死点を異ならせることもできる。
【0065】図16に示すものは本発明のさらに別な実
施例によるストローク制御装置Fを示す回路図である。
このストローク制御装置Fは、図10のストローク制御
装置Eをさらに改良したものであって、ダイオード25
aと逆並列に接続されたスイッチング用トランジスタ2
8aのベースをベース電流制限抵抗29を介して新たに
追加したトランジスタ30bのコレクタに接続し、この
トランジスタ30bのエミッタを反対側の圧電素子26
bの正極側に接続している。また、このトランジスタ3
0bのベースを制御回路12に接続し、トランジスタ3
0bを制御回路12によって制御するようにしている。
同様に、ダイオード25bと逆並列に接続されたスイッ
チング用トランジスタ28bのベースをベース電流制限
抵抗29を介して新たに追加したトランジスタ30aの
コレクタに接続し、このトランジスタ30aのエミッタ
を反対側の圧電素子26aの正極側に接続し、トランジ
スタ30aのベースを制御回路12に接続している。一
方、圧電素子26a,26b間の接続点は、制御回路ア
ース線21によって制御回路12に接続されている。
【0066】しかして、この実施例によれば、圧電素子
26aから圧電素子26bへの転流時について説明すれ
ば、圧電素子26aに電荷が充電されていてVC1≠0の
場合には、トランジスタ30aのエミッタ及びベースか
ら制御回路アース線21を通って圧電素子26aの負極
側へベース電流が流れるので、トランジスタ30aがオ
ンとなる。トランジスタ30aがオンとなってトランジ
スタ30aにコレクタ電流が流れると、このコレクタ電
流はベース電流制限抵抗29、スイッチング用トランジ
スタ28bのベース及びエミッタを通って圧電素子26
aの負極側へ流れるので、スイッチング用トランジスタ
28bがオンになっている。したがって、サイリスタ2
4bがターンオンすると、図13(c)と同様な転流経
路となり、転流電流I2は圧電素子26bに流れること
なくスイッチング用トランジスタ28bに流れる。一
方、圧電素子26aの電圧がVC1=0になると、トラン
ジスタ30aのベース電流が流れなくなるのでトランジ
スタ30aがオフとなる。この結果、スイッチング用ト
ランジスタ28bにもベース電流(=トランジスタ30
aのコレクタ電流)が流れなくなるので、スイッチング
用トランジスタ28bがオフとなり、図13(d)と同
様な転流経路に変化し、転流電流I3が圧電素子26b
に流れる。
【0067】説明は省略するが、圧電素子26bから圧
電素子26aへの転流時についても、圧電素子26aか
ら圧電素子26bへの転流時と同様な転流動作を行な
う。
【0068】したがって、この実施例によれば、制御回
路12によってスイッチング用トランジスタ28a,2
8bをオン、オフ制御する必要がなくなり、制御回路1
2によるタイミングコントロールが容易になる。
【0069】なお、図10及び図16の実施例において
も圧電素子26a又は26bのうち一方をコンデンサに
置き替えてもよい。
【0070】
【発明の効果】以上述べたように、本発明のストローク
制御装置によれば、一旦電荷を蓄電用素子に充電してお
き、電気的な共振現象を利用して蓄電用素子の電荷を圧
電素子へ転流させているので、圧電素子に供給される電
流、あるいは圧電素子に印加される電圧が正弦関数状に
変化させることができる。したがって、ストローク制御
装置が不要な高調波を含まず、従来より用いられていた
機械式プレス装置と同様な働きをさせることができる。
【0071】また、プレス装置の毎分当たりのストロー
ク数が大きくなった場合でも、圧電素子の駆動回路等の
周波数特性を高くする必要がなくなる。
【0072】また、コンデンサから圧電素子へ電荷を転
流させる共振・転流手段の共振周波数を適当に選定する
ことにより、圧電素子の高速立上がり特性を得ることが
でき、大きな加速度で加工用ロッドを駆動させることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例によるプレス装置のストロー
ク制御装置を示す回路図である。
【図2】同上のストローク制御装置の動作を説明するた
めのタイムチャートである。
【図3】(a)(b)(c)は同上のストローク制御装
置の回路動作を説明する図である。
【図4】(d)(e)は図3の分図である。
【図5】本発明の別な実施例によるプレス装置のストロ
ーク制御装置を示す回路図である。
【図6】本発明のさらに別な実施例によるプレス装置の
ストローク制御装置を示す回路図である。
【図7】(a)(b)(c)は同上のストローク制御装
置の回路動作を説明する図である。
【図8】同上の実施例におけるスイッチング用トランジ
スタのオン期間とコンデンサの電圧及び充電電流との関
係を示す図である。
【図9】本発明のさらに別な実施例によるプレス装置の
ストローク制御装置を示す回路図である。
【図10】本発明のさらに別な実施例によるプレス装置
のストローク制御装置を示す回路図である。
【図11】同上の実施例の動作を説明するタイムチャー
トである。
【図12】(a)(b)は同上の実施例の回路動作を示
す回路図である。
【図13】(c)(d)は図12の分図である。
【図14】(e)(f)は図12の分図である。
【図15】圧電素子間の転流動作において、各圧電素子
に流れる転流電流及び充電(放電)電圧の変化を示すタ
イムチャートである。
【図16】本発明のさらに別な実施例によるプレス装置
のストローク制御装置を示す回路図である。
【図17】打ち抜き加工するためのプレス装置の一部を
示す断面図である。
【図18】曲げ加工するためのプレス装置の一部を示す
断面図である。
【図19】(a)は従来のプレス装置の圧電素子駆動装
置を示す概略図、(b)は同上の駆動アンプの入力信号
を示す図である。
【図20】駆動アンプの入力信号及び出力電圧と、圧電
素子の理想的な変位と実際の変位との関係を示す図であ
る。
【符号の説明】
1 直流電源 3 コンデンサ 5a,5b,5c スイッチング用トランジスタ 8 インダクタ 11 圧電素子 18 直流電源

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧電素子を駆動源とするプレス装置にお
    いて、 電荷を蓄えることのできる蓄電用素子と、 前記蓄電用素子を充電するための電源と、 前記蓄電用素子に充電された電荷を前記圧電素子に共振
    ・転流させる回路と、 下死点に相当する設定電圧値もしくは設定電流値と圧電
    素子の電圧もしくは電流とを比較し、前記共振・転流回
    路による共振・転流動作を中断させる手段とを備えたプ
    レス装置のスロトーク制御装置。
  2. 【請求項2】 圧電素子を駆動源とするプレス装置にお
    いて、 電荷を蓄えることのできる蓄電用素子と、 前記蓄電用素子を充電するための電源と、 下死点に相当する設定電圧値もしくは設定電流値と前記
    蓄電用素子の充電電圧もしくは電流とを比較し、前記電
    源による蓄電用素子の充電を中断させる手段と、 前記蓄電用素子に充電された電荷を前記圧電素子に共振
    ・転流させる回路とを備えたプレス装置のストローク制
    御装置。
  3. 【請求項3】 圧電素子を駆動源とするプレス装置にお
    いて、 電荷を蓄えることのできる蓄電用素子と、 設定電圧値に応じて出力電圧値を調整できる、前記蓄電
    用素子を充電するための電源と、 前記蓄電用素子に充電された電荷を前記圧電素子に共振
    ・転流させる回路とを備えたプレス装置のストローク制
    御装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002010655A (ja) * 2000-04-01 2002-01-11 Robert Bosch Gmbh 圧電素子を充電するための装置および圧電素子を充電する方法
JP2002027766A (ja) * 2000-04-01 2002-01-25 Robert Bosch Gmbh 圧電素子の充電のための装置及び方法
JP2002034271A (ja) * 2000-04-01 2002-01-31 Robert Bosch Gmbh システムパラメータを制御するための方法及び装置
JP2011256949A (ja) * 2010-06-09 2011-12-22 Yutaka Giken Co Ltd ブレーキディスクの製造方法及びブレーキディスク

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