JPH0611446Y2 - 自動分析装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （イ）産業上の利用分野 この考案は自動分析装置に関する。さらに詳しくは反応
管を再使用する自動分析装置における反応管洗浄部を改
良した装置に関する。

（ロ）従来の技術 従来、反応管を再使用する自動分析装置の洗浄部には、
通常の水道水、脱塩水洗浄に加えて洗浄を充分に行うた
め上記の洗浄に先立って洗剤を使用しているものがある
が、この場合該洗浄部には１つの洗剤液タンクが備えら
れており、該タンクから貯留された洗剤液を吐出して反
応管を洗浄するように構成されている。

（ハ）考案が解決しようとする問題点 しかしながら上記の構成では、特に生化学分析のように
多項目の分析を同時に行う場合、分析項目により反応管
のよごれが異なり従って洗剤の効果が異なって洗浄が充
分に行いがたく、分析結果に悪影響を与え信頼性および
再現性等の低下を招く要因の一つにもなっている。

この考案はかかる状況に鑑み為されたものであり、反応
管の汚れに応じた洗剤を用いる洗浄部を備えた自動分析
装置を提供しようとするものである。

（ニ）問題点を解決するための手段 かくしてこの考案によれば、検体供給部、複数の生化学
測定項目に対応する複数の試薬供給部、測光部および洗
浄部を有し多数の反応管が搬送される反応管ラインを備
えた自動分析装置であって、 洗浄部が、各測定項目に対応する複数の至適洗剤貯留槽
とこれら貯留槽から洗剤液選択手段を介して延設された
反応管内洗浄用の１つまたは複数の吐出ノズルとからな
る洗剤液吐出手段を有してなり、 所定項目測光後の各反応管に該測定項目に対応した至適
洗剤液をそれぞれ吐出しうるよう上記洗剤液選択手段を
制御する制御部を備えてなる自動分析装置が提供され
る。

この考案の洗浄部に用いる至適洗浄液の種類および数
は、測定を意図する項目数および用いる試薬の種類によ
り適宜決定される。

この考案に用いる吐出ノズルは、上記洗剤液の種類に一
致した数で用いることが好ましいが、後述するごとく少
ない数でも用いられる。

この考案に用いる洗剤液選択手段は、各至適洗剤液貯留
槽から吐出ノズルまで延設される各管路にそれぞれ設け
られ、これらの管路をそれぞれ開閉可能に作動する弁
（例えば電磁弁）により構成されるが、洗剤液貯留槽の
数に比べて吐出ノズルの数が少なく設定されているとき
は、上記ノズルと上記弁との間に管路分岐用パネル等を
設置して管路調整してもよい。

この考案に用いる制御部は、所定項目測光後の各反応管
に該測定項目に対応した至適洗剤液をその洗剤液貯留槽
から延設されたノズルにより吐出しうるよう上記弁の開
閉のタイミングを制御しうるよう設定される。

上記制御は、吐出ノズルが複数個設定された場合、これ
らノズルに対応する各反応管に所定の洗剤液を同時に吐
出しうるようなものであってもよく、また上記各反応管
に順次吐出しうるようなものであってもよい。

上記制御は、マイクロコンピュータ等を用いて行われる
ことが好ましく、この自動分析装置の検体供給部、試薬
供給部、測光部、反応管ライン等の作動を制御する制御
部内に通常設定される。

上記洗浄部には、通常さらに水道水洗浄、脱塩水洗浄等
の洗浄手段が併用される。この場合これらは上記洗剤液
吐出手段の後段に設定される。

この考案において、反応管ラインは１列であってもよ
く、また複数に列設されたものであってもよいが、複数
に列設された場合は、このライン数と一致する数の吐出
ノズルを設定し、ラインと直交するようにノズルを配置
してこれら吐出ノズルから所定の各洗剤液が同時に吐出
されるように構成されることが好ましい。従ってこの複
数に設定されたラインに同一至適洗剤液を複数吐出する
場合と、それぞれ異なる複数の至適洗剤液を吐出する場
合とを包含するものである。

なお、この考案に用いる検体供給部、試薬供給部、測光
部等には、当該分野で公知のものが用いられる。

（ホ）作用 この考案によれば自動分析装置の測光部後段に設置され
た洗浄部に、設定された測定項目に応じてそれぞれに対
応する至適洗剤液が別々に貯留されており、かつこれら
の洗剤液を選択して吐出しうる洗剤液吐出手段を具備
し、所定の項目の測定後の反応管内には該測定項目に応
じた至適洗剤液が分注されるよう上記洗剤液吐出手段が
制御されているので、各反応管は、それぞれの汚れに適
応した各洗剤で洗浄される。

以下実施例によりこの発明を詳細に説明するが、これに
よりこの発明は限定されるものではない。

（ヘ）実施例 第１図はこの考案の自動分析装置(1)の一実施例の構成
説明図である。図において自動分析装置(1)は、オート
サンプラ(21)および検体分注器(22)を備えた検体供給装
置(2)、意図する測定項目に対応する多数の試薬を備え
た試薬庫(31)および試薬分注器(32)を備えた試薬供給装
置(3)、フォトメータ(41)およびフローセル(42)を備え
た測光装置(4)、洗剤液吐出手段(51)、脱塩水洗浄ノズ
ル(52)、反応管水切り(53)および排液皿(54)を備えた洗
浄装置(5)、多数の反応管(61)を有し駆動部（図示しな
い）によりこれら反応管を上記装置間を矢印方向に循環
させる循環ライン(6)並びに上記各装置の作動を制御す
るマイクロコンピュータを内蔵した制御部(7)から構成
されている。

なお、(8)は演算部、(9)は表示部である。

上記洗浄装置(5)に設定された洗剤液吐出手段(51)は、
第２図に示すごとくコンプレッサ（図示しない）により
加圧された複数（この例では３つ）の洗剤液貯留タンク
(10)(11)(12)からそれぞれ電磁弁(101)(111)(121)を備
えて管路(102)(112)(122)により管路切換用パネル(13)
に接続され、該パネル(13)から上記管路それぞれの吐出
ノズル(103)(113)(123)が延設されている。

上記吐出ノズルは、反応管の内側に洗剤液を吐出しうる
よう構成されている。

前記管路(102)(112)(122)のうち２本(112)(122)は、洗
剤液を希釈できるよう電磁弁とパネルとの間に水道水導
入用の管路(14)が接続されている。

上記電磁弁(101)(111)(121)はそれぞれ第１図の制御部
(7)に電気的に接続（図示しない）されており、各管路
(102)(112)(122)の開閉は制御部(7)に内蔵されたマイク
ロコンピュータにより予め設定されたタイミングで作動
される。

上記電磁弁の調節により水道水のみによる反応管の洗浄
も可能である。

上記のごとく構成された自動分析装置(1)により、検体
として血清を用い、測定項目をＡＬＰ（アルカリ性ホス
ファターゼ）、ＰＬ（リン脂質）、ＣＡ（カルシウム）
に設定し、試薬にイアトロエースＡＬＰレート（Ｐ−Ｎ
ＰＰ基質法，ヤトロン製）、リン脂質用測定試薬（酵素
法，ヤトロン製）、和光カルシウムＣ−ＡＲII（ＯＣＴ
Ｃ法，和光純薬製）を用いて分析する場合、洗剤液とし
てクリーン99Ｋ（次亜塩素酸アルカリ洗剤，クリーンケ
ミカル製）、コンタミノンＬＡ（アルカリ洗剤，和光純
薬製）、クリーン99Ｌ−100Ｔ（酸性洗剤，クリーンケ
ミカル製）をそれぞれ上記タンクに貯留した後自動分析
装置を駆動すれば、上記各測定項目測光後の各反応管(6
11)(612)(613)は洗剤液吐出手段(51)において吐出ノズ
ル(103)(113)(123)から吐出するそれぞれ対応する至適
洗剤液〔ＡＬＰ分析にはクリーン99Ｋ、ＰＬ分析にはコ
ンタミノンＬＡ、ＣＡ分析にはクリーン99Ｌ−100Ｔ〕
で洗浄された後、脱塩水等による通常の洗浄が行われて
乾燥後再び使用される。

この装置により各反応管はその汚れに至適した洗剤液で
洗浄されるため再使用に際して汚れの残留等による測定
上の不都合が解消される。

（ト）考案の効果 この考案によれば、測定項目によって異なる各反応管の
汚れを、これらの汚れに適した洗剤を適宜選択して用い
ることができ洗浄効果が増す。

上記のことから汚れの残留による測定誤差が押さえら
れ、測定の信頼性および再現性が向上する。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の装置の一実施例の構成説明図、第２
図はこの考案の装置の洗剤液吐出手段の構成説明図であ
る。 (2)……検体供給装置、(3)……試薬供給装置、 (4)……測光装置、(5)……洗浄装置、 (6)……循環ライン、(7)……制御部、 (51)……洗剤液吐出手段、 (101)(111)(121)……電磁弁、 (103)(113)(123)……吐出ノズル。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】検体供給部、複数の生化学測定項目に対応
   する複数の試薬供給部、測光部および洗浄部を有し多数
   の反応管が搬送される反応管ラインを備えた自動分析装
   置であって、 洗浄部が、各測定項目に対応する複数の至適洗剤液貯留
   槽とこれら貯留槽から洗剤液選択手段を介して延設され
   た反応管内洗浄用の１つまたは複数の吐出ノズルとから
   なる洗剤液吐出手段を有してなり、 所定項目測光後の各反応管に該測定項目に対応した至適
   洗剤液をそれぞれ吐出しうるよう上記洗剤液選択手段を
   制御する制御部を備えてなる自動分析装置。