JP3396218B2 - 核酸検出方法 - Google Patents

核酸検出方法

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JP3396218B2 JP2001151330A JP2001151330A JP3396218B2 JP 3396218 B2 JP3396218 B2 JP 3396218B2 JP 2001151330 A JP2001151330 A JP 2001151330A JP 2001151330 A JP2001151330 A JP 2001151330A JP 3396218 B2 JP3396218 B2 JP 3396218B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、感染症、遺伝病
の診断等に用いることができる核酸(DNAまたはRN
A)の検出方法、およびその方法を行なうための核酸検
出用キットに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、核酸をプロ−ブとして用いる核酸
検出方法が多くの分野で利用されている(Analytical B
iochemistory、 169、1-25、1988;Clinical Microbiol
ogy Reviews 、1988、82-101)。例えば、鎌型赤血球貧
血症のように、遺伝子と病気との関係が明らかな遺伝病
の診断において、上記核酸検出方法が利用されている
(Proc.Natl.Acad.Sci.USA、78、5081-5085 、1981)。
また、臨床診断、食品関連の検査、環境関連の検査など
の分野においては、感染、汚染等の原因となる細菌また
はウイルスを検出するために、上記方法が利用されてい
る。とりわけ、HIV(ヒト免疫不全ウイルス)のよう
な感染症に関連するウイルスの検出は重要であり、ろ過
ハイブリダイゼ−ション法(J.Inf.Diseases、155 、32
0-322 、1987)、サザ−ンブロット法(Science 、226
、1165-1171 、1984)、in situ ハイブリダイゼ−シ
ョン法(Proc.Natl.Acad.Sci.USA、83、772-776 、198
6)、PCR法(polymerase chain reaction ;Natur
e、334 、440-444 、1988;U.S.Patent 4,683,202、Cet
us Corporation )等において、核酸をプロ−ブとして
用いたウイルスの検出が行なわれている。なお、検出し
ようとするものが細菌である場合には、細菌のDNAを
検出する方法の他に、細菌中に多量に存在するmRNA
を検出する方法も用いられている(J.Clin.Microbiol、
23、481-484 、1986)。
【0003】ところで、このような核酸検出を行なうた
めの試料は、通常微量しか得られないことが多い。この
ため、得られた試料をそのまま用いたのでは誤差が大き
く、事実上検出が不可能となることも多い。
【0004】この問題点を解決するために様々な試みが
なされているが、その種類は大きく2つに分けることが
できる。第1の手法が、得られた試料はそのまま使用
し、高感度ラジオアイソト−プ等を用いる高感度分析技
術を駆使して検出感度を高めようとする方法である。そ
して、第2の手法が、タ−ゲットとなる核酸を増幅して
既存の技術で高感度の検出を行なおうとする方法であ
る。
【0005】第1の手法は、ろ過ハイブリダイゼ−ショ
ン法、サザ−ンブロット法、サンドイッチハイブリダイ
ゼ−ション法(Gene、36、201-210 、1985;Clin.Che
m.、31、1438-1443 )、液相ハイブリダイゼ−ション法
(Solution Hybridization;J.Clin.Microbiol. 、23、
481-484 、1986)、ホモジニアスアッセイ法(エネルギ
−転移法)、鎖置換法(Strand Displacement Assay ;
Clin.Chem.、32、1637-1641 )等に応用されている。
【0006】第2の手法の代表的なものが、PCR法、
QBシステム法等である。これらの方法は、まず、タ−
ゲットのDNAまたはRNAの配列の増幅を行なう。こ
の増幅に関しては、Clinical Microbiology Reviews 、
1989、217-226 に総説が掲載されている。また、PCR
法におけるDNAまたはRNAの増幅は、前述のU.S.Pa
tent 4,683,202に記載されている。次に、増幅したタ−
ゲットDNAまたはRNAを、標識したプロ−ブを用い
て検出する。
【0007】第2の手法を用いた核酸検出方法は多くの
分野で応用されており、例えば、HIVの研究(特開昭
63-294800 、Cetus Co. )、遺伝病の研究(J.New Eng
l.J.Med. 、317 、985-990 (1987))、感染ウイルス
の検出に関する研究および癌遺伝子の研究(Nature、32
7 、293-297 (1987))において利用されている。
【0008】特に、PCR法は、タ−ゲットDNAまた
はRNAを大量に、かつ容易に増幅させることができる
ため、近年注目されている技法である。PCR法の原理
は以下の通りである。まず、試料からDNAまたはRN
Aを抽出し、二本鎖であるこのDNAまたはRNAを熱
処理して一本鎖に解離させる(工程1)。次に、2種の
プライマ−を添加し、通常50℃で一本鎖DNAまたはR
NAとのアニ−リングを行なう(工程2)。ここで用い
られるプライマ−は、タ−ゲットDNAまたはRNAの
上流側の数十塩基と相補的な塩基配列を有するものであ
る。次いで、70℃まで昇温し、タ−ゲットシ−クエンス
に従って、プライマ−から下流側のDNAまたはRNA
の合成を行なう(工程3)。このDNAまたはRNAの
際に用いられるポリメラ−ゼは、耐熱製のTaq ポリメラ
−ゼである。この工程により、元のDNAまたはRNA
と同一の二本鎖DNAまたはRNAが2本得られる。そ
の後、さらに90℃に昇温し、得られた二本鎖DNAまた
はRNAを一本鎖に解離する(工程4)。上記工程1〜
4が1サイクルと呼ばれている。このサイクルをn回繰
り返すことにより、タ−ゲットシ−クエンスを2n 倍に
増幅することができる。例えば、サイクルを2回繰り返
すことにより配列は4倍に増幅され、25回繰り返した場
合には、Cetus 社の資料によると、106 倍に増幅され
る。
【0009】このようにして増幅されたタ−ゲットシ−
クエンスは、例えば、ドットブロット法(Lancet ii 、
418-421 、1988)、またはオリゴマ−開裂検出法(Olig
omerCleavage Detection ;J.Virol. 61:1690-1694 )
を用いて検出する。通常、ドットブロット法が多く用い
られるので、以下の操作はドットブロット法を用いて説
明する。まず、PCRによって増幅した、タ−ゲットシ
−クエンスを含む核酸溶液を熱処理し、二本鎖DNAま
たはRNAを一本鎖に解離させる。次に、この一本鎖D
NAまたはRNAを含む溶液をナイロン等のメンブラン
にドット状に吸着させる。その後、メンブランに固定化
したDNAまたはRNAと、増幅した配列に対して特異
的に反応するプロ−ブとをハイブリダイズさせる。この
際用いられるプロ−ブは、放射性標識もしくは非放射性
標識で予め標識されている。また、この反応は、通常、
夜通し行なわれる。
【0010】プロ−ブがP32等の放射性物質で標識され
ている場合には、次に、放射線感光フィルムをハイブリ
ダイズを行なったメンブランに密着させる。露光時間
は、導入した放射性標識の量にもよるが、通常1ないし
5日である。このフィルムを現像すると、ポジティブサ
ンプルに密着した部分は黒いドットとなって現われ、色
の変化がないネガティブサンプルと区別することができ
る。
【0011】また、プロ−ブが非放射性物質で標識され
ている場合には、例えば、アビジン- ビオチン反応を利
用してタ−ゲットシ−クエンスを検出することができ
る。この方法は、まず、予めプロ−ブをビオチンで標識
しておき、DNAまたはRNAをメンブランに固定した
後、アルカリホスファタ−ゼ等の酵素で標識したアビジ
ンを加えて反応させる。次に、アビジンに標識した酵素
に対する基質を加える。これにより、ポジティブサンプ
ルは黒いドット状にメンブランが染まり、ネガティブサ
ンプルは色が変わらない。この反応に要する時間は、約
3ないし15時間である。
【0012】このように、PCR法を含む核酸の検出方
法は、タ−ゲットシ−クエンスを大幅に増幅し、従来の
検出法でより高感度の検出を行なうことを可能にする。
また、PCR法によると、数時間でタ−ゲットシ−クエ
ンスを106 倍程度に増幅することができる。したがっ
て、105 個の細胞のうちの1個がエイズウイルスに感染
している状態、いわゆるサイレントエイズのステ−ジの
患者からのウイルスの検出にも十分対応することが可能
である。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記方
法はいずれも、PCR法によるタ−ゲットシ−クエンス
の増幅までは短時間かつ容易に反応を進めることができ
るが、その後の増幅したタ−ゲットシ−クエンスの検出
に長時間を要する。また、操作も繁雑であり、熟練した
技術者が必要であった。
【0014】したがって、この発明の目的は、検出に要
する全体の時間が短く、かつ操作が簡単な核酸の検出方
法を提供することにある。
【0015】また、この発明の別の目的は、上記核酸検
出方法を行なうための核酸検出用キットを提供すること
にある。
【0016】
【課題を解決するための手段】この発明による核酸の検
出方法は、生物学的試料中の核酸に含まれる少なくとも
1種のヌクレオチド配列の検出方法であって、(a)2
つの独立した相補鎖からなる少なくとも1種のヌクレオ
チド配列を有する生物学的試料を、2種のプライマ−を
用いて、各々のプライマ−がそれぞれのヌクレオチド配
列に結合してハイブリッドを形成するような条件下で処
理する工程と、(b)前記ヌクレオチド配列をテンプレ
−ト鎖として用い、溶液からヌクレオチドを取り込むこ
とにより前記ハイブリッドのプライマ−鎖を伸長する工
程であって、伸長プライマ−鎖に取り込まれるヌクレオ
チドの複数が検出可能に修飾されたヌクレオチドおよび
分離可能に修飾されたヌクレオチドである工程と、
(c)伸長プライマ−鎖をテンプレ−トから解離して一
本鎖を形成する工程と、(d)工程(c)において生じ
た一本鎖を、工程(a)と同じ条件下で、工程(a)で
用いたプライマ−で処理し、次いで工程(b)と同じ条
件下でプライマ−鎖を伸長する工程と、(e)リガンド
を固相化した固相支持体にプライマ−の伸長生成物を結
合させることにより、増幅した伸長生成物を目的とする
ヌクレオチド配列以外の配列から分離する工程であっ
て、前記リガンドは、伸長生成物に組み込まれた、分離
可能に修飾されたヌクレオチドと結合することが可能で
ある工程と、(f)伸張生成物に組み込まれている検出
可能に修飾されているヌクレオチドの量を測定し、生物
学的試料中における目的とするヌクレオチド配列の検出
を行なう工程とを具備する方法である。
【0017】また、この発明による他の核酸検出方法
は、生物学的試料中の核酸に含まれる少なくとも1種の
ヌクレオチド配列の検出方法であって、(a)2つの独
立した相補鎖からなる少なくとも1種のヌクレオチド配
列を有する生物学的試料を、2種のプライマ−を用い
て、各々のプライマ−がそれぞれのヌクレオチド配列に
結合してハイブリッドを形成するような条件下で処理す
る工程であって、前記プライマ−の5´末端が分離可能
に修飾されている工程と、(b)前記ヌクレオチド配列
をテンプレ−ト鎖として用い、溶液からヌクレオチドを
取り込むことにより前記ハイブリッドのプライマ−鎖を
伸長する工程であって、伸長プライマ−鎖に取り込まれ
るヌクレオチドの複数が検出可能に修飾されたヌクレオ
チドである工程と、(c)伸長プライマ−鎖をテンプレ
−トから解離して一本鎖を形成する工程と、(d)工程
(c)において生じた一本鎖を、工程(a)と同じ条件
下で、工程(a)で用いたプライマ−で処理し、次いで
工程(b)と同じ条件下でプライマ−鎖を伸長する工程
と、(e)リガンドを固相化した固相支持体にプライマ
−の伸長生成物を結合させることにより、増幅した伸長
生成物を目的とするヌクレオチド配列以外の配列から分
離する工程であって、前記リガンドは、伸長生成物に組
み込まれた、分離可能に修飾されたプライマ−と結合す
ることが可能である工程と、(f)伸張生成物に組み込
まれている検出可能に修飾されているヌクレオチドの量
を測定し、生物学的試料中における目的とするヌクレオ
チド配列の検出を行なう工程とを具備する方法である。
【0018】この発明によるさらに別の核酸検出方法
は、生物学的試料中の核酸に含まれる少なくとも1種の
ヌクレオチド配列の検出方法であって、(a)2つの独
立した相補鎖からなる少なくとも1種のヌクレオチド配
列を有する生物学的試料を、2種のプライマ−を用い
て、各々のプライマ−がそれぞれのヌクレオチド配列に
結合してハイブリッドを形成するような条件下で処理す
る工程であって、(b)前記ヌクレオチド配列をテンプ
レ−ト鎖として用い、溶液からヌクレオチドを取り込む
ことにより前記ハイブリッドのプライマ−鎖を伸長する
工程であって、伸長プライマ−鎖に取り込まれるヌクレ
オチドの複数が検出可能に修飾されたヌクレオチドであ
る工程と、(c)伸長プライマ−鎖をテンプレ−トから
解離して一本鎖を形成する工程と、(d)工程(c)に
おいて生じた一本鎖を、工程(a)と同じ条件下で、工
程(a)で用いたプライマ−で処理し、次いで工程
(b)と同じ条件下でプライマ−鎖を伸長する工程と、
(e)分子量、サイズ、または電荷量の差異に基づい
て、増幅した伸長生成物を目的とするヌクレオチド配列
以外の配列から分離する工程と、(f)伸張生成物に組
み込まれている検出可能に修飾されているヌクレオチド
の量を測定し、生物学的試料中のヌクレオチド配列の検
出を行なう工程とを具備する方法である。
【0019】また、この発明による核酸検出用キット
は、検出しようとする核酸の塩基配列と相補的な塩基配
列を有するプライマ−と、ヌクレオチドを含有し、この
ヌクレオチドの少なくとも1種が検出可能な標識物質で
標識され、他の少なくとも1種に固相化用の標識がなさ
れているヌクレオチド溶液と、Taqポリメラ−ゼと、
表面に標識ヌクレオチドと結合可能なリガンドが固相化
されたリガンド固相化チュ−ブとを具備することを特徴
とする。
【0020】この発明による他の核酸検出用キットは、
検出しようとする核酸の塩基配列と相補的な塩基配列を
有するプライマ−と、ヌクレオチドを含有し、このヌク
レオチドの少なくとも1種が第1の蛍光物質で標識され
ているヌクレオチド溶液と、Taqポリメラ−ゼと、第
1の蛍光物質とは異なる第2の蛍光物質で標識されたプ
ロ−ブとを具備することを特徴とする。
【0021】
【発明の実施の形態】この発明による核酸検出方法にお
いては、少なくとも4種類のヌクレオシド三リン酸(ヌ
クレオチド)、および2種のプライマ−を用いるポリメ
ラ−ゼ・チェイン・リアクション(PCR)が行なわれ
る。ここで用いられるヌクレオシド三リン酸(dNT
P)は、PCRによるDNAまたはRNA合成の際の原
料となるものであり、デオキシアデノシン 5'-三リン酸
(dATP)、デオキシシチジン5'-三リン酸(dCT
P)およびデオキシグアノシン 5'-三リン酸(dGT
P)、デオキシチミジン 5'-三リン酸(dTTP)、デ
オキシウリジン 5'-三リン酸(dUTP)が含まれる。
これらの5種類のdNTPのうち、dATP、dCT
P、およびdGTPの3種類は必須であり、残りのdT
TPおよびdUTPのうちのいずれかが1種が必要であ
る。また、ここで用いられるプライマ−は、試料中のタ
−ゲットとなるヌクレオチド配列に対して比較的短い
(例えば、ヌクレオチド10-100個)核酸配列を有してお
り、2種のプライマ−がタ−ゲットシ−クエンスの異な
る鎖にハイブリダイズすることができるように、タ−ゲ
ットとなるヌクレオチド配列の末端配列の相補的核酸配
列に対応している。
【0022】上記PCRは下記の手順に従って行なわれ
る。まず、試料から核酸(DNAまたはRNA)を抽出
し、熱処理して二本鎖DNAまたはRNAを一本鎖にす
る(工程1)。次に、2種類のプライマ−、例えばプラ
イマ−Aおよびプライマ−Bとタ−ゲットDNAまたは
RNAとのアニ−リングを行なう(工程2)。このアニ
−リングは、通常30〜65℃で行なわれる。次いで、温度
を70〜75℃に上げ、Taq ポリメラ−ゼを用いて、プライ
マ−から下流側のDNAの合成をタ−ゲットシ−クエン
スに従って行なう(工程3)。その後、温度をさらに90
〜98℃に上げて、合成された二本鎖DNAを一本鎖に解
離させる(工程4)。この後、上記工程2ないし4を繰
り返すことにより、タ−ゲットシ−クエンスの増幅を行
なう。このようにPCRによって検出しようとする核酸
を増幅した後、核酸の検出を行なう。
【0023】この発明の第1の核酸検出方法において
は、PCRに用いられるdNTPのうちのいずれか1種
が予め検出用標識剤で標識されており、かつ他の1種が
予め固相化用標識剤で標識されている。残りのdNTP
は無標識である。
【0024】この第1の核酸検出方法を図面を参照して
説明する。図1は、第1の核酸検出方法におけるPCR
の手順を説明する工程図である。この手順は、上記手順
と同一であり、二本鎖DNAまたはRNA11の一本鎖D
NAまたはRNA12への解離(工程1)、プライマ−13
のアニ−リング(工程2)、Taq ポリメラ−ゼによるD
NAの伸長(工程3)および合成した二本鎖DNAの一
本鎖への解離(工程4)が含まれる。工程4により得ら
れた一本鎖DNAまたはRNAは、再び工程2に戻り同
様の手順を繰り返す。図2は、PCRにより得られた一
本鎖DNAを模式的に示す図である。第1の方法におい
ては、PCRの原料となるdNTPのいずれか1種に検
出用の標識剤14が、また他の1種に固相化用の標識剤15
がそれぞれ標識されているので、合成されたDNA16
に、これらの標識剤14および15が取り込まれる。
【0025】次に、PCRにより増幅された核酸のB/
F( bound/free)分離を行なう。図3は、得られたD
NAの固相化を模式的に示す図である。固相支持体17に
は、dNTPに標識した固相化用標識剤15と特異的に反
応するリガンド18が予め固定されており、このリガンド
18と標識剤15との特異的な反応によりDNA16を固相支
持体17に固定する。物質18および標識剤15は、リガンド
- リセプタ−反応または抗原- 抗体反応に基づいて結合
するものが好ましく、例えば、dNTPをビオチンで標
識し、固相支持体にアビジンを固定しておけばよい。P
CRにより増幅されたDNAを固相化した後、固相支持
体17を洗浄して未反応の核酸、dNTP等を除去する。
【0026】最後に、図4に示すように、固相化された
DNAの検出を行なう。この検出は、dNTPの1種に
標識した検出用標識剤14を検出することにより行なう。
この検出用標識剤14は、PCRにより増幅されたDNA
に取り込まれている。ここで行なわれる検出は、従来行
なわれている方法をそのまま用いることができる。例え
ば、dNTPを酵素で標識しておき、伸長生成物を固相
支持体17に結合した後基質を添加して酵素活性を検出す
ればよい。また、別の方法としては、dNTPをハプテ
ンで標識してmdNTPとし、固相化されたDNA中の
mdNTPと標識抗ハプテン抗体とを反応させて抗体の
標識を検出すればよい。標識の検出方法は、抗ハプテン
抗体の標識の種類によって異なるが、酵素を標識剤とし
て使用した場合には、化学発光物質や通常のEIA測定
の際に使用される呈色基質を用いることができる。ま
た、標識剤が蛍光物質である場合には、適当な波長の光
を照射して蛍光を励起させることによって行なう。
【0027】この第1の核酸検出方法は、検出しようと
する核酸の塩基配列と相補的な塩基配列を有するプライ
マ−と、ヌクレオシド三リン酸を含有し、該ヌクレオシ
ド三リン酸の少なくとも1種に検出用の標識がなされ、
かつ他の少なくとも1種に固相化用の標識がなされてい
るヌクレオシド三リン酸溶液と、Taq ポリメラ−ゼと、
標識ヌクレオチドと結合可能なリガンドが表面に固相化
されているリガンド固定化チュ−ブとを具備するキット
を用いることにより、より簡便に実施することが可能と
なる。
【0028】この発明の第2の核酸検出方法において
は、PCRに用いられるdNTPのうちのいずれか1種
が検出用の標識剤で予め標識されており、かつプライマ
−の 5' 末端が固相化用の標識剤で予め標識されてい
る。残りのdNTPは無標識である。
【0029】図5は、第2の核酸検出方法におけるPC
Rの手順を示す工程図である。この手順は第1の方法と
同様であり、二本鎖DNAまたはRNA21の一本鎖DN
AまたはRNA22への解離(工程1)、固相化用標識剤
25を標識したプライマ−23のアニ−リング(工程2)、
Taq ポリメラ−ゼによるDNAの合成(工程3)および
合成した二本鎖DNAの一本鎖への解離(工程4)が含
まれる。工程4により得られた一本鎖DNAまたはRN
Aは、再び工程2に戻り同様の手順を繰り返す。これに
より、図6に示すように、検出用の標識剤24および固相
化用の標識剤25が取り込まれたDNAが合成される。
【0030】次に、合成されたDNAのB/F分離を行
なう。この工程も第1の方法と同様にして行なうことが
できる。すなわち、固相支持体27に、プライマ−に標識
した固相化用標識剤25と特異的に反応する物質28を予め
固定しておき、この物質28と標識剤25とを結合させるこ
とによりDNA26を固相支持体27に固相化する。ここ
で、用いられる標識剤25および物質28はリガンド- リセ
プタ−反応に基づいて結合するものが好ましく、例え
ば、プライマ−23の 5' 末端をビオチンで標識し、固相
支持体27にアビジンを固定化しておけばよい。固相支持
体27にDNA26が固定された状態を、図7に模式的に示
す。PCRにより増幅されたDNAを固相化した後、固
相支持体17を洗浄して未反応の核酸、dNTP等を除去
する。
【0031】最後に、図8に示すように、固相支持体27
に固定されたDNAの検出を行なう。この検出は、第1
の方法と同様に、PCRによりDNAに取り込まれた検
出用標識剤24を検出することにより行ない、第1の方法
と同様の方法を用いることができる。
【0032】この発明による第3の核酸検出方法におい
ては、PCRに用いられるdNTPのうちの少なくとも
いずれか1種が検出用の標識剤で予め標識されており、
PCRによって増幅された核酸を分子量、サイズ、また
は電荷量の差異に基づいて分離する。
【0033】この第3の方法において行なわれるPCR
は、上記第1および第2の方法において行なわれるPC
Rと同様の手順で行なうことができる。
【0034】PCRによって増幅されたDNAの分離
は、分子量、サイズ、または電荷量の差異に基づいて行
なわれるものであればどのようなものでもよく、例え
ば、キャピラリ−電気泳動、およびアガロ−ス電気泳動
を挙げることができる。
【0035】PCRによって増幅されたDNAを分離し
た後、第1もしくは第2の方法と同様に、dNTPの1
種に標識され、PCRによってDNAに取り込まれた標
識剤を検出することによってDNAの検出を行なう。こ
こで用いられる標識剤としては、ロ−ダミン、FITC
のような蛍光物質が好ましい。
【0036】この第3の方法においては、PCRの終了
後、増幅されたDNAを分離する前に、さらに別の標識
剤で標識したプロ−ブを用いて、増幅されたDNAとこ
のプロ−ブとのハイブリダイゼ−ションを行なうことが
できる。この場合、PCRに用いられるdNTPには蛍
光物質、例えばロ−ダミンが標識されており、プロ−ブ
には、dNTPを標識する蛍光物質とは別の蛍光物質、
例えばFITCが標識されていることが好ましい。これ
らの蛍光物質は、その蛍光波長が互いに異なるのであれ
ば、どのような組み合わせのものも使用することが可能
である。なかでも、1種類の励起光で異なる波長の蛍光
を発する蛍光物質の組み合わせが好ましい。そのような
組み合わせとしては、テキサス・レッド( Texas RedT
M、MOLECULAR PROBES社製:励起光 488nm、蛍光 610
nm)およびFITC(励起光 488nm、蛍光 520n
m)の組み合わせを挙げることができる。
【0037】プロ−ブとDNAとのハイブリダイゼ−シ
ョンが終了した後、キャピラリ−電気泳動によりDNA
を分離して、異なる波長バンドで2種類の標識剤の検出
を同時に行なう。そして、2種類の異なる波長バンドで
同時に検出された場合にのみ陽性であると判定する。こ
のような判定では、PCRで増幅されたDNAをさらに
プライマ−にハイブリダイズさせているため、より高感
度の検出を行なうことが可能となる。
【0038】この核酸検出方法は、検出しようとする核
酸の塩基配列と相補的な塩基配列を有するプライマ−
と、ヌクレオシド三リン酸を含有し、かつ該ヌクレオシ
ド三リン酸の少なくとも1種が第1の蛍光物質で標識さ
れているヌクレオシド三リン酸溶液と、Taq ポリメラ−
ゼと、第1の蛍光物質とは異なる第2の蛍光物質で標識
されたプロ−ブとを具備するキットを用いることによ
り、より簡便に実施することが可能になる。
【0039】
【実施例】以下、この発明の実施例を説明する。
【0040】実施例1 2種類のプライマ−と2種類の標識したヌクレオチドを
用いるPCRによるDNAの増幅 検出用に標識した1種のヌクレオチド、固相化用に標識
した他の1種のヌクレオチドおよび何も標識していない
2種のヌクレオチドを用いて、PCRによりDNAの増
殖を行なった。
【0041】実験手順 増殖を行なうDNAの試料としては、ヒト細胞株MOLT 4
から抽出したDNA、およびプラスミドpBH 10 から
抽出したプラスミドDNAの混合溶液を用いた。MOLT 4
は、ヒト末梢血急性リンパ芽球白血病細胞(human peri
pheral blood acute lymphoblastic leukemia cell)で
あり、その寄託番号は ATCC CRL 1582である。また、プ
ラスミドpBH10には、HIVのDNA配列の約98%が
組み込まれている。
【0042】2種のプライマ−、dNTP混合物(ヌク
レオチド混合物)、MOLT 4のDNA、プラスミドpBH
10のDNA、Taq ポリメラ−ゼ、および反応緩衝液を下
記表に示す割合で混合し、 1.5mlのチュ−ブに入れて
PCRを行なった。これらの成分のうち、プライマ−は
SYNTHETIC GENETIC INC. から入手したものである。こ
のプライマ−は、それぞれ28塩基からなる2種類のプラ
イマ−であり、HIVのGAG領域に特異性を有する。
このプライマ−を用いてPCRを行なうことにより、11
4 塩基対のGAG領域が増幅される。これらのプライマ
−の配列を図9に、またこれらのプライマ−により増幅
される領域を図10にそれぞれ示した。また、プライマ−
およびdNTP混合物以外の成分は、全て、GenEAmp P
CR試薬キット(Cetus PE Corporation)のものを使用
した。
【0043】なお、この実施例においては、検出に使用
するための標識ヌクレオチドとしてジゴキシゲニン-11-
dUTP(BOEHRINGER MANNHEIM 社製)を、また固相化
に使用するための標識ヌクレオチドとしてビオチン-7-
dATP(BRL 社製)を使用した。
【0044】 実験条件 PCR反応溶液(全量 100μl) No. 2 3 4 5 6 7 dNTP混合物** 200 200 200 200 200 200 (μM) プライマ−#1* 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 (μM) プライマ−#2* 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 (μM) MOLT4 DNA 2 2 2 2 2 2 (μg) pBH10 DNA 5×106 106 5×105 105 5×104 104 (コピ−数) Taq ポリメラ−ゼ 2.5 2.5 2.5 2.5 2.5 2.5 (ユニット) No. 9 10 11 12 13 14 dNTP混合物*** 200 200 200 200 200 200 (μM) プライマ−#1* 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 (μM) プライマ−#2* 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 (μM) MOLT4 DNA 2 2 2 2 2 2 (μg) pBH10 DNA 5×106 106 5×105 105 5×104 104 (コピ−数) Taq ポリメラ−ゼ 2.5 2.5 2.5 2.5 2.5 2.5 (ユニット) プライマ−#1* 、プライマ−#2* : SYNTHETIC GENETIC INC. 製 dNTP混合物**: dCTP: 200μM、dGTP: 200μM、dATP: 180μM、 dTTP: 180μM、ビオチン-7- dATP:20μM ジゴキシゲニン-11-dUTP:20μM dNTP混合物*** : dCTP: 200μM、dGTP: 200μM、dATP: 200μM、 dTTP: 200μM PCRのサイクルは、PERKINE-ELMER CETUS 社の THERM
AL CYCLER を使用して、以下の設定で行なった。
【0045】 この第2サイクルを30回繰り返した。
【0046】結 果 PCR終了後、各試料 5μlづつを、 3%アガロ−スゲ
ルを用いた電気泳動にかけた(Molecular Cloning 6-2
:Colc.Spring Harbor Laboratory Press 1989参
照)。電気泳動終了後、エチジウムブロマイドを用いて
DNAを染色し(Molecular Cloning 6-14参照)、得ら
れたパタ−ンをFCR-10カメラ(5-5330 FOTODYNE Incorp
orated)で撮影した。得られた写真を図11に示す。図11
に示されるように、14の試料は2列に配置され、上列左
から右へ #1 ないし #7 の試料が、また下列左から右へ
#8 ないし #14の試料がそれぞれ順に並べられている。
【0047】この実施例の全工程の所用時間は 7.5時間
であった。
【0048】図11において、#1および#8には、分子量マ
−カ−であるφX 174 Hae IIIフラグメントを使用し
た。このφX 174 Hae IIIフラグメントは、プラスミド
φX 174を制限酵素 HaeIIIで切断したものであり、BRL
社より入手した(Cat.No.5611SA )。#2ないし#7および
#9ないし #14には、上述の試料を使用した。
【0049】サイズマ−カ−により、増幅されたシ−ク
エンスのサイズは 114bpであることが確認された。
【0050】図11から明らかなように、#2ないし#7およ
び#9ないし#14 の各試料が形成したバンドの間に大きな
相違はなく、またサイズが全て 114 bp である。したが
って、Taq ポリメラ−ゼがタ−ゲットシ−クエンスに従
ってDNAの合成を行なう際に、標識した2種類のヌク
レオチド(ジゴキシゲニン-11-dUTPおよびビオチン
-7- dATP)を、無標識のヌクレオチドと同様に取り
込んでいることが確認された。
【0051】実施例2 増幅したDNAのイムノアッセイ法による検出 実施例1において増幅したDNAを、DNA中に取り込
まれたビオチンを利用して予めアビジンを導入した固相
支持体に固相化した後、DNAの検出を行なった。DN
Aの検出は、増幅されたDNAに取り込まれたジゴキシ
ゲニンの量を測定することにより行なった。
【0052】実験手順 A.ストレプトアビジンの固相化 1)ストレプトアビジン(Boehringer Mannheim 社、Ca
t.No.973 190)を、固相化緩衝液(50mM炭酸緩衝液 p
H 9.5 )に10μg/mlとなるように溶解する。
【0053】2)NUNCプレ−ト(マイクロウェル
モデルF-16 )の各ウェルに上記溶液を 100μl分注
し、 4℃で一晩保存する。
【0054】3)プレ−トをPBS(リン酸緩衝生理食
塩水)で洗浄し、BSA(ウシ血清アルブミン)の 1%
PBS溶液 250mlを分注し37℃で 1時間保存する。
【0055】4)プレ−トをPBS(0.01% Tween 20
)で洗浄する。
【0056】B.PCRによって増幅されたDNAのエ
タノ−ル処理 PCRによって増幅されたDNAをエタノ−ル処理して
未反応のヌクレオチドを除去する。
【0057】1)PCRにより得られたDNA溶液 100
μlに 3M酢酸ナトリウムを添加する。
【0058】2)次に、エタノ−ル 250μlを添加して
-70℃で15分間保存する。
【0059】3) 15 分間遠心して沈殿したDNAを70
%エタノ−ルで洗浄し、TE緩衝液(10mMトリス、 1
mM EDTA、pH 8.0)に溶解する。
【0060】C.イムノアッセイ Aにおいて調製したストレプトアビジン固相化NUNC
プレ−トを使用し、Bにおいてエタノ−ル処理したDN
Aを試料としてアッセイを行なう。
【0061】1)Bにおいてエタノ−ル処理したDNA
を、TE緩衝液で10倍希釈する。
【0062】2)Aにおいて調製したストレプトアビジ
ン固相化NUNCプレ−トに、上記希釈DNA溶液 100
μlを分注し、37℃で 1時間インキュベ−トする。
【0063】3)20% Tween 20 を含有するTES´緩
衝液(10mMトリス、 150mM NaCl、pH 7.6)で
NUNCプレ−トのウェルを洗浄し、 1%BSAを含む
TES´緩衝液で 1/5000希釈した抗ジゴキシゲニン(F
ab)-アルカリホスフェ−ト(Boehringer Mannheim 社)
の溶液 100μlを分注して37℃で30分間インキュベ−ト
する。
【0064】4)20% Tween 20 を含有するTES´緩
衝液(10mMトリス、 150mNaCl、pH 7.6)でNU
NCプレ−トのウェルを洗浄した後、各ウェルに基質で
あるp-NPP(p-ニトロフェニルホスフェ−ト:Phosph
ate Substrate System for ELISA、Kirkegard & Perry
Laboratories Inc.) 100μlを分注し、25℃で 1時間
インキュベ−トする。
【0065】5)インキュベ−ト後、マイクロプレ−ト
リアクタ− モデル EL311(Microplate Reactor Model
EL311、Bio-Tek Instruments Inc.)を用いて、波長40
5 nmにおける吸光度を測定する。
【0066】 実験条件 PCRの反応溶液(全容量 100μl) No. 1 2 3 4 dNTP混合物**(μM) 200 200 200 0 dNTP混合物*** (μM) 0 0 0 200 プライマ−#1* (μM) 1.0 1.0 1.0 1.0 プライマ−#2* (μM) 1.0 1.0 1.0 1.0 MOLT4 DNA(μg) 2 2 2 2 pBH10 DNA(コピ−数) 106 104 0 106 Taq ポリメラ−ゼ(ユニット) 2.5 2.5 2.5 2.5 プライマ−#1* 、プライマ−#2* : SYNTHETIC GENETIC INC. 製 dNTP混合物**: dCTP: 200μM、dGTP: 200μM、dATP: 180μM、 dTTP: 180μM、ビオチン-7- dATP:20μM ジゴキシゲニン-11-dUTP:20μM dNTP混合物*** : dCTP: 200μM、dGTP: 200μM、dATP: 200μM、 dTTP: 200μM PCRのサイクルは、THERMAL CYCLER(Perkine-Elmer
Cetus )を使用して、以下の設定で行なった。
【0067】 この第2サイクルを30回繰り返した。
【0068】結 果 波長 405nmにおける吸光度の測定結果は以下の通りで
あった。
【0069】 No. A(405nm ) #1 2.583 #2 1.004 #3 0.103 #4 0.053 上記結果より明らかなように、#1および#2においては、
pBH10 DNAのコピ−数に応じて吸光度が増加して
いる(#1のコピ−数は106 個、#2のコピ−数は104 個で
ある)。これに対して、pBH10 DANのコピ−を含
まない#3の試料、および無標識のヌクレオチドを使用し
た#4の試料の吸光度は、バックグランドのレベルであっ
た。
【0070】なお、この実施例の全工程の所用時間は 2
8 時間であった。
【0071】実施例3 増幅したDNAのアガロ−スゲルを用いた分画 実施例1において増幅したDNAを、アガロ−スゲル
(バイオゲルA-15 #151-1050 : BIO-RAD社)を用いて
分画した。これにより、増幅したシ−クエンスのバンド
のみを分画した。
【0072】実験手順 A.PCRによる増幅 実施例1と同様の方法で、目的のDNAの増幅を行な
う。
【0073】B.アガロ−スゲルカラムの作成 Current Protocols in Molecular Biology 3-4-8( Joh
n Wiley & Sons NewYork 1988 )の方法に従って、図1
2に示すカラムを作製する。図に示すように、このカラ
ムは、パストゥ−ルピペット51にガラスウ−ル52および
カラム樹脂53を充填したものである。次に、Aで増幅し
たDNA試料をカラムに通して分画し、ミクロ遠心管54
に取る。各々 100μlのフラクション#1−#17 を採取す
る。
【0074】C.アガロ−ス電気泳動を用いる、各フラ
クション中に含まれるDNAの確認 各フラクションについて、Molecular Cloning 6-2 (Co
ld Spring Harbor Laboratory Press 1989)の方法に従
って電気泳動を行なう。次に、エチジウムブロマイドで
DNAを染色し(Molecular Cloning 6-14)、得られた
パタ−ンをFCR-10カメラ(5-5330、FOTODYNE Incorpora
ted )を用いて撮影する。
【0075】実験条件 PCRの反応溶液(全容量 100μl) No. 1 dNTP混合物**(μM) 200 プライマ−#1* (μM) 1.0 プライマ−#2* (μM) 1.0 MOLT4 DNA(μg) 2 pBH10 DNA(コピ−数) 106 Taq ポリメラ−ゼ(ユニット) 2.5 プライマ−#1* 、プライマ−#2* : SYNTHETIC GENETIC
INC. 製 dNTP混合物**: dCTP: 200μM、dGTP: 200μM、dATP:
180μM、 dTTP: 180μM、ビオチン-7- dATP:20μM ジゴキシゲニン-11-dUTP:20μM PCRのサイクルは、THERMAL CYCLER(Perkine-Elmer
Cetus )を使用して、以下の設定で行なった。
【0076】 この第2サイクルを30回繰り返した。
【0077】結 果 得られた電気泳動パタ−ンの写真を図13に示す。図に示
すように、20個の試料は2列に配置されており、上列左
から右へ #1 ないし #10の試料が、また下列左から右へ
#11ないし #20の試料がそれぞれ順に並べられている。
【0078】図中、それぞれの試料 No.は次のフラクシ
ョンを示す。
【0079】 試料 No. フラクション No. #1、#11 分子サイズ標準(φX174RF DNA/ Hae III:BRL ) #2 PCR反応後のサンプル(分画を行なっていない) #3 フラクション#1 #4 フラクション#2 #5 フラクション#3 #6 フラクション#4 #7 フラクション#5 #8 フラクション#6 #9 フラクション#7 #10 フラクション#8 #12 フラクション#9 #13 フラクション#10 #14 フラクション#11 #15 フラクション#12 #16 フラクション#13 #17 フラクション#14 #18 フラクション#15 #19 フラクション#16 #20 フラクション#17 PCRの後の分画を行なわないままの試料 #2 では、増
幅されたシ−クエンスのバンドと、ウェル近くの MOLT
4 のバンドが見出される。増幅されたシ−クエンスのサ
イズは、サイズマ−カ−により 114塩基対であると確認
された。増幅されたシ−クエンスは、フラクション #9
に分画された。
【0080】この実施例の全工程の所用時間は 8時間45
分であった。
【0081】この実施例においては増幅したDNAのフ
ラクションをアガロ−スゲル電気泳動によって行なって
いるが、アガロ−スゲル電気泳動の代わりにキャピラリ
−電気泳動を用いることにより、より短時間(30分以
内)で測定を行なうことができ、しかも増幅されたDN
Aの分子量の測定が可能となる。
【0082】なお、この実施例の方法においては、PC
Rに用いられるヌクレオチドに対する固相化用の標識は
なくてもよい。また、本発明の態様によれば、一度の測
定のみにより、ターゲットヌクレオチドを確実に検出す
ることが可能である上に、更に、未結合成分の除去操作
が不要であるため、簡単に且つ短時間に目的の検出を実
施することが可能である。
【0083】実施例4 増幅したDNAの、化学発光を利用するイムノアッセイ
法による検出 PCRの後、得られた試料をアガロ−スゲル(バイオゲ
ルA-15 #151-1050 :BIO-RAD 社)を用いて分画し、増
幅されたDNAを、実施例2のAと同様の方法で作製し
たストレプトアビジン固相化NUNCイムノテストチュ
−ブ(Cat.No.444474 )に固相化した。DNAの検出
は、増幅されたDNAに取り込まれたジゴキシゲニンと
酵素標識した抗ジゴキシゲニン抗体とを反応させ、基質
として化学発光試薬を用いてジゴキシゲニンの量を測定
することにより行なった。なお、基質として、通常の吸
光度測定に使用される pNNPを用いた比較試験も行な
った。
【0084】実験手順 A.ストレプトアビジンの固相化 1)ストレプトアビジン(Boehringer Mannheim 社、 C
at.No.973 190 )を、固相化緩衝液(50mM炭酸緩衝液
pH 9.5 )に 10 μg/mlとなるように溶解する。
【0085】2)NUNCイムノテストチュ−ブ(Cat.
No.444474 )に上記溶液を 100μl分注し、 4℃で一晩
保存する。
【0086】3)テストチュ−ブをPBSで洗浄し、B
SAの 1%TBS´溶液(10mMトリス pH 8.0 、 150
mM NaCl)250 mlを分注し37℃で 1時間保存す
る。
【0087】4)テストチュ−ブをTBS´0.01% Twe
en 20 で洗浄する。
【0088】B.PCRによって増幅されたDNAのア
ガロ−スゲル分画 アガロ−スゲルを用いて、PCRによって増幅されたD
NAからの未反応のヌクレオチドの除去と、DNAの分
画処理を行なった。
【0089】実施例3と同様に、Current Protocols in
Molecular Biology 3-4-8( JhonWiley & Sons New Y
ork 1988 )に従ってカラムを作製した(図12)。次い
で、実施例1と同様の方法で増幅したDNA試料をカラ
ムに通して分画し、各々 100μlのフラクション#1−#1
7 を採取する。#7のフラクションを試料として以下のイ
ムノアッセイを行なう。
【0090】C.イムノアッセイ Aにおいて調製したストレプトアビジン固相化NUNC
イムノテストチュ−ブを使用し、Bにおいて採取した #
7 のフラクションを試料としてアッセイを行なう。
【0091】1)Bにおいて採取した #7 の分画を、T
BS´緩衝液で10倍希釈する。
【0092】2)Aにおいて作製したストレプトアビジ
ン固相化NUNCイムノテストチュ−ブに、上記希釈D
NA溶液 100μlを分注し、37℃で 1時間インキュベ−
トする。
【0093】3)20% Tween 20 を含有するTES´緩
衝液(10mMトリス、 150mM NaCl、pH 7.6)で
NUNCチュ−ブを 3回洗浄し、BSAの 1%TES´
緩衝溶液で 1/5000希釈した抗ジゴキシゲニン(Fab)-ア
ルカリホスフェ−ト(Boehringer Mannheim 社)の溶液
100μlを分注して37℃で30分間インキュベ−トする。
【0094】4)20% Tween 20 を含有するTES´緩
衝液(10mMトリス、 150mM NaCl、pH 7.6)で
NUNCチュ−ブを洗浄した後、基質である化学発光試
薬Lumi-Phos TM 530(Lumigen inc.) 100μlを分注
し、シンチレ−ションカウンタ− WALLAC 1410(PHARMA
CIA )を用いて化学発光を測定する。
【0095】5)4)における化学発光試薬の代わり
に、p-NPP(Phosphate SubstrateSystem for ELIS
A、Kirkegard & Perry Laboratories Inc.)100 ml
を分注して25℃で18時間インキュベ−トした後、マイク
ロプレ−トリアクタ−・モデル EL311(Bio-Tek Instru
ments Inc.)を使用して波長 405nmにおける吸光度を
測定する。
【0096】D.化学発光試薬を用いた測定 上述のように、この実施例においては、DNA検出の際
に基質として Lumi-PhosTM 530(Lumigen Inc.)を使用
している。Lumigen Inc.によると、この試薬からの発光
はルミノメ−タ−を用いて測定するものとされている
(Clinical Chemistry、35、1863(1989)、Lumigen In
formation )。しかしながら、この実施例において、本
発明者らは、この試薬からの発光をシンチレ−ションカ
ウンタ− WALLAC 1410(PHARMACIA )を用いてカウント
することにより測定した。
【0097】この実施例において用いた Lumi-PhosTM 5
30は、酵素の無い状態であっても、自然発光であると考
えられる1000 cpm程度の発光がある。したがって、この
試薬系はバックグランドが高く、このため測定の際の S
/N 比が著しく悪化する問題点が指摘されている。とこ
ろで、 Lumi-PhosTM 530の主成分である LumigenTM PPD
は、アルカリホスファタ−ゼによって不安定な状態に移
行し、発光する(Clinical Chemistry 35 、1863(198
9))。この光のエネルギ−は、さらに、発光系のエン
ハンサ−であるコ- ミセル化フルオレッサ−(co-micel
lized fluorescer)に移行し、 400倍の強度の光を発光
する。したがって、化学発光において、どのエネルギ−
の光がどの程度の強度を有しているかを分析することに
より、化学発光試薬そのものが発する光とエンヘンサ−
により増幅された光とを区別することが可能になるもの
と考えられる。
【0098】一方、シンチレ−ションカウンタ−は、本
来、放射性同位体から発生するβ線を測定するものであ
り、β線をシンチレ−タ−で可視光に変換してその光子
数をフォトマルで測定する。放射性同位体から発生する
β線には、そのエネルギ−が核種によって異なるという
特性があるので、ある特定のエネルギ−を有する光子の
みを選択して取り出すことができれば、複数の核種を同
時に測定することが可能になる。本発明者らが用いたシ
ンチレ−ションカウンタ− WALLAC 1410は、ウインドウ
を設けることにより、特定のエネルギ−を有する光子の
みを取り出すことを可能にしている。
【0099】本発明者らは、このシンチレ−ションカウ
ンタ− WALLAC 1410を用いて、 Lumi-PhosTM 530から発
生される光子のエネルギ−を測定した。その結果、酵素
の存在下で発生する光と酵素のない状態で発生する自然
発光とでは、光子のエネルギ−が有するエネルギ−準位
に明らかな相違があることが判明した。したがって、酵
素の存在下で発生する光子が有するエネルギ−で測定す
ることにより、バックグランドの値をほぼ0とし、 S/
N 比を飛躍的に向上させることが可能であることが確か
められた。このような知験の下に、本発明者らは、 WAL
LAC 1410のウインドウをチャンネル 250-1000 に設定
し、化学発光試薬そのものが発する低エネルギ−の光を
カットして、より高いエネルギ−の光を真のアルカリホ
スファタ−ゼによる発光として測定した。
【0100】 実験条件 PCRの反応溶液(全容量 100μl) No. 1 2 3 4 dNTP混合物**(μM) 200 200 200 200 プライマ−#1* (μM) 1.0 1.0 1.0 1.0 プライマ−#2* (μM) 1.0 1.0 1.0 1.0 MOLT4 DNA(μg) 2 2 2 2 pBH10 DNA(コピ−数) 106 104 102 0 Taq ポリメラ−ゼ(ユニット) 2.5 2.5 2.5 2.5 プライマ−#1* 、プライマ−#2* : SYNTHETIC GENETIC INC. 製 dNTP混合物**: dCTP: 200μM、dGTP: 200μM、dATP: 180μM、 dTTP: 180μM、ビオチン-7- dATP:20μM ジゴキシゲニン-11-dUTP:20μM PCRのサイクルは、ハイブリッド・サ−マル・リアク
タ− モデルHB-TR1(tional Labnet Co. )を使用し
て、以下の設定で行なった。
【0101】 この第2サイクルを 30 回繰り返した。
【0102】結 果 シンチレ−ションカウンタ−で測定した結果を図14に示
す。この図において、縦軸は 1分当りのカウント数( C
PM)、横軸は時間を表わす。
【0103】図14より明らかなように、カウント数は化
学発光物質を添加した後約 1.5時間でほぼプラト−に達
する。この時点でのそれぞれの試料のカウント数は、以
下の通りである。
【0104】 試 料 CPM MOLT 4+106 コピ− 3.0×107 MOLT 4+104 コピ− 4.6×106 MOLT 4+102 コピ− 2.7×103 MOLT 4 0.9×10 同じ試料を、カロリメトリ法に用いられる呈色試薬を用
いて測定した場合には、次のような結果が得られた。
【0105】 試 料 吸光度(A405 ) MOLT 4+106 コピ− > 2.5 MOLT 4+104 コピ− 1.005 MOLT 4+102 コピ− 0.603 MOLT 4 0.056 このように、この実施例の方法によると、DNAの増幅
を行なわないものとDNAを106 倍に増幅したものとで
は、カウント数の比が106 オ−ダ−にもなる。すなわ
ち、106 という高い S/N 比が得られる。
【0106】これに対して、従来のカロリメトリ法によ
り得られた結果は、 S/N 比がわずかに102 のオ−ダ−
でしかない。また、酵素と反応させるために18時間とい
う長い時間インキュベ−ションしなければならない。
【0107】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、同一の
ターゲットヌクレオチドの異なるヌクレオチドのそれぞ
れに対して異なる標識物質を同時に反応させるので、短
時間で簡単に反応を行うことができる。また、本発明の
態様によれば、一度の除去操作だけで、未反応成分を全
て除くことができるので、反応後の検出も短時間に行う
ことができる。また、検出用と分離用の標識をそれぞれ
異なるヌクレオチドに標識したので、検出しようとする
核酸のコピー数に応じた測定値を得ることができる。更
に、検出工程を化学発光で行う場合のS/N比も減らせ
るので測定のカウント誤差も少ない。 [0108]なお、本発明は以下の1から4の項目に記
載の態様も含む。 1. 生物学的試料中の核酸に含まれる少なくとも1種
のヌクレオチド配列の検出方法であって、 (a)2つの独立した相補鎖からなる少なくとも1種の
ヌクレオチド配列を有する生物学的試料を、2種のプラ
イマ−を用いて、各々のプライマ−がそれぞれのヌクレ
オチド配列に結合してハイブリッドを形成するような条
件下で処理する工程と、 (b)前記ヌクレオチド配列をテンプレ−ト鎖として用
い、溶液からヌクレオチドを取り込むことにより前記ハ
イブリッドのプライマ−鎖を伸長する工程であって、伸
長プライマ−鎖に取り込まれるヌクレオチドの複数が検
出可能に修飾されたヌクレオチドおよび分離可能に修飾
されたヌクレオチドである工程と、 (c)伸長プライマ−鎖をテンプレ−トから解離して一
本鎖を形成する工程と、 (d)工程(c)において生じた一本鎖を、工程(a)
と同じ条件下で、工程(a)で用いたプライマ−で処理
し、次いで工程(b)と同じ条件下でプライマ−鎖を伸
長する工程と、 (e)リガンドを固相化した固相支持体にプライマ−の
伸長生成物を結合させることにより、増幅した伸長生成
物を目的とするヌクレオチド配列以外の配列から分離す
る工程であって、前記リガンドは、伸長生成物に組み込
まれた、分離可能に修飾されたヌクレオチドと結合する
ことが可能である工程と、 (f)伸張生成物に組み込まれている検出可能に修飾さ
れているヌクレオチドの量を測定し、生物学的試料中に
おける目的とするヌクレオチド配列の検出を行なう工程
とを具備する方法。 2.生物学的試料中の核酸に含まれる少なくとも1種の
ヌクレオチド配列の検出方法であって、 (a)2つの独立した相補鎖からなる少なくとも1種の
ヌクレオチド配列を有する生物学的試料を、2種のプラ
イマ−を用いて、各々のプライマ−がそれぞれのヌクレ
オチド配列に結合してハイブリッドを形成するような条
件下で処理する工程であって、前記プライマ−の5´末
端が分離可能に修飾されている工程と、 (b)前記ヌクレオチド配列をテンプレ−ト鎖として用
い、溶液からヌクレオチドを取り込むことにより前記ハ
イブリッドのプライマ−鎖を伸長する工程であって、伸
長プライマ−鎖に取り込まれるヌクレオチドの複数が検
出可能に修飾されたヌクレオチドである工程と、 (c)伸長プライマ−鎖をテンプレ−トから解離して一
本鎖を形成する工程と、 (d)工程(c)において生じた一本鎖を、工程(a)
と同じ条件下で、工程(a)で用いたプライマ−で処理
し、次いで工程(b)と同じ条件下でプライマ−鎖を伸
長する工程と、 (e)リガンドを固相化した固相支持体にプライマ−の
伸長生成物を結合させることにより、増幅した伸長生成
物を目的とするヌクレオチド配列以外の配列から分離す
る工程であって、前記リガンドは、伸長生成物に組み込
まれた、分離可能に修飾されたプライマ−と結合するこ
とが可能である工程と、 (f)伸張生成物に組み込まれている検出可能に修飾さ
れているヌクレオチドの量を測定し、生物学的試料中に
おける目的とするヌクレオチド配列の検出を行なう工程
とを具備する方法。 3. 生物学的試料中の核酸に含まれる少なくとも1種
のヌクレオチド配列の検出方法であって、 (a)2つの独立した相補鎖からなる少なくとも1種の
ヌクレオチド配列を有する生物学的試料を、2種のプラ
イマ−を用いて、各々のプライマ−がそれぞれのヌクレ
オチド配列に結合してハイブリッドを形成するような条
件下で処理する工程であって、 (b)前記ヌクレオチド配列をテンプレ−ト鎖として用
い、溶液からヌクレオチドを取り込むことにより前記ハ
イブリッドのプライマ−鎖を伸長する工程であって、伸
長プライマ−鎖に取り込まれるヌクレオチドの複数が検
出可能に修飾されたヌクレオチドである工程と、 (c)伸長プライマ−鎖をテンプレ−トから解離して一
本鎖を形成する工程と、 (d)工程(c)において生じた一本鎖を、工程(a)
と同じ条件下で、工程(a)で用いたプライマ−で処理
し、次いで工程(b)と同じ条件下でプライマ−鎖を伸
長する工程と、 (e)分子量、サイズ、または電荷量の差異に基づい
て、増幅した伸長生成物を目的とするヌクレオチド配列
以外の配列から分離する工程と、 (f)伸張生成物に組み込まれている検出可能に修飾さ
れているヌクレオチドの量を測定し、生物学的試料中の
ヌクレオチド配列の検出を行なう工程とを具備する方
法。 4. 前記検出可能に修飾されたヌクレオチドが蛍光物
質で標識されたヌクレオチドであり、前記プライマ−が
いずれもヌクレオチドの標識に用いられる蛍光物質とは
異なる蛍光物質で標識されており、工程(e)における
増幅された伸長生成物の分離がキャピラリ−電気泳動に
より行なわれ、かつ検出可能に修飾されたヌクレオチド
の量の測定が前記2種の蛍光標識を異なる波長領域で同
時に測定することにより行なわれる上記3の項目に記載
の方法。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による核酸検出方法の第1の態様にお
ける、PCRの原理を説明する図。
【図2】図1に示すPCRによって増幅されたDNAを
模式的に示す図。
【図3】図2に示すDNAの固相化を模式的に示す図。
【図4】固相化されたDNAの検出を模式的に示す図。
【図5】この発明による核酸検出方法の第2の態様にお
ける、PCRの原理を説明する図。
【図6】図5に示すPCRによって増幅されたDNAを
模式的に示す図。
【図7】図6に示すDNAの固相化を模式的に示す図。
【図8】固相化されたDNAの検出を模式的に示す図。
【図9】この発明の実施例において用いた、HIVのG
AG領域に特異性を有するプライマ−の塩基配列を示す
図。
【図10】図9に示されるプライマ−によって増幅され
る、HIV遺伝子の領域を示す図。
【図11】この発明の実施例において、PCRによって
増幅されたDNAに標識ヌクレオチドが取り込まれたこ
とを示す電気泳動パタ−ンの写真。
【図12】この発明の実施例において用いられるアガロ
−スゲルカラムの概略を示す図。
【図13】この発明の実施例において得られた、ゲルろ
過後の試料の電気泳動パタ−ンを示す写真。
【図14】この発明の実施例における、コピ−数の異な
る試料に対する化学発光を利用したイムノアッセイの結
果を示すグラフである。
【符号の説明】
11、21…二本鎖DNAまたはRNA、12、22…一本鎖D
NAまたはRNA、13、23…プライマ−、14、24…検出
用標識剤、15、25…固相化用標識剤、17、27…固相化
剤、18、28…リガンド、51…パストゥ−ルピペット、52
…ガラスウ−ル、53…カラム樹脂
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C12N 15/00 - 15/90 C12Q 1/00 - 3/00 G01N 33/50 - 33/98 BIOSIS/MEDLINE/WPID S(STN) PubMed SwissProt/PIR/GeneS eq GenBank/EMBL/DDBJ/G eneSeq

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ターゲットヌクレオチドを検出する方法
    であって、 (a)分離用標識物質を有し、プライマーおよびdNT
    Pからなる群より独立して選択される第1のヌクレオチ
    ドと検出用標識物質を有し、第1のヌクレオチドとは異なる
    種類のヌクレオチドであり、且つプライマーおよびdN
    TPからなる群より独立して選択される第2のヌクレオ
    チドとを、 同一のターゲットヌクレオチドと液中で混合し反応させ
    る工程;および (b)前記分離用標識物質と検出用標識物質が共に結合
    されたターゲットヌクレオチドを検出することによっ
    て、ターゲットヌクレオチドを検出する工程; を具備するターゲットヌクレオチドを検出する方法。
  2. 【請求項2】 ターゲットヌクレオチドを検出する方法
    であって、 (a)分離用標識物質を有し、プライマーおよびdNT
    Pからなる群より独立して選択される第1のヌクレオチ
    ドと検出用標識物質を有し、第1のヌクレオチドとは異なる
    種類のヌクレオチドであり、且つプライマーおよびdN
    TPからなる群より独立して選択される第2のヌクレオ
    チドとを 、 同一のターゲットヌクレオチドと液中で混合し反応させ
    る工程;および (b)前記分離用標識物質と特異的に反応する物質に対
    して前記分離用標識物質を結合して回収し、回収された
    該分離用標識物質と共にターゲットヌクレオチドに結合
    される検出用標識物質を検出することによってターゲッ
    トヌクレオチドを検出する工程; を具備するターゲットヌクレオチドを検出する方法。
  3. 【請求項3】 ターゲットヌクレオチドを検出する方法
    であって、 (a)分離用標識物質を有し、プライマーおよびdNT
    Pからなる群より独立して選択される第1のヌクレオチ
    ドと検出用標識物質を有し、第1のヌクレオチドとは異なる
    種類のヌクレオチドであり、且つプライマーおよびdN
    TPからなる群より独立して選択される第2のヌクレオ
    チドとを、 同一のターゲットヌクレオチドと液中で混合し反応させ
    る工程; (b)前記分離用標識物質に特異的に反応する物質を固
    相化した支持体に対して、前記分離用標識物質を結合さ
    せ、前記支持体を洗浄して未結合の検出用標識物質を除
    去する工程;および (c)前記ターゲットヌクレオチドに反応された検出用
    標識物質を検出することによってターゲットヌクレオチ
    ドを検出する工程; を具備するターゲットヌクレオチドを検出する方法。
  4. 【請求項4】 請求項1から3に記載の検出方法であっ
    て、前記分離用標識物質と前記固相支持体との結合が、
    核酸反応以外の結合様式であることを特徴とするターゲ
    ットヌクレオチドを検出する方法。
  5. 【請求項5】 請求項1から4の何れか1項に記載の検
    出方法であって、第1のヌクレオチドおよび第2のヌク
    レオチドが、互いに異なる種類のdNTPであることを
    特徴とするターゲットヌクレオチドを検出する方法。
  6. 【請求項6】 請求項1に記載の検出方法であって、前
    記検出する工程が、化学発光のための酵素および基質を
    添加する工程と、前記酵素の存在下で発光する光が有す
    るエネルギーで測定する工程とを具備することを特徴と
    するターゲットヌクレオチドを検出する方法。
  7. 【請求項7】 ターゲットヌクレオチドを検出する方法
    であって、 (a)第1の標識物質を有し、プライマーおよびdNT
    Pからなる群より独立して選択される第1のヌクレオチ
    と、第2の標識物質を有し、第1のヌクレオチドとは異なる
    種類のヌクレオチドであり、且つプライマーおよびdN
    TPからなる群より独立して選択される第2のヌクレオ
    チド とを、 ターゲットヌクレオチドに混合して、第1のヌクレオチ
    ドと第2のヌクレオチドを同一のターゲットヌクレオチ
    ドと液中で混合し反応させる工程 ここで、第1の標識物質と第2の標識物質は互いに異な
    る信号をもたらす; (b)同一のターゲットヌクレオチドに反応された第1
    の標識物質からの第1の信号と、第2の標識物質から第
    2の信号とを、同時に検出する工程;および (c)前記(b)の工程において検出されるべき信号の
    有無および/または量を基にターゲットヌクレオチドの
    検出を判定する工程; を具備するターゲットヌクレオチドを検出する方法。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載の検出方法であって、第
    1のヌクレオチドおよび第2のヌクレオチドが、互いに
    異なる種類のdNTPであることを特徴とするターゲッ
    トヌクレオチドを検出する方法。
  9. 【請求項9】 請求項7に記載の検出方法であって、前
    記検出する工程が、化学発光のための酵素および基質を
    添加する工程と、前記酵素の存在下で発光する光が有す
    るエネルギーで測定する工程とを具備することを特徴と
    するターゲットヌクレオチドを検出する方法。
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