JP3999140B2 - ベータトロン加速器及びベータトロン用加速コア装置 - Google Patents

ベータトロン加速器及びベータトロン用加速コア装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、研究・医療・工業分野に用いられるベータトロン加速器及びベータトロン用加速コア装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のベータトロン加速器の加速コアの駆動用電源は、例えば特許文献1に開示されている。その駆動用電源は、高電圧DC電源をスイッチングしているので、生じる加速電圧の波形は単純な矩形波形状となる。又、特許文献1に開示されている別の駆動用電源は、加速コア励磁巻線を介した二つのコンデンサの誘導的充電関係を使用しているので、加速コア励磁巻線を流れる電流は正弦波形状となり、したがってこれにより励起される加速電圧も正弦波形状となる。
【0003】
【特許文献1】
特開平5−343199号公報(図1,図2,図3)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ベータトロン加速器性能の重要な指標の一つにビーム出射効率η=(出射ビーム電流Iout)/(入射ビーム電流Iin)があり、通常高出射効率が求められている。上記構成のベータトロン加速器において、ηを最大化する場合、まずビームの入射効率が問題となる。ビーム入射効率は入射時のビーム広がりが小さいほど向上するが、入射時のビーム広がりは荷電粒子の空間電荷効果が原因であり、これを低減するためには、通常加速電圧Vacを高めるしか方法がない。しかし、この場合、コアの鉄損が増大するので、これに対処するために、低損失材を使用すれば材料コスト高となるし、冷却装置の強化で対処しようとすれば、装置コスト高となってしまう問題があった。上記従来の技術で説明した従来のベータトロン加速器用電源では加速電圧波形が単純な矩形形状や正弦波形状しか実現できなかったので、上記問題を回避することができなかった。
【0005】
この発明は、ベータトロン加速器の加速コアの駆動用電源として、供給側の負荷が少なく、大電流を供給できる電源を提供しようとするものである。
又、上記従来のような問題点を解消するためになされたもので、経済的にベータトロン加速器の入射効率や出射効率を高めようとするものである。
さらに又、加速コアに可変電圧を経済的に供給できるベータトロン用加速コア装置を提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明に係わるベータトロン加速器は、
【0007】
内部に荷電粒子ビームの通路を形成し、荷電粒子ビームの加速電場を誘起する加速間隙を有する環状の中空導体と、この中空導体を取り囲むように設けた加速コアと、この加速コアに巻きつけた励磁コイルと、この励磁コイルに電圧を印加する電源とを備え、上記加速コアの運転周波数の1周期以内に粒子の入射から出射までを完了するベータトロン加速器において、上記励磁コイルによる加速電圧は、荷電粒子ビームの入射時を高く、荷電粒子ビームの加速時と出射時を低く設定するものである。
【0008】
また、ベータトロン加速器において、励磁コイルによる加速電圧は、荷電粒子ビームの入射時を高く、加速時を低く、出射時を高く設定するものである。
【0009】
また、ベータトロン加速器において、励磁コイルによる加速電圧は、荷電粒子ビームの入射時及び加速時を低く、荷電粒子ビームの出射時を高く設定するものである。
【0010】
また、この発明のベータトロン用加速コア装置は、第1の加速コアと、重畳用の第2の加速コアと、上記第1の加速コアを励磁する第1の励磁コイルと、重畳用の上記第2の加速コアを励磁する第2の励磁コイルと、これらの励磁コイルに共通の電源を設け、これらの励磁コイルをスイッチング素子で並列接続に切り替えられるようにしたものである。
【0011】
さらにまた、第1の加速コアと、重畳用の第2の加速コアと、上記第1の加速コアを励磁する第1の励磁コイルを有する第1励磁電源回路と、重畳用の上記第2の加速コアを励磁する第2の励磁コイルを有する第2励磁電源回路と、上記第1と第2の励磁コイルに共通の電源を設け、上記第1と第2の励磁コイルをスイッチング素子で並列接続に切り替えられるようにしたものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1であるベータトロン加速器を示す構成図で、励磁電源回路を除いて示してある。ベータトロン加速器は、内部を真空に保ち荷電粒子ビームを周回させる通路を形成し、荷電粒子ビームの加速電場を誘起する加速間隙を有する環状の真空ダクト(銅やステンレスから形成される中空導体)4と、荷電粒子ビームの軌道を真空ダクト4内に維持するために、真空ダクト4を挟むように複数個設置される電磁石3と、荷電粒子ビームの軌道を囲むように中空導体を取り囲んで設置され磁束の時間変化による起電力により荷電粒子ビームを加速する加速コア2と、図示していないが、加速コア2に巻き付けられた加速コア2の励磁コイルに電圧を印加する励磁電源と、真空ダクトに対して荷電粒子ビームを入射させる入射器と、荷電粒子ビームを取り出すビーム取り出し器から構成される。
【0013】
次に動作について説明する。ビーム入射器(図示せず)から荷電粒子ビームを出射させ、真空ダクト(環状の中空導体)4内に導入を開始する。この時点から加速コア2の励磁コイルにおける励磁電源電圧を高電圧とすると、加速コア2の断面を取り囲むビーム軌道上に励磁電圧に等しい誘導電場が発生し、荷電粒子ビームが加速を開始する。加速された荷電粒子ビームは電磁石3により進路を曲げられ、環状の真空ダクト中をほぼ円運動し、励磁電源電圧が印加されている時間継続的に加速される。加速が継続している間にビーム出射器(図示せず)により取り出しを行なう。
【0014】
通常のベータトロン加速器の電磁石3では、磁場を時間的に変化させ、磁場が増大する位相条件下で、加速中の荷電粒子ビームを所定の軌道に維持するようにしているので、最大繰り返し周波数は10〜100Hzが限界であり、ビームデューティー(単位時間あたりビームが出射する時間)は1%以下に限られるが、この実施の形態では、荷電粒子ビームの軌道を規定するための電磁石3の磁場を荷電粒子ビーム軌道の径方向に単調増加または単調減少となるように変化させ、時間的に一定で荷電粒子ビームを所定の軌道に維持するようにしたので、繰り返し周波数を10kHz程度まで向上が可能となり、ビームデューティーを十%以上に向上することができる。例えば、繰り返し周波数1kHz、ビーム時間幅100μs(ビームデューティー:10%)が可能である。
【0015】
実施の形態1における加速コアの励磁コイルにおける励磁電源の電圧波形を図2に示す。図において、荷電粒子ビームの入射時(入射期間)の加速電圧は、
(1+α)Vo、その後の加速時(加速期間)および出射時(出射期間)における加速電圧はVoである。時間t=0でビーム入射器から加速器内にビームが入射し始め、τe=τb−τaで入射を終了する。なお、τbは加速可能時間、τaはτbから入射期間τeを引いた時間で、1粒子の入射から出射までの時間である。τsは励磁電源周波数の1周期の時間を表す。
【0016】
引き続きビームの加速を続け、t=τb―(1+α)(τb―τa)において、最初に入射したビームが出射し始め、t=τbにおいてすべてのビームが出射する。この実施の形態では、例えば、α=1、(図11でt1〜t3の)平均の加速電圧1kV、加速可能時間τb=500μs、入射期間(τb―τa)=100μsとすると、ビーム入射時の加速電圧は2kVとなる。
【0017】
図2の電圧波形を実現する実施の形態1の構成を図3に示す。これと対比して従来の電圧波形を実現する構成を図4に示す。従来では、図4に示すように励磁電源1の電圧Voに相当する加速電圧しか発生できなかった。この実施の形態では図3に示すように、加速コア2を第1加速コア21と第2加速コア22に分割し、これらに対応する第1励磁コイル61,第2励磁コイル62を設け、これらの励磁コイル61,62を並列接続に切り替え可能な双方向スイッチ71,72を設け、電源電圧Voの励磁電源1を接続する。そして、ビーム入射時の高加速電圧が必要な期間には、図3の(上段の)並列接続とすることで、従来と同一の電圧Voの電源を使用した場合でも、ビーム入射時の加速電圧Vac=2Voが得られる。従って、高価な高電圧電源を使用することなく加速電圧の高電圧化が可能となる。図3の下段では、第1加速コア21と第2加速コア22を1重に囲む直列励磁コイル63を設け、双方向スイッチ71を投入し双方向スイッチ72を開放して直列励磁コイル63を励磁する。
【0018】
又、ビーム加速時と出射時でより低い加速電圧に設定する期間には、図3の下段のように接続(巻き数は1ターン)にすることにより、ビーム加速時と出射時に加速電圧Vac=Voが得られる。このように、同一の電圧Voの電源を使用した場合でも、2設定加速電圧を得ることができる。
なお、高価な高電圧電源により加速電圧を2Voとした場合には、図6に示す電圧波形となる。図で、τb’は加速可能期間で半周期より短い。τa’はτb’から入射期間を引いた時間である。
【0019】
実施の形態1では、荷電粒子ビームの入射時には、第1加速コア21の励磁に加えて、第2加速コア22を励磁し、荷電粒子ビームへの印加電圧を倍増させ、時間的に早く入射されたビームのエネルギーを短時間に空間電荷(スペースチャージ)の影響を受けないレベルまで加速しているので、入射効率を向上させることができる。
【0020】
加速コアの励磁コイルの駆動回路(インバータ電源回路)の一般例を図5に示す。サイリスタで構成されるブリッジ回路34とコンデンサC1,C2で整流・平滑回路35を形成する。IGBT( Insulated Gate Bipolar Transistor )とコンデンサでブリッジ回路に構成したスイッチング回路36を形成する。スイッチング回路36内のコンデンサは安定用である。加速コア励磁コイルの巻数比は、N:1で示しているが、1:1でも良い。Io,I1,I2,I3は電流を、Vap,Vacは電圧を表す。Vap,Vac電圧には、矩形波電圧が得られる。
この加速コアの励磁コイルの駆動回路は、出力として矩形波の大電流(例えば1000A)を得ることができ、その時の電源供給側は負荷として少ない電流(数10A)で良く、交流電力供給側の影響が少ないものである。
【0021】
実施の形態1において、コアの断面積S1は入射時を高電圧としない場合のコア断面積S0と比較すると、ビーム入射時に高電圧としている分だけロスを生じるので、S1={1+αD/(fτb)}S0のように拡大する必要がある。この実施の形態1の定数の場合S1=1.2S0となる。なお、Dはビームデューティー、fは駆動電源の周波数である。
【0022】
従来の電源で高加速電圧とした場合のコア発熱とこの実施の形態1の発熱を比較する。コアの発熱で主要な成分は渦電流損Weddyであり、これは電圧の2乗に比例する。従って電圧を倍に設定した従来の図6の場合、4Weddyとなるが、電源のON時間(τb’)が短くなっていることと、従来よりコア断面積が大きいことを考慮すると2Weddyとなる。
【0023】
一方、この実施の形態1の場合は、加速周期に対する倍電圧の時間が200μs/1000μs=0.2なので、渦電流損は(4×0.2+1×0.8)Weddy=1.6Weddy、コア断面積の拡大分を考慮すると、1.33Weddyとなり、渦電流損による発熱を35%低減できるという効果がある。
【0024】
なお、実施の形態1における、励磁コイルの並列への切り替えについては、図3では2個の双方向スイッチを使用しているが、図7のように双方向スイッチに対する電流負荷を減らす目的で、3個の双方向スイッチ73,74,75を使用しても良い。また実施の形態1ではビーム入射時の加速電圧を2Voとしているが、例えば4Voとする場合には、図8に示すようにコアを第1コア23,第2コア24,第3コア25,第4コア26と4分割し、双方向スイッチ素子76,77で並列切り替えるようにすればよい。この場合もスイッチ素子に対する電流負荷低減のために、図9のように5個の双方向スイッチ78,79,80,81,82を使用しても良い。
【0025】
実施の形態2
図10はこの発明の実施の形態2における励磁コイルの励磁電源回路を示す構成図である。第1励磁電源11(電圧Vo)は第1加速コア27を第1励磁コイル67により励磁する矩形波電圧出力インバータ電源である。荷電粒子ビームの加速可能期間に亘って低電圧を発生する構成としている。第2励磁電源12(電圧V1)は第2加速コア28を第2励磁コイル68により励磁する矩形波電圧出力インバータ電源である。実施の形態2では、荷電粒子ビームの入射時及び出射時に第1励磁電源11に加えて電圧を発生する構成としている。
【0026】
次に動作について説明する。荷電粒子ビームの入射時には、第1加速コア27の励磁に加えて、第2励磁電源12を印加して第2加速コア28を励磁し、荷電粒子ビームへの印加電圧を倍増(又は複数倍)させ、時間的に早く入射されたビームのエネルギーを短時間に空間電荷(スペースチャージ)の影響を受けないレベルまで加速することによって、入射効率を向上させる。しかし、このままでは図11に示したビームエネルギー図にあるように、主に第1加速コア27により出射エネルギーに達するビームの時間幅が広がってしまう。そのため、このベータトロン加速器を他のシンクロトロン加速器の入射器として使用する場合に次段への入射効率が低下するという問題がある。
【0027】
そこで、図12,図13に示しすように最初に入射したビームが出射エネルギーに到達する時刻t2に第2励磁電源12を再び印加して、時間的に遅く入射したビームの加速電圧を上げることにより、出射ビーム幅を入射時と同一に復元、補正する。これにより、このベータトロン加速器を入射器として使用する場合にも、実施の形態1と同様にコスト低減できる効果が得られる。このときのビームエネルギーを図示すると図13のとおりである。通常の第1加速コア27の励磁用電源(第1励磁電源11)回路はもとより、第2加速コア28の第2励磁電源12回路は、共に整流電圧をブリッジ接続したスイッチング素子により矩形波電圧を出力する、簡単なインバータ電源回路で構成できるため、極めて安価なもので実現できる効果を奏する。
【0028】
実施の形態3.
実施の形態3を図10に基づいて説明する。図10の第1励磁電源11により、第1加速コア27が励磁され、と同時に(図10には示していない)荷電粒子ビームが入射される。実施の形態3における加速コアに印加される加速電圧およびビームエネルギー、ビーム電流の時間的変化を図14に示す。図14において、荷電粒子ビームの入射の完了した時刻をt1とすると、よりt1に近い時刻に入射された方が、励磁される時間が短い分、エネルギー量は少なくなっている。図14において、エネルギーの幅があるのはこのためである。
【0029】
次に、ビームを出射する時刻をt2とすると、時刻t2において、第2励磁電源12により第2加速コア28を励磁し、等価的に第1励磁電源11の出力電圧に加算させる。これにより加速電圧は増加し、時刻t1近傍で入射されたビームも急峻にエネルギーが増大し、上述のエネルギーの幅を小さくすることができる。その結果、最後に入射した荷電粒子が出射を完了する時刻をt3とするとt1>(t3−t2)となる。以上により、図14に示すように、従来とエネルギーは同一で、出射する時間が短くなることから出射時のビームピーク電流を増大でき、出射効率を向上できるという効果がある。特にこのベータトロン加速器を次段の加速器への入射器として使用する場合に、次段へのビーム入射効率を向上できるという効果がある。
【0030】
実施の形態4.
実施の形態4について説明する。実施の形態2では、図10に示すように第1,第2加速コア27,28を励磁しているが、それぞれのコアを、例えば、比較的安価なコア材料として、珪素鋼板を使用した場合の渦電流損を求める。電圧波形のパラメータとして、図12におけるτb=500μs、τa=400μsとする。第1加速コア27に関して、断面積をSo、珪素鋼板に特有の渦電流に係わる定数をCとすると、Wo=C(1/So)Voと計算される。次に、第2加速コア28の断面積は{(500−400)/500}So=0.2Soとなる。第2加速コア28の励磁波形として、まず加速電圧Voで(τb―τa)の時間だけ励磁し、
次に加速電圧―{(τb―τa)/(τb―2(τb―τa))Voで{τb―2(τb―τa)}の時間を励磁しているので、第2加速コアの渦電流損Wo 2は、
Wo2=Wo・(1/0.2)・{2(τb―τa)/τb+(V3/Vo)・(τb―2(τb―τa))/τb}=2.3Woとなる。
【0031】
従って合計の渦電流損はW=Wo+2.3Wo=3.3Woと計算される。上記の渦電流損を低減するために、コア材の珪素鋼板を例えば、鉄系アモルファス材に変更すると、発熱は1/10に低減でき0.33Woにできるが、加速コアコストがほぼ3倍となってしまう。これに対して、この実施の形態4では、第2加速コア28だけを鉄系アモルファス材料とし、第1加速コア27の材質は珪素鋼板のままとする。この場合、コアの発熱は W=Wo+2.3(1/10)Wo=1.23Wo と上述の3.3Woとの比較で37%程度まで低減でき、しかもコスト上昇はコアの体積比から計算して 0.8+3×0.2=1.4 倍程度に抑えられる。すなわち、低損失で低コストな加速コアを提供できるという効果がある。
【0032】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明のベータトロン加速器によれば、
【0033】
内部に荷電粒子ビームの通路を形成し、荷電粒子ビームの加速電場を誘起する加速間隙を有する環状の中空導体と、この中空導体を取り囲むように設けた加速コアと、この加速コアに巻きつけた励磁コイルと、この励磁コイルに電圧を印加する電源とを備え、上記加速コアの運転周波数の1周期以内に粒子の入射から出射までを完了するベータトロン加速器において、上記励磁コイルによる加速電圧は、荷電粒子ビームの入射時を高く、荷電粒子ビームの加速時と出射時を低く設定するようにしたので、経済的に、入射効率を向上させることができる。
【0034】
また、ベータトロン加速器において、励磁コイルによる加速電圧は、荷電粒子ビームの入射時を高く、加速時を低く、出射時を高く設定するようにしたので、経済的に、入射効率を向上させることができ、ベータトロン加速器を入射器としても使用し易い。
【0035】
また、ベータトロン加速器において、励磁コイルによる加速電圧は、荷電粒子ビームの入射時及び加速時を低く、荷電粒子ビームの出射時を高く設定するようにしたので、出射効率を向上させることができる。
【0036】
また、この発明のベータトロン用加速コア装置は、第1の加速コアと、重畳用の第2の加速コアと、上記第1の加速コアを励磁する第1の励磁コイルと、重畳用の上記第2の加速コアを励磁する第2の励磁コイルと、これらの励磁コイルに共通の電源を設け、これらの励磁コイルをスイッチング素子で並列接続に切り替えられるようにしたので、電圧Voの電源を使用した場合でも、2設定加速電圧を得ることができ、所要時期に加速電圧2Voが得られ、高価な高電圧電源を使用することなく加速電圧の高電圧化が可能となる。
【0037】
さらにまた、第1の加速コアと、重畳用の第2の加速コアと、上記第1の加速コアを励磁する第1の励磁コイルを有する第1励磁電源回路と、重畳用の上記第2の加速コアを励磁する第2の励磁コイルを有する第2励磁電源回路とを設けたので、高価な高電圧電源を使用することなく所要な時期に加速電圧の高電圧化が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1であるベータトロン加速器を示す構成図である。による加速器の加速電圧波形。
【図2】 実施の形態1における加速コアの励磁コイルにおける励磁電源の電圧波形を示す図である。
【図3】 図2の電圧波形を実現する実施の形態1の構成を示す図である。
【図4】 従来の電圧波形を実現する構成を対比して示す図である。
【図5】 加速コアの励磁コイルの駆動回路を示す図である。
【図6】 従来のベータトロン加速器の加速電圧波形を対比して示す図である。
【図7】 図2の電圧波形を実現する実施の形態1の第2の構成を示す図である。
【図8】 図2の電圧波形を実現する実施の形態1の第3の構成を示す図である。
【図9】 図2の電圧波形を実現する実施の形態1の第4の構成を示す図である。
【図10】 実施の形態2及び3における励磁コイルの励磁電源回路を示す構成図である。
【図11】 実施の形態1による加速電圧,ビームエネルギー及びビーム電流の説明図である。
【図12】 実施の形態2による加速電圧波形の説明図である。
【図13】 実施の形態2による加速電圧,ビームエネルギー及びビーム電流の説明図である。
【図14】 実施の形態3による加速電圧,ビームエネルギー及びビーム電流の説明図である。
【符号の説明】
1,11,12 励磁電源 2 加速コア
3 電磁石 4 真空ダクト(環状中空導体)
21,22,23,24,25,26,27,28 加速コア
61,62,67,68 励磁コイル
71,72,73,74,75,76,77,78,79,80,81,82
双方向性スイッチ素子。

Claims (9)

  1. 内部に荷電粒子ビームの通路を形成し、荷電粒子ビームの加速電場を誘起する加速間隙を有する環状の中空導体と、この中空導体を取り囲むように設けた加速コアと、この加速コアに巻きつけた励磁コイルと、この励磁コイルに電圧を印加する電源とを備え、上記加速コアの運転周波数の1周期以内に粒子の入射から出射までを完了するベータトロン加速器において、上記励磁コイルによる加速電圧は、荷電粒子ビームの入射時を高く、荷電粒子ビームの加速時と出射時を低く設定することを特徴とするベータトロン加速器。
  2. 内部に荷電粒子ビームの通路を形成し、荷電粒子ビームの加速電場を誘起する加速間隙を有する環状の中空導体と、この中空導体を取り囲むように設けた加速コアと、この加速コアに巻きつけた励磁コイルと、この励磁コイルに電圧を印加する電源とを備え、上記加速コアの運転周波数の1周期以内に粒子の入射から出射までを完了するベータトロン加速器において、上記励磁コイルによる加速電圧は、荷電粒子ビームの入射時を高く、加速時を低く、出射時を高く設定することを特徴とするベータトロン加速器。
  3. 内部に荷電粒子ビームの通路を形成し、荷電粒子ビームの加速電場を誘起する加速間隙を有する環状の中空導体と、この中空導体を取り囲むように設けた加速コアと、この加速コアに巻きつけた励磁コイルと、この励磁コイルに電圧を印加する電源とを備え、上記加速コアの運転周波数の1周期以内に粒子の入射から出射までを完了するベータトロン加速器において、上記励磁コイルによる加速電圧は、荷電粒子ビームの入射時及び加速時を低く、荷電粒子ビームの出射時を高く設定することを特徴とするベータトロン加速器。
  4. 第1の加速コアと重畳用の第2の加速コア及びそれらの励磁電源回路とを備えたことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のベータトロン加速器。
  5. 上記第1の加速コアを励磁する第1の励磁コイルと、重畳用の上記第2の加速コアを励磁する第2の励磁コイルと、これらの励磁コイルに共通の電源を設け、これらの励磁コイルをスイッチング素子で並列接続に切り替えられるようにしたことを特徴とする請求項4記載のベータトロン加速器。
  6. 上記第1の加速コアと重畳用の上記第2の加速コアとを異なる材質の材料で構成したことを特徴とする請求項4又は請求項5記載のベータトロン加速器。
  7. 第1の加速コアと、重畳用の第2の加速コアと、上記第1の加速コアを励磁する第1の励磁コイルと、重畳用の上記第2の加速コアを励磁する第2の励磁コイルと、これらの励磁コイルに共通の電源を設け、これらの励磁コイルをスイッチング素子で並列接続に切り替えられるようにしたベータトロン用加速コア装置。
  8. 第1の加速コアと、重畳用の第2の加速コアと、上記第1の加速コアを励磁する第1の励磁コイルを有する第1励磁電源回路と、重畳用の上記第2の加速コアを励磁する第2の励磁コイルを有する第2励磁電源回路と、上記第1と第2の励磁コイルに共通の電源を設け、上記第1と第2の励磁コイルをスイッチング素子で並列接続に切り替えられるようにしたベータトロン用加速コア装置。
  9. 上記第1の加速コアと重畳用の上記第2の加速コアとを異なる材質の材料で構成したことを特徴とする請求項7又は請求項8記載のベータトロン用加速コア装置。
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