JPH06113896A - 核酸の測定方法 - Google Patents

核酸の測定方法

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JPH06113896A
JPH06113896A JP27012492A JP27012492A JPH06113896A JP H06113896 A JPH06113896 A JP H06113896A JP 27012492 A JP27012492 A JP 27012492A JP 27012492 A JP27012492 A JP 27012492A JP H06113896 A JPH06113896 A JP H06113896A
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stranded polynucleotide
nucleic acid
polynucleotide
double
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Kazunari Imai
一成 今井
Kyoko Imai
恭子 今井
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Hitachi Ltd
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Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】未反応標識DNAプローブの検出系への混在に
基づく誤差を低減し、低濃度においても正確な判定結果
を与えるための核酸の測定方法の提供にある。 【構成】検出対象の試料核酸1は固相2に結合し、標識
物3を結合させたDNAプローブ4を反応させる。未反
応の標識DNAプローブ5を洗浄,除去し、制限酵素6
を作用させ、これにより液8中に遊離し、混在してきた
未反応標識DNAプローブ5のみが捕捉されるような、
反応媒体9を作用させて未反応標識DNAプローブ5を
除去し、最終的に得られた遊離液10中の標識物の量を
測定す核酸の測定方法であって、上記反応媒体9は、未
反応標識DNAプローブ5に存在し制限酵素の作用で切
断された標識DNAプローブ断片7には存在しない塩基
配列に対し、相補的な塩基配列を有するポリヌクレオチ
ド11を予め結合させておく。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、生体試料中の特定塩基
配列を有する核酸及び核酸の断片の有無を検出すること
に係り、特に、感染性細菌の検出に有効で、感染症の診
断ならびにスクリーニングに用いる検査方法、試薬キッ
ト、および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】感染症の診断には、病原微生物の検出同
定が必須である。これには、特定の病原微生物又はその
特異抗原に対する患者血清の抗体価上昇を証明すること
は、感染症の影を見ているに過ぎず、その本態を確認す
るものではない。感染症の原因微生物を培養によって検
出同定するには時間がかかり、疾病の診断と治療の間に
合わないという難点が指摘されてきた。
【0003】試料核酸中の特定塩基配列の有無を調べる
ことにより、感染症の病因菌の特定ならびに、感染症の
発症前の診断が可能になってきた。すなわち、DNAプ
ローブを用いる方法である。検出対象とする核酸の塩基
配列に相補的な配列を有する一本鎖DNA(これをDN
Aプローブと呼ぶ)の配列に対して特異的に反応する試
薬として利用する。試料中にDNAプローブの塩基配列
と相補的な塩基配列の有無を検出することにより、目的
病原菌の有無を判断できる。具体的な方法としては、日
本臨床:47巻,737−754(1989)等に紹介
されている。
【0004】例えば、ドットハイブリダイゼイションと
呼ばれる方法がある。試料を変性処理して得た一本鎖D
NA(SS−DNA)を固相に結合させ、この固相にラ
ジオアイソトープを標識したSS−DNAを作用させ
て、固相のSS−DNAとハイブリッドを形成させてか
ら未反応の標識SS−DNAを除去し、固相の放射線を
測定する方法が行なわれていた。
【0005】上記の方法の変形として、サンドイッチハ
イブリダイゼイションがある。この方法では、吸着によ
るバックグラウンドを下げることができ、不純なサンプ
ルを用いる場合に特に有効である。識別しようとする標
的核酸に由来するDNAフラグメントを少なくとも2つ
使用する。一方のDNAフラグメントは固相に結合させ
て、捕獲試薬として使用する。もう一方のフラグメント
は検出用試薬として標識し、ハイブリダイゼイション溶
液に可溶化した標本サンプルと一緒に加える。標本サン
プル中に、両方の試薬に相同的な塩基配列が存在してい
る場合には、その配列は、捕獲試薬にも検出用試薬にも
ハイブリダイズするはずである。ハイブリダイズしたか
否かは、固相への標識を介して知ることができる。
【0006】以上の2つの方法は、特に、検出対象核酸
の量が少ない場合に問題がある。また、測定の際に多数
の作業工程を必要とし、特に、試料の固定化に長時間を
要することから操作の労力及び時間にも問題があった。
【0007】これを解決する方法、たとえば、特公平3
−78120号公報(特願昭58−199702号)に
提案されている制限酵素を用いる方法がある。
【0008】この方法では、測定対象である一本鎖ポリ
ヌクレオチドを、標識物が結合され、かつ、測定対象一
本鎖ポリヌクレオチドと二本鎖ポリヌクレオチドを結合
した固相とを溶液中で接触させて二本鎖ポリヌクレオチ
ドを形成させて、該二本鎖ポリヌクレオチドに制限酵素
を作用させて、この二本鎖ポリヌクレオチドを切断し、
溶液又は固相の標識物を測定する。
【0009】同様に、制限酵素又は選択可能な切断部位
を導入した試薬を用いる方法が特開平2−92300号
公報に示されている。
【0010】また、酵素標識を用いる例としては、特公
平3−64119号公報に示されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】前記の測定は、感染症
の病因菌の特定、感染症の発症前の診断と云った目的か
ら測定結果の正確性が極めて重要であるが、前記従来技
術では、測定誤差が大きいために間違った判定をするこ
とが多々あった。その原因の一つは、標識されたDNA
プローブの非特異的吸着である。特に、検出すべき標的
DNA量が少ない場合この影響が大きい。
【0012】これを補う方法として、試料DNA断片を
増幅する方法があるが、時間を要することとサンプリン
グエラーやコンタミネイション等があり実用的でなかっ
た。
【0013】非特異的吸着の影響を低減する方法とし
て、標識DNAプローブを反応させた後に洗浄し、未反
応標識DNAプローブを除去して、ハイブリダイズした
二本鎖DNAのみを切断できる酵素(制限酵素)を作用
させ、標識物を遊離させる方法が提案されているが、な
かなか理想的には行かない。本発明者らの検討によれ
ば、洗浄によって未反応標識DNAプローブを完全に除
去することはできず、これが測定液中に混在してきて誤
差を生じる原因となることが分かった。
【0014】上記ように検出すべき標的DNA量が少な
い場合に測定誤差が大きくなり、違った判定を与えた
り、場合によっては判定できないことがある。
【0015】感染症等の診断においては、特に初期診断
が重要であり、外来病原因子をできるだけ少ない量で検
出したいという要望が大きい。
【0016】本発明の目的は、上記課題を解決し、未反
応標識DNAプローブの検出系への混在に基づく誤差を
低減すると共に、低濃度時においても正確な判定結果が
得られる測定方法を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決する本発
明の要旨は次のとおりである。
【0018】〔1〕 試料混合物中の核酸又は核酸断片
と、これのヌクレオチド配列に相補的なヌクレオチド配
列を有するプローブとをハイブリッド化させるに適した
条件下で接触させて、前記核酸又は核酸断片を検出する
核酸の測定方法であって、(1)前記プローブのハイブ
リッド化反応の前又は後に酵素と結合可能な化学基を化
学的に修飾し、(2)前記ハイブリッド化反応の前又は
後に、前記化学基に標識物を反応結合させ、(3)検出
すべき上記核酸、核酸断片又は核酸プローブが二本鎖構
造を含む場合には予め変性し、(4)前記ハイブリッド
化反応後、過剰の核酸プローブを分離し、(5)ハイブ
リッド化による二本鎖構造部を認識して作用する制限酵
素を作用させ、該標識物を含む核酸断片を遊離させ、
(6)前記遊離液を、核酸プローブに含まれるヌクレオ
チド配列に相補的なヌクレオチド配列を有する別のプロ
ーブを予め結合させた固相に接触させ、遊離液中に混在
する上記ハイブリッド反応で未反応の核酸プローブを捕
獲し、(7)捕獲されないで遊離液中に残留している標
識物を計測する、ことにより前記試料混合物中の核酸又
は核酸断片を検出することを特徴とする核酸の測定方
法。
【0019】〔2〕 測定対象の一本鎖ポリヌクレオチ
ドと二本鎖ポリヌクレオチドを形成し得る一本鎖ポリヌ
クレオチドを予め結合した固相に、測定対象の一本鎖ポ
リヌクレオチドを溶液中で接触させ、これに標識物が結
合され、かつ、測定対象一本鎖ポリヌクレオチドと二本
鎖ポリヌクレオチドを形成し得る一本鎖ポリヌクレオチ
ドを溶液中で接触させて、前記固相に結合した測定対象
ポリヌクレオチドに結合させた後、未反応の標識一本鎖
ポリヌクレオチドを除去し、形成された二本鎖ポリヌク
レオチドを制限酵素で切断して標識物を含むポリヌクレ
オチド断片を遊離させ、これを計測することにより試料
中の測定対象一本鎖ポリヌクレオチドの有無を判定する
核酸の測定方法であって、前記制限酵素を作用後、遊離
してくる標識物のうち、測定対象の一本鎖ポリヌクレオ
チドと二本鎖ポリヌクレオチドを形成することなく未反
応で遊離液中に混在した標識一本鎖ポリヌクレオチド
を、マトリックス中に予め結合させたポリヌクレオチド
を作用させ、二本鎖ポリヌクレオチドを形成させること
により除去する行程を設けたことを特徴とする核酸の測
定方法。
【0020】〔3〕 測定対象の一本鎖ポリヌクレオチ
ドと二本鎖ポリヌクレオチドを形成し得る一本鎖ポリヌ
クレオチドを結合した微粒子に、測定対象の一本鎖ポリ
ヌクレオチドを溶液中で接触させ、これに、標識が結合
され、かつ、測定対象一本鎖ポリヌクレオチドと二本鎖
ポリヌクレオチドを形成し得る一本鎖ポリヌクレオチド
微粒子を溶液中で接触させて、該微粒子に結合した測定
対象ポリヌクレオチドに結合させた後、未反応の標識一
本鎖ポリヌクレオチドを粒子径の差を利用して除去し、
形成された二本鎖ポリヌクレオチドを制限酵素で切断し
て標識物を含むポリヌクレオチド断片を遊離させ、これ
を計測することにより試料中の測定対象一本鎖ポリヌク
レオチドの有無を判定する核酸の測定方法であって、前
記制限酵素を作用後、遊離してくる標識物のうち、該測
定対象一本鎖ポリヌクレオチドと二本鎖ポリヌクレオチ
ドを形成することなく未反応で遊離液中に混在した標識
一本鎖ポリヌクレオチドを、マトリックス中に予め結合
させたポリヌクレオチドを作用させ、二本鎖ポリヌクレ
オチドを形成させることにより除去する行程を設けたこ
とを特徴とする核酸の測定方法。
【0021】〔4〕 測定対象の一本鎖ポリヌクレオチ
ドを固相に吸着させた後、これと二本鎖ポリヌクレオチ
ドを形成し得る一本鎖ポリヌクレオチドに標識物を結合
した試薬を接触させて、二本鎖ポリヌクレオチドを形成
し、未反応の標識一本鎖ポリヌクレオチドを除去し、形
成された二本鎖ポリヌクレオチドを制限酵素で切断し
て、標識物を含むポリヌクレオチド断片を遊離させ、制
限酵素の作用により遊離してくる標識物のうち、測定対
象一本鎖ポリヌクレオチドと二本鎖ポリヌクレオチドを
形成することなく未反応で遊離液中に混在してくる標識
一本鎖ポリヌクレオチドを、マトリックス中に予め結合
させたポリヌクレオチドを作用させ、二本鎖ポリヌクレ
オチド形成させることにより除去した後、標識物の量を
計測することにより、試料中の測定対象一本鎖ポリヌク
レオチドを定量することを特徴とする核酸の測定方法。
【0022】〔5〕 測定対象の一本鎖ポリヌクレオチ
ドを、標識物が結合され、かつ、測定対象一本鎖ポリヌ
クレオチドと二本鎖ポリヌクレオチドを形成し得る一本
鎖ポリヌクレオチドを予め結合した固相と溶液中で接触
させて二本鎖ポリヌクレオチドを形成させ、形成された
二本鎖ポリヌクレオチドを制限酵素で切断して、標識物
を含むポリヌクレオチド断片を遊離させ、これを計測す
ることにより試料中の測定対象一本鎖ポリヌクレオチド
の有無を判定する核酸の計測方法であって、前記制限酵
素を作用させた後、遊離してくる標識物のうち、制限酵
素の作用以外の作用によって固相から遊離し、遊離液中
に混在してくる標識一本鎖ポリヌクレオチドをマトリッ
クス中に予め結合させたポリヌクレオチドを作用させ
て、二本鎖ポリヌクレオチドを形成させることにより除
去する行程を設けたことを特徴とする核酸の測定方法。
【0023】本発明の特徴は、(A)として、 反応物と未反応物を識別し、反応物を加工する。
【0024】 未反応物を回収する。
【0025】 計測する。
【0026】あるいは(B)として、 反応物と未反応物を識別し、反応物を加工する。
【0027】 反応物を回収する。
【0028】 計測する、ことにある。
【0029】具体的には、,の反応には、制限酵素
を用いて反応により形成された二本鎖部分を認識し、特
異的に切断することが有効であり、,の回収には、
上記切断により固相側に残され、遊離側から欠如する塩
基配列を有する第2のDNAプローブを結合させておい
た固相と、,の反応で遊離した液相部分を接触させ
て、制限酵素の作用を受けなかった未反応物をこれとハ
イブリダイズさせればよい。その後、液相に残っている
標識物を計測すればよい。
【0030】なお、上記の(B)を用いる場合には、反
応物を回収する際に未反応物も非特異的に混在してくる
ので誤差が生じ易く、(A)の方法が望ましい。
【0031】前記未反応標識物の捕獲する手段がフィル
タ、粒子、微粒子を充填したカラム、キャピラリー、フ
ォローファイバ、中空糸から選ばれ、その表面にポリヌ
クレオチドを結合させたものが用いられる。
【0032】また、前記標識物が蛍光色素、酵素、発光
物質またはこれらを含む微粒子が用いられる。
【0033】
【作用】DNA(デオキシリボ核酸)またはRNA(リ
ボ核酸)の相補的な塩基配列に基づくハブリダイゼイシ
ョンと呼ばれる結合は特異的であり、測定対象となる特
定塩基配列を有する核酸試料を選択的に認識することが
できる。この特異的な結合をなんらかの信号に変換し
て、検出すれば目的の核酸試料の有無が判定できる。
【0034】現実的に結合の有無を検出する場合、標識
物を導入し、さらに検出の前に反応物を未反応の標識物
から分離することが一般的である。このため、多くは固
体表面(固相)に反応物を捕捉させるような反応系を設
計するが、理想系からのずれが生ずる。すなわち、固相
への標識物の非特異的な吸着が生じるため特異的な反応
以外の信号が付加され、これが誤差となる。
【0035】その一例を最も反応系が単純なドットハイ
ブリダイゼイションの例について図1の模式図を用いて
説明する。
【0036】検出対象となる試料核酸1は固相2に結合
させる。次いで、標識物3を結合させたDNAプローブ
4を反応させる。未反応の標識DNAプローブ5を洗浄
して除去する。しかし実際には、未反応物は完全に除去
されずに固相であるニトロセルロースメンブランに吸着
したり、繊維のすきまに入り込んだりして、除去されず
に残る。従って、この状態で標識物を計測しても正確な
値は得られない(A)。
【0037】そこで、標識DNAプローブ4が結合し、
二本鎖になることを利用し、目的の反応によって結合し
ている標識物のみを固相から遊離させる。すなわち、制
限酵素6を作用させる。確かに、制限酵素によっては特
定部位のみが切断されるが、遊離させた液にはこのDN
Aプローブ断片7のみならず、上記の固相に弱い力で残
っていた標識物5の一部が遊離してくる(B)。
【0038】本発明によれば、この遊離物を含む液8に
含まれる標識物のうち、標的核酸と結合しさらに制限酵
素の作用を受けて切断された標識DNAプローブ断片7
と、操作時の非厳密性が原因で混在してきた未反応標識
DNAプローブ5の構造的な差に注目し、後者のみが捕
捉されるような反応媒体9を作用させるので、液8より
未反応標識DNAプローブ5は除去される。最終的に得
られた遊離液10中の標識物量を測定すれば、測定対象
の核酸量が正確に評価できる。
【0039】上記反応媒体9としては、未反応標識DN
Aプローブ5に存在し、制限酵素により切断された標識
DNAプローブ断片7には存在しない塩基配列に対し、
相補的な塩基配列を有するポリヌクレオチド(又はオリ
ゴヌクレオチド)11を予め結合させておけばよい。換
言すれば、標識DNAプローブ5に存在し、上記制限酵
素に切断されて、固相側に残る部分12の塩基配列に相
補的な塩基配列を利用すればよい。
【0040】他の、反応手法においても基本的な作用は
同等であり本発明の手法は有効である。同様に本発明の
他の実施形態を図2〜図4に示し説明する。
【0041】図2に示す反応形態では、粒子支持体20
に第1のDNAプローブ21を、別の標識粒子支持体2
2に第2のDNAプローブ23を結合しておき、これら
と試料DNA24を液相で反応させて、複合体25を形
成する。反応液中には未反応の粒子結合DNAプローブ
27が存在する。これをフィルター28により分離す
る。予め、粒子支持体20の大きさをフィルター28の
濾過限界より大きく、標識粒子支持体22の大きさをフ
ィルター28の濾過限界より小さく設定しておき、未反
応の標識粒子支持体22を結合した第2のDNAプロー
ブ27を積極的に除去する。
【0042】上記において十分洗浄してもフィルター2
8には複合体25以外に未反応の粒子結合DNAプロー
ブ27が残る。
【0043】次いで、制限酵素29を作用させると上記
と同様に二本鎖部分が切断され、標識が遊離する。この
時フィルター28上の一部の未反応の粒子結合DNAプ
ローブ27が遊離液中に溶出する。そのため、本発明の
トラッピングが有効になる。
【0044】図3に示す反応形態では、固相30に予め
DNAプローブ31と標識物32が結合されている。標
的DNA33がこれに結合して二本鎖を形成する。制限
酵素34により、これを認識し切断する。この際、不本
意ながら反応に与っていなかったDNAプローブの一部
が解離する。特に、標識物にバルキー名物を用いた場合
に顕著である。このため、本発明に示した方法がより選
択性を増す効果を示す。
【0045】図4に示す反応形態では、固相40に捕獲
用のDNAプローブ41を、標識物42に検出用のDN
Aプローブ43を予め結合させておき、これらに一本鎖
に変性させた試料DNA44を反応させる。この後の反
応とその作用,効果は、図1の場合と同様である。
【0046】なお、トラッピングには、液量のロスが小
さく核酸の相補鎖形成以外の現象による標識物の吸着が
小さい材料及び形状を選択することが望ましいことは云
うまでもない。
【0047】
【実施例】次に、本発明を実施例に基づき詳細に説明す
るが、これら実施例に限定されない。
【0048】〔実施例1〕1mg/mlの二本鎖DNA
を含む試料の0.14M NaCl溶液を10分間沸騰
させた後、氷冷して一本鎖DNAとした。該一本鎖DN
A溶液をハイブリダイゼーション緩衝液で希釈して検量
線作成のための試料とした。ハイブリダイゼーション緩
衝液としては、5×SSC、0.5%BSA,0.5%
PVA,1%SDSを用いた。
【0049】リン酸緩衝液(PBS:0.14M Na
Cl,0.01%リン酸緩衝液 pH7.2)に溶解し
た200μg/mlの第一の一本鎖DNAプローブを、
螢光色素を含む0.1%ポリスチレンラテックス粒子溶
液(粒径0.2μm)に加えて、37℃で2時間保温し
た。これを試薬Aとする。
【0050】同様にして第二の一本鎖DNAプローブ
を、螢光色素を含まない0.1%ポリスチレンラテック
ス粒子溶液(粒径0.7μm)に加えて、37℃で2時
間保温した。これを試薬Bとする。更に、同様にして第
三の一本鎖DNAプローブを、螢光色素を含まない0.
1%ポリスチレンラテックス粒子溶液(粒径10μm)
に加えて、37℃で2時間保温した。これを試薬Cとす
る。
【0051】次いで、PBSを用いて一本鎖DNAプロ
ーブを吸着させた三種類のラテックス試薬A、Bおよび
Cを遠心洗浄した。
【0052】なお、第三の一本鎖DNAプローブは、第
一の一本鎖DNAプローブを認識して結合する相補鎖で
あり、かつ、制限酵素により切断された第一の一本鎖D
NAプローブ断片とは相補的な配列を持たない。
【0053】次に、検量線作成のための試料とラテック
ス試薬AおよびBを混合し、65℃で4時間保温してハ
イブリダイゼーションを行なった。反応液を孔径0.4
5μmのフィルタ−で濾過して、試料とハイブリダイズ
しなかった遊離状態のラテックス試薬Aを除いた。
【0054】フィルタ−上にトラップしたハイブリダイ
ゼーション生成物について、ラテックス試薬Aを含む二
本鎖部位を認識して切断する酵素を作用させて、試料と
ハイブリダイズした状態のラテックス試薬Aを含む断片
を液中に遊離させた。この液にラテックス試薬Cを加
え、65℃にて4時間保温しハイブリダイゼーションを
行なった。軽い遠心分離により、ラテックス試薬Cを沈
殿させて分離し、上清に残ったラテックス試薬Aを市販
のフローサイトメータにより測定した。
【0055】その結果、表1に示す検量線が得られた。
比較のためラテックス試薬Cによる操作を経ずに計測し
た結果も併記した。
【0056】
【表1】
【0057】〔実施例2〕ニトロセルロースメンブラン
に核酸を含む試料を固定し、次いで、pHをアルカリ性
にして変性した後、中性に戻した。これに酵素で標識し
たDNAプローブを注入しメンブラン上に固定化されて
いる試料核酸にハイブリダイズさせた。
【0058】未反応の標識DNAプローブを洗浄除去
し、二本鎖部位を認識して切断作用を有する酵素を作用
させて、試料とハイブリダイズした状態の標識酵素を含
む断片を液中に遊離させた。この液を中空糸反応管に通
した。反応管内には、予め未反応の標識DNAプローブ
のみをトラップさせるためオリゴヌクレオチドを結合さ
せておいた。反応管を通過した液を試験管に採り、蛍光
基質を加え、酵素反応の応答を蛍光光度計で検出した。
【0059】〔実施例3〕マイクロタイタープレートの
各ウエルに5’−アミノ化DNAプローブを結合させ、
その3’末端にペルオキシダーゼを結合させた。これに
試料DNAを反応させた。反応により生じた二本鎖部位
を認識し切断作用を有する酵素を作用させて、試料とハ
イブリダイズした状態の標識酵素を含む断片を液中に遊
離させた。この液をガラス繊維を詰めたガラス管を通し
た。通過した液に化学発光物質であるルミノールとペル
オキシダーゼの基質である過酸化水素水を加え、その発
光をフォトマルチプライヤで検知した。
【0060】〔実施例4〕図4の固相40として短冊上
に切ったニトロセルロースフィルタに第一のDNAプロ
ーブを結合した。標識物42として第二のDNAプロー
ブには蛍光色素を標識した。その後は前記実施例に準じ
て行った。
【0061】
【発明の効果】特定核酸の測定において、非特異的吸着
の影響を低減させることができ、従来生じていた誤差を
大幅に低減できた。特に、検出すべき標的DNA量が少
ない、低濃度においても正確な判定結果を得ることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一形態を説明する模式図である。
【図2】本発明の他の一形態を説明する模式図である。
【図3】本発明の他の一形態を説明する模式図である。
【図4】本発明の他の一形態を説明する模式図である。
【符号の説明】
1…試料核酸、2…固相、3…標識物、4…DNAプロ
ーブ、5…標識DNAプローブ、6…制限酵素、7…切
断物、8…遊離液、9…反応媒体、10…最終的に得ら
れた遊離液、11…ポリヌクレオチド又はオリゴヌクレ
オチド、12…固相側に残る部分、20…粒子支持体、
21…第1のDNAプローブ、22…標識粒子支持体、
23…第2のDNAプローブ、24…試料DNA、25
…複合体、26,27…粒子結合DNAプローブ、28
…フィルター、29…制限酵素、30…固相、31…D
NAプローブ、32…標識物、33…標的DNA、34
…制限酵素、40…固相、41…捕獲用のDNAプロー
ブ、42…標識物、43…検出用のDNAプローブ、4
4…一本鎖に変性された試料DNA。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 試料混合物中の核酸又は核酸断片と、こ
    れのヌクレオチド配列に相補的なヌクレオチド配列を有
    するプローブとをハイブリッド化させるに適した条件下
    で接触させて、前記核酸又は核酸断片を検出する核酸の
    測定方法であって、(1)前記プローブのハイブリッド
    化反応の前又は後に酵素と結合可能な化学基を化学的に
    修飾し、(2)前記ハイブリッド化反応の前又は後に、
    前記化学基に標識物を反応結合させ、(3)検出すべき
    上記核酸、核酸断片又は核酸プローブが二本鎖構造を含
    む場合には予め変性し、(4)前記ハイブリッド化反応
    後、過剰の核酸プローブを分離し、(5)ハイブリッド
    化による二本鎖構造部を認識して作用する制限酵素を作
    用させ、該標識物を含む核酸断片を遊離させ、(6)前
    記遊離液を、核酸プローブに含まれるヌクレオチド配列
    に相補的なヌクレオチド配列を有する別のプローブを予
    め結合させた固相に接触させ、遊離液中に混在する上記
    ハイブリッド反応で未反応の核酸プローブを捕獲し、
    (7)捕獲されないで遊離液中に残留している標識物を
    計測する、ことにより前記試料混合物中の核酸又は核酸
    断片を検出することを特徴とする核酸の測定方法。
  2. 【請求項2】 測定対象の一本鎖ポリヌクレオチドと二
    本鎖ポリヌクレオチドを形成し得る一本鎖ポリヌクレオ
    チドを予め結合した固相に、測定対象の一本鎖ポリヌク
    レオチドを溶液中で接触させ、 これに標識物が結合され、かつ、測定対象一本鎖ポリヌ
    クレオチドと二本鎖ポリヌクレオチドを形成し得る一本
    鎖ポリヌクレオチドを溶液中で接触させて、前記固相に
    結合した測定対象ポリヌクレオチドに結合させた後、未
    反応の標識一本鎖ポリヌクレオチドを除去し、 形成された二本鎖ポリヌクレオチドを制限酵素で切断し
    て標識物を含むポリヌクレオチド断片を遊離させ、 これを計測することにより試料中の測定対象一本鎖ポリ
    ヌクレオチドの有無を判定する核酸の測定方法であっ
    て、 前記制限酵素を作用後、遊離してくる標識物のうち、測
    定対象の一本鎖ポリヌクレオチドと二本鎖ポリヌクレオ
    チドを形成することなく未反応で遊離液中に混在した標
    識一本鎖ポリヌクレオチドを、マトリックス中に予め結
    合させたポリヌクレオチドを作用させ、二本鎖ポリヌク
    レオチドを形成させることにより除去する行程を設けた
    ことを特徴とする核酸の測定方法。
  3. 【請求項3】 測定対象の一本鎖ポリヌクレオチドと二
    本鎖ポリヌクレオチドを形成し得る一本鎖ポリヌクレオ
    チドを結合した微粒子に、測定対象の一本鎖ポリヌクレ
    オチドを溶液中で接触させ、 これに、標識が結合され、かつ、測定対象一本鎖ポリヌ
    クレオチドと二本鎖ポリヌクレオチドを形成し得る一本
    鎖ポリヌクレオチド微粒子を溶液中で接触させて、該微
    粒子に結合した測定対象ポリヌクレオチドに結合させた
    後、未反応の標識一本鎖ポリヌクレオチドを粒子径の差
    を利用して除去し、 形成された二本鎖ポリヌクレオチドを制限酵素で切断し
    て標識物を含むポリヌクレオチド断片を遊離させ、 これを計測することにより試料中の測定対象一本鎖ポリ
    ヌクレオチドの有無を判定する核酸の測定方法であっ
    て、 前記制限酵素を作用後、遊離してくる標識物のうち、該
    測定対象一本鎖ポリヌクレオチドと二本鎖ポリヌクレオ
    チドを形成することなく未反応で遊離液中に混在した標
    識一本鎖ポリヌクレオチドを、マトリックス中に予め結
    合させたポリヌクレオチドを作用させ、二本鎖ポリヌク
    レオチドを形成させることにより除去する行程を設けた
    ことを特徴とする核酸の測定方法。
  4. 【請求項4】 測定対象の一本鎖ポリヌクレオチドを固
    相に吸着させた後、これと二本鎖ポリヌクレオチドを形
    成し得る一本鎖ポリヌクレオチドに標識物を結合した試
    薬を接触させて、二本鎖ポリヌクレオチドを形成し、 未反応の標識一本鎖ポリヌクレオチドを除去し、 形成された二本鎖ポリヌクレオチドを制限酵素で切断し
    て、標識物を含むポリヌクレオチド断片を遊離させ、 制限酵素の作用により遊離してくる標識物のうち、測定
    対象一本鎖ポリヌクレオチドと二本鎖ポリヌクレオチド
    を形成することなく未反応で遊離液中に混在してくる標
    識一本鎖ポリヌクレオチドを、マトリックス中に予め結
    合させたポリヌクレオチドを作用させ、二本鎖ポリヌク
    レオチド形成させることにより除去した後、標識物の量
    を計測することにより、試料中の測定対象一本鎖ポリヌ
    クレオチドを定量することを特徴とする核酸の測定方
    法。
  5. 【請求項5】 測定対象の一本鎖ポリヌクレオチドを、
    標識物が結合され、かつ、測定対象一本鎖ポリヌクレオ
    チドと二本鎖ポリヌクレオチドを形成し得る一本鎖ポリ
    ヌクレオチドを予め結合した固相と溶液中で接触させて
    二本鎖ポリヌクレオチドを形成させ、 形成された二本鎖ポリヌクレオチドを制限酵素で切断し
    て、標識物を含むポリヌクレオチド断片を遊離させ、 これを計測することにより試料中の測定対象一本鎖ポリ
    ヌクレオチドの有無を判定する核酸の計測方法であっ
    て、 前記制限酵素を作用させた後、遊離してくる標識物のう
    ち、制限酵素の作用以外の作用によって固相から遊離
    し、遊離液中に混在してくる標識一本鎖ポリヌクレオチ
    ドをマトリックス中に予め結合させたポリヌクレオチド
    を作用させて、二本鎖ポリヌクレオチドを形成させるこ
    とにより除去する行程を設けたことを特徴とする核酸の
    測定方法。
  6. 【請求項6】 前記未反応標識物の捕獲する手段がフィ
    ルタ、粒子、微粒子を充填したカラム、キャピラリー、
    フォローファイバ、中空糸から選ばれ、その表面にポリ
    ヌクレオチドを結合させたものである請求項1〜5のい
    ずれかに記載の核酸の測定方法。
  7. 【請求項7】 前記標識物が蛍光色素、酵素、発光物質
    またはこれらを含む微粒子である請求項1〜5のいずれ
    かに記載の核酸の測定方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2013140890A1 (ja) * 2012-03-21 2013-09-26 オリンパス株式会社 標的核酸分子の検出方法
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